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マイニングベースの「Astromeda」を解説レビュー:光って魅せるゲーミングPC

「手頃な価格で光るデザインゲーミングPCが欲しい。」という、デザインにこだわるゲーマーにピッタリなゲーミングPCブランドが、マイニングベースの「Astromeda」です。

LEDライティングに対応しつつ、コスパ良し。しかし知名度が低いので悩んでいる…人向けに、実際にAstromedaを1台使って解説してみます。

「Astromeda」は日本初の光るゲーミングPCブランド

「Astromeda」は日本初の光るゲーミングPCブランド

ゲーミングPCを作るBTOメーカーはたくさんありますが、LEDライティング対応の光るパーツを多用する「光るデザインに特化した」BTOメーカーは意外と少ないです。

よく探せば自作代行系メーカーのサイコムや、アライアンスモデルを中心に展開しているアークから、一応は光るゲーミングPCが販売されています。しかし、決してコスパが良いとは言えず、そこそこ値段が高いのが難点です。

そんな中、2018年に創業してばかりのマイニングベース社が、「Astromeda」というゲーミングPCブランドを作りました。「光る」「コスパよし」を両立するブランドとしては、おそらく国内初です。50種類を超えるラインナップで、価格はピンからキリまで用意されています。

ラインナップ(種類)はピンからキリまで豊富

「Astromeda」のラインナップ
CPU
  • AMD Ryzen(第2~3世代)
  • Intel Core(第7~9世代)
グラボ
  • Radeon RX 470 ~ RX 5700 XT
  • GeForce GTX 1050 Ti ~ RTX 2080 Ti
メモリ
  • 8 GB
  • 16 GB
  • 32 GB
  • 64 GB
  • LEDモデル有り
SSD
  • 240 GB
  • 500 GB
  • 1 TB
  • 最大で2台まで
HDD
  • 2 TB
  • 4 TB
  • 8 TB
  • 10 TB
  • 最大で2台まで
参考価格
  • 最高:約34万円
  • 最安:約7万円
発送
  • 早くて:即日
  • 遅くて:翌々日

ラインナップをザックリとまとめました。ローエンド、ミドルクラス、そしてハイエンドまで全て揃っています。CPUとグラフィックボードはモデルごとに固定ですが、メモリやストレージ類はモデルを問わずカスタマイズ可能です。

電源ユニットは500 W(80 PLUS Standard)、または750 W(80 PLUS Gold)の2種類のみ。消費電力が多いハイエンドモデルでは、電源ユニットは750 W固定となっています。

ニーズ別に4つのタイプを用意

4タイプに分類される「Astromeda」
「Astromeda AQUA」:水冷特化Astromeda AQUA240 mmの中型水冷ユニットを搭載した、冷却性能特化型モデル。
「Astromeda」:スタンダードAstromeda光るCPUクーラーを搭載するスタンダードモデル。幅広いラインナップが魅力。
「Astromeda Micro」:コンパクトモデルAstromeda Micro小型PCケース採用で、省スペース性に優れたコンパクトモデル
「B-Astromeda」:半分自作キットB-Astromedaグラフィックボードを搭載していない、半自作キット的な位置づけ。

Astromedaブランドは、目的やニーズ別に4タイプに分かれています。

「Astromeda AQUA」がいわゆる最上位グレード。Enermax製のLEDライティングに対応した簡易水冷ユニットを使っており、デザイン性と高い冷却性能を両立を狙うモデルです。ラジエーターの大きさは240 mmなので、冷却性能はそこそこです。

CPUに合わせたクーラー選び

「Astromeda」はCPUクーラーに空冷クーラーを使ったごく標準的なモデル。使われる空冷クーラーはCPUによって違っていて、高性能なCPUほど大型なクーラーを使い、大人しいCPUには小型なクーラーを使い分けているようです。

「Astromeda Micro」はマイクロという名前の通り、コンパクトなPCケースを使った省スペース性に特化したモデル。PCケースが小さいと置き場所がかなり自由になる一方、小さくなった分だけ拡張性は犠牲になります。

「B-Astromeda」はおそらくベース(Base)を意味するモデルで、もっとも基本的なパーツだけが入っています。グラフィックボードは搭載されていないため、グラボだけ自分で用意しておいて、届いた後に自分で組み入れて使います。

以上の4タイプからどれを選ぶかは、人それぞれ目的に合わせて自由に選んでくれれば大丈夫です。おすすめはもちろん、スタンダードな「Astromeda」か、冷却性能に特化した「Astromeda AQUA」の2つです。

やかもち
今回は「Astromeda」を1台、マイニングベース様に貸し出してもらったので、詳しく検証します。

Astromedaのスペックと概要

Astromedaのスペックを解説
Astromeda / Core i5 + GTX 1660モデル
スペック標準仕様推奨カスタマイズ
CPUCore i5 9400F
冷却CoolerMaster製「I70C」※120 mmの中型空冷ファン
グラボGTX 1660 6GB
※2スロット占有の内排気モデル
メモリDDR4-2400 4GB x2(合計8GB)DDR4-2400 8GB x2(合計16GB)
マザーボードIntel H370搭載(ATX規格)
SSD240 GB※メーカー不明512 GB(M.2 SATA)信頼性の高いSamsung製に
HDD
ドライブ
電源500W 静音電源メーカー不明 /80+ Standard認証
OSWindows 10 Home 64bit
保証1年間 / 持込修理保証
参考価格118980円(税込み)最新価格をチェックする
スペック表は2019/11時点の製品ページに基いてまとめたモノです。最新のスペック状況は、必ず公式サイトで確認してください。

今回レビューしていくのは、税込み約12万円のAstromeda(Core i5 9400F / GTX 1660 / White)です。コスパ良く、最新ゲームを60 fps以上でプレイ可能なスペック構成として「Core i5」と「GTX 1660」あたりを組み合わせるのは、割と王道になっています。

ただし、標準スペックだとSSDとメモリの容量が心もとないので、一部カスタマイズしました。メモリを8 GBから16 GB(LEDモデル)に増量し、SSDは240 GBから512 GB(Samsung製)に変更です。

これらのカスタマイズで約1.1万円ほど価格が上がりますが、メモリとSSDの容量は快適なゲーミングライフとって非常に大事です。特にここ最近の最新ゲームは、使用するメモリ容量が増え、ゲーム1本あたり容量もどんどん巨大化しています。

(最新ゲームをプレイする前提なら)8 GBのメモリと、240 GB程度のストレージではすぐに枯渇するため、必ずメモリとSSDの増量をした方が良いです。

Astromedaを実機レビュー

梱包と付属品

Astromeda(White)をレビュー(開封)

まず驚いたのがパッケージ。いわゆる大手のBTOだと、メーカーのロゴが入ったダンボールに梱包されているのが一般的です。それがマイニングベースのAstromedaでは、使っているPCケースの箱にそのまま梱包しています。

PCケースの梱包は割と頑丈ですので、コストカットの方法としては合理的です。

Astromeda(White)をレビュー(開封)

開封するとAstromeda本体が、10 cmくらいの分厚いクッション材に挟まれていました。隙間に付属品などが入っている封筒が2つ入っています。

Astromeda(White)をレビュー(開封)

箱の中身はこれだけです。

Astromeda(White)をレビュー(付属品)

付属品はAstromeda本体の説明書に加え、各種パーツの説明書も同封されていました。電源ケーブルもあります。

Astromeda(White)をレビュー(付属品)

説明書にはPCケースのインターフェイスの内容や、初回セットアップのやり方について解説されていました。初めてゲーミングPCを買う人でも、とりあえず説明書を読めば「起動」まで行けますね。

PCケースの特徴とデザイン

Astromeda(White)をレビュー(PCケースの外観)

Astromeda(Whiteモデル)のPCケースは、Bitfenixというメーカーの「Enso Mesh」です。ミドルタワー型のPCケースで、光学ドライブやHDDを搭載するマウントベイを思い切って排除したオープンな設計が特徴。

側面はアクリルパネルでほぼ透明になっており、中身が完全に見えるデザインに。LEDライティングで光り輝く「魅せるゲーミングPC」を構成する上で、透明なパネルは重要な要素になっています。

Astromeda(White)をレビュー(PCケースの外観)

反対側は、シンプルに真っ白な粉体塗装が施されています。わずかにザラザラとした手触りが良い感じです。

Astromeda(White)をレビュー(PCケースの外観)

フロント側はメッシュ構造になっています。ホコリを通しにくくするフィルター的な役割を果たしつつ、内部に取り付けられている3つのケースファンの吸気効率を高める構造です。

Astromeda(White)をレビュー(インターフェイス類)

フロントパネル側のインタフェースパネル(フロントパネル)は必要十分な内容です。

  1. イヤホン入出力
  2. LED切り替えボタン
  3. 電源ボタン
  4. 再起動ボタン
  5. USB 3.0
  6. USB 3.0

外付けHDDなどを使う時に重宝するUSB 3.0ポートは2つあります。LED切り替えボタンは、PCケースに取り付けられているLED対応パーツの光り方を変更できるボタンです。

初心者もち
ちなみにどんなふうに光り方が変わるの?
LEDライティングの点灯パターン※クリックで画像拡大します
AstromedaのLEDライティング機能を試すAstromedaのLEDライティング機能を試すAstromedaのLEDライティング機能を試す
AstromedaのLEDライティング機能を試すAstromedaのLEDライティング機能を試すAstromedaのLEDライティング機能を試す
AstromedaのLEDライティング機能を試すAstromedaのLEDライティング機能を試すAstromedaのLEDライティング機能を試す
AstromedaのLEDライティング機能を試すAstromedaのLEDライティング機能を試すAstromedaのLEDライティング機能を試す
AstromedaのLEDライティング機能を試すAstromedaのLEDライティング機能を試すAstromedaのLEDライティング機能を試す

全部試したところ、なんとびっくり15種類もパターンがありました。無点灯が1つ、単色が9つ、パターン点灯が5つの合計15種類です。AstromedaのLEDライティング機能は決して「おまけ」レベルではなく、かなり本格的です。

Astromeda(White)をレビュー(PCケースのLED機能)

パターン点灯では、合計6個の120 mmケースファンと、側面にそって貼り付けてあるLEDストライプが7色に光り輝きます。

Astromeda(White)をレビュー(PCケースのLED機能)

激しく色が切り替わるパターンから、緩やかに色が変化していくパターンまで。豊富に揃ってます。

Astromeda(White)をレビュー(PCケースのLED機能)

なお、マザーボードのLEDライティングはPCケースの切り替えボタンから制御できません。マザボのLEDを設定するには、Astromedaにプリインストールされているソフト「ASRock Polychrome Sync」を使う必要があります。

マザーボードのLEDは「ASRock Polychrome Sync」で設定する

やかもち
低価格なBTOでありながら、LEDライティング機能はかなり充実してます。
Astromeda(White)をレビュー(インターフェイス類)

続いてPCケースの背面(リアパネル)をチェック。こちらも真っ白に粉体塗装が施されてキレイです。ただしインターフェイスパネルは塗装されていません。

Astromeda(White)をレビュー(インターフェイス類)

インターフェイスパネル(リアパネル)の内容を確認します。

  1. PS/2
  2. USB 2.0 x2
  3. Display Port
  4. D-Sub
  5. HDMI
  6. USB 3.1 Gen1 x2
  7. USB 3.1 Gen2 Type-C x1
  8. USB 3.1 Gen2 Type-A x1
  9. LANポート
  10. WiFiアンテナ取り付け口
  11. オーディオ入出力
端子解説
WiFiアンテナWiFiモジュールを取付可能
USB 3.1 Gen1約500 MB/sの速度で転送できるUSBポート
USB 3.1 Gen2 TypeA約1000 MB/sの速度で転送できるUSBポート
USB 3.1 Gen2 TypeCTypeAと違って、左右対称・小型なポート
LANポートここにLANケーブルを挿すとネットにつながる
オーディオ入出力緑が「出力」で、ピンクが「マイク入力」
PS/2超古いキーボードやマウスを使うための端子
HDMI最近のモニターなら大抵はついてる端子
Display Port値段が高めのモニターについてる端子
DVI-D安物のモニターに多い端子(最近は減ってきた)
D-Sub安物のモニターで見かける端子(最近は減ってきた)

リアパネルのインターフェイスも必要十分な内容です。USBポートは合計6つあり、そのうち4つはUSB 3.1 Gen1またはGen2になっています。PC周辺機器はもちろん、高速な外付けSSDを使っても問題ありません。

Astromeda(White)をレビュー(インターフェイス類)
  1. Display Port
  2. Display Port
  3. HDMI
  4. Display Port

グラフィックボード側のコネクタは、最近のモニターでもっぱら主流になりつつある「HDMI」を1つ、「Display Port」を3つの合計4ポートです。レガシーになりつつあるD-Sub端子はありません。

古いモニターだとHDMIやDisplay Portがない場合もあるので、事前にチェックしてください。もし、無かった場合はAstromedaを買うついでにモニターも買い替えてしまっていいと思います。

Astromeda(White)をレビュー(PCケースの外観)

天面はフラット(平面)ですが、ケースファン用の通気口が用意されています。マグネット式の防塵フィルターが取り付けてありました。

Astromeda(White)をレビュー(PCケースの外観)

天面には120 mmのケースファンを2つ取付可能。Astromedaは最初からLED対応のファンが2つ取り付けてあるので、特に交換する必要はないです。

Astromeda(White)をレビュー(PCケースの外観)

底面をチェック。吸気用のスリットが前後にあり、エアフローを確保しやすいデザインです。四隅の足にはゴム製の滑り止めが装着済み。

中身とパーツをチェック

両側のサイドパネル(フタ)を開けて、Astromeda(White)の内部コンポーネントをレビューしていきます。

Astromeda(White)をレビュー(中身のパーツ)

中身はとてもシンプルです。裏配線が施されているおかげで、ケース内部に露出しているケーブルが少ないです。

Astromeda(White)をレビュー(中身のパーツ)

電源ユニットなどが設置されているボトムカバーの側面には、「Astromeda」のロゴマークが刻印されていました。

Astromeda(White)をレビュー(中身のパーツ)

反対側は裏配線でびっしり。ただ、過剰な固定はされていないため、メンテナンス性はそれほど悪くなさそうです。中央に見える小さな基板は、LEDライティングを制御するためのモジュールです。

Astromeda(White)をレビュー(中身のパーツ)

HDDやSSDを増設できる3.5インチベイは、PCケースの底の方に配置されています。空きは2スロットです。

Astromeda(White)をレビュー(中身のパーツ)

CPUクーラーはCoolerMaster製の「I70C」を搭載。LEDライティング(青色固定)に対応した、トップフロー型のCPUクーラーです。ファン口径は120 mmで、Core i5を冷やす分には問題ない冷却性能を得られます。

そしてCPUクーラーを取り囲むように、120 mmのケースファンが取り付け済み。

Astromeda(White)をレビュー(中身のパーツ)

フロントパネル側にも、同様に120 mmのケースファンが3つ取り付けられています。

Astromedaのエアフロー設計

よって、Astromedaのエアフロー設計はこうなります。フロントパネルから「吸気」して、天面と背面から「排気」する、やや斜めに角度がついた一方通行のエアフローです。

Astromeda(White)をレビュー(中身のパーツ)

メモリはコルセア製のDDR4メモリ(LEDライティング機能付き)が2枚挿し込まれています。容量は8 GBで合計16 GBです。空きスロットがあと2つありました。

LEDメモリはカスタマイズ必須

一応補足しておきますが、LEDメモリは標準スペックのままでは入っていません。

カスタマイズから「LEDメモリ」を選ぶ

LEDメモリを希望する場合は、必ずカスタマイズから「LEDメモリ」を選ぶ必要があります。

Astromeda(White)をレビュー(中身のパーツ)

グラフィックボードは「GTX 1660 6GB」です。今回のAstromedaに搭載されているのは「Gigabyte」製のデュアルファンモデルでした。

Astromeda(White)をレビュー(中身のパーツ)

マザーボードは「ASRock Fatal1ty H370 Performance」が採用されていました。CPUの安定性に関わるVRMフェーズを合計で10個搭載しているので、Core i5が相手なら余裕すぎるVRMフェーズです。

H370 Performanceはそれ以外のところも優秀で、LANポートは安定のインテル製、オーディオチップは高音質なALC1220を採用しています。そしてLEDライティング機能も付いています。

  1. PCI Express x1
  2. PCI Express x16(グラボで使用済み)
  3. PCI Express x1
  4. PCI Express x16
  5. PCI Express x1
  6. PCI Express x1
  7. M.2スロット
  8. M.2スロット(WiFi用)
  9. M.2スロット(使用済み)
  10. SATA 3.0(空き6本)

拡張性は良好です。サウンドカードやUSB拡張カードは問題なく、WiFiモジュールやM.2 SSDも増設でき、HDDやSSDは最大であと5個まで増やせます(M.2スロットを使い切った場合は4個になります)

ハッキリ言ってかなり余裕のある拡張性です。

スロット解説
PCI Express x16グラフィックボードや高性能なLANカードを増設できる
PCI Express x8ローエンドなグラボや高性能なLANカードを増設できる
PCI Express x4LANカードやサウンドカードを増設できる
PCI Express x1主にサウンドカードやキャプチャカードの増設に使う
PCI スロットものすごく古い拡張カードなら出番があるかも…(化石)
M.2 ソケットM.2規格の小型SSDやWiFiモジュールを増設できる
SATA 3.0主にSATA規格のHDD / SSD / 光学ドライブの増設に使う
Astromeda(White)をレビュー(中身のパーツ)

搭載されている電源ユニットはThermaltake製「SMART 500W Standard」でした。容量500 Wで、効率は80 Plus Standardを取得しています。残念ながらいわゆる安物電源であり、個人的にはあまり推奨していません。

今回のAstromedaだと、消費電力はせいぜい200 Wちょっと。正直なところ、十分に余裕は確保されているため、このままの電源ユニットでも普通に使う分には問題はないと思います。

カスタマイズで電源ユニットを上位品に変更

カスタマイズで上位品に変更可能

ただ、せっかく10万超えのゲーミングPCを買うなら、+6000円で「750 W(80 Plus Gold)」の電源ユニットに交換してしまった方が良いです。

Standard電源からGold電源では、効率が約10%も変わってきますし、効率が高いとそれだけ熱も下がって故障する確率が低下します。あと熱が下がるとファンの回転数が減って、静音性まで上がるメリットまで。

やかもち
Astromedaに使われているPCパーツは基本的に問題ないです。電源ユニットだけは変更をおすすめします。

ゲーミング性能を徹底検証

Astromedaのゲーミング性能をテスト

パーツチェックの次は、AstromedaがゲーミングPCとしてどこまで優れた性能を発揮できるのか。詳しい動作検証を行います。

  • 定番ベンチマークだけでなく
  • 実際のゲームプレイで実測検証もする

直感的に性能が分かりやすいように、実際にゲームを動かしてどれくらいの平均フレームレートを出せるのかを確認していく。ベンチスコアよりも平均fpsの方がずっと重要です。

定番ベンチマーク

ベンチマーク結果画像
3DMarkFireStrike14351総合 : 11924 / 上位32%Astromedaのゲーミング性能を検証
3DMark
TimeSpy
5524
総合 : 5488 / 上位52%
Astromedaのゲーミング性能を検証
FINAL FANTASY 14漆黒の反逆者 : 1920×108013166
評価 : 非常に快適
Astromedaのゲーミング性能を検証
Final Fantasy XVベンチマーク : 1920×10805874
評価 : やや快適
Astromedaのゲーミング性能を検証
BIOHAZARD 622256
ランク : S(快適)
Astromedaのゲーミング性能を検証
PSO 2PHANTASY STAR ONLINE 245805
評価 : 快適
Astromedaのゲーミング性能を検証
SteamVR9 点
生成フレーム : 9786
Astromedaのゲーミング性能を検証
UnigineHeaven Benchmark1663
平均fps : 66.0
Astromedaのゲーミング性能を検証

フルHD向けのベンチマークは問題なし。おおむねGTX 1660らしい性能で、ほとんどのゲームで平均60 fpsくらいの動作を期待できます。

次はベンチマークではなく、実際にゲームをプレイした場合の性能も見てみましょう。

フルHDゲーミングのfpsを実測

ゲーム内のグラフィック設定を「最高」にして、MSI Afterburnerを使ってフレームレートを記録します。そして記録から平均フレームレートを計算して、以下グラフにまとめました。

Astromeda(GTX 1660モデル)のゲーミング性能Astromeda(GTX 1660)フルHD(1920 x 1080) / 最高設定
  • Apex Legends
    93.8 fps
  • Call of Duty : BO4
    97.2 fps
  • CS:GO
    263.2 fps
  • Overwatch
    131.2 fps
  • PUBG
    86.2 fps
  • Rainbow Six Siege
    120.2 fps
  • Fortnite : Battle Royale
    91.5 fps
  • Final Fantasy 14
    91.3 fps
  • Assassin Creed Odyssay
    47.0 fps
  • ARK Survival Evolved
    35.3 fps
  • Deus EX : Mankind Devided
    50.5 fps
  • Grand Theft Auto V
    79.8 fps
  • Monster Hunter World
    51.8 fps
  • NieR : AutomatA
    57.8 fps
  • Shadow of the Tomb Raider
    61.0 fps
  • Watch Dogs 2
    74.3 fps
  • Witcher 3
    61.8 fps
  • 黒い砂漠
    71.8 fps
  • 平均フレームレート
    76.6 fps

平均100fps超平均60fps以上平均60fps未満

もっとも一般的なモニターの大きさである「フルHD(1920 x 1080)」では、一部の超重たいゲームを除き、だいたいは平均60 fpsをクリアしています。最新のFPSゲームは平均90 fps前後で十分な性能です。

CPU性能とコンテンツ作成能力

今回のAstromedaに搭載されているCPUは「Core i5 9400F」です。最大3.9~4.1 GHzで動作する6コア6スレッドのCPUで、ゲーム用途から多少のクリエイティブタスクまで対応できる性能を期待できます。

まずは定番のCPUベンチマークから検証します。

定番ベンチマーク

ベンチマーク結果画像
Cinebench R15シングルスレッド性能174 cbやや速いAstromedaのCPU性能を検証
Cinebench R15マルチスレッド性能947 cb普通
BlenderCPUレンダリング6分02秒普通AstromedaのCPU性能を検証
CPU-Zシングルスレッド性能466.9やや速いAstromedaのCPU性能を検証
CPU-Zマルチスレッド性能2645.7普通
Geekbench 4シングルスレッド性能5029やや速いAstromedaのCPU性能を検証
Geekbench 4マルチスレッド性能19630普通
PCMark 8Home / 日常的なアプリ5719上位1%AstromedaのCPU性能を検証
PCMark 8Creative / 写真や動画編集8494上位4%AstromedaのCPU性能を検証
PCMark 8Work / オフィスワーク5943上位1%AstromedaのCPU性能を検証
x264 Handbrake平均処理フレーム数64.58 fps普通AstromedaのCPU性能を検証
x265 Handbrake平均処理フレーム数37.01 fps普通AstromedaのCPU性能を検証
7-Zip / 圧縮26263 MIPS普通AstromedaのCPU性能を検証
7-Zip / 解凍23085 MIPS普通
Mozilla Kraken 1.1Webアプリの処理速度938.8 msやや速いAstromedaのCPU性能を検証

Core i5なので、性能としては標準的です。オフィス系のソフトはほぼ最速に近いパフォーマンスで、動画エンコードやレンダリングなどの重たいソフトでは、ごく普通な性能でした(6コアなので当然)

画像編集「Photoshop CC」

ガレリアZGを実機レビュー(写真)

クリエイティブなタスクと言えばAdobeが有名。その中でも特に有名な「Photoshop CC 2018」の処理速度を、バッチファイルを使い実際に動かして計測しました。

マシンAstromedaGALLERIA XV
CPUCore i5 9400FCore i7 8700
グラボGTX 1660RTX 2060 Super
メモリ16GB8GB
総合スコア770.4 /1000706.2 /1000
一般処理のスコア68.163.1
フィルタ系のスコア81.872.2
Photomergeのスコア85.482.5
GPUスコア81.181.7

スコアは約770点です。テストは1000点満点なので、今回のAstromedaはPhotoshopを約8割くらいのスピードで動かすことができる、という意味になります。十分快適に使える性能です。

マシンAstromedaGALLERIA XV
CPUCore i5 9400FCore i7 8700
GPUGTX 1660RTX 2060 Super
RAM16GB8GB
総合スコア770.4706.2
一般処理のスコア68.163.1
フィルタ系のスコア81.872.2
Photomergeのスコア85.482.5
GPUスコア81.181.7
テストの詳細結果
RAW画像の展開3.284.39
500MBへのリサイズ1.71.63
回転1.131.39
自動選択16.8614.75
マスク4.566.36
バケツ2.672.14
グラデーション0.451.17
塗りつぶし17.2913.75
PSD保存16.5315.66
PSD展開2.913.2
Camera Raw フィルタ7.0811.17
レンズ補正フィルター17.9923.35
ノイズ除去22.4825.37
スマートシャーペン25.8625.41
フィールドぼかし17.8819.36
チルトシフトぼかし17.2517.06
虹彩絞りぼかし19.2918.64
広角補正フィルター20.6920.26
ゆがみツール(Liquify)9.6514.5
Photomerge(2200万画素)93.493.19
Photomerge(4500万画素)123.96133.19

※「Puget Systems Adobe Photoshop CC Benchmark」を使用しました。

ゲーム配信「OBS」

ゲーム配信ソフトで特に有名な「OBS(略:Open Broadcaster Software)」を使って、Astromeda(Core i5モデル)の配信性能を検証します。

OBSの設定画面
ガレリアZGを実機レビュー(写真)ガレリアZGを実機レビュー(写真)ガレリアZGを実機レビュー(写真)

検証方法はFinal Fantasy 14:紅蓮のリベレーター(最高設定)の序盤1分を、フルHD(1080p 60fps)で配信と録画を行い、どれだけのゲーム映像をちゃんと配信できたかをチェック。

検証は2パターン行います。CPUで録画配信をした場合(設定は4つ)と、グラボで録画配信をした場合(設定は2つ)の2パターンで、合計6つの設定です。

なお、ゲームプレイ時のフレームレートは144 fpsを上限に設定して、快適なゲームプレイと配信の両立ができるかどうかをチェックします。

OBSで録画と配信(144 fps制限)
設定レンダリングラグエンコードラグ平均fps
CPUでsuperfast21.0%0.0%85.8 fps
veryfast6.0%15.0%76.3 fps
faster14.7%80.7%83.5 fps
fast20.0%89.9%85.0 fps
グラボでPerformance21.1%22.0%94.8 fps
Quality21.8%23.2%85.1 fps

残念ながら、6コアのCore i5だとリアルタイムのゲーム配信はかなり荷が重いです。とても軽い設定の「superfast」品質でも2割くらいドロップ(コマ落ち)してしまったので、ゲーム配信をするなら最低でも8コアCPUが欲しいです。

たとえば、8コア16スレッドの「Core i9 9900K」を搭載している「Astromeda AQUA」などを検討する必要があります。

MNG-Base / CPU : Core i9 9900K / メモリ : DDR4-2666 8GB x1 / グラボ : RTX 2060 Super 8GB / SSD : 240GB / 備考 : イルミネーションLED搭載

ストレージ性能と詳細

Astromedaの標準ストレージは「240GB SSD」ですが、今回は容量500 GBのサムスン製に交換しています。

ストレージSSD
詳細情報Astromedaのストレージ性能を検証
ベンチマークAstromedaのストレージ性能を検証

搭載されているSSDはサムスン製「PM871a」でした。サムスンの一般向けSSD「850 EVO」のOEM向けモデルにあたるSSDです。読み込みは約548 MB/s、書き込みが約529 MB/sで、SATA SSDとして問題ない性能を記録しています。

エアフロー

Astromedaのエアフローをチェック

サーモグラフィーカメラを使って「Astromeda」の内部温度を撮影しました。フロントパネル側に3つの吸気ファン、天面と背面に3つの排気ファンが取り付けてあるため、理想的なエアフローが生成されています。

内部コンポーネントの温度

Astromedaのエアフローをチェック

マザーボードのVRMフェーズ回路まわりの表面温度は、ゲーミング時にわずか35~36℃でした。ASRock H370 Performanceのフェーズ回路が優秀なのに加え、トップフロー型のCPUクーラーが風を吹き付けるため非常に冷えやすいです。

熱暴走などのトラブルが起きる可能性は、ほぼ皆無と言えます。

Astromedaのエアフローをチェック

電源ユニットの内部温度は、35~37℃前後です。80 Plus Standard電源なのでもう少し発熱するかと思いましたが、思った以上に温度は上がりませんでした。やはりCore i5とGTX 1660の消費電力はおとなしいですね。

コストパフォーマンスを重視する人は、電源ユニットはそのままでも良いかもしれないです(筆者としてはプラス6000円で選べる、80 Plus Gold電源をおすすめしますが)

ゲーミング時の動作温度をチェック

ゲームにしてはCPUへの負荷が大きい「FINAL FANTASY XV」を実行している時に、CPUの温度を計測してみました。

AstromedaのCPU温度

Core i5 9400Fの温度は最大61℃(平均55℃)でした。何の問題もありません。

Astromedaのグラボ温度

グラフィックボード(GTX 1660 6GB)は、最大66℃(平均64℃)でした。こちらも余裕ですね。気温が30℃を超える夏場でも、75℃前後くらいに抑えられる余裕があるので、安心して運用できます。

静音性能を騒音計で検証

Astromedaの動作音(騒音値)を計測

校正済みのデジタル騒音メーターを使って、Astromedaの動作音(騒音レベル)を計測します。ケースパネルを閉じて、50 cmくらい距離をとって計測を行いました。

Astromedaの動作音(騒音値)を計測
  • PC起動前:31.3 dBA(極めて静か)
  • アイドル時:41.0 dBA(普通)
  • ゲーミング:41.2 dBA(普通)

それぞれの中央値(平均ではなく、真ん中に位置する数値)をまとめました。

PC起動時にすべてのケースファンが全開で回転する動作があり、その瞬間だけ騒音値は50 dBA近くまで跳ね上がります。扇風機を「強」モードにしたような動作音でかなりうるさいです。

とはいえ、ほんの数秒で収まるので実用上の問題は特にないです。起動したあとは41.0 dBA前後のごく普通の動作音が続き、ゲーム中も動作音はまったく変わらず普通のままでした。

ゲームしても、何もしてなくても動作音が変わらない理由はケースファンです。PCの温度に関係なく、常に一定の回転数を維持し続けるため、CPUクーラーやグラフィックボードの動作音はケースファンによってかき消されます。

やかもち
スピーカーでゲームするなら少し気になる動作音だけど、ヘッドセットをするなら問題ない程度の動作音です。

「Astromeda」レビューまとめ

Astromedaのスペックを解説
AstromedaLEDライティング対応のゲーミングPCブランド
PROSメリットと強み
  • 低価格なのに高機能なLEDライティング機能
  • 「光って魅せるゲーミングPC」が手頃な価格
  • 6個のケースファンで良好なエアフロー
  • メンテナンス性に優れたPCケース
  • 問題ない冷却性能
  • 耐久性に優れるASRock製マザーボード採用
  • 納期が速い(最短で即日発送)
  • ピンからキリまで豊富なラインナップ
CONSデメリットと弱み
  • 動作音は「普通」な傾向
  • 光学ドライブを付けられないPCケース
  • カスタマイズの自由度は低め
CONCLUSION「Astromeda」はどんな人におすすめ?
  • コスパよく「光って魅せるゲーミングPC」
  • 水冷モデルでデザインと冷却性能を両立
  • SNS映えするPCデスク環境を作りたい

「Astromeda」は、とにかくLEDで光る機能に特化したゲーミングPCブランドです。安価なモデルでも、LEDライティングは最大15パターンに対応し、マザーボードのLEDまでソフトウェアで設定可能でした。

手頃な価格でコスパよく、流行りの「光って魅せるゲーミングPC」デビューしたいゲーマーにおすすめなブランドです。特に最近はIoT家電が広まりつつあり、LEDライティング対応の照明器具も増えています。

キレイに光るゲーミングPC「Astromeda」と、Philips HueのようなLED照明と合わせれば、それなりにSNS映えするPCデスク環境を作ることだって可能です。

「空冷クーラーだと冷却性能がちょっと心配。」という人には、上位モデルの「Astromeda AQUA」が用意されています。LEDライティング対応の240 mm簡易水冷ユニットによって、デザイン性と冷却性能を両立できます。

というわけで「Astromeda」ブランドは、「低価格でデザイン重視」あるいは「デザインも欲しいし冷却性能も欲しい」、という一般ユーザーとは違うこだわりを持っているゲーマーにピッタリです。

以上「マイニングベースの「Astromeda」を解説レビュー:光って魅せるゲーミングPC」でした。


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