「RX 5700」は、ゲーム性能に特化した新設計「RDNA」を採用するミドルハイクラスのRadeonです。価格的にはRTX 2060 SuperとRTX 2060の間に位置する悩ましいポジション。2060 Superに対する「脅威」になるのかどうか、実際にRX 5700を検証レビューします。
「Radeon RX 5700」のスペックと概要
GPU | RX 5700 | RTX 2060 | RTX 2060 Super | RX 5700 XT |
---|---|---|---|---|
ダイ | ||||
世代 | Navi 10 | Turing | Turing | Navi 10 |
プロセス | 7nm製造 : TSMC | 12nm製造 : TSMC | 12nm製造 : TSMC | 7nm製造 : TSMC |
トランジスタ数 | 103.0 億 | 108.0 億 | 108.0 億 | 103.0 億 |
ダイサイズ | 251 mm2 | 445 mm2 | 445 mm2 | 251 mm2 |
シェーダー数CPUのコア数に相当 | 2304 | 1920 | 2176 | 2560 |
TMU数Texture Mapping Unitのこと | 144 | 120 | 136 | 160 |
ROP数Render Output Unitのこと | 64 | 48 | 64 | 64 |
演算ユニット数 | 36 | 30 | 34 | 40 |
Tensorコア数機械学習向けの特化コア | – | 240 | 272 | – |
RTコア数レイトレ用の特化コア | – | 30 | 34 | – |
クロック周波数 | 1465 MHz | 1365 MHz | 1470 MHz | 1605 MHz |
ブーストクロック | 1725 MHz | 1680 MHz | 1650 MHz | 1755 MHz |
VRAM容量 | 8 GB | 6 GB | 8 GB | 8 GB |
VRAM規格 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 |
VRAMバス | 256 bit | 192 bit | 256 bit | 256 bit |
VRAM帯域幅 | 448.0 GB/s | 336.0 GB/s | 448.0 GB/s | 448.0 GB/s |
理論性能(FP32) | 7.949 TFLOPS | 6.451 TFLOPS | 7.181 TFLOPS | 8.986 TFLOPS |
TDP | 180 W | 160 W | 160 W | 225 W |
補助電源 | 8 + 6 pin | 8 pin | 8 pin | 8 + 6 pin |
MSRP | $ 349 | $ 349 | $ 399 | $ 399 |
参考価格最安Top5の平均価格 | 41720 円 | 37240 円 | 47740 円 | 49280 円 |
RX 5700の基本スペックから確認します。ゲーム性能に大きく影響するシェーダー数や、ブーストクロックを見る限りでは、RX 5700は競合するRTX 2060 SuperとRTX 2060に対して明らかに優位です。
どれを取ってもライバルに対して高いスペックがあり、価格はRTX 2060とRTX 2060 Superのちょうど真ん中くらいに位置します。コストパフォーマンス的にはかなりの強敵になり、NVIDIAが急遽Superシリーズを投入するのも頷ける内容です。
しかも今までのRadeonと違って、RX 5700にはゲーム性能に特化した新しい設計「RDNA」が採用されています。GCN設計を採用していたVega世代よりも、スペック通りのゲーム性能が出やすく改善されたのです。
新設計「RDNA」でゲーム性能に特化
Radeonの最新世代「Navi 10」では、新設計の「RDNA(Radeon DNA)」を採用。従来のRadeonで使われていた「GCN」設計と比較して、ゲーミング性能の効率を高める設計になったのが大きな特徴です。
具体的には、以下のような工夫によってゲーミング性能の効率アップを目指す設計になります。
- L1キャッシュの追加
- スレッド管理の効率化
簡潔に言えば、新設計のRDNAはとにかく効率よく映像を描写できるように、より効率化された設計になったと言えます。では、スレッド管理の効率化から説明します。
スレッド管理は「命令が来たら、あらかじめ決められた一連のパターンで命令を処理していく」仕組みのようなモノです。
従来のGCN設計では、命令を64個ずつに切り分けて、幅が16の狭いSIMD演算ユニット(命令を運ぶベルトコンベア)に乗せて処理しています。しかし、それぞれのSIMD演算ユニットが同時に稼働出来ないという弱点がありました。
1本のSIMD演算ユニットが稼働している間、残りの3本のSIMD演算ユニットは待機状態になるため、ゲーミングのような単純作業とも言える処理においては今ひとつ効率よく性能を発揮できない状態でした。
これを新設計のRDNAではシンプルに設計し直しています。命令を64個ではなく32個ずつに切り分け、SIMD演算ユニットも幅16から2倍の幅32に拡張し、更に2つのSIMD演算ユニットを同時に動かせるように改善しました。
GCNでは64個に切り分けた命令を処理するのに4回(=4サイクル)も掛かっていたのが、RDNAでは1回(=1サイクル)で処理できるように効率化されたのです。
格段に処理効率がアップしたため、以前ほど大量のシェーダーを詰め込む必要性が無くなります。クロック周波数も改善され、IPC(=クロックあたりの処理性能)も向上しました。
RDNA設計ではGCN設計に無かった「L1キャッシュ(1次キャッシュ)」が追加されています。1次キャッシュは容量こそ小さいものの、2次キャッシュと比較してレイテンシが大幅に小さいというメリットがあります。
演算ユニット(=アニメーターにあたる)やレンダーバックエンド(=作画監督にあたる)とのやり取りが高速化されることで、今まで以上に効率よく命令を処理できるように改善されました。
他には、演算ユニットの内部にあるLDS(Local Data Share)と0次キャッシュをGCNと比較して2倍の帯域幅で接続するなど、スムーズに命令処理が進められるように、徹底した設計の合理化が行われています。
PCI Express 4.0に対応
グラフィックボードとして初めて、PCI Express 3.0の後継にあたる「PCI Express 4.0」をサポートするのも大きなメリット。従来より帯域幅は2倍に跳ね上がるため、クリエイティブな用途では効果が期待できます。
逆に言えば、PCI Express 3.0ですら十分に間に合っている現状のゲーミングにおいては、体感できるほどの性能差はまず発生しません。8Kゲーミングとなれば意味があるかもしれませんが、8Kを安定して動かせるグラボはまだ存在しないですし。
ほとんどのユーザーにとって、PCI Express 4.0の恩恵はまず得られないということです。だからRX 5700を使うために、わざわざPCIe 4.0対応の「X570」マザーボードを用意する必要もありません。
PCIe 3.0対応の普通のマザーボードで、何の問題もなく運用が可能です。
強化された動画再生支援
VP9 | H.264 | H.265 | |
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デコード | 4K90 | 1080p600 | 1080p360 |
8K24 | 4K150 | 4K90 | |
8K24 | |||
エンコード | – | 1080p360 | 1080p360 |
4K90 | 4K60 |
Navi 10世代から、ようやく正式にVP9デコードに対応したと明記されました。従来のPolaris(RX 580など)やVega世代では、VP9が動作したりしなかったりで不安定だったので、地味に嬉しい仕様変更と言えます。
VP9デコードに対応したことで、Youtubeで4Kや8Kの高解像度動画を再生する際に、CPUにほとんど負担を掛けずにスムーズな再生が出来るようになります。
遅延を減らす「Radeon Anti-Lag」
Navi 10世代からの新機能、というわけではありませんが、新しいバージョンのRadeon Softwareでは「Radeon Anti-Lag」という新機能が追加されています。
「Radeon Anti-Lag」はGCN以降のグラフィックボードかつ、DirectX11(Navi世代はDirectX9にも対応)のゲームで利用可能です。AMDいわく、入力遅延を最大31%も低減できる強力な機能です。
実際のところどれくらいまで遅延が低減されるのかどうかは、既に著名レビュワーのKTU氏が検証しているので、そちらから結論を引用します。
計測の手間の割に曖昧な評価が多くて少々落胆した部分はあるものの、Apex LegendsやPUBGなどでは何もしていない状態に比べ、Anti-Lagをオンにすればインプットラグが統計的に意味のあるレベルで低くなったことが分かった。
ただAnti-LagはどんなRadeonでも使える機能だが、今回の観測範囲ではより性能の低いRX 590で効きやすい傾向が見られた。これはGPU Boundな状況で効くというAMDの主張と一致する。Anti-LagをオンにしたRX 590のインプットラグよりも、Anti-LagをオフにしたRX 5700のインプットラグの方が断然短いことも確認できた(GTX 1660対RTX 2070でも同傾向)。高リフレッシュレートディスプレーを活かせる状況下では、Anti-Lagよりも素のGPUパワーが効くことが示された、といっていいだろう。
まだ試せていないゲームも数多くあるし、ディスプレーもリフレッシュレート60Hz環境では試していないなど、どういう状況でAnti-Lagが有効なのかは全体像を掴めていない。あくまで今回観測した範囲では“統計的に意味のあるデータがとれなかった”ものもあるため、Anti-Lagはあくまでゲームを少し快適にする(かもしれない)機能のひとつに過ぎない、としか言えない。
残念ながら、性能の良いRadeonほど遅延の低減効果は得られなくとのこと。RX 590のような性能の低いグラボなら意味はある一方、RX 5700クラスのグラボでは、体感が困難なほど僅かな効果です。
計算性能を捨て、ゲーマー向けに
GCN設計を採用するVega世代やPolaris世代と、RDNA設計を採用するNavi世代で、グラフィックボードの計算性能の目安である理論性能(FP32)を比較してグラフにまとめてみました。
理論性能(FP32)の比較(単位:TFLOPS)
GCN設計RDNA設計
すると、Vega世代と比較すると大幅に理論性能が低下しているのが分かります。RDNAは性能の効率化でゲーム性能の改善を目指す一方、演算や計算といったコンピュート用途はやや犠牲にする方向性がハッキリしています。
今後はGCN設計でコンピュート用途向けのグラフィックボード(例:Radeon Instinctブランドなど)を展開し、ゲーマー向けにはRDNA設計で展開するようです。
まとめ:ゲームにおける実質的なコスパ改善を目指す
- 7nmプロセスで製造
- 改善されたクロックあたりの処理性能
- ワットパフォーマンスが向上
- PCI Express 4.0をサポート
- VP9デコードに正式対応
- RTX 2060やRTX 2060 Superと競合する価格
- コンピュート性能はやや犠牲に
- レイトレーシングには対応しない
まとめると、RDNA設計を採用したRadeon RX 5700はゲーミング用途におけるコストパフォーマンスを目指す、意欲的なグラフィックボードです。では実際にRX 5700を用意して、ライバルたちとどこまで戦えるのかを検証します。
「Radeon RX 5700」の性能を検証
テスト環境「ちもろぐ専用ベンチ機」 | ||
---|---|---|
CPU | Core i9 9900K | |
CPUクーラー | ASSASSIN III140 mm x2の大型空冷 | |
マザーボード | ASRock Z390 Phantom Gaming 6 | |
メモリ | DDR4-2666 8GB x2使用メモリ「G.Skill FlareX C14」 | |
グラフィックボード | Radeon RX 5700 8GB | |
SSD | SATA 500GB使用SSD「Samsung 860 EVO」 | |
SATA 2TB使用SSD「Micron 1100」 | ||
電源ユニット | 1200 W(80+ Platnium)使用モデル「Toughpower iRGB PLUS」 | |
OS | Windows 10 Pro 64bit検証時のバージョンは「1903」 | |
ドライバ | NVIDIA 431.68 / AMD 19.9.2 | |
ディスプレイ | 3840 x 2160@60 Hz使用モデル「Acer ET430Kbmiiqppx」 |
Radeon RX 5700の性能を検証するテストPCのスペックです。
現状もっともボトルネックが生じづらい、ゲーミング最強のCPU「Core i9 9900K」を軸に、適当なパーツを組み合わせています。メモリはごく標準的なDDR4-2666を合計で16 GBです。
グラフィックドライバは、NVIDIA GeForce Driverが436.02、AMD Radeon Softwareは19.9.2を使って検証しました。
用意したグラボ
今回の検証で使っていくRX 5700は、ASRock製の「Challenger D」です。デュアルファンのオリファンモデルとして特別安いというわけではないし、過度なオーバークロックも施されていない、割と普通なグラフィックボードです。
安さだけで選ぶならSapphireのPLUSEが一番有力です。ではなぜChallenger Dを選んだのかと言えば、単にデザインとブランドが好みだから。同社のTaichiグラボはパッとしないですが、Challenger Dは素直にスタイリッシュなデザインだと思います。
100 mm径の内排気ファンを2つ搭載し、通常よりも約30%も太い8 mm径の銅製ヒートパイプを4本使うことで、厚み42 mmのスリムなボードデザインでありながら高い冷却性能を目指す設計になっています。
横から見ると非常にスリムなデザインなのが分かりやすいです。占有スロットはおおむね2スロットに収まっているのが良いところ。そしてよく見ると補助電源コネクタは「8 + 8 pin」仕様に強化されています。
通常は「8 + 6 pin」で、MSI Mechのように「8 pinのみ」のボードもあります。そんな中、Challenger Dは過剰とも言える「8 + 8 pin」仕様になっているため、派手なオーバークロックを楽しみたい人には嬉しい仕様です。
グラフィックボードのたわみを防止するバックプレートは、途中で切れているデザインでした。実測で752 gしかない軽量設計なので、途中で切れていても問題はありません。マザーボードとの干渉を回避できるメリットもあります。
RX 5700との性能比較に使ったグラフィックボードは以上の4点です。RX 5700に対して板挟みを仕掛けてくるRTX 2060 SuperとRTX 2060に加え、予算的にやや距離が近いGTX 1660 TiとRX 5700 XTも比較検証します。
ゲーミング性能:イマイチ伸び切らない
3DMark FireStrike
3DMark FireStrike1920 x 1080 / Graphics Score |
DirectX11ベースのGPUベンチマーク「FireStrike」で基本的な性能をテスト。スコアは約23200点で、RTX 2060 Superとほとんど同じでした。
3DMark TimeSpy
3DMark TimeSpy1920 x 1080 / Graphics Score |
DirectX12ベースの「TimeSpy」ではイマイチ振るわず、RTX 2060より少し高い程度のスコアに。Turing世代のグラボはDX12に強いので仕方がないところです。
なお、実際にDX12のゲームをプレイする場合も、RX 5700はやや挙動不審でした。突発的にフレームレートが急落する現象※が割と発生するので、DX12のゲームではDX11に設定を変更した方が良いです。
※Deus Ex : Mankind Divided、Shadow of the Tomb Raiderにて確認。
他のグラフィックボードとベンチマークスコアの比較をしたい方は、↑こちらのグラボ性能まとめ表も参考にどうぞ。
FF14 : 漆黒のヴィランズ
FF14:漆黒のヴィランズ1920 x 1080 / 最高品質 |
FF14:漆黒のヴィランズ(フルHD)では、RTX 2060 Superには届かず、RTX 2060とほぼ同じパフォーマンスに落ち着きました。
FF14:漆黒のヴィランズ2560 x 1440 / 最高品質 |
解像度をWQHDに変更すると更に性能差は開きました。
FINAL FANTASY 15
FINAL FANTASY XV : Benchmark1920 x 1080 / 高品質 |
「FF15」はGeForce系に最適化されているため、RX 5700は思うように性能を出せません。
FINAL FANTASY XV : Benchmark2560 x 1440 / 高品質 |
WQHDに解像度を引き上げると性能差はやや縮まったものの、RTX 2060 Superが圧倒的な状況は変わりません。
Apex Legends
Apex Legends1920 x 1080 / 最高設定 |
Apex LegendsはTuring世代のグラフィックボードと相性が良く、RTX 2060 Superが好成績です。RX 5700どころか、RX 5700 XTすら超えています。
Apex Legends2560 x 1440 / 最高設定 |
WQHDになってもTuring世代が強い傾向は変わりません。
CS:GO
Counter Strike : Global Offensive1920 x 1080 / 最高設定 |
CSGOはほとんどのグラフィックボードで出せる性能が飽和しています。
Counter Strike : Global Offensive2560 x 1440 / 最高設定 |
WQHDになると性能差が若干出ますが、平均200 fpsを軽く超えているので実用上はまったく問題ありません。
Call of Duty : Black Ops IV
Call of Duty : Black Ops IV1920 x 1080 / 最高設定 |
Call of Duty : Black Ops IVでは、RX 5700は平均144 fpsを超える動作です。
Call of Duty : Black Ops IV2560 x 1440 / 最高設定 |
WQHDになるとRX 5700が途端に伸びて、RTX 2060 Superとの距離を縮めました。が、おそらくプレイ内容が極端に偏って良い数値が出た可能性があるので、後日再テストを予定しています。
Rainbow Six Siege
Rainbow Six Siege 1920 x 1080 / 最高設定 |
レインボーシックスシージの付属ベンチマークは問題なし。
Rainbow Six Siege 2560 x 1440 / 最高設定 |
WQHDになると、RTX 2060 Superに距離を離されてしまいました。
Fortnite : Battle Royale
Fortnite : Battle Royale1920 x 1080 / エピック設定 |
フォートナイトの検証は若干変更しました。以前使っていたプレザントパークが削除されたので、新たに追加されたミスティ・メドウズにて計測を行います。
RX 5700は悪くはないですが、RTX 2060との性能差があまり大きくないです。
Fortnite : Battle Royale2560 x 1440 / エピック設定 |
WQHDでも傾向はそれほど変わらず、RTX 2060との距離感がイマイチです。
Overwatch
Overwatch 1920 x 1080 / エピック設定(100%) |
オーバーウォッチでは、RX 5700がちょうどRTX 2060とRTX 2060 Superの間に挟まるパフォーマンスでした。
Overwatch 2560 x 1440 / エピック設定(100%) |
WQHDではRX 5700がRTX 2060 Superとの距離を詰めています。
PUBG
PUBG1920 x 1080 / ウルトラ設定 |
PUBGではRX 5700は今ひとつ伸び切りません。
PUBG2560 x 1440 / ウルトラ設定 |
WQHDでも結果は変わらず。
Assassin Creed Odyssey
Assassin Creed Odyssey 1920 x 1080 / 最高設定 |
非常に重たいアサシンクリードオデッセイでは、なんとかRTX 2060 Superを超えるパフォーマンスでした。
Assassin Creed Odyssey 2560 x 1440 / 最高設定 |
WQHDになると性能が伸び切らず、RTX 2060 Superに追い越されてしまいます。
ARK Survival Evolve
ARK Survival Evolve 1920 x 1080 / 最高設定 |
ARK Survival Evolveは超重量級のゲームです。ミドルハイクラスのグラフィックボードでも平均60 fpsは厳しいですが、それにしてもRX 5700の不可解なほどの振るわなさは違和感があります。
RX 5700 XTの方は問題なくフレームレートが出ている一方で、RX 5700はまったく伸びてくれません。Radeonドライバ特有のなんらかの相性か不具合か、ソフトウェア側の問題がある可能性が高いです。
ARK Survival Evolve 2560 x 1440 / 最高設定 |
WQHDでも傾向は変わらず、RX 5700だけ異様にフレームレートが伸びません。新しいドライバーがリリースされたら、再テストしたいところです。
Deus Ex : Mankind Divided
Deus Ex : Mankind Divided 1920 x 1080 / ウルトラ設定 |
DXMDでは、よく性能が出ています。やや動作が不安定でしたが、フレームレート自体はなんとかRTX 2060 Superを超えられています。
Deus Ex : Mankind Divided 2560 x 1440 / ウルトラ設定 |
WQHDではわずかにRTX 2060 Superに抜かされてしまいましたが、おおむね悪くないです。
Grand Theft Auto V
Grand Theft Auto V1920 x 1080 / 最高設定(MSAA x2) |
Grand Theft Auto VはフルHDだと性能が100 fps前後で飽和してしまいます。
Grand Theft Auto V2560 x 1440 / 最高設定(MSAA x2) |
WQHDになるとパフォーマンスの差が分かりやすくなり、RTX 2060 SuperどころかRTX 2060にすら引き離される展開に。
NieR : Automata
NieR : Automata 1920 x 1080 / 最高設定 |
ニーアオートマタでは、問題なく上限近いフレームレート※を維持しました。
NieR : Automata 2560 x 1440 / 最高設定 |
WQHDでは上限近いフレームレートを維持できなくなりますが、RTX 2060 Superを超えるパフォーマンスです。
※NieR : Automataはゲーム側で最大60 fpsに上限が設けられています。よって平均59 fps前後なら問題ありません。
Shadow of the Tomb Raider
Shadow of the Tomb Raider 1920 x 1080 / 最高設定(SMAA / DX12) |
トゥームレイダーでは、RX 5700がRTX 2060を大きく引き離し、RTX 2060 Superにあと少しというところまで追いつきます。
Shadow of the Tomb Raider 2560 x 1440 / 最高設定(SMAA / DX12) |
しかしWQHDになると、RTX 2060 Superが途端にフレームレートを伸ばしてRX 5700を引き離してしまいました。
Watch Dogs 2
Watch Dogs 2 1920 x 1080 / 最大設定 |
Watch Dogs 2ではイマイチです。
Watch Dogs 2 2560 x 1440 / 最大設定 |
WQHDになると、RX 5700がRTX 2060 Superとの距離を縮めました。
Witcher 3
Witcher 3 1920 x 1080 / 最高設定 + HairWorks x4 |
Witcher 3ではRTX 2060とRTX 2060 Superの間くらいの性能です。
Witcher 3 2560 x 1440 / 最高設定 + HairWorks x4 |
WQHDでも同様にぴったり中間に位置する性能でした。
モンスターハンターワールド
Monster Hunter World1920 x 1080 / 最高設定 |
モンスターハンターワールドでは、RTX 2060を1割ほど上回るパフォーマンス。
Monster Hunter World2560 x 1440 / 最高設定 |
WQHDに引き上げても傾向はまったく同じです。
黒い砂漠
黒い砂漠 1920 x 1080 / リマスター品質 |
無料MMORPG「黒い砂漠」のリマスター品質では、RX 5700はそれほど性能が伸びません。
黒い砂漠1920 x 1080 / ウルトラ品質 |
更に重たいウルトラ品質モードでは全体的にスペックに比例した性能差になりやすいですが、それでもRX 5700はRTX 2060を超えられず、イマイチ振るわない結果です。
黒い砂漠 2560 x 1440 / リマスター品質 |
WQHDのリマスター品質も検証します。RTX 2060に追いつけない状況は変わりません。
黒い砂漠2560 x 1440 / ウルトラ品質 |
WQHDのウルトラ品質も傾向はおおむね同じで、RX 5700はRTX 2060より下に位置します。
平均パフォーマンス
Radeon RX 57001920 x 1080 / 平均パフォーマンス |
RX 5700のフルHDゲーミングの平均パフォーマンスは、RTX 2060よりわずかに高く、RTX 2060 Superに対しては約12%低いパフォーマンスです。
Radeon RX 5700 2560 x 1440 / 平均パフォーマンス |
WQHDゲーミングの平均パフォーマンスではさらに差が開き、RTX 2060 Superに対しては約13%ほど劣るパフォーマンスになりました。
ゲームによってはあからさまに性能が出づらい感覚があるので、Radeonドライバの未成熟さがこの結果を招いた可能性が極めて高いです。少なくとも現時点の検証では、RX 5700はRTX 2060をやや上回る程度の性能。
RTX 2060 Superとの性能差は価格に見合った差で、特に問題はないです。しかし、RX 5700より安価なRTX 2060に対して明確に打ち勝てるほどの性能がない点は、イマイチな印象を残します。
※平均パフォーマンスは、「CSGO」と「黒い砂漠(ウルトラ品質)」を除いた平均値を求めています。
クリエイティブ性能:レンダリングはなかなか優秀
ゲーミング性能の次は、クリエイティブ性能について検証します。GPUレンダリングの定番「Blender」に加え、OpenCL系の「LuxMark」。それとOpenGL系の「SPECviewperf 13」を使った検証も行います。
GPUレンダリング
Blender 2.79.7Cycles benchmark「BMW」 |
Blenderの公式サイトで無料配布されているCycles Render向けのデモファイル「BMW」を読み込んで、GPUのみ使用する設定に切り替えてから、レンダリングを行います。描画に掛かった時間が短いほど高性能です。
なお、NVIDIA GeForce系のグラボは「CUDA」を使ってレンダリングが行われ、Radeon系のグラボでは「OpenCL」を使って行われます。Cycles RenderではCUDAに正式対応する一方で、OpenCLはまだ実験的なサポートに留まっています。
よってCycles RenderにおいてRadeonはあまり効率よく性能を発揮せず、同じスペック同士だとほとんどの場合はGeForceに勝てません。シェーダーが1割少ないRTX 2060 Super相手に、RX 5700は2倍近い性能差を付けられています。
LuxMark 3.1LuxBall HDR(ポリゴン数 : 21.7万) |
LuxMarkはレンダリングソフト「LuxRender」のパフォーマンスを評価できるベンチマークソフト。Cycles Renderと違って、NVIDIA / AMDのどちらでも「OpenCL」を使ってテストが実行されます。
結果はRX 5700がやや健闘するものの、RTX 2060 Superが1割ほど上回るスコアでした。
LuxMark 3.1Neumann TLM-102(ポリゴン数 : 176.9万) |
更に重たい「Neumann」でも、RX 5700はRTX 2060 Superに抜かされてしまいます。
LuxMark 3.1Hotel Lobby(ポリゴン数 : 497.3万) |
もっと重たい「Hotel Lobby」になると、性能差は一気に2倍以上に広がりました。Navi 10世代のRadeonは「Hotel Lobby」になると極端に性能が出づらくなる傾向があります(※Vega世代ならちゃんと速いです)。
3DCG / 3DCAD(OpenGL描画処理)
SPECviewperf 133ds Max(3dsmax-06) |
3ds Maxにおけるパフォーマンスは、GTX 1660 Tiにも追いつけない結果に。
SPECviewperf 13Maya(maya-05) |
Mayaでは、基本的な傾向は3ds Maxとおおむね同じですが、GTX 1660 Tiより速いです。
SPECviewperf 13Solidworks(sw-04) |
SolidworksではRX 5700が突出したスコアを記録しました。Navi 10世代のRadeon(RX 5700や5700 XT)は、Solidworksだと効率よく性能を出せる傾向が強いです。
RX 5700の熱と消費電力
ゲーミング時の実効クロック
「FF14:漆黒のヴィランズ」ベンチマークを実行中に、GPUコアクロックを記録してグラフ化しました。
- 出荷設定:1649 MHz
- 949 mV:1659 MHz
- 918 mV:1645 MHz
- 889 mV:1637 MHz
出荷設定(メーカー側のオーバークロックが施された状態)では、GPUクロックは最大で1780 MHzに達し、平均値では1649 MHzでした。ブーストクロックは1750 MHzですが、それによりも約100 MHz低いクロックで動作しています。
ゲーム性能を維持しつつ、消費電力を落としてワットパフォーマンスを改善する「低電圧化」では、とてつもなく面白い結果が取れました。電圧を大幅に下げても、動作クロック自体は大して変化しないのです。
出荷設定では1022 mVで、そこから13%も低い889 mVでも、動作クロックはたったの0.7%しか下がりません。後ほど詳しく検証しますが、RX 5700はかなり遊びがいのあるグラフィックボードかもしれないです。
グラボの温度をチェック
FF14ベンチマークを実行中に、HWiNFOを使ってGPUコア温度を計測します。なお、グラフィックボードの温度はオリファンモデルの出来によって完全に左右されるため、各GPUの比較は参考程度に見てください。
GPU温度(最大値)
ASRock Challenger Dの冷却性能はかなり良いです。厚み42 mmの薄型ボードデザインの割にはよく冷えています。スリムでちゃんと冷えるRX 5700を選ぶなら、Challenger Dは悪くない選択肢になりますね。
ただし、ファンの動作音は少々気になります。負荷が掛かっている状況では、騒音値は常に50 dBAを上回っていました※。42 dBAを超えてくると「気になるレベル」の騒音なので、50 dBA超は相当に気になる大きさです。
P101 Silentのような静音に特化したPCケースに閉じても、45 dBAくらいの音は残ります。Challenger Dで静音性を求めるなら、GPUの低電圧化と、ファンの回転数のカスタム設定は必須になるでしょう。
※ファンノイズの計測は、バラック状態のグラフィックボードから30 cmの距離をとり、FF14ベンチマークを実行中に行います。実際の運用ではPCケース内になるため、動作音は更に小さくなります。
消費電力を実測してチェック
電力ロガー機能の付いた電源ユニットを2つ使って、グラフィックボードの消費電力を実測します。CPUを1つの電源ユニットで給電し、その他のパーツは2つ目の電源ユニットで給電します。
検証の後、マザーボードからグラフィックボードを外した状態でベンチマークを実行して消費電力を計測し、求められた計測値を引き算してグラフィックボード単体の消費電力を求めました。
FF14ベンチマーク(フルHD)を実行中に計測した結果です。
消費電力(平均値)
ベンチマーク実行中の消費電力を平均化してまとめると、RX 5700は約131 Wで驚くほど省エネだと分かります。ライバルのRTX 2060 SuperやRTX 2060よりも、明らかに少ない消費電力で動作しています。
FF14ベンチマークをWQHD画質で実行して、消費電力を計測します。フルHDからWQHDに引き上げ、GPU負荷率を上げることで消費電力がどう変化するのかをチェックする目的です。
消費電力(平均値)
全体的に消費電力が増えましたが、それでもRX 5700は約150 Wしか消費せず、RTX 2060よりわずかに少ない消費電力です。RTX 2060 Superに対しては約18%も少ない消費電力で、ワットパフォーマンスはかなり高いレベルです。
良好なワットパフォーマンス
ワットパフォーマンス(FF14 – フルHD)
フルHD時のワットパフォーマンス(消費電力1 Wあたりの平均フレームレート)は、ライバルに対してRX 5700が優位です。RTX 2060より約9%、RTX 2060 Superより約5%高いワットパフォーマンスです。
ワットパフォーマンス(FF14 – WQHD)
WQHD時のワットパフォーマンスになると、全体的に差を縮められますが、ライバルとの比較ではRX 5700がトップです。
RX 5700のオーバークロック検証
手動オーバークロックを試す
RX 5700のオーバークロックは、MSI Afterburnerでも可能です。が、ここではRadeon Softwareの中にある純正ユーティリティ「WattMan」を使って設定を進めていきます。
設定画面※クリックで画像拡大 | 説明 |
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電圧カーブを設定したいクロックまでスライドさせる。画像では1800 MHzに設定していますが、RX 5700は最大1850 MHzまで設定できます。 | |
電力制限を「20%」にまで引き上げ、メモリクロックも少し追加しておきます。グラフィックボードによっては、電力制限は50%まで可能な場合もあります。 |
おおまかなオーバークロックの設定方法は以上の通りです。今回2パターン試して、ゲーム性能や消費電力の変化をチェックしました。
性能の変化(FF14 – WQHD)
RX 5700の手動オーバークロックは意外と効果がありました。上限の1.85 GHzまで引き上げた場合は、FF14の平均フレームレートは約4.7%伸びています。
とはいえ、4.7%の性能アップに対して、消費電力は約26%も増えてしまいました。ワットパフォーマンスは大幅に悪化しているため、RX 5700の持ち味である省エネ性の高さを完全に無駄になっています。
消費電力が増加することで、当然GPUチップの発熱も比例して増加します。最大67℃に抑えられていたRX 5700の温度は、1.85 GHz時で最大74℃にまで増加。動作そのものに問題はないですが、ファンの動作音が気になります。
RX 5700 XTと同様に、単に性能を伸ばす方向の手動オーバークロックには、大きなメリットはほとんど無いです。
「低電圧化」を試す
Radeonシリーズは一部のゲーマーや自作erから、しばしば「電圧を落として運用するとメリットが大きい。」と言われています。実際にRX 590やRX 5700 XTでは、低電圧化のメリットが非常に大きかったです。
RX 5700でも同様に低電圧化が大きな効果をもたらすのかどうか。消費電力、GPU温度、性能の変化、3つの観点から検証していきます。
設定画面※クリックで画像拡大 | 説明 |
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電圧カーブを左右にスライドせず、そのまま下方向へ移動させること。ブーストクロックはそのままに、コア電圧だけを引き下げる設定です。 | |
1750 MHzのまま、コア電圧を1022 mVから918 mVまで下げた様子。 |
設定は基本的にオーバークロックと同じで、WattManの電圧カーブを使います。電圧カーブは左右がブーストクロック、上下がコア電圧になっているので、上下だけをスライドするとクロックを維持したまま電圧だけを設定できます。
今回は3パターン検証しました。ブーストクロックは1750 MHzから変更せず、コア電圧だけを949 mV、918 mV、889 mVに変更して、ゲーム性能やワットパフォーマンスの変化を検証しました。
消費電力(平均値)
消費電力は約148 Wから118 Wまで削減に成功。約20%もの大幅な省エネ化に成功しており、ライバルのRTX 2060 SuperやRTX 2060より遥かに少ない消費電力で動作しています。
GTX 1660 Tiと比較しても、10 W程度しか差がないです。
GPU温度(最大値)
消費電力が下がって発熱も減ったため、グラボの温度は67℃から62℃に低下しました。5℃の余裕が出来たので、ファン回転数の設定をさらに柔軟にできます。
FF14:漆黒のヴィランズ2560 x 1440 / 最高品質 |
ゲーム性能は下がるどころか逆に上がります。RX 5700 XTの検証でも同じような傾向があり、Navi 10世代のRadeonは電圧を抑えることで逆に動作クロックが安定する傾向がとても強いです。
今回の検証では、RX 5700は消費電力を20%もカットしたのに、ゲーム性能はわずかに改善するという驚異的な結果になりました。ちなみにGeForceだと、低電圧化はここまで上手く機能しません。
ワットパフォーマンス(FF14ベンチ)
消費電力1 Wあたりの平均フレームレートは、出荷設定と比較して約26%の改善に成功です※。低電圧化を施したRTX 2060 Superでも、ワッパは0.64 fpsでした。RX 5700はさらに上を行く圧倒的なワッパを実現しています。
※ただし、アンダークロックとはいえ通常の使用とは異なります。実際にアンダークロックを行う際は「自己責任」ということを忘れないように。とはいえオーバークロックよりリスクは低いです。
まとめ:ライバル不在の高ワットパフォーマンス
「RX 5700」のデメリットと弱点
- 「レイトレ」に対応していない
- Radeonドライバの未成熟さ
- RTX 2060との性能差が小さい
- Fluid Motionが使えない(※記事執筆時)
RX 5700(Navi 10世代)は、RTXシリーズのようなハードウェア的なレイトレーシングには対応していません。ただ、レイトレそのものの実用性や普及度がイマイチなため、対応していなくても不利になるシーンは少ないです。
「CONTROL」のようにレイトレを使ってこそゲーム体験が高まるようなゲームを除き、レイトレの必要性は今のところは少ない。普通のゲーミングにおいて、RX 5700 XTで不便することはまず無いはずです。
より大きなデメリットは、相変わらずドライバの完成度がイマイチなことです。使っていて分かるのですが、とにかくゲームによって動作クロックがふらふらと上下して安定しません。明らかにグラボの性能を100%出し切れていないケースもありました。
Radeonは新設計を採用したGPUを出してから、およそ1年くらいでドライバが良い感じになってくると言われているので、もう少しの辛抱が必要です。Navi 10が発表されてから現時点で3ヶ月なので、あと半年~9ヶ月は待ってみる必要があります。
「RX 5700」のメリットと強み
- 「低電圧化」のメリットが極めて大きい
- ライバル不在の驚異的なワットパフォーマンス
- WQHDゲーミングまでカバー
- Vega世代より改善された処理効率
- 強化された動画再生支援(VP9デコード)
- 妥当なコストパフォーマンス
RX 5700の最大のメリットは「低電圧化によってワットパフォーマンスが大幅に改善」されることです。ライバルのRTX 2060 SuperやRTX 2060を省エネ化しても、RX 5700にはまず届きません。
限界まで消費電力を下げて追いついたとしても、RX 5700のようにゲーム性能を維持したまま同じ水準に行く着くことは難しいです。ワットパフォーマンスの高さだけは、今のところライバル不在といっても良い状況です。
平均1 fpsあたりの価格(コスパ)
新品価格で計算した平均1 fpsあたりの価格(単純なコスパ)は、実はRTX 2060 Superとそれほど変わりませんが、残念ながらRTX 2060には1割ほど負けています。
(RX 5700は個人的には楽しいグラフィックボードですが…)よって、何も設定しなくてもゲーム性能が高く、消費電力も悪くないRTX 2060の方が万人におすすめしやすい出来栄えです。
ワットパフォーマンスを極限まで引き出したいなら、4~5万円の価格帯では間違いなくRX 5700が最高峰ですので、グラボの設定に慣れているちょっとコアなユーザーはRX 5700を選んでみる価値があります。
というわけで、RX 5700のレビュー評価は「A+」ランクで決まりです。今はまだドライバの完成度が低く、全体的なゲーム性能はRTX 2060をわずかに上回る程度ですが、簡単な設定で驚異的なワットパフォーマンスが実現できてしまうのは凄いです。
なお、今回は検証していませんが、RX 5700 XTのvBIOSを上書きすることで、ほぼRX 5700 XTに近い性能で動作してしまう現象が海外フォーラムで確認されています※(時間があれば検証してみたい)。
低電圧化といい、vBIOSの書き換えといい、RX 5700はとにかく遊びがいのあるグラフィックボードです。万人向けとは言い難いけれど、上にも下にも伸びやすい柔軟なグラボなのは間違いありません。
以上「RX 5700をレビュー:低電圧化で最強のワッパを実現する逸品」でした。
※Tech Power Upによる「Flashing Radeon RX 5700 with RX 5700 XT BIOS」を参照してください。
RX 5700を入手する
RX 5700を搭載するグラフィックボードは、現在3.9~5.3万円の価格帯で入手できます。4万円前半では、外排気ファンを採用するリファレンスカードが多くを占めますが、一部は内排気ファンを採用するオリファンモデルもあります。
今回レビューしたASRock製の「Challenger D」もその1つ。実際に使っていろいろ分かったので、安価なオリファンモデルで選ぶならChallenger Dをオススメしたいです。
価格的に競合するのは、Sapphire PULSEとMSI Mech OCの2つ。どちらも厚みがChallenger Dより4 mmほど分厚くなっているため、冷却性能は若干高い可能性があります。
一方で、Challenger Dには補助電源コネクタが「8 + 8 pin」仕様になっているメリットがあります。もし、vBIOSの上書きで「RX 5700 XT化」を目指したいなど。マニアックな理由があるならChallenger Dの方が有利です。
「8 pin」仕様だと、PCIeスロットと合わせて合計225 Wまで。「8 + 6 pin」なら合計300 Wで、「8 + 8 pin」では合計375 Wに達します。本音を言うと300 Wでも十分すぎるのですが、多すぎて困ることはないでしょう。
多少コスパを捨てても、静音性と冷却性能を重視したい人にはPowerColor製の「Red Devil」が適任です。トリプルファンモデルとして国内最安価ながら、静音性はトップクラスです。
RX 5700を搭載するBTO
大手BTOでは、RX 5700 / 5700 XTともに採用例が非常に少ないです。ざっと探してみた感じでは、カスタマイズに特化した自作代行系BTO「サイコム」にて、RX 5700を選択できるモデルがありました。
コスパなら、サイコムの廉価モデル「Radiant」がちょうど良いです。標準仕様だと驚くほど貧弱なスペックですが、ちゃんとカスタマイズからすべて変更できるので、好みのスペックに変更してください。
グラボにRX 5700を選択して、メモリを16 GBに増設、ストレージをHDDから500 GB以上のSSDに変更しておけば、とりあえずゲーミングPCとして問題ない内容です。
パフォーマンスで選ぶなら、サイコムがゲーマー向けに展開している「G-Master Spear」が適任です。標準スペックに約3000円プラスするだけで、RX 5700に変更可能になってます。
こんにちは 何度かお願いをしているのですが
対人FPSゲームのFPS測定に限り
FHDのプロが使ってる設定で計測して貰えないでしょうか?
https://prosettings.net/
設定はこちら等参考になると思います
記事はとても参考になるのですが
対人FPSに関しては
FHDの144hzもしくは240hzを使って
解像度スケール100の設定低でしか遊ばないと思うので追加していただきたいです
4Kだとか最高設定でプレイする人は稀です
こりゃ玄人向けですね。
まあワッパとか気にしない人間なので僕の場合電圧下げないと思いますが。
・Radeonドライバの成熟
・国内価格の値下げ
この2つがない限り、なかなか初心者さんにはオススメしづらいグラボですね…。低電圧化も一応は動作保証外になるため「自己責任」ですし(苦笑)。
AMDファンなのですがrx5700 を買うぐらいならrx5700xtを買った方がいいですか?
RX 5700はややマニアックな製品ですね(※面白い製品ですが)。最初からパワフルなのを求めているなら、RX 5700 XTの方が良いと思います。
5500XTのレビューも待ってます!
やかもちさんのブログを見てmsiのRX580を低電圧化して遊んでたんですが
やっぱり楽しいですね
消費電力が下がるし、何よりRadeonの弱点の一つである温度もかなり下がる(素で使うと85℃超え)
今はギガバイトの1660 TIを使っていますが、RX5700も欲しくなりました。
RX5700の購入を検討しているのですが
YouTube等のサイトでの
RX5700とRTX2060SでAPEXを比較した際にRX5700の方が高フレームという結果が
見受けられたのですが、どちらが正しいのでしょうか
どちらが正しいというよりは、計測する条件によっては結果が変わることもあります。たとえば、ドライバのバージョンの違いや、計測する場所やプレイ内容などです。
一部のゲーム&設定でRX5700XTを凌駕しているのが不思議。
今回のデータだとぶれ過ぎてて難しいですね。
誰もが認めるRX5700系の最大の弱点はショートサイズ、ミニサイズが無い事かな。
そう言えば、RX5700の4Kビデオデコーディングは、nVidiaのPascal及びTuring系グラボより安定した速度が出ます。
Potplayer / MPC-HC + LAV + madVRを使って、SONY Camp という4K 60fps HDRビデオを4Kテレビに再生する時、自分の測定結果をリストします。
RX550: 常時コマが落ちます
RX570: 5秒に1回ほどでコマが落ちます
1050Ti: madVRのFullscreen Exclusiveモードじゃなければ、コマが落ちます
1070/1080Ti/2080/2080Ti: ビデオをロードする最初の時にコマが落ちます
5700: コマが一切落ちません
どうして、今話題が高まってて、Steamでも推しててプレイ人口が高まりそうなVRゲームでの動作チェックをしないのですか?
RX5700を購入したのですが、Watt Manにチューニングコントロールなるものが増えていて「GPUの自動電圧低下」がありました。
低電圧化と同様のものなのでしょうか?(信頼していいかは別問題かと思いますが…)
vBIOS書き換えの動作記事楽しみにしてます!!!
コストパフォーマンスを計算した時点での各グラボの価格が分かると嬉しいです
可能でしたらお願いします
コア電圧を下げてブーストクロックを下げて調整すればワットパフォーマンスはもっと出せるのでしょうか?
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