【レビュー】RX 590はコスパが強力:消費電力と熱には目をつむる

AMDのミドルクラス最上位GPU「Radeon RX 590」は、NVIDIAがGTX 1060やGTX 1660で固めている「2万円後半」に殴り込む、強力なグラフィックボードです。

ただし、性能こそ(値段の割に)優秀ですが「消費電力と熱」には目をつむる必要があります。

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「Radeon RX 590」のスペックと概要

Radeon RX 590

まずはRX 590が従来のRX 580や、競合するGTX 1060 6GBなどと比較して、何が違い何が変わったのかをカンタンにまとめて解説しておきます。

GPURX 590RX 580GTX 1060 6GBGTX 1660
ダイ
世代Polaris 30Polaris 20PascalTuring
プロセス12nm製造 : GlobalFoundries14nm製造 : GlobalFoundries16nm製造 : TSMC12nm製造 : TSMC
トランジスタ数57億57億44億66億
ダイサイズ232 mm2232 mm2200 mm2284 mm2
シェーダー数CPUのコア数に相当2304230412801408
TMU数Texture Mapping Unitのこと1441448088
ROP数Render Output Unitのこと32324848
演算ユニット数36361022
Tensorコア数機械学習向けの特化コア
RTコア数レイトレ用の特化コア
クロック周波数1469 MHz1257 MHz1569 MHz1530 MHz
ブーストクロック1545 MHz1340 MHz1784 MHz1785 MHz
VRAM容量8 GB8 GB6 GB6 GB
VRAM規格GDDR5GDDR5GDDR5GDDR5
VRAMバス256 bit256 bit192 bit192 bit
VRAM帯域幅256.0 GB/s256.0 GB/s192.2 GB/s192.1 GB/s
理論性能(FP32)7.119 TFLOPS6.175 TFLOPS4.567 TFLOPS5.027 TFLOPS
TDP225 W185 W120 W120 W
補助電源8 pin8 pin6 pin8 pin
MSRP$ 229$ 199$ 299$ 219
参考価格最安Top5の平均価格28620 円22990 円26150 円30060 円

RX 590は基本的にはRX 580と同じアーキテクチャを採用しています。

大きな違いは製造プロセスにあり、RX 580が米GF社の14nmプロセスで製造されていて、RX 590には「12nmプロセス」を採用した。一見すると「微細化」したように見えますね。

14nmの改良版で性能アップ

12nmプロセスと14nmプロセスの違い

実際のところは12nmプロセスという呼び方は正確ではなく、「微細化した。」と思わせるためのマーケティング的な側面が強いです。

RX 580の14nmプロセスとRX 590の12nmプロセスは、配線幅(配線の太さ)は全く同じで、配線の間隔だけを狭めただけの「改良版14nm」というのが実態です。

これは第2世代のAMD Ryzenにも使われた手法で、クロック周波数を高めやすいというメリットがあります。ただし厳密な微細化とは違うため、消費電力は変わりません。

初心者もち
オーバークロックしやすいRX 580みたいなものなのね。
自作歴23台のやかもち
そういうことです。クロック耐性を改善し、クロック周波数の向上で性能アップを目指します。

理論性能はGTX 1660を4割上回る

  • RX 590:7.119 TFLOPS
  • GTX 1660:5.027 TFLOPS

RX 590には2304個ものシェーダーユニットが搭載されているため、理論性能(FP32)は非常に高い。価格的に競合するGTX 1660と比較すると、実に4割超え。

ただし、実際のゲーミング性能とは一致しない傾向が強い指標なので、あくまでも参考程度に。コア数とクロックから求められる計算性能は速いというだけの話です。

TDPは更に伸びて200W級に

  • RX 590:225 W
  • RX 580:185 W

消費電力をほとんど改善しないまま、クロック周波数の向上だけで性能アップを目指しているため、性能の伸びに比例して消費電力も跳ね上がってしまいました。

実際に計測しないと本当のところは分かりませんが、とりあえずスペック上の消費電力は2割の増加です。

価格はGTX 1060 / 1660に対して強力

2018年11月当時は279ドルでしたが、2019年2月頃からRadeon RX 500番台の急速な値下がりが始まり、AMDがMSRPを引き下げていることが判明しました。

  • GTX 1060 6GB
    $ 299
  • RX 590
    $ 229
  • GTX 1660
    $ 219
  • RX 580
    $ 199

現時点でRX 590は229ドルに設定されているため、299ドルのGTX 1060 6GBをガッツリと出し抜き、219ドルのGTX 1660に対しても非常に魅力的な価格設定です。

まとめ:RX 590は少なくとも「魅力的」です

  • 改良された12nmプロセスで製造
  • クロック周波数の改善
  • GTX 1060や1660と競合する価格
  • 消費電力の更なる増加
  • 全く変わっていない設計(マイナーチェンジ)

スペックをまとめると「RX 580の改善版」という点では残念なのですが、229ドルという手頃な価格設定のおかげで、魅力的なミドルクラスGPUなのは間違いない。

GTX 1660の219ドルより少し高いだけですから、2割くらい増えている消費電力を無視する前提で価格だけに着目すればとても強力なグラボです。

「Radeon RX 590」の性能を検証

テスト環境と用意したグラボ

テスト環境パーツ備考 / 詳細
CPUCore i9 9900K出荷設定のまま
冷却無限五 Rev.B120mmファン搭載の中型空冷
グラボRX 590と他4種後述
メモリDDR4-2666 8GB x2G.Skill Sniper X
マザーボードIntel Z390ASRock Z390 Extreme4
SSDSATA 250GBSamsung 860 EVO M.2
SATA 2TBMicron 1100 2TB
電源ユニット1200W(80+ Platinum)Toughpower iRGB PLUS 1200W
OSWindows 10 Pro 64bitVer 1809
ドライバAMD 19.1.1 WQHL
ディスプレイ1920 x 1080 @240HzBenQ XL2546

RX 590の検証には「ちもろぐ専用ベンチ機」を使います。CPUにゲーミング性能が最速に位置づけられる「Core i9 9900K」を使っているので、ボトルネックはほぼ出ません。

メモリはDDR4-2666の8GBを2枚。WindowsやゲームはSSDにインストール。ドライバは個人的に安定してるAMD Adrenalin 19.1.1を使いました。

ボトルネックになる要因はほぼ排除しているため、RX 590の性能を忠実に検証できます

ASRock / ブーストクロック : 1560 MHz / ファン : デュアル内排気 / 厚み : 2スロット / TDP : 225 W

検証に使うRadeon RX 590は、ASRock製のPhantom Gamingシリーズです。わずか24980円という、もっともMSRPに近い価格で購入できるRX 590ですので他に選択肢は無かった。

ASRock以外にはSapphireやASUSがRX 590搭載ボードを売っていますが、価格がそれほど安くないのでRX 590の強みである「コスパ」が失われてしまいます。

  1. Phantom Gaming RX 590 8G OC(ASRock製)
  2. GF-GTX1660-E6GB/OC/DF(玄人志向製)
  3. GTX 1060 6GB Gaming X(MSI製)
  4. GTX 1660 Ti Gaming X(MSI製)
  5. RX 580 Nitro+ Special Edition(Sapphire製)

RX 590の性能ポジションを知るためには、他のグラボとの比較も重要です。今回は「GTX 1060」「GTX 1660」「GTX 1660 Ti」「RX 580」の4種と比較する。

用意したグラフィックボードは以上の通りです。

ゲーミング性能:RX 590の性能は思うように伸びない

3DMark FireStrike

3DMark FireStrike Graphics Score3DMark FireStrike
1920 x 1080 / Graphics Score
  • GTX 1660 Ti
    16919
  • GTX 1660
    14229
  • RX 590
    16774
  • GTX 1060 6GB
    13645
  • RX 580
    15698

Direct X11ベースのフルHD向けベンチマーク「FireStrike」では大きくスコアを伸ばして、GTX 1660 Tiに迫るレベルの性能を発揮しました。

3DMark TimeSpy

3DMark TimeSpy Graphics Score3DMark TimeSpy1920 x 1080 / Graphics Score
  • GTX 1660 Ti
    6440
  • GTX 1660
    5436
  • RX 590
    4782
  • GTX 1060 6GB
    4343
  • RX 580
    4439

「TimeSpy」はDirect X12ベースのやや重たいベンチマーク。FireStrikeとは一気に景色が変わり、RX 590は1割もスコアを伸ばすことが出来ません。

一方のGTX 1660やGTX 1660 Tiは一気にスコアを伸ばしています。実はNVIDIAの最新世代(Turing)はDirect X12に強いという性質があるので、仕方のないところですね。

FF14 : 紅蓮のリベレーター

FF14:紅蓮のリベレーター1920 x 1080 / 最高品質
  • GTX 1660 Ti
    118.2 fps
  • GTX 1660
    99.3 fps
  • RX 590
    88.8 fps
  • GTX 1060 6GB
    95.2 fps
  • RX 580
    85.0 fps

国内の定番ベンチマーク「FF14」の最高品質で性能を検証。RX 590は驚くほど性能を伸ばせず、GTX 1060にすら届かない残念な結果になりました。

FINAL FANTASY 15

FINAL FANTASY 15 : BenchmarkFINAL FANTASY XV : Benchmark1920 x 1080 / 高品質
  • GTX 1660 Ti
    69.5 fps
  • GTX 1660
    58.4 fps
  • RX 590
    44.2 fps
  • GTX 1060 6GB
    51.6 fps
  • RX 580
    42.9 fps

更に負荷が重たく、NVIDIAに最適化されている傾向がある「FF15」のベンチマークだと、RX 590はNVIDIA勢に対して為す術もなくアッサリと負けてしまいます。

Apex Legends

Apex LegendsApex Legends1920 x 1080 / 最高設定
  • GTX 1660 Ti
    111.4 fps
  • GTX 1660
    98.2 fps
  • RX 590
    88.8 fps
  • GTX 1060 6GB
    65.0 fps
  • RX 580
    76.5 fps

Apex Legendsでは良い具合に性能を伸ばして、GTX 1660にあと一歩という性能を発揮。しかしそれでもGTX 1660には届かないのが意外です。

CS:GO

「CS:GO」の推奨スペックを徹底検証:最新のグラボ別fpsCounter Strike : Global Offensive1920 x 1080 / 最高設定
  • GTX 1660 Ti
    253.1 fps
  • GTX 1660
    236.4 fps
  • RX 590
    254.2 fps
  • GTX 1060 6GB
    259.5 fps
  • RX 580
    266.5 fps

CSGOは問題のない動作でした。ただCSGOは非常に軽いゲームなので、おおむね性能が飽和状態にあります。

Call of Duty : Black Ops IV

Call of Duty : Black Ops IVCall of Duty : Black Ops IV1920 x 1080 / 最高設定
  • GTX 1660 Ti
    125.9 fps
  • GTX 1660
    111.0 fps
  • RX 590
    111.1 fps
  • GTX 1060 6GB
    88.6 fps
  • RX 580
    106.9 fps

Call of Duty : Black Ops IVは、わずか4%の性能アップに留まった。ひとまずGTX 1660に追いついたものの、思っているより性能は伸びにくい様子ですね。

Rainbow Six Siege

Rainbow Six Siege
1920 x 1080 / 最高設定
  • GTX 1660 Ti
    150.2 fps
  • GTX 1660
    123.5 fps
  • RX 590
    119.2 fps
  • GTX 1060 6GB
    95.1 fps
  • RX 580
    110.1 fps

レインボーシックスシージの付属ベンチマークは、1割性能アップしてGTX 1660にあと少しでした。

Overwatch

Overwatch
1920 x 1080 / エピック設定(100%)
  • GTX 1660 Ti
    153.7 fps
  • GTX 1660
    127.3 fps
  • RX 590
    118.5 fps
  • GTX 1060 6GB
    123.3 fps
  • RX 580
    108.3 fps

オーバーウォッチはGTX 1060に大きく引き離されていましたが、RX 590でもう少しというところまで追いつきます。しかし、GTX 1060にすら届かないのは残念です。

PUBG

PUBG1920 x 1080 / ウルトラ設定
  • GTX 1660 Ti
    121.1 fps
  • GTX 1660
    105.9 fps
  • RX 590
    92.4 fps
  • GTX 1060 6GB
    88.4 fps
  • RX 580
    88.8 fps

PUBGではGTX 1060を超える性能を発揮しますが、性能の伸び幅はパッとしない上に、GTX 1660に約15%も追い抜かされています。

DOOM

DOOM1920 x 1080 / 最高設定
  • GTX 1660 Ti
    131.9 fps
  • GTX 1660
    133.8 fps
  • RX 590
    112.8 fps
  • GTX 1060 6GB
    112.8 fps
  • RX 580
    100.4 fps

DOOMもイマイチ性能は振るわず、GTX 1060にようやく並ぶところまで来ただけです。競合するGTX 1660は更に高いフレームレートを叩き出しています。

Grand Theft Auto V

Grand Theft Auto V1920 x 1080 / 最高設定
  • GTX 1660 Ti
    91.7 fps
  • GTX 1660
    77.4 fps
  • RX 590
    65.8 fps
  • GTX 1060 6GB
    76.1 fps
  • RX 580
    61.6 fps

Grand Theft Auto Vでは約7%の性能アップ。しかしGTX 1660どころか、GTX 1060にすら大きく出し抜かれる構図になっていて残念な結果です。

NieR : Automata

NieR : AutomataNieR : Automata
1920 x 1080 / 最高設定
  • GTX 1660 Ti
    58.9 fps
  • GTX 1660
    58.3 fps
  • RX 590
    45.2 fps
  • GTX 1060 6GB
    50.9 fps
  • RX 580
    46.9 fps

非常に重たいニーアオートマタでは、目立った性能の変化を確認できなかった。

Rise of the Tomb Raider

Rise of the Tomb Raider
1920 x 1080 / 最高設定
  • GTX 1660 Ti
    87.0 fps
  • GTX 1660
    71.4 fps
  • RX 590
    72.7 fps
  • GTX 1060 6GB
    67.8 fps
  • RX 580
    68.3 fps

トゥームレイダーは若干伸びたものの、大幅な性能アップにはなりません。

Witcher 3

Witcher 3
1920 x 1080 / 最高設定 + HairWorks
  • GTX 1660 Ti
    68.4 fps
  • GTX 1660
    58.8 fps
  • RX 590
    54.3 fps
  • GTX 1060 6GB
    50.1 fps
  • RX 580
    52.3 fps

平均60 fpsが意外と苦戦するほど重たいWitcher 3は、性能アップは達成しましたがGTX 1660に追いつくほどではなかった。

バイオハザードRE:2

Resident Evil 21920 x 1080 / カスタム設定(VRAM : 7.38 GB消費)
  • GTX 1660 Ti
    118.5 fps
  • GTX 1660
    100.7 fps
  • RX 590
    131.2 fps
  • GTX 1060 6GB
    81.7 fps
  • RX 580
    99.4 fps

バイオハザードRE:2はRadeonグラボと相性の良いゲームのようで、GTX 1660を追い抜かし更に上位のGTX 1660 Tiすら追い抜かす圧倒的な性能を発揮しました。

モンスターハンターワールド

Monster Hunter World1920 x 1080 / 最高設定
  • GTX 1660 Ti
    65.2 fps
  • GTX 1660
    54.4 fps
  • RX 590
    53.2 fps
  • GTX 1060 6GB
    46.1 fps
  • RX 580
    51.4 fps

モンスターハンターワールドはGTX 1060を約15%も上回るパフォーマンスを発揮し、GTX 1660とほぼ同じ性能に達しています。悪くはないですね。

黒い砂漠

黒い砂漠黒い砂漠
1920 x 1080 / リマスター品質
  • GTX 1660 Ti
    82.2 fps
  • GTX 1660
    71.0 fps
  • RX 590
    58.2 fps
  • GTX 1060 6GB
    60.0 fps
  • RX 580
    50.3 fps

無料MMORPG「黒い砂漠」のリマスター品質は、従来のRX 580から約16%も性能を伸ばしてほぼ平均60 fpsに達します。GTX 1060とほぼ同じですが、GTX 1660には遠い。

黒い砂漠(ウルトラ画質)の場合

  • RTX 2060
    35.9 fps
  • GTX 1070
    28.8 fps
  • GTX 1660 Ti
    27.1 fps
  • GTX 1660
    23.7 fps
  • RX 590
    19.7 fps

更に重たいウルトラ品質も同じような傾向です。GTX 1660には追いつかない。

GPUレンダリング

Blender : BMW1920 x 1080 / 最高設定
  • GTX 1660 Ti
    123.9 秒
  • GTX 1660
    126.9 秒
  • RX 590
    223.8 秒
  • GTX 1060 6GB
    166.0 秒
  • RX 580
    241.8 秒

Blenderを使って「GPUレンダリング」の性能を検証する。NVIDIAの場合は「CUDA」、Radeonの場合は「Open CL」という方法でレンダリングをしてくれます。

結果は約3分43秒で、RX 580より改善されたものの…GTX 1060やGTX 1660にはまだまだ遠い結果です。

平均パフォーマンス

Radeon RX 5901920 x 1080 / 平均パフォーマンス
  • GTX 1660 Ti
    112.9 fps
  • GTX 1660
    99.1 fps
  • RX 590
    93.2 fps
  • GTX 1060 6GB
    88.3 fps
  • RX 580
    88.5 fps

平均パフォーマンスを計算すると、RX 590はやっぱり「RX 580の改良版」ということがよく分かります。

RX 590はクロック周波数を改善することで性能アップを目指しますが、残念ながら設計そのものはほとんど同じなのでオーバークロックと同様の結果しか得られない。

性能は確かにRX 580から向上したものの、伸び率は約5%でしかない。今後、競合することになるGTX 1660に対して、純粋な性能だけで優位性を得るのは非常に難しいです。

RX 590の熱と消費電力

グラボの温度をチェック

RX 590のGPU温度
  • GTX 1660 Ti
    67.0 ℃
  • GTX 1660
    72.0 ℃
  • RX 590
    74.0 ℃
  • GTX 1060 6GB
    64.0 ℃
  • RX 580
    75.0 ℃

GPU温度は消費電力に比例して高くなりますが、実際にはグラフィックボードの冷却ファンによって大きく左右されるため、このGPU温度は参考程度にみてください。

さて、RX 590はスペック上の消費電力が225 Wですので、当然発熱が多い。ASRockのRX 590はファンを最大3000 rpmで回す仕様ですが、それでも温度は70℃を超える。

ファンの音は非常に大きく、騒音の割に冷えもイマイチ。200 W超えのGPUを低コストでしっかり冷やすのに苦労している感が伝わってきました。

RX 590のファン設定

最大80% = 2400 rpmまで

本当に驚くほどファンの騒音が大きいため、ソフト制御でファンの回転数を設定した方がいいレベルです※。ぼくは最大2400 rpmに抑える設定にしました。

3000 rpmまで回さなくても、とりあえずこれで76℃くらいまでで抑えてくれます。

MSI Afterburnerなどのソフトで、ファンの回転数を細かく設定できます。

グラボの消費電力を実測でチェック

RX 590の消費電力
  • GTX 1660 Ti
    126.4 W
  • GTX 1660
    117.8 W
  • RX 590
    202.0 W
  • GTX 1060 6GB
    120.0 W
  • RX 580
    193.4 W

消費電力は電源ユニットの電力ロガー機能を使って実測しました。グラボやCPUに電力を供給している「+12Vレール」の実測値から、CPUの消費電力(Package Power)を差し引いた値を、グラボの消費電力として扱います。

マザーボードの消費電力が含まれるので実際よりもやや高い数値になっていますが、十分参考になるデータです。

結果はやはりというべきか、RX 580より4%増えて約202 Wに達しました。性能の伸び率にほぼ比例する結果になっていますね。

ワットパフォーマンスはほぼ改善せず

1 Wあたりの平均フレームレート

  • GTX 1660 Ti
    0.89 fps
  • GTX 1660
    0.84 fps
  • RX 590
    0.47 fps
  • GTX 1060 6GB
    0.74 fps
  • RX 580
    0.46 fps

消費電力1 Wで得られるフレームレートを求めると「ワットパフォーマンス」が分かります。

RX 590は1 Wあたり0.47 fpsを得られます。RX 580とほとんど同じワットパフォーマンスを維持しており、特に改善はしない。RX 590は単なるクロック改善版にすぎないです。

ワットパフォーマンスを大幅に改善するには、設計のリフレッシュではなく根本的な変更(=プロセス移行など)が必要だと、あらためて思わされる結果でした。

補足:ダウンクロックで消費電力を抑制する

今回の記事をTwitterでツイートしたところ、グラボのコア電圧を落とせば「消費電力と熱」は割りと容易に抑制できる、とリプライをいただきました。

というわけで「補足」という形式でRX 590のダウンクロックを紹介します。ただしオーバークロックと同様、メーカーの保証外の行為になりますので、サラッと紹介するだけです。

「MSI Afterburner」で設定ができる

グラボのクロック周波数や電圧は「MSI Afterburner」などのソフトウェアで設定可能です。今回はクロック周波数を10 MHz下げて、コア電圧だけを落とす方法で調整します。

  • 0 mV
    186.6 W
  • -19 mV
    180.7 W
  • -37 mV
    174.0 W
  • -56 mV
    169.5 W
  • -75 mV
    164.6 W
  • -93 mV
    160.6 W

コア電圧を19 mV(実際には18.66 mV)ずつ落とすごとに、消費電力は約5 Wずつ低下しました。200 W超えから一気に160 Wまで、約20%の省エネ化に成功。

  • 0 mV
    72.0 ℃
  • -19 mV
    67.0 ℃
  • -37 mV
    67.0 ℃
  • -56 mV
    67.0 ℃
  • -75 mV
    66.0 ℃
  • -93 mV
    65.0 ℃

消費電力が低下するにつれて、グラフィックボードの発熱も少しずつ下がりました。出荷設定では最大74℃もあったのに、調整後は65℃になりました。

FINAL FANTASY 15 : BenchmarkFINAL FANTASY XV : Benchmark1920 x 1080 / 高品質
  • 0 mV
    44.6 fps
  • -19 mV
    44.6 fps
  • -37 mV
    43.7 fps
  • -56 mV
    44.9 fps
  • -75 mV
    44.1 fps
  • -93 mV
    44.6 fps

ちなみにこれだけコア電圧を降圧させても、性能への悪影響は驚くほど特に無かった。ダウンクロックによって性能を維持したまま、消費電力を抑えることに成功です。

ダウンクロックが安定するかどうかは「個体差」もあるので、コア電圧の調節は自己責任でお願いします。

まとめ:消費電力と熱は気にしないこと

「RX 590」のデメリットと弱点

  • それほど改善されない性能
  • 性能がGTX 1660に届かない
  • GTX 1660より7割も多い消費電力
  • RX 580とほぼ同じワットパフォーマンス
  • 発熱とファンの騒音

RX 590の問題はおおむね「性能の割には大き過ぎる消費電力」にまとめられます。GTX 1060とGTX 1660の間に位置する性能で、消費電力は7割も多い。

200 W近い消費電力によって、発熱もかなり大きくなるため安価なグラボのファンではとにかく回転数を増やすことでしか冷却性能を稼げない。結果、動作音も大きい。

RX 590は12nm化によってクロックの改善を果たした代わりに、失ったものも多い印象です。メリットよりもデメリットの大きさが目立つグラボと言っていいです。

「RX 590」のメリットと強み

  • GTX 1060 6GBを超える性能
  • 8 GBもの大容量VRAM
  • 改善されたクロック耐性
  • 優秀なコストパフォーマンス

一方のメリットはなんと言っても「コストパフォーマンスの高さ」にあります。RX 590はとにかくコストパフォーマンスが良いので、コスパ重視なら無視できない。

1 fpsあたりのコスト

  • GTX 1660 Ti
    311.2 円
  • GTX 1660
    303.3 円
  • RX 590
    268.7 円
  • GTX 1060 6GB
    296.3 円
  • RX 580
    259.9 円

コスパを求めると、RX 590はGTX 1060やGTX 1660と比較して、約11%も少ないコストフレームレートを得られます。

RX 590は予算2~3万円の中では、もっともコストパフォーマンスに優れたグラボに位置づけられる。と…思いきや、RX 580も最近はコスパが改善されています。

RX 580のせいで、RX 590の立ち位置がちょっと中途半端になっている感は否定できないのが惜しいところです。しかし、性能はRX 590の方がいくらかは優秀です。

コスパを重視しつつ、フルHDゲーミングで余裕のある性能をゲットするなら、今のところRX 590がもっともオススメしやすい。

Radeon RX 590の個人的なレビュー評価は「A」ランクで決定です。この性能とコスパのまま消費電力を抑えていれば「S」ランクも視野ですが、200 W超えは見過ごせません。

自作歴24台のやかもち
229ドルとしては優秀な性能です。しかしGTX 1660は219ドル。今後は厳しい戦いが予想されます。

以上「【レビュー】RX 590はコスパが強力:消費電力と熱には目をつむる」でした。


GTX 1660とRX 590の今後について

GTX 1660はまだ初売価格の影響があって割高ですが、希望小売価格(MSRP)は219ドル。

RX 590が229ドルで約25000円まで下がったことを考えると、219ドルのGTX 1660は約24000円にまで下がる可能性があります。今はまだRX 590がコスパで優位ですが。

今後GTX 1660の値下がりが進んでしまえば、「コスパで優位」という強みを失う可能性が少なくない。GTX 1660は性能は良いし、消費電力も少ないですからね。

Radeon RX 590を入手する

ASRock / ブーストクロック : 1560 MHz / ファン : デュアル内排気 / 厚み : 2スロット / TDP : 225 W

おすすめのRX 590搭載ボードは、今回レビューに使ったASRock Phantom Gamingです。RX 590は「安さ」こそが最大の強み。3~5000円も高い他のRX 590を選ぶ理由は特にない。

わずか2.5万円という非常に安価なボードですが、ファンの設定を上手く調節すれば騒音レベルもやや改善できますし、性能についてもオーバークロックで3~5%アップが可能。

限られたコストの中で必要十分な仕上がりになっていますので、RX 590を入手するならASRock Phantom Gamingは最もオススメなボードです。

販売店RTX 2070
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TSUKUMORX 590を検索する
PCショップアークRX 590を検索する
Yahoo ShoppingRX 590を検索する

他のRX 590を探す方はこちらから。ショップごとにRX 590のサーチリンクをまとめています。該当するワードを検索した結果ページへリンクしています。

RX 590を搭載するBTO

Radeon RX 590を採用するBTOは、ぼくが探した限りでは「パソコン工房」のみです。

LEVEL-R0X4-R72X-FNVI

LEVEL∞ / CPU : Ryzen 7 2700X / メモリ : DDR4-2666 8GB x2 / グラボ : Radeon RX 590 / SSD : 250GB

こちらのBTOモデルが特におすすめ。「Ryzen 7 2700X + X470マザーボード」を軸に、手堅くバランスの良い構成でまとめられたマシンです。電源は700Wで余裕たっぷり。

CPUもグラボもAMDなマシンを求めているなら、非常に良い選択肢です。

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36 件のコメント

      • 10月にRX570とRX580安売りしていたときに買って、この時はアサシングリードなどもらえました。
        ただし手続きが面倒でAMDリワード、Steam、UBISOFTのアカウント必要でした。
        MSI製品だと最初にMSIアカウントに購入製品を登録して残り3つも必要。
        今度のキャンペーンの方が豪華ですね。

  • これだったら580でいいやと思っちゃいますね…
    で、某所で580と570のモデルチェンジ云々の書き込みを見かけましたが、11/15過ぎても発表なかったしガセだったのかな?

    旧570 = Polaris 20 生産終了 2万
    旧580 = Polaris 20 生産終了 2.2万
    新570 = Polaris 30(12nmになった570) 11月15日発売開始 4万~
    新580 = Polaris 20 (2048spの580) 価格など不明
    590 = Polaris 30(12nmになった580) 11月15日発売開始 5万~
    http://jisakutech.com/archives/2018/11/46664

  • 最近一部メーカーからGeForce GTX 1060にGDDR5Xを搭載した商品が発売されたとかいう情報が流れてますが、このRadeon RX 590 対抗の商品なんですかね?

  • わ、プレゼントのゲーム凄い豪華ですね
    3つとも欲しいゲームなので無駄に買いたくなっちゃう・・
    3つとも欲しい人ならゲーム貰ってグラボ即売ったとしてもお得なような

  • RXシリーズは最初の480が無難オブ無難って感じでしたね(´・ω・`)
    それ以後のはなんかパッとしない

    • RX480が発売された当時なら、290~390X相当の性能で200W以下に抑えているくらいで十分だったことも大きいと思います。
      正確には当時でも性能面の魅力には欠けてはいましたが。
      数年経ち今はVEGA56クラスの性能を200W以下できるだけ使いやすい熱量に抑えたものが普通に求められていると思いますし、1660Ti (1070クラスで120W )に対抗できるものがもはや必須事項なので新PolarisとはいえRX590では魅力が乏しいのは必然でしょう。
      安くても微妙という評価です。
      もうすぐ後継のNaviが出てくるので尚更にでもう数年前の状況ではないです。

  • 消費電力やMSRPでなく実売価格を考えると評価Aでも甘い気がします。
    プロセス換えてもあまり変わり映えしないのが一番問題でしょうけど。

    あとHBAO+はともかくNVIDIA HairWokrsに関してはテッセレーション処理をまともに行うためかGEFORCEが速度面で現状逆に不利になっていますね。

  • Rxシリーズ電圧マージン多めだから一度下げてみての効率とかあると嬉しいです
    クロックそのままで30-40W改善とかよくあるので

    • GTX 1060との消費電力差が約120Wの約2倍の230W越えでややVEGA 56よりも高いのは無視できないほどですからね。
      30-40W改善ではまだまだですがそれくらいは下がりそうですね。
      OCマージンは他と比べてあるほうではないのですが元が高いのでありそうかなと。

  • ゲーム3本キャンペーンで気になっていましたが、値段と性能的にGTX1060(6gb)ユーザーの乗り換え先にはなれなそうですね・・・RTX2060も発表されてしまったしその性能如何といったところ。

    • Naviに向けた在庫処分の事情や、NVIDIAのTuring世代に対抗する意味合いで、AMDがMSRPを引き下げてるみたいです。2.7~2.8万円で買える現状では、消費電力を気にしないならかなり魅力的なグラボですよね。

  • 一応Polaris30の新GPUですが、TDP 185Wオーバーとハイエンドに近い消費電力で219ドルで現在実質2.4万から入手可なGTX 1660より低い基本性能は、もうPolarisは小手先のプロセス変更程度ではいきなりどうしようもない感じを強く感じさせますね・・・。
    安いから飛びつくような状況ではもうないです。2年数か月前のNitroのRX480の在庫処分19,980円はそういう状況でしたがもはや。
    RADEON欲しさでももう数か月後には出てきそうなNaviまで待ちたい要素が非常に多い状況に思います。

  • 消費電力が大きい分、大きい電源をつけるのにかかるコストを考えると、コスパがいいとはいえないと思う。

  • EVGA eBay official storeでNvidia買ったらお得でしたよ。
    14日ぐらい待たされますが簡単なんで買ってみれば
    ちなみにハイエンドの方がコスパが良くなります。

  • どうでもいいがTuring世代のDX12での伸びっぷりが意外だなぁ
    PascalだとDX11→DX12にすると逆に性能低下するなんてことも珍しくなかったのに

    アーキテクチャそのものの改良もそうですが、ドライバの成熟も大きいのでしょうね……………

  • 最適化の壁は大きいですね
    ただ、REエンジンではかなり良好なスコアが出てますね。
    Panta RheiがMantle対応だったので、その流れを汲んでいるのでしょうか?
    ゲーミングはGeforce一択みたいな現状は正直つまらないので
    Naviで何とか頑張ってほしいですね・・・リサたんならやってくれるはずw

  • 上の方のご意見どおり、RX590を運用するには、それなりに大容量の電源が必要となるため、総合的に考えると、コスパがいいとは思えません。
    それに、GTX1660はRX590よりも確実に安くなりますし、Navi GPUも今夏~今秋に控えています。
    Aランク評価はいくらなんでも盛りすぎでは?(やかもちさんは、Bランク以下の製品を全くレビューしませんよね)

    • まあ、Bランク以下の商品って褒めるとこがあんまりないから辛口レビューになるしな
      そういう辛口を売りにしているサイトにしたくないんじゃないかな

      そもそも、お勧めしないものは、買うな、の一言ですむから詳細なレビューの需要もない気がするよ

  • 今回の記事にあまり関係は無いのですが
    ryzen5 2600 + gtx 1660ti
    この組み合わせでボトルネックはありますか?

  • RX590はOpenGLとの相性が悪いようで、マインクラフトではFPSが伸びません。
    標準設定で作ったワールドで140FPS程度、木が密集してる付近では100fpsを割るほどでした。RX580だと1.5~2倍近いFPSが出るようですが、検証してもらえませんか?

  • RX590とRyzen2600とasrockのSteellegendとseasonicのプラチナを使ってゲーミングPCを組もうと思うんですが他のパーツはどうするべきですか?出来るだけ他のパーツは予算押さえたいんですが…。

    • Seasonicのプラチナを使うのは全然良いのですが、CPUとグラボに対してかなり過剰とも言えるので、Seasonicが製造を担当している「Antec NE750 GOLD」で十分です。

      他のパーツは「定格運用」なのか「オーバークロック前提」なのかで変わりますが、定格で運用するなら普通のパーツで問題なし。

      • CPUクーラー:虎徹Mark II
      • メモリ:W4U3000BMS-8G
      • SSD:Samsung 860 EVO 500GB
      • PCケース:Antec P7 Silent
      • HDD:(必要なら)WD Blueあたりを
      • DVD:(必要なら)適当に安いバルク品を…

      こんな感じで行けますね。メモリは安いやつだとクロックが低いので、DDR4-3000のメモリを選んでます。Ryzenはメモリ速いほうがゲーム性能が伸びますので。

  • 電圧下げの記事で通りかかり興味深く拝見させていただきました。
    玄人志向のRX590が二万きってたので思わず二度見して震えながらポチりましたw
    消費電力200W越えはインパクトありますもんね(苦笑)。
    でも二万以下ならコスパ最強ですよね!
    ためになる記事本当にありがとうございました。
    私の精神衛生上かなり有益な情報でした。

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