Lenovoの家庭向けのパソコン「IdeaCentre T540」をゲーミング化し、驚異的なコスパのままパワーアップを果たした「IdeaCentre T540 Gaming」。国内BTOすら抑える「安さ」が魅力的ですが、果たして性能や中身のパーツは?
実際にレビューしてみた。
IdeaCentre T540 Gamingのスペックと概要
IdeaCentre T540 Gamingモデル:90LW0017JP | |
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CPU | Core i5 9400 |
冷却 | 小型空冷クーラー※82 mm小型空冷ファン |
グラボ | GTX 1650 4GB ※2スロット占有の内排気モデル |
メモリ | DDR4-2666 8GB x1 |
マザーボード | Intel B365搭載 |
SSD | 256 GB(NVMe SSD) |
HDD | 1 TB |
ドライブ | – |
電源 | 310W 小型電源メーカー不明 / 80+ Platinum認証 |
OS | Windows 10 Home 64bit |
保証 | 1年間(引取修理保証) |
参考価格 | 87859 円(税込み・送料無料)最新価格をチェックする |
Lenovoの格安ホームユース向けパソコン「IdeaCentre」を、ゲーミング仕様に特化させたのが「IdeaCentre T540 Gaming」です。価格は約8.8~12万円で、スペック違いの4モデルがラインナップされています。
モデル | 90LW0017JP※今回のレビュー | 90LW0019JP | 90LW001AJP | 90LW0018JP |
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CPU | Core i5 94006コア6スレッド | Core i7 97008コア8スレッド | ||
グラボ | GTX 1650 4GB | GTX 1660 6GB | GTX 1660 Ti 6GB | |
メモリ | 8GB x1 | 8GB x2(合計16GB) | ||
SSD | 256 GB | 512 GB | 256 GB | |
HDD | 1 TB | – | 2 TB | |
価格 | 87859 円税込み & 送料無料 | 110141 円税込み & 送料無料 | 114224 円税込み & 送料無料 | 120274 円税込み & 送料無料 |
やはり、パッと見て驚くのが価格設定です。税抜ではなく、税込みかつ送料無料の価格ですから、スペックに対するコストパフォーマンスは驚異的にすごい。
Lenovoに代表される外資系メーカーは、国内の大手BTOメーカーと比較してコスパで劣る印象がありますが、IdeaCentre T540 Gamingに関しては例外。約8.8~12万円の4モデル、どれをとっても相場より1~2万円は安いです。
しかし、国内BTOと比較しても目立って安いため「マトモに使える製品かどうか?」は、初めてゲーミングPCを買う人によっては重要な問題でしょう。今回は実際に、一番安いモデルについて、詳しくレビューします。
IdeaCentre T540 Gamingを実機レビュー
付属品とパッケージ
パソコン本体は、発泡スチロールの分厚い梱包材にがっちり挟まれ、保護用ビニールがかぶせてあります。IdeaCentre T540 Gamingは小型で軽量なので、配送時に故障する確率は極めて低く、安心です。
付属品は茶色の段ボール2つに入っていました。
小さい箱には、電源ケーブルや説明書、付属マウスが入っています。
もう一方の箱には、パンタグラフ式の付属キーボードでした。パンタグラフ式でペチペチとした浅いキーストロークが目立つキーボードです。ゲーミングにはあまり向かないので、キーボードとマウスは別途用意するのがオススメ。
外観とデザイン
IdeaCentre T540 Gamingは、Lenovo特注のコンパクトPCケースを採用。ミッドグレーのマット塗装で、意外と安っぽさは感じられません。サイドパネル(側面)には、細長い長方形のメッシュ(通気孔)も設けられ、通気性も問題ないです。
反対側はサイドパネル一面がミッドグレーのマット塗装のみ。吸気用のメッシュなどは一切ない、シンプルなデザインです。
外資系PCメーカーにありがちな、まったく塗装されていないリアパネル(背面)。あまり目につかないところで、コストカットを行い、価格を少しでも抑える努力と言えます。
インターフェイスパネル(リアパネル)の内容を確認します。
- オーディオポート(3.5 mm)
- D-Sub
- HDMI
- USB 2.0 x2
- USB 2.0 x2
- LANポート
端子 | 解説 |
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WiFiアンテナ | WiFiモジュールを取付可能 |
USB 3.1 Gen1 | 約500 MB/sの速度で転送できるUSBポート |
USB 3.1 Gen2 TypeA | 約1000 MB/sの速度で転送できるUSBポート |
USB 3.1 Gen2 TypeC | TypeAと違って、左右対称・小型なポート |
LANポート | ここにLANケーブルを挿すとネットにつながる |
オーディオ入出力 | 緑が「出力」で、ピンクが「マイク入力」 |
PS/2 | 超古いキーボードやマウスを使うための端子 |
HDMI | 最近のモニターなら大抵はついてる端子 |
Display Port | 値段が高めのモニターについてる端子 |
DVI-D | 安物のモニターに多い端子(最近は減ってきた) |
D-Sub | 安物のモニターで見かける端子(最近は減ってきた) |
USBポートは4つありますが、全てUSB 2.0です。逆にUSB 3.0など、高速なUSBポートはフロントパネル側に設けられているので、リアパネルにはマウスやキーボードをつないで使ってください。
という考えにもとづいた設計といえます。やはりLenovoによる専用設計のパソコンだけあって、普通のBTOパソコンとは違ったデザインや仕様が出てきて素直に面白いです。
- Display Port
- Display Port
- HDMI
グラフィックボード側のコネクタは、最近のモニターでもっぱら主流になりつつある「HDMI」や「Display Port」を合計で3つ備えます。
フロントパネルはマットブラックで統一。ケース表面は三角形を組み合わせたフラクタルな凹凸デザインが施されていて、安っぽく感じやすいプラスチックな素材感を「高級な感じ」に演出しています。
リアパネルとは打って変わって、フロントパネル側のインターフェイスはとても豊富な内容です。
- 電源ボタン
- SDカードスロット(の痕跡?)
- マイク入力
- ヘッドセット出力
- USB 3.0 Type-C
- USB 3.0 x2
- USB 3.0 x2
USB 3.0が合計で5ポートあります。高速なポータブルSSDも安心して使える仕様です。
なお、SDカードスロットらしき部分は一応取り外して確認しましたが、中には何もありませんでした。メーカーの仕様表を見ても特に記載がないため、特に意味のないスロットでしょう。
天板(トップパネル)は、ほぼ完全な平面デザインになっていて、メッシュなどは一切ありません。ポータブルストレージやパソコン周辺機器など、軽いモノを置く収納スペースとして使えそうです。
底面(ボトムパネル)には、滑り止めと振動吸収を兼ねる4本の足が取り付け済み。外の空気を取り込む吸気用メッシュもあります。
フロントパネルの底と、サイドパネルの側面にある吸気用メッシュから外気を取り込み、リアパネル側のケースファンでPCケース内部の暖まった空気を吐き出すエアフロー設計です。
中身とパーツをチェック
サイドパネル(フタ)を開けて、IdeaCentre T540 Gamingの内部コンポーネントをレビューしていく。
リアパネル側からネジ2箇所を取り外すと、サイドパネルは簡単に外れます。次に、フロントパネルを手で引っ張って取り外します。
そしてストレージインレー(壁みたいな部分)を手前に引くと、ドアが開くように動いて、内部コンポーネントへアクセスできるように。ネジは2箇所だけで、その後はツールレスに開けられる親切な仕様です。
IdeaCentre自体は、元がホームユース向けのデザインなので、メンテナンスしやすいように保守性の高い設計になっているのかもしれません。
配線は結束バンドが軽くまとめてあります。必要最小限の配線で、メンテナンス性は良好です。
CPUクーラーは82 mmサイズの小型空冷ファンで、リアパネル側のケースファンも同じく82 mmサイズの小型ファンです。スペースが非常に限られているため、あまり大きいファンは搭載できません。
可能です。
試しに空いているメモリスロットに、適当なメーカーのメモリ(容量4 GB)挿し込んだところ、合計12 GB(8 + 4 GB)として認識されています。最初から16 GBのモデルを選んだほうが賢いですが、一応「増設はできます」。
グラフィックボードは、シングルファン仕様の「GTX 1650 4GB」を搭載。ボードの長さはわずか145 mmしか無い、コンパクトなグラフィックボードです。
可能です。
電源ユニットから「6 + 2」ピンの補助電源コネクタが1つだけ出ているため、上位のグラフィックボードへ交換はできます。ただし、ケース内部は非常にスペースが狭いので、小型で厚みの薄いグラフィックボードしか使えません。
自分が試した範囲では、長さは170 mm、横幅が125 mmがIdeaCentre T540に入り切るギリギリの大きさでした。市販されているグラボだと、Palit Microsystemsのシングルファングラボが該当します。
「Palit GTX 1660 Ti STORMX」は、長さが168 mm、横幅が122 mmです。補助電源コネクタは「6 + 2」ピンで、問題なく使えます。
マザーボードは「Lenovo I365MS(ver 1.0)」が採用されています。普通のBTOパソコンや自作PCでは見かけない、極めて特殊な規格のマザーボードです。
- PCI Express x16(グラボで使用済み)
- PCI Express x1
- SATA 3.0(空き1本)
- SATA 3.0(空き1本)
小型PCケースゆえ、マザーボードも小型です。当然ながら拡張性はかなり限定的で、あとからパーツを増設したりするには限界があります。あくまでも、完成品の時点で満足できる人向けのパソコンですね。
スロット | 解説 |
---|---|
PCI Express x16 | グラフィックボードや高性能なLANカードを増設できる |
PCI Express x8 | ローエンドなグラボや高性能なLANカードを増設できる |
PCI Express x4 | LANカードやサウンドカードを増設できる |
PCI Express x1 | 主にサウンドカードやキャプチャカードの増設に使う |
PCI スロット | ものすごく古い拡張カードなら出番があるかも…(化石) |
M.2 ソケット | M.2規格の小型SSDやWiFiモジュールを増設できる |
SATA 3.0 | 主にSATA規格のHDD / SSD / 光学ドライブの増設に使う |
マザーボードの右下に、M.2 SSDとWiFiカードを発見。SSDはSamsung製のOEM向けモデルで、信頼性は問題なし。WiFiカードは定番のインテル製です(※802.11 acとBluetooth 4.0に対応)。
ストレージインレーには、3.5インチのHDDが取り付け済み。Seagate製のデータ保存用HDD「ST1000DM003」です。
搭載されている電源ユニットは、AcBel製「PCJ007」でした。容量310 Wで、効率は80 Plus Platinumを取得している電力効率に優れた電源ユニットです。
今回のIdeaCentre T540 Gamingでは、せいぜい消費電力は約170 Wが関の山。容量310 Wに対して55%程度の負荷率なので、余裕は十分に確保されており、必要十分な電源ユニットと言えます。
PCJ007 | 65 x 86 x 150 mm |
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SFX規格 | 125 x 63.5 x 100 mm |
ATX規格 | 150 x 86 x 140~ mm |
ただし、PCJ007はLenovo向けにカスタムされた特殊規格の電源ユニットなので、代用品を探すのに苦労するのは難点です(※というより、同じ電源ユニットしか選択肢がない)。
起動すると、フロントパネルの凹凸デザインとインターフェイスの間から、IdeaCentreをイメージした青白いLEDライティングで大人しく穏やかに光ってくれます。
ゲーミング性能を徹底検証
パーツチェックの次は、IdeaCentre T540 GamingがゲーミングPCとしてどこまで優れた性能を発揮できるのか。詳しい動作検証を行います。
- 定番ベンチマークだけでなく
- 実際のゲームプレイで実測検証もする
直感的に性能が分かりやすいように、実際にゲームを動かしてどれくらいの平均フレームレートを出せるのかを確認していく。ベンチスコアよりも平均fpsの方がずっと重要です。
定番ベンチマーク
グラフィックボードが「GTX 1650」なので、フルHD向けのベンチマーク結果は平均よりは少し劣るレベルです。ゲームによっては、グラフィック設定を落とさないとスムーズな動作ができません。
フルHDゲーミングのfpsを実測
ゲーム内のグラフィック設定を「最高」にして、MSI Afterburnerを使ってフレームレートを記録します。そして記録から平均フレームレートを計算して、以下グラフにまとめました。
IdeaCentre T540 Gaming フルHD(1920 x 1080) / 最高設定 |
平均100fps超平均60fps以上平均60fps未満
現在のゲームプレイでもっとも一般的な「フルHD(1920 x 1080)」は、最新のFPSゲームならなんとか平均60 fps前後をうろつく性能です。
ARKやアサシンクリードのような超重量級ゲームはだと、平均30 fpsがやっとの結果。基本的にほとんどのゲームが動作しますが、スムーズな動作にはグラフィック設定の妥協は避けられません。
CPU性能とコンテンツ作成能力
ベンチマークソフトに加え、実際にソフトを動かしてIdeaCentre T540 Gamingのクリエイティブ性能を検証してみます。
定番ベンチマーク
6コア6スレッドのCore i5 9400らしく、おおむね「普通」なパフォーマンスです。高画質なゲーム配信や、4K動画編集など、重たいクリエイティブタスクでなければ割と間に合う性能があります。
画像編集「Photoshop CC」
クリエイティブなタスクと言えばAdobeが有名。その中でも特に有名な「Photoshop CC 2018」の処理速度を、バッチファイルを使い実際に動かして計測しました。
マシン | IdeaCentre T540 Gaming | GALLERIA RJ5 |
---|---|---|
CPU | Core i5 9400 | Ryzen 5 2600 |
グラボ | GTX 1650 4GB | GTX 1660 6GB |
メモリ | 8GB | 8GB |
総合スコア | 638.6 /1000 | 589.6 /1000 |
一般処理のスコア | 52.4 | 47.9 |
フィルタ系のスコア | 67.2 | 61.9 |
Photomergeのスコア | 80.1 | 75.2 |
GPUスコア | 54.7 | 62.0 |
IdeaCentre T540 GamingのPhotoshopの総合的な処理性能は「638.6 点」で、普通です。Photoshopはメモリ容量によって性能が左右されやすく、メモリが8 GBしかない今回のPCでは、やや苦戦します。
マシン | IdeaCentre T540 Gaming | GALLERIA RJ5 |
---|---|---|
CPU | Core i5 9400 | Ryzen 5 2600 |
GPU | GTX 1650 | GTX 1660 |
RAM | 8GB | 8GB |
総合スコア | 638.6 | 589.6 |
一般処理のスコア | 52.4 | 47.9 |
フィルタ系のスコア | 67.2 | 61.9 |
Photomergeのスコア | 80.1 | 75.2 |
GPUスコア | 54.7 | 62 |
テストの詳細結果 | ||
RAW画像の展開 | 4.81 | 5.93 |
500MBへのリサイズ | 6.86 | 2.13 |
回転 | 1.84 | 2.23 |
自動選択 | 19.14 | 21.53 |
マスク | 5.77 | 7.97 |
バケツ | 3 | 3.03 |
グラデーション | 0.62 | 1.25 |
塗りつぶし | 13.61 | 18.63 |
PSD保存 | 15.46 | 15.28 |
PSD展開 | 3.55 | 3.77 |
Camera Raw フィルタ | 11 | 11.48 |
レンズ補正フィルター | 19.03 | 21.69 |
ノイズ除去 | 25.09 | 25.22 |
スマートシャーペン | 33.6 | 34.53 |
フィールドぼかし | 23.1 | 24.89 |
チルトシフトぼかし | 21.55 | 22.46 |
虹彩絞りぼかし | 23.88 | 24.45 |
広角補正フィルター | 23.95 | 22.68 |
ゆがみツール(Liquify) | 11.36 | 17.35 |
Photomerge(2200万画素) | 97.5 | 104.95 |
Photomerge(4500万画素) | 135.18 | 142.22 |
※「Puget Systems Adobe Photoshop CC Benchmark」を使用しました。
ゲーム配信「OBS」
ゲーム配信ソフトで特に有名な「OBS(略:Open Broadcaster Software)」を使って、IdeaCentre T540 Gamingの配信性能を検証します。
検証方法はFinal Fantasy 14:紅蓮のリベレーター(最高設定)の序盤1分を、フルHD(1080p 60fps)で配信と録画を行い、どれだけのゲーム映像をちゃんと配信できたかをチェック。
検証は2パターン行います。CPUで録画配信をした場合(設定は4つ)と、グラボで録画配信をした場合(設定は2つ)の2パターンで、合計6つの設定です。
なお、ゲームプレイ時のフレームレートは240 fpsを上限に設定して、快適なゲームプレイと配信の両立ができるかどうかをチェックします。
OBSで録画と配信(240 fps制限) | ||||
---|---|---|---|---|
設定 | レンダリングラグ | エンコードラグ | 平均fps | |
CPUで | superfast | 13.7% | 0.2% | 49.8 fps |
veryfast | 9.1% | 0.0% | 46.5 fps | |
faster | 18.1% | 57.2% | 52.6 fps | |
fast | 15.5% | 61.1% | 48.8 fps | |
グラボで | Max Quality | 17.4% | 0.0% | 46.8 fps |
ゲーム配信をするには、残念ながら性能が足りません。さすがに約8.8万円の安価なゲーミングPCには、ゲーム実況配信は少し負荷が大きすぎるタスクです。
配信を安定させるなら、Core i7とGTX 1660 / 1660 Tiを搭載している上位モデルを強くオススメします。
ストレージ性能と詳細
IdeaCentre T540 Gamingの標準ストレージは「256 GB NVMe SSD + 1 TB HDD」です。搭載されているSSD / HDDの詳しい情報や、その性能を検証します。
SSDは内部コンポーネントでも紹介したとおり、Samsung製のOEM向けモデルが搭載されています。読み込みは約3550 MB/s、書き込みが約2340 MB/sで、性能はとても高速です。ゲーミングPCには十分です。
HDDはSeagateの「ST1000DM003」が入っています。読み込みが約211 MB/s、書き込みは約199 MB/sでHDDにしては意外と速いです。とはいえ、データ保存用(倉庫)のHDDなので、ゲームや動画編集などで酷使はしないように※。
※使用頻度の低いデータを入れて放置するような使い方に向いているアーカイブ用途のHDDなので、動画編集やゲーミングなど、頻繁にアクセスするような用途には向かないHDDです。
エアフロー
サーモグラフィーカメラを使って「IdeaCentre T540 Gaming」の内部温度を撮影しました。リアパネル側の82 mmファンと、電源ユニットが排気を行い、一応はエアフローが生成されています。
が、PCケースが小型でスペースが狭い分だけ熱がこもりやすく、中の温度はやや高めです。念のため12時間連続で、ゲームベンチマーク(Unigine Heaven)を起動しっぱなしにするストレステストを行いました。
結果は問題なく、至って安定した動作です。
内部コンポーネントの温度
マザーボードのVRMフェーズ回路まわりの表面温度は、ゲーミング時で60~65℃でした。低いわけでもなく、高いわけでもない、ごく普通な温度です。安定性に問題はありません。
電源ユニットの内部温度は39~41℃前後で、それなりに大人しい温度です。80 Plus Platinum認証の高効率な電源ユニットなので、電源本体の発熱は少なく済みます。
ゲーミング時の動作温度をチェック
ゲームにしてはCPUへの負荷が大きい「FINAL FANTASY XV」を実行している時に、CPUの温度を計測してみました。
Ryzen 7 3700Xの温度は最大80℃(平均68℃)でした。82 mmの小型ファンとして、普通な冷却性能です。
グラフィックボード(GTX 1650 4GB)は、最大75℃(平均72℃)で特に問題ありません。シングルファンかつ狭い空間の割には、必要十分な冷却性能が得られています。
静音性能を騒音計で検証
校正済みのデジタル騒音メーターを使って、IdeaCentre T540 Gamingの動作音(騒音レベル)を計測します。ケースパネルを閉じて、50 cmくらい距離をとって計測を行いました。
- PC起動前:31.3 dBA(極めて静か)
- アイドル時:33.9 dBA(静か)
- ゲーミング:38.0 dBA(やや静か)
それぞれの中央値(平均ではなく、真ん中に位置する数値)をまとめました。アイドル時は約34 dBAで、ほとんど無音に近い静音性です。ゲームを始めると動作音が上昇し続け、38 dBA前後で落ち着きます。
ハッキリ言って「静か」です。
動作音の比較(ゲーム中)
過去にレビューしたゲーミングPCと、ゲーム中の動作音を比較してみた。
IdeaCentre T540 Gamingは、Core i5 + GTX 1650というパーツ構成のおかげで、そもそも発熱が大人しいです。ケースファンが1つしか付いていないこともあり、動作音が小さくなりやすいです。
「IdeaCentre T540 Gaming」レビューまとめ
RANK:A+
- 価格の割にはゲーム性能は良い
- CPUとグラボの冷却性能はOK
- コンパクトで軽くて省スペース
- 動作音はゲーム中でも静か
- コスパは文句なしに優秀
- 拡張性は限定的
- 特殊仕様のパーツが多い
- 重たいゲームは設定を落とす必要あり
- 発送まで「1週間」
当ブログ「ちもろぐ」のゲーミングPCレビューは、ゲーム性能が高く、PCケースが大きいほど有利なスコアが付きます。
だから今回レビューした最も価格の安いIdeaCentre T540 Gamingに限っては、平均的なCPUとゲーム性能の評価が反映され、総合スコアは83点になってしまいました。
約8.8万円という価格を考慮すると、非常に頑張っている性能ではありますが、どうせ買うならもう1ランク高い上位モデルを強くオススメします。そちらはCPUがCore i7 9700に格上げされ、グラボはGTX 1660でフルHDゲームも余裕です。
メモリは最初から16 GB入っていて、SSDは512 GBの大容量で安心。それでも価格は約11万円で、他の大手BTOに対してまったく劣らない驚異的なコスパを見せつけています。
性能以外の評価は「とても良い」です。PCケースのデザインは価格なりに一部安っぽさはあるものの、フラクタルな凹凸デザインで高級感を演出するなど、低価格なのに高級っぽく見えるアイディアは好みです。
ケース自体はコンパクトかつ軽量で、持ち運びは容易。あれだけ小さいケースにパーツを収めるため、Lenovo特注仕様のパーツが使われ、拡張性も失われていますが、小型化と拡張性はトレードオフの関係にあるので仕方がないでしょう。
「低価格でコスパ良く、そこそこ高級感があり、場所を取らないコンパクトゲーミングPC。」が欲しい人にとって、IdeaCentre T540 Gamingはとてもおすすめ。ただし買う際は一番安いモデルではなく、ひとつ上のモデルを選んでください。
以上「IdeaCentre T540 Gamingをレビュー:コスパ、小型、高性能」でした。
上位モデルはこちらから
価格は約2.2万円増えますが、満足度は明らかに高いです。CPUは8コア8スレッドのCore i7 9700、メモリは16 GB、グラボはGTX 1660 6GB、SSDは512 GBにアップグレードされています。依然としてコスパは文句なし。
ゲーム性能がさらに欲しい場合は、PCケースがやや大型になるものの「Legion T550i」がコスパ凄すぎでオススメです。拡張性とメンテナンス性にも優れ、パーツ増設・交換と相性が良いのもメリット。
“PCJ007はLenovo向けにカスタムされた特殊規格の電源ユニット”とありますが、TFXというサイズのもののように思えます。とはいえマイナーであまり交換の選択肢がないのも事実ですが…
とてもわかりやすい記事でした。ありがとうございます。
恐らくですが電源コネクタ周りが違う感じかと(lenovoやNECの場合一昔前だと一般に24ピンチな部分が14ピン、最近だと10ピンになっていることが多い)
逆にマザボ自体はmicroATXサイズなので各種ピン配列の特殊さに変換コネクタ等で対応できれば市販品の電源も使えるかと.
8万代とカジュアルゲーマーにはいい製品ですね。
3万円ちょっとで4つの中の最上位まで手が届くというところで、
一つ上や一番上のモデルでFPSがどこまで伸びるかの動作感も気になるところです。
内部構造を見て真っ先に思ったのが「すごく…某D社のinspir○n3668です…」
流石に完全に同じじゃないものの、シャシーの構造はおろかマザーボードの形状までそっくりとは思わなんだ
スペック表のi7 9700は6C12Tではなく8C8Tでは無いでしょうか
ありがとうございます。修正しました。
今月に入ってしれっとメモリ半分(90L10064JP比)に減らしてるモデルですね・・・
こんなところまでメモリの供給不足が影響してるんでしょうか?値段も上がってるし
HPのPC7%OFFをポチっと押しサイトを見てたんですが
Windows 10 Pro (64bit)
AMD Ryzen™7 3700X
メモリ16GB
AMD Radeon™ RX 5700 XT
256GB SSD+2TB HDD
が14万弱で売っておりました。
これは!と思い詳細をみてたんですが、電源が500W ブロンズなんですよねー。
電源はこれで大丈夫なんでしょうか(>_<)
購入後自分で電源交換したほうが安全なんですかね?
HPのBTOパソコンは、AcBelやLiteOnなど、電源ユニットの超大手メーカーが供給している場合が多いので、仕様どおりに使う分には問題ないはずです。
あと、HP Omen Obelisk Desktopは入ってる電源のサイズが特殊規格で、市販の電源だと交換できないのは注意点ですね。
返信ありがとうございます。
OMEN by HP Obelisk 875 だったので市販電源は交換不可なんですね。貴重な情報ありがとうございます。
税込み15万~16万でGPU 2070SUPERかRX5700 XTのBTO 探してるんですけどなかなか条件あうのがないですねー>< RX5700XTのBTOがほぼないw
去年の消費税増税前に9400F、GTX1650、SSD256GB、HDD1TB、メモリ16GBで税送料込みで80190円くらいで購入しました。HDDは購入後3か月くらいで異音がして壊れましたが、余っているSATAのSSD240GBに換装しています。主にProject Zomboid用に運用しています。60hz環境では十分なスペックですが、ちもろぐさんのレビューを見てVG259Qを導入して120hz環境で運用するとやはりグラボが力不足な気がします。これから購入する方はぜひGTX1660以上のグラボ搭載モデルを選んだほうが良いと思います。私はPalitのGTX1660SuperかTiのグラボに換装しようか悩んでいるところです。
突然申し訳ありません。
elgato game capture HD60 PROでPS4やSwitchのライブ配信をしたくて、
そのTVゲームの配信に必要なスペックがCPU、メモリそれぞれ
必須:i5、8GB
おすすめ:i7、16GB
とわかったのですが、
・レビューされた最安モデルで1080p60fpsを安定して出すことは可能でしょうか?
この画質は妥協したくなくて、同時に攻略情報を調べたりSkype等で通話したりもしたいのと、
さらに高スペックでやりたいことが出てくるかもしれないという将来性もふまえて
1つ上の90LW0019JPも検討しているのですが、
・90LW0017JPと90LW0019JP、どちらがおすすめですか?
・それぞれに増設するのにおすすめなメモリとHDDはありますか?
Nintendo Switchのゲームプレイを「Elgato HD60 PRO」を使って配信。ということなら、レビューした最安モデルで問題ないですよ。
キャプチャボードを使うなら、CPUやグラボへの負荷は大したことないです。ただ、マルチタスクを考えるとメモリは8GBではなく、16GB欲しいですね。
> それぞれに増設するのにおすすめなメモリとHDDはありますか?
・メモリ → https://amzn.to/2XU77Or
・HDD(低予算) → https://amzn.to/2BkJ8QQ
・HDD(高予算) → https://amzn.to/36VjHRS
パソコンのことはあまりわからないので参考になりました。
ありがとうございます。
購入を検討している者です。
スペックに関してはご紹介いただいたおかげで満足なのですが、本体サイズが気になっています。
公式の製品情報として145x303x366mmとあったのですが、記事によって100x308x275mmと記載されているところもあったので、実際のサイズが知りたいです。
個人的にはマザボや電源など、ここまで拡張性が悪いと買う気になれません。
いくら安くても数年後にパーツ交換しようと思った時メモリ増設くらいしかできませんし(この構成でギリギリの電源容量なのでグラボ交換には電源交換も必要だと思います)
それならわずかに高くても国内BTOの方が拡張性が高いしパーツも良いのを使っていますから、コスパとしては良いと思います。