第12世代CoreシリーズのハイエンドCPU「Core i7 12700K」を詳しくベンチマーク & レビューします。
8コア16スレッド + 4コア4スレッドで合計12コア20スレッドが5万円台です。とても安いですが、ライバルのRyzen 9 5900Xや、旧世代のCore i9を過去に葬ることが出来るかどうか。詳しく見てみましょう。
Core i7 12700Kの仕様とスペック
CPU | Core i7 12700K | Core i9 10900K | Ryzen 9 5900X |
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ロゴ | |||
世代 | 12th Alder Lake S | 10th Comet Lake S | 4th Zen 3 |
プロセス | Intel 10 nm | Intel 14 nm+++ | TSMC 7 nm |
TIMCPU内部の熱伝導材 | ソルダリング薄化ダイ & IHSを分厚く | ソルダリング薄化ダイ & IHSを分厚く | ソルダリング |
ソケット | LGA 1700 | LGA 1200 | Socket AM4 |
チップセット | Intel 600 | Intel 400 / 500 | AMD 400 / 500 |
コア数 | 12 | 10 | 12 |
スレッド数 | 20 | 20 | 24 |
ベースクロック | 3.70 GHz | 3.70 GHz | 3.70 GHz |
ブーストクロック全コア使用時 | 4.90 GHz | 4.80 GHz | ~ 4.80 GHz |
内蔵GPU | UHD 770 | UHD 630 | なし |
GPUクロック | 300 ~ 1550 MHz | 350 ~ 1200 MHz | – |
TDP | 125 W | 125 W | 105 W |
MSRP | $ 419 | $ 499 | $ 549 |
参考価格 | 51800 円 | 72000 円 | 71480 円 |
CPU | Core i7 12700K | Core i9 10900K | Ryzen 9 5900X |
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世代 | 12th Alder Lake S | 10th Comet Lake S | 4th Zen 3 |
プロセス | 10 nm | 14 nm+++ | 7 nm |
TIMCPU内部の熱伝導材 | ソルダリング薄化ダイ & IHSを分厚く | ソルダリング薄化ダイ & IHSを分厚く | ソルダリング |
ソケット | LGA 1700 | LGA 1200 | Socket AM4 |
チップセット | Intel 600 | Intel 400 / 500 | AMD 400 / 500 |
コア数 | 12 | 10 | 12 |
スレッド数 | 20 | 20 | 24 |
ベースクロック | 3.70 GHz | 3.70 GHz | 3.70 GHz |
ブーストクロック全コア使用時 | 4.90 GHz | 4.80 GHz | ~ 4.80 GHz |
手動OC | 可能 | 可能 | 可能 |
L1 Cache | 1024 KB | 640 KB | 768 KB |
L2 Cache | 12 MB | 2.5 MB | 6 MB |
L3 Cache | 25 MB | 20 MB | 64 MB |
対応メモリ | DDR5-4800 DDR4-3200 | DDR4-2933 | DDR4-3200 |
チャネル | x2 | x2 | x2 |
最大メモリ | 128 GB | 128 GB | 128 GB |
ECCメモリ | 不可 | 不可 | U-DIMMのみ |
PCIeレーン | Gen5 + Gen4 | Gen3 | Gen4 |
16 + 4 | 16 | 16 + 4 | |
レーン構成 | 1×16 + 4 | 1×16 | 1×16 + 1×4 |
2×8 + 4 | 2×8 | 2×8 + 1×4 | |
– | 1×8 + 2×4 | 1×8 + 2×4 + 1×4 | |
内蔵GPU | UHD 770 | UHD 630 | なし |
GPUクロック | 300 ~ 1550 MHz | 350 ~ 1200 MHz | – |
TDP | 125 W | 125 W | 105 W |
MSRP | $ 419 | $ 499 | $ 549 |
参考価格 | 51800 円 | 72000 円 | 71480 円 |
Core i7 12700Kのスペック表は以上の通りです(※前任者のi9 11900Kがあまりにも不出来すぎたため、あえて2世代前のi9 10900Kをスペック表に入れています)。
従来のCore i7は8コア16スレッドでしたが、今回の第12世代Alder Lake世代のCore i7 12700Kでは一気に12コア20スレッドへジャンプ。ただし中身は8コア16スレッド + 4コア4スレッドを組み合わせた混合コア構成です。
Coreシリーズで初めての試みである「big.LITTLE(ヘテロジニアス構成)」を採用し、インテル自社開発の「Intel 7(Intel 10 nm)」プロセスで製造が行われます。
価格は419ドル、日本国内で約5.2万円です。スペックが近いライバルRyzen 9 5900X(約7万円)にとって非常に厄介な相手でしょう。旧世代のCore i7はもちろん、Core i9にとってもCore i7 12700Kは脅威です。
高性能コア「Golden Cove」と省エネコア「Gracemont」
前回の第11世代「Cypress Cove」コアを正統進化させた高性能コアが「Golden Cove」です。インテルは高性能コアを単に「Pコア(Performance Core)」と名付けています。
もうひとつのコアが、Atomシリーズから正統進化した省エネ性能に特化した「Gracemont」です。インテルは省エネコアを「Eコア(Efficiency Core)」と呼びます。
Pコア 高性能コア | Eコア 省エネコア | |
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設計 | Golden Cove | Gracemont |
性能 | Cypress Cove比 +19% | 第6世代Sky Lake比 +80% |
面積比 | – | Pコアの25% |
高性能コアはシンプルに第11世代をパワーアップさせたコアなので、文句なしにパワフルです。省エネコアは高性能コアのわずか25%の面積で実装されていますが、性能そのものは第6世代Sky Lakeに匹敵しており、単なる飾りとは言えないパワーの持ち主。
これら2種類のコアに対して、優先順位の違うタスクを割り当てて効率よく性能を高めます。スマホで現在使われているやり方だと、今まさに行っている作業を高性能コアにあてて、バックグラウンドアプリを省エネコアに当てる、といった方法です。
インテルは「Thread Director コントローラー」をCPU内部に実装し、扱われているタスクの傾向※を自動で分析、重たそうなタスクなら高性能コアに仕事をまわして、そうでないなら省エネコアに回します。
※タスクの傾向:処理のパターン、メモリアクセスの時間、レイテンシ、ロードやストアの頻度などから自動的にタスクの種類を分類。
第12世代が本気を出すために必要とされるWindows 11自体は、実は補助輪に過ぎません。「このタスクは高性能コアに当てたほうが良いかも?」といったヒントを示すだけで、実際にタスクの割り当てを行うのはCPU内部のThread Directorコントローラーです。
よってWindows 10においても、第12世代Coreは高い性能を示す可能性がおそらくあります。
インテル10 nmプロセスによる物量設計
動作クロックをそのままに性能を向上させる方法は、「同じ時間内に複数の処理を実行できる」設計をとにかく詰め込むことです。
たとえば、初期のAMD Ryzenは動画エンコードが性能の割に遅い欠点がありました。次世代のRyzenでは、AVX演算器の256 bit化(128 bitを2つずつではなく、256 bit単体にした)を行い、エンコード性能を大幅に改善しています。
第12世代Alder Lakeの高性能コア(Golden Cove)と省エネコア(Gracemont)も同じように、同じ時間内に複数の処理を実行できる設計をたくさん盛り込んで、クロックあたりの処理性能を大幅にパワーアップしています。
μOPキャッシュのエントリー数を倍増(2.25K → 4.0K)L1 iTLBエントリー数を倍増(128 → 256)、分岐予測に失敗したときのペナルティを最小限に抑えるため、L2分岐ターゲットバッファを2.4倍(5K → 12K = Zen3の約2倍)まで強化。
さらに、アウトオブオーダー実行のバッファサイズを352 → 512(Zen3の2倍以上)まで強化するなど、物量投入のオンパレードです。
ゴリ押しとも言える新設計の導入により、インテルは第11世代と比較して「IPCを平均19%も改善した」と主張します。
同じクロック周波数で性能が約1.2倍です。10世代と11世代でも約1.2倍の伸びだったので、インテルCPUは2世代のうちに約1.44倍もIPCを改善した計算に。
物量投入に伴ってチップ面積も大型化しますが、今回のインテルは長らく使い古したIntel 14 nmプロセスから、ついに10 nmプロセス(ブランド名はIntel 7)への微細化を伴います。
プロセス | トランジスタ密度 |
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TSMC 7 nm | 91.20 MTr / mm2 |
Intel 10 nm | 100.76 MTr / mm2 |
Samsung 7 nm | 95.08 MTr / mm2 |
Intel 10 nmプロセスのトランジスタ密度は約101 MTr/mm2で、AMDがRyzen製品の製造を委託しているTSMC 7 nmプロセスの密度が91.2 MTr/mm2と推定されています。
つまり、TSMC 7 nmプロセス以上に部品を詰め込めるからこそ、第12世代Alder Lakeのゴリゴリな物量設計が可能になったわけです。従来の14 nmプロセスで同じ設計を採用すると、チップが巨大化しすぎて採算が取れないでしょう。
もう一点付け加えると、インテルのCoreシリーズは内蔵グラフィックス(Xe Graphics)も搭載します。ライバルのZen3と戦えるCPU性能を確保するだけでも割と大変なのに、内蔵グラフィックスを詰め込む面積も必要でカツカツです。
DDR5メモリとPCIe 5.0をサポート
一般ユーザーにとって必要性がなくとも、先進性をアピールするために最新規格を先取りする例はよくあります。今回のAlder Lakeも同様に、まだ対応する製品がまったく出回っていない状況で、DDR5メモリとPCIe 5.0をサポートします。
世代 | 12th Alder Lake S | 11th Rocket Lake S | 10th Comet Lake S |
---|---|---|---|
PCIeレーン | Gen5 + Gen4 | Gen4 | Gen3 |
16 + 4 | 16 + 4 | 16 | |
レーン分割 | 1×16 + 4 | 2×8 + 1×4 | 1×16 |
2×8 + 4 | 1×8 + 3×4 | 2×8 | |
– | – | 1×8 + 2×4 |
PCIe 5.0はCPU側から16レーン(8レーン x2に分割可)です。記事を書いた時点で、PCIe 5.0に対応したグラフィックボードもNVMe SSDも無いので、現状はマーケティング的な意味合いが強いです。
世代 | 12th Alder Lake S | 11th Rocket Lake S | 10th Comet Lake S |
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対応メモリ |
|
|
|
メモリch | x2 | x2 | x2 |
DDR5メモリはDDR5-4800(デュアルチャネル)をサポート。メモリクロックに影響を受けやすいタスク(例:ゲーミング、動画編集、圧縮や解凍など)で恩恵がありそうに思えて、メモリのレイテンシが伸びているため期待した効果は得られないかもしれないです。
さらにDDR5メモリはDDR4メモリと比べて2倍近い価格で、入手も難しい状況。DDR5対応マザーボードの驚くほど高い価格も考慮すると、コストパフォーマンスが完全に終わってます。初期の頃は一部のメモリ好きが遊ぶだけでしょう。
互換性は終わり:LGA 1700に大型化
第12世代Alder Lakeから、新しいCPUソケット「LGA 1700」を導入。第10~11世代でつづいたLGA 1200との互換性は消滅します。
新型ソケットのLGA 1700は写真を見て分かる通り、シンプルにソケットのピン数が大幅に増えました。CPUソケットのピン折れに今まで以上に注意が必要です。
Core i7 12700KのCPU性能:5900XやCore i9に勝てるか
テスト環境
テスト環境 「ちもろぐ専用ベンチ機(2021)」 | |||
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PC | ver.Intel | ver.Intel | ver.AMD |
CPU | Core i7 12700K | Core i9 10900K | Ryzen 9 5900X |
冷却 | NZXT X63 280 mm簡易水冷クーラー | ||
マザーボード | ASUS TUF GAMINGZ690-PLUS WIFI D4 | ASUS ROG STRIXZ590-E GAMING | ASUS ROG STRIXX570-E GAMING |
メモリ | DDR4-3200 16GB x2使用モデル「G.Skill TridentZ C16」 | ||
グラボ | RTX 3080使用モデル「MSI VENTUS 3X OC」 | ||
SSD | NVMe 1TB使用モデル「Samsung 970 EVO Plus」 | ||
電源ユニットシステム全体 | 1200 W(80+ Platnium)使用モデル「Toughpower iRGB PLUS」 | ||
電源ユニットCPUのみ | 850 W(80+ Gold)使用モデル「Toughpower iRGB PLUS」 | ||
OS | Windows 11 Pro(Build 22000) 修正パッチ「KB5006746」導入済み | Windows 11 Pro(Build 22000) 修正パッチ「KB5006746」導入済み AMD「3.10.08.506」導入済み | |
ドライバ | NVIDIA 496.76 DCH |
Core i7 12700Kをベンチマークしていく、ちもろぐ専用ベンチ機のスペック表です。なるべくプラットフォーム間で同じようなスペックになるように調整しています。
Alder Lake世代はDDR5メモリに対応するプラットフォームですが、残念ながらDDR5メモリと対応するマザーボードの価格があまりにも高額すぎるため、本レビューでは両プラットフォームでDDR4-3200メモリを使って性能比較します。
OSはWindows 11 Proを新品の「Samsung 970 EVO Plus 1TB」にインストール済み。
Windows 11のバージョンはBuild 22000かつ、ゲーミング性能の不具合を解消した「KB50006746」パッチを適応、さらにAMD Ryzen側は性能低下を防ぐ最新版のチップセットドライバ(3.10.08.560以降)をインストール済みです。
おおむね同じスペックに揃えられていますが、マザーボードに関しては第12世代Coreだけ1ランク低いマザーボードを使います。今回のASUS E-GAMINGはDDR5対応となり、DDR4メモリの互換性が無いので断念しました。
※AMD Ryzenでは「1:1モード」、Intel CPUでは「Gear 1モード」と呼ばれています。互換性重視の「1:2」や「Gear 2」モードは実効性能が悪いので使わないです。
レンダリング性能
CPUの性能をはかるベンチマークとして、「CPUレンダリング」は定番の方法です。ちもろぐでは、下記3つのソフトを用いてCPUレンダリング性能をテストします。
- Cinebench R15
- Cinebench R23
- Blender(BMW)
日本国内だけでなく、国際的にも定番のベンチマークソフトです。なお、CPUレンダリングで調べた性能はあくまでも目安であり、CPUの性能を代表するスコアではない点は注意してください。
Cinebench R15だと、Ryzen 9 5900Xに届かないですが、Cinebench R23では見事に5900Xを打ち負かすマルチスレッド性能です。もちろん、シングルスレッド性能はR15とR23ともに5900Xを圧倒します。
Blender(2.93.1)のBMWレンダリングのテスト結果も、比較した中で最速の記録です。8コア + 4コアの混合コア構成で、2世代前の10コアCPUを過去のモノにします。お値段5万円で性能は7万円クラスです。
動画エンコード
CPUレンダリングと並んで、動画エンコードはCPUの性能を調べる定番の方法です。
- Handbrake
- Aviutl(rigaya氏の拡張プラグインを使用)
ちもろぐでは、フリー動画エンコードソフト「Handbrake」と、日本国内で人気の動画編集ソフト「Aviutl」における動画エンコード速度をテストします。
処理が軽い「Fast 480p」「Fast 1080p」から、処理が非常に重たい「MKV 480p(x265)」「MKV 1080p(x265)」まで、Core i7 12700Kはi9 10900KどころかRyzen 9 5900Xすら上回る処理速度を見せます。
Aviutlにて、拡張プラグイン「x264guiEx」「x265guiEx」を使って動画エンコードをしました。処理が軽い「x264」だとRyzen 9 5900Xが速いですが、「x265」ではCore i7 12700KがRyzen 9 5900Xより速いです。
動画エンコード性能は文句なしの水準です。5万円台でRyzen 9 5900Xに匹敵、場合によって超えられる性能なら素直に評価できます。
動画編集
「Davinci Resolve」はフリー動画編集ソフトとして、Aviutlと並んで完成度の高いソフトです。カラーグレーディングやVFX合成などプロ仕様な機能に加え、PCスペックをフルに活用できる洗練された設計が大きな強み。
ちもろぐでは、Puget Systems社のベンチマークプリセットを使って、Davinci Resolve 17における動画編集のパフォーマンスを計測します。バッチ処理でDavinci Resolveを動かして、それぞれの処理にかかった時間からスコアを出す仕組みです。
Davinci Resolve 17 / 4K動画編集 | |||
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テスト内容 | Core i7 12700K | Core i9 10900K | Ryzen 9 5900X |
Standard Overall Score | 1690/1000 | 1507/1000 | 1637/1000 |
4K Media Score | 132 | 118 | 140 |
GPU Effects Score | 133 | 127 | 126 |
Fusion Score | 242 | 207 | 225 |
「4K Test(4K動画編集)」の総合スコアは、Core i7 12700Kが1690点を記録。ライバルのRyzen 9 5900Xは1637点と接戦です。Core i9 10900Kはもうダメですね。
「Premiere Pro」は言わずもがな、超有名な動画編集ソフトです。Ryzenが登場した頃はマルチコアが効きづらい残念ソフトでしたが、2020年以降よりマルチコアが効きやすく最適化されています。
i7 12700Kの総合スコアは「969点」で、Ryzen 9 5900Xにあと一歩届かないスコアにとどまります。敗因はプレビュー性能でした。高解像度の動画素材をプレビューする処理はシンプルに物量タスクのようで、12コア24スレッドのパワーに押し負けています。
ただ、Eコアをもっと追加すれば全然勝てる雰囲気があるので、Eコアが倍増するらしいRaptor Lake世代はさらなる性能に期待できるでしょう。
圧縮と解凍
ファイルの圧縮と解凍のスピードを、有名なフリー解凍ソフト「7-Zip」を使って計測。付属のベンチマークツールで、圧縮と解凍のスピードを「MIPS」という単位で分かりやすく表示してくれます。
圧縮スピードは「89081 MIPS」で、Ryzen 7 5800Xにすら届かないです。解凍スピードは「117548 MIPS」で、やはりRyzen 7 5800Xに負けています。
圧縮と解凍において、Eコアの処理性能がほとんど活用されていないように見えます。
ブラウザの処理速度
PCMark 10 Professional版の「Microsoft Edgeテスト」と、ブラウザ上で動作するベンチマーク「mozilla kraken 1.1」を使って、CPUのブラウザ処理性能をテストします。
Edgeブラウザ(Chromium)の処理速度は、Ryzen 9 5900Xやi9 10900Kをサクッと抑えてトップに。シングルスレッドの速さがよく効いています。
krakenテストもシングルスレッド性能が反映されやすいです。残念ながらCore i5 12600Kとほとんど変わらない性能を記録していますが、基本的にトップクラスの速さです。
デスクトップ向けCPUとしては最強クラス、モバイルSoCだとiPhone 12のApple A14 Bionicに迫る処理速度だったりします。
なお、mozilla krakenは1000 ミリ秒が大きな目標のひとつで、ここでテストしたCPUはすべて1000 ミリ秒を下回っています。つまり、どれを選んでも実用上はまったく問題ない性能です。
Photoshop CC
写真編集の定番ソフト「Adobe Photoshop CC」の処理速度をテストします。Puget Systems社のプリセットを用いて、Photoshopを実際に動かして、各処理にかかった時間からスコアを算出する仕組みです。
Photoshop CC 2021 1800万画素の写真編集 | |||
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テスト内容 | Core i7 12700K | Core i9 10900K | Ryzen 9 5900X |
総合スコア | 1298 /1000 | 1020 /1000 | 1216 /1000 |
GPUスコア | 142.1 | 114.4 | 139.1 |
一般処理のスコア | 113 | 92.7 | 110.1 |
フィルタ系のスコア | 146.6 | 111.2 | 133.1 |
Core i7 12700KのPhotoshop総合スコアは「1298点」です。比較したCPUの中でもっとも高いPhotoshop性能です。
Core i5 12600Kと並んで、Core i7 12700KもPhotoshopにおすすめなCPUです。
Microsoft Office
パソコンの一般的なワークロードといえば、Microsoftの「Office」ソフトが代表例です。しかし、Microsoft Officeにベンチマークモードはありませんので、ちもろぐでは「PCMark 10 Professional版」を使います。
単なる再現テストではなく、PCMark 10が実際にMicrosoft Office(Word / Excel / PowerPoint)を動かして、各処理にかかった時間からスコアを算出します。
前回レビューしたCore i5 12600Kと同じような傾向が見られます。Wordだと性能をあまり発揮できず、Excelはトップクラス、PowerPointは8コア以上のRyzen 5000シリーズに大きくを差を付けられる状況です。
性能の傾向がばらついていますが、スコア自体は非常に高く、Core i7 12700Kのオフィスワーク処理性能はおおむね優秀です。
ビデオチャット(VC)の処理性能
コロナウイルスの流行によって、テレワーク(在宅勤務)の導入が進み、ビデオ通話(VC)ソフトも出番が増えています。
検証は「PCMark 10」のビデオ会議テストを使います。ビデオ通話のフレームレート、顔認識の処理速度、エンコード(アバター着用など)の処理速度から、ビデオ通話の性能をスコア化します。
ビデオ通話テストはまったく振るわない結果に。特に「顔識別」のCPUフレームレートはCore i9 10900Kを下回っており、処理が最適化されていない様子が伺えます。
「IPC」でCPUの真の進化をチェック
最後は「IPC(クロックあたりの処理性能)」をテストします。IPCが高いとは、つまるところ「同じクロックなのに性能が高い」わけですから、CPUのクロック周波数を固定してベンチマークを行えばある程度は明らかにできます。
方法はシンプルで、クロック周波数を3.5 GHzに固定してCinebench R15をシングルスレッドモードで実行するだけ。
Cinebench R15 / シングルスレッド性能@3.5 GHz
これでIPCの違いをキレイに抽出できます。グラフを見ての通り、Core i7 12700KもといAlder Lake世代はIntel Core史上最高のIPCを達成し、Zen3世代のIPCすら上回ります。
2世代前のComet Lakeと比較して約28%、前任者のRocket Lake比で約14%のIPC改善です。
Comet LakeからRocket LakeでZen2を超え、Rocket LakeからAlder LakeでついにZen3超え。息抜きを挟まず2回連続で設計変更を行ったインテルですが、着実に性能を改善しており、今後のRaptor Lake世代やMeteor Lake世代も期待が持てます。
とはいえ、第5世代Ryzen(Zen4)では約29%のIPC改善が予想されているため、IPC競争はまだイタチごっこが続く可能性も高いです。両陣営にとっては苦しい展開かもしれませんが、消費者にとっては歓迎すべき状況です。競争は大事です。
Core i7 12700Kのゲーミング性能
ゲームで100 fpsを軽く超えるハイフレームレートを出すなら、グラフィックボードの性能が重要です。と同時に、グラフィックボードが高性能であればあるほど・・・CPUの性能も影響が大きくなります。
ゲーマー向けグラフィックボードで、ほぼ最強の近い性能を持つ「RTX 3080」を使って、FF14ベンチマークのフレームレートを測定した結果です。
グラフを見ての通り、同じグラボなのに性能に差が出るのが分かります。これが「CPUボトルネック」と呼ばれる現象です。
基本的にゲーミング性能は適度なコア数(6~8コア)と、シングルスレッド性能の高さに相関性があるため、高性能コアが8個かつ最高峰のシングルスレッド性能を持つCore i7 12700Kのゲーミング性能はとても期待できます。
- Apex Legends
- Forza Horizon 5
以上2つの最新AAAタイトルを追加しました。
- Microsoft Flight Simulator 2020
一方で、MSFS2020を検証タイトルから外しました。アップデートの影響で過去のデータと整合性がまったく取れない上に、同じセーブデータを使ってもデータのばらつきが非常に大きく、(わずかな性能差を重視する)CPUの比較検証には不適切です。
フルHDゲーミング(11個)のテスト結果
ひとつずつグラフを掲載するとムダに長文になるので、テストした結果を以下のスライドにまとめました。
Core i7 12700KのEコアを無力化したデータも参考程度に掲載しました(Core i7 12700KPがEコアなし)。
テストした11個のゲームの内、9つのゲームでCore i7 12700Kはトップクラスのゲーミング性能を記録。Ryzen 9 5900Xに対して、実に10個のゲームでCore i7 12700Kが勝利を収める結果に・・・。
ただ、Ryzen 9 5900Xは内部的に6コア + 6コアで構成されるため、コア間のレイテンシ(CCXをまたぐ時のレイテンシ)が若干長いです。Core i7 12700Kに負けてしまった要因はおそらくレイテンシです。
平均パフォーマンス
測定した11個のデータを平均パフォーマンスとしてまとめました。
Core i7 12700Kの平均ゲーミング性能は、今回比較したCPUの中で最強です。各CPU間の性能差は微々たるものですが、過去のCore i9やライバルCPUを押しのけてトップに立っています。
Alder Lake世代はEコア側のレイテンシが遅く、キャッシュレシオも低いため(※Alder LakeのキャッシュレシオはEコアに引っ張られるため、かつてのコアレシオ – 300 Mhzの法則で動作しません)、過去の経験からするとゲーム性能の足を引っ張るような・・・予感がします。
だから比較データに「i7 12700KP(EコアをBIOSからカットした)」のデータを掲載しました。結果は意外で、思ったほど性能への影響が見られません。むしろ、ゲームによっては性能が下がっているケースも。
インテルはどうやら高性能コアは8個あれば十分と考えているフシがあります。今回の検証でだいぶ確証が得られました。10コアのi9 10900Kや12コアのRyzen 9 5900Xがあっさりi7 12700Kに負けている事実から、シングル性能とIPCを強化した高性能コアが8個あればゲーム用途に十分でしょう。
ダイ面積あたりのマルチスレッド性能はPコア < Eコアですので、次世代のRaptor Lakeが8コア + 16コアになるウワサも割と納得できます。
- Turning Power into Intelligence for 12th Gen Chips by Arik Ghion
なお、高性能コア(Golden Cove)と省エネコア(Gracemont)を組み合わせたヘテロジニアス構成(混合コア)の優位性については、Alder Lake世代の設計に関わったアーキテクトの一人であるArik Gihon氏の解説を参考にどうぞ。
消費電力とCPU温度
ちもろぐのCPUレビューでは、電力ロガー機能が付いた電源ユニットを2台使って、CPU単体の消費電力を実際に測定します。
テスト環境 | ||
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電源ユニット #1システム全体 | 1200 W(80+ Platnium)使用モデル「Toughpower iRGB PLUS」 | |
電源ユニット #2CPUのみ | 850 W(80+ Gold)使用モデル「Toughpower iRGB PLUS」 |
電源ユニットを2台に分けて電力供給を分割しているため、CPUに電力供給している電源ユニットの計測値(+12V Power)を見れば、CPU本体の消費電力が明らかになる仕組みです。
ゲーミング時の消費電力
比較的、CPU負荷が大きいFF15ベンチマークを実行中に、消費電力を測定した結果です。
今回比較を行ったi7 12700K、Ryzen 9 5900X、i9 10900Kの中で、i7 12700Kがもっとも省エネです(わずか5Wの差ですが)。
消費電力とワットパフォーマンス
Cinebench R23のストレステストを使って、CPU使用率を100%に維持します。
ストレステストの結果、Core i7 12700Kの消費電力は平均200.9 Wに達しており、Ryzen 9 5900Xの平均136.5 Wを軽く上回る1.5倍以上の消費電力です。
消費電力の高さが製造プロセスに起因するものなのか、設計時点の弱点なのかどうかは分かりません。
消費電力1ワットあたりのレンダリング性能(= ワットパフォーマンス)は、前世代と比較して大幅な改善が見られます。
- Core i7 12700K:Core i7 10700K = 約1.37倍
- Core i7 12700K:Core i9 10900K = 約1.60倍
- Core i7 12700K:Ryzen 9 5900X = 約0.73倍
- Core i7 12700K:Ryzen 7 5800X = 約1.03倍
しかし、142 W制限でも効率よくマルチスレッド性能を叩き出すRyzen 9 5900Xには、残念ながら30%も劣るワットパフォーマンスです。
CPU温度
Cinebench R23のストレステスト(10分間)を実行中に、CPU温度を記録します。Core i7 12700Kの消費電力は200 Wもある割に、ピーク時温度は74℃、平均値は71.1℃で意外と冷えています。
i7 12700Kは200 Wも消費しておきながら、なぜ意外と熱くないのか。理由は主に3つあります。
- ヒートスプレッダーの面積と厚みが従来世代より大きい
- チップ(ダイ)の厚みを従来世代よりさらに薄型化
- Ryzen 5000(Zen3)よりチップの面積が大きい
インテルが冷えやすいように工夫しています。チップの面積もAlder Lakeの方が大きいので、単純に熱密度が低いおかげで冷えやすいと推測できます。依然として、インテルCPUはRyzenより冷えやすい特性を維持します。
i7 12700Kを虎徹Mark IIで適切に冷やせるかどうかを試したので、参考にぜひ読んでみてください。
まとめ:第12世代Alder LakeマストバイCPUです
「Core i7 12700K」のデメリットと弱点
- ワッパはRyzen 9 5900Xに劣る
- 付属クーラーなし
- 限定的なオーバークロック
- CPUクーラーの互換性(LGA 1700)
- 初期設定だと消費電力が200 W台
- 安い空冷クーラーだと温度が心配
「Core i7 12700K」のメリットと強み
- 最強のシングルスレッド性能
- 優れたゲーミング性能
- マルチスレッド性能も驚異的
- 汎用性の高いCPU性能
- 前世代より改善されたワッパ
- 大人しいCPU温度
- PCIe 5.0と4.0をサポート
- DDR5メモリに対応
- 内蔵GPU「Xe Graphics」搭載
- 「Intel 10 nm」プロセス採用
- コスパがとても高い
Alder Lake世代で一番お買い得なCPUが「Core i7 12700K」です。
Ryzen 9 5900X(7万円台)に肉薄する優れたCPU性能と、Ryzen 9 5900Xを上回る高いゲーミング性能を両立します。シングルスレッド性能はRyzen 5000シリーズを超えて、現行最強クラスに君臨します。
i7 12700Kが提供する価値は非常に高いものの、価格はなんと5.2万円、内蔵グラフィックスを省いたKFモデルなら約4.9万円から購入できます。CPU単体のコストパフォーマンスは文句なしです。
2~3世代前のCoreシリーズを使っている人はもちろん、これから初めて自作PCをする予定の初心者にもおすすめしやすい、万人向けのCPUに仕上がっています。ゲーム性能、クリエイティブ性能、多方面で死角の少ないCPUです。
というわけで、ちもろぐの評価は「A+ランク」で決まりです。
かなり高性能なCPUで個人的に評価が高いのですが、デフォルト設定の200 W近い消費電力だと安価な空冷CPUクーラーで冷やし切れない可能性があります。
虎徹Mark IIで試した結果では90℃を超えてしまうので、DeepCool AS500など5000円台のミドルクラス空冷クーラーが欲しいです。なお、CPUクーラー代を含めてもRyzen 9 5900Xより安く済むので、トータルでのコスパは非常に強力です。
以上「Core i7 12700Kベンチマークレビュー:5万円でRyzen 9 5900Xを食らう」でした。
Raptor Lakeの情報さえなければノータイムでIYHなのですが…
Alder Lakeに投資しても1年後には、ソケットとクーラーの互換性が絶望的なE-core特盛性能正常進化版が出るのが分かっているのは悩ましいところ
今のが来年壊れてすぐに代替機が必要となっても、微良化Zen3Dと模様眺めかなと
Raptor Lakeは10%程度の小改良のみでE-Coreを増やすのが主のようで、それならE-Coreが元より半減されている12700Kを選ぶ層には1年も待たされるほどの情報でもないような。寧ろ12900Kではなく12700Kを買う層には価格も重視するのとで安心して買えそうな情報にも。
更にRaptor Lakeだとその半年後のブレークスルーが予想されるMeteor LakeがE-core倍増より美味しそうですが。
よって先のことよりも、今の割安にされている価格を楽しむ方が多そう。
Raptor Lakeは「DLVR導入やキャッシュ増強など発表済みの改良を全部足すと10%程度のシングルスレッド性能向上と概算できる」という状況で、「Alder lakeで実装されているのに無効にされている機能の有効化」等の詳細不明の改良の行方次第では、Zen2からZen3と同様にトランジスタを増やさずもっと伸びる可能性もありますよ。
1年待って、シングル10%程度でEコア倍増では本当に12700Kや12600Kを選択する人にはあまり価値が無いですから、ZEN4を余裕で圧倒しそうな20%以上は最低でも欲しいですよね。買い替えはさせたいでしょうからそのくらいは必要。
ですが同プロセスで更なる物量でカバーすることもあり、またAlder lakeのようなバーゲンプライスにする必要がないのと、Meteor Lakeが近いのもあるので待つタイプの人がどういう選択をするのかも含めて不透明なところはありますね。
欲しい時が買いで、早く動いた方が良いのだけは間違いないのですが。
ある意味倍率が抑えられた12700Kの方がZ690を選ぶ価値はありそうで、マザーボードも今は2~3万円は高いというほどでもないので、CPU単体でSランク評価ならばもうSランクのつもりで良さそうな気が。
このクラスでは4万円以上のハイクラスを選ぶとかも普通でマザーボードとは切り離して考えるほうが自然でもあり。
5900Xが普通にCPU単体で7万円以上 5950Xが10万円以上していたことを考えると、マザーボードの値段で評価を変えるのも違和感あるのとで。
とりあえず人気の12600Kと12900Kの影になってもいて、実売価格が落ちたことも美味しそう。
まだ最適化が不十分そうですが、シングル性能の高さで十分魅力ですね。
最近はIntelも頑張ってて嬉しいな自分はAMDerなんだけど、競争がないと価格は上がるし性能の伸びは悪くなるしでいいことなんもない(それでIntelからAMDに鞍替えした)。このまま永遠に価格性能で競っててほしいくらいだ。
お互い競い合ってて前世代を順当に越える性能が安く手に入ってしかも次の世代にも期待がもてるってマジでいい時代だよな
Alder lake(K付き)のピーク時の電力効率が悪く見えるのは、「意外と熱くない」というのが”原因”でしょう。放熱性がいいので他のCPUでは伸ばせないクロックまで伸ばせ”てしまう”、他のCPUでは焼けてしまう電力を投入しても焼けないだけの放熱性を持っているから使えてしまう、という使い方がK付きモデルではアンロックされているというところでしょうね。
ゲーム中の消費電力の所で実はRyzen以下の消費電力であると書いておられますけど、office編集やyoutube程度のもっと軽い負荷にすると、Ryzen 5000Xより明瞭に低消費電力であることが分かり、Alder lakeが元々ウルトラモバイルのLakefieldから発展してきた底力が垣間見えますよ。
もっとも、そのような普段使いの低消費電力性はゲーマー対象の自作界隈よりはモバイル版が出てからノートPCの検証として見るべきでしょうし、Zen3というCPUコア部分の設計はCezanneのように電力効率追求にチューニングすることもできるので比較は単純には行きませんが。
シェア挽回のためとはいえ4万円台で買える設定は大変頑張ってますね。
6+4コアな12600KFの3.5万円ともども。
i7だから5800Xの449ドルより安く419ドルでKFは385ドルなんですね。
5700Xがあればそれ相当の値段設定と思えば納得。
マザーボードはZ690だけの今は2.65万円以上してますが、CPUが能力的に2万円は安いのでまだZ690でも12700Kはお得感が強いですね。
来月にはH670/B660/H610も出るので更に。
CPU自体は非常に魅力的なのですが、Z690のエントリーでも3万円なのがコスパを悪化させますね
マザーが高すぎます
S評価できない理由が互換性がなく来月のB660等を待てずならば、ZEN4も良くてA~A+ですね。互換あるDDR4が選べずマザーボードよりお高いDDR5しか選べないならAも厳しくなりそう。
良きライバルになりそうなLaptor LakeがAlder Lakeと互換性があるならば、ZEN4は良くてB+止まりと心得ます。
逆にROG STRIXのようなハイクラスも3万円台で買えたりとお得感も同居してますね。
YouTubeでは見てたけど、
Googleのオススメにまだ出てきた
(笑)
めちゃくちゃ性能いいんだけど、10700kから変えてもそんなにfps差が無いしメモリもマザーもバカ高いのがなぁ
>第12世代が本気を出すために必要とされるWindows 11自体は、実は補助輪に過ぎません。
>「このタスクは高性能コアに当てたほうが良いかも?」といったヒントを示すだけで、
>実際にタスクの割り当てを行うのはCPU内部のThread Directorコントローラーです。
これ、逆なのでは?
ヒントを出すのはあくまでCPU内のITDであって、タスクの割り当てはOSの仕事です。
Eコアのシングルスレッド性能はCINEBENCHでPコアに比べてどのくらいになるのでしょうね。
BIOSでEコアは全て無効に出来ても、Pコアは最低でも1コアは有効にする必要があるので、
CINEBENCHでEコアのシングル測定ができないのがもどかしいというか...
Eコア単体での性能も気になりますよね。
タスクマネージャーから手動でEコアのみにタスクを割り当てることができるので、それを使えば測定ができそうです。
Eコア単体はある程度調べられていて、
12900kのEコアx8をフル回転させてCinebench r23を取ると
シングル1086(i3-10100やR3-3100に準じる)
マルチ10366(i5-11600やR5-5600Xに準じる)
消費電力約65Wって所です。
ただこれ、本来の想定を超えたクロックでワッパが最悪であり、
Pコア込みのフル回転時にはこれの半分の消費電力で8割の性能を出すのが本来の設計だと思います
AMDなら3000番台使ってたりすればCPU単体の価格で勝負できるけど、
要交換マザボを除いて12700を単体価格で比較するのはどうなんだろうか?
最低でも今出ている最安マザボの金額でも足すべきではない?
3000番台のマザーボード代金をどう考えるか?
また5000番の性能を発揮するためには、古いマザーから新しいマザーに買い替える人も割と多い。
CPUの評価として妥当ではないし、そこまで考慮するとしてもそもそもCPU自体が2~2.5万円安いので優秀さは覆らない。
そもそも5900Xと5950Xのレビューはしないの?
10900kから12700kに買い替えました
結果大満足
ddr4マザーだけどシネベンチ23でddr5メモリのスコアとほぼ変わらないスコア出せたし
なにより7万もする5900xをぶちまかしてるのが最高に嬉しい
11世代にはほんとにがっかりしてたけど12世代はマジコンの神
ただ、マイクロソフトが足引っ張る無能でWINDOWS11が糞すぎるのが非常に腹立つ!インテルの足引っ張るなよと言いたい
12世代はWIN11と相性抜群言うからアプデしたのにWIN10から劣化してるのホント最悪
インテルは最高なのになぁ
まだまだBIOSとOSの両面から最適化が不十分ですが、それでもこの性能ですから救い。
それも面白さと捉えれば今後の伸びしろでもあり自作派にはそれほど悪くないのかも。
全体的に12世代は価格が2万円程度抑えられている感覚でTSMCやSAMSUNGの値上げ基調の最中に十分ライバルにカウンターとなる世代ですね。
次のすでにテープアウトしてるはずの第13世代は同プロセスのIPC10%分とEコア倍の増量のようなので、コスト面でライバルとの優位性は消えそうですが生産量ではインテル有利か。ZEN3も増量でのアップ版が出るようですし。その後はTSMCになり生産コスト増加は避けられそうにないので価格勝負は難しく性能勝負がより激化しそうですが。
そんな中、12700Kはなぜか特に着々と実売価格の下がりが目立ち4万円台まで落ちたりのバーゲンプライス的存在ですね。遊べるKシリーズでのマストバイ。
25ドル差で3千円近く安くなるはずの12700KFは12600Kとの差が96ドルしかないほどに近くなり12600Kとの迷いを一層強めている割安プライスですね。
12700KはP-Coreのベースクロックは3.7GHzではなく3.6GHzが正しい。
これから追加される5800X3Dや5700Xでも実質対抗できないですし、12700系の価格設定の良さと満足度の高さは歴代でも突出しているように思う
しかも特にゲームなどの一般的な負荷では実はライバルより低消費電力で冷やしやすいのとでより実感
シングル性能が高いと8コアで十分で4コアでも割と快適そうでハイエンドでなくとも第12世代は魅力的、低コスト展開的にも強いのが相対的に見えています