ポータブルSSDの売れ筋はどうやら某闘牛メーカーのようですが、あえてSeagateのポータブルSSD「One Touch SSD」を購入してみた。他メーカーでは珍しい、ビビッドでカラフルな個性派デザインと、割とコスパの良い価格が理由です。
ベンチマークも含め、軽くレビューしてみます。
One Touch SSDのスペックと仕様
One Touch SSDの仕様 | |||
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モデル | One Touch SSD | One Touch SSDSpecial Edition | |
素材 | ウーブンファブリック | プラスチック | |
容量 | 500 GB | 1 TB | 500 GB |
形式 | exFAT | ||
性能 | 最大400 MB/s | ||
保証 | 3年 | ||
参考価格 | 8061 円 | 14949 円 | 8061 円 |
One Touch SSDは「デザイン」と「値段の安さ」を重視したポータブルSSDです。だから製品スペックに書いてある情報は限られていて、SSDの書き込み耐性(TBW)も分かりません。
性能も「最大400 MB秒の転送速度」とだけ書いてあって、読み込み性能や書き込み性能など、普通のSSDなら記載して当然のスペック値のほとんどが不明。実際の性能は、実際に使ってみるまで不明です。
デザインは優秀でカラーリングも豊富
スペックはいろいろと不明点が多くて印象悪いですが、デザインはとてもよく出来てます。高級品っぽいデザインなら「Samsung SSD T5」に分があり、カジュアルでオシャレな雰囲気は「One Touch SSD」の圧勝です。
通常モデルのOne Touch SSDは、ウーブンファブリックを使った布のような素材感で、ブラックとホワイトの2色。今回購入したSpecial Edition(迷彩柄)は、グリーン、グレー、レッド、ブルーの4色用意されています。
ただし、迷彩柄の方はファブリック素材ではなく、よくあるプラスチック製です。
One Touch SSDを開封レビュー
カラフルなパッケージング
Seagateあるある。パッケージに日本語が一切ないので、パッと見だと並行輸入品のように見えます。でも、Special Editionは「Amazon.co.jp限定商品」なので、並行輸入品ではないです。
反対側にOne Touch SSDの説明について、「小さなドライブ 圧倒的なストレージ容量 Windows および Mac用のSSD」と日本語で書いてありました。
付属品について
One Touch SSD本体と、短いUSBケーブルと説明書が同封されています。モノだけでなく、サービスも付属しているので興味のある人は使ってみていいかも。
- 1年分のMylio Createプラン
- 2ヶ月分のAdobe Creative Cloud Photographyプラン
「Mylio Create」はSeagateが運営しているクラウド上のバックアップサービス。他にも様々なクラウドサービスがあるので、あえてSeagateが始めてばかりのサービスを使う必要は特にないですね。
「Adobe Creative Cloud フォトプラン」は、Photoshop、Lightroom、Lightroom Classicが使えるサブスクプラン(月額980 円)です。定番の写真編集ソフトが2ヶ月無料で使えるのは、なかなか魅力的。
迷彩柄のおしゃれなデザイン
製品写真だとクリムゾンレッドをイメージしてましたが、実物はどちらかと言うとピンクに近いカラーです。
側面はピュアホワイトで統一されています。ピンクと白でとてつもなく「かわいい」感じです。
本体の側面にMicro BタイプのUSBコネクタがあります。底面に迷彩柄はなく、シンプルに真っ白なデザインの上に、CEマークなど世界各国の安全基準合格シールが貼ってありました。
超小型 & 超軽量で持ち運びも余裕
さっきの写真だと距離感のせいでOne Touch SSDの小ささが分かりにくいので、他のモノとサイズ感を比較してみた。
スマートフォンの半分以下の面積しかありません。横幅はクレジットカードと同じで、縦幅はクレカより少しだけ短いです。
マンガ単行本、3.5インチHDD(内蔵HDD)と重ね合わせてみた。サイズ感は圧倒的に小さく、「ポータブルSSD」の名前通りのコンパクトさです。
シンワ測定のデジタルノギスで、サイズを計測します。縦幅は約7.5 cmです。
横幅は約5.5 cmです。
厚みは約9.9 mmで、ギリギリ1 cmを下回ります。
付属のUSBケーブルと本体を合わせて、重量はわずか62 gです。
付属のUSBケーブルでつなぐ
付属のUSBケーブルは、白色でパラコード風の加工が施されています。パラコード風の加工のおかげでファブリック素材のような雰囲気になり、ちょっとだけ高級感アリ。
ケーブルの規格はもちろん「USB 3.0」で、最大5 GBpsの転送速度に対応。コネクタ形状は「USB Micro B」から「USB Type A」です。MacBookで使う場合は、別途USBハブが必要ですね。
SSD側面にMicro B端子があるので、そこにUSBケーブルを挿し込みます。
ノートパソコン(IdeaPad S540)に接続してみた。「ケーブルを取り回す分だけジャマになる」という意見もありますが、SSD本体の置き場所を変えれば解決するので大した問題ではないです。
One Touch SSDの性能をベンチマーク
テスト環境
テスト環境「ちもろぐ専用ベンチ機」 | ||
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CPU | Core i9 9900K | |
CPUクーラー | 虎徹Mark II | |
マザーボード | ASRock Z390 Phantom Gaming 6 | |
メモリ | DDR4-2666 8GB x2 | |
グラフィックボード | RTX 2060 | |
SSD | SATA 500GB使用SSD「Samsung 860 EVO」 | |
電源ユニット | 1200 W(80+ Platnium)使用モデル「Toughpower iRGB PLUS」 | |
OS | Windows 10 Pro 64bit検証時のバージョンは「1903」 |
ちもろぐ専用ベンチ機(自作パソコン)のUSB 3.1 Gen1コネクタに挿し込み、One Touch SSDの性能を軽くテストします。
パソコンに接続すると、すぐに認識されました。本体デザインとまったく同じボリュームアイコンが付いているので、見つけやすいです。
空き容量は465 GBで、フォーマット形式は「exFAT」です。WindowsとMacのどちらでも、何も設定せずに最初から認識します。
なお、PS4でゲームを起動する用に使う場合は、exFATでは無理なので以下の記事を参考にフォーマットし直してください(※単なるバックアップドライブとして使うならexFATで大丈夫)。
Crystal Disk Info
Crystal Disk InfoでSSDの情報をチェック。製品名は「Seagate SSD」と表示され、中に入ってる具体的なSSDは不明です。
Crystal Disk Mark
転送速度のスペック値は最大400 MB/sです。実際には、読み込みが460 MB/s前後も出ていて、公称値を大幅に超える性能を発揮します。
しかし、書き込みは速くても139 MB/sで、テストサイズを16 GiBにすると約70 MB/sに落ち込みます。読み込みは速くて、書き込みは遅い。典型的な安物SSDによくあるパターンです。
比較 | One Touch SSD | WD My PassPort |
---|---|---|
読み込みシーケンシャル性能 | 463.7 MB/s | 111.0 MB/s |
書き込みシーケンシャル性能 | 139.0 MB/s | 110.6 MB/s |
読み込みランダムアクセス性能 | 17.9 MB/s | 0.5 MB/s |
書き込みランダムアクセス性能 | 3.2 MB/s | 1.3 MB/s |
それでもSSDの性質上、ランダムアクセス速度は小型ポータブルHDDと比較にならないほど圧倒的に高速です。
ファイルのコピー速度
「パソコン → One Touch SSD(書き込み)」、「One Touch SSD → パソコン(読み込み)」の双方向で、約9 GBのファイルコピーに掛かった時間を計測しました。
約9 GBのファイルをコピー | ||
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コピー内容 | 転送速度 | 完了時間 |
読み込み | 300 ~ 362 MB/s | 28.85 秒 |
書き込み | 61 ~ 111 MB/s | 137.31 秒 |
結果はこちら。読み込みは約300 MB/s前後でそこそこ速いです。一方、書き込みはやはり遅くて、約1.6 GBコピーした時点で性能が111 MB/sから61 MB/sにまで低下しました。
読み込みはポータブルHDDの約2~3倍、書き込みはポータブルHDDとそれほど変わらない性能です。
SSDの温度をチェック
フリーソフト「HWiNFO」でSSDの温度を確認できますが、残念ながら「33℃」固定表示で役に立たないです。
サーモグラフィーカメラで、本体の表面温度を撮影。中央は36~37℃で、USBコネクタに近い位置だと40℃超でした。とても大人しい温度で、動作に問題はありません。
それほど高性能なSSDではないため、発熱も控えめになりやすいです。だからコストカットのために温度センサーを省略しても、実用上は大丈夫でしょう。40℃程度でSSDは壊れません。
まとめ:かわいい & 超小型なポータブルSSD
「One Touch SSD」の微妙なとこ
- 温度表示は「33℃」固定
- 書き込み性能が遅い
- スペック情報が少ない
ポータブルSSDとして、価格はかなり安い方です。だからコストカットの影響で、ダメな部分はやはり目立ちます。
SSDが表示する温度は「33℃」固定で役に立たないし、書き込み性能は速くても140 MB/sで、ちょっと大きいファイルを扱うと60 MB/s程度まで落ち込んでしまいます。格安SSDと大差ない、難ありな性能です。
あと、Seagateの公式サイトに掲載されている情報が少ないのは、どうかと思います。正直に「読み込みは400 MB/s、書き込み性能は140 MB/sくらい」と書いてくれると親切ですが、まぁ普通は記載しません。
「One Touch SSD」の良いところ
- 超コンパクト & 超軽量
- 迷彩柄のデザインがかわいい
- 読み込み性能は問題なし
- 高負荷時でも大人しい温度
- 落下と衝撃にとても強い
- デザイン性の割に手頃な値段
- コストパフォーマンス良し
それでも、実際に購入していろいろと使ってみた筆者は「One Touch SSD」に満足しています。性能は確かに「難あり」と言わざるを得ませんが、それ以上に手頃な価格で「かわいいデザインのSSD」が買えるのが嬉しいです。
持ち運びが苦にならない、圧倒的なコンパクトサイズも大きなメリット。クレジットカードより小さく、重量はケーブル込でわずか62 gです。SSDなので落下と衝撃に強く、万一に落としても簡単には壊れません。
まとめると、One Touch SSDはコストパフォーマンスに優れた、デザイン性に特化したポータブルSSDです。可愛いデザイン、カジュアルなデザインのポータブルSSDを探しているなら強くオススメできます。
以上「Seagate One Touch SSDをレビュー:性能は難あり、だが可愛いので許せる」でした。
「One Touch SSD」を購入する
One Touch SSDはAmazonで購入できます。
ちもろぐ専用ベンチ機
いつか、こんなモンスターマシンを所有してみたいです!
性能は流石に…だけど大きさや付属サービス、デザインで見れば十分選ぶ価値ありますね。
フォトプランとはいえ月1,000円近いサービスの2ヶ月間分付いてくるのは結構魅力的かも。
中身はm.2が入っているかと思っていましたが、長辺側からケーブルが出ているので2.5インチSSDのハーフ基板+USB変換ですかね!?
目がチカチカしそうな色ですな……
チェーンソーマンいいよね、、、、、
チェンソーマン最高です・・・、新巻が出るたび即買いしてます。