実はHDDより頑丈だよ。SSDの耐久性と寿命のすごさ

2015年以降は減ったけれど、依然としてSSDに対して「速いけど壊れやすい」「前兆の無い突然死が怖い」といった不安を持っている人は少なからずいる。やはりHDDには長い歴史があるのが理由の一つだろう。

でも、実際のところSSDはHDDよりもずっと頑丈。この記事ではSSDの耐久性や寿命について解説してみる。

Sponsored Link

SSDの寿命として主流なのが「TBW」

SSDは内蔵されているNANDフラッシュにデータを書き込んでいる。そしてNANDフラッシュの仕組み上、この書き込めるデータ量には物理的な上限が存在していて、上限に達したらSSDは機能を喪失すると考えられています。

この上限を示す指標が「TBW」(Total Byte Written)だ。例えば、メーカーの公称値が150TBWの場合、そのSSDは150TBまでは書き込んで大丈夫という意味になる。

残りの「TBW」、つまり寿命を知るには?

  • 「75TBWだったら、書き込んで良い限界値が75TBということ。ここまでわかったけれど…じゃあTBWの残量ってどうやって知るの?

ですよね。スマートフォンのバッテリー残量ゲージのように、SSDのTBW残量も見てみたい。

Crystal Disc Infoという無料ソフトを使えば、PCに接続されているHDDやSSDの状況がすべて確認できる。使っているSSDが「S.M.A.R.T.」という機能を搭載していれば、この画像のように「総書込量」というパラメータが表示されます。

SSDSamsung 850 EVO
容量250GB500GB1TB2TB4TB
TBW75150150300300

次にTBWを確認する。サムスン公式サイトによれば、「Samsung 850 EVO」のTBWは表の通り。ぼくが使っているのは250GBモデルだから、公称値は「75TBW」となる。

つまり、75TB(76800GB)が一応は上限ということ。さて…75TBを使い切るのにどれくらいの時間が必要になるのかを考えてみる。今回はぼくが使っているSSDで、簡単に寿命を想定してみよう。

Samsung 850 EVO 250GB
TBW76800GB
総書込量575GB
使用時間576時間
1時間あたり約1GB
推定寿命76800時間
3200日
約8.8年

こうなりますね。あくまでも現時点の情報に基づいた予想だから、本当に8年経った時に動いているかは分からない。

とりあえず、1時間あたり1GB書き込んでいるから、寿命は単純に76800時間。日換算すると3200日だから、残りの寿命はざっと見積もって「8年と10ヶ月」になる。ストレージ(記憶媒体)としてはかなり優秀です。

せっかくだから、もう一つ例を出そう。

ゲーム用に使っているSamsung 750 EVO(250GBモデル)だ。サムスンの公称値は250GBモデルで「70TBW」と、850 EVOより耐久性は低いようだが…。

Samsung 750 EVO 250GB
TBW71680GB
総書込量499GB
使用時間2681時間
1時間あたり約0.186GB
推定寿命385120時間
16046日
約44年

システムドライブと違って、随分と1日あたりの書込み量が少ない。おかげで70TBWという低水準の耐久性であっても、推定寿命は約44年と気の遠くなるような年月だということが判明。

10年以上も持つストレージは正直言って驚異的。HDDの場合、10年持てば「当たり品」ですからね。それをアッサリと飛び越えて44年とは…。

真実「TBWはそうそう簡単に使い切れない」

ここまで、SSDで主流になっている「TBW」という指標を紹介し、更にTBWを使い切るのは極めて困難であることも分かったと思う。

これが「SSDはHDDよりも頑丈な記憶媒体とする」根拠である。そもそも…SSD自体の構造がHDDよりも堅牢性に優れているという事実があるから、10年以上動いてもあまり違和感がない。

  • HDDはディスクがすさまじい勢いで回転しているが、SSDは完全に静止状態

だからSSDは衝撃に強いし、振動にも耐える。物理的に動く部品が無いので、消費電力はエコで発熱も少なめ(だからノートPCには好まれる)。物理的にHDDより頑丈な構造ってことです。

【コラム】SSDは700TB~1000TB書き込んで壊れるか試した

8年持つ、44年持つ。と言われても実際に70TB書き込んだわけでないから、本当に持つかどうか不安…という人は当然いるだろう。そんなわけで実際に壊れるか検証した、というレポートがあるので紹介します。

TechReportの検証で使われたのは、耐久性能があまり高くないとされる「TLC NAND」を使った一般向けSSD。様々なメーカーのSSDに対して、大量のデータを毎日書き込んで壊れるまで検証するというものだ。

「Samsung 840 Pro」では、書込量が700TBを超えたところで不良セクタが急増。

結論だけ言うと、もっとも悪いSSDで700TBくらいの書き込みでエラーが発生した。

「Corsair GTX」は1000TB書き込んでも、削った寿命は全体の20%程度に収まった。

その一方で、1000TB(つまり1ペタバイト)書き込んでもビクともしないSSDもあった。1000TB書き込んで20%程度しか寿命を消費していないため、残り4000TBの書込みに耐えてしまうことに…。

 1000TBの書込みは非常に巨大

  • 小説:62億8000万冊
  • 2MBの.jpg形式の画像:5億3687万枚
  • 8MBの.bmp形式の画像:1億3221万枚
  • 映画(1枚あたり20GBのBD):52429枚
  • Grand Theft Auto V(65GB)を16132回インストール

いかに1000TBが大きすぎる単位か、よく分かりました。これだけやらないと寿命が尽きないわけです。しかも「TLC NAND」型SSDの話です。

1000TB耐えられると想定した「SSDの寿命」

以上のレポートで「SSDは少なくとも700TBは耐えるし、頑丈なSSDは1000TB以上耐えてしまう」ことが判明した。もう一度、ぼくが使っているSamsung 850 EVOの例に取って、推定寿命を計算し直してみよう。

公称値理論値
TBW76800GB1048576GB
総書込量575GB
使用時間576時間
1時間あたり約1GB
推定寿命76800時間約1050000時間
3200日約43700日
約8.8年約120年

なんだか現実味のない寿命になってしまったな。ぼくの書込みペースでは理論上、120年は持つらしい。あくまでも理論上の話であって、120年もSSD本体が動き続けるかどうか想像もつかない。

確かに100年前の車は、現代でも走りますが…。100年前から動き続けるSSDと言われると中々不気味ですね。

SSDの寿命まとめ

2017年時点で、SSDの寿命を示す定番指標は「TBW」。TBWは、そのSSDに書き込めるデータ量を示す。しかし、あくまでもメーカー側が公称値として発表している値であることに注意。

途中で紹介したTechReportの事例のように、TBW(公称値)の10倍以上書き込んでもケロッとしているSSDが存在するためだ。

よって、理論上のSSDの寿命はHDDの寿命とは一線を画する水準に達している。メーカーの公称値に基づけば、使い方にもよるが5~20年程度は十分に動く。TechReportの事例に基づけば、理論上は100年以上動く。

SSDが物理的に100年以上も動き続けることが出来るのか。これは多分無理です。コントローラや基盤の故障リスクはまったく別の問題なので、実際に100年動くことはまず無いだろう。

現実的な目安としては「5~10年」くらいを想定すれば大丈夫。長めに見積もって「7~15年」といったところ。HDDよりも期待できる寿命は1.5~2倍ほど長いですね。

SSD250GBモデル500GBモデル
TBW75TB150TB
使い方OSゲームOSゲーム
1日あたり20GB8GB20GB8GB
推定寿命(理論値)3840日9600日7680日19200日
約10年と6ヶ月約26年と3ヶ月約21年約52年と7ヶ月

SSDの寿命はこんなイメージ。安価だが耐久性が低い「TLC型SSD」の話です。ちょっと割高な「MLC型SSD」なら、もう少し長持ちします(TBWが5~10%程度多い)が…。元の寿命が長いのでTLC型で十分ですね。

「TLC」や「MLC」といった、SSDの種類については以下の記事にまとめたので気になる人はついでに。

 運用中のSSDたち

Amazonの注文履歴を遡ってまとめておきます。

  • CSSD-S6T128NHG6Q:2014年6月(OS用・運用中)
  • Samsung 850 EVO:2015年12月(OS用・運用中)
  • Samsung 750 EVO:2016年6月(ゲーム用・運用中)
  • PNY SSD7CS1311-120-RB:2016年8月(ゲーム用・運用中)
  • Samsung 750 EVO:2016年9月(ゲーム用・運用中)
  • Crucial MX300:2017年3月(OS用・運用中)
  • Sandisk PLUS:2017年3月(OS用・運用中)
  • Transcend TS240GSSD220S:2017年4月(OS用・運用中)
  • Samsung 850 EVO:2017年5月(OS用・運用中)

自分の自作PC、頼まれて作った自作PCに採用したSSDです。サムスンは贔屓にしています。もっとも古いやつで3年ほど使っていますが、未だに壊れていません。他のSSDも不具合は聞いていない。

以上を踏まえ「オススメなSSD」まとめ

人にオススメのSSDを聞かれたら、だいたい「Samsung 850 EVO」と言ってる。普通のNANDは完全に2次元方向にセルが敷かれているんだが、このSSDは3D V-NANDという3次元構造のセルを使っている。

限られた面積にセルを詰め込めば詰め込むほど、発熱や故障のリスクを抱えてしまう。3D V-NANDはセルを敷き詰めるのではなく、ある程度敷いたら上に重ねていくという方法です。構造自体に安心できるから好んで使ってます。

2017年3月より、日本で人気のCrucialからも3D NANDを採用したSSDが登場。850 EVOよりも若干コスパが良いのがメリット。実際に知り合いの自作PCに使ってますよ。今のところは順調。

なお、この製品名の最後に「/JP」と付いているが国産を意味するわけではない。Cruciai製はMicron社製のNANDフラッシュを採用しているので、米国産と思っておいたほうが良い。

東芝製のNANDを採用した「国産SSD」と呼べる製品。国産が好きな方はこれ一択になる。3.5inchマウンタが付属してくるのが少しだけ嬉しい製品。

以上「実はHDDより頑丈だよ。SSDの耐久性と寿命のすごさ」についてでした。

【補足】データ保存用には使わないこと

HDDよりも寿命が長いのは確かだが、データの長期保存には向かないから要注意。SSDはPCの動作を劇的に高速化するPCパーツとして極めて優秀

だからWindowsをインストールして使う分には全然問題ないし、長持ちです。だけど、ほとんどのSSDは通電しない時間が長すぎると中のデータが蒸発してしまうことがある…。

HDDのようにデータを保存して放置…という使い方は絶対に向かないということを忘れずに。

Sponsored Link

1 個のコメント

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。