Adata XPG SX8200 Proをレビュー:これはコスパ最強のNVMe SSDです

台湾のストレージメーカー「ADATA」がゲーマーやクリエイター向けにリリースしたハイエンドSSD「XPG SX8200 Pro」。コスパの高さで人気のある「Intel 760p」の上位互換とも言えるコンポーネントを採用しているSSDらしいので、実際に入手して検証レビューに掛けてみることにした。

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XPG SX8200 Proの仕様とスペック

ADATA / NAND : Intel & Micron製64層TLC NAND / 容量 : 512 GB / 耐久性 : 320 TBW / 保証 : 5年

台湾ADATAはストレージメーカーではありますが、NANDフラッシュやDRAMといったメモリを製造しているメーカーでは無い。よって、XPG SX8200 Proは他社から仕入れた部品で作るSSDということになります。

スペックAdata XPG SX8200 Pro
容量256 GB512 GB1 TB
フォームファクタM.2 2280(両面実装)
インターフェイスPCIe 3.0 x4
コントローラSilicon Motion SM2262EN
NANDフラッシュIMFT(Intel & Micron)製64層 3D TLC NAND
DRAMキャッシュNanya製LPDDR3
?512 MB1024 MB
読み込みシーケンシャル3500 MB/s
書き込みシーケンシャル1200 MB/s2300 MB/s3000 MB/s
読み込み4KBランダムアクセス220000 IOPS390000 IOPS
書き込み4KBランダムアクセス290000 IOPS380000 IOPS
消費電力稼働時不明
保証5年
TBW書き込み耐性160 TBW320 TBW640 TBW
MSRP希望小売価格$ 54.99$ 74.99$ 149.99
参考価格Amazon価格5490 円9290 円17990 円
GB単価21.4 円18.1 円17.6 円

しかし驚くのは、中身に採用しているコンポーネントが意外とスゴいこと。

コントローラはSilicon Motion製の「SM2262EN」を採用。Intel 760pで採用されていた「SM2262」の上位モデルで、アクセス速度は全体的に引き上げられているのが特徴。

SM2262シリーズは最大で8個のNANDフラッシュメモリに対して同時アクセスが可能なため、NANDフラッシュメモリを複数使うことで速度面のアドバンテージを簡単に埋め合わせることが可能です。

NANDフラッシュはIM Flash Technologies(IMFT)製の64層3D TLC NANDを採用しているとされる。IMFTはIntelとMicronが共同で設立した半導体企業で、主に3D XPointメモリの製造などを行う一級メーカー。

DRAMキャッシュは低価格なSSDで幅広く採用されているNanya製を搭載する。SSDの容量に対して0.1%のキャッシュが用意されているので、十分な速度向上を期待できます。

スペックXPG SX8200 ProIntel 760p
容量512 GB
フォームファクタM.2 2280(両面)M.2 2280(片面)
インターフェイスPCIe 3.0 x4
コントローラSM2262ENSM2262
NANDフラッシュIMFT製64層 3D TLC NANDIntel製64層 3D TLC NAND
DRAMキャッシュNanya製LPDDR3Nanya製DDR3
512 MB1024 MB

要約すると、XPG SX8200 Proのコンポーネント構成は、Intel 760pのやや上位互換といえる内容です。コスパでNVMe SSDを選ぶなら760pだったのが、今後はSX8200 Proに取って代わるかもしれない。

ライバルと互角レベルの耐久性能

Adata XPG SX8200 Proの耐久性能(TBW)を比較

XPG SX8200 Proの耐久性能(TBW)は、Intel 760pより約11%多くなっています。500 GBモデルで320 TBWの耐久性があり、競合するNVMe SSDの300 TBWよりわずかに多い水準です。

競合と比較して互角レベルの耐久性能を実現しているので、必要十分です。

XPG SX8200 Proを開封レビュー

ややハイエンドらしさに欠けるパッケージ

Adata XPG SX8200 Proを開封レビュー

SX8200 Proは一応ハイエンド向けのSSDですが、パッケージングは残念ながらそれほど高級感やハイエンドらしさを感じられないデザインです。

Adata XPG SX8200 Proを開封レビュー

裏面はさまざまな国の言語で、SX8200 Proの接続インターフェイスや対応している規格について書いてあるだけの、シンプルなパッケージング。

Adata XPG SX8200 Proを開封レビュー

スライドして中身を取り出すタイプの梱包でした。説明書などは一切なく、SSD本体とシール状の物体が付属しているだけです。

Adata XPG SX8200 Proを開封レビュー

プラスチック製のスペーサーに収められています。奥にあるのがXPG専用のヒートシンク(サーマルコンパウンドを塗布済み)で、ADATAいわく付けるかどうかは自由とのこと。

なので、付属ヒートシンクは付けずに検証します。

内部コンポーネントを確認

Adata XPG SX8200 Proの基板コンポーネント

黒色の基板に、主要コンポーネントが整然と配置されています。コンポーネントの位置や黒色の基板など、割とIntel 760pと似たようなデザインです。

Adata XPG SX8200 Proの基板コンポーネント

ただし、XPG SX8200 Proは「両面実装」という点で、Intel 760pと大きく違う。基板の裏側にも主要コンポーネントが配置されており、スピードを少しでも稼ぐための工夫が見られます。

では順番にコンポーネントをチェックしていく。

Adata XPG SX8200 ProのNANDフラッシュ

NANDフラッシュメモリはMicron刻印でした。XPG SX8200 Proに採用されているとされるNANDフラッシュメモリは「IM Flash Technologies」製なので、Micronの刻印でも特に違和感はない。

ただし、IMFT製のNANDフラッシュメモリがどのような条件でIntel刻印だったりMicron刻印になるのか。詳しくは知りえないので何とも言えない部分はあります。

Adata XPG SX8200 ProのNANDフラッシュ

念のために「SMI NVMe Flash ID」というツールを使って、搭載されているNANDフラッシュメモリの詳細をチェックしたところ、こちらも「Micron製64層TLC NAND」として登録されていました。

Adata XPG SX8200 ProのDRAMキャッシュ

DRAMキャッシュはNanya製のDDR3L規格を搭載。刻印の「NT5CC128M16」を調べたところ、容量は2Gb(2ギガビット)DRAMと判明。つまり、256 MBの容量になります。

Adata XPG SX8200 ProのSSDコントローラ

SSDコントローラはSilicon Motion製の「SM2262EN」です。インテル以外のメーカー品では、SM社はちゃんとサイコロ型のロゴマークを刻印しているようですね。

Adata XPG SX8200 Proの基板コンポーネント(裏面)

シールを剥がして裏面もチェックする。

Adata XPG SX8200 ProのNANDフラッシュ

裏面に実装されているNANDフラッシュメモリも、表面と同じくMicron刻印の64層3D TLC NANDでした。

Adata XPG SX8200 ProのDRAMキャッシュ

DRAMキャッシュも表面とまったく同じ、Nanya製のDDR3Lメモリを搭載。容量は変わらず2Gbで256 MBです。表と裏を合計して512 MBになり、スペック表通りの内容になります。

Adata XPG SX8200 Proを開封レビュー

結論として、XPG SX8200 Proに実装されているコンポーネントは、きちんとスペック表通りの内容です。

IMFT製のNANDフラッシュメモリにMicronのロゴが刻印されているのは、インテルがやりそうなことなので特に違和感ない。もしこれがインテル製品だったら、おそらくIntel刻印になったでしょう。

Intel 760pインテル製品なら「SMI」刻印SX8200 Pro他社ならサイコロ型「SM」刻印
Adata XPG SX8200 ProのSSDコントローラ

コントローラに刻印されるSilicon Motionのロゴも、サイコロ型ではなく「SMI」に置き換えられます。要するにインテルは自社ブランド以外の製品に、インテルのロゴを滅多に使わないということです。

XPG SX8200 Proの性能を検証(ベンチマーク)

テスト環境

Adata XPG SX8200 Proのテスト環境

ちもろぐ専用ベンチ機にてXPG SX8200 Proを検証する。なお、チップセット経由のボトルネックを回避するため、SSDをPCIe変換ボードに取り付けて接続しています。

Crystal Disk Mark 6

日本だけでなく国際的にも定番のSSDベンチマークである「Crystal Disk Mark 6」を用いて、XPG SX8200 Proの基本的な性能をチェックする。

性能に一貫性があるかどうかを確かめるため、標準設定の「1 GB」だけでなく「50 MB」や「16 GB」など、複数のテストサイズを実行して「性能の変化」にも着目します。

50 MB

Adata XPG SX8200 Proのベンチマーク(Crystal Disk Mark 6)

テストサイズ50 MBなら、DRAMキャッシュ内にデータが収まります。ベンチマーク結果も全体的に優秀で、特にランダムアクセス速度の高さはTLC NAND型のSSDとしては極めて速い

1 GB

Adata XPG SX8200 Proのベンチマーク(Crystal Disk Mark 6)

標準的なテストサイズ「1 GB」にすると、てっきりランダムアクセス速度は落ち込むかと思いましたが、全く下落せず異様なスピードを維持しています。なんでこんなに速いんだろう。

4 GB

Adata XPG SX8200 Proのベンチマーク(Crystal Disk Mark 6)

やや大きめの「4 GB」に引き上げると、読み込み速度が全体的に鈍化しました。それでも依然として高い数値を保っていることに変わりはないです。

16 GB

Adata XPG SX8200 Proのベンチマーク(Crystal Disk Mark 6)

更に大きい「16 GB」テストでも、特にこれといった性能低下は見られず、シーケンシャル速度からランダムアクセス速度まで非常に速い状態を維持しています。

32 GB

Adata XPG SX8200 Proのベンチマーク(Crystal Disk Mark 6)

Crystal Disk Mark 6で検証できる最大サイズ「32 GB」にしても、驚くことに目立った性能低下は見られない。50 MB~32 GBまで、幅広い範囲で高速性能を維持できることが分かりました。

Adata XPG SX8200 Proのベンチマーク(Crystal Disk Mark 6)

過去に検証してきたNVMe SSDたちと比較データをグラフにまとめると、XPG SX8200 ProはSamsung 970 EVO Plusに並ぶパフォーマンスです。低価格に見合わない、異様な性能と言っていい。

AS SSD Benchmark 2.0

Adata XPG SX8200 Proのベンチマーク(AS SSD Benchmark)

非圧縮データをテストに用いる「AS SSD Benchmark」でXPG SX8200 Proの性能をスコア化。

AS SSD Benchmark 2.0

  • XPG SX8200 Pro
    4301
  • Optane 900p
    6823
  • Intel 760p
    2736
  • Samsung 970 EVO Plus
    4051
  • Samsung 970 EVO
    3263
  • Samsung 860 EVO
    1190
  • Colorful SL500
    791

なかなか優秀です。過去のレビューと比較すると、Optane 900pを除外するならXPG SX8200 Proはトップのスコアに位置します。値段に見合わない性能だと思います。

ATTO Disk Benchmark

複数のテストサイズを一括でテストして、SSDの性能の一貫性や性格を分かりやすく示してくれるATTO Disk Benchmarkを検証。

Adata XPG SX8200 Proのベンチマーク(ATTO Disk Benchmark)

ようやく、XPG SX8200 Proの弱点が浮き彫りになりました。トップスピードに達してから、速度はフラフラと安定せず、だんだんと低下していくのが視覚的に分かります。

グラフに変換して他のSSDと比較する。途中までは970 EVO Plusに匹敵するパフォーマンスを叩き出すものの、終盤はスピードを落としてしまい、旧世代の970 EVOにすら追いつかれました。

書き込みは更にその傾向が顕著で、他のNVMe SSDたちがトップスピード到達後はおおむね安定した速度を維持しているのに対し、XPG SX8200 Proはかなり上下にフラついている

それでもIntel 760pよりは速いので、価格を考えれば十分な性能です。

HD Tune Pro

約3500円するシェアウェアのストレージベンチマークです。ディスク全体に渡って書き込みを実行するテストがあるので、キャッシュの挙動(=下駄の履かされ具合)を確認しやすい。

読み込み速度

Adata XPG SX8200 Proのベンチマーク(HD Tune Pro)

一貫した読み込み速度を維持しています。妙な速度低下はなく、平均1800 MB/sでテストをクリアした。

しかし、アクセスタイムは0.161 ミリ秒とかなり遅い。Intel 760pの時も似たような傾向があったため、Silicon Motion製コントローラの特徴なのかもしれない。

書き込み速度

Adata XPG SX8200 Proのベンチマーク(HD Tune Pro)

書き込み速度はテスト開始直後から、1200~1700 MB/sの範囲で大きく乱高下した後、キャッシュの効果が切れて500 MB/s台に落ち着きました。

アクセスタイムは0.013 ミリ秒と驚異的な速さです。

SLCキャッシュの有無

Adata XPG SX8200 Proのベンチマーク(HD Tune Pro)

80 GBのテストサイズで書き込みと読み込みを実行。すると27 GBくらい書き込んだところで書き込み速度は500 MB/s台に低下した。

SSDの空き容量の一部をキャッシュの代わりに利用する「SLCキャッシュ」は、512 GBモデルの場合だと約27 GB(全容量の5%ほど)確保されているようです。

読み込みの方は傾向が違っていて、一時的に1250 MB/sに落ち込むのを繰り返しながら、おおむね2000 MB/s以上の読み込み速度を維持しています。

Adata XPG SX8200 Proのベンチマーク(コピーテスト)

実際のコピーテストでもSLCキャッシュの効果を確かめます。容量56.5 GBの画像データ(約6200枚)をコピーし、書き込み速度の変化を観察すると、約41 GBあたりでキャッシュが切れました。

SLCキャッシュの容量は全容量の5%固定ではなく、ある程度は変動する可変型のSLCキャッシュと推測できますね。

ゲームのローディング時間

Adata XPG SX8200 Proの性能(ローディング時間)
ロード時間XPG SX8200 ProOptane 900pIntel 760p970 EVO Plus970 EVO
シーン#11.71 秒1.047 秒1.454 秒1.376 秒1.991 秒
シーン#21.796 秒1.549 秒1.801 秒1.843 秒2.086 秒
シーン#31.539 秒1.232 秒1.491 秒1.546 秒1.679 秒
シーン#41.998 秒1.701 秒2.026 秒2.062 秒2.147 秒
シーン#53.743 秒2.98 秒3.585 秒3.967 秒4.092 秒
シーン#60.916 秒0.676 秒0.803 秒0.881 秒0.92 秒
合計11.703 秒9.185 秒11.16 秒11.676 秒12.916 秒

FF14:紅蓮のリベレーターのベンチマークを使って、各セクションごとにロード時間を計測する。

結果は、やや飽和気味です。他のNVMe SSDと同じく11秒台にとどまっており、TLC NAND型SSDでこれ以上のロード時間短縮を目指すのはかなり難しい状況になっています。

PCMark 8 Storage Test

Adata XPG SX8200 Proのベンチマーク(PCMark 8 Storage)

PCMark 8のストレージテストは、日常的な使用で想定されるアプリケーション(Adobe系ソフトやOffice系ソフトなどを中心)における実効速度を計測して性能を評価する。

PCMark 8 Storage Test / Score

  • Optane 900p
    5128
  • XPG SX8200 Pro
    5088
  • Intel 760p
    5058
  • Samsung 970 EVO Plus
    5075
  • Samsung 860 EVO
    4992
  • CFD CG3VX
    4907

スコアは5000点を超え、僅差ですがSamsung 970 EVO Plusを上回るスコアでした。

PCMark 8 Storage Test / 実効速度

  • Optane 900p
    1409.5 MB/s
  • XPG SX8200 Pro
    683.9 MB/s
  • Intel 760p
    474.1 MB/s
  • Samsung 970 EVO Plus
    562.0 MB/s
  • Samsung 860 EVO
    303.3 MB/s
  • CFD CG3VX
    200.7 

PCMark 8を実行中のスループット(転送速度)は683.9 MB/sでした。かなりの速度を維持しているので、XPG SX8200 Proはマルチタスクな使い方にも向いている傾向が強いです。

次のテストからベンチマークソフトから離れ、実際のアプリケーションを利用した検証方法に移ります。

Premiere Proプレビューの「コマ落ち」

Premiere Proの動画プレビューは動画素材を置いているストレージに影響を受けやすく、高ビットレート(=1秒あたりの転送量が多い)な素材であればあるほど「コマ落ち」が発生しやすくなる。

この検証ではコマ落ちの頻度を計測することで、SSDの性能を評価します。コマ落ちの計測にはPremiere Proの標準機能「コマ落ちインジケータ」を使って、総フレーム数に対するコマ落ち比率で比較する。

Adata XPG SX8200 Proの性能(Premiere Proプレビュー)
動画素材XPG SX8200 ProOptane 900p 280GB860 EVO 500GB970 EVO Plus 250GBIntel 760p 250GB
4K @448MB/s41.90%16.36%68.16%36.39%45.81%
3K @251MB/s0.00%0.00%43.26%0.00%7.66%
2K @176MB/s0.00%0.00%15.56%0.00%0.00%
4K @108MB/s0.00%0.00%0.00%0.00%0.00%
1080p @99MB/s0.00%0.00%0.00%0.00%0.00%

さすがに1秒あたり448 MBの動画素材を相手にすると、4割ものフレームを落としました。しかし、1秒あたり251 MB以下の素材では1フレームも落とさずスムーズにプレビューしてみせた。

XPG SX8200 Proは、かなり重たい動画素材でも問題なくプレビューできる性能があります。

アクセス集中時の応答速度

品質の悪いSSDにたまに見られる現象が「プチフリーズ」。Windows起動時にPCの動作がカクつく、動画ファイルを移動中にゲームをプレイしているとフレームが飛ぶ、などが代表例。

プチフリーズに対する耐性は、SSDの応答速度に比例するため、実際にSSDに対して高ストレスな負荷を掛けて応答速度を計測します。

テスト方法は約28 GB(1253枚)のTIFF画像を一気にBMP画像に変換(エンコード)するだけ。読み書きの両方を使い、画像1枚の処理が終わるたびにタスクが中断されるため非常にストレスが大きい処理です。

Adata XPG SX8200 Proの性能(レイテンシ)

想像以上の結果です。かなりの負荷を掛けているにも関わらず、XPG SX8200 Proの応答が25ミリ秒以上になることは一切ない。分かりやすく他のSSDとの比較もまとめます。

Adata XPG SX8200 Proの性能(レイテンシ)
テスト内容XPG SX8200 ProOptane 900p 280GB860 EVO 500GB970 EVO Plus 250GBIntel 760p 250GB
平均読込時間5.68 ms7.31 ms32.09 ms11.41 ms51.80 ms
平均待ち時間2.55 ms2.89 ms16.28 ms6.81 ms44.13 ms
平均書込時間1.09 ms1.13 ms9.37 ms4.84 ms39.40 ms
エンコード時間82 秒79 秒116 秒90 秒161 秒

Optane 900pと互角の応答時間という驚きの結果に。画像エンコードが終わるのにかかった時間は、Optane 900pの方が4%速いが、おおむね互角と言っていい水準です。

…いや、さすがにOptane並のストレス耐性は考えにくい。なので更に重たいストレステストに掛けて様子を見てみます。

Adata XPG SX8200 Proの性能(レイテンシ)
エンコード時間XPG SX8200 Pro 512GBOptane 900p 280GB
平均読込時間30.58 ms16.25 ms
平均待ち時間17.21 ms7.09 ms
平均書込時間11.86 ms3.30 ms
エンコード時間47.04 秒31.62 秒

さきほどのテストをCPU使用率100%で実行させました。

結果はちゃんとOptane SSDの優位性が発揮されており、やはりTLC NAND型SSDがOptane SSDと互角レベルになるのは極めて困難ということを証明しています。

もちろん、ここまでの負荷が掛かるシーンはなかなか無いです。だから、先のストレステストでトップクラスの性能を叩き出したXPG SX8200 Proは、一般的な使い方には十分と言っていいです。

SSDの動作温度を確認

ベンチマーク時のセンサー温度を計測

Crystal Disk Mark 6の「32 GB」テストを実行中に、HWiNFOを使ってSSDのセンサー温度を計測する。

Adata XPG SX8200 ProのSSD温度

センサー温度は最大71℃に収まっており、NVMe SSDとしては大人しい温度です。と言いたいところですが、おそらく71℃という低い温度を出しているのはNANDフラッシュの方です。

SSDコントローラの方はもっと熱くなっているはずなので、実際に確認します。

サーモグラフィーで表面温度を確認

コントローラの温度はセンサーで提供されていないので、サーモグラフィーカメラを使って、SSDの表面温度を直接確認する。

Adata XPG SX8200 Proの表面温度

コントローラ部分の温度はなぜか45℃前後で、非常に低い。どうやらSM2262ENの表面加工が特殊な仕様になっているようで、正確な温度測定ができていないのです。

実際に指で触ってみると、とてもじゃないですが45℃とは思えない熱さでした。

Adata XPG SX8200 Proの表面温度

そこで、コントローラを横から撮影してみたところ、45℃前後の温度は一気に跳ね上がって80℃前後になりました。

参考までに、Intel 760pに搭載されているコントローラ「SM2262」の場合は97℃に達していた。ほぼ同じコントローラの「SM2262EN」も、同様の温度になっていると推測できる。

長尾製作所 / SS-M2S-HS01 / M.2 2280向けヒートシンク

NVMe SSDの発熱が気になる人は、M.2ヒートシンクの取り付けを推奨します。サーマルスロットリングは特に発生しなかったが、精神衛生上は低い温度の方が安心できるでしょう。

Adata XPG SX8200 Proの表面温度

NANDフラッシュの温度は70℃前後で推移した。センサーが提供している温度とおおむね一致しているため、温度センサーに不正はありません。

まとめ:低価格なNVMe SSDとしては最高峰かも

Adata XPG SX8200 Pro(写真)

海外の超大手レビューサイトにて「Samsung Killer」と称されるほどの高い評価を得ている「XPG SX8200 Pro」。

ちもろぐの検証では、さすがにSamsung Killerとまでは行かないが、512 GBモデルが9000円台という極めて安い価格設定を考えれば「恐ろしく優秀」と言わざるを得ないです。

特にランダムリード速度はOptane SSDを除けば最高の速さを叩き出し、ストレステストにおいてもOptane SSDとそう変わらないレベルの耐性を発揮するなど。値段と性能が釣り合ってません

更に過酷なストレステストでは当然のごとくOptane SSDに大きく引き離されてしまったが、それがTLC NAND型SSDの限界なので大きな問題ではない。

「XPG SX8200 Pro」の良いところ

  • トップ級NVMe SSDに並ぶ高い性能
  • ランダムリード速度が妙に速い
  • 平均をやや上回る耐久性
  • 高負荷時でも安定した性能
  • たっぷり5年保証
  • 驚異的なコストパフォーマンス

安さに見合わない高いシーケンシャル速度と、メーカー純正品を上回る優れたランダムアクセス速度が大きな強みです。

512 GBモデルで9000円台はTLC NAND採用のNVMe SSDとしては極めて安い。これより安いNVMe SSDは、性能が劣化しやすいQLC NAND採用のSSDや、性能が半分のPCIe 3.0 x2接続のエントリーモデルしかない。

よってXPG SX8200 Proは、TLC NAND型のNVMe SSDの中ではおそらく最もコストパフォーマンスに優れたSSDと言えます。

「XPG SX8200 Pro」の微妙なとこ

  • シーケンシャル速度はややブレる
  • そこそこの発熱
  • NANDフラッシュメモリの刻印が紛らわしい

さすがにこれだけの安さで、メーカー純正品レベルの性能とは行かない。ストレス耐性やランダムアクセス速度は驚異的なものですが、シーケンシャル速度の一貫性はやや劣る。

発熱もそこそこありますが、熱に関してはメーカー純正品も同じような状況なのでそれほど大きな弱点ではない。

Adata XPG SX8200 ProのNANDフラッシュ

今回のレビューでは「Micron刻印」

あと、少し気がかりなのがNANDフラッシュメモリの刻印が製品ごとに違うことです。今回はMicronの刻印でしたが、製品によっては無印やADATA刻印が確認されています。

自然に考えるなら、IMFTが使わずに余ったNANDフラッシュメモリを、ADATAが安く仕入れているのが妥当なところでしょう。刻印がバラバラな理由は正直よく分かりません。

推測すると、IMFTが製造するNANDフラッシュメモリにはIntelまたはMicronの刻印がされていて、Micron刻印のモノはそのまま。Intel刻印の場合は、刻印を消したり上書きしているのかもしれません。

インテルは自社ブランド以外の製品に、インテルロゴを載せることを避けています。Micronはそれほど気にしていないようで、Micron以外のブランドでもよく見かける。

このあたりが刻印の違う理由だと思われる(あくまでも推測です…鵜呑みにしないように)

Adata XPG SX8200 Pro(写真)

というわけで、XPG SX8200 Proは低価格に見合わない優れた性能を持ったNVMe SSDです。ゲーマーや趣味のクリエイターにちょうど良い、低価格NVMe SSDの最高峰と言っていいでしょう。

ADATA / NAND : Intel & Micron製64層TLC NAND / 容量 : 512 GB / 耐久性 : 320 TBW / 保証 : 5年
ADATA / NAND : Intel & Micron製64層TLC NAND / 容量 : 1 TB / 耐久性 : 640 TBW / 保証 : 5年

以上「Adata XPG SX8200 Proをレビュー:これはコスパ最強のNVMe SSD」でした。


筆者がおすすめできるSSDをまとめた記事はこちらからどうぞ。

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10 件のコメント

  • 500GBクラスのSSDは250GBクラスのSSDよりカタログスペックは上がるのでこれの512GBと他の250GBクラスのSSDで性能比較というのは(Optaneを除いて)あまりフェアでないように思います。
    なので他SSDとの比較のグラフを載せるときそのあたりのことをもっと判るように明記しておくべきではないかと思いました。
    512GBではなく256GBで検証していたらもう少し結果は異なるものになっているだろうと思いますね。
    それでも応答時間の短さはそう変わらないだろうとは思いますが。

    • やばいですよね~…(苦笑)

      今回のレビュー用に使った512 GBモデルは、Amazonにて9290円でした。価格を考えると十分過ぎる内容(性能)なので、今のところコスパ最強のNVMe SSDだと思ってます。

  • NANDがIM Flash製というのはどこ情報なのでしょうか?
    代理店によってMicron製をうたっている場合はあるようですが…。
    下記記事によるとIntelとMicronはそれぞれの工場でNANDを生産しており、合弁会社のIM Flashは3D NANDを生産していないようです。
    https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/semicon/1102233.html

    少し余談になりますが、MicronはIM FlashのIntel持ち分を買い取り、10月までに完全に吸収するようですよ。
    https://www.anandtech.com/show/14310/micron-to-pay-intel-13-15-billion-for-im-flash-stake

    搭載しているNANDのメーカーがADATAの製品ページにもデータシートにもパッケージにも載っていない以上、メーカーとしてうたっていない仕様かと思います。
    ロット等によってチップ表面のあしらいが異なっていても、仮に別型番のチップを使っていても、製品仕様のスペックを満たしていれば問題視するような要素は無いと思いますが、どこが問題だと思われますか?

  • いつも楽しく見ています。

    不躾なお願いですがもし可能だったら3D TLC NAND最安クラスのPG2VNもやかもちさんの支店のレビュー見てみたいです

  • 参考になりますた。tom’sでも紹介されてたシリコンパワーのp34a80もレビューしてみてほしいです。自分のとこで負荷かけてみたんですけどそこそこいい感じだったので。

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