最強のゲーミングCPUとウワサされる「Ryzen 7 9800X3D」を、読者さんの助太刀でなんとか1つ買えました。
ライバルに挙げられる「Ryzen 7 9700X」や「Ryzen 7 7800X3D」など、全部で8個のCPUとベンチマークや実際のゲームプレイで徹底比較します。
(公開:2024/11/17 | 更新:2024/11/17)
Ryzen 7 9800X3Dの仕様とスペック
CPU | Ryzen 7 9800X3D (最新世代) | Ryzen 7 7800X3D (1世代前) | Ryzen 7 9700X (最新世代) |
---|---|---|---|
プロセス | TSMC N4 (TSMC 4 nm FinFET) | TSMC N5 (TSMC 5 nm FinFET) | TSMC N4 (TSMC 4 nm FinFET) |
ソケット | Socket AM5 | Socket AM5 | Socket AM5 |
コア数 | 8 | 8 | 8 |
スレッド数 | 16 | 16 | 16 |
ベースクロック | 4.70 GHz | 4.20 GHz | 3.80 GHz |
ブーストクロック | 5.20 GHz | 5.00 GHz | 5.50 GHz |
L3 Cache | 96 MB | 96 MB | 32 MB |
対応メモリ | DDR5-5600 | DDR5-5200 | DDR5-5600 |
内蔵GPU | Radeon Graphics(2CU) | Radeon Graphics(2CU) | Radeon Graphics(2CU) |
GPUクロック | 2200 MHz | 2200 MHz | 2200 MHz |
TDP | 120 W / 162 W | 105 W / 142 W | 65 W / 88 W |
MSRP | $ 479 | $ 479 | $ 359 |
参考価格 | 86800 円 | 71800 円 | 70800 円 |
(2024/11に実物を撮影)
CPU | Ryzen 7 9800X3D | Ryzen 7 7800X3D | Ryzen 7 9700X |
---|---|---|---|
世代 | 6th Zen 5 | 5th Zen 4 | 6th Zen 5 |
プロセス | TSMC N4 (TSMC 4 nm FinFET) | TSMC N5 (TSMC 5 nm FinFET) | TSMC N4 (TSMC 4 nm FinFET) |
TIMCPU内部の熱伝導材 | ソルダリング | ソルダリング | ソルダリング |
ソケット | Socket AM5 | Socket AM5 | Socket AM5 |
チップセット | AMD 600 / 800 | AMD 600 / 800 | AMD 600 / 800 |
コア数 | 8 | 8 | 8 |
スレッド数 | 16 | 16 | 16 |
ベースクロック | 4.70 GHz | 4.20 GHz | 3.80 GHz |
ブーストクロック | 5.20 GHz | 5.00 GHz | 5.50 GHz |
手動OC | 可能 | 不可 | 可能 |
L1 Cache | 640 KB | 512 KB | 640 KB |
L2 Cache | 8.0 MB | 8.0 MB | 8.0 MB |
L3 Cache | 96 MB | 96 MB | 32 MB |
対応メモリ | DDR5-5600 | DDR5-5200 | DDR5-5600 |
チャネル | x2 | x2 | x2 |
最大メモリ | 256 GB | 196 GB | 256 GB |
ECCメモリ | U-DIMMのみ | U-DIMMのみ | U-DIMMのみ |
PCIeレーン | Gen5 | Gen5 | Gen5 |
24 | 24 | 24 | |
レーン構成 | 1×16 + 1×4 + 1×4 | 1×16 + 1×4 + 1×4 | 1×16 + 1×4 + 1×4 |
2×8 + 1×4 + 1×4 | 2×8 + 1×4 + 1×4 | 2×8 + 1×4 + 1×4 | |
– | – | – | |
内蔵GPU | Radeon Graphics(2CU) | Radeon Graphics(2CU) | Radeon Graphics(2CU) |
GPUクロック | 2200 MHz | 2200 MHz | 2200 MHz |
TDP | 120 W / 162 W | 105 W / 142 W | 65 W / 88 W |
MSRP | $ 479 | $ 479 | $ 359 |
参考価格 | 86800円 | 71800円 | 70800円 |
全世界のPCゲーマー待望のゲーミング特化型CPU、その最新世代モデルが「Ryzen 7 9800X3D」です。
CPUに第6世代「Zen 5」に、ゲームに強い効果を発揮する第2世代3D V-Cache(積層型L3キャッシュ)を搭載して、Ryzen 7 9700Xの完全な上位互換を目指します。
ゲームに恐ろしく強い「3D V-Cache」技術
念のため、「3D V-Cache」について詳しく知らない一般人向けに、ざっくりと構造をイラストで分かりやすく解説します。
(現代のCPUは中身が多種多様)
CPUの中には、CPUコア本体や内蔵グラフィックス、SSDやメモリと接続するバスインターフェイスなど。いろいろな役割を持つパーツが内蔵されています。
「3D V-Cache」はその中でもL3キャッシュと呼ばれる、CPUの作業用データを一時的に置いておく空間を飛躍的に拡張する役割です。
しかし、L3キャッシュの増築は2024年時点ですでに行き詰まっています。上記イラストを見てのとおり、L3キャッシュはとても巨大で・・・追加したくても置く場所がどこにも無いです。
AMDのエンジニアが考えた手法が「積層化」です。置く場所がないなら、縦に重ねてしまえば解決します。
Ryzen 7 9800X3Dに搭載される第2世代3D V-Cache技術では、CPUコア層の直下に容量64 MBのL3キャッシュを敷き詰めて、TSV(シリコン貫通ビア技術)で上の層にあるL3キャッシュと接続します。
- 2階層:CPU本体 + L3キャッシュ(32 MB)
- 1階層:L3キャッシュ(64 MB)
上と下の層をあわせて、合計96 MB(32 + 64 MB)もの大容量L3キャッシュの完成です。
第2世代と第1世代3D V-Cacheの主な違いが、積層する順番です。
AMD 3D V-Cache 技術 | ||
---|---|---|
世代 | 第2世代 | 第1世代 |
製造 | 台湾TSMC SoIC System on Integrated Chips 技術 | |
キャッシュ層 | CPU層の下に3D V-Cacheを積層 | CPU層の上に3D V-Cacheを積層 |
キャッシュ密度 | 約1.5倍 容量32 MBあたり15.7 mm² | 1.0倍 容量32 MBあたり24.0 mm² |
実効帯域幅 | 大差なし | |
レイテンシ(遅延) | 大差なし |
第2世代3D V-Cacheでは、熱を持ちやすいCPU層を上に持ってきて、CPUの冷却効率を改善します。
結果的に、従来世代よりも高いクロック周波数を維持できるようになり、通常モデル(Ryzen 7 9700X)に対する完全な上位互換にバージョンアップです。
従来モデルだとCPUの直上にフタをしている状態に等しく、冷却効率が非常に悪かったです。冷やしにくいからクロック周波数を上げづらく、ゲーム以外の用途で通常モデル(Ryzen 7 7700X)に劣る状態でした。
そのほか、設計の最適化※により3D V-Cacheの実装面積を約1.5倍に効率化しつつ消費電力の削減も行っており、冷却効率を従来比でさらに向上させています。
※平たく言えば「整理整頓」です。たとえば、TSV(シリコン貫通ビア)の設置数を半分以下に削減したり、メモリセルの並べ方を工夫して詰め込んだり。あの手この手で密度を高めています。
ベンチマーク用のゲーミングPCを紹介
テスト環境 「ちもろぐ専用 Ryzenベンチ機(2024 / 新)」 | ||
---|---|---|
スペック | 使用パーツ | |
CPUクーラー | 280 mm水冷式クーラー | NZXT Kraken 280(2023) |
メモリ | DDR5-5200 32GB(16GB x2) | Micron CT32G56C46U5 |
マザーボード | AMD X670Eチップセット | ASUS TUF GAMING X670E-PLUS (BIOS ver 3057 / AGESA PI 1.2.0.2a) |
グラボ | RTX 4090 24GB | GIGABYTE RTX 4090 GAMING OC |
SSD | 1 TB(NVMe SSD) | Samsung 970 EVO Plus |
電源ユニット | 850 W(80 PLUS Platinum) | Corsair HX850i 2021 |
OS | Windows 11 Pro 24H2 (KB5041587適用済み) | Windows 11 Pro(パッケージ版) |
テスト環境 「ちもろぐ専用 Intelベンチ機(2024 / 新)」 | ||
---|---|---|
スペック | 使用パーツ | |
CPUクーラー | 280 mm水冷式クーラー | NZXT Kraken 280(2023) |
メモリ | DDR5-5600 32GB(16GB x2) | Micron CT32G56C46U5 |
マザーボード | Intel Z890チップセット | ASRock Z890 Pro RS (BIOS ver 2.10) |
グラボ | RTX 4090 24GB | GIGABYTE RTX 4090 GAMING OC |
SSD | 1 TB(NVMe SSD) | Samsung 970 EVO Plus |
電源ユニット | 850 W(80 PLUS Platinum) | Corsair HX850i 2021 |
OS | Windows 11 Pro 24H2 (KB5041587適用済み) | Windows 11 Pro(パッケージ版) |
Intel Core Ultra 2世代用のベンチ機です。レビュー時点で最新のIntelパッチ「microcode 0x12B」を適用済み。
テスト環境 「ちもろぐ専用 Intelベンチ機(2024 / 旧)」 | ||
---|---|---|
スペック | 使用パーツ | |
CPUクーラー | 280 mm水冷式クーラー | NZXT Kraken 280(2023) |
メモリ | DDR5-5600 32GB(16GB x2) | Micron CT32G56C46U5 |
マザーボード | Intel Z690チップセット | ASUS TUF GAMING Z690-PLUS WiFi (BIOS ver 3901 Beta / Intel 0x12B) |
グラボ | RTX 4090 24GB | GIGABYTE RTX 4090 GAMING OC |
SSD | 1 TB(NVMe SSD) | Samsung 970 EVO Plus |
電源ユニット | 850 W(80 PLUS Platinum) | Corsair HX850i 2021 |
OS | Windows 11 Pro 24H2 (KB5041587適用済み) | Windows 11 Pro(パッケージ版) |
第12~14世代Intel Coreシリーズ用のベンチ機です。一部のCore i5 ~ Core i9で発生する急速な劣化症状を未然に防ぐ効果があるとされる、最新のIntelパッチ「microcode 0x12B」を適用済み。
テスト環境 「ちもろぐ専用 Intelベンチ機(2023 / 旧)」 | ||
---|---|---|
スペック | 使用パーツ | |
CPUクーラー | 280 mm水冷式クーラー | NZXT Kraken 280(2023) |
メモリ | DDR4-3200 32GB(16GB x2) | Elite Plus UD-D4 3200 |
マザーボード | Intel Z590チップセット | ASUS ROG Z590-E GAMING WiFi (BIOS ver 2203 / Intel 0x5E) |
グラボ | RTX 4090 24GB | GIGABYTE RTX 4090 GAMING OC |
SSD | 1 TB(NVMe SSD) | Samsung 970 EVO Plus |
電源ユニット | 850 W(80 PLUS Platinum) | Corsair HX850i 2021 |
OS | Windows 11 Pro 24H2 (KB5041587適用済み) | Windows 11 Pro(パッケージ版) |
第10~11世代Intel Coreシリーズ用のベンチ機です。
Rocket Lakeシリーズ向けの最新Intelパッチ「microcode 0x5E」を適用済み。発売当時の強烈な消費電力を完全に再現できなくなった・・・、いわゆる “環境に優しい” 設定です。
なお、CPUクーラーはすべて共通して「NZXT Kraken 280(2023)」を使います。筆者が複数個持っているAsetek製マウントキットをそのまま使い回せて、とても重宝しています。
テストに使うWindowsはレビュー時点で最新の「24H2」を導入し、電源プランは初期設定(バランスモード)です。
今回のベンチマークで比較に使うCPUは
- Ryzen 7 9800X3D(8コア16スレッド)
- Core Ultra 9 285K(24コア24スレッド)
- Core i9 13900K(24コア32スレッド)
- Core i9 12900K(16コア24スレッド)
- Core i9 11900K(8コア16スレッド)
- Ryzen 9 9950X(16コア32スレッド)
- Ryzen 7 9700X(8コア16スレッド)
- Ryzen 7 7800X3D(8コア16スレッド)
以上8個です。
CPUの電力設定は「定格準拠」です。自作PC系のベンチマークにありがちな「全力モード」ではなく、メーカーが定めた基準値を設定します。
具体的に以下のとおりです。
Intel CPU | PL2 瞬発制限 | PL1 実質制限 | Tau PL2持続時間 | IccMax 許容電流 |
---|---|---|---|---|
Core Ultra 9 285K Baseline Profile | 177 W | 125 W | 56 秒 | 287.00 A |
Core i9 13900K Baseline Profile | 253 W | 125 W | 56 秒 | 307.00 A |
Core i9 12900K Baselineに準拠 | 241 W | 125 W | 56 秒 | 399.75 A |
Core i9 11900K Baselineに準拠 | 250 W | 125 W | 56 秒 | 245.00 A |
Ryzen CPU | PPT | TDP | ||
Ryzen 9 9950X | 200 W | 170 W | – | |
Ryzen 7 9800X3D | 162 W | 120 W | – | |
Ryzen 7 9800X3D Eco Modeに準拠 | 88 W | 65 W | TDC : 75 A / EDC : 150 A | |
Ryzen 7 9700X | 88 W | 65 W | – | |
Ryzen 7 7800X3D | 88 W | 65 W | – |
Ryzen 9 9950Xを除いて、ほとんどのCPUが最終的に「125 W」前後に落ち着く設定です。
Intel CPU側はIntel Baseline Profile準拠の設定で、AMD Ryzen側はDefault PTT設定でベンチマークを行います。Ryzen 7 9800X3Dのみ、Eco Mode(65 / 88 W)時の性能も追加で検証します。
8個のCPUをテストするために、合計で4台のゲーミングPC(ベンチ機)を用意しました。
ほとんどのBTOパソコンで使われている、定格準拠のDDR4メモリ(またはDDR5メモリ)を使います。旧世代のAMD RyzenやIntel CoreはDDR4-3200規格に。
新しい世代のAMD RyzenとIntel Coreは、CPUの定格設定にもとづいてDDR5-4800 / 5200 / 5600規格のいずれかです。
メモリとマザーボード以外のPCパーツは共通(同じ)パーツを採用し、できる限りCPUの性能だけを比較します。
(過去レビュー史上最速のグラボ)
グラフィックボードは「RTX 4090 24GB」を採用。
レビュー時点でもっとも派手にCPUボトルネックが発生する、最速のグラフィックボードです。世界最速のゲーミングCPUとうたわれるRyzen 7 9800X3Dを検証するのに、これ以上ない適任者です。
(過去レビュー史上最速のモニター)
検証用ゲーミングモニターは「LG 32GS95UE-B」を採用。
4Kで最大240 Hz、フルHDで最大480 Hz対応のOLEDゲーミングモニターです。まれに垂直同期が切れずに測定ミスの原因になるリスクがあるので、ネイティブ高Hzモニターを使って事前に回避します。
筆者やかもちが購入したRyzen 7 9800X3Dの場合、パッケージに貼ってある保証シールが「テックウインド株式会社」でした。
- 株式会社アスク
- テックウインド株式会社
- CFD販売株式会社
- 株式会社アドテック
自作PCの世界ではもっぱら「アスク」が有名ですが、アスク以外に3社も確認されています。
Ryzen 7 9800X3Dのゲーム性能(vs RTX 4090)
Apex Legends(キングスキャニオン)
平均fps最低fps(下位1%)
eSportsの定番タイトル「Apex Legends」をベンチマーク。場所は「射撃訓練場」ではなく、「キングスキャニオン」に降りてから一定のコースを全力ダッシュしました。
射撃訓練場はグラボのベンチマークならいいですが、CPUのベンチマークだとCPUをほとんど使ってくれないため、あえてキングスキャニオンを使っています。
Ryzen 7 9800X3Dの性能は過去最高です。ほとんどのシーンで300 fps上限に張り付いていて、安定した性能を見せます。
下位フレームレートの向上も大きく、Ryzen 7 9800X3Dは280~290 fps程度、Ryzen 7 9700Xだと240~250 fps程度まで落ち込みます。
平均fps最低fps(下位1%)
WQHD(2560 x 1440)だと性能差が狭まりますが、変わらずRyzen 7 9800X3Dがトップクラスにつけています。
平均fps最低fps(下位1%)
4K(3840 x 2160)でCPUボトルネックがやや緩和され、新しい世代同士ならほとんど性能差が出現しません。
Escape from Tarkov(タルコフ)
平均fps最低fps(下位1%)
Escape from Tarkov(タルコフ)のオープンワールドマップ「STREETS OF TARKOV」は、ゲーム側の最適化不足から来る深刻なCPUボトルネックで有名です。
CPUボトルネックが非常に発生しやすいゲームだから、3D V-Cacheを備えるCPUが猛威をふるいます。
Ryzen 7 7800X3DがRyzen 9 9950Xを超え、Ryzen 7 9800X3Dは文字通り「別次元」の性能に突入です。
Core Ultra 9に対して約2倍、Ryzen 7 9700Xに対して約1.5倍もの圧巻の性能差を見せつけます。
平均fps最低fps(下位1%)
WQHD(2560 x 1440)でも同じ傾向が続き、Ryzen 7 9800X3Dが最強です。
平均fps最低fps(下位1%)
4K(3840 x 2160)でもCPUボトルネックを緩和できず、Ryzen 7 9800X3Dがトップのまま終了。
Fortnite(フォートナイト)
平均fps最低fps(下位1%)
Apex Legends以上のアクティブユーザーを誇る、定番eSportsタイトル「フォートナイト」をテスト。
テスト用に複数のBOTから撃たれまくるシーケンスを作成して、できる限り毎回ほとんど同じ条件でフレームレートを測定します。
Ryzen 7 9800X3Dは前世代と大きな性能差がなく、グラフィックボード側の性能をほぼ100%引き出せている様子です。
平均fps最低fps(下位1%)
WQHD(2560 x 1440)でCPUボトルネックが緩和され、平均フレームレートに大差なし。下位フレームレートは若干の改善が見られます。
平均fps最低fps(下位1%)
4K(3840 x 2160)ならCPUボトルネックはほぼ消滅し、グラボ側の性能不足が明らかです。
Overwatch 2(オーバーウォッチ)
平均fps最低fps(下位1%)
オーバーウォッチ2をベンチマーク。
Ryzen 7 9700X以上で頭打ちの傾向ですが、下位フレームレートで確かな改善です。
平均fps最低fps(下位1%)
WQHD(2560 x 1440)でCPUボトルネックがやや緩和されるものの、やはり下位フレームレートの改善が目立っています。
平均fps最低fps(下位1%)
4K(3840 x 2160)でCPUボトルネックがほぼ消滅します。下位フレームレートに差はありますが、おおむねグラボ側の性能が頭打ちです。
Cyberpunk 2077(サイバーパンク2077)
平均fps最低fps(下位1%)
CPUに凄まじい負荷がかかる重量級ゲーム「サイバーパンク2077」のベンチマークです。
Ryzen 7 9800X3Dが期待どおり圧勝を収め、Core i9 13900KやRyzen 7 9700Xに対して約1.5倍の性能です。Intel Coreシリーズは勝負になってません。
平均fps最低fps(下位1%)
WQHD(2560 x 1440)でCPUボトルネックが若干マシになり、Ryzen 7 7800X3D以上で頭打ちの傾向。
平均fps最低fps(下位1%)
4K(3840 x 2160)でほとんど緩和され、グラボ側がボトルネックに。
Dragon’s Dogma 2(ドグマ2)
平均fps最低fps(下位1%)
2025年2月発売予定の「モンスターハンター:ワイルズ」の性能を占うため、カプコンの最新タイトル「ドラゴンズドグマ2」をベンチマークに追加。CPUボトルネックが深刻な「ヴェルンワース」を全力疾走します。
前作Ryzen 7 7800X3Dだと、Core i9 13900Kに勝てなかったのですが、Ryzen 7 9800X3Dで見事にトップを奪還。それも1割強の性能差をつけての奪還です。
平均fps最低fps(下位1%)
WQHD(2560 x 1440)のベンチマーク結果です。依然として深刻なCPUボトルネックが見られます。
平均fps最低fps(下位1%)
4K(3840 x 2160)のベンチマーク結果です。CPUボトルネックはほとんど緩和されず、ドラゴンズドグマ2でRTX 4090の性能をフルに引き出せるCPUは未だなし。
ELDEN RING(エルデンリング)
平均fps最低fps(下位1%)
エルデンリング(ケイリッド地方)をベンチマーク。
Ryzen 7 9800X3Dがトップです。ちなみにGPU使用率は未だ100%に達しません。9800X3DですらCPUボトルネックが発生しています。
平均fps最低fps(下位1%)
WQHD(2560 x 1440)のベンチマーク結果です。
平均fps最低fps(下位1%)
4K(3840 x 2160)のベンチマーク結果です。
FF14:黄金のレガシー
平均fps最低fps(下位1%)
FF14:黄金のレガシーをベンチマーク。
Core i9 13900Kと比較して約1.5倍の性能アップですが、Ryzen 7 7800X3Dと比較すると渋い性能差です。
平均fps最低fps(下位1%)
WQHD(2560 x 1440)のベンチマーク結果です。
平均fps最低fps(下位1%)
4K(3840 x 2160)のベンチマーク結果です。
Cities Skylines II(シティスカ2)
平均fps最低fps(下位1%)
超重量級ゲーム「シティスカ2」をベンチマーク。
最高設定だと負荷が重すぎるので、グラフィック設定を「高設定(DLSS:バランス)」に下げています。
比較的グラフィックボード側に負荷が集中しやすい環境ですが、CPUボトルネックはハッキリと出ます。Ryzen 7 9800X3Dが最高の性能を叩き出し、Core Ultra 9 285Kを明確に超えます。
と言っても割と僅差で、人口を増やしてシミュレーション負荷を高めると・・・演算性能の高いCore Ultraに逆転される可能性が高いです。
平均fps最低fps(下位1%)
WQHD(2560 x 1440)のベンチマーク結果です。
平均fps最低fps(下位1%)
4K(3840 x 2160)のベンチマーク結果です。
Palworld(パルワールド)
平均fps最低fps(下位1%)
国産サバイバルゲームの大ヒット作「パルワールド」をベンチマーク。最高設定が意外と重たいため「DLSS:クオリティ」を有効化します。
Ryzen 7 9800X3Dがトップです。7800X3Dから約1割ほど性能が伸びています。
平均fps最低fps(下位1%)
WQHD(2560 x 1440)のベンチマーク結果です。傾向は変わらず。
平均fps最低fps(下位1%)
4K(3840 x 2160)のベンチマーク結果です。平均140 fps前後でグラボ側がボトルネックです。
Flight Simulator(2020)
平均fps最低fps(下位1%)
超重量級のシミュレーションゲームで知られる「フライトシミュレーター(2020)」をベンチマーク。
シティスカ2ならCore Ultraが同等クラスに強かったですが、フライトシミュレーターだと逆にダメダメでRyzen 7 9800X3Dに約1.7倍もの大差をつけられます。
平均fps最低fps(下位1%)
WQHD(2560 x 1440)のベンチマーク結果です。
平均fps最低fps(下位1%)
4K(3840 x 2160)のベンチマーク結果です。
よく4Kなら9800X3Dは役に立たないなどと提供品レビューで紹介されていますが、微妙に誤った説明だと分かります。結局のところ、CPUボトルネックの度合いはグラフィックボード側の負荷で決まります。
4K解像度でもグラボが空回りする状況なら、3D V-Cacheが効果てきめんです。
Minecraft(マイクラ)
平均fps最低fps(下位1%)
意外と重量級な「マイクラBE版」をベンチマーク。レイトレ(距離:12チャンク)とアップスケーリング(DLSS内蔵)を有効化しています。
前作Ryzen 7 7800X3DだとCore i9 13900Kに勝てなかったですが、Ryzen 7 9800X3Dでようやくイーブンに並びます。
平均fps最低fps(下位1%)
WQHD(2560 x 1440)のベンチマーク結果です。
平均fps最低fps(下位1%)
4K(3840 x 2160)のベンチマーク結果です。
Genshin Impact(原神)
平均fps最低fps(下位1%)
大人気RPGタイトル「原神(Genshin Impact)」をベンチマーク。
CPUボトルネックが出やすい「スメールシティ」を、限定★5キャラ「夜蘭(1凸)」で高速ダッシュします。テスト中にスタミナが切れないよう、万葉や風共鳴、ダッシュ持続料理を入れています。
まともに最適化がされていないゲームなので、Ryzen 7 9800X3Dが予想どおり猛威を振るっています。
加えて原神の場合、Ryzenに内蔵されたIFファブリックの遅さがボトルネックになりやすい性質もあり、膨大な3D V-Cacheのおかげでボトルネックをうまく回避してフレームレートを大幅に稼げる様子です。
平均fps最低fps(下位1%)
WQHD(2560 x 1440)でもCPUボトルネックが大きく出ています。
平均fps最低fps(下位1%)
4K(3840 x 2160)でもCPUボトルネックが緩和されません。
一般的によく言われる「4K解像度だと9800X3Dは意味がない」が、誤った解釈だと分かります。何度も言うように4Kだからボトルネックが消えるわけではなく、グラフィックボード側の負荷が重たいとCPUボトルネックが軽減する関係です。
RTX 4090にとって、原神の4K解像度はまだまだ負荷の軽いタスクです。だから4K解像度でも深刻なCPUボトルネックが発生します。
ZZZ(ゼンレスゾーンゼロ)
平均fps最低fps(下位1%)
ゼンレスゾーンゼロの「ルミナスクエア」は、街中を歩くNPCが多く、意外とCPUボトルネックが出やすい環境です。
おおむね「原神」と似たような傾向になっています。Ryzen 7 9800X3Dが最高のフレームレートを叩き出し、Ryzen 7 9700Xに対して約1.8倍も高性能です。
平均fps最低fps(下位1%)
WQHD(2560 x 1440)もフルHDと同じく、CPUボトルネックが大きく出ます。
平均fps最低fps(下位1%)
4K(3840 x 2160)でも、依然としてCPUボトルネックは緩和されませんが、平均155~160 fpsあたりでGPU使用率が100%近くまで上昇しています。
つまり、Ryzen 7 9800X3Dはゼンレスゾーンゼロ(4K最高品質)において、初めてRTX 4090から100%の使用率を引き出した最初のCPUです。
VRChat(アバターを大量に読み込み)
平均fps最低fps(下位1%)
VRゲームの代表作でありながら、まったくベンチマークを見かけない「VRChat」をテスト。
3Dモデリング(アバター)データが大量にロードされるワールド「Avatar Museum 9」を走りながらベンチマークすると、びっくりするほど深刻なCPUボトルネックが発生します。
Ryzen 7 9800X3Dは多くのVRCユーザーが予想していた通り、VRChatで最高の性能です。
前作Ryzen 7 7800X3DもVRCユーザーから非常に評判がいいCPUでしたが、Ryzen 7 9800X3Dはさらに上の次元に到達します。
ワールドや状況によって性能が大きく変わります。
「Yayoi Forest House」なら、もっぱらグラフィックボードがボトルネックになりやすいし、「ポピー横丁」はCPUとグラボの性能がうまく発揮されない傾向です。
パブリックインスタンスに不特定多数のユーザーが数十人(20人以上)いる状況だと、容量96 MBの3D V-Cacheでも負荷を吸収し切れず、素の演算性能が高いCore i9 13900Kやi7 14700Kがむしろ有利になる傾向も確認※しています。
※RTX 4070 Ti SUPERを搭載した2台のパソコンを用意して、2つのアカウントを同時に動かして検証した結果です。不特定多数のユーザーが多ければ多いほど、3D V-Cacheが根負けします。
つまり、多くて数人としかVRChatをプレイしない人にとって9800X3Dが有利で、パブリックインスタンスで何十人もの不特定多数のプレイヤーと遊ぶ人ならCore i7 14700K以上が有利かもしれません。
平均fps最低fps(下位1%)
WQHD(2560 x 1440)でもCPUボトルネックが依然として深刻です。
平均fps最低fps(下位1%)
4K(3840 x 2160 = 片目あたり1920 x 2160)ですら、CPUボトルネックはやはり大きいままです。
15ゲームの平均パフォーマンス
平均fps最低fps(下位1%)
テストした15ゲームタイトルの平均パフォーマンスをまとめました。
RTX 4090と組み合わせた場合、Ryzen 7 9800X3DはRyzen 7 9700Xより約34%もフレームレートが上がります。前作Ryzen 7 7800X3Dと比較して約11%の性能アップです。
9700Xと9800X3Dの価格差はおよそ2.5万円ですが、RTX 4090を組み込んだシステム全体の総額で見れば5~6%程度の差額に過ぎず、価格差以上の性能向上幅を得られています。
世界中で爆売れしたのも納得の性能です。RTX 4090やRX 7900 XTXを買えるハイエンドユーザーにとって、2.5万円の差額は十分に許容できるし、コスパ的に見ても極めて合理的な判断に映ります。
7800X3Dと比較しても差額はせいぜい1.5万円程度で、なおさら「どうせ買うなら9800X3Dでいいや」と、9800X3Dの需要を強く後押しします。
平均fps最低fps(下位1%)
WQHD(2560 x 1440)時の平均パフォーマンスです。フルHDモード時と同じ結論です。
平均fps最低fps(下位1%)
4K(3840 x 2160)時の平均パフォーマンスも、結論に変わりないです。
特に筆者やかもちの場合、毎日のようにプレイするゲームは「原神」「崩壊スターレイル」「鳴潮(Wuthering Waves)※」「ゼンレスゾーンゼロ」と・・・、まともに最適化ができていない中華RPGタイトルばかり。
これらのゲームを4K解像度(4K 120 Hzゲーミングモニター)でプレイするので、Ryzen 7 9800X3Dの高いゲーム性能はとても魅力的です。
※個別のベンチデータは公開していませんが、「鳴潮」でもRyzen 7 9800X3Dがトップ性能です。
Ryzen 7 9800X3Dの体感性能をベンチマーク
シングルスレッド性能
「サクサクとした」「レスポンスが速い」と表現される、体感性能と深く関係があるシングルスレッド性能をベンチマーク。
定番のベンチマーク「Cinebench R23」では、Ryzen 7 9800X3Dが2100点前後で、Ryzen 7 9700Xは約2220点です。
- Ryzen 7 9800X3D:最大5.2 GHz
- Ryzen 7 9700X:最大5.5 GHz(+5.7%)
最大定格クロック周波数の増減率とほぼ一致します。
Cinebench R15も同じ傾向です。
3Dゲームのベンチマークで有名な「3DMark」を使って、1コアあたりの性能をベンチマーク。
基本的な傾向はやはりCinebench R23とほぼ同じ。
2コア使った性能(デュアルスレッド性能)もベンチマーク。変わらずクロック周波数に比例した結果です。
ブラウザソフトの処理速度
ブラウザ(Google Chrome)でJavascriptを動かして、処理に掛かった時間をテストします。
Ryzen 7 9800X3Dは296.5ミリ秒でテストを終え、Core Ultra 9すら超える最速クラスです。
Google Chromeとよく似たブラウザ「Edge」の処理速度を、PCMark 10 Proを使ってテスト。
Core i9 13900K以上でやや頭打ちの傾向です。Edgeベンチ自体に負荷がバラける傾向があり、テストごとの変動幅もやや大きいので多少のスコア差は実質的に無いと考えていいです。
オフィス系ソフト(Office)の性能
シングルスレッド性能が露骨に効きやすい「Word」の処理速度です。Ryzen 7 9800X3Dは、Ryzen 7 9700Xに並ぶ最速クラスに。
シングルスレッド性能とマルチスレッド性能どちらも効果的な「Excel」の処理速度です。
デフォルト設定(最大162 W)なら、マルチスレッドが効くシーンでスコアを稼いで36000点前後、Eco Mode準拠(最大88 W)だとRyzen 7 9700Xとほぼ並びます。
どちらかと言えばシングルスレッド性能が効きやすい「PowerPoint」の処理速度です。
7800X3Dも9800X3Dもほとんど大差なし。頭打ちの傾向です。
写真編集(Photoshop)の性能
写真編集で有名な「Adobe Photoshop CC」をスクリプトで動かして、各処理にかかった時間やフレームレートからPhotoshopの処理性能を求めます。
基本的なタスクの処理性能(Overall Standard Score)は、Ryzen 7 9800X3Dが約11800点を叩き出し、Ryzen 9 9950Xすら超える最高のスコアです。
Eco Mode準拠(最大88 W)でもRyzen 7 9700Xをやや上回っており、ごく一部のタスクで3D V-Cacheがヒットしている可能性が考えられます。
一般処理(General Score)に絞ったスコアでRyzen 7 9800X3Dが約115点で、やはり最高のスコアです。
フィルター処理(Filter Score)に絞ったスコアも同様にRyzen 7 9800X3Dがトップ、0.3 GHz高いクロックで動作するRyzen 7 9700Xよりわずかに高速です。
動画編集(Davinci Resolve)の性能
無料で使える動画編集ソフトでじわじわと人気を集めている「Davinci Resolve Studio」の処理性能を、スクリプトを使ってベンチマーク。
基本的なタスクが中心の「Overall Basic」スコアにて、Ryzen 7 9800X3Dは約10000点前後でした。Core i9 13900KやRyzen 9 9950Xにおよそ1割低いスコアです。
逆に考えれば、コア数が50~70%減少しても4K動画編集の処理性能はあまり変わらないと解釈できます。普通の編集作業ならRyzen 7 9800X3Dで十分です。
テスト内容 | スコア ※クリックで画像拡大 |
---|---|
Overall Standard 標準的なタスク | |
Long GOP Long GOP形式の編集 | |
IntraFrame IntraFrame形式の編集 | |
RAW RAW形式の編集 | |
GPU Effects OpenFX処理(グラボ) | |
Fusion VFX処理(主にグラボ) |
グラフィックボードに負荷が集中する「GPU Effects(OpenFX処理)」でほぼ横並び、IntraFrame編集とRAW編集はマルチスレッドの性能差がかなり開いています。
一方、「Fusion(VFX処理)」だとCore i9 13900Kに匹敵するトップクラスの性能になり、Ryzen 7 9700Xを1割以上も上回ります。やはり、クリエイティブな用途でも一部3D V-Cacheが効いている様子です。
レンダリングと動画エンコード(参考)
Cinebench R23のマルチスレッド性能を比較します。
基本的にコア / スレッド数が多いほど有利です。Ryzen 7 9800X3Dは8コア16スレッドしかないから、Eコアを用いてコア数を大幅に増やしているIntel Coreシリーズに対して不利な傾向が分かります。
デフォルト設定(最大162 W)でCore i9 12900K(最大241 W)に相当する性能で、Eco Mode準拠(最大88 W)でRyzen 7 9700Xと横並びです。
Cinebench R15のマルチスレッド性能を比較します。
Cinebench R23よりテスト時間が短いため、ピーク時の消費電力が大きいCPUが有利ですが、基本的な傾向はそれほど変わりません。
ゲーム向けベンチマーク「3DMark」を使って、フルスレッド(全スレッド)時の処理性能をベンチマーク。
Cinebench R15 / R23と似たような傾向です。8コア16スレッドのRyzen 7 9800X3Dは、16コア24スレッドも備えるCore i9 12900Kにやや劣っています。
なお、フルスレッドの処理性能は体感性能とさほど一致しないから、参考にしすぎないよう注意が必要です。
無料で使えるエンコードソフト「Aviutl」に、rigaya氏が開発した「x264拡張プラグイン」を入れて、原神のプレイ動画(4K 60 fps)をH.264形式でエンコードします。
デフォルト設定(最大162 W)時で、Core i9 12900Kよりわずかに遅いです。Eco Mode準拠(最大88 W)で、Ryzen 7 9700Xより少し速いです。
同じ消費電力にそろえても、なぜかRyzen 7 9800X3Dが早くエンコードを終えます。いろいろと海外の文献を漁ったところ、動画エンコードで3D V-Cacheが有意に効く傾向は確かに存在します。
と言っても、RTX 4060(NVEnc)と比較してしまうと諸行無常のなんとやら・・・です。
さらに負荷が重たい「x265拡張プラグイン」を入れて、原神のプレイ動画(4K 60 fps)をHEVC形式でエンコードします。
H.264形式よりもエンコード時間が長くなり、少ない消費電力で性能を維持できるAMD Ryzenが相対的に有利な結果になりやすいです。
先ほどのH.264と同様に、同じ消費電力にそろえてもRyzen 7 9700XよりRyzen 7 9800X3Dの方がやや早くエンコードを終えています。
CPUを使った計算処理(参考)
グラフィックボードでまだ代替できていない、純粋な「計算処理速度」を比較します。
7-Zip Benchmarkを使って、ファイルの「圧縮」スピードを測定しました。
圧縮と展開はAMD Ryzenが非常に得意とする分野で、8コア16スレッドしか無いRyzen 7 9800X3Dが、16コア24スレッドのCore i9 12900Kを見事に上回ります。
さらに、Ryzen 7 9700Xに対しても一貫して高いスループットを示し、3D V-Cacheが効いている傾向を示します。
7-Zip Benchmarkを使って、ファイルの「展開(解凍)」スピードを測定しました。
Ryzen 7 9800X3DとCore i9 12900Kがほぼ同等で、Core i9 13900K(24コア32スレッド / 最大253 W)には約1.5倍も抜かされます。
同じ消費電力にそろえたRyzen 7 9700Xより少し速い傾向は変わらず出ていて、3D V-Cacheの効果が見られます。
y-cruncher 0.8.5を使って、円周率を25億桁も計算するのにかかった時間をテストしました。
従来比(7800X3D)でおよそ2割も改善され、Core i9 13900Kと横並びです。
Python 3.x(WSL2)を使って、50個の関数を計算し終えるのにかかった時間の平均値(50関数 x 10パス分)を比較しました。
Core i9 13900KやCore Ultra 9 285Kより明確にRyzen 7 9800X3Dが高速で、同じ消費電力でもRyzen 7 9700Xよりわずかに速いです。
ゲームのシミュレーション速度(参考)
重量級ゲームで知られる「Cities Skylines II」のシミュレーション速度を測定します。
人口およそ11万人の都市で進行速度を2倍に設定し、コンソール画面に表示されるシミュレーション速度(Smooth Speed)が極端に遅くならないか、ざっくり比較可能です。
結果、Core i9 11900Kを除いたすべてのCPUが約2倍のシミュレーション速度を維持します。
初回ロード時のみ、1.5倍まで落ち込むシーンもありますが、いったん読み込むと2倍近い速度をおおむね維持できます。
WQHDと4K解像度も同じ傾向です。シミュレーション速度はレンダリング解像度の影響をほとんど受けない様子です。
その他:オタク向け小ネタ情報(参考)
ほとんどの一般PCゲーマーや自作PCユーザーにとって、あまりにマニアック過ぎる小ネタ情報です。
以下のタブに折りたたんであるので、興味がある人だけ参考程度にどうぞ。
最速のSSD「Intel Optane P5810X」に対して、Crystal Disk Mark 8を使って読み出しレイテンシ(4KiB Q1T1 Read)を測定します。
今回のベンチマークにあたって、BIOSを最新パッチ「AGESA PI 1.2.0.2a」に更新した結果、読み出しレイテンシが350 MB/s → 230 MB/s前後まで鈍化しました。
Core i9 13900Kに対して約2倍近い性能差を付けられており、SSDに対するアクセスレイテンシの遅さはAMD Ryzenの目立った弱点です。
AMD RyzenシリーズはCPUとI/Oがそれぞれ別々のチップで実装されており、2つのチップをインフィニティ・ファブリック(IF)で接続するチップレット設計です。
物理的に2つのチップがかなり離れているため、アクセスレイテンシが遅くなるのも・・・理屈では分かります。
でも従来のBIOS(AGESA PI 1.2.0.2以前)なら300 MB/s台を出せていたので、AGESA自体に何か問題がある可能性も疑われます。
CPUの進化具合を確かめる「IPC(クロックあたりの処理性能)」を、Cinebench R15を使ってテストします。
クロック周波数を3.5 GHzに固定して、シングルスレッドモードで処理速度を比較すると、同じクロックなのに性能差を抽出できます。
Ryzen 7 9800X3DのIPCは現時点で最速クラスで、Core Ultra 9 285Kに匹敵します。
先ほどと同じ手順を、7-Zip Benchmark(圧縮)を使って比較したグラフです。
・・・目を疑う結果が出ますが、何度やっても同じ結果が返ってきます。3.5 GHzにそろえているのに、Ryzen 7 9800X3DがRyzen 7 9700Xに対して、約17.5%もスループットが高いです。
フルスレッド処理時よりシングルスレッド処理時の方が伸び幅が大きいのは、おそらく3D V-Cacheにベンチデータがうまく収まっているからと予想します。
7-Zip Benchmark(展開)でIPCを比較したグラフです。
Ryzen 7 9700Xとほぼ同じでした。展開だと3D V-Cacheの効果がほとんど見られません。
Python 3.x(WSL2)の計算速度でIPCを比較します。
Ryzen 7 9800X3Dは680 msで、ほぼCore Ultra 9 285Kに並びます。
OBSでゲーム配信録画(Vtuberアバター)
無料で使えるゲーム配信ソフト「OBS Studio」と、モーションキャプチャー生成ソフト「VSeeFace」を使って、Vtuberアバターを着用した状態で「サイバーパンク2077(フルHD)」をTwitchで配信録画します。
モーションキャプチャー用カメラは「Sony a7C2」です。
配信設定 | 録画設定 |
---|---|
|
|
配信と録画の設定は以上です。
映像設定 | ゲーム設定 |
---|---|
|
|
配信と録画の解像度は「フルHD(1920 x 1080)」で、フレームレートが「60 fps」です。
配信と録画中の平均フレームレート
平均fps最低fps(下位1%)
ゲーム実況配信のようなマルチタスク処理なら、8コアより12~16コアが有利とよく言われます。
残念ながら、8コア16スレッドのRyzen 7 9800X3Dが圧勝です。16コア32スレッドのRyzen 9 9950Xより約30%も平均フレームレートが高く、最低1%フレームレートも安定します。
同じ8コアのRyzen 7 9700Xと比較すると、なんと約50%もの性能差です。まさに完全上位互換モデル。
アプリ | 消費リソース |
---|---|
サイバーパンク2077 | 8コア前後 |
VSeeFace | 2コア前後 |
OBS Studio | 1コア前後 |
モニタリングソフト | 1コア前後 |
電力モニター | 1コア前後 |
合計 | 13コア相当 |
合計5つのアプリで限られた8コアを取り合う過酷なマルチタスクにもかかわらず、Ryzen 7 9800X3Dが圧勝を収めています。
原因はCPUボトルネックです。サイバーパンク2077はそもそもCPUボトルネックが出やすいし、VSeeFaceのモーションキャプチャーもグラフィックボードが処理します。
グラフィックボードの処理は、基本的にCPUが命令を出して初めてスタートする構造です。先にCPUが動かないと、グラフィックボードは何もできません。
最新鋭の第2世代3D V-Cacheによって、グラフィックボードへ効率よく命令を送り出せるRyzen 7 9800X3Dにとって、ゲーム実況配信のような重量級マルチタスクですら朝飯前です。
平均fps最低fps(下位1%)
配信と録画をしていない状態の性能です。
性能の下落幅に注目すると、多コアモデルの優位性が少し出ています。いくつか取り上げると
CPU | 性能の下落幅 |
---|---|
Ryzen 7 9800X3D (8コア16スレッド) | -16.8% |
Ryzen 7 7800X3D (8コア16スレッド) | -15.7% |
Ryzen 9 9950X (16コア32スレッド) | -8.0% |
Core i9 13900K (24コア32スレッド) | -8.5% |
Ryzen 7 9700X (8コア16スレッド) | -18.8% |
8コア16スレッドなら約15~18%の下落、16コア以上だと半分の8%程度に抑えられます。
配信の滑らかさ(コマ落ち)を比較
配信中のガクッとした動き、いわゆる「コマ落ち」の割合を比較します。
Ryzen 7 9800X3Dにコマ落ちはほとんど見られませんでした。Ryzen 7 7800X3DやCore i9 13900Kも同様に、気になるレベルのコマ落ちは見られません。
統計ログに記録されるドロップフレーム数も1桁台で、限りなく0%に近いドロップフレーム率です。
Ryzen 7 9800X3Dの消費電力について
(約20万円もする・・・1枚の板切れ)
電源ユニットの認証機関で知られるCybenetics Labs社の電力テスターを使って、CPUの消費電力を実際に測定します。
ゲームプレイ中の消費電力
平均消費電力
テストした15ゲームタイトルの平均消費電力をまとめました。
RTX 4090と組み合わせた場合、Ryzen 7 9800X3Dは平均59.2 Wの消費電力でした。もっとも消費電力が多いゲーム(サイバーパンク2077)で平均82 Wです。
Ryzen 7 7800X3Dより1割くらい増えています。
ゲーム時の消費電力 (1920 x 1080) | R7 9800X3D (120 / 162 W) | R7 9800X3D (65 / 88 W) | R7 7800X3D (105 / 142 W) |
---|---|---|---|
Apex Legends | 59.4 W | 59.9 W | 52.4 W |
Cities Skylines 2 | 71.3 W | 70.5 W | 57.6 W |
Cyberpunk 2077 | 81.5 W | 81.8 W | 67.6 W |
Dragon’s Dogma 2 | 63.6 W | 62.5 W | 55.4 W |
Elden Ring | 54.8 W | 55.0 W | 50.8 W |
Escape from Tarkov | 74.5 W | 51.4 W | 45.9 W |
Final Fantasy XIV | 57.0 W | 55.4 W | 49.8 W |
Fortnite | 65.8 W | 67.4 W | 62.4 W |
Genshin Impact | 62.7 W | 62.7 W | 55.8 W |
Microsoft Flight Simulator | 46.5 W | 46.4 W | 44.0 W |
Minecraft | 40.4 W | 41.1 W | 39.9 W |
Overwatch | 58.0 W | 56.9 W | 54.6 W |
Palworld | 60.7 W | 60.0 W | 54.5 W |
VRChat | 48.7 W | 48.8 W | 45.7 W |
Zenless Zone Zero | 56.2 W | 56.1 W | 51.8 W |
テストした15ゲームタイトルの測定値です。
消費電力をEco Mode準拠(65 / 88 W)に制限しても、ほとんど変わりません。デフォルト設定(120 / 162 W)の時点で、そもそも電力を食っていないからです。
ゲームプレイが前提なら、約3000~4000円台の低価格CPUクーラーで問題なく冷やせます※。
120 ~ 140 mm x2大型空冷クーラーや240 ~ 420 mm水冷クーラーは、動作音やエアフローを気にする玄人向けのオプションです。
平均消費電力
WQHD(2560 x 1440)時の平均消費電力です。
解像度が大きくなると、CPUよりもグラボの負荷が大きくなり、結果的に消費電力がやや減ります。
ゲーム時の消費電力 (2560 x 1440) | R7 9800X3D (120 / 162 W) | R7 9800X3D (65 / 88 W) | R7 7800X3D (105 / 142 W) |
---|---|---|---|
Apex Legends | 57.8 W | 58.5 W | 51.7 W |
Cities Skylines 2 | 70.9 W | 71.4 W | 57.9 W |
Cyberpunk 2077 | 76.8 W | 77.6 W | 66.1 W |
Dragon’s Dogma 2 | 63.7 W | 63.2 W | 55.5 W |
Elden Ring | 53.8 W | 53.9 W | 51.5 W |
Escape from Tarkov | 51.6 W | 51.0 W | 45.9 W |
Final Fantasy XIV | 54.2 W | 53.9 W | 48.1 W |
Fortnite | 58.6 W | 62.9 W | 56.7 W |
Genshin Impact | 62.6 W | 62.5 W | 54.9 W |
Microsoft Flight Simulator | 45.7 W | 46.2 W | 43.9 W |
Minecraft | 39.0 W | 39.2 W | 38.3 W |
Overwatch | 51.1 W | 50.2 W | 49.1 W |
Palworld | 60.1 W | 58.5 W | 52.6 W |
VRChat | 48.6 W | 49.0 W | 45.7 W |
Zenless Zone Zero | 56.3 W | 56.6 W | 51.8 W |
平均消費電力
4K(3840 x 2160)時の平均消費電力です。CPUよりグラボに負荷が集中するおかげで、消費電力がさらに減っています。
ゲーム時の消費電力 (3840 x 2160) | R7 9800X3D (120 / 162 W) | R7 9800X3D (65 / 88 W) | R7 7800X3D (105 / 142 W) |
---|---|---|---|
Apex Legends | 51.8 W | 52.1 W | 46.8 W |
Cities Skylines 2 | 70.1 W | 70.3 W | 57.8 W |
Cyberpunk 2077 | 54.6 W | 55.2 W | 51.1 W |
Dragon’s Dogma 2 | 63.9 W | 63.2 W | 55.6 W |
Elden Ring | 49.6 W | 49.7 W | 46.3 W |
Escape from Tarkov | 50.7 W | 51.1 W | 45.7 W |
Final Fantasy XIV | 44.8 W | 44.7 W | 42.1 W |
Fortnite | 49.2 W | 49.9 W | 48.1 W |
Genshin Impact | 63.2 W | 63.8 W | 54.6 W |
Microsoft Flight Simulator | 45.4 W | 45.8 W | 43.5 W |
Minecraft | 35.4 W | 35.9 W | 36.4 W |
Overwatch | 38.8 W | 38.6 W | 40.1 W |
Palworld | 56.1 W | 54.6 W | 49.1 W |
VRChat | 48.7 W | 48.9 W | 45.8 W |
Zenless Zone Zero | 58.9 W | 58.4 W | 51.9 W |
フルHDよりWQHD、WQHDより4Kの方がむしろ消費電力が減るのは直感に反する気がしますが、CPUの使用率(負荷率)が下がるから正しいです。
CPUをよく使えばそれだけ消費電力が上がるし、使っていなければ消費電力は下がります。とてもシンプルな理屈です。
オフィスワーク時の消費電力
平均消費電力ピーク値(上位1%)
おまけ程度に、ワークロードごとの消費電力を掲載しておきます。平均値とピーク値(上位1%)のデータです。
Ryzen 7 9800X3Dはシングルスレッド時に26 ~ 28 W前後にとどまり、全コアを駆使するマルチスレッド負荷で約140 W程度です。
「Eco Mode」準拠(65 / 88 W)だと、シングルスレッド消費電力は変わらず、マルチスレッド負荷のみ88 W前後に制限されます。
Ryzen 7 9800X3Dのアイドル消費電力は平均わずか10.3 Wです。
「アイドルマスター」と称されるCore Ultraに匹敵します。従来世代のRyzen 7 7800X3Dと比較して約55%(半分以下)もの削減です。
シングルスレッド時の消費電力を比較しました。
比較したCPUでRyzen 7 9800X3Dがもっとも消費電力が低く、従来比で約16%の削減です。
マルチスレッド時の消費電力を比較しました。
デフォルト設定(120 / 162 W)で140 W前後、Eco Mode準拠(65 / 88 W)で88 W前後です。
まとめ:地球上でもっともゲームが速いCPU
「Ryzen 7 9800X3D」のデメリットと弱点
- 同価格帯に劣るマルチスレッド性能
- マルチスレッド時の消費電力(従来比)
- 貧弱な内蔵GPU(たった2コア)
- 単品価格がやや高い(円安も悪い)
「Ryzen 7 9800X3D」のメリットと強み
- 最強のゲーミング性能
- 空冷CPUクーラーで問題なし
- 優れたシングルスレッド性能
- 圧巻のゲーム配信性能
- トップクラスのIPC
- 第2世代3D V-Cache(96 MB)
- 全体的に消費電力が低い
- アイドル時の消費電力も低い
- ワットパフォーマンスが高い
- 「AVX-512」ネイティブ対応
- コスパが高い(予算増減率)
「Ryzen 7 9800X3D」は、おそらく地球上でもっとも高速なゲーミングCPUです。
Core i9 13900KやCore Ultra 9 285Kなど、競合フラグシップモデル以上のゲーム性能を平均60 W程度の省エネで容易く叩き出します。
わずか60 W程度の消費電力だから、豪華なVRMを備えた高級マザーボードや、巨大なヒートシンクを備える大型空冷クーラーや水冷式クーラーも不要です。
必要最低限の装備で、最強クラスのゲーミング性能を発揮できます。自作PCユーザーだけでなく、BTOパソコンにとっても低コストで高い性能を出せるRyzen 7 9800X3Dは非常にありがたい存在でしょう。
なお、欠点はマルチスレッド性能のみ。
レンダリング、動画エンコード、AI生成など。大量のCPUコアを効率よく活用できるタスクで、同じ価格帯のCPU(Core i7 14700KやRyzen 9 9900X)に大きく劣ります。
8コア16スレッドだから当たり前といえど、同じ値段で12コア24スレッドや20コア28スレッドを選べます。マルチスレッド重視なら、他のCPUを選ぶ余地が残されています。
以上「Ryzen 7 9800X3Dをベンチマーク:Ryzen 7 9700Xや7800X3Dと徹底比較してみた」でした。
Ryzen 7 9800X3Dのコスパは悪い?
最速のグラフィックボード「RTX 4090」と組み合わせるなら、むしろコスパ優秀です。
予算※ | R7 9800X3D | R7 7800X3D | i9 13900K | R7 9700X |
---|---|---|---|---|
CPU | 8.7 万円 | 8.2 万円 | 5.7 万円 | 6.0 万円 |
クーラー | 0.3 万円 (空冷クーラー) | |||
グラボ | 30.0 万円 (GeForce RTX 4090) | |||
メモリ | 1.2 万円 (DDR5 16GB x2) | |||
マザボ | 2.5 万円 (適当なミドルクラスマザボ) | |||
SSD | 1.0 万円 (PCIe 4.0 1TB) | |||
電源 | 1.5 万円 (850 W / 80 PLUS GOLD認証) | |||
OS | 1.5 万円 (Windows 11 Home) | |||
総額 | 46.7 万円 | 46.2 万円 | 43.7 万円 | 44.0 万円 |
増減率 | 100.0% | 98.9% | 93.6% | 94.2% |
性能幅 (フルHD) | 100.0% | 89.9% | 74.9% | 74.4% |
コスパ | 100.0% | 90.9% (9.1%悪化) | 80.0% (20%悪化) | 78.9% (21.1%悪化) |
※レビュー時点(2024/11)の新品価格で計算しました。
予算の増減率に対するコストパフォーマンスを計算した結果、Ryzen 7 9800X3Dがもっとも合理的な選択です。メモリやSSDを大容量にして予算総額を増やすほど、Ryzen 7 9800X3Dが有利になります。
ただし、4Kゲーミングの場合※はCPUよりもグラフィックボードが先に根負けする可能性が出てくるため、コストパフォーマンスの計算はもっと複雑です。
プレイする予定のゲームでどのくらいボトルネックが出ているかどうか、事前によく調査してください。
少なくとも筆者やかもちが毎日プレイする「原神」「崩壊スターレイル」「鳴潮(Wuthering Waves)」「ゼンレスゾーンゼロ」などは、4K解像度でもRyzen 7 9800X3Dが最高のコストパフォーマンスでした。
そのほか「Escape from Tarkov」「VRChat」「MS Flight Simulator」「モンハンワイルズ」なども、RTX 4090と組み合わせるならRyzen 7 9800X3Dが最高のコスパになる可能性が高いです。
要するに・・・ CPUの単品価格を見るのではなく、システム全体の総予算(増減率)にもとづいてコスパを計算すると、良い買い物ができます。
※4Kゲーミングでも、「AMD FSR」や「NVIDIA DLSS」を使う人は要注意です。アップスケーリング技術は低解像度レンダリング(720p ~ 1440p)に該当するため、CPUボトルネックが発生する確率が上がります(#パルワールドの項をチェック)。
Ryzen 7 9800X3Dの代替案について
特にないですが・・・、何も紹介しないのもさみしいので用途ごとにいくつか紹介します。
「Ryzen 7 7800X3D」は、RTX 4070 Ti SUPERやRX 7900 GREくらいのグラフィックボードに十分なゲーミング性能です。
平均値でRyzen 7 9800X3Dより約1割ほどゲーム性能が低いので、RTX 4090より1割以上性能が低いグラボと組み合わせる分には、(理論上)Ryzen 7 7800X3Dで間に合う計算です。
といっても、2024年11月時点で両者の価格差はたったの8000円程度。1万円にも満たない差額だったら、Ryzen 7 9800X3Dを買うPCゲーマーが多いでしょう。
クリエイティブな用途なら「Ryzen 9 9950X」が割とおすすめ。
オフィスワーク、Adobe系、動画編集など。幅広いワークロードでRyzen 7 9800X3Dを超えるトップクラスの性能を安定して発揮できます。
なお、CPUボトルネックが発生するゲーム実況配信に限って、平均フレームレートで(最低1%も)Ryzen 7 9800X3Dに派手に負けます。Ryzen 9 9950Xは純粋なCPU負荷タスク向けです。
【もっと詳しく】ゲーム別ベンチマーク
【グラボ別】おすすめなゲーミングPC
筆者イチオシが「RTX 4070 Ti SUPER」モデルです。フルHD~4Kゲーミングまで、現実的な予算で幅広く対応できます。
予算20万円半ばなら、「RTX 4070 SUPER」を搭載したゲーミングPCがおすすめです。
予算15~17万円あたりは「RTX 4060 Ti」が無難です。RTX 4060 Tiの場合、CPUは最低でもCore i5 12400F(Ryzen 7 5700X)以上にしましょう。
検証お疲れ様でした。
>「4K解像度だと9800X3Dは意味がない」が、誤った解釈
>4Kだからボトルネックが消えるわけではなく、グラフィックボード側の負荷が重たいとCPUボトルネックが軽減する関係
これは勉強になりました。
こうなると
「FHDでもGPUの使用率が100%近く負荷が掛かっている状態ならCPUボトルネックは軽減する」
このような解釈も可能でしょうか?
Valorantの検証が知りたかった、
とんでもなくFPS出そうだ
弱み
・人気すぎて在庫がなく転売されてる
海外でも年内厳しいみたいな話を聞くのでちゃんと買えるようになるのは早くて年明け、落ち着くのは半年後とかですかね…
win10のサポート終了までには買えるようになっていてほしいです。
やってるゲームが同じ(原神、鳴潮、ZZZ、)で
つい最近、R7 5800X+RX7900XTXをi7 14700Kに載せ替えた民としては
なかなかつらい結果に……
私も同じく鳴潮をプレイしてます。
環境はCore i5 12400F + RTX3060Ti + DDR4-3200 + FHD 144Hz。
今州で120fpsに張り付かない時があります。
まさか原神が未だに最適化されてないとは…。
こうなると鳴潮も最適化されないでしょうね…。
検証お疲れ様です。
9950x3dも楽しみですね。
検証と執筆お疲れ様です。
PCパーツに疎い身ですが、CPU関連の話題で久々にワクワクさせられました。
一切文句ない性能面だけでなく扱いやすさまで含めて
あまりにも完成度が高い一品になりましたね
Ryzen 7以上のX3Dは両方のCCDにキャッシュが載るという噂もあるので、1CCDでこれなら期待できますねー
ベースクロックって高いとどういうふうに凄いのかよくわからんけど4.7GHzってだいぶ高いよね
お疲れ様です。
詳しい記事をありがとうございます。いつも参考にさせていただいております。
どうでも良い事なのですが、ベンチのWQHDの解像度表記が一部2560x1080となっている箇所があります。ご報告まで。
265K 349ドルが78800円
9800X3D 479ドルが86800円
これは…
9800X3D焦げる騒動は今回はMSIかまたはユーザーがやらかしただけの可能性高めかね
7800X3Dの時はASUSとASROCKがやらかしてたが