【自作PC】予算100万円で作る、4K & 8K動画編集用マシン




2018年の1作目は、「予算100万円で8K動画編集ができるマシンを考えている」という相談を受け、それに応える形でパーツの選定と組み立てが進みました。予算100万で組む人はなかなか珍しいと思いますが、動画編集用のPCを組みたいと考えている人は少なくないはず。

と考えて、パーツ選定から組み立てまでの流れを記事化することに。

Contents

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テーマ「8K動画の編集が可能な、超ハイエンドPC」

18台目の自作PC。テーマは「8K動画の編集ができる超ハイエンド」なマシンです。株式会社トレンドフィクスさんから相談を受けて、今回のテーマを実現できるマシン構成を考えていきます。

トレンドフィクスさん
主にAfter Effect、Premiere Pro、DaVinciを使って「8K動画」の編集が快適に出来るマシンを考えてます。予算は100万を少し超えるくらいで。
考えているプラン(初期案)
CPURyzen Threadripperで良いのだろうか
GPUQuadroのハイエンドモデルを考えてます
メモリ128GB
マザーボードCPUに合ったモノを
SSDメイン用に2TB
作業用フォルダ(その他もろもろ)として2TB
HDDデータ置き場に8TB
電源未定
ケース未定

「メモリ128GB、SSDは4TB、HDDに8TB」はほぼ確定事項でした。問題はCPUとグラフィックボードが決まらないということ。金額が大きいのでひとまず「ワークステーション」と考え、Ryzen TRを候補に挙げていた。

しかし、主に使うソフトウェアとして「After Effect」や「Premiere Pro」といったAdobe系のソフトが挙げられている。安易にRyzen Threadripperとは言えないんですよね。

グラフィックボードに関しても、挙げられたソフトの中に3DCGやレンダリング(OpenCL)を扱うタイプが無いため、シンプルにGeForce GTXシリーズで十分に性能は足りるはずです。

自作歴17台のやかもち
というわけで…「パーツ選定」を行っていきます~。

動画編集に向いたPCパーツを選定する

予算100万円で揃えたPCパーツたち。今作は全部で12種類のPCパーツがあります。想定されているソフトと「動画編集」という用途に、可能な限りマッチしているパーツを選びました。

なぜそのパーツを選ぶに至ったのか。根拠などを紹介していく。

1. 【CPU】Core i9 7940X

Core i9 7940X
Amazonドスパラ
ツクモARK

当初の予定では「Ryzen TR 1950X」が有力候補だったが、使うソフトや用途が主に「Adobe系で動画編集」なんです。よってシングル性能が弱いRyzen TRでは、そのマルチスレッド性能を活かしきれない可能性が高い。

そして予算やコスパより、可能な限り「性能重視」という希望もあったので、高いシングルスレッド性能とマルチスレッド性能を両立している「Core i9」を採用することに。

と…言っても、これはPhotoshopのベンチマーク結果に基づいていて「Adobe Photoshopがこういう傾向なんだから。他のAdobeソフトも似た傾向になるはずだろう。」という帰納的な考え方に過ぎない。

そこで米国の法人向けワークステーションを製作しているメーカー「Puget Systems」が公開しているデータを参考にします。

Puget Systems社のベンチマーク

検証に使用されている「8K動画」の一例

このメーカーが行うベンチマークテストでは、Sample R3D Filesにて無償提供されている4K / 6K / 8K解像度の動画を用いたテストが含まれる。よって、今回の8K動画編集マシンを構築する上で非常に参考にできるデータと判断した。

DaVinciのベンチマークから。Ryzen TR 1950Xは16コア搭載の割には、それよりコア数の少ないi9 7920Xやi9 7940Xに劣っていることが分かる。やはりシングル性能の低さが仇になっているようです。

i9 7940X以降は性能の頭打ちが見られるため、この時点でRyzen Threadripperは選択肢から除外されることに…。

一方、After EffectsではRyzen TRの方が優れた結果を。しかし、i7 7700Kが一番猛威を奮っていることがよく分かる。Adobe系ソフトは依然として、4コア以上のCPUに対して最適化が微妙なんですね。

Premiere Pro CCでは「Core i9」がしっかりと優れたシングルスレッド性能を発揮した形に。ただし、よくみるとi9 7940X以降は性能の頭打ち感は否定できず、7980XEなどを導入するメリットはほぼ無い。

CPUDaVinciAfter EffectsPremiere Pro合計コスパ
i9 7980XE26692.6472830.6263.66
i9 7960X27193.5479843.5224.07
i9 7940X26595.9487847.9189.88
i9 7920X25194.2454799.2168.92
TR 1950X247105.2451803.2148.16

ベンチマークで最も性能を発揮しているCPUは「i9 7940X」でした。コストパフォーマンスにおいて最強は「TR 1950X」ですが、性能を重視する意向を取って「i9 7940X」で確定した。

価格目安約161000

2. 【CPU冷却】Corsair H100i V2

Corsair H100i V2
AmazonドスパラツクモARK

「Core i9」にはリテールクーラーが付属しないので、別途用意する必要がある。当初はハイエンド級の140mm大型空冷(R1 ULTIMATEなど)を考えていたが、そこまで行くと簡易水冷も視野に入ってしまう。

というわけで、より確実な冷却性能を期待できる「Corsair H100 V2」を採用。120mmファンを2個搭載する簡易水冷です。性能だけを見れば「NZXT X62」の方が優秀ですが…、オーバークロックを施さない安定運用を目的にするためそこまでは不要と考えた。

なお、Corsair H100i V2は付属ファンがやかましいという定評があるけれど、付属アプリのCorsair Linkで調整すれば問題なし。そのあたりは負荷テストしながらチューニングしていく感じ(定格なら難しくはない)。

価格目安約13000

3. 【グリス】Thermal Grizzly kryonaut

Thermal Grizzly kryonaut
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いつも通り、愛用のCPUグリスです。高いポンピング性能、冷却性能、非導電性とあらゆる性能が両立されたグリス。唯一の難点はやや高価なこと。相応のモノだとは思ってますが。

価格目安約3000

4. 【GPU】NVIDIA Titan Xp Jedai Order

NVIDIA Titan Xp Collectors Edition
標準版Jedi Order版Galactic Empire版

クリエイター向けPCと言えば「Quadro」ですよね。そう…クリエイター向けグラボは確かにQuadroだし、NVIDIAもそういうブランディングを施しているので今や「常識」という感すらある。

実際のところ、Quadroが猛威を振るうのは「OpenCL」を使った処理が含まれるレンダリング系ソフトが中心。Adobe系ソフトの場合は、GTX 1050~1060レベルのGPUで十分だったりする。

パワーウィンドウのみ+ OpenFX+ OpenFX + TNR

ただ、DaVinciのビジュアルエフェクト系の処理(Open FX)を使う場合はグラフィックボードの性能が露骨に出ることがわかった。コスパ的に見ればGTX 1080 Tiが良いところなのでは…と思ったが。

トレンドフィクスさん
100万をやや超えてもいいので、Titan XPを採用したいと思います。

というわけでTitan Xpで確定。一般モデルがとても高騰していたため、一般モデルより約4万円ほど安く流通していた「Star Wars Jedi Order Collectors Edition」を採用することになった。

価格目安約190000

5. 【マザーボード】ASRock X299 Taichi XE

ASRock X299 Taichi XE
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前回の「Ryzen Threadripperで組むワークステーション」にて、ASRockの「Taichi」シリーズを採用した経験があったこと。そしてスペック面で信頼性が高いと判断できたので選んだ。

  • USB 3.1 Gen2のコントローラが現行最高速度の「ASMedia」製
  • 驚異の13フェーズ電源(ASRockいわく、最大1300W対応)
  • 堅牢性重視のコンポーネントが多数使われている
  • 用途に関係性は薄いが、オーディオチップは高音質の「ALC 1220」

さすがに「i9 7980XE」をオーバークロックする前提で作られただけあって、信頼性は十分。今回は定格運用なのでオーバークロック気味な部分もあるが「なるべく良いパーツを。」ということで。

価格目安約40000

6. 【メモリ】G.Skill製 DDR4-3200 16GB 8枚組

G.Skill DDR4-3200 Memory 128GB
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128GB搭載するので、1枚あたり16GBのメモリを8枚使って確保する。最近はメモリの品薄 & 高騰が酷いため、手早く入手できるメモリがG.Skill製のオーバークロックメモリーくらいしか無かった。

ただ、G.Skillは「永久新品交換保証」という太っ腹なサービス(スペック内で使っている分には保証される)を展開していることも有り、安心感と信頼性は高め。

価格目安約240000

7. 【SSD】Samsung 960 PRO 2TB

Samsung 960 PRO 2TB
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4KBサイズの読み書き速度において最速のSSDは、3D-Xpointを採用している「Intel Optane SSD900P」です。しかしコストパフォーマンスが非常に悪く、4TB用意するとなると50~60万円も掛かってしまい手を出せない。

なのでSSD1個あたりの容量がなるべく多く、出来るだけ総合パフォーマンスの高いSSDを絞り込んだ結果。NVMe SSDの「Samsung 960 PRO」に決まりました。

こちらにもデータがある通り、960 PRO 2TBモデルの混合テストの結果はSATA SSDはもちろん、他のNVMe SSDも圧倒していることが分かる。パフォーマンス重視という方針もあるため、尚更960 Proが適任だった。

価格目安約165000

8. 【SSD冷却】SS-M2S-HS01

SS-M2S-HS01
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サムスン製のNVMe SSDはそこそこ発熱しやすいので念のため。SSDの本体価格と比較すれば微々たるコストですし。

ちなみに、SSDのサーマルスロットリングは70度を超えたあたりで生じやすい。エアフローが確保された環境で70度になることはまず無いとは思うが、放熱しやすいことに越したことはない。

価格目安約1500

9. 【HDD】Seagate IronWolf 8TB

Seagate IronWolf 8TB
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使い終えたファイルの「置き場」として、8TBのHDDを用意した。単なる8TB HDDでも良いかな、と考えていましたがSeagateから「RVS搭載」モデルがわずか27000円ほどで出ていたので決まり。

IronWolfは動画編集・NAS向けを謳っており、読み書き速度が早い「7200rpm」な上に、振動を抑制する機能である「RVS」まで搭載するというハイスペックぶり。スペックだけを見れば3万円以下の8TBモデルで最高のコスパですね。

ちなみにWesternDigitalの8TB HDDはプラッタが7枚。一方、このIronWolfは6枚(1枚あたり1.33TB)と少なめ。部品点数の少なさから見ても、耐久性に関してIronWolfに軍配が上がっている。

価格目安約27000

10. 【ドライブ】Pioneer BDR-211JBK

Pioneer BDR-211JBK
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「BDXLに対応したドライブが必要。」ということで用意したBDドライブ。BD-R XL、BD-RE XL、Ultra HD Blu-rayなど、安いBDドライブでは対応していない規格に対応しています。

価格目安約13000

11. 【電源】Corsair RM850x

Corsair RM850x
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高い人気を誇るハイエンド電源です。以下の通り、PLUG LORD Solutionsにもレポートを公開済みで透明性も確保されている優良電源。

RM850XはGOLD認証を謳う電源で、レポートを見ての通り全ての基準を明確にフルクリア済み。50%出力までなら電力効率は90%を超えている。よって今回のマシン構成だと、結果的にはエコ運用になります。

他にも…

  • 低負荷時は無音動作が可能
  • 10年保証
  • 国産コンデンサを100%採用
  • 配線がしやすいフルモジュラー方式

などなど、色々とスペックは高め※。無音動作はちゃんと動作温度を確認しながら見ていきますが。

※ 電源ユニットの中では「中の上」くらい。上には上がいると言ったもので、ニプロンや村田製作所が製造する高信頼性電源などがあるので…。ちなみにRM850xの中身は台湾のCWT(Channel Well Technology)というメーカーが製造している。

価格目安約18000

12. 【PCケース】Define R6 Black

Define R6 Black
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いかにもワークステーションっぽい見た目に、高い拡張性と良好なエアフローを実現した大型PCケース。開けやすいフタ、取り回しのしやすい配線スペース、自由度の高いシャドウベイなど。

「これいいぞ…。」という感じで選んだ。こういう大型ケースは組み立てもしやすい(その分ミスをしづらい)し、後からメンテナンスする時もラクなので良いんですよね。

価格目安約20000

パーツまとめ

超ハイエンド級、動画編集マシン
CPUCore i9 7940X161000
クーラーCorsair H100 V213000
グリスThermal Grizzly Kryonaut3000
GPUTitan Xp Collctor’s Edition190000
マザーボードASRock X299 Taichi XE40000
メモリG.Skill DDR4-3200 128GB240000
SSDSamsung 960 Pro 2TB165000
Samsung 960 Pro 2TB165000
SSD冷却SS-M2S-HS011500
SS-M2S-HS011500
HDDSeagate IronWolf 8TB27000
BDドライブPioneer BDR-211JBK13000
電源Corsair RM850x18000
PCケースDefine R6 Black20000
合計1058000

以上の通りです。予算を占める割合で見ていくと、ストレージの方が比率が多いですね。Titan Xpは元々国内で入手しづらいので価格が高いのですが、メモリは去年から延々と値上がり傾向で苦しいところ。

SSDもこの5年で大きく安くなったとは言え、2TB級のNVMeとなるとまだまだ非常に高い(それ以前に、一般向けに販売されているNVMeで2TBを実現しているのがSamsung 960 Proしか無い現状)。

さて、次はいよいよ組み立て編へ行きます。

合計100万円のパーツを組み立てていく

価格だけ見れば恐ろしいですが、基本的に10万円のPCも100万円のPCも組み立て工程に大きな差はありません。規格外の特殊パーツを使っているわけじゃないので、本当に工程自体は同じです。

あえて言えば「簡易水冷」を使っているので、その都合でやや組み立ての手順が変則的になる部分が難しいところかと。まとめると以下のような手順になります。

  1. マザーボードの箱の上で作業をする
  2. CPUをマザーボードのソケットに取り付ける
  3. 簡易水冷のバックプレートを取り付ける
  4. 簡易水冷のラジエーターを組み立てておく
  5. メモリ8枚をすべて取り付ける
  6. IOバックシールドをリアパネルに取り付ける
  7. 拡張カードスロットのカバーを2枚取り外す(グラボ)
  8. M2 SSDをヒートシンク化し、システム用のみマザボに差し込む
  9. スペーサーをケースに取り付け、マザボ背面の空間を確保
  10. マザーボードをケースに取り付ける
  11. PCケースのフロントパネルヘッダーを接続
  12. 電源ユニットをケースに組み込む
  13. 各種ケーブルをマザーボードへ接続
  14. 簡易水冷のラジエーターを上部へ取り付ける
  15. CPUにグリスを塗布し、ウォーターブロックを固定
  16. 一旦ここで動作検証を行う
  17. グラフィックボードの差し込み
  18. 動作検証を行い、OSやドライバをインストール
  19. BDドライブ、各種ストレージの組み込みと接続
  20. BIOSよりXMP有効化を行い、メモリのクロックアップ
  21. 配線をまとめ、ケースを閉じて完成

以上、22工程です。ピントの合いづらいスマートフォンで撮影しながら組み立てを行っていたので、完成までに6時間ほど掛かりました。ちょっと悠長にやりすぎかも。

1. マザーボードの箱の上で作業をする

マザーボードと付属品(SATAケーブルやバックプレート)を取り出し、そのマザーボードの箱の上にマザボを置いて作業します。

あと、メモリーを挿し込む作業をする時に(今回の箱では)かなり軋む。可能なら本棚の板などをメモリー側に敷いたほうが良いかもしれない。ぼくは硬めのハードカバーの写真集を敷きました。

2. CPUをマザーボードのソケットに取り付ける

この巨大なLGA 2066ソケットに、Core i9 7940Xを取り付けていく作業だ。Ryzen TRと違って、Core i9はデカイ割に取り付け手順はいつもどおりのIntelです。そのためかなり慎重に行きましょう…。

参考:Ryzen TRの安全な取り付け機構

Ryzen TRは極めてピン折れしづらい、メカニカルな取り付け方法が実装されていた。i9はいつも通りなのでピン折れには要注意ですね。

ロックが2本あるので解除する。

フタを開けてソケットが見えるように。

普通のLGA 1151のCPUと違い、向きが正反対なので注意。目印の三角形を合わせてCore i9を設置します。

あとは蓋を締めてロックを2つとも閉めてCPUの設置は完了。この時、ロックがものすごく硬いですが気にせずに閉めよう(相変わらずIntelのCPUって取り付けが微妙に怖いよね)。

3. 簡易水冷のバックプレートを取り付ける

この時点で簡易水冷のセットアップをある程度やっておきます。

説明書に取り付け方法が書いてある。これによると…、LGA 2011など大型ソケットの場合はマザーボード側に既にバックプレートが取り付けられているので、バックプレートを取り付ける必要は無いとのこと。

単にネジを4本取り付けるだけでOK。

確かに、マザーボード側に既に用意されていて、本当にネジを取り付けるだけで良いようだ。後からこの上にウォーターブロックを取り付け、別のネジで締めて固定する形になる。

4. 簡易水冷のラジエーターを組み立てておく

ラジエーターに付属の120mmファンを取り付けて完成させておく。今回は天板側にセットして排気ファンとして運用する(スタンダードなやり方)ことにしたので、ファンの向きは画像のようになってます。

Corsair H100i V2はなぜか標準グリスが塗布されているので、この時に拭き取っておいた方が後からラクです。もちろん、標準グリスで行く場合はそのままでOK。

アルコールがあると拭き取りやすい。個人的に愛用しているのは「スコッティ」です。

5. メモリ8枚をすべて取り付ける

メモリをマザーボードに挿し込んでいく。ごついヒートシンクが装備されていることもあり、8枚全ての重量感は半端ないです。

差し込み方法はいつも紹介しているように、スリット(メモリの形状は左右非対称です)の向きが間違っていないか、ツメを事前に解除したかをチェックしてから作業を行うこと。

確認できたら、あとはメモリをしっかりと挿し込むのみ。「カチカチッ」と、しっかりと固定されるのでその時が来るまでグッと力を入れ続ける。予想外に硬いけれど…恐れずに挿し込む。

4枚完了。

8枚すべて挿し込み完了。これだけあると、さすがに荘厳な風景。

6. IOバックシールドをリアパネルに取り付ける

マザーボードに付属しているIOバックシールドという板をPCケースの背面に取り付ける。主に見栄えが良くなるのと、IOポートの内容が分かりやすくなるメリットがある。

ぼくの場合、ハイエンドマシンだとIOシールドを律儀に取り付けるけれど、5~6万くらいの格安PCだと付けなかったり…。

7. 拡張カードスロットのカバーを2枚取り外す

拡張カードスロットにカバー板が付いているので、グラフィックボードを挿し込む部分には合わせて2枚外しておくこと。

8. M2 SSDをヒートシンク化し、システム用のみマザボに差し込む

ストレージ類を最初に全て搭載するか、OSを入れてから残りをストレージを搭載するかは人によって違うと思います。

ぼくは念のためWindows用のストレージだけを最初に入れて、Windowsやドライバのインストールが完了してから残りのストレージを搭載するようにしている。OS関連のファイルは確実に1つのストレージに収めたいから。

ヒートシンク化が完了したSamsung 960 PRO

というわけで、まずは1枚だけセットアップします。ヒートシンクをSSDのチップ側に設置して、絶縁テープでくるっと固定するだけ。説明書に書いてあるとおりにすれば難しくない。

そしてM.2 スロットに960 Proを挿し込む。場所はCPU直下を選んだ。

このように挿し込んで…

マザーボードに付属しているM.2スロット固定ネジで固定して完了です。

9. スペーサーをケースに取り付け、マザボ背面の空間を確保

Define R6は最初からスペーサーが取り付け済みだったので、今回は特に自分でスペーサーを取り付ける必要は無し。

10. マザーボードをケースに取り付ける

スペーサーに合わせてマザーボードを設置し、ネジで固定していく。

11. PCケースのフロントパネルヘッダーを接続

PCケースから伸びているフロントパネルヘッダー(電源スイッチ、再起動ボタンを機能させるために必須)をマザーボードに接続する。

一見するとややこしいけれど、最近はマザーボードの説明書にだいたい書いてあるので読みながらやれば初めてであっても問題なく接続が出来るだろう。

完了です。

12. 電源ユニットをケースに組み込む

このケースは後ろから設置する形式なので簡単。まずはカバーを取り外しておく。

RM850Xはフルモジュラー形式の電源なので、必要なケーブルを事前に挿し込んでおくこと。

  • ATX CPUコネクタ(8pinのコネクタ、今回は2本必要)
  • ATX電源コネクタ(24pinの横長なコネクタ)
  • PCIeコネクタ(グラフィックボードの補助電源用)
  • SATA電源コネクタ(L字型のコネクタ)

今回の構成で必要になるケーブルは以上です。

ケーブルを中に通し、電源ユニットを固定します。

13. 各種ケーブルをマザーボードへ接続

電源ユニットから伸びるケーブル、PCケースから伸びるケーブルをマザーボード側に取り回してきて、それぞれ適切なコネクタに繋いでいく。

特に「ATX CPUコネクタ」(ATX12V1 と ATX12V2)、「ATX電源コネクタ」(ATXPWR1)は絶対に接続すること。これを忘れるとPCが絶対に起動しないから、必ず挿し込むこと。

Core i9はATX CPUコネクタを2本必要とする点も要注意。

14. 簡易水冷のラジエーターを上部へ取り付ける

ラジエーターを天板側にセットするため、ケースの天板を外してます。

Corsair H100i V2はケーブルが4種類あって、どれをどこに接続するか分かりにくい。なのでちょっと図解してみた。

ウォーターブロックから伸びている「3pinコネクタ」は、マザーボードの「CPU_FAN」という部分に接続。ファンから伸びているケーブルを二又に分岐しているコネクタに接続。

Corsair Linkを使うために必要なMicroUSBケーブルは、マザーボードの「USB」に接続するが、ラジエーター・ウォーターブロックの取り付けが終わった後で良い。

ケーブルの接続が終わったら、ラジエーターを説明書のとおりに固定するだけ。

15. CPUにグリスを塗布し、ウォーターブロックを固定

Thermal Grizzlyを「置く」感じで。不器用なので雑い置き方になっているが、要するに圧着した時にヒートスプレッダ全体を覆えるような置き方をすればOKということ。

こういうイメージでグリスを置けば良い。

あとはウォーターブロックを固定すれば完了です。

16. 一旦ここで動作検証を行う

グラフィックボードを取り付ける前に、ここで動作検証を行っておく。電源ユニットにコンセントを挿して、電源ONにする。後はPCケースの起動ボタンを押すだけ。

無事、動きました。30~60秒ほど待ってから、電源ボタンを押してすぐに電源が切れるか確認できたら動作検証は終了。電源ユニットからコンセントを抜いて、作業の続きへ。

17. グラフィックボードの差し込み

グラボは「PCI Express x16」という長いレーンに挿し込む。使うレーンは特に理由がないなら一番上でOK。事前にツメを解除するのを忘れずに。

挿し込んでツメはしっかりと締まったら、拡張カードスロットのネジで固定し、補助電源コネクタ(6pin + 8pin)を接続して完了。

18. 動作検証を行い、OSやドライバをインストール

起動させてWindowsのインストール。やり方は各自自由にやればいいかと。正規版を使うのもよし、PCパーツの付属品としてついてくるDSP版を使うのもアリ、あるいはOEM版を探してきて購入するのもアリ。

許容できるリスクの範囲で選べば良いと思います。

19. BDドライブ、各種ストレージの組み込みと接続

Win 10とドライバのインストールが一通り終わったので、残りのストレージ(SSD、HDD)とBDドライブを搭載していきます。

Define R6のシャドウベイから1つ、3.5インチマウントベイを取り出します。ここにHDDを固定する。

裏面から付属ネジを4本固定すればOK。

元のベイに戻し、SATAコネクタとSATA電源ケーブルの2つを接続してHDDの取り付けは終わり。

BDドライブはケースのフロントパネルから5.25インチマウントベイに挿し込み…

反対側にある2箇所をネジで留めて完了。

M.2 SSDの取り付け方法はもう解説したので端折ります。

20. BIOSよりXMP有効化を行い、メモリのクロックアップ

今回は高速なオーバークロックメモリを使っているので、BIOS画面からちょっとだけ設定してクロックアップを行っておく。

マザーボードメーカーのロゴ画面が表示されたら「F2」または「Delete」キーを連打。すると、こんな感じのBIOS画面が開きます。

ASRock Taichiの場合は、「OC Tweaker」>「Load XMP Setting」>「XMP 2.0 Prifile 1」を選択するだけでXMP有効化が完了する。

設定を保存して再起動を行い、BIOSに戻ってみると「DDR4-3200」として認識されているはず。初期設定の「DDR4-2133」から約50%も高速化された※。

※ Intel CPUの場合、体感できるシーンは少ないと思います。しかし、せっかくOCメモリを使っているのだから、特に理由がないのであれば…やっておいて損はない。

21. 配線をまとめ、ケースを閉じて完成

可動部分に接触しないように配線を行う。配線がキレイかどうかは人それぞれ好みで良い。ファン部分にケーブルが接触する心配がないなら、見た目が雑くても別に問題ないです。

今回は輸送されることも考え、やや神経質な配線になっています…。輸送中にケーブルが動いて、次の起動時にケーブルがファンに接触していた…なんてことは避けたいからね。

ケースを閉じて完成です。

性能を一通り検証してみる

自作PCを作った後、いつもやっている動作検証をやっていきます。事前の調査で、今回想定されている使い方では「ほぼ限界の性能」に達してはいるものの…一応動作検証は恒例行事なので、順番に見ていきましょう。

タスクマネージャーの様子

28枚の窓が確認できる(=28スレッド)

「i9-7940X」は14コア搭載のエンスージアスト向けCPU。ターボクロック時は最大4.3Ghz~3.8Ghz(※)で動作するため、ライバルのRyzen TRよりシングル性能で勝るのが最大のメリット。

※ コアによって最大クロックが違う。1~2コアは4.3Ghz、3~4コアは4.1Ghz、5~12コアは4.0Ghz、13~14コアは3.8Ghzです。平均4.03Ghzということだ。

Cinebench R15

レンダリングを実行させてCPUの性能をスコア化するCinebench R15。1コアあたり性能と、マルチスレッド性能を出せるので重宝します。

結果はこの通り。マルチスレッド性能は2939cbで、これは前回作ったRyzen TR 1950Xの2945cbとほぼ互角の水準です。次に凄まじいのが189cbもあるシングルスレッド性能。

これだけのコア数を詰め込んでおきながらCore i7並のシングル性能を維持しているのは凄い。10個以上のCPUではほぼ最高の水準に位置するシングル性能なので、Adobe系ソフトとの相性は良い。

CPUCore i9 7940XRyzen TR 1950X
シングル性能189167-0.20%
マルチ性能2939294513.17%

比較表にまとめてみた。

CPU-Z

ハードウェア監視ツールのCPU-Zにも、同様のベンチマークツールが用意されているのでCPU性能を検証してみた。

確実に伸びてます。10コアのCore i7 6950Xと比較して、シングル性能は約20%程度。マルチスレッド性能も同様に20%程度伸びています。まぁ…CPU-Zのスコアは割りとテキトー感があるので参考程度に。

Geekbench 4.1

CPUi9 7940XRyzen TR 1950X
シングル性能5153442916.35%
マルチ性能358182594438.06%

Geekbenchのスコア。両方ともRyzen TR 1950Xから大きく伸びていますね。性能の高いコアが14個あるので、総合性能でRyzen TRに勝ちやすいです。

PCMark 8

パソコンの一般的な処理性能をスコア化するベンチマーク。ベンチマーク内容に特殊な処理は含まれないため、一般向けCPUの方が高いスコアを示しやすい特徴がある(例 : Excelなどの表計算)。

Home

Home編はWeb閲覧、Word編集、簡易的な3Dゲーミング、写真編集、ビデオチャットなどの処理が含まれる。どれも過剰なコア数を必要としないため、i9 7940Xはそこまで良いスコアを出さないだろう。

5591点をマークし、上位2%に食い込んだ。一般的な処理はほぼ問題ない。

Creative

更にグループビデオチャット、動画エンコード、3Dゲーミングが含まれるテスト。

Titan Xpの圧倒的なグラフィック性能のおかげで、上位1%と、ほぼ最高性能をマークできた。

Work

Excelの表計算、Wordの文書作成など一般事務の内容が多く含まれるテスト。

5555点をマークし、上位3%に食い込みました。

CPUi9 7940XRyzen TR 1950X
Home5591434028.82%
Creative9502-%
Work555551098.73%

Ryzen TR 1950Xと比較。シングル性能が伸びているので、コア数が必要のない一般処理が高速化されていることが分かった。

x264 HandBrake

無料の動画エンコードソフト。

  • 元ファイル:1080p / HEVC / 1.03GB
  • エンコード後:480p / x264 / 0.06GB

このような設定でx264エンコードを実行し、ログに記録されている「平均フレームレート」(秒間処理枚数)でCPU性能を判断します。

わずか75秒で完了し、平均フレームレートは129.2fpsに達した。Ryzen TRは約114.3fpsだったため、シングルスレッド性能のおかげでTR 1950Xより2コア少ないにも関わらず、エンコード処理速度が伸びたということ。

x265 HWBOT

よりCPU負荷が重たくなるx265エンコードも、HWBOT Benchmarkを使って計測してみた。結果は72.26fpsを記録し、Ryzen TRの60.89fpsを大きく超える結果となった。

7-Zip Benchmark

無料の解凍ソフト「7-Zip」に付属するベンチマーク。MIPSと秒間処理量で、CPUの圧縮と解凍性能を計測可能。

CPUi9 7940XRyzen TR 1950X
圧縮730214123077.11%
解凍7587990127-15.81%

圧縮スピードは約80%近い大幅な性能アップ。解凍スピードでは-16%負けてしまったが、それでも75000MIPSは恐ろしく速い水準です。

VeraCrypt Benchmark

VeraCryptは暗号化ソフトの1種。付属のベンチマークツールで、アルゴリズムごとの処理速度を計測できる。よく注目される指標は「AES(Twofish(Serpent))」という項目。結果は1.8GB/sですね。

CPUi9 7940XRyzen TR 1950X
AES(Twofish(Serpent))1.8GB/s2.1GB/s-14.29%
AES19.5GB/s10.3GB/s89.32%
Twofish4.2GB/s5.4GB/s-22.22%
Serpent3.9GB/s4.9GB/s-20.41%

項目ごとに見ると両者の性格がハッキリとする。基本的にこの暗号処理はマルチスレッド性能が高いほど高速になるが、Core i9はAESに関しては圧倒的に速い。

これはCore i9に「Intel AES New Instructions」というハードウェアアクセラレーションが搭載されているためだ。

Mozilla Kraken 1.1

結果は896.0msで、1秒(1000ms)を割り込んだ。JavaScriptの処理速度はRyzen TRより約7%ほど速くなったことになる(Ryzen TRは964.5msだった)。

Blender 2.78

オープンソースの3DCG / レンダリングソフト「Blender」に用意されている、CPUベンチマーク用のプリセット「BMW27」を使って性能を計測した。

結果は154.89秒。

CPU処理時間
i9 7940X154.897.78%
TR 1950X166.9428.66%
i9 7900X199.2835.38%
TR 1920X209.6991.16%
1800X296.0994.76%
i7 8700K301.66

他のCPUと比較してみました。Ryzen TR 1950Xより約8%高速で、i9 7900Xより約35%高速な結果です。

Premiere Pro CC 2018

8K動画のエンコード、プレビューなどを実行できた

ぼくはプロが行う業務レベルの使い方が出来ないため、パーツ選定編にて紹介したPuget Systems社のベンチマーク結果をあらためて紹介します。

プレビューのレンダリング書き出し(エクスポート)手ぶれ補正(ワープスタビライザー)プレビュー

Adobe Premiere Pro CCにおけるパフォーマンスで一貫しているのは、シングルスレッド性能が高いCPUの方が有利で、コア数が多すぎても性能アップに全く貢献しないという点です。

ベンチマーク結果を見て分かる通り、18コア搭載の「i9 7980XE」より14コアの「i9 7940X」の方が発揮できている性能は高い。

というわけでCPUの処理性能とAdobeソフトにおける性能はなかなか相関しづらいため、Adobe側がしっかりとソフトの最適化を進めていって欲しいところだ…。

Titan Xpによるゲーミング性能は流石

Steamの主要タイトルなど12タイトルほどフレームレートを計測した他、定番のGPUベンチマークもいくつか回して「Titan Xp Collectors Edition」の性能を検証した。

しかし、数が多いのと今回のマシンでは想定されていない用途なので、この記事では絞って紹介します。検証した全てのデータを知りたい場合は別記事にてレビューをまとめているので、そちらを見てください。。

黒い砂漠

それなりに負荷の大きいMMORPG「黒い砂漠」

筆者が今もやっているMMORPGです。極めて優れたグラフィック品質が特徴のゲームで、「最高仕様β」を有効化した時の負荷はハイエンドクラスのマシンパワーが無いと快適に動かない。

そんな黒い砂漠もTitan Xpなら非常に快適に動かせる。

  • 中間設定:177.4fps
  • 最高設定:144.3fps
  • 最高仕様β:130.8fps

どの設定でも平均フレームレートは100をオーバーしている。都市部や人口過密エリアに入ると50fps前後まで落ちるのはどのグラフィック品質でも差は無く。

14コアのi9 7940Xを使っても、この黒い砂漠特有のフレームレート急落は改善できないんですね。その点だけは意外。マシにはなるが、大きくは改善していない感じです。

次は解像度を「4K」(3840×2160)にして検証してみた。結果はこんな感じで、最高仕様βを入れると非常に重たい。それがなければ平均60fps以上で動作できたので流石といったところ。

  • 最高設定:71.3fps
  • 最高仕様β:48.1fps

平均フレームレートはこの通り。

PlayerUnknown’s BattleGrounds

100人参加で最後まで生き残る(=ドン勝)を競うゲーム

アクティブユーザーは驚異の300万人超えのビッグタイトル。日本ではなぜかPUBGのパクリゲー「荒野行動」が人気になっているのが、複雑な気持ちにさせられるゲームである…。

まずは標準的なフルHD画質から。画質設定によってフレームレートのバラツキがやや変化するくらいで、基本的に上限144fpsを出し続けている状態だ。

  • 非常に低い:139.3fps
  • 中間:138.7fps
  • ウルトラ:123.8fps

平均フレームレートはどれも3桁超え。ウルトラでも120fps前後を出せているので、ゲーミングモニターも流石に余裕の運用が可能ですね。まぁ、Titan Xpはコスパが良くないですが。

実用上はあまり意味がないが、一応「4K」(3840×2160)でも検証してみた(= 競技性重視ならフルHDで事足りるため)。

  • 非常に低い:116.4fps
  • 中間:81.5fps
  • ウルトラ:56.7fps

ウルトラにすると平均60fpsを割り込み、重たかった。中間なら60fpsオーバーで良い感じで、非常に低いまで設定を落とすと十分に快適なプレイが実現できた。4Kゲーミングもひとまず可能そうだ。

マインクラフト

全世界で1億2200万本を売り上げている有名なゲーム、マインクラフト。初期状態のグラフィックなら、そこまで重たくないのでTitan Xpなら問題なくこなせて当然。

  • 描画距離16チャンク:694.2fps
  • 描画距離32チャンク:518.0fps

問題なのは…

KUDA(Ultra版)シェーダーを入れた場合です。この件に限らず、多くの人が「グラフィックボードを導入しているのにフレームレートが出ない。」と悩んでいます。

よくマシン性能が足りないのが原因という声も聞くと言えば聞くんですが、「128GBメモリー・14コアのi9 7940X・GTX 1080 Tiを超えるTitan Xp」という圧倒的な環境を持ってしても、この有様です。

  • 描画距離16チャンク:89.9fps
  • 描画距離32チャンク:44.3fps

過去にはGTX 1060、GTX 1070 Tiなど、様々なグラボでマイクラを検証しているが、どれも似たり寄ったりの結果で大幅な改善はできず。謎ですね…。

DaVinci Resolve

パワーウィンドウのみ+ OpenFX+ OpenFX + TNR

パワーウィンドウで補正をする分には、GPUの性能にあまり影響を受けていないためGTX 1060程度で十分に事足りる。しかしOpenFXやTNR(ビジュアルエフェクトなど)を使った複雑な処理になるとGPU性能が発揮される。

GPU性能比国内価格(※)コスパ
Titan V190%6280003305
Titan Xp152%1910001257
GTX 1080 Ti135%106000785
GTX 1080100%82000820
GTX 1070 Ti93%71000763
GTX 107084%59000702
GTX 1060 6GB61%36000590

なるべく高負荷なワークロードを実行する前提で、それぞれのGPUを比較したグラフ(一番右)を表にまとめてみた。

Titan Vは確かに優秀ですが、あまりにも価格が高すぎた。MSRPは2999ドルだが、米国での流通価格は3300~3800ドルほど。NVIDIAは日本でTitan Vを販売していないため、余計に高くなってしまっている。

パフォーマンスをなるべく優先するとしても…、Titan Xpが現実的な落としどころだと思います。

※ Amazon国内価格を参考(2018/2時点)

各ストレージの性能

Samsung 960 Pro 2TBSamsung 960 Pro 2TBSeagate IronWolf 8TB

NVMe接続のサムスン製960 Proの速度は圧倒的。読み込み速度は約3400MB/sで、書き込み速度は驚異の2000MB/s超え。そして960 EVO最大の強みが、4Kサイズの読み書き速度。

SSD項目読み込み書き込み
960 Pro 2TB4KB(Q=32 / T=1)835.5750.5
4KB(Q=1 / T=1)52.87195.7
960 EVO 1TB4KB(Q=32 / T=1)410.8304.7
4KB(Q=1 / T=1)43.67163.6

キューの深さが1だと20%程度しか変わっていないけれど、キューの深さが32であれば2倍以上の速度を実現できています。Intelの3D X-pointを除いて、今のところ最も4Kサイズの読み書きが速いSSDです。

転送するファイルのサイズが細々としていても、逆に大きくても、常に一貫して高いパフォーマンスを出せる。よって今回のように特定のファイルと何度もやり取りをするような動画編集なら、960 Proの価値はそれなりに大きいと評価出来る。

ただ、960 Proは非常に高価なため、今作のように「なるべく最高のパフォーマンスを求める」場合でもない限りは960 EVOでも十分かと思われます。

HDD項目読み込み書き込み
IronWolf 8TBSeq(Q=32 / T=1)239.7225.0
4KB(Q=32 / T=1)2.9532.911
4KB(Q=1 / T=1)0.8832.988
ST4000DM004Seq(Q=32 / T=1)186.9167.7
4KB(Q=32 / T=1)1.6531.606
4KB(Q=1 / T=1)0.6541.613

Seagateの動画編集向けHDD「IronWolf」の性能も確認しておく。

7200回転なので読み書き速度はさすがに速いです。作業用ストレージとして活用しないのであまり関係はないが、4Kサイズの読み書きもST4000と比較して2倍近いパフォーマンスですね。

HDDの動作音はCoresair H100i V2のファン音にまぎれて全く気にならない点も、さすがハイエンドモデルと言ったところかな。

動作温度

CPU温度

OCCTというソフトを使って、CPUに対して強烈な負荷を掛けます(Linpack + ATXモード)。その時のCPU温度推移をHWiNFOというソフトで計測したグラフが以上の通り。

コアによって温度が違っていて、黄色の太い線が全てのコアを平均した温度になる。平均で見ると最大75度に抑えられており、一応Corsair H100i V2(240mm簡易水冷)で冷却は間に合っていることに。

ただ思うのは、単価10万超えのCPUでありながら…なぜ内部にいつも通りのグリスを使ってしまったのか。ソルダリングで仕上げてくれれば、あと5~10度は冷えやすいと思うのだが。

というわけで、定格運用なら全コアに強烈な負荷を掛けても問題なく行けることが分かった。真面目にオーバークロックをするつもりなら、殻割りを施してクマグリス化なりリキプロ化なりしないと厳しそう。

GPU温度

4Kゲーミング時がもっとも高温になった。最大83度に達しており、やはりコレクターズ・エディションとは言え所詮はFE版と同等の冷却性能。あのシングルファン仕様じゃ、このくらいが限界。

90~100度になっているわけではないので、実用上の問題は何もないです。

SSD温度とヒートシンクの効果

1500円ほどでSamsung 960 Proをヒートシンク化した結果、どれくらいの冷却効果があったのか。ここについてちょっとだけ紹介。

Crystal Disk Markで負荷をかけ、HWiNFOでSSD温度を計測したグラフです。見ての通り、ヒートシンクをつけると高負荷時に最大7度も冷えるようになってます。

NVMe SSDはだいたい70~75度を超えてくるとサーマルスロットリングが発生するので、5~7度ほど余分に冷やせるヒートシンクは大いに役立つと言える。

4K & 8K動画編集マシンを作ってみて【感想 / まとめ】

パーツ選定と、品薄で割高な国内市場

パーツ選定はやや大変でした。色々な選択肢がある中で、メールで何度もやり取りしながら決めていったので、本当に「選定」という感じだった(もちろん、この工程は大好きです)。

もう一つ気になったのは個人で今回のようなハイエンドマシンを作ろうとすると、国内でのパーツ調達がそれなりに難しいということ。メモリが高騰しているのは仕方がないとして…。

Titan Xpの国内価格の推移。だいたい22万円前後で流通しています。

NVIDIAの日本市場に対する冷遇ぶりが少し悲しいです。Titan Xpも、Titan VもNVIDIAの公式サイトで販売されているモノですが米国へ発送しているのみで、基本的には在庫切れ。

在庫が流通しているAmazon.comを見ても、MSRPより2~5割も高い価格で取引されていて、頑張って輸入したとしても…色々込みで結局あまりお得感の無い価格になってしまうし。

自作歴17台のやかもち
たった今「Titan Xp Collectors Edition」を見ると22万円。19万で2個拾えてある意味ラッキーでした。

意外と最適化が進んでいないAdobe系ソフト

デュアルソケットのXeon E5系や18コア搭載のCore i9 7980XEよりも、14コアの「i9 7940X」がAdobe Premiereでベストパフォーマンスを発揮していることから分かる通り。

Adobe系ソフトの最適化が意外と進んでいないのは驚き。多コア対応はかなり難しいと言いますが、今後8K動画は確実に無視できない分野※になるはずなのでAdobeにはマルチコア対応を頑張って欲しい。

としか…言いようがないですね。

※ 一応、早くて2018年末には8K放送が日本で始まるらしい。

自作歴17台のやかもち
8コアまでは良い具合なんです。しかし4K以上の動画を編集するには8コアではやや無理がある。今後の最適化に期待かな。

Core i9の取り付けはやや怖い

LGA 2066はLGA 3647やSocket TR4(=4094ピン)ほどではないにしろ、結構大きい。なにより非常に高価なCPUなので、LGA 1151と同様のいつも通りの取り付け方法はそれなりに恐怖感がある。

Ryzen Threadripperに採用されている機械的な取り付け方法ならもっと安心できるのに。インテルとしては2000ピン程度ならそこまでする必要はない、という判断なんだろうが。

自作歴17台のやかもち
CPUを固定する時のロックがかなり硬いので、変な汗をかきます…

今回使ったPCパーツの評価

パーツ構成 & 評価
CPUCore i9 7940X現時点における、Adobe Premiere / After Effect / Davinciの最適解。これ以上コア数を増やしても、実行処理性能は上がるどころか…むしろ下がることも。
CPU冷却Corsair H100i V2取り付けしやすく、14コアのi9 7940Xを定格運用するには十分な冷却性能。ただ付属のファンは2000rpmを超えると、それなりにうるさいので静音を狙うならCorsair Linkから調整が必要。
グリスThermal Grrizly Kryonaut「MX-4」の完全上位互換。優れた冷却性能とポンピング性能を両立する、優秀なグリス。価格はやや高いですが、相応の価値がある。
GPUTitan Xp Collectors EditionさすがにGeForce 10最上位。性能に関しては、ほぼ不満がない。国内未流通でかなり割高になっている点が最大のデメリット。
メモリG.Skill DDR4-3200 128GBXMP有効化で容易に3200Mhzで動作可能。クアッドチャネル & 8枚運用ですが、不安定なところはなく問題なく動いている。現時点では満足です。
M/BASRock X299 Taichi XE様々なコンポーネントや、オーバースペック気味な電圧周りなど。コスパよくまとまっている印象を受けた。相変わらず音質も良いですし、USB 3.1 Gen2の転送速度もなかなか速い。特に不満がないですね。
SSDSamsung 960 ProNVMe SSDで唯一、2TBの個体があるモデル。Intel 3D-Xpointには及ばないが、それを除けば現時点で最高性能のSSD。
SSD冷却SS-M2S-HS01ヒートシンク実装前と比較して、高負荷時に最大7度もよく冷えた。今回のように、アプリケーションの作業用フォルダをSSDに振り分ける場合は負荷がかかるためヒートシンクは必須と言える。
HDDSeagate IronWolf 8TB容量8TB。RVS搭載かつ7200rpmというハイスペック仕様。それが3万円を割っているのでコスパは抜群。実際の読み書き速度も、200MB超えで十分に速いし、動作音もCPUクーラーのファン音にまぎれるほどでした。
BDドライブPioneer BDR-211JBKまじめに動いている。XL対応なら、基本これで良いと思います。
電源ユニットCorsair RM850x静かです。目立った問題も皆無。フルモジュラー式はやはり便利。10年保証もあるため、一定の信頼性は十分に担保されている。
PCケースDefine R6 Black広々としたケースで、配線がしやすくエアフローも通しやすい。作りもよく、側面の剛性もかなりのもの。良いケースです。今回はあまり活用していないが、マウントベイを自由に動かせるので色々な構成を練ることが出来るのもメリット。

どれもハイエンド仕様のパーツなので、基本的に不満はほとんど無い。コストを掛ければやっぱり「いいモノ」が出来る例になったと思います。

以上「【自作PC】予算100万円で作る、4K & 8K動画編集用マシン」について書きました。4K以上の解像度で動画編集を考えている方の参考例になれば幸いです。

協力:株式会社トレンドフィクス

今回の記事はトレンドフィクスさんの協力なしには実現できなかった記事なので、少しだけトレンドフィクス社について紹介をさせていただきます。

トレンドフィクス社は和歌山に本拠地を置く企業で、主に「映像制作」の事業を行っている。最大の特徴は「価格破壊」とも言われるほどの低価格さ。そのコストパフォーマンスの良さゆえに、全国からMV製作・企業VP製作などが舞い込んでくるとのこと。

パッと調べた限りでは、例えば拘束時間が2時間の「撮影」であれば基本料金だけで4~5万掛かる業者が多い中…、トレンドフィクスさんなら最安1.5万円から請け負ってくれたり。安価に動画を作って欲しい、広告宣伝費を抑えたいと考えている方は検討する価値アリ。

他にもある「自作PC」ガイド記事

Ryzen Threadripperで自作

16コア搭載の「Ryzen Threadripper 1950X」を使って製作した、計算処理用のマシン。Ryzen TRで自作してみたいと考えている人にオススメの記事です。組み立ても解説してます。

ゲーミングマシンを自作

インテル最新の第8世代「Coffee Lake」を使った、王道のゲーミングマシンを作ってみたい方はこの記事を参考に。予算15万で大抵のゲームが最高画質で動くよ。

わずか5万円でなんとか動くゲーミングPCを作る話。あまりオススメはしない。7~8万円くらい掛けたほうが、もっと快適なマシンを作れるので。5万で良いマシンを作るには、もう少しハードの進化を待たないと…。

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12 件のコメント

  • 登録者100万人超えYouTuber用ますぃーんを更にパワーアップさせたような印象ですね。
    (それかiMac Proを18コアCPUなど、最強状態にカスタマイズしたやつか)

    ところでCorsairの電源でメジャーなCXM系とRMx系のやつだと、値段も結構差がありますし、安定性や静穏性などで結構差がついてますか?

    • CXもRMも、中身は台湾CWTのOEMで、使われているコンポーネントの品質が価格差に響いています。
      「安定性」については、自分で負荷検証をしている間は特に問題なかったです。動作音も、ぶっちゃけCorsair H100i V2の方が大きいので紛れてしまって気にならないレベル。だから静音性も優秀かと。

      あと、自分の経験ではないですが。マイニングファームを運営しているような人たちは、やっぱり安い電源と高い電源では故障率に明確な差が出るとのこと。
      100~500台規模の運用だと、1年の運用で安物はちょくちょくガタが来て、強制シャットダウンや酷い場合は一切起動しなくなる…具合。

      消費電力の大きいシステムを、長時間運用するなら高い電源には価値があると言えます。

  • 楽しく読ませていただきました。
    一点、気になったのがfpsの推移や温度の推移で用いられているグラフに単位表記がないことが・・・。文を読めば時間軸と温度・fpsというのはわかりますが(笑
    予算100万前後の組み立てはなかなか見られないので、とても勉強になりました。いつか自分で夢のマシンを作ってみたい・・・

  • 楽しく読ませてもらいました。で、思ったのがこの1本の記事書くのに一体何時間かかったんすか?って

  • >NVIDIAは日本でTitan Vを販売していないため、余計に高くなってしまっている。

    一応転送業者を使えば、全部コミコミでも38万円ほどで入手可能らしいですけどね。

    そういえば管理人様は個人輸入等はされないのでしょうか?

    • 自前で自作をやるならアリかな~と思ってます。あとは、個人輸入するに値する差額があるかどうか。最近はグラボの品薄で、むしろ米尼の方が高いという状況なので…なかなか挑戦してみる機会に巡り会えてません。

      • レスありがとうございます。

        米尼ではグラボもそうですが、SSDやメモリも狙い目ですよ。たまのタイムセールで国内価格より相当安く入手できる時もありますし、時には日本国内市場で在庫切れになってるものが残ってたりもしますんで定期的に巡回されてみては。

        安さを抜きにしても、国内未発売品を手に入れられるのは何にも代えがたいメリットですよ。

  • Adobe 関連の話が凄く参考になりました。

    思ったのはデュアルCPUとかの方がいいのではないかと。
    レンダラーはマルチスレッド対応だったと思うので。

    • レンダリングは、マルチスレッド性能が効きやすいですね。Cinema 4DやBlenderを高速化するなら、デュアルCPUも良いと思います。
      最新の「Xeonスケーラブル・プロセッサー」はかなり高価なので、コスパ的にはCore i9を1個買ったほうが良さげな感じはしますが。

  • 大変参考になりました!
    当方もAdobeをメインとした4K8K編集機を運用してします。すこし気になったのが、SSD領域が1ドライブ分しかないことです。OS用の領域はSATAのSSDで十分なのでこれを追加することと、Adobeに関しては素材領域とは別にキャッシュのSSD領域も別領域で確保すると安定性がぜんぜん変わってきます。欲をいえばプレビューレンダリングの展開先SSDもあると便利です。

    • なるほど確かに…OS用はSATA SSDで済ませて、Adobe用にNVMEを使えばもう少しコスパよく作れましたね。
      参考になるコメントありがとうございます。

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