Radeon RX 580の性能:GTX 1060 6GB版と比較しながら解説

Radeon RX 580はAMD製のミドルクラス向けGPU。フルHD画質でゲームをするユーザーに向けて作られたグラボで、スペック上の性能はライバルのGTX 1060 6GBと非常に似ている。そして気になるのは実際の性能から見て、RX 580とGTX 1060のどっちを選んだほうが良いのか。

この記事ではRX 580の性能について、GTX 1060と比較しながら解説してみる。

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Radeon RX 580の仕様:GTX 1060との違い

Radeon RX 580はPolaris 20世代のグラフィックボード。先代はPolaris 10世代のRadeon RX 480で、RX 580はその後継にあたる。しかし、実態は単なるリネームモデルであって、特に大きな変化はありません。

GPURadeon RX 580GTX 1060 6GB
ダイ
世代Polaris 20Pascal GP106
プロセスサイズ14nm16nm
トランジスタ数57億個44億個
ダイサイズ232mm2200mm2
クロック周波数1257 Mhz1506 Mhz
ブーストクロック1340 Mhz1709 Mhz
シェーダーユニット数23041280
TMU数14480
ROP数3248
演算ユニット3610
VRAM容量8192 MB6144 MB
VRAM規格GDDR5GDDR5
VRAM帯域幅256.0 GB/s192.2 GB/s
理論性能(FP32)6175 GFLOPS4375 GFLOPS
TDP185W120W
MSRP$ 229$ 299

よって、RX 480との比較は行わず、価格的にも性能的にも「競合」であるGTX 1060 6GBとカタログスペックの比較を行います。ザッと見て分かる通り、NVIDIAとAMDの両者は戦略が違うということに気づくはずだ。

トランジスタ数、ダイサイズ、そしてシェーダーユニット数(=グラボのコア数)はGTX 1060よりRX 580の方が遥かに多い。コア数が多い分、クロック周波数は低めだが、理論性能(FP32)を見るとRX 580が50%もリードしています。

つまり…

  • GTX 1060 6GB:コア数は少ないけど、クロック周波数は高い
  • Radeon RX 580:コア数が多い代わりに、クロック周波数が低い

これが両者の決定的な違いです。NVIDIAは高クロックでフレームレートを狙い、AMDは圧倒的なマルチスレッド性能(=コア数の多さ)でフレームレートを得ようとしている。

しかし、一般的にコア数が多ければ多いほど「最適化」が難しくなる。ソフトウェア(ゲームソフト)側がマルチコア環境に最適化されていなければ、クロック周波数の高いGPUが有利になりやすい。

RX 580は演算処理性能という観点で見ればGTX 1060 6GBを50%も上回るが、実際のゲーミングでそれだけの性能差を出せるかどうかは分からない。というわけで、実際にデータを見て確認していこう。

ゲーミング性能:RX 580はGTX 1060に勝てるか

3DMark FireStrikeや紅蓮のリベレーターの公式ベンチマークなど、グラボの性能はベンチマークソフトの「スコア」で示されがちですが…グラボの性能を測る上でもっとも参考になるのは「動作フレームレート」です。

テストが行われた環境
CPUCore i7 7700K @4.50Ghz
M/BASRock Z270 Extreme 4
RAMDDR4-3200 8GB x4 (32GB)
SSDSamsung 850 EVO 2TB
OSWindows 10 Pro 64bit
DriverGeForce Driver 381.89
AMD Crimson ReLive 17.4.4

米TechSportのデータを参照します。テスト環境は表の通り。CPUには一般向けCPUで2番目にゲーミング性能が高い「Core i7 7700K」が、4.50Ghzにオーバークロックされた状態で使用されました。

マザーボードは電源周りが充実しているASRockのハイエンドモデル「Extreme 4」、メモリはゲーム用途には十分過ぎる32GBかつ動作クロックは3200Mhz。ストレージは当然「SSD」なので、ボトルネックになり得る要因は、ほぼ全て排除されています。

よって純粋に、GTX 1060 6GBとRX 580の性能を測ることが可能な環境です。以下、平均フレームレートのデータが続きます。

Grand Theft Auto V

Grand Theft Auto V / ウルトラ設定(1920×1080)

  • GTX 1060 6GB
    116
  • GTX 1060 6GB
    100
  • RX 580 8GB
    106
  • RX 580 8GB
    86

平均フレームレート最低フレームレート(全体の1%)平均フレームレート最低フレームレート(全体の1%)

Steamでもっとも売上高が大きいGTA VはGTX 1060が平均116fpsで、RX 580は平均106fpsに。

The Witcher 3

The Witcher 3 / ウルトラ設定(1920×1080)

  • GTX 1060 6GB
    53
  • GTX 1060 6GB
    47
  • RX 580 8GB
    50
  • RX 580 8GB
    46

売上本数が1000万本を超える、超人気RPG「Witcher 3 : Wild Hunt」は元々重たいゲームだけに、GTX 1060もRX 580も平均60fpsには届いていない。それでもGTX 1060の方が若干優秀です。

Rise of the Tomb Raider

Rise of the Tomb Raider / ウルトラ設定(1920×1080)+DX12

  • GTX 1060 6GB
    65
  • GTX 1060 6GB
    47
  • RX 580 8GB
    67
  • RX 580 8GB
    49

DirectX12を有効化したことが影響しているのか、RX 580の方が高いフレームレートを叩き出せている。

Ashes of the Singularity

Ashes of the Singularity / 最高設定(1920×1080)+MSAA x4

  • GTX 1060 6GB
    61
  • GTX 1060 6GB
    48
  • RX 580 8GB
    64
  • RX 580 8GB
    48

最高設定にすると割りと重たいAshes of the Singularityは、最低フレームレートはどちらも同じですが、平均フレームレートではRX 580の方が高い。

Far Cry Primal

Far Cry Primal / ウルトラ設定(1920×1080)+SMAA +HD Tex Pack

  • GTX 1060 6GB
    69
  • GTX 1060 6GB
    55
  • RX 580 8GB
    66
  • RX 580 8GB
    52

HD Texture Packを適用した状態のウルトラ設定です。GTX 1060 6GBは平均69fpsで、RX 580は平均66fpsと若干負けている。

The Division

The Division / ウルトラ設定(1920×1080)+DX12

  • GTX 1060 6GB
    63
  • GTX 1060 6GB
    52
  • RX 580 8GB
    70
  • RX 580 8GB
    53

DirectX12を有効化したThe Division。Rise of the Tomb Raiderと同様、やっぱりDX12が有効になっているとRX 580は性能を発揮しやすいようです。平均フレームレートは約10%も引き離すことに成功。

Hitman 2016

Hitman 2016 / ウルトラ設定(1920×1080)+DX12 +SMAA

  • GTX 1060 6GB
    89
  • GTX 1060 6GB
    66
  • RX 580 8GB
    90
  • RX 580 8GB
    67

Hitman 2016。同様にDX12が有効化されているが、結果はほぼ互角。

Overwatch

Overwatch / エピック設定(1920×1080)

  • GTX 1060 6GB
    93
  • GTX 1060 6GB
    81
  • RX 580 8GB
    94
  • RX 580 8GB
    79

もっとも重たいエピック(Epic)設定のオーバーウォッチでは、平均フレームレートはRX 580の方が高く、最低フレームレートはRX 580の方が低い結果に。ほぼ互角ですね。

DOOM 2016

DOOM 2016 / ウルトラ設定(1920×1080)+Vulkan API +TSSAA 8x

  • GTX 1060 6GB
    169
  • GTX 1060 6GB
    148
  • RX 580 8GB
    193
  • RX 580 8GB
    159

ホラー感がほぼ消えた、DOOMシリーズ最新作。グラフィックスAPIの一つである「Vulkan」を適用した状態でフレームレートを計測すると、Vulkanに最適化がされているRX 580の強さが目立つ。約14%も高いフレームレートを叩き出した。

Mirror’s Edge Catalyst

Mirror’s Edge Catalyst / ウルトラ設定(1920×1080)

  • GTX 1060 6GB
    78
  • GTX 1060 6GB
    75
  • RX 580 8GB
    75
  • RX 580 8GB
    65

ミラーズエッジカタリストはGTX 1060 6GBの方が安定しています。RX 580は平均フレームレートは大きく差をつけられていないが、最低フレームレートでかなり差がついている。

F1 2016

F1 2016 / ウルトラ設定(1920×1080)+SMAA

  • GTX 1060 6GB
    77
  • GTX 1060 6GB
    63
  • RX 580 8GB
    79
  • RX 580 8GB
    62

F1 2016ではRX 580の方がやや高いフレームレートを記録。

Deus EX : Mankind Divided

Deus EX : Mankind Divided / 最高設定(1920×1080)+DX12

  • GTX 1060 6GB
    56
  • GTX 1060 6GB
    46
  • RX 580 8GB
    61
  • RX 580 8GB
    51

最高画質が非常に重たいDeus EX Mankind Dividedだが、DX12を有効にすることでRX 580は平均60fpsを実現します。一方のGTX 1060 6GBは10%ほど低いフレームレートに落ちついている。

Battlefield 1

Battlefield 1 / ウルトラ設定(1920×1080)

  • GTX 1060 6GB
    85
  • GTX 1060 6GB
    77
  • RX 580 8GB
    91
  • RX 580 8GB
    80

BF1はGTX 1060 6GBよりRX 580の方が優秀。

Titanfall 2

Titanfall 2 / 最高設定(1920×1080)+TSAA

  • GTX 1060 6GB
    82
  • GTX 1060 6GB
    67
  • RX 580 8GB
    94
  • RX 580 8GB
    71

Titanfall 2でもRX 580が優秀です。

Civilization VI

Civilization VI / ウルトラ設定(1920×1080)+DX12

  • GTX 1060 6GB
    74
  • GTX 1060 6GB
    54
  • RX 580 8GB
    77
  • RX 580 8GB
    55

DirectX12で有効化されたCivilization VIはRX 580が5%ほど高いパフォーマンスを示している。やはりRX 580のように、低いクロック周波数 & 大量のコアによる並列処理で映像をさばくGPUにおいて、DX12がもたらす最適化の恩恵を受けやすいことがよく分かります。

Dishonored 2

Dishonored 2 / ウルトラ設定(1920×1080)+TXAA 1x

  • GTX 1060 6GB
    72
  • GTX 1060 6GB
    55
  • RX 580 8GB
    63
  • RX 580 8GB
    48

Dishonored 2では平均フレームレート、最低フレームレートともにGTX 1060 6GBが15%高いパフォーマンスを示した。

Watch Dogs 2

Watch Dogs 2 / ウルトラ設定(1920×1080)

  • GTX 1060 6GB
    62
  • GTX 1060 6GB
    55
  • RX 580 8GB
    58
  • RX 580 8GB
    52

Watch Dogs 2ではRX 580はGTX 1060に約10%ほど引き離された。従来のDirectX11だと、RX 580のような「マルチスレッド性能」で攻めるタイプのGPUは本来の性能を発揮しづらい。

Resident Evil 7

Resident Evil 7 / 最高設定(1920×1080)+FXAA +TAA

  • GTX 1060 6GB
    92
  • GTX 1060 6GB
    81
  • RX 580 8GB
    107
  • RX 580 8GB
    97

バイオハザード7はDX11で作られたゲームだが、AMD・NVIDIAの双方に最適化がされている様子。RX 580はGTX 1060に対して約15%も高いパフォーマンスを示しています。どちらかと言うとAMD寄りの最適化ですね(珍しい…)。

Tom Clancy’s Ghost Recon

Tom Clancy’s Ghost Recon / ウルトラ設定(1920×1080)

  • GTX 1060 6GB
    64
  • GTX 1060 6GB
    52
  • RX 580 8GB
    62
  • RX 580 8GB
    52

Ghost Reconはほぼ互角の結果。

Fortnite Battle Royale

Fortnite Battle Royale / 高設定(1920×1080)

  • GTX 1060 6GB
    112
  • GTX 1060 6GB
    93
  • RX 580 8GB
    90
  • RX 580 8GB
    76

Epic Gamesが提供する無料のバトロワ系ゲーム「フォートナイト」は、圧倒的にNVIDIA寄り。GTX 1060はRX 580より約24%も高いフレームレートを記録してしまっている。フォートナイトをするならNVIDIAですね。

PlayerUnknown’s Battlegrounds

PlayerUnknown’s Battlegrounds / ウルトラ設定(1920×1080)

  • GTX 1060 6GB
    55
  • GTX 1060 6GB
    41
  • RX 580 8GB
    59
  • RX 580 8GB
    44

1日あたり300万人のアクティブユーザーを抱える超人気TPS「PUBG」です。正式リリース後は着実にグラフィックスの最適化と軽量化が進み、RX 580がGTX 1060以上の性能を発揮できるように変化しました。

Destiny 2

Destiny 2 / ウルトラ設定(1920×1080)

  • GTX 1060 6GB
    113
  • GTX 1060 6GB
    87
  • RX 580 8GB
    101
  • RX 580 8GB
    76

Destiny 2はNVIDIA寄りのようだ。平均フレームレート・最低フレームレートともにGTX 1060の方が13~15%ほど高い。

Call of Duty : WWII

Call of Duty : WWII / ウルトラ設定(1920×1080)

  • GTX 1060 6GB
    91
  • GTX 1060 6GB
    79
  • RX 580 8GB
    90
  • RX 580 8GB
    78

Cod:WW2の最適化はかなり洗練されています。GTX 1060とRX 580がほぼ完全に同じパフォーマンスを示しているし、CPUのボトルネックも非常に出づらい。

この記事にまとめてあるように、ゲーミングはCore i7の方が高いフレームレートを出しやすいが、Cod:WW2の場合はCore i7でもRyzen 7でも互角のパフォーマンスを示す。

Far Cry 5

Far Cry 5 / 最高設定(1920×1080)

  • GTX 1060 6GB
    72
  • GTX 1060 6GB
    61
  • RX 580 8GB
    77
  • RX 580 8GB
    67

Far Cry最新作はAMDが開発協力をしながら作られたゲームです。AMDが協力していると言うだけあって、DirectX11環境にも関わらずRX 580がスペック通りの性能を発揮していることが分かる。

Final Fantasy 15

Final Fantasy 15 / 最高設定(1920×1080) / NVIDIA GameWorks無効

  • GTX 1060 6GB
    57
  • RX 580 8GB
    50

一方、NVIDIAが開発に全面協力を行ったPC版FF15では、圧倒的にGTX 1060 6GBが有利です。NVIDIA GameWorks系の独自設定を無効化していても、RX 580は本来の性能を全く発揮できていません。

平均パフォーマンスから見えるRX 580の「強み」

RX 580 VS GTX 1060 / 平均パフォーマンス

  • GTX 1060 6GB
    80.80
  • GTX 1060 6GB
    67.92
  • RX 580 8GB
    81.36
  • RX 580 8GB
    67.21

若干GTX 1060 6GBの方が良い結果を出しているように見えるが…。ここまでのデータをまとめて「平均」を取ってみると、両者ともにカタログスペック通りの性能に収束することが分かる。

そう、平均的に見ればGTX 1060 6GBとRX 580 8GBは「ほぼ互角」の性能を持っているのです。ただし、今後はじわじわとDirectX12に移行していくはずですし、Vulkan APIなどオーバーヘッドの少ないAPIに対応したゲームも増えてくるはず。

そのことを考慮すれば、RX 580の方が若干優秀だと思われます。実際にDX12とVulkan APIに絞った場合の平均値も見てみよう。

DirectX12、Vulkan APIを適用した場合の平均パフォーマンス

  • GTX 1060 6GB
    86.00
  • GTX 1060 6GB
    68.83
  • RX 580 8GB
    93.00
  • RX 580 8GB
    72.33

洗練されたグラフィックスAPIの環境下なら、RX 580はGTX 1060に対して約8%ほど高いフレームレートを出せる。最低フレームレートも約5%ほどRX 580の高いので、安定性という観点から見てもRX 580が勝っていることが分かります。

参考:マイニング性能はRX 580の方が強い

マイニングブームは少しずつ下火(特に国内は金融庁主導による規制が進んでいる事情もあり、去年ほどの盛り上がりは今のところ感じられない)に入っており、GPUのマイニング性能に興味がある人は少ないと思いますが…。

あえてデータをいくつかまとめておきました。GPUには理論性能というスペックがあり、マイニングのような計算処理を相手にする場合は理論性能(FP32=浮動小数点演算性能)が高いほど効率よくマイニングしやすいのです。

暗号通貨「モネロ」のハッシュレート

暗号通貨「モネロ」のマイニング性能(単位:ハッシュレート)

  • GTX 1060 6GB OC
    550 H/s
  • GTX 1060 6GB
    450 H/s
  • RX 580 8GB OC
    725 H/s
  • RX 580 8GB
    575 H/s

匿名性に強化された暗号通貨モネロ。ハッシュレートはRX 580の方が約32%も高い。それにも関わらず、GTX 1060と同じ価格で購入できたために、マイナー(採掘者)から高い支持を得てしまった。…その結果「暴騰」です。

暗号通貨「イーサリアム」のハッシュレート

暗号通貨「イーサリアム」のマイニング性能(単位:ハッシュレート)

  • GTX 1060 6GB OC
    24 MH/s
  • GTX 1060 6GB
    19 MH/s
  • RX 580 8GB OC
    30 MH/s
  • RX 580 8GB
    25 MH/s

主要な暗号通貨のひとつである「イーサリアム」。採掘の難易度(=ネットワークハッシュレート)が上昇しても、価格が上がりやすい傾向があるためマイナーにとても人気のある暗号通貨です。Radeonの値上がりに大きく貢献したGPUだ。

ただし、この記事にまとめてあるように「マイニングすればするほど、ハッシュレートが落ちる不具合」が確認されているので、長期運用には向かない。ハッシュレートが低下したら他の暗号通貨をマイニングするなど、対策が必要になる可能性は濃厚。

暗号通貨「ZCash」のハッシュレート

暗号通貨「ZCash」のマイニング性能(単位:ハッシュレート)

  • GTX 1060 6GB OC
    325 S/s
  • GTX 1060 6GB
    295 S/s
  • RX 580 8GB OC
    325 S/s
  • RX 580 8GB
    300 S/s

ビットコイン同様、分散型ブロックチェーンを採用する暗号通貨。特徴は「匿名性」です。イーサリアムやモネロと比較して、RX 580は効率よく性能を発揮できていません。ZCashを掘るなら、TDPが65W低いGTX 1060を選んだほうが良いですね。

暗号通貨向けのオーバークロック

性能グラフに「OC」した場合の最大値を載せていますが、これはコアクロック周波数ではなくVRAMのメモリクロックの方です。マイニング性能はメモリクロックに影響を受けやすく、逆にコアクロック周波数はあまり影響がない。

たとえば、RX 580のメモリクロックは定格2000Mhz(8000Mhz)ですが、これを2200Mhz(8800Mhz)にオーバークロックする。という具合です。

消費電力はGTX 1060に軍配が上がる

消費電力(Core i7 7700Kを含む、システム全体)

  • GTX 1060 6GB
    281 W
  • GTX 1060 6GB
    61 W
  • RX 580 8GB
    344 W
  • RX 580 8GB
    75 W

CPUやグラボを含めた、システム全体の消費電力です。グラボ単体のTDPは、GTX 1060 6GBが「120W」で、対するRX 580は「185W」でした。65Wほどの差があるとおり、実際の消費電力も概ね60W前後違う。

グラボ単体で54%、システム全体で22%の消費電力増加。ぼくは正直言って20%程度の増加はあまり気にしないが、このあたりは人によって意見が違うところだろう。

  • 省電力性にこだわるならGTX 1060 6GBが優秀
  • RX 580は60Wほど消費電力が多い

ちなみに281Wの電気代は、月間1800円(1日8時間)くらいです。これが344Wになると月間2220円ほど。月400円…、個人的に400円の差額は全然気にならないですね。

消費電力と電源ユニット選び

「ぼくは正直言って20%程度の増加はあまり気にしないが、このあたりは人によって意見が違うところだろう。」と書きましたが。

それでもあえて、自作ユーザー向けにこの20%の増加をどう考えるかを解説すると。「電源ユニット選びに影響する」とだけ言えます。電源ユニットは、電源容量に対して50%使っている状態がもっとも効率よく安定する傾向が強い。

GTX 1060で組んだ場合は、だいたい550W(280Wの約2倍)の電源でその条件を満たせる。しかしRX 580の場合は700W(344Wの約2倍)くらい必要になるので、パーツのコスト増につながりますよね。

もちろん、この電源ユニットに関しても「安定性 & 長期運用前提で50%稼働が良い。」という人と、「コスパ重視、PCが落ちない範囲で必要十分な容量で構わない(80~90%稼働)。」という人に別れる。

ぼくは目的によって分ける派。サーバーやワークステーションなど、可能な限りシャットダウンを避けるマシンなら「50%稼働」で電源を選びたいし、ゲーミングPCといったシャットダウンの頻度が多いマシンなら「90%稼働」で良いかな、と思ってます。

「RX 580」は恐らくゲーム目的で購入する前提になるため、50%稼働にこだわる必要はそこまで無い。550W(63%稼働)の電源で、少なくともBRONZE認証を受けているモノを選べば十分です。

コスパよく行くなら「玄人志向」で、品質重視で選ぶなら「FSP Hydro」や「Seasonic」あたりを。

まとめ:RX 580とGTX 1060の性能はほぼ互角

RX 580 VS GTX 1060 / 平均パフォーマンス

  • GTX 1060 6GB
    80.80
  • GTX 1060 6GB
    67.92
  • RX 580 8GB
    81.36
  • RX 580 8GB
    67.21

平均パフォーマンスを見ると、GTX 1060 6GBとRX 580の間に大きな性能差はありません。両者ともに互角の性能で、かつMSRP(希望小売価格)はRX 580の方が70ドルも安いため、コストパフォーマンスはRX 580が圧倒的です。

しかし、途中で解説したようにマイニング需要の影響もあり、2018年3月時点の価格はRX 580が46000円に対して、GTX 1060 6GBは39000円ほど。完全に逆転してしまっているのでコスパ的な観点ではRX 580は不利な状況。

RX 580は長く使うなら有望なGPU

DirectX12、Vulkan APIを適用した場合の平均パフォーマンス

  • GTX 1060 6GB
    86.00
  • GTX 1060 6GB
    68.83
  • RX 580 8GB
    93.00
  • RX 580 8GB
    72.33

データから分かる通り、RX 580はDirectX12やVulkanなど。最新のグラフィックスAPIを適用した環境で、理論通りの性能を発揮しやすい。今はまだDX11ベースで作られるゲームの方が多いですが、DX9で作られるゲームは珍しくなりました。

それと同じで、将来的にはDX11よりDX12で作られるゲームが多くなる時代が来るはず。そうなればRX 580はGTX 1060に対して優位なポジションを取りやすい。しかもVRAMが8GBもあるので、VRAM使用量が増加傾向にある中でも安心感がありますね。

とはいえ、フルHDゲーミングで8GBものVRAMが必要になるゲームが登場するかどうかは…ちょっと疑問ですけど。

RX 580の強みと弱み

  • 平均的なGPU性能はほぼ互角
  • DirectX12環境で性能を発揮しやすい
  • そう簡単には使い切れない「8GB」ものVRAM
  • 長期に渡って安定した性能を維持できる
  • マイニングも得意です(ボソッ…)
  • AMD FreeSync、Fluid Motionが利用可能※
  • 消費電力が60W多い
  • DirectX11だと本来の性能が出づらい
  • NVIDIAが協力しているゲームでは性能が出づらい
  • 国内価格がGTX 1060に対して「割高」

FreeSyncはテアリングやスタッタリングを防ぐ同期技術。G-SYNCと比較して対応ディスプレイが安価なのがメリット。Fluid Motionは映像ファイルを擬似的に60fpsで出力する技術。アニメがヌルヌルと描写されるので、アニメをよく見る人にオススメです。

RX 580はグラフィックボードとして非常に優秀ですが、最大の問題は「価格」になる。

最安値は「28000円」だった、HIS製の「RX 580 8GB」

発売当初はHISというメーカーから28000~29800円の価格で売られていたため、GTX 1060 6GBに対して脅威的な存在でした。GTX 1060 6GBと同じ価格帯であれば、RX 580は十分に選択肢に入り込む良いグラボですが…、

安価な玄人志向製で比較しても、5000円ほど差額が…

今のところは厳しい。GTX 1060より5000円も高い値段設定では手を出しづらい。グラボの供給不足が改善され、マイニング需要が落ち着いて、3万円前後(またはGTX 1060と同値くらい)になってくれれば、「Sランク」を付けられるグラボだと思います。

現状は高すぎるので個人的な評価は「Aランク」。価格がいつ落ち着くかは予測できないが、Bitmain社がイーサリアムも採掘可能なASICを開発したため、GPUマイニングはそのASICに取って代わられる可能性が濃厚。

7月以降はNVIDIAがマイニングに特化したAmpere世代のグラボを投入する予定もあるため、AmpereとASICのマイニング性能次第では大きく値下がる可能性は十分にあると考えてます。

自作歴19台のやかもち
2.9~3.0万円なら神コスパのグラボ。それが「RX 580」です。

以上「Radeon RX 580の性能:GTX 1060 6GB版と比較しながら解説」でした。

他にもあるよ、グラボを解説した記事

主要なグラボについて、性能やおすすめ度をザックリと知りたい人におすすめの記事。

そういえばGTX 1060には3GB版と6GB版があるけれど…どっちを選んだほうが良いのか。という人向けの記事。データで解説しています。

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4 件のコメント

  • 現在AmazonではGTX1060が4万円くらい。
    Radeon RX 580は4.5~5万円。
    どう見ても1060の方がお得。
    ちなみに、ドスパラで売っているPalit製のものは3.4万円。翌日にはついている可能性を捨てればドスパラの方がお得ですな。

  • 仮想通貨バブルも終わりが見えてきて、ビデオカードの在庫も潤沢になってきましたが、まだ高止まりなのが珠に瑕。RX 580が2万円台まで落ちてくれば買いたいんですけどねえ…

    • 本当、MSRP(希望小売価格)通りの価格なら、ものすごく買いやすいグラボなのに…もったいないです(229ドル * 106円なら、ASK税を考慮しても2.8~2.9万円が妥当)。
      仮想通貨バブルも落ち着いてきたし、あとはマイニング用の新型ASICや特化グラボの市場投入で、ゲーミング向けグラボの価格下落圧力になることを期待してます。

  • 元々RX580はGTX1060を上回るようにRX480を高速化させて出てきたものなので、ドライバでの高速化と合わせてもっと差があると思っていましたがGTX1060も伸ばしてきている感じでしょうか。

    DOOMで最も差が開いているようですが、ここ最近のアップデートでGTX1060が伸ばして差をつめているようです。
    もう負けたりもあるようで数%もないような差まで伸ばしているのが興味深いです。
    Doom Vulkan Update GTX 1060 Vs AMD RX 580 Frame Rate Comparison RivaTuner Disabled
    https://youtu.be/v1FIyMek6fo

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