2023年1月に「RTX 4070 Ti」が発売されました(→ RTX 4070 Tiのベンチマーク結果はこちら)。かつての超ハイエンドRTX 3090以上の性能が、半額に近い性能で買えるように。
加えてフレーム生成に対応するDLSS 3機能や、圧倒的なAI処理性能もRTX 4070 Tiの大きな魅力。本記事では「RTX 4070 Ti」を搭載するゲーミングPCを「4台」に絞って紹介します。
RTX 4070 Tiの改良版「RTX 4070 Ti SUPER」が発売されました。在庫がなくなり次第、RTX 4070 Ti SUPERモデルに置き換わるので、本記事は役目を終えました。
最新のベンチマーク比較はこちらの記事をどうぞ。
- 1. LEVEL R779(おすすめNo.1)
- 2. LEVLE M76M(コスパ特化型)
- 3. G-GEAR(パーツ特化型)
- 4. GALLERIA(初心者向け)
(公開:2023/6/3 | 更新:2024/5/17)
「RTX 4070 Ti」のキホンを解説
「RTX 4070 Ti」は、NVIDIAの最新グラフィックボード「RTX 40シリーズ」のハイエンドモデルです。
ナンバリング的にRTX 3070 Tiの後継モデルに見えますが、価格が大幅に上がっているので実質的にRTX 3080に近づきます。
とはいえ、20万円超えのRTX 3090をやや上回る性能がおよそ6割の価格で買えます。性能あたりのコストパフォーマンスがきちんと改善されており、「RTX 4090」の次に評価が高いグラボです。
消費電力も約360 Wから約265 W(-30%)に減って、ワットパフォーマンスの向上が著しいです。
RTX 40シリーズ限定で使える「DLSS 3」に対応したゲームなら、従来世代のRTX 3070 Tiから5~6倍、RTX 3090と比較しても約3倍の大幅な性能アップを得られます。
DLSS 3に対応するゲームはまだ多くないですが、GeForce製品を展開するNVIDIAは豊富な資金力にモノを言わせて有名なゲームタイトルにDLSSを導入させる動き(囲い込み)が強いです。
DLSSが必要になりそうな超重量級ゲームタイトルは、かなりの確率でDLSS 3も対応すると思われます。今後に期待できるRTX 40シリーズ独自の機能です。
DLSS 3や消費電力以外に、RTX 4070 Tiで得られる独自の強みをいくつか紹介します。
- 「AIイラスト」の処理性能がRTX 3090超え
- 軽くて高画質な「AV1エンコード」
- たっぷり容量12 GBのVRAM
最近流行りのAIイラスト(Stable Diffusion)の処理性能がすこぶる高速です。従来比で約1.7倍、値段が2倍近いRTX 3090の約1.3倍も生成スピードが速いです。
超高速かつ高画質な「AV1エンコード」も対応します。同じ画質で少ない容量で済むので、ゲーム配信や動画編集用にプレイ内容を大量に録画しておく用途に強いです。
VRAM容量は4 GB増えて12 GBあります。VRAM使用量の多いVRChatや最新AAAゲームタイトルなどで、性能を落とさずに維持しやすいです。
RTX 4070 Ti搭載のおすすめBTO PC:4選
- 1. LEVEL R779(おすすめNo.1)
- 2. LEVLE M76M(コスパ特化型)
- 3. G-GEAR(パーツ特化型)
- 4. GALLERIA(初心者向け)
1. LEVEL R779
【おすすめNo.1】手堅いパーツと良コスパスペック
LEVEL-R779-LC137KF-UL9X 2023年6月時点のスペック | |
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CPU | Core i7 13700KF (16コア / 24スレッド) |
CPUクーラー | 360 mm水冷式CPUクーラー |
マザーボード | Intel Z790チップセット (2.5G LANポート搭載) |
メモリ | 32 GB (DDR5-4800 / 2枚組) |
グラフィックボード | RTX 4070 Ti 12 GB |
SSD | 1 TB (NVMe SSD) |
HDD | – |
無線LAN | – |
電源ユニット | 800 W (80 PLUS Gold) |
OS | Windows 11 Home |
納期 | 最短2日 |
参考価格 | 326800 円(送料:無料) 最新価格をチェックする |
RTX 4070 Ti搭載モデルで今もっともおすすめが「LEVEL R779」です。
全体的にバランスの良い標準スペックでまとまっていて、価格設定も良心的。RTX 4070 TiはRTX 3090以上に高性能で、CPUボトルネックが生じやすいです。
本機のCPUは高クロック動作に対応するCore i7 13700KF(16コア24スレッド)を搭載し、高いクロックを維持するために360 mmサイズの大型水冷式クーラーを取り付けてあります。
CPU負荷の重たいゲームでもボトルネックが出づらく、RTX 4070 Tiの性能を効率よく引き出せます。特にフルHDで競技系FPSゲームをプレイするときに恩恵が大きいです。
PCケースは台湾In Winに作らせた、LEVEL∞オリジナルケースを採用。剛性がある金属製シャーシです。エアフロー(通気性)に優れたシンプルな内部構造に再設計して、冷却性能とメンテナンス性能を改善します。
流行りのツールレス設計 ※クリックで画像拡大 | |
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標準で取り付け済みの防塵フィルター(ホコリ防止フィルター)は指でつまんで取り外しでき、メンテナンスが簡単です。ネジ類は握力さえあれば指で回せますし、ドライブベイもスライド式です。
道具をなるべく使わずにパーツの増設・交換ができる、昨今流行りのツールレス設計に仕上がっており、PC初心者でも使い勝手に優れます。
Intel Z790チップセットを搭載し、パーツの拡張性も必要十分。
メモリスロットが空き2本、M.2 SSDスロットが空き1本、拡張カード(サウンドカードやキャプチャボード)があと3枚、SSDやHDDをあと4台まで増設できます(※ドライブベイの仕様でHDDは最大2台まで)。
LEVEL R779の標準マザーボードは一般的なLANポートの2.5倍の性能を持つ「2.5G LAN」も搭載します。最大2500 Mbpsの高速インターネット※に加え、FPSゲームで重要な遅延(レイテンシ)も減らす効果があります。
※2.5G LANの性能を実際のインターネットで活かすには、2G~10G光回線が必要。関西圏なら「eo光10G」、関東なら「光クロス」がおすすめ。
30万円以上のパソコン工房「LEVEL∞」を購入すると、15000ポイント還元されます。実質31.2万円で購入可能です。
- 超パソコン還元フェア(2023/06/16まで)
2. LEVEL M76M
【おすすめNo.2】拡張性は控えめでコスパ重視
LEVEL-M76M-134-ULX 2023年6月時点のスペック | |
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CPU | Core i7 13700 (16コア / 24スレッド) |
CPUクーラー | 空冷CPUクーラー |
マザーボード | Intel B660チップセット |
メモリ | 16 GB (DDR4-3200 / 2枚組) |
グラフィックボード | RTX 4070 12 GB |
SSD | 500 GB (NVMe SSD) |
HDD | – |
無線LAN | – |
電源ユニット | 800 W (80 PLUS Gold) |
OS | Windows 11 Home |
納期 | 最短2日 |
参考価格 | 254800 円(送料:無料) 最新価格をチェックする |
コストパフォーマンス重視で選ぶなら「LEVEL M76M」がおすすめ。
CPUにCore i7 13700(16コア24スレッド)を搭載し、RTX 4070 Tiを使ううえで実用上それほど困らないゲーミング性能を確保します。
低価格モデルながら標準スペックも割りと充実。メインメモリに容量16 GBのDDR4-3200規格品を、メインSSDに容量500 GBのNVMe SSDを搭載します。
欲を言えばSSDの容量は1 TB欲しいですが、20万円前後の予算帯ではたいてい500 GBで横並びです。ここ最近急激に値下がりが進んでいるSSDを自分で買ってきて、セルフ増設すると安く済みます。
SSDの空きスロットは1つだけあります。増設するなら容量2 TBあたりのNVMe SSDをドカッと行きましょう。
上位モデルのR779と同じく、M76Mもリニューアルされた最新のLEVEL∞専用ケースを採用。従来モデルにあったオフィスPCくささが解消され、G-Tuneやガレリアと戦える雰囲気です。
内部構造も大幅リニューアル済みです。標準でダストカバー(防塵フィルター)が付属し、ツールレス対応のドライブベイ(指でつまんでHDDを増設可)に改善されています。
初心者でも扱いやすいケースといえば「GALLERIA(ガレリア)」が代表例ですが、LEVEL∞(M76M)の新型ケースもPC初心者に扱いやすいユーザーフレンドリーな設計が盛り込まれています。
20万円以上のパソコン工房「LEVEL∞」を購入すると、10000ポイント還元されます。実質24.5万円で購入できます。
- 超パソコン還元フェア(2023/06/16まで)
3. G-GEAR GA7J
【おすすめNo.3】ツクモらしい堅実なパーツ選定
G-GEAR GA7J-J230/ZB2 2023年6月時点のスペック | |
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CPU | Core i7 13700 (16コア / 24スレッド) |
CPUクーラー | 空冷CPUクーラー |
マザーボード | Intel Z690チップセット (2.5G LANポート搭載) |
メモリ | 32 GB (DDR4-3200 / 2枚組) |
グラフィックボード | RTX 4070 Ti 12 GB |
SSD | 1 TB (NVMe SSD) |
HDD | – |
無線LAN | Wi-Fi 6(最大2.4 Gbps) |
電源ユニット | 750 W (80 PLUS Gold) |
OS | Windows 11 Home |
納期 | 最短4日 |
参考価格 | 316250 円(送料:2200円) 最新価格をチェックする |
ツクモのG-GEARは堅実なパーツ選定で知られる国産BTOブランドです。最初に紹介した「LEVEL R779」と同じく、長く使っていきたい人におすすめ。
今回の「G-GEAR GA7J」では、CPUにCore i7 13700K(16コア24スレッド)を搭載し、RTX 4070 Tiの性能を引き出すのに十分な性能です。
他のスペックも特に問題なし。容量32 GBのDDR4-3200メモリ、容量1 TBのNVMe SSDを標準で搭載済み。しいて言えば、カスタマイズ画面でCPUクーラーをDeepCool製 高冷却CPUクーラーに変更すると静音性が改善します。
マザーボードはASUS製「TUF GAMING Z690-PLUS WIFI D4」を搭載。見ての通り、拡張性に優れたマザーボードです。後からパーツをたくさん増設する余裕があります。
具体的に挙げると・・・
- メモリスロット:空き2本
- M.2 SSD:あと3枚まで
- 拡張ボード:あと3枚まで
(キャプチャボードやサウンドカード) - SSD または HDD:最大4台まで
十分な拡張性です。
拡張性だけでなく機能性も優秀で、Wi-Fi 6(最大2.4 Gbps)の無線LANや、一般的なLANポートの2.5倍高速な「2.5G LAN」に対応します。2.5G LANは遅延(レイテンシ)も少なく、FPSゲームで有利とされています。
PCケースはG-GEARオリジナルモデル(第4世代)を採用。一方通行のエアフローを構築しやすいシンプルな内部構造と、最近のゲーミングPCでは珍しい、大量のドライブベイ(拡張ベイ)が独自の強みです。
4. GALLERIA XA7C
【おすすめNo.4】初心者でも安心の親切設計
GALLERIA XA7C-R47 2023年6月時点 | |
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CPU | Core i7 13700KF 16コア24スレッド |
CPUクーラー | 240 mm水冷式CPUクーラー |
マザーボード | Intel Z790チップセット (2.5G LANポート搭載) |
メモリ | DDR5-4800 8GB x2(合計16GB) |
グラフィックボード | RTX 4070 Ti 12 GB |
SSD | 1 TB(NVMe) |
HDD | – |
光学ドライブ | – |
電源ユニット | 容量850 W (80 PLUS Gold) |
OS | Windows 11 Home |
納期 | 翌日 |
参考価格 | 319980 円(送料:3300円) 最新価格をチェックする |
最後に紹介するのはPC初心者におすすめな「ガレリア」です。知名度とブランド力も群を抜いて高く、ド定番のゲーミングPCブランドだと思われます。
ひとめで「ガレリア」だと分かるスタイリッシュなデザインに加えて、PC初心者でも扱いやすい親切な設計で人気を集めています。
スペックと価格のバランス(=コスパ)は、先におすすめに挙げた「LEVEL R779」や「LEVEL M76M」と比較すると正直劣っていますが、ガレリアも普通にいいゲーミングPCです。
CPUにCore i7 13700KF(16コア24スレッド)を、CPUクーラーは240 mmサイズの中型水冷式モデルを搭載済み。RTX 4070 Tiの性能をきちんと引き出せる環境です。
メモリとストレージも最初から充実してます。メインメモリに容量16 GBのDDR5-4800規格品、メインSSDに容量1 TBのNVMe SSDを搭載します。
拡張性に優れたIntel Z790マザーボードを標準で搭載しており、あとから自分で用意したDDR4メモリやNVMe SSDを増設可能です。メモリスロットはあと2本、NVMe SSDもあと2枚追加できます。
(※2022年に撮影したガレリアの実機写真)
広々とした内部スペースで、将来的に新しいグラフィックボードの交換も余裕で対応可能。パッと見で分かりやすい構造をしているため、PC初心者でもパーツのアップグレードをしやすいです。
ダストカバー(防塵フィルター)が付属し、ツールレス設計のドライブベイもあり、高い人気を集めるのも納得の設計です。
なお、ガレリアはFPSゲームで有利なLANポート「2.5G LAN」ポートを標準搭載。最大2500 Mbpsの通信速度と、レイテンシ(応答時間)の速さがメリットです。
RTX 4070 Ti搭載BTO PC【比較まとめ】
おすすめNo.1LEVEL-R779-LC137KF-UL9X 2023年6月時点のスペック | |
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価格 | 326800 円(送料:無料) 最新価格をチェックする |
おすすめNo.2LEVEL-M76M-134-ULX 2023年6月時点のスペック | |
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価格 | 254800 円(送料:無料) 最新価格をチェックする |
おすすめNo.3G-GEAR GA7J-J230/ZB2 2023年6月時点のスペック | |
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価格 | 316250 円(送料:2200 円) 最新価格をチェックする |
おすすめNo.4GALLERIA XA7C-R47T 2023年6月時点のスペック | |
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価格 | 319980 円(送料:3300円) 最新価格をチェックする |
以上の4台が、筆者的にいい感じだと評価できるRTX 4070 Ti搭載BTO PCです。
現時点でイチオシが「LEVEL R779」です。Core i7 13700KF(16コア24スレッド)に、360 mmサイズの大型水冷式クーラーを標準で搭載しています。価格の割に標準スペックが豪華です。
コストパフォーマンス重視はやはり「LEVEL M76M」が魅力的ですが、低価格ゆえにパーツの拡張性は最低限に制限されています。SSDを足すときは大容量を一気に。
予算に余裕がある方は「G-GEAR」や「ガレリア」が候補です。堅実な中身で選ぶならG-GEARを、スタイリッシュな見た目を重視ならガレリアを。
以上「GeForce RTX 4070 Ti搭載のおすすめBTO PCを4つ紹介」について解説でした。
GeForce RTX搭載おすすめゲーミングPC【解説】
実際にゲーミングPCを使ってみた【レビュー】
以前RTX4070ti関連の記事で電源容量は750Wで十分とおっしゃってましたが、よく構成例で1000Wが多く見かける以上今回のBTOPCのような電源容量だとまだ不安がありますね…
わしゃ750Wで足りると思うから750にする
お前は不安なら増やせばいい
BTOなんだからな
前の総TDP×2を適正容量とする基準でも標準構成なら750wでギリギリなんとかならんかな
1000wが必要なのってRAIDのためにたくさんHDD繋いでるとかOCしまくるとかエンコ専用のグラボが増設されてるとか逸般人用の構成になってない?
余裕を持たせた設計や今後も電力がマッハで要求されそうなグラボ事情を鑑みた将来的な拡張…というのもありそうですが、一番は価格という商売上の事情も大きそうな気はしますね
1000Wにすればそれだけ価格を盛れますし、基本的にここら辺のBTOを購入する層はコスパや自分に求めている水準を考えるより目で見える部分で優先する方が多いかと思いますし
ケチって性能を落とす…と同じ程度に無駄に盛って価格を上げるのはBTOではしばしばみられる光景ですね
ツクモのG-GEAR買ったんですが、ケースのサイドパネルがペラペラで、m.2増設しようと開けたら若干変形しちゃいました……。前に使ってたドスパラのはもっと厚くてしっかりしてたので油断してました。
性能は文句なしで元気に問題なく動いてるので、検討してる人の参考になれば。
STORMかフロンティアでいいんじゃないかと思うんですが、
おすすめされる以上、何か差別化されてるんですかね。
STORMは分からんけどフロンティアは値段が日頃からコロコロ変わるってんで載せないらしい
フロンティアは毎週ラインナップとか値段に更新入るのは強みだしコスパも良いけど同じ構成がずっとあるわけじゃ無いしこういうオススメには載せにくいですよね
ツクモのG-GEAR GA7J-E230がi7-13700KF搭載で28万円のセールやってますね
記事のモデルより大分お得
HP ENVY Desktop TE02 がセール中ならそれで決まりなんですけどね。静音性については若干不安ですが、ノクチュアファンに換装すればいいんですし。何よりフロンティアより大幅にお安くて高機能です。
【注意】パソコン工房(iiyama pc)では現在(なぜか)ポイント還元プログラムが停止しています。さらに、トップフロー空冷もしくはシングルファン水冷しか選択できないモデルが さらに増えています。ご注意を。