地球上でもっともゲーミング性能が高いCPU「Ryzen 7 9800X3D」を搭載した、筆者おすすめゲーミングPCを「4台」に絞って解説します。
(公開:2025/2/1 | 更新:2025/2/1)
「Ryzen 7 9800X3D」のキホンを解説
(Zen5世代 / 8コア16スレ / 3D V-Cache:64 MB)
「Ryzen 7 9800X3D」は、ゲーム性能を飛躍的に高める3次元キャッシュ層「3D V-Cache」を搭載したゲーム特化型CPUです。
基本的なスペックこそ、下位モデルのRyzen 7 9700Xと同じ8コア16スレッドですが、3D V-Cacheを使ってキャッシュ容量を32 → 96 MBに増設しています。
たかだか96 MBのキャッシュ容量でどんな効果が出るのか?
たとえば「Escape from Tarkov」の場合、Ryzen 7 9800X3DはCore i7 14700KやRyzen 7 9700Xに対して約1.4倍の性能です。
15個のゲームタイトルで性能比較すると、Ryzen 7 9800X3Dがぶっちぎりでトップ性能です。
Core i9 13900Kより約34%、下位モデルのRyzen 7 9700Xより約34%、インテルの最新モデルCore Ultra 9 285Kより約49%もフレームレートが高いです。
とにかくRyzen 7 9800X3Dを使うと、RTX 4070 Ti SUPERやRTX 5080などハイエンドなグラフィックボードから本気の実力を引き出せます。
既存のCore i9やUltra 9ではグラフィックボードの本気をうまく引き出せないです。特に、昨今増えている最適化不足のゲームが相手なら、なおさら性能差が開きます。
たとえば「Escape from Tarkov」「原神」「鳴潮」「モンハンワイルズ」「サイバーパンク2077」「MSFS 2024」「エルデンリング」「ゼンレスゾーンゼロ」などなど・・・。
マトモに最適化されていない有名ゲームが大量です。3D V-Cacheは効果がないゲームがあるから意味がない、といった意見もありますが、正直なところ実際に使っていない人の感想です。
実際にRyzen 7 9800X3Dを所有し、20以上のゲームで検証を続けている筆者の手持ちデータを見る限り、効果があるゲームが多数派でした。
国産サバイバルRPG「パルワールド」を、4K解像度でテストしました。
たしかにCore i9やRyzen 7と比較して性能差が縮小するものの、Core Ultra 9から見れば約1.5倍もの性能差です。
とても意味がないと言えるデータじゃないし、そもそも4KゲーミングでもCPUの性能差が出やすくなっています。グラボの負荷を軽くしてfpsを上げる「DLSS」や「FSR」を使うと4Kでも性能差が開きます。
ゲーム性能の強さに焦点を当てられるRyzen 7 9800X3Dですが、ゲーム性能以外にもメリットがあります。
- 全体的にRyzen 7 9700Xより高性能
- 消費電力がとても少なく省エネ
- 高性能な周辺パーツがいらない
3D V-Cacheがゲーム以外のクリエイティブなタスクでも若干効果があり、結果的に下位モデルのRyzen 7 9700Xより全体的に性能が高いです。
X3Dはゲームが強くてもクリエイティブ用途が・・・と言われているのは過去の世代。最新世代のRyzen 7 9800X3Dなら懸念を払拭しています。
次に消費電力の異常なまでの少なさ。ゲーム時の消費電力は平均60 W前後に過ぎず、安物のCPUクーラーとマザーボードで問題なく運用できてしまいます。
つまり、周辺PCパーツのコストを抑えやすく、Core i7~Core i9を使ったゲーミングPCよりパソコン全体のコストを安くできる傾向です。
Ryzen 7 9800X3Dは現時点で最高のゲーミング性能を持つCPUですが、その圧倒的な性能を活かすには相応のグラフィックボードが必要です。
筆者のおすすめは最低でも「RTX 4070 SUPER」以上から。できれば「RTX 4070 Ti SUPER」以上をおすすめします。
「Ryzen 7 9800X3D」のより詳しいベンチマーク比較は↑こちらの記事を参考にどうぞ。
Ryzen 7 9800X3D搭載のおすすめBTO PC:4選
【迷ったらこれ】G-GEAR 9800X3D
同価格帯より充実した標準スペックで推せる
GE7A-P250/BH 2025年2月時点のスペック | |
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CPU | Ryzen 7 9800X3D (8コア / 16スレッド) (第2世代 3D V-Cache : 64 MB搭載) |
CPUクーラー | 空冷CPUクーラー |
マザーボード | AMD B650チップセット (2.5G LANポート搭載) |
メモリ | 32 GB (DDR5-4800 / 2枚組) |
グラフィックボード | RTX 4070 Ti SUPER (標準スペック) RTX 4080 SUPER (+44000円で変更可) |
SSD | 1 TB (NVMe SSD) |
HDD | – |
無線LAN | Wi-Fi 6 (最大1.2 Gbps / Bluetooth 5.2) |
電源ユニット | 850 W (80 PLUS Gold) |
OS | Windows 11 Home |
納期 | 最短16日 |
保証 | 1年間 (自然故障を無償修理) |
参考価格 | 約38.0 ~ 42.4万円(送料込み) 最新価格をチェックする |
Ryzen 7 9800X3D搭載ゲーミングPCでイチオシが、ツクモ「G-GEAR GE7A(Ryzen 7 9800X3D)」です。
標準仕様で容量32 GB(DDR5-4800)メモリ、容量1 TBの高速NVMe SSDを搭載。
カスタマイズ画面からグラボを選択できます。標準モデルが「RTX 4070 Ti SUPER」、44000円の追加料金で「RTX 4080 SUPER」に変更可能です。
Ryzen 7 9800X3Dと組み合わせる場合、RTX 4070 Ti SUPERでも十分ですが、せっかくゲーム最強CPUを使うならRTX 4080 SUPERに交換する価値があります。
G-GEAR GE7Aの他社と比較した大きなメリットが、パーツの拡張性です。
- M.2 SSD:あと2枚まで
- SSD / HDD:あと4台まで
※PCケースの仕様でHDDは2台まで - キャプチャーボードなど:あと2枚まで
あとから自分でSSDやHDDを増設したり、配信用のキャプチャボードを挿し込んだり、自由にカスタマイズできます。
そのほか、標準スペックの時点で「Wi-Fi 6(最大1200 Mbps)」と「2.5G LAN(最大2500 Mbps)」の高速ネットワーク機能も対応済み。
品質の高い高速な光回線を引いていれば、100 GB単位の大型ゲームのダウンロードが数分で終わります(※筆者の検証でSteamサーバーから平均250 MB/sでダウンロード可能でした)。
【最新グラボ】G-GEAR RTX 5080
最新世代「RTX 5080」搭載ゲーミングPC
GE7A-N251/BH 2025年2月時点のスペック | |
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CPU | Ryzen 7 9800X3D (8コア / 16スレッド) (第2世代 3D V-Cache : 64 MB搭載) |
CPUクーラー | 空冷CPUクーラー |
マザーボード | AMD B650チップセット (2.5G LANポート搭載) |
メモリ | 32 GB (DDR5-4800 / 2枚組) |
グラフィックボード | RTX 5080 16GB (標準スペック) |
SSD | 1 TB (NVMe SSD) |
HDD | – |
無線LAN | Wi-Fi 6 (最大1.2 Gbps / Bluetooth 5.2) |
電源ユニット | 850 W (80 PLUS Gold) |
OS | Windows 11 Home |
納期 | 最短16日 |
保証 | 1年間 (自然故障を無償修理) |
参考価格 | 約48.1万円(送料込み) 最新価格をチェックする |
Ryzen 7 9800X3D搭載で最高のゲーム性能なら、ツクモ「G-GEAR GE7A(RTX 5080)」がおすすめ。
先に紹介したG-GEAR(9800X3D)モデルから、グラフィックボードを「RTX 5080 16GB」に切り替えた新モデルです。
グラボ本体のゲーム性能的にRTX 4080 SUPERとかなり似ていてコスパはあまり変わらないですが、「DLSS MFG(4倍フレーム生成)」など、従来世代で対応しない新機能を使えます。
ただし、DLSS MFGを使えるゲームはまだまだ少ないです。将来的な伸びしろに期待して多少の差額を払っても構わない、と考えられるリッチゲーマー向け。
【コスパ重視】マウス「NEXTGEAR JG」
人気ブランド & コスパが高くて大人気!
NEXTGEAR JG-A7G7A 2024年8月時点のスペック | |
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CPU | Ryzen 7 9800X3D (8コア / 16スレッド) (3D V-Cache : 64 MB搭載) |
CPUクーラー | 240 mm水冷CPUクーラー |
マザーボード | AMD A620チップセット |
メモリ | 16 GB (DDR5-5600 / 2枚組) |
グラフィックボード | RTX 4070 SUPER |
SSD | 1 TB (NVMe SSD) |
HDD | – |
無線LAN | – |
電源ユニット | 750 W (80 PLUS Bronze) |
OS | Windows 11 Home |
納期 | 最短11日 ※現在「入荷待ち」です |
保証 | 3年間 (センドバック修理保証 + 電話サポート) |
参考価格 | 約30.9万円(送料:無料) 最新価格をチェックする |
もう少し予算を抑えて、コストパフォーマンス重視で選ぶなら「NEXTGEAR JG(9800X3D)」が魅力的。
(筆者が購入したNEXTGEAR JGの中身)
「Ryzen 7 9800X3D」に対して少々過剰な冷却性能がある、240 mmサイズ水冷式CPUクーラーを標準で取り付け済みです。
容量16 GB(DDR5-5600 / 2枚組)のメモリと、容量1 TBの高速NVMe SSDを搭載します。
(メモリを16 → 32 GBに増量がおすすめ)
正直なところ、容量16 GBのメモリは最新ゲームをプレイするには少し不安があるから、予算が許すなら容量32 GBにアップグレードをおすすめします。
自分でメモリ交換をやっても差額はせいぜい1000~2000円程度です。プロにやらせた方がお得です。
なお、価格を抑えるためマザーボードの拡張性がかなり控えめです。
- M.2 SSD:空きなし
- HDDやSSD:最大4台まで
※PCケースの仕様でHDDは1台まで - キャプチャーボードなど:あと1枚まで
メモリとM.2 SSDを後から増設できませんが、SATAポートが4本あるのでSATA SSDを最大4台まで増設できます。
一番下の空いているPCIeスロットに変換カードを使って、M.2 SSDをあと1枚まで増設できます。ゲーミングPC用としては、割りと十分な拡張性です。
まとめると、NEXTGEAR JGはゲーミング性能と3年間の保証サービスにコストを大きく振り分けて、拡張性はあえて割り切ったゲーミングPCです。
筆者の好みなスペック構成だったりします。予算に限りある条件なら、筆者も似たような構成で見積もりを取るからです。
予算が限られたゲーミングPCで追求するべきは性能(フレームレート)で、拡張性の優先度は下がります。
2025年の今、安くて高性能で大容量なSSDが珍しくないです。拡張性が限られていても、容量の大きなパーツを少量いれるだけで問題を解決できます。
実際にNEXTGEAR(7800X3Dモデル)を買ってみたレビューはこちらから。
【コスパ重視】パソコン工房「LEVEL R7」
NEXTGEAR – 3年保証 = パソコン工房「LEVEL」
LEVEL-R7B6-LCR98D-UTX 2025年2月時点のスペック | |
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CPU | Ryzen 7 9800X3D (8コア / 16スレッド) (3D V-Cache : 64 MB搭載) |
CPUクーラー | 360 mm水冷CPUクーラー |
マザーボード | AMD B650チップセット (2.5G LANポート搭載) |
メモリ | 32 GB (DDR5-4800 / 2枚組) |
グラフィックボード | RTX 4070 Ti SUPER |
SSD | 1 TB (NVMe SSD) |
HDD | – |
無線LAN | – |
電源ユニット | 750 W (80 PLUS Bronze) |
OS | Windows 11 Home |
納期 | 最短5日 |
保証 | 1年間 (自然故障を無償修理) |
参考価格 | 約36.5万円(送料:無料) 最新価格をチェックする |
マウス「NEXTGEAR」シリーズから保証サービスを引いて、価格を重視したゲーミングPCがパソコン工房「LEVEL R7」です。
価格を重視したモデルの割に、謎に標準スペックが充実していて「隠れコスパ」モデルだったりします。
Ryzen 7 9800X3Dに対して過剰に見える大型360 mmサイズ水冷式CPUクーラーを取付済み。
明らかにCPUに対して過剰な装備ですが、どちらかといえばCPUよりも、グラフィックボードの放熱を優先した設計です。
Ryzen 7 9800X3Dを使うと、グラフィックボードから100%の性能を引き出せます。100%の性能を引き出す = 熱も相当に出てしまうから、CPUの冷却とエアフローを兼ねる目的で水冷クーラーを使っています。
メモリの容量は32 GB(DDR5-4800 / 2枚組)、SSDの容量は1 TB(高速NVMeモデル)で問題なし。容量750 Wの電源ユニットで十分すぎる余裕を確保しています。
ゲーミングPCに十分な拡張性も備えます。
- M.2 SSD:あと1枚まで
- HDDやSSD:最大4台まで
※PCケースの仕様でHDDは2台まで - キャプチャーボードなど:あと2枚まで
あとから自分でSSDやHDDを増設したり、配信用のキャプチャボードを挿し込んだり、そこそこ自由にカスタマイズ可能です。
姉妹モデルですが、パソコン工房「EVEL∞」自腹で購入したレビューはこちら。
「Ryzen 7 9800X3D」搭載BTO PC【比較まとめ】
【迷ったらこれ】G-GEAR 9800X3D 2025年2月時点のスペック | |
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価格 | 約38.0万円(送料込み) 最新価格をチェックする |
【ハイエンドおすすめ】G-GEAR RTX 5080 2025年2月時点のスペック | |
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価格 | 約48.1万円(送料込み) 最新価格をチェックする |
【コスパと保証重視】NEXTGEAR JG(9800X3D) 2025年2月時点のスペック | |
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価格 | 約30.9万円(送料:2200円) 最新価格をチェックする |
【コスパと性能重視】LEVEL R7(9800X3D) 2025年2月時点のスペック | |
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価格 | 約36.5万円(送料:3300円) 最新価格をチェックする |
以上の4台が、筆者的におすすめできる「Ryzen 7 9800X3D」搭載BTOゲーミングPCです。
どれを選ぶか迷ったら、とりあえずツクモ「G-GEAR GE7A(Ryzen 7 9800X3D)」をおすすめします。
予算を抑えつつ3年間のメーカー保証を重視するなら「NEXTGEAR JG(9800X3D)」が魅力的。ハイスペックの割に安いゲーミングPCなら「LEVEL R7」がコスパよし。
以上「GeForce RTX 4070 Ti SUPER搭載のおすすめBTO PCを4つ紹介」について解説でした。
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値段が高過ぎる。