RTX 50シリーズが直近5年で類を見ない最悪級のローンチをやらかしたおかげで、対抗勢力「Radeon」に対する注目度が最高潮です。
本記事では、RTX 50シリーズに対抗するRadeon RX 9000シリーズ最上位「RX 9070 XT」を詳しく比較ベンチマークします。
ベンチマーク用にASRock Japan(@AsrockJ)さんより、Radeon RX 9070 XTを無償で1台提供してもらいました。比較に出すグラフィックボードや、ベンチマークソフトの指定は一切なかったです。シンプルに性能比較をして欲しい・・・といった趣旨の提供動機です。

(公開:2025/3/31 | 更新:2025/3/31)
「Radeon RX 9070 XT」の仕様とスペック

GPU | RX 9070 XT | RX 7900 XT | RTX 5070 Ti |
---|---|---|---|
プロセス | 5 nm製造 : TSMC N4P | 5 + 6 nm製造 : TSMC N5 + N6 | 5 nm製造 : TSMC 4N |
シェーダー数CPUのコア数に相当 | 4096 (8192) | 5376 (10752) | 8960 |
RTコア数レイトレ特化コア | 64 | 84 | 70 |
Tensorコア数AI特化コア | 128 | 168 | 280 |
ブーストクロック | 2970 MHz | 2394 MHz | 2475 MHz |
VRAM | GDDR6 16 GB | GDDR6 20 GB | GDDR7 16 GB |
理論性能(FP32) | 48.66 TFLOPS | 51.48 TFLOPS | 44.35 TFLOPS |
TDP | 304 W | 300 W | 300 W |
補助電源 | 8 + 8 pin | 8 + 8 pin | 16-pin |
MSRP | $ 599 | $ 899 | $ 749 |
参考価格 | 128800 円 | 114800 円 | 178800 円 |
発売価格 | 128800 円 | 159800 円 | 162980 円 |
発売 | 2025/3/7 | 2022/12/13 | 2025/2/20 |
GPU | RX 9070 XT | RX 7900 XT | RTX 5070 Ti |
---|---|---|---|
世代 | RDNA 4.0 | RDNA 3.0 | Blackwell |
プロセス | 5 nm製造 : TSMC N4P | 5 + 6 nm製造 : TSMC N5 + N6 | 5 nm製造 : TSMC 4N |
トランジスタ数 | 539.0 億 | 304 + 188 億 | 456.0 億 |
ダイサイズ | 357 mm2 | 454 + 103 mm2 | 378 mm2 |
シェーダー数CPUのコア数に相当 | 4096 (8192) | 5376 (10752) | 8960 |
TMU数Texture Mapping Unit | 256 | 336 | 280 |
ROP数Render Output Unit | 128 | 192 | 128 |
演算ユニット数 | 64 | 84 | 70 |
Tensorコア数機械学習向けの特化コア | 128 | 168 | 280 |
RTコア数レイトレ用の特化コア | 64 | 84 | 70 |
L1キャッシュ演算ユニットあたり | – | 256 KB | 128 KB |
L2キャッシュコア全体で共有 | 8.0 MB | 6.0 MB | 64.0 MB |
L3キャッシュコア全体で共有 | 64.0 MB | 80.0 MB | – |
クロック周波数 | 2400 MHz | 2025 MHz | 2300 MHz |
ブーストクロック | 2970 MHz | 2394 MHz | 2475 MHz |
VRAM | GDDR6 16 GB | GDDR6 20 GB | GDDR7 16 GB |
VRAMバス | 256 bit | 320 bit | 256 bit |
VRAM帯域幅 | 644.6 GB/s | 800.0 GB/s | 896.3 GB/s |
理論性能(FP32) | 48.66 TFLOPS | 51.48 TFLOPS | 44.35 TFLOPS |
SLI対応 | – | – | – |
PCIe | PCIe 5.0 x16 | PCIe 4.0 x16 | PCIe 5.0 x16 |
TDP | 304 W | 300 W | 300 W |
補助電源 | 8 + 8 pin | 8 + 8 pin | 16-pin |
MSRP | $ 599 | $ 899 | $ 749 |
参考価格 | 128800 円 | 114800 円 | 178800 円 |
発売価格 | 128800 円 | 159800 円 | 162980 円 |
発売 | 2025/3/7 | 2022/12/13 | 2025/2/20 |
「RX 9070 XT」は、1世代前のRDNA 3世代に数多くの改良を加えた「RDNA 4」世代のフラグシップモデル(最上位)です。
RTX 50シリーズより約1.25倍も高密度なチップを搭載して価格を抑え、値段が高い格上モデルに匹敵するゲーム性能を目指します。
約600ドルに設定されたRX 9070 XTの場合、シンプルなゲーム性能でRTX 5070 Ti(約750ドル)と並び、従来世代でフラグシップだったRX 7900 XTX(約1000ドル)に迫る性能を狙っています。
シンプルなゲーム性能だけでなく、従来世代の課題を解消する設計上の改良もいくつか加えられています。
- レイトレーシング性能アップ(理論値:2倍)
- AI処理性能アップ(理論値:2~4倍)
- AIコアを活用した超解像「FSR 4」
- 動画エンコードの品質アップ(理論値:1.25倍)
レイトレ性能が理論値で2倍に跳ね上がり、レイトレ有効時ならRX 7900 XTX以上のゲーム性能に期待できそうです。
AI性能の改善でAIベースの超解像が実現され、今まで以上に高画質化した「FSR 4」に対応します。ジャギーや動きの破綻が目立つと評された「FSR 3」世代から大幅な画質向上が可能です。
動画のエンコードと再生を処理するメディアエンジンにも手が加えられ、従来世代と比較して最大1.25倍のエンコード品質です。
ゲーム性能以外のオプション部分にしっかり改良が入り、従来世代より格段に「万人受け」するグラフィックボードに仕上がっています。
ただし、ここまでの解説はAMDが公開したデータシートにもとづく理論上のお話です。
実機レビューでRX 9070 XTが実際にどれほど改善され、ライバルのRTX 50シリーズと競合できるのかどうか。詳しく検証してみます。

RX 9070 XTの性能をベンチマーク比較

テスト環境 「ちもろぐ専用ベンチ機(2025)」 | ||
---|---|---|
![]() | Ryzen 7 9800X3D8コア16スレッド (3D V-Cache:64 MB) | |
![]() | NZXT Kraken X63280 mm簡易水冷クーラー | |
![]() | ASUS TUF GAMINGX670E-PLUS | |
![]() | DDR5-5600 16GB x2使用メモリ「Crucial Native DDR5」 | |
![]() | ASRock RX 9070 XT Taichi 16GB OC(機材提供:ASRock Japan) | |
![]() | NVMe 8TB使用SSD「WD Black SN850X」 | |
![]() | 850 W(80+ Platnium)使用モデル「Corsair HX850i」 | |
![]() | Windows 11 Pro 24H2(最新版:26100.3613) | |
ドライバ | NVIDIA 572.70 Radeon 25.3.1 | |
ディスプレイ | 3840 x 2160(240 Hz)使用モデル「LG 32GS95UE-B」 |
「RX 9070 XT」のベンチマーク検証では、ちもろぐ専用ベンチ機を使います。基本スペックは以上の通り。
CPUは最強のゲーミング性能を誇る「Ryzen 7 9800X3D(8コア)」を使い、メモリはBTOパソコンで標準的な「DDR5-5600」を32 GB(16 GBを2枚)です。
ベンチマーク用の莫大な数のゲームソフトやAIモデルを置いておくストレージは、容量8 TBのNVMe SSD(WD Black SN850X)を使います。

(4K 240 Hz対応ゲーミングモニター)
最大4K 240 Hz / フルHD 480 Hzに対応する、神速のゲーミングモニター「LG UltraGear 32GS95UE-B」が検証用モニターです。
一部のゲームで垂直同期(V-Sync)をうまく回避できないリスクが少なからず存在するから、物理的にリフレッシュレートが高いゲーミングモニターを使って事前にリスクを抑えます。
- NVIDIA GeForce Graphics Drivers 572.70 WHQL
- AMD Radeon Graphics Drivers 25.3.1 WHQL
テスト時のドライバはGeForce側が「572.70」、Radeon側は「25.3.1」を使います。どちらもテスト時点で一般公開されている安定版ドライバです。

(ASRock RX 9070 XT Taichi 16GB OC)
ASRock Japanさんに提供していただいた検証用のRX 9070 XTです。後日、ボード本体の冷却性能や騒音レビューをします。

「RTX 4080 SUPER」は無難に価格が安くてスタンダードな性能を備える、ZOTAC Trinity Black Editionを使います。筆者の自腹購入品です。

「RTX 4070 Ti SUPER」は当時ほぼ定価で売っていた、Manliを使います。筆者の自腹購入品です。

「RX 7900 XTX」はYahooショッピングにて実質12万円台と破格の安さで人気を集めた、コスパ特化型モデルのASRock Phantom Gaming OCを使います。筆者の自腹購入品です。

「RTX 5080」は品薄すぎて欲しいモデルを選ぶチャンスすら無かったです。だから、たまたま買える機会に恵まれたMSI VENTUS OC(定価モデル)を使います。筆者の自腹購入品です。

「RTX 5070 Ti」も似たような理由です。選ぶチャンスが皆無に等しく、買える瞬間があったからGIGABYTE GAMING OCを選んだだけ。筆者の自腹購入品です。
RX 9070 XTのゲーム性能をベンチマーク
全部で20本のゲームを使って、RX 9070 XTの性能を実際にベンチマークします。
なお、今回ベンチマークに使ったグラボは初期設定で大幅なオーバークロックが設定されているから、定格(304 W)に抑えた場合の性能も追加で検証しました。

- ベンチマークに使ったゲームタイトル
- ベンチマーク時の画面サイズ(解像度)
- 左から順番に「グラフィック設定」「ロケ地」「採用ゲームエンジン」
- 最低フレームレート(下位1%)
- 平均フレームレート
- フレームレート(横軸)
当ブログ「ちもろぐ」のゲーム性能グラフは以上6つの項目で構成され、そのうち太字で強調した2~5番がとても重要です。
- 画面サイズ(解像度)
画面サイズはそのままゲームプレイ時の解像度です。フルHD(1920 x 1080)→ WQHD(2560 x 1440)→ 4K(3840 x 2160)の3つを検証します。
4Kになるほど情報量が増えてディテールの細かい映像が表示されますが、それだけグラフィックボードにかかる負荷も増大して、平均フレームレートが大きく下がる要因です。
- グラフィック設定
ゲーム側の設定です。基本的に最高画質になるよう調整し、あまりにも重たすぎて検証にならない場合のみゲーム設定を妥協します。
なお、参考程度に検証したゲームで使われている「ゲームエンジン」も掲載しています。エンジンによって性能の傾向がそこそこ変わるので、相関性に着目すると何か発見があるかもしれません。
- 平均フレームレート
Intel社が開発したフレームレート測定ツール「PresentMon V2」を用いて、ゲームプレイ中の描写フレーム数を記録します(※記録方式:MsBetweenDisplayChange)。
1秒あたり60枚なら60 fpsで、240枚なら240 fpsです。記録したfpsをテスト時間で割って平均フレームレートを求められます。
平均フレームレートが高いほどヌルヌルとした快適な映像を表示できている証拠として扱えますが、平均値だけを見ていると誤った解釈をするリスクが出てきます。
- 最低フレームレート(下位1%)
平均値に加えて、記録したfpsのうち下から数えて1%の範囲に入っているワースト値もセットで掲載します。
ゲームプレイ中にfpsが不安定な挙動だと下位1%が著しく低い数値になり、平均値が高くても実際にプレイするとカクカクとストレスのたまる挙動をしている可能性に気づけます。
Apex Legends

平均fps最低fps(下位1%)
定番eSportsタイトル「Apex Legends」を最高グラフィック設定でベンチマーク。
フルHDなら、どのグラフィックボードを選んでも300 fps上限にほぼ張り付きます。煙幕を大量に打ち込まれるワーストシーンでも3桁台を見事に維持できます。

平均fps最低fps(下位1%)
最近トレンドになりつつあるWQHD(フルHDの1.8倍)でも、おおむね300 fps上限を叩いていて大きな性能差が出なかったです。

平均fps最低fps(下位1%)
競技FPSゲーマーからまったく支持がない4K解像度(フルHDの4倍)で、ようやくグラフィックボードの性能差がハッキリします。
RX 9070 XTはRTX 4070 Ti SUPER相当の性能を出せて、RTX 5070 Tiには少し届かない位置です。
Escape from Tarkov(タルコフ)

平均fps最低fps(下位1%)
カルト的な人気を誇るサバイバル型FPSタイトル「タルコフ」を、カスタム高設定でベンチマーク。ドライバ側で1000 fps上限に上書きして144 fps上限を解除しています。
フルHDの結果は見ての通り、CPUボトルネックに阻まれてグラフィックボードの性能差がまったく出なかったです。
タルコフをプレイするならグラフィックボードをほどほどにして、CPUにお金を掛けるべきです。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDでも目立った性能差がまったく見られません。どれも誤差程度です。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度でようやく分かりやすい性能差が出てきて、RX 9070 XTはなんとRX 7900 XTXに並ぶ性能です。しかし、RTX 4070 Ti SUPERに勝てません。
Fortnite(フォートナイト)

平均fps最低fps(下位1%)
最新のUnreal Engine 5で制作されている大人気eSportsタイトル「フォートナイト」をベンチマーク。
グラフィック設定を最高プリセットにしてから、Nanite仮想化設定を「高」に抑えました。
若干CPUボトルネックに阻まれていて、RX 9070 XTから性能の伸びが鈍化する様子です。平均値で見るとやや平凡ですが、最低フレームレートはRX 9070 XTが優秀です。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDもフルHDと似た傾向です。RX 9070 XT以上で伸びが鈍化して、最低フレームレートでRX 9070 XTがトップです。

平均fps最低fps(下位1%)
4Kも傾向が変わらず、RTX 4080 SUPERとRX 9070 XTが横並びの性能です。
Call of Duty : Black Ops 6

平均fps最低fps(下位1%)
グラフィック品質が高い有料FPSタイトル「Call of Duty : Black Ops 6」を、ゲーム内ベンチマークで検証します。
前作MWIIもそうでしたが、Call of DutyだとRadeonシリーズが猛威を振るう傾向です。RX 9070 XTがRTX 5070 Tiに並ぶ性能です。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDになると性能差がさらに開いて、RX 9070 XTがRTX 5080すら超えてしまいます。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度でもRadeon優位に変わりなく、RX 9070 XTがRTX 5080並の性能です。

VALORANT

平均fps最低fps(下位1%)
競技シーンで著名なeSportsタイトル「VALORANT」を、最高グラフィック設定でベンチマーク。
最高画質でもテストしたグラフィックボードすべてがCPUボトルネックに衝突して、目立った性能差がまったく出ないです。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDでもCPUボトルネックに先にくる傾向は同じです。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度で性能差が開きます。
肝心のRX 9070 XTはまったく振るわず、RTX 4070 Ti SUPERと同程度にとどまります。
Overwatch 2(オーバーウォッチ)

平均fps最低fps(下位1%)
日本でも人気が高いヒーロー型シューターFPS「オーバーウォッチ2」を、最高グラフィック設定でベンチマーク。
RX 9070 XTがRTX 4070 Ti SUPERを超えて、RX 7900 XTXに迫ります。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDならRX 9070 XTがさらに性能を伸ばして、RTX 4080 SUPERに届きそうです。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度も同じくRX 9070 XTとRTX 4080 SUPERが近い性能です。
Assetto Corsa EVO

平均fps最低fps(下位1%)
現実のようなリアルな挙動をウリにしている、マニア向けなレーシングシミュレーション「Assetto Corsa EVO」をベンチマーク。
・・・残念ながらRadeonが苦手な分野です。RTX 4070 Ti SUPERにすら届かず、RTX 3090よりマシ程度。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDも同じ傾向で、Radeonがまったく性能を出せません。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度になるとVRAM帯域幅に引っ張られてRTX 4070 Ti SUPERが鈍化するものの、それでもRX 9070 XTと並ぶ程度です。
首都高バトル

平均fps最低fps(下位1%)
日本国内で人気が高いレーシングシミュレーション「首都高バトル」をベンチマーク。なお、最高グラフィック設定が非常に重たかったため、1段階下げた高設定を使います。
Assetto Corsaから一転してRadeonが急進撃を見せます。RX 9070 XTがRTX 5070 Tiを超えて、なんとRTX 5080と肩を並べる性能です。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDでVRAM帯域幅に引っ張られて、RTX 5080との性能差が広がります。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度もやはりVRAM帯域幅の影響があり、RX 9070 XTはRTX 5070 Tiをやや上回る性能に落ち着きます。
モンハンワイルズ(MH Wilds)

平均fps最低fps(下位1%)
ゲーミングPC特需を引き起こすほど熱狂的な人気を誇る、国産サバイバルアクション「モンスターハンターワイルズ」をベンチマーク。
全マップをくまなく探索して、特に負荷が高かった「緋の森(豊穣期)」をロケ地に選びました。
テストの結果、重たいマップを選んだかいあってフルHDですら平均60 fps台を出せればマシなレベルです。RX 9070 XTは不可解なほど性能が高く、RTX 5080に匹敵します。


平均fps最低fps(下位1%)
WQHDだと性能差が開きますが、RX 9070 XTが安定してRTX 5070 Tiを超える性能です。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度はVRAM帯域幅がボトルネックになってしまう傾向があり、RTX 5070 Tiに抜かされます。といっても僅差に過ぎず、実質ほぼ同じ性能です。
サイバーパンク2077

平均fps最低fps(下位1%)
オープンワールドアクションの傑作「サイバーパンク2077」をベンチマーク。プリセット「レイトレーシング:ウルトラ」を適用してから、超解像とフレーム生成を無効化します。
RX 9070 XTはRTX 4070 Ti SUPERを上回り、RTX 4080 SUPERやRTX 5070 Tiにまったく届かない性能でした。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDもフルHDと同じ傾向です。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度も傾向に変わりなく、RTX 5070 Tiに勝てません。
Ghost of Tsushima

平均fps最低fps(下位1%)
PlayStation専売ソフトからPCに移植された、日本風アクションの傑作「Ghost of Tsushima」を最高画質でベンチマーク。
もともとプレステ向けに最適化されただけあって、Radeonが優位なゲームです(※PS5の中身がRadeonだから最適化されている説あり)。
フルHDの場合、RX 9070 XTがRTX 5080に並びます。定価ベースで約1.5~1.6倍も高いRTX 5080に並ぶなんて・・・ゲーム次第でコスパが跳ね上がります。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDでも傾向が変わらず、引き続きRX 9070 XTが一貫してRTX 5080に匹敵します。

平均fps最低fps(下位1%)
VRAM帯域幅に足を引っ張られやすい4K解像度でも、RX 9070 XTが見事に耐えてRTX 5080と同等の性能です。
Path of Exile 2

平均fps最低fps(下位1%)
ハクスラ系の名作タイトル「Path of Exile 2(PoE2)」を最高画質でベンチマーク。雨や河川の描写で負荷が高いRiverbankマップをロケ地にしました。
RX 9070 XTはRTX 4070 Ti SUPERを超えて、RTX 4080 SUPERに匹敵する性能です。悪くない性能ですが、RTX 5070 Ti以上の伸びがもっと凄かったです。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDでもRX 9070 XTがRTX 4080 SUPERの一歩手前にとどまります。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度のベンチマーク結果です。
RX 9070 XTがRTX 4070 Ti SUPERをきっちり超え、RTX 4080 SUPERに迫ります。
鳴潮(Wuthering Waves)

平均fps最低fps(下位1%)
ライブサービス型の大人気オープンワールドRPG「鳴潮(Wuthering Waves)」をベンチマーク。最高グラフィック設定にして、レイトレーシングを有効化します。
フルHDは120 fps上限にぶつかってしまい、性能差があまり出ないです。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDでグラフィックボードの実力差が明らかに。RX 9070 XTがRTX 4080 SUPERとほぼ同じ性能ですが、RTX 5070 Tiが予想以上に強いです。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度なら、RX 9070 XTがRTX 5070 Tiに迫ります。
ちなみに鳴潮はGeForce用のAIフレーム生成「DLSS FG」に対応する一方、Radeon用のAIフレーム生成「FSR FG」に非対応です。フレーム生成を入れる前提ならまったく勝負にならないので注意。

ゼンレスゾーンゼロ(ZZZ)

平均fps最低fps(下位1%)
ライブサービス型の大人気アクションRPG「ゼンレスゾーンゼロ」をベンチマーク。
フルHDの場合、CPUボトルネックに制限されてグラフィックボードの性能差がまったく出ないです。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDもCPUボトルネックに制限されています。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度でようやくCPUボトルネックが緩和され、グラフィックボードの性能差が生じます。
RX 9070 XTはRTX 4080 SUPERの手前くらいにとどまり、RTX 5070 Tiはさらに高い性能を出しています。
崩壊スターレイル(Starrail)

平均fps最低fps(下位1%)
今どきめずらしいターン制RPGの超人気作「崩壊スターレイル」をベンチマーク。ランダムなスタッターが発生するゲームだから、最低フレームレート(1%)は参考程度に。
全体的にGeForceに優位、かつVRAM帯域幅も効果的な傾向です。RX 9070 XTはRTX 4070 Ti SUPERと並ぶ程度で、RTX 5070 Tiに対して約2割も抜かされます。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDで性能差がさらに開いて、RX 9070 XTとRTX 5070 Tiで約1.3倍の性能差です。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度でも性能差の拡大を止められず、RX 9070 XTとRTX 5070 Tiで約1.4倍もの性能差に。崩壊スターレイルとRadeonの相性は良くない様子です。
MSFS 2024(Flight Simulator)

平均fps最低fps(下位1%)
容量2 PB(2000 TB)のデータ量で地球丸ごと再現してしまった、驚異のオープンワールド型フライトシミュレーター「MSFS 2024」をベンチマーク。
意外にもRadeonがすこぶる優位なゲームで、RX 9070 XTがRTX 5080と横並びの性能です。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDでもRX 9070 XTがRTX 5080と互角の性能です。

平均fps最低fps(下位1%)
テクスチャの読み込み量が増大して、VRAM帯域幅を意識し始めるとRX 9070 XTの性能がやや下がります。それでもRTX 5070 Tiに並んでおり見事な性能。
パルワールド(Palworld)

平均fps最低fps(下位1%)
継続的な無料アップデートの繰り返しで根強い人気を保っている、国産サバイバルゲームの傑作「パルワールド」をベンチマーク。
・・・まったくRadeonが振るわないゲームです。RX 9070 XTがRTX 4070 Ti SUPERどころか、RTX 3090にすら勝てない惨状に。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDもまったく性能が出ないです。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度はさらに性能差が開いて、RTX 5070 Tiに約2倍近い差をつけられます。
さすがに性能が低すぎるので、今後のドライバアップデートで改善を期待したい・・・ですが、RX 7900 XTXの位置が去年のデータから変わっていないです。
AMDにとってパルワールドは日本の中小企業が作ったマイナーゲームに過ぎず、わざわざ最適化するコストをかける必要は無いと判断されている可能性がありそうです。
シティスカ2(Cities : Skylines II)

平均fps最低fps(下位1%)
都市シミュレーションゲーム「Cities : Skylines II」をベンチマーク。そこそこスタッターが発生しやすいため、最低フレームレート(1%)は参考程度に。
フルHDはRX 9070 XTとRTX 5070 Tiがほぼ同じ性能です。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDもRX 9070 XTとRTX 5070 Tiが横並びの性能で、全体的にややどんぐりの背比べです。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度だと、RTX 4080 SUPERの性能が下がってRX 9070 XTが明確に勝ちます。
マインクラフト(Bedrock Edition)

平均fps最低fps(下位1%)
誰もが知ってるサンドボックスゲーム「マインクラフト(Bedrock版)」に、レイトレーシングを実装する「Vanilla RTX」シェーダーを導入してベンチマーク。
不思議なベンチマーク結果です。RTX 50よりRTX 40シリーズがなぜか高性能で、RX 9070 XTはRTX 3090と同じくらいにとどまります。
Microsoft製のメジャーなゲームソフトにも関わらず、最新ハードウェアへの最適化がほとんど施されていないようです。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDに引き上げると傾向が変わります。RX 9070 XTが伸びてRTX 5070 Tiに迫る勢いです。

平均fps最低fps(下位1%)
しかし、4K解像度でRTX 50シリーズがいきなり性能を出し始め、RX 9070 XTと性能差が開きます。
VRChat

平均fps最低fps(下位1%)
ベンチマークの難しさで知られる、VRゲームの代表例「VRChat」をベンチマーク。グラフィック設定をすべて最大値にして、オブジェクト数が多くGPUに負荷がかかりやすいワールドを使います。
フルHDはRX 9070 XTがRTX 4070 Ti SUPERより高く、RTX 5070 Tiに届かない性能です。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDでも傾向は同じです。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度はいよいよVRAM帯域幅ベンチの様相をあらわし、VRAMの物理帯域幅が広いグラフィックボードほど高い性能を維持できます。
RX 9070 XTの平均ゲーミング性能
平均フレームレートを比較(20ゲーム)

平均fps最低fps(下位1%)
ベンチマークした全20個のゲームから、RX 9070 XTの平均パフォーマンスを計算したグラフです。
事前に各所で見聞きしていた前評判(いわゆる商業レビュー)より大人しい平均性能に収まります。
RX 9070 XTのフルHD性能は、RTX 4070 Ti SUPER以上、RTX 4080 SUPER以下です。

平均fps最低fps(下位1%)
RX 9070 XTのWQHD性能もフルHDとおおむね同じで、RTX 4070 Ti SUPER以上、RTX 4080 SUPER以下に相当します。

平均fps最低fps(下位1%)
RX 9070 XTの4K性能もフルHDとそれほど変化なく、RTX 4070 Ti SUPER以上、RTX 4080 SUPER以下に相当します。
【ラスター】平均fpsを比較(16ゲーム)

平均fps最低fps(下位1%)
Radeonにとって不利になりやすい「レイトレーシング」のデータを差し引いた、ラスタライズ性能(非レイトレ性能)の平均パフォーマンスです。
レイトレを差し引いても、RTX 4070 Ti SUPER < RX 9070 XT < RTX 4080 SUPERの並びは変わらないです。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDのラスタライズ性能も同じ傾向が続きます。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度だと性能差が開いてしまい、RTX 4080 SUPERやRTX 5070 Tiに頭一つほど抜かれてしまいます。
【レイトレ】平均fpsを比較(4ゲーム)

平均fps最低fps(下位1%)
レイトレーシングだけに絞った平均パフォーマンスも見てみましょう。
RX 9070 XTが、なんとRX 7900 XTX(前世代のフラグシップ)を超えています。AMDの発表どおり、レイトレ性能の改善は明らかです。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDのレイトレ性能です。RX 9070 XTがRTX 4070 Ti SUPERを超えて、RTX 5070 Tiにかなり近い性能です。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度のレイトレ性能です。RTX 5070 Tiと性能差が開き、RTX 4070 Ti SUPERに近い性能に収まります。
RX 9070 XTのAIアップスケーリング性能
最新のAI超解像モデル「FSR 4」に対応
超解像 | AMD FSR (FidelityFX Super Resolution) | NVIDIA DLSS (Deep Learning Super Resolution) | Intel XeSS (Xe Super Sampling) |
---|---|---|---|
最新世代 | CNN + Transformerモデル | Transformerモデル | 機械学習 + フレーム生成対応 |
1世代前 | フレーム生成対応 | CNNモデル + フレーム生成対応 | 機械学習で超解像 |
2世代前 | 機械学習なし (前後参照の動き検出) | 機械学習(CNN)で超解像 | – |
3世代前 | 機械学習なし (Lanczosフィルタ) |
フレームレートを底上げする超解像(アップスケーリング)機能として、RX 9000シリーズは最新モデル「FSR 4(FidelityFX Super Resolution 4)」に対応します。
RX 9000シリーズは従来モデルと比較して、AI性能が大幅に強化されています。特にFP8ネイティブ対応が大きく、理論値だけなら従来比で約4倍相当です。

(FSR 4からついに機械学習補正に対応)
大幅に強化されたAI性能を超解像で使うように改善された、最新モデルが「FSR 4」です。従来世代のFSRはAIを使わない単純な超解像でしたが、FSR 4から競合のDLSSと同じAI超解像へ進化します。
ただし、機械学習(AI)を使った超解像はAI性能を必要とするため、AI性能が低い従来のRadeonは非対応です。最新モデル「FSR 4」を使うなら、RX 9000シリーズが必須です。
「FSR 4」と他社の超解像モデルで画質を比較
「FSR 4」「FSR 3.1」「DLSS 4」「DLSS 3」に対応している「サイバーパンク2077」で、パフォーマンス品質の超解像とフレーム生成(2X)を入れて、分かりやすい比較画像を用意しました。
ネオンの細いラインに画質の違いがハッキリと出ます。最新のFSR 4ならジャギーをかなり軽減しつつ、実際よりもネオンが太く表示される傾向が少ないです。
旧式のFSR 3.1だと実際よりもネオンが太くなり、階段状のジャギーが目立っています。英字看板「MARK X 24」のりんかく線の精細感も改善されています。

アスファルトのディティール表現が別次元の画質です。FSR 3.1はピントが手前にズレたボケボケ画質で、FSR 4ならくっきり明瞭でパキッとした画質に。
奥の方に見えるガードレールの反射光に頻出する階段状ジャギーも大幅に軽減されています。
AI超解像が再現に失敗しやすい規則正しいテクスチャの表現をチェック。
FSR 3.1の場合、左側のオレンジ画面はテキストがぼんやりと表示され、FSR 4ならピントが一致したようにクッキリしたテキストを表示できます。
一方で右側の画面は文字の羅列がぐちゃぐちゃと混ざってしまい、まったく読み取れなくなるAI超解像に特有のエラーが発生します。
文字がぐちゃぐちゃになる症状はDLSS 3でも見られますが、最新のDLSS 4モデルで見事に改善しているあたりに・・・、FSR 4はまだまだAI超解像の新参者といえそうです。
わざわざ説明しなくとも、すぐ分かるレベルの画質差です。とにかくFSR 3.1が表示する映像は、まるでピントが合ってないぼやぼや感があり、FSR 4でクッキリとピントが一致します。
「24時間営業」の背後にあるタイル張りの壁面に注目してください。
DLSS 3 / 4はタイルのつなぎ目とネオンの反射光をうまく再現でき、対するFSR 3.1 / 4だと上から油絵で塗りつぶしたように、つなぎ目が潰れて反射光のりんかくもボヤけています。
FSR 3.1からFSR 4で目立って改善されているポイントは、やはり手前に見える金属柵です。階段状のジャギーがかなり少ないです。
「モンスターハンターワイルズ」も一応チェックします。
ハンターの髪、背中に背負っている武器のりんかくやテクスチャなど、FSR 4のほうが明らかに高画質です。ピントが合っていない背景も、FSR 4ならシャープな仕上がりです。
細かい背景描写もFSR 4が圧倒的に優れています。FSR 3.1だと、太めの筆で描いたような、のっぺりとした画が表示されます。
FSR 4ならちゃんと細い筆を使ったていねいな仕上げに見え、ボヤケた輪郭線がクッキリ修正され、正確な植生が再現されています。
・・・もう説明不要でしょう。誰だって実際に見れば、FSR 3.1とFSR 4の画質差なんてあっさり分かります。

超解像 + フレーム生成時の平均fpsを比較
今回ベンチマークに使った20本のゲームから、「FSR 4」と「DLSS 4」どちらも使える2本のゲームを使って、超解像 + フレーム生成時の性能を検証します。
- モンハンワイルズ
(DLSS 4オーバーライド / FSR 4オーバーライドで対応) - サイバーパンク2077
(DLSS 4対応 / FSR OptiScalerで対応)
モンハンワイルズはドライバ側の上書き機能(オーバーライド機能)で最新モデルに切り替え可能です。
サイバーパンク2077はDLSS 4にネイティブ対応する一方、なぜかFSR 4に未対応で上書きもできない仕様です。
- cdozdil / OptiScaler
(https://github.com/cdozdil/OptiScaler)
本来ならAMDが提供するべき機能ですが・・・文句を言っても仕方ないです。有志が制作した上書きフリーソフト「OptiScaler」でFSR 4に切り替えます。

平均fps最低fps(下位1%)
フルHDで平均60 fps台を出せればマシだったネイティブ動作から、超解像 + フレーム生成を加えると一気に100 fps後半まで跳ね上がります。
DLSS 4よりFSR 4のほうが計算負荷が軽い影響もあり、ただでさえモンハンワイルズに強いRX 9070 XTがさらに最強の座へ上り詰めます。
国内の売価ベースで2倍近いRTX 5080すらあっさり超える驚異的な性能です。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDでもRX 9070 XTがRTX 5080に匹敵する性能です。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度はVRAM帯域幅に引っ張られるものの、それでもRX 9070 XTがRTX 5080に迫る性能です。

平均fps最低fps(下位1%)
RTX 4000シリーズに届かなかったサイバーパンク2077も、FSR 4によるAI超解像とフレーム生成の力を借りれば、見ての通りRTX 5080に比肩できる性能に。
従来世代のフラグシップだったRX 7900 XTX(FSR 3.1)に対して、約1.3倍ものすさまじい性能差です。
FSR 3.1よりFSR 4のほうが計算負荷が重たいハンデを抱えていても、大幅に改善されたレイトレ性能に支えられ、RX 9070 XTがRX 7900 XTXを大きく引き離します。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDもフルHDと同じ傾向です。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度でVRAM帯域幅の影響が少し出てきて、RTX 5080との性能差がハッキリします。

RX 9070 XTのクリエイティブ性能を比較
ここからは、Radeonシリーズであまり検証されない傾向が強い「クリエイティブ性能」を詳しくテストします。
AMDが発表したプレスリリース資料をよく読めば分かりますが、今回のRDNA 4世代はクリエイティブ性能にかなりメスが入れられ、汎用性の高い性能に期待できます。
クリエイティブ性能に影響するスペックを把握しましょう。
GPU | RX 9070 XT | RTX 5070 Ti |
---|---|---|
VRAM帯域幅 | 624 GB/s | 896 GB/s |
FP16 / 演算回数 | 97.3 TFLOPS | 87.9 TFLOPS |
FP8 / 演算回数 | 194.6 TFLOPS | 175.8 TFLOPS |
INT8 / 演算回数 | 778.4 TOPS | 703.2 TOPS |
INT4 / 演算回数 | 1556.8 TOPS | – |
FP4 / 演算回数 | – | 1406.4 TOPS |
RDNA 4世代から、FP16演算のサイクルあたり実行回数が従来比で2倍、INT4演算で8倍です。スペック上の計算性能が大幅に改良されて、数値だけならRTX 50シリーズに並びます。
しかし、依然としてソフトウェア対応がRadeonシリーズの課題です。ハードウェアの性能がどれだけ改善されても、その性能を活かせるソフトウェア群がなければ無用の長物です。
理論上ならRTX 5070 Tiすら軽くあしらえる性能に見えますが、実際に動かすとどうなるでしょうか・・・?
GPUレンダリング

定番のGPUレンダリングソフト「Blender」を使って、RX 9070 XTのレンダリング性能をベンチマーク。
残念ながらRTX 5070 Tiの半分にも満たないスコアで終わります。原因はAPIにあり、RadeonはレンダリングをAMD HIPで、GeForceはOptix(CUDA)で動かします。
ソフトウェア最適化の差がそのまま反映された結果です。何年も前から指摘され続けているから、そろそろAMDが重たい腰をあげて修正するべき問題に思えます。
Blenderスコアの内訳です。monster / junkshop / classroomどれをとっても一貫してRX 9070 XTが弱いです。
AIイラスト生成(Stable Diffusion)
AIイラスト生成ソフト「ComfyUI」を使って、Stable Diffusionの生成スピードを検証します。
一般的に「iterations / seconds(1秒あたりのステップ数)」が指標として扱われますが、意外と長いVAEデコード時間が含まれないため、しばしば誤解を招く要因です。
よって本記事では、生成にかかった総時間(Prompt executed)を性能指標に使います。
- GeForceシリーズ:NVIDIA CUDA
- Radeonシリーズ:ZLUDA(CUDA互換)
- Intel Arcシリーズ:IPEX
Radeonシリーズのみ、ドライバの対応状況に合わせて「WSL2 + ROCm」または「ZLUDA」版のどちらかを使います。基本的にインストールがかんたんなZLUDA版を使う予定です。

Novel AIが配布している初代Novel AI(nai-anime-v1-full)モデルを使って、定番のアスカベンチマーク(512 x 512)をテスト。
RX 9070 XTは約70秒もかかってしまい、理論値で2倍に向上したAI処理性能(FP16)をまったく使えていません。明らかにドライバの最適化不足です。

最近流行りなSDXLモデル「Illustrious-XL」から派生した「NoobAI-XL V-Pred-1.0」を使って、神里綾華ベンチマーク(832 x 1216)をテスト。
RX 9070 XTはやはりダメです。
バッチサイズを変更して、同時に複数ずつ生成させても結果に目立った変化は見られません。
基本的にバッチサイズを引き上げれば処理時間がわずかに減るのに、RX 9070 XTは逆に増えてしまいます。

処理速度が理論値で4倍に増えている「FP8」モードで同じテストをします。約400秒 → 約360秒に短縮され、約10%の性能アップです。
一方で、バッチサイズを増やした場合だとFP8モードの効果がほとんど出ないです。

構図やポージングを正確に指示できるControlNetモデル「AnyTest v4」を併用して、神里綾華 to アスカベンチマーク(832 x 1216)をテスト。
相変わらずRX 9070 XTの性能が振るわないです。

FP8モードを有効化すると、むしろ生成時間が鈍化しました。

等倍で生成したイラストに忠実なまま、ディティール(書き込み)を増やしてアップスケーリングする「ControlNet Tile」と「Tiles Diffusion」の合せ技をベンチマーク。
等倍部分を25ステップ、アップスケーリングを15ステップで生成させて、RX 9070 XTは1枚につき約6分もかかります。

AIテキスト生成(ollama)
ローカル環境で動くChatGPTをベンチマークします。生成ソフトに「ollama」、生成モデルは「DeepSeek-R1-Distill-Qwen(GGUF版)」です。
「モンハンワイルズにおすすめなゲーミングPCについて約6000文字で解説してください」と英語で質問して、1秒あたりの回答スピード(token/s)で比較します。
なお、RX 9070 XTのみ生成ソフトに「LM Studio」を使います。レビュー時点でollamaがRDNA 4世代にまだ未対応でした。

軽量な8Bモデルの場合、RX 9070 XTはRTX 4070 Ti SUPERに約6%劣る回答スピードです。RTX 5070 Tiは約1.3倍も高速です。

標準的な14Bモデルも似たような傾向です。ROCmを使うollamaで動けば、もう少し回答スピードが伸びるかもしれません。

重量級の32Bモデルだと、VRAM容量に入り切らずメインメモリにデータが溢れてしまい、大幅な性能ダウンに見舞われます。
VRAM容量が多いRX 7900 XTXは、RX 9070 XTに対して約5倍の回答スピードで、RTX 3090ですら約6倍に達します。
4K素材で動画編集

Premiere Pro CCに4K動画素材を入れて、Puget Benchスクリプトでベンチマークした結果です。
RX 9070 XTの総合スコア(Overall Score)は約13500点で、RTX 4070 Ti SUPERを超えています。
LongGOP形式の処理速度はRTX 5080すら超えて最速級。一方で、RAW編集とエフェクト処理(GPUエフェクト)はイマイチ性能が伸びないです。

ハードウェアの性能をゴリゴリと使ってくれる無料の動画編集ソフト「Davinci Resolve Studio」を、Puget Benchスクリプトでベンチマーク。
RX 9070 XTの総合スコア(Overall Score)は約8700点で、RTX 4070 Ti SUPERに対して約1割ほど届かないです。
Premiere Proと同様にLongGOP形式なら高い性能ですが、エフェクトやFusionなどCG処理になると性能がいきなり鈍化する傾向です。
RAW写真のAIノイズ除去
「DxO PureRAW」を使って、RAW写真のノイズ除去をベンチマークします。
PureRAWに搭載されている生成モデル「DeepPRIME XD2s」は、ローカル環境で使えて、そのうえ凄まじいノイズ除去と歪み補正を高速で処理できる優れたモデルです。

Sony a7CIIで撮影した3300万画素のRAW写真(5枚)から、ノイズと歪みをAI除去するのにかかった時間です。
RX 9070 XTはRTX 4070 Ti SUPERよりも処理が速く、RX 7900 XTXに近づきます。
動画エンコードの速度
動画エンコードの処理速度(1秒あたりの変換フレーム数 = fps)をベンチマークします。
- GeForce:NVEnc
github.com/rigaya/NVEnc/releases - Radeon:VCEEnc
github.com/rigaya/VCEnc/releases - Intel Arc:QSVEnc
github.com/rigaya/QSVEnc/releases
rigayaさんが公開している各エンコーダに対応する動画変換ソフトを使って、動きが激しいゲームプレイ中の録画動画をエンコードします。
なお、エンコード設定は「品質(VMAFスコア)」で正規化して、圧縮率(実効ビットレート)も可能な限りそれぞれ近づけています。
同じ変換品質かつ近い圧縮率でエンコードした場合の処理速度を比較します。
大手配信サービス「NETFLIX」が開発した、エンコード前後の劣化具合を数値化するスコアが「VMAF(Video Multimethod Assessment Fusion)」です。


動きが激しいシーンで頻発しやすいブロックノイズやディティール潰れを検出すると、VMAFスコアが大幅に下がります。
エンコード速度が速くてもVMAFが低ければ意味がないし、逆にVMAFが高くてもエンコード速度が遅くても困ります。だからエンコード速度を正確に比較するために、VMAFスコアを揃えた設定でテストしました。

昔ながらの「H.264」形式エンコードです。
RX 9070 XTのエンコーダーはH.264に大幅な改善が入っていて、処理速度が速い「fast」プリセットでも、あっさり85点のVMAFを出せています。
従来のRX 7900 XTXだと「slow」プリセットでも画質がひどくて、ビットレートを多めに盛らないと85点に達しないです。
RX 9070 XTの高速かつ高画質なH.264エンコードは、おそらくTwitchで配信するゲーマーにとって恩恵が大きいでしょう。

ゲームの録画で重宝されている「HEVC」形式エンコードです。
RX 9070 XTがトップクラスの速度ですが、RX 50 / 40シリーズとの性能差はほとんど無くなります。

H.264形式より格段に圧縮率が高い最新規格「AV1」エンコードです。
RX 9070 XTは平均300 fpsで、従来比1.5倍の性能アップ。しかし、AV1エンコードに関してはRTX 50 / 40シリーズが信じられないほど速いです。
RTX 50 / 40シリーズの上位モデルは2基のエンコーダーを並列して動かす「分割エンコード」機能があり、同じ品質にそろえてもRX 9070 XTに対してダブルスコアをつけています。
WQHDのエンコード結果もフルHDとおおむね同じ傾向です。H.264とHEVC形式が高速で、AV1形式だと勝てません。
4K解像度のエンコードはやや傾向に変化があり、H.264形式とHEVC形式で頭1つ抜けた性能を見せつけ、AV1形式でもRTX 50シリーズに迫ります。
なぜ4K解像度でRTX 50シリーズが鈍化するのか、理由はシンプルにデコード負荷です。エンコードする速度よりもデコード速度が遅いせいで、デコード律速化が生じます。
意外と知られていませんが、4K~8K動画の再生(デコード)はなかなか重たい処理です。少なくともRTX 50シリーズの場合、エンコーダー2基に対してデコーダー1基ではリソースが枯渇するシーンがあります。
動画エンコードの変換品質(VMAF)
動画エンコードの変換品質(VMAFスコア)を、ビットレートごとに調べます。

(縦軸 x:VMAF / 横軸 log:実効ビットレート)
エンコード速度が80 fps前後になるよう設定を正規化(※1)してから、実効ビットレートごとのVMAFスコアを散布図(scatter plot)にプロットしました。
RX 9070 XT(RDNA 4世代)のH.264エンコードは信じられないほど画質が向上しています。AMD公式によれば「H.264で+25%の改善」です。
今回のテストで測定された改善幅は、+1~29%で平均+14%に達し、ゲーム配信で使われるビットレート(4~12 Mbps)に絞れば平均+21%もの画質アップです。
RTX 50 / 40シリーズに匹敵する変換品質に達しており、「Radeonのゲーム配信は画質が悪い」といわれた過去の定説を完膚なきまでに覆します。

(縦軸 x:VMAF / 横軸 log:実効ビットレート)
RX 9070 XT(RDNA 4世代)のHEVCエンコードでも、目立った改善が見られます。
AMDいわく+6%の改善です。今回のテストでは+0~9%の画質アップで、ゲーム配信でよく使うビットレートに絞ると平均+13%に達します。
しかし、RTX 50 / 40シリーズ(NVEnc)にはあと一歩及ばなかったです。

(縦軸 x:VMAF / 横軸 log:実効ビットレート)
AV1エンコードは特に改善されていないです。低ビットレート域でRTX 50シリーズが強く、RTX 50以外のグラフィックボードはどんぐりの背比べを開催します。
フルHDと4K解像度のテスト結果です。
H.264で大幅な画質向上、HEVCで若干の画質向上が見られ、AV1は目立った性能差が出なかったです。
従来のテスト方法と比較してAV1エンコードの性能差が出づらい気がしますが、評価用のソース映像をより高難易度な内容に変更した影響が大きいです(※2)。
※1:エンコード速度が2~3倍に跳ね上がる、分割エンコード(split encode)を無効化します。2~3倍にしてしまうと、同じ速度に揃えるために画質が向上する重量級のエンコード設定を適用できてしまい、やや不公平な気がします。
※2:そもそも以前のテスト方法は実効ビットレート(output bitrate)を使わず、設定ビットレート(input bitrate)を使って評価していたから、なおさらVMAFの乖離が生じやすい状況でした。
OBSでゲーム配信録画
定番のゲーム配信ソフト「OBS Studio(v31)」で、モンハンワイルズをYouTubeに配信しながら同時に録画もします。

OBSなし録画配信中
同時に録画と配信を行っても、RX 9070 XTのフレームレートはわずか3%下がっただけで、安定性がとても高いです。
AV1エンコードの処理速度自体はRTX 50シリーズが圧倒的に有利なはずが、ゲームをしながらエンコーダーを動かすと関係性がなぜか逆転します。

配信中のドロップフレーム数です。

(OBSの統計ログでドロップフレーム数を確認)
新しい世代のグラフィックボードなら、問題なく「0」で終えています(全18000フレーム)。RTX 3090のみ「3」フレーム落とします。
グラフィックスAPIの呼び出し回数
RX 9070 XTは、DirectX11とDirectX12の呼び出し回数が低く、Vulkanの呼び出し回数はトップクラスです。
・・・ベンチマークを開発したUL Benchmarkいわく、API Overheadはどのグラフィックボードを選んでも十分すぎるほど数値が高く意味をなさない、として隠された項目に入っています。
しかし、一部のゲームでRadeonがまったく性能を出せない原因を推測するうえで役に立ちそうな予感もします。

RX 9070 XTの消費電力を比較

(約20万円もする高価なワットモニター)
「Cybenetics PMD(Power Measurement Device)」を使って、グラフィックボードの消費電力をダイレクトに測定します。
グラフィックボードの付属ソフトや、フリーソフト「HWiNFO」を使えば、誰でもかんたんにグラフィックボードの消費電力をチェックできる時代です。
しかし、2024年頃から「PCIe 5.1」規格に対応するマザーボードが増えていて、マザーボード経由で最大165 W(12 V x 13.75 A)もの電力を供給できます。
仮にグラフィックボード本体が約300 Wを使っていたとして、マザーボード経由で165 Wも引っ張り出されると、ソフト読みに表示される消費電力は135 Wです。
PCIe 5.1規格の登場で、フリーソフトを使ったいわゆる「ソフト読み」の信頼性がPCIe 5.1以前よりも下がりました。

(PCIe x16スロットも見逃さない)
当ブログ「ちもろぐ」で使っているCybenetics Labs謹製PMDなら、PCIe 8 pin(12VHPWR / 12V-2×6)とPCIe x16スロットの消費電力を直接モニターできます。

(12VHPWR or 12V-2×6コネクタも対応)
電源ユニットの認証機関であるCybenetics Labsが制作しただけあって、肝心の性能と精度が抜群に優秀です。
- 測定周期:1秒あたり1000回(1ミリ秒)
- 電圧精度:1 mV(0.001 V)
- 電流精度:1 mA(0.001 A)
- 電力精度:1 mW(0.001 W)
1秒あたり1000回の測定回数で、瞬間的な消費電力の跳ね上がり(スパイク電力)を正確に捉えられます。
わずか0.001 Wの高い分解能により微弱な消費電力もきちんと測定して、PCIeスロット経由の消費電力やアイドル時の消費電力も追跡できます。
ゲーム時の消費電力とワットパフォーマンス

テストした20本のゲームプレイ中の消費電力(平均値)を比較したグラフです。
負荷が軽いフルHDの場合、RX 9070 XTは平均281 W(定格設定で平均256 W)消費します。RTX 5070 Tiより約50 Wほど多いです。

WQHDゲーミング時の消費電力は大幅に増えて、平均340 W(定格設定で平均303 W)に達します。

4Kゲーミング時の消費電力もやや増えて、平均352 W(定格設定で平均304 W)です。
モノリシック(1枚チップ)構造に戻ったおかげか、MCM(複数チップ)構造だったRX 7900 XTXより消費電力がかなり改善されています。
これほど改善されても、依然としてRTX 50 / 40シリーズとの差は埋まらないです。
おそらく、RX 9000シリーズは性能を少しでも稼ぐために、スイートスポットを少し超えたラインまでブーストクロックを引き上げた影響が響いてそうです。
平均消費電力を平均パフォーマンスで割って、消費電力10ワットあたりのフレームレートを求めると、いわゆる「ワットパフォーマンス(電力効率)」を計算できます。
当たり前ですが定格設定(PL = 304 W)のほうがワットパフォーマンスが高いです。デフォルト設定(PL = 360 W)は少々やりすぎ感すらあります。
フレームレート制限時のワットパフォーマンス

自由自在にfps制限ができる「RTSS」
Riva Tuner Statics Server(RTSS)を使って、ゲーム側の上限フレームレートをスライドしながら、グラフィックボードの消費電力をCybenetics PMDで記録します。


縦軸(x)が消費電力の実測値で、横軸(log)が実効フレームレートです。
たしかに・・・ fps制限をかけるとRX 9070 XTの消費電力が著しく下がります。RX 7900 XTXより約40%(半分近い)も下がっています。
fps制限のポイント次第でRTX 4070 Ti SUPERを上回るシーンもあり、驚異的な電力効率の高さです。

フレームレートを消費電力で割って、1ワットあたりのフレームレート(ワットパフォーマンス)をプロットしたグラフです。
おおむねドイツの検証結果を再現できたのでは無いでしょうか?
途中までRTX 4070 Ti SUPERが首位を突っ走り、性能を出し切るためにスイートスポットを超えてしまうと大きく下落して、RX 9070 XTがチャートトップへ逆転します。
RX 9070 XTもそのあとスイートスポットを脱して一気に効率が下がるものの、それでもなおRTX 50 / 40シリーズを上回る状況です。
アイドル時とエンコーダーの消費電力
AMDいわく、RX 9000シリーズは従来比でアイドル状態(何もしていない状態)の消費電力や、メディアエンジン(= ハードウェア支援)の効率に手を加えたらしいです。
本当に改善されているかどうか、微弱な消費電力を検出できるCybenetics PMDを使って少し深堀りしてみます。

ゲーミングモニター(4K 120 Hz)を1台つないで、バックグランドアプリをタスクキルして、LANケーブルを引き抜いてシステムをインターネットから隔離します。
さらに3分ほど放置してシステムをアイドル状態に落とし込んだら、別のパソコンからCybenetics PMDを使って消費電力を測定します。
RX 9070 XTは平均わずか9.6 Wに抑えられ、RX 7900 XTXよりわずかに減っているどころか、RTX 50シリーズと比較しても明らかにアイドル電力が目立って低いです。

しばしばRadeonの弱点として挙げられる、マルチディスプレイ時のアイドル電力も目覚ましい改善です。
ゲーミングモニターを2台(4K 120 Hz + QHD 120 Hz)つないでも、平均たった10.2 Wです。
AMD FreeSync Premium(G-Sync互換)の有無や、リフレッシュレートや解像度の組み合わせ次第で、いくらでも消費電力が変動する可能性が高いです。
掲載したデータはあくまでも筆者の環境だけで得られたデータに過ぎず、他人の環境で再現する保証は一切ありません。
VLC Media Playerで、高画質なゲームプレイ録画を再生します。動画を再生中の消費電力を、別のパソコンからCybenetics PMDで測定しました。
RX 9070 XTはH.264 / HEVC / AV1形式のどれを再生しても平均50 W程度です。AMDの宣伝どおり、たしかにRX 7900 XTXより消費電力が減っているようです。
少し変わったパターンの動画もテストします。上から順番に8K 60 fps / 8K 90 fps / フルHD 480 fpsの動画です。
おおむね平均50 Wで推移していて、デコーダーの効率改善が明らかです。加えて、RX 7900 XTXで滑らかに再生できなかった8K 90 fps動画が、RX 9070 XTならスムーズに再生できます。
動画エンコード時の消費電力もテストします。デコード時と同じく、RX 9070 XTは平均50 Wくらいで推移します。
エンコードの内容によって従来比で半減するケースもあり、RDNA 4世代のエンコーダーは電力効率が大きく向上しています。
スパイク電力をテスト(おすすめ電源ユニット)
グラフィックボードに変則的な負荷がかかると、瞬発的に消費電力が跳ね上がる「スパイク電力」が発生します。
近年の電源ユニットはスパイク電力を考慮して設計されているから、ほとんどの人はスパイクを気にする必要はありません。
しかし、スパイク電力が気になって仕方がないマニアなユーザーも少なからず存在するため、Cybenetics PMDで測定したミリ秒単位のスパイク電力を掲載します。

RX 9070 XTのスパイク電力はピーク時560 Wです。RTX 5070 Tiの370 Wと比較すると、なかなか派手です。
電源ユニットのピーク容量 | ||
---|---|---|
容量 / 世代 | ATX 2.x | ATX 3.x |
750 W | 1015 W | 1500 W |
850 W | 1150 W | 1700 W |
1000 W | 1350 W | 2000 W |
CPUにCore i9 14900K(253 W)やRyzen 9 9950X(230 W)を使う前提でも、容量750 ~ 850 Wの電源ユニットで問題なく運用可能です。
高負荷時のGPU温度とVRAM温度
グラフィックボードの温度やクロック測定は、基本的に使ったグラボの設計とチップの選別具合に左右されます。
同じGPUチップを搭載していても、分厚い設計なら静かに冷えるし、コストカットを施した薄型設計だと音が大きい割に冷えなかったりします。
今回のRX 9070 XTレビューで使ったグラフィックボードは「ASRock Taichi OC」モデルです。他社のモデルなら、また違った結果が出ると予想されるし、そもそも測定する環境やグラボの個体差でもけっこう差が生じます。
あくまでも参考程度に見てください。

崩壊スターレイルを4K解像度(最高グラフィック設定)で起動したあと、約60分そのまま放置しながらGPUコア温度を測定したグラフです。
GPUコア温度がピーク時に60℃前後、GPUホットスポットがピーク時に85℃前後、VRAM温度はピーク時に94℃に達します。

約60分間のGPUコアクロック周波数を追跡したグラフです。
時間がたつにつれてGPUコアクロックが少しずつ下がり、30分後で平均2830 MHzほど、60分後で平均2820 MHz前後に落ち着きます。

テスト中のフレームレート(fps)とフレームタイム(ms)です。GPUコアクロックがじわじわ下がった割に、実際のゲーム性能はほとんど変わらないようです。

ブーストクロックの動作チェック | |
---|---|
最大値 | 3192 MHz |
ピーク値(1%) | 3174 MHz |
平均値 | 3106 MHz |
公称値(AMD) | 2970 MHz |
公称値(ASRock) | 3100 MHz |
GPUに極端な負荷をドカンとぶつけて、メーカーがスペック表に掲載している「ブーストクロック(Boost Clock)」を満たせるかチェックします。
結果は最大値で3192 MHz(ピーク値1%で3174 MHz)を叩き出し、リファレンス公称値(AMD)とオリジナル公称値(ASRock)どちらもあっさり超えています。

まとめ:10万円台のグラボで屈指のコスパ(汎用性も改善)

使い方 | 評価※ |
---|---|
FPSやeSports(競技ゲーミング) 主流のeSports系タイトルで300~600 fps台を狙える、非常に優れたフルHDゲーミング性能です。 | ![]() |
ソロプレイゲーム(RPGなど) 画質が改善されたAI超解像「FSR 4」とフレーム生成「FSR FG」の組み合わせで、100 fps超の4Kゲーミングを楽しめます。 | ![]() |
ゲーム実況配信の安定性 H.264エンコードが高画質かつ超高速で処理でき、Twitch配信と相性が良いです。AV1エンコードは速度と画質でやや勝ててないですが、配信時のフレームレート下落率が非常に少ない傾向が明らかで、YouTube配信も問題ありません。 | ![]() |
プロの写真編集・動画編集 写真編集は目立った問題がありません。AIノイズ除去(DxO PureRAW)も速いです。一方で、Premiere ProやDavinci Resolveで、エフェクト処理やCG処理をさせると性能が伸び切らない傾向あり。実用上まったく十分な性能かもしれないですが、ライバルに劣っているのは事実です。 | ![]() |
AIタスクの性能とサポート ハードウェア側のAI処理性能は高い(従来比で最大4倍)です。しかし、ソフトウェアの対応状況がイマイチ。「ROCm」は未だWindowsに非対応で、Stable Diffusionなど主要なAIタスクの処理性能が遅いです。 | ![]() |
ドライバの安定性と機能性 リリースドライバの時点で非常に安定しています。予期しないクラッシュ、ブラックアウト(ドライバアウト)に一切遭遇しなかったです。機能性もなかなか充実していて、「FSR 4オーバーライド」「AFMF 2.1」「Noise Suppression」などゲーム向け機能が多いです。一方でコンテンツ向け機能はやや貧弱。NVIDIA VSRやRTX HDRに相当する機能が未だに実装されていません。 | ![]() |
※用途別評価は「価格」を考慮しません。用途に対する性能や適性だけを評価します。
「RX 9070 XT」のコストパフォーマンス

MSRP(アリバイ価格)レビュー時点の価格
RX 9070 XTのコストパフォーマンスを計算します。青色がMSRP(希望小売価格)で計算したコスパ、黒色がレビュー時点で買える価格で計算したコスパです。
オーバークロック版ならRTX 4070 Ti SUPERと大差ないですが、価格がやや安い定格モデルは競合するRTX 50 / 40シリーズを大きく上回ります。

MSRP(アリバイ価格)レビュー時点の価格
同じ手順で、WQHD(2560 x 1440)ゲーミング時のコスパも計算します。
やはりオーバークロック版がRTX 4070 Ti SUPERと同等、定格モデルならライバルたちを大きく引き離す圧巻のコストパフォーマンスです。

MSRP(アリバイ価格)レビュー時点の価格
4K解像度のコストパフォーマンスです。RX 9070 XTがトップチャートを独走します。
「RX 9070 XT」のデメリットと弱点
- FSR 4オーバーライドの条件が厳しい
(フリーソフト:OptiScalerで緩和できます) - 「FSR 4」の画質は「DLSS 4」に届かない
- 依然としてワットパフォーマンスで劣る
- クリエイティブ性能がやや低い
- AI性能を活かせない未熟なソフト状況
- Windows版「ROCm」の欠如
- 競合に劣る「AV1エンコード」
- MSRPが初回限定の可能性
「RX 9070 XT」のメリットと強み
- パワフルなゲーミング性能
- フルHD~4Kゲーミングまで対応
- 実用的なレイトレーシング性能
- 画質が上がった超解像「FSR 4」
- フレームレート倍増「FSR FG」
- ドライバ型フレーム生成「AFMF 2.1」
- アイドル時の消費電力が低い
- マルチディスプレイ時の消費電力
- 爆速で画質もいい
「H.264 / HEVCエンコード」 - 安定した配信性能(fpsが下がりづらい)
- ケーブル1本でOK「12V-2×6」対応
- リリース時点で安定したドライバ
- ライバルより一足先に「4 nm」製
- コスパに優れた価格設定
「RX 9070 XT」は10万円台のグラフィックボードで、ゲーム用としてコストパフォーマンス最高峰です。
ゲーム用にグラボが欲しいけれど、ライバルのGeForce RTX 50シリーズが高すぎると感じる・・・ならRX 9070 XTが最有力候補でしょう。
フルHD~4Kゲーミングまで、平均パフォーマンスに対する単純なコスパでライバルを上回ります。特に日本で人気が高い「モンハンワイルズ」でRTX 5080に比肩するなど。
ゲーム性能の強さは本物です。
ゲーミングPCを自作したい、またはゲーム用にBTOパソコンが欲しい方へ「RX 9070 XT」を強くおすすめできます。
ただし、クリエイティブ性能の低さやAI向けソフトウェア対応の遅れ、ワットパフォーマンスで勝てないなど。いくつか弱点がまだ残されたままです。
該当する弱点の中に必要な用途が含まれている方は、ライバルのRTX 50シリーズを検討する余地があるので気を付けてください。

以上「Radeon RX 9070 XT ベンチマーク:RTX 5070 Tiどっちがいいか性能比較レビュー」について、大量のベンチマークと解説でした。
本記事がRX 9070 XTとRTX 5070 Tiのどちらを選ぶか、結論を出すヒントになれば幸いです。
「RX 9070 XT」を入手する
とりあえず、今回のレビューで使用した「ASRock Taichi OC」モデルが候補です。
配線がスッキリする12V-2×6コネクタ搭載で利便性に優れます。価格なりに冷却性能と静音性も優秀です。ちなみにAmazon.co.jp限定で国内3年保証です。
他社(Saphhireや玄人志向)は実際に使っていないから、なんとも言えません。以下のショップリンクから、ASRock以外のRX 9070 XT搭載モデルを検索できます。
RX 9070 XTにおすすめなCPU
RX 9070 XTは平均的にRTX 4070 Ti SUPERを超え、相性の良いゲームならRTX 5080にすら匹敵します。非常に高いゲーミング性能を引き出すために、CPUの性能も重要です。
迷ったら「Ryzen 7 9800X3D」です。次点でCore i7 14700Kを、お金に余裕があるならRyzen 9 9950X3Dを推奨します。
なお、4K解像度ならCPUを手抜きでもいいと思われる風潮があるものの、「FSR 4」と「フレーム生成」を併用するつもりならRyzen 7 9800X3Dを推奨です。
超解像は内部的にHD(1280 x 720)~ WQHD(2560 x 1440)処理に相当し、ネイティブ4K処理より簡単にCPUボトルネックが発生します。
RX 9070 XTにおすすめなゲーミングモニター
WQHDで最大320 Hzに対応しながら、セール時に3万円台から買える驚異的コスパ「KTC H27E6」が有力な候補です。
RX 9070 XTをeSports系タイトルで使って、平均200~300 fpsを狙うならコスパ的にちょうどいいゲーミングモニターです。
画質が進化した「FSR 4」と「フレーム生成」を前提に、4Kゲーミングに没入する目的なら「DELL AW3225QF」が魅力的。
Samsung製QD-OLED(量子ドット有機EL)パネルを搭載し、ほぼ0ミリ秒に近い応答速度と、ほぼ無限に近いコントラスト比を両立します。
筆者がここ最近なかなか気に入っているゲーミングモニターが「TCL 27R83U」です。4K HDRゲーミングと4K HDRコンテンツの視聴に特化しています。
OLEDパネルに迫るコントラスト比と、OLEDパネルで不可能なすさまじい明るさが大きなメリット。映像の中の世界が本当に表示されたかのような錯覚的体験ができます。
グラフィックボードのレビュー記事
1月ぶりの更新お疲れ様です!いつも有意義な情報ありがとうございます。rtx5000も楽しみにしています。
長い目で見ると懸念はVRAMだろうか?
16は今どき余裕がない、gddr6のまま
7900 XTX / XTと比較すると、たしかにVRAM容量は懸念といえそう。ただ・・・RTX 50も20万円近く払っても16 GBだし、その問題は双方に言えるかと。
将来的にRTX 5080 Ti 24GB(仮称)が出るかどうかですね。
7900xtx/xtを選ぶ余地も一応あるのか
アンダーボルトで性能を引き出す実験も見たいです。※今回は借り物なので出来なかったのでしょうが
良さそうだけどやっぱRadeon系は消費電力がねぇ・・・と言っても今回の5000番GeForce系は色々やらかしてるからなぁ・・・4000番台なんで生産終了したかねぇ
久しぶりの更新お疲れ様です
4070TiSがトータルバランスで、ま、まだ対抗できる・・・かな
4070TiSは未だに優秀ですね。MFG 3x / 4xは非対応ですが、DLSS 4 SRを使えますし、定価で買った人たちはRTX 60まで引っ張れそう。
fps制限のワッパすごいですよね
私もwqhd高設定fsr4 120hz制限でワイルズやってますがgpuの消費電力が大体100w前後超高負荷時でも200w超えることほぼなくて最初は信じられませんでした
海外のニュースで知り、半信半疑で検証を始めると本当に電力を食わなくて驚きました。逆に言うと出荷時のオーバークロックはスイートスポットを大きく逸脱していて、ワットパフォーマンスを自ら削っている状態なんですよね。
とはいえ、そうしないとライバルに劣るシーンがあるのも事実だから、AMDに対して(一定の)理解はできます。
価格なりの所感も実際の感覚に近いと思います。
はっきり言って9070XT側にあるデメリットを隠してばかりの持ち上げ記事と動画はどれも同じ内容で辟易としていました。
レヴューにはしっかりと良し悪しが書いてあり私にとって知りたい箇所も多く目から鱗でした。
これで5070Tiを買う決断が出来ました。
ありがとうございます。
RTX 5070 Tiは少しずつ定価(15万円台)に近い在庫がポツポツと出始めているから、総合的なパフォーマンスとコンテンツ向け機能(VSRやRTX HDR)を重視して買うのはかなりアリだと思います。
低負荷時の省電力性が高いのは想定外の魅力ですね。高負荷時もかなり改善したのもかなり良いです
AIは予想通り厳しいですね
改めて買ってよかった
9070XTXを待つべきかどうかだなVRM16GBは今じゃ微妙だし、せめて9070XTは20GB積むべきだったと思う
あとRadeon系はモンハンに強いのは当たり前、謎の強さでも何でもない
浅めに歴史的経緯を検索したところ、RE Engine自体がそもそもPS4向けに開発された(= Radeonに最適化)されているから、Radeonシリーズで高い性能を出せるのは当然。といった認識で合ってますか?
上記の認識でおおむね間違いなければ、該当の箇所を修正します。
そうですね、今回モンハンに限らずCS機用で提供されているからCSからPCへ移植(又はその反対)のソフトはその傾向が強いと思います。(「Ghost of Tsushima」もその類ですし)
この記事を待ってた。超待ってた。
軽く論文書けそうな膨大な検証されたやかもちさんも、品薄グラボを気前よく提供してくれたAsrock JapanもGJ!!
検証お疲れ様でした
巷で話題のコイル鳴きはどうですか?
RTXシリーズと違って結構大きいって聞きますが真偽のほどが気になります
コイル鳴きを「記録」する手段を選定しているところです。
とりあえず今回大量にベンチをした範囲では、急激な負荷変動(ゲーム起動 → fps制限のないロード画面など)や、クリエイティブな負荷(Compute負荷)をかけると、同じ消費電力のRTX 50と比較してやや上回る傾向があります。
詳しいデータはASRock Taichiモデル本体のレビュー記事にのせる予定です。
NVIDIAもドライバー問題を解決すれば持ち直すのかしら?何時になるのか分かんないけど。 それでも値段が高すぎて買いづらくはあるよね、5070でも12万以上するもんなぁ(しかも無印9070より値段、性能、ワッパも悪いし)
検証GJ!
しかし価格がやや下気味の7900XT 20GBも再評価すべきでは?
(VR民なので気になります)
前世代ならヤフショでrx7800xtを実質5万円台、rtx4070superは実質8万円台で買えたことを考えると新世代を待たずに底値で買った人が正解だったな
それにしてもレイトレ性能が足を引っ張らなくなったのは最高
ここ最近は馬鹿みたいに高いrtx4090と5090以外まともなハイエンドが全く無かったからハイエンドもラインナップされるUDNAが楽しみ
AIの関連のレビューが少なかったのでかなり参考になりました。
自分は将来的にStable diffusionを使いたいと思っているので大人しく5070tiを買おうと思います。
RadeonでもGeForceでも好きな方を買えばいいんとちゃう?
高くても自分にとって何をするかで自ずと決まるんでしょうから
改めてAIやゲーム、そして価格とバランスが取れていたのが4070ti superでしたね
5070tiに期待していたけど高いしAI向けには16GBが痛い
それなら今の12GBでほぼ間に合うし
量子化してない生のfluxをガッツリ使いたかったんだけどな
AI向けならこの世代はスキップして6000番台に期待するのがいいですね
ここに来て、高性能コンソール(PS5, XSX)をAMDが握っていたことが大きな有利になった気がする。やっぱり最適化の差よ
アイドル時の消費電力に目玉飛び出るかと思った
なんでこんなに低いんだ…?
動画見たり軽い作業をするときも低燃費ってことなのかな?
CPUのアイドル消費電力気にする人には電力制限かければめちゃくちゃ魅力的なグラボですね
5070Tiではない5070無印とは比較予定ありませんか?
ついでに9070無印とも
大量の検証お疲れ様でした。とても参考になります
後日冷却性能を検証されるとのことですが、I/Oポートが上を向く吊り下げ設置の冷却性能も検証してほしいです
聞くところによると吊り下げるとsapphireのnitro+は問題ないけどpureはダメみたいな話もあるので
「I/Oポートが上を向く吊り下げ設置」
これは、煙突型PCケースを想定した設置ですか?
検証自体がニッチすぎてどうしようか悩むけど、いい感じのフレーム板金があれば手軽に検証できそうなので少し検討してみます。
おっしゃる通り煙突型ケース想定です
Thermaltakeなんかでよく見かけるようになったのですが、やっぱりニッチですかね?
吊り下げた時の影響が大きい割に情報がなくてケースを選ぶ際にどうしても選択に入れづらいと感じています
信頼できる方がデータを蓄積していただけると大変参考になります
グラボ単体だけではなくシステム全体のエアフローに依存するから普遍的な評価としてはかなり難しいのでは
電力スパイクの数値すごいな
壊れそうだけど対策とかはないのかな?
ドライバの設定から電力制限と最大クロック制限をかければ、多少マシになります。といってもRTX 50シリーズほどには下げられないです。
やっぱりNVIDIA最高なんですね!
今Radeon買ってる人達はもうすぐ登場のDXR1.2で粗大ゴミになるのに…
9070xtは資源の無駄だから即刻販売中止した方が世界の為
NVIDIA〜、最高!
って一言だけで済ませればクスッとするだけで済んだのにw
DXR1.2で優位性を失いかねないのはNVIDIAだと思うんだけど…
・GeForceとRadeonとの価格差を無視したNVIDIA最高宣言
・購入した人たちを馬鹿にする粗大ゴミ呼ばわり
総合性能を持ってしてGeForceの方がバランスが取れていると言いたいならそう言えばいいし、未来の次世代製品(UDNA)を引き合いに出して今買える現行製品を貶しても意味ないでしょう、未来の製品はその時にならないと入手出来ないのだから
伝えたいことがあるなら強い言葉を使わずもっと文章を工夫する必要があるのでは?
「NVIDIA最高」と言い切れるデータはありましたか?
たしかにゲーム次第で性能差が2倍だったり、最適化されたAI性能の優秀さはRTX 50 / 40の目立った優位性ですし、TGP:100%時の平均的なワットパフォーマンスも未だ最高クラスです。
しかし、値段があまりにも高すぎるうえに、定価(MSRP)モデルの希少出荷とROP欠け不良はやはり痛手だったと思ってます。日本市場の場合は、大人気なモンハン需要をさばき切れる在庫をほぼ用意できず、今回のRX 9000シリーズに需要を持っていかれています。
「最高」といえる状況証拠が少なく・・・及第点をちょっと下回ってるような。最高かどうかは、在庫が正常化してからが本番でしょうか。
あと、AI対応の弱さも正式なgfx1201対応ROCm(AMD HIP SDK)が来てしまえば大幅に緩和される見込みです(推定値:7900 XTX x 1.80 = Asuka BenchmarkでRTX 4090の一歩手前クラス)。
不具合の話を出されたら50シリーズは9070シリーズよりもっと産廃です。でもその話題は記事内では避けましたよね?つまり完全にデータだけを見ろと暗に言ってる訳です。
だったら読者はその記事に対して感想を言うしかない、記事の内容を総合してNVIDIA最高と言ったまでです。
しっかりベンチマークしてくれる人様のブログで煽りするのは辞めない?
客観的な事実なので煽りでもなんでもありません。
総合的にNVIDIAが優秀なのはデータでよく表されてます、そこにMicrosoftやサードパーティの動向を見据えると更にNVIDIAが伸びるのは明白なので、情報に踊らさせれてRadeon買うのは安物買いの銭失いにしかならない。
それにAMDの本気は次世代UDNAなのでそこでDXR1.2に完全対応してくれば、あらゆる性能面でNVIDIAと肉薄出来る時が来るはず、つまり今Radeonを買うべきでは無いのです
1ついい事があるとすれば今回シェア増やした事によってAI関連のソフトがcuda一本から他の道への選択肢が増えた事
別に何を信じようが好きにすればいいと思うけど、気に入らないものを粗大ゴミだの資源の無駄だの言うような人は、こういう場所でコメントしてはいけないと思うよ。
なお、RTX50シリーズの不祥事。
・電源ケーブルの溶解事故が収まらず
・PCIe周りのセラコンが発火する事故が報告される
・ROP(Raster Operations Pipeline)が欠落して性能発揮できない個体が存在
・ドライバ572系でRTX40やRTX30のクラッシュやフリーズが頻発
気に入らないのではなく次世代へ向けた中途半端な繋ぎの製品を大量生産しても直ぐに産廃になるので作らない方が地球環境にも優しいと感じただけです。
現在のNVIDIAのやらかしっぷりは擁護出来る物では無いし怒りすら覚えますがこの記事では触れてないので、私も触れません
あくまでデータのみで見た場合NVIDIAの圧勝なのは揺るがない事実です(価格以外)
> 気に入らないのではなく
そういう論点ずらしはいらないから。既に購入している人たちが「粗大ゴミ」を掴まされ「資源の無駄」に荷担したって暗に言ってるでしょ。
そういう、他人を馬鹿にした態度を素直に修正できずに、言葉尻を捉えた反論に終始するなら、書き込みは控えて下さいってことです。
自分が買うか買わないかの判断で「総合的に」とかいう謎の指標はどうでもいいんですよね
not for meなものを必死に罵倒する熱量は別のことに向けた方が有意義だと思う
言葉は過激だけど前提がRTX 50というハズレ世代とそれと比較されるRX 9000シリーズになってるから今世代自体スルーというのは全然わかる
> RTX 50というハズレ世代とそれと比較されるRX 9000シリーズ
ちょっと違うと思う。
RTX50は、NVIDIAの従来方針(コアを増やして物量で性能を上げる)に限界を迎えてしまったことを示した世代。もうこれ以上は(コンシューマ用途では)物量増やすの厳しいですって言っている。サイズ的にも電力的にも。だからAIに舵を切り、FPS向上をAI技術(フレーム生成)によるソフトウェア制御で目指すように方針転換を明確化した。それが顕著になってきた世代。
一方のRX9000シリーズも、NVIDIAの最上位機種が貫いてきたそういう物量作戦ではこの先に限界があることを見据え、上限競争を捨てるという決断を下した。で、一番美味しい性能の引き出し方を模索し始めた。価格と性能と効率のバランスを追及する方向へと舵を切ってきた結果が、ミドルレンジ帯ってことだと思う。
TSMCのプロセスノードが変わらない限り劇的な物量進化は望めないという前提で、NVIDIAはソフトウェアによるFPS向上を目指し、あちこちで不具合を出してしまった。AMDは従来戦略の延長線上として、必要十分な性能とは何かを模索し、とりあえずは順当進化して見せた。そういう風に見ております。
確かに言われてみればそうだな、と感じました。
こうしてみるとRTXの優等生っぷりが凄いな
ゲーム部分だとラデオンもかなり良い感じだけど総合的にみるとやっぱりこうなるか
Blenderの最適化問題を未だに放置してて悲しかった。RDNA初代の頃から国内外から指摘されているはずなのに、まだ修正しないんだ・・・と。
ちなみにBlender演算時のAPIをAMD HIPから、有志制作のZLUDA(CUDA互換)に置き換えると、性能が20~25%ほど向上します。互換品でこの性能差だから、いかにCUDA資産が強いかが分かりますね。
質問失礼します
9070XT Taichiを持ってるんですが、鳴潮で120fpsの設定ができません
CPUもメモリもほぼ最高のものを使っています
ゲームとドライバ再インストール、DirectX11での起動、プラットフォームの変更はやったんですがダメでした
4070Tiから換装したんですが、換装前は120出てました
最新GPUだからまたKUROゲームスが設定し忘れてるだけだと思ったんですが、このベンチで120fpsにできると知って驚いています・・・
・WuWa_Simple_FPSUnlocker
https://github.com/WakuWakuPadoru/WuWa_Simple_FPSUnlocker
こちらのツールでかんたんに設定できます。RadeonやIntel ARCのレイトレ有効化、120 fps非対応リストのGPUを120 fps解除など、ワンクリックで設定可能です。
RTX3070からRX9070XTに移行しました。GeForceのプチフリやブラックノイズ、クラッシュから解放されて最高です。AIやらないゲームユーザーで富豪以外はこれ一択ってレベル
AMDがWindows版ROCmの開発に前向きな姿勢に変わってきているから、風向きが変わる可能性はあります。
https://x.com/Pehdrew_/status/1897934517068820954
上記リプライに「Yes」と答えている人が、AMDのAIソフト開発担当者(副CEO)です。
ちなみに、この方いわくRDNA 4世代のAI実効性能は7900 XTX比で約1.8倍だったとのこと。
https://github.com/nod-ai/shark-ai/tree/shared/rdna4/shortfin#rdna4-demo
残念ながらComfyUIやA1111、reForgeでは再現しないので、正式版ROCmにRDNA 4が含まれない限りダメそうです。
AIの対応状況をこの世の終わりみたいな感じで表現しているが
ヲタコンテンツ界隈で風当たり強いわーくにでどれだけ必要にしてる奴らがいんのよ
SDXLやWan 2.1ローカル民(= Twitterにいるインプレ勢ではないユーザー層)は、目立つところにいないので少なく見えますね。最近はNAI v4が今ひとつ出来が悪かった影響もあり、ローカル移行がふたたび増加傾向です。
数万の差なら5070Tiの方が良さそうだな
9070XTの弱点も隠さずレビューしてくれるちもろぐは信頼できる
ゲーム用に凄くいいグラボ
基本geforceだったけど、一度だけradeon 5700XTを買ったことがあります
当時は2060を上回る性能でいいGPUを出したのだけど、半年後に2060、70superを出してすぐにつぶしに来て、3000シリーズ以降またgeforceに戻りました
今のnvidiaは99%の稼ぎがAIからで一般ユーザーを相手にしなくなり、もう当時のようにradeonに対抗することないだろうなあと思うと寂しいものがあります
今後はゲームならradeon、仕事やAIでも使うならgeforceになりそうなターニングポイント的な世代ですね
radeonも次はUDNAでどう進化するかわかりませんが
主題とは違うけどAI生成SDで5070tiが4070tisにほとんど負けてるのが意外だった。
理屈に合わないのでソフトの最適化不足なんだろうけど、このままじゃベンチ取れませんね。
9070xtを転売価格で買うかどうか悩んでるうちに5080当選しちゃったんで結局2倍の金額のグラボ買う羽目になっちゃった
こんなクソグラボ…と思ってたけど中韓のゲームだとRTXのが強いのか…
まぁコスパはうんこだけど5080も悪くはないのかな…
逆にこれからAIでも使ってみるとしよう
そのために買ったと自分に言い訳しないとやってられん
定価(20万円前後 or ポイント込みで20万前後)で買えるなら良い買い物だと思います。一応、前世代1199ドル → 999ドルに値下げされてますし、定価が安定していれば悪くないです。
値上がり後のTUFだったんで30万すわ、HAHAHA
他のレビューでは全然見かけない(3440x1440p)でもモニターいっぱい持ってるヤカモチサンに比較やってほしい
3440×1440を入れづらい一番の理由は、3440×1440に対応してるゲームが相対的に少ない状況です。ゲームによっては公平性を理由にウルトラワイドを禁止するくらいですし、ウルトラワイド対応ゲームだけで20タイトル用意するのが難しい・・・。
ゲーム機がウルトラワイドに対応したら、ネイティブ対応するゲームが増えそうですが、今はまだ望み薄に見えます。
RX9070XTでパルワールドのベンチとても参考になりました。
まさかここまで性能が発揮されないなんてorz
3060Tiからの買い替えで9070XTを検討していましたがもう少し様子見ようと思います。
RX9070XTでパルワールドのベンチ全然なかったので本当によかったです。
現在の環境がRyzen7 7700+RTX3060TiでWQHDで70~80出てるのでradeonが最適化されるのを淡い期待を抱いて待つと決めました。
メーカーどっちにしろxx70番台をミドルハイというのは無茶だな
大半のゲーマーにとっては持て余すスペックになってきた
値段的にRTX5070と比べてほしかったなと思います
この程度の性能差で5万も違うと9070XTに人気が集まるのもわかりますね
ただその結果いつもgeforceを購入する人まで殺到してるので販売しても速攻で売れてしまい在庫がほぼない状況に
2,3か月後に在庫が潤沢になれば価格も安定しそう
まあ本命は次の5060か9060かな
AMDはやはりソフトウェアへの最適化がネックですね
AIアプリもそうだし、ゲームにしても十年来PS5/XBOXでGPUを握っているのに、顕著に影響が出たのがそんなに多くないとも言えるんですよw
ただ、単体GPUで久しぶりに存在感を取り戻したので、次世代も安定して性能が上がっていけば対応していくアプリは増えていくはず!
599ドル(9万)
549ドル(8.25万)
とは一体?
以前なら、ここから各社の割引があったのに、世の中一体どうなってしまったのか
ZOTACさんの5070ti SOLIDに一目惚れだったので9070XTは見送りましたが、やっぱコスパ良いなぁ。
5070ti側はsmooth motionが「しっかり動けば」増えたTensorコアの真価を発揮できるし、MFGはサイパンで動かした限りはシングルゲーで気にならないレベルの入力遅延でfps爆盛れ出来たので、伸び代があると考えればまぁ。
ゲーム性能的な部分でも、9070xtとの差額分の価値は生み出して欲しいところ。
9070XTは買えたものの9800X3Dが全く入手できず、14700Kは良いマザボが廃盤で泣く。
ASRock NOVAどこかに落ちてないですかね…
9070XT 13万円、5070Ti 16万円、3-4万円差なら5070Tiが全体的によいのでコストパフォーマンスは割とどっこいな気も。
ワットパフォーマンスもよいのと絶対性能で上と考えるとより5070Tiはプラス査定になる。相手が悪い。
5070Tiと比べると分が悪いが5070と比べると良さそうで同じ容量だとRXは分が悪いが12GBに対してならそれも問題なさそう。
ただDLSS3の時点でFSR4と一長一短で遠景のロゴや葉っぱなどの描画の繊細性など全体的な描画ではまだDLSS3に一日の長がありそうで、更にDLSS4があるので5070にも強みは少なくはなさそう。
7900XTXを多少超えてきたり、逆に結構離されたりと対RX同士でも強さと弱さの両極端が見られ、パフォーマンス面で評価するには7900XTXは同じく強敵でこちらも7900XTなら割と離されることも少なく良かったのかなと。
ただこちらはFSR3とFSR4の差もありその他にも9070XTの強みもある。
FSR4が実質RX9000のみでDLSS4が逆にRTX全部なのが意外でしたが、コストパフォーマンス以外で対RXには進化が見られたのは良かった。
しかしその前に9070XTは少な過ぎて入手性をなんとかしないと。
4K解像度になるとVRAM転送速度の差で性能が開いている印象
とはいえ実用レベルで言えば十分なFPS稼ぎ出しているし実用十分ともいえる性能
個人的には32GVRAM搭載&メモリバス幅拡大されると噂される9070XTXに期待したい所
どっちが良い?になると、ミドルクラスの性能が上がりすぎて値段か性能か以前にこれらを搭載したゲーミングPCで何がしたいのか、ゲームはどのレベル(画質やVR)を目指したいのかまできちんと考えないと良い買い物したね‼ってならない領域まできちゃった感あるなぁ…。見た目と自己満でスゲーの買いました‼普段やってるのはインターネットとsteamのインディーゲーです‼を見て穏やかな心で称えられる心の余裕を持ちたい。