2024年のAmazonプライムデー【解説とおすすめセール品】
当ブログはWeb広告を導入しています(景表法による表示)

CeleronとPentium / 格安ゲーミングPCにおすすめなのは?

5万円以下で「格安ゲーミングPC」を自作しようと思った場合、地味に悩むのが「Celeron」にするか、そこそこ安定と言われている「Pentium」にするか。Celeronを攻めたくなるが、…やっぱり怖いよね。というわけで、実際に両方使ってGTX 1060に対するボトルネックを検証してみました。

Sponsored Link

3つある、低予算ゲーマー向けのCPU

2018年現在、10万円以下の低予算ゲーミングPC向けのCPUは主に3種類あります。

  1. Celeron
  2. Pentium
  3. Core i3

Core i3は第8世代から4コアになったことで従来のCore i5並の性能を得た。そのため、予算を重視しつつも性能と安定性を取りたいユーザーにとっての最適解はCore i3 8100だと断言できる。物理4コアの安定性は確かなものです。

残されたCeleronとPentiumが今回の検証対象になる。昔のCeleronとPentiumはクロック周波数が違うくらいの差しか無かったが、最近はCeleronが「2コア / 2スレッド」でPentiumが「2コア / 4スレッド」という形で区別化されるようになった。

そう、スレッド数が2倍になっているかどうかで、どこまで実際のCPU性能とグラフィックボードに対するボトルネック(グラボの足を引っ張るか)が変化するのか。ここが地味に気になるわけです。

正直な気持ちを言えば、CeleronとPentiumの価格差は2000~3000円くらいのわずかな差なので、Pentiumを取るのが現実的な選択だけれど。「格安」というならどこまで攻められるのか…興味が湧いてきたんですよね。

【性能バトル】Celeron VS Pentium

今回用意したのは「Celeron G3930」と「Pentium G4560」。G4560が登場してばかりの頃、Pentiumとしては非常に珍しく「2コア / 4スレッド」仕様でした。おかげで2コアのCore i3泣かせな存在となったくらいです。

その詳細は以下の記事が詳しいので、G4560についてもっと知りたいという方はそちらを見てください。

対抗馬のCeleron G3930は、最大2.9 GHzで動作する「2コア / 2スレッド」仕様のローエンドCPU。「事務用には十分すぎる性能」などと評されるローエンドCPUで、本来はゲーミング用途に使うべきではない。

初心者もち
事務用に十分なら、ゲームもちょっとは行けるんじゃ…って思うのよね。
やかもち
うん、多少は。

テスト環境はこの通り。メモリに「DDR4-2133 4GB x2」(8GB)、グラフィックボードは玄人志向の「GTX 1060 6GB」、ストレージは「Silicon Power S55 120GB」(SSD)、OSは「Windows 10 LTSB 2016」を使っている。

本マシンの詳細については「自作マイニングPCの作り方とパーツ選びの解説まとめ」(22台目の自作PC)を読んでください。では、以下ベンチマークバトルに進みます。

3DMark – FireStrike

グラフィックボードのベンチマークソフトでは超定番の3DMark「FireStrike」を検証。一番最初のグラフィックテスト中に、MSI Afterburnerを使って動作フレームレートを記録してみた結果が以上のグラフです。

意外なことに、3DMarkはグラボだけの性能を上手く計測しており、CPU性能の影響をほとんど受けない仕様になっていることが判明。3DMarkでCPUのゲーミング性能(ボトルネック具合)を調べるのは無理そう。

  • Pentium G4560:平均33.8fps
  • Celeron G3930:平均33.3fps

誤差で終わりました。

FINAL FANTASY XIV : 紅蓮のリベレーター

次はFF14:紅蓮のリベレーターの公式ベンチマークソフトを使って、動作フレームレートを計測してみました。結果は見ての通りで、CPU性能によってフレームレートが顕著に変化することがよく分かる。

  • Pentium G4560:平均87.6fps
  • Celeron G3930:平均78.4fps

CeleronよりPentiumの方が約12%高いフレームレートを叩き出した。Celeronは間違いなくGTX 1060 6GBの足を引っ張っている。ちなみに最後に表示される総合スコアの方は…

  • Pentium G4560:10516(非常に快適)
  • Celeron G3930:8671(非常に快適)

どちらもGTX 1060のおかげで評価は「非常に快適」で終えているが、スコアはPentiumの方が約21%も高い。2スレッドか、4スレッドか。これだけでここまで差が出るとは、予測してたと言え驚きです。

FINAL FANTASY XV

FF15:Windows版の公式ベンチマークにて計測。実はCeleronだと、FF15 + MSI Afterburnerだけで精一杯のようで、目に見えて動作が重たくなっていたのが印象深い。2スレッドは「ゲーム + 何か」で苦戦するかも。

  • Pentium G4560:平均62.6fps(快適)
  • Celeron G3930:平均45.4(やや快適)

性能差は約38%。FF15はもともとCPU性能もかなり要求してくるゲームなので、Celeronにとって余計に苦しい展開です。

CS:GO

比較的軽いFPSゲームに分類される、CounterStrike : Global Offensive(略してCSGO)。マップ「Dust II」にてカジュアルを1ゲーム行って、フレームレートを計測した。結果は驚くものでした。

  • Pentium G4560:平均181.1fps
  • Celeron G3930:平均82.6fps

性能差はなんと119%に達した。GTX 1060は約3万円なので、Celeronを使うとその半分である1.5万円相当の性能しか発揮できない、ということを示している。やはり「格安を狙う」とは言えCPUのケチり過ぎはダメですね。

やかもち
こういうフレームレートが出やすいゲームほど、ボトルネックは顕著に現れる。

黒い砂漠

グラフィックが基本無料プレイのMMORPGでは超美麗で有名な「黒い砂漠」。最高品質βを入れるとフレームレートが思うように出なかったので、βモードは入れずに最高品質にしています。

なお、Celeronのデータが少ないように見えますが、計測時間は同じです。どうやら黒い砂漠の処理に忙しくて、全てのフレームレートを記録している余裕が無かったようです(なんて非力な…)。

  • Pentium G4560:平均89.5fps
  • Celeron G3930:平均69.0fps

性能差は約30%になりました。クライアントの最適化が進んで、だいぶ軽くなった黒い砂漠ですが。それでもCeleronにはやや荷が重たいのが現実。

マインクラフト

CPUに影響を受け易いと言えば「マインクラフト」が有名かもしれない。筆者はマイクラに熱中している頃に黙々と建築していたワールドを使って、フレームレートを検証します。このマップは比較的「重い」方です。

Optifineを入れて、描画距離を32チャンクにした状態だとこんな感じ。CPUが足を引っ張っているのは間違いない結果になった。

  • Pentium G4560:平均125.6fps
  • Celeron G3930:平均91.9fps

性能差は約37%ほど。作り込まれたマップほど、読み込みにCPUパワーを使っている傾向があるので、CPU性能がグラボのボトルネック要因になりやすいと思われます。

KUDAシェーダーを入れて、描画距離を16チャンクにして計測。シェーダーを入れていない時と同様、やっぱりCPU性能が顕著に現れていますね。

  • Pentium G4560:平均61.0fps
  • Celeron G3930:平均53.9fps

性能差は約13%なので、シェーダーを入れていない時より性能差が大人しい。これは描画距離を半分の16チャンクにした影響が大きいかもしれない。マイクラでCPUの影響を減らすなら、読み込みチャンクを減らすのは有効。

結論、Pentiumのゲーミング性能は「お値段以上」

テスト項目Pentium G4560Celeron G3930性能差
CSGO181.182.6119.2%
FireStrike – Graphics13262130961.3%
FF1487.678.411.7%
FF14 – Score10516867121.3%
FF1562.645.437.9%
FF15 – Score6401475034.8%
黒い砂漠89.56929.7%
Minecraft KUDA : 166153.913.2%
Minecraft : 32125.691.936.7%

ゲームによっては2倍以上のボトルネックが発生するなど、Celeron G3930の非力さを見せつける結果になってしまいました。そしてPentium G4560は改めて、その優秀さを示すことに。

Pentium G4560はG3930と比較して、スレッド数が2倍。クロック周波数が20.6%高いのだが、GTX 1060に対してここまでのボトルネックを示すのは少し意外というか、驚きです。

値段は2000~3000円くらい違いますが、ここまでゲーミング性能に差があるなら余裕を持ってPentium G4560を選んだほうが賢明と言える。

CPUとしての性能はどれくらい違うのか

あと、CPUとしての性能についても言及しておきます。使ってみて「体感」で分かるのは、明らかにCeleronは遅いということ。Chromeでタブを複数開いている状態で、エクスプローラーを開こうとすると若干固まることもあった。

日頃i5 8600KRyzen 5を使っていることもあり、余計にCeleronの遅さは分かりやすい。なお、CPU向けベンチマークをいくつか試しておいたので結果を以下にまとめておきます。

CPU性能Pentium G4560Celeron G3930性能差
CR15 / Single147122+20.5%
CR15 / Multi380235+61.7%
CPU-Z / Single364.6341.6+6.7%
CPU-Z / Multi1041.4662.9+57.1%
7-Zip 圧縮110566125+80.5%
7-Zip 解凍102755994+71.4%
FireStrike – Physics59733285+81.8%
Mozilla Kraken 1.11274.41694.7+33.0%

マルチスレッド性能の差がスゴイ。Cinebench R15、CPU-Z Benchmark、7-Zipの結果を見ての通り、60~80%くらいPentium G4560の方が総合的な性能は高い。

この記事を書いた時点で、G3930は約3980円、G4560は約6100円。価格差は1.5倍ですが、CPUとしての性能は価格差以上のモノ。…コスパという観点から見ても、G4560を選んだほうが「賢い選択」ですね。

まとめ:低予算PCを組むなら最低でもPentium

「とにかく格安で組みたくて、グラボはGT 1030にする予定。」というならCeleron G3930でも良いと思いますが、GTX 1050 Ti ~ GTX 1060 6GBレベルのグラボと組み合わせるならやめたほうが良い。

CSGOのように2倍以上の差が出てしまうゲームもあった。そこそこ高性能なグラボを使うなら、どれだけ低予算を攻めたくても「Pentium G4560」が最低ラインと考えておこう。それ以下はオススメできません。

  • ローエンドGPUならCeleron G3930でも構わない
  • ミドルクラスGPUならPentium G4560以上が良い

以上「CeleronとPentium / 格安ゲーミングPCにおすすめなのは?」について検証と解説記事でした。

格安ゲーミングPCの自作参考例

実際にPentiumで安く組んでみたいと思ったら、この記事を参考に。「Pentium + GTX 1050 Ti」という構成でかなり安く組んでいるので、参考になるはずです。

格安ではなく低予算(10万前後)で、割りとしっかりとしたゲーミングPCを組みたいと考えている人にはこの記事がオススメ。4コアになった「Core i3」は非常に強力です。

Sponsored Link

5 件のコメント

  • HTTありだと整数演算で10~30% , 浮動小数点演算で40~80%程度上昇で、大半のゲームタイトルは4スレッド以下のものばかりなので
    4スレッド以下且浮動小数点演算を多用するものだとこういう結果になるのは当然ですよね・・・

    逆に言えば2C4Tとか4C4Tとかはゲーミングな意味でコスパはいいけど、6C6Tとか6C12Tはスレッドが扱えないタイトルだとほぼ無意味だと思います。

    • スレッドでの違いならば多い方が有利なマルチスレッド対応ゲームが多くはなっていますが、8スレッドを超えてくると伸びは鈍化する傾向もあるので(CPUのクロック等が逆に下がる場合もあるのとで)コアが多ければ絶対的に良いとは限らないですよね。

    • 記事とは関係ない話だけどXeonって多コア(スレッド)すぎてゲームできないことあるって聞いた、アプリがどれだけのコア数を想定して作られてるかによってなるらしい。

  • デスクトップのceleronでも体感できるレベルなんですね、通常使用でも4Tの恩恵が大きいのだろうか…(キャッシュと定格も違うけど)
    ただ単純にG3930の2C4T版とかあったら比較できそうですけどねー
    G3930はJ5005といい勝負しそう
    Gemini LakeはL2多めで4コアふたつだけブーストとかあるから面白い
    そもそも値段も規格も違うからアレだけど
    CeleronのGシリーズはG3900の時に結構話題になったような気がする(Amazon見たら3900円だった…w)

    格安といえば中古のi5(第3~4世代)積んだデスクトップ+グラボとかありますが実際にはどうなんでしょうね
    寿命考えるとコスパとかどうなんだろうと(消費電力当たりの効率はスルー)
    流石に中古をメインにするのは怖い、使い捨て感覚ならありなんだろうか…

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です