中華ガジェット界では割と有名な中国メーカー「CHUWI」が日本Amazonにも進出し、さっそく人気商品の一つである「CHUWI Hi10 Air」を販売開始。2万円台で購入できる格安ノートパソコンは、良いモノなのかどうか。詳しくレビューしてみる。
CHUWI Hi10 Airの仕様 / スペック
CHUWI Hi10 Air | |
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OS | Windows 10 Home 64bit |
CPU | Intel Atom x5 Z83504コア / 4スレッド / 1.44 ~ 1.92 GHz |
メモリ | 4 GB |
GPU | Intel HD Graphics (Cherry Trail) |
SSD | 64 GB / eMMC規格 |
HDD | – |
光学ドライブ | – |
各種ポート |
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無線LAN |
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ディスプレイ |
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カメラ |
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バッテリー | 6500 mAh |
サイズタブレット本体 | 26.18 x 16.73 x 0.85 cm |
重量 | 562 g |
保証 | 12ヶ月 |
参考価格 | 23500 円タイムセールで2万円以下に |
価格は19800 ~ 23500円の範囲で販売されています。2万円台の格安ノートパソコンなので、スペックも当然やや心もとない感じですが、価格を考えればかなり頑張っている内容だと思う。
さて、気になるところは2万円台(時には2万円すら割る)の超低価格で、どこまで使えるモノに仕上がっているのかどうか。詳しくレビューしてみよう。
てっきり商品名に「2 in 1」と書いてあるし、実際に2箱入って届いたため、なかなか気づきませんでした。コメントで指摘をいただき確認したところ、通常は「Hi10」シリーズにキーボードは付属しないようです。
なぜ自分のに付属していたのか謎ですが、普通は付属しないので注意してください。ちなみにCHUWIの10.1インチ対応の専用キーボードは以下の製品が該当します。
地味に高い…。ノートパソコンという形状にこだわらないなら、Bluetoothキーボードなどで代用したほうがコスパは良さそう。
CHUWI Hi10 Airを開封レビュー
パッケージングはしっかりしてる
パッケージングはダンボール色のシンプルな箱で、見ての通り頑丈な梱包材でしっかりと保護されて届きました。
梱包材から頑張って引っ張り出すと、箱は2個ありました。
内容物と付属品をチェック
そう、CHUWI Hi10 Airは「2 in 1」タイプのノートパソコンなので、タブレット本体とキーボードに分裂しているのです。だから2箱あるんですね。
タブレット本体の方を開けてみると、更に緩衝材でハンバーグ状態になって保護されている。指で引っ張ってもなかなか出てこないので、振って慣性の力を使ってなんとか取り出す。
これが、Hi10 Air本体です。表面には保護フィルムが貼ってあります。
- Hi10 Air(タブレット)本体
- 専用キーボード
- USB Type-C形式の充電器
内容物は以上の3点ですべてです。
組み立て & 外観をじっくり観察
タブレット本体とキーボードを組み合わせて、ノートパソコンに組み立てます。キーボード側にマグネットがあるので、そこへ向かってタブレット本体を挿し込むだけで完成。
こうなります。2万円にしては、驚くほど安っぽさの無い筐体(シャーシ)デザインが驚き。アルミ合金のシャーシが使われていて、表面は指紋がつきにくいようにつや消し加工が施されている。
横から見ると、シュッとしたデザインがスタイリッシュです。シャーシに妙な歪みやキズもなく、加工精度に特に問題は感じない。
天板はこんな感じ。ロゴマークは薄っすらと控えめにマットプリントされているのが良い。黒い丸は200万画素のリアカメラです。Windows 10のカメラアプリを使って撮影できる。
底面はこのように、四隅に滑り止めマットが取り付けてあるだけで、排気口やスリットは一切見られない。要するに、Hi10 Airは「ファンレス仕様」のノートパソコンなんです。完全無音の動作に期待できます。
持ち運びに困らない「薄型軽量」
横幅はだいたい26 cmで、奥行きは17.4 cmでした。A4用紙が横幅29.7 cm / 奥行き21.0 cmなので、Hi10 Airはそれよりも小さいサイズ。大抵のバッグに問題なく入り切るコンパクトさです。
厚みは、ヒンジ側が1.8 mmで、手前が1.5 mmです。最近のノートパソコンの中では「そこそこ薄型」な部類ですかね。超薄型というわけではない。
ついでにキーボードの「キーピッチ」も、0.01mm単位で計測できるデジタルノギスを使って測ってみた。結果は16.68 mmで、やや狭め。10.1インチの小型ノートパソコンなので、妥当なキーピッチだとは思う。
重量は、ノートパソコン状態で実測して「1107グラム」でした。タブレット本体は562グラムで、キーボードは545グラムです。非常に軽い。
充実のインターフェイス類
- USB 2.0
- Micro SD(最大128 GBまで)
- USB Type-C
- Micro USB
- Micro HDMI
- 3.5mmプラグ
- USB 2.0
- 電源ボタン
- 音量ボタン
- リアカメラ
低コストな薄型ノートパソコンとしては、意外とインターフェイスが充実している。ただし、USB 2.0コネクタの給電能力はかなり弱く、ポータブルSSDは起動すらしてくれませんでした。
なお、USBメモリーやマウスとキーボードといった、消費電力が非常に低い外部デバイスならは問題なく動いてくれます。
CHUWI Hi10 Airの性能を検証する
搭載されているプロセッサはIntelの「Atom x5 Z8350」。薄型軽量かつ、低予算向けのタブレットやノートパソコンで多用されている格安CPUの一種ですね。消費電力はたったの2Wしか無いのが強み。
消費電力が2Wしかないということは、それだけ発熱も少ない。だから、Hi10 Airはファンレス設計というわけ。とりあえず熱の検証は後でするので、まずは性能から見ていきます。
CPU性能はかなり低い
Atom x5の性能は…期待するべきではないですね。各種ベンチマークを回してみると、かなり低い数値が出ています。PCMark 8(オフィスワーク)は完走に数時間を要したくらいです。
体感では、ブラウザ(Chrome)を見ながら、同時にソフトのインストールをすると、やや苦しいレベル。ブラウザ単体で調べ物をしたり、Youtubeを見る分にはそれほど苦労しません。
ちなみに、このノートパソコンでゲームをしようと考える人は稀だと思うが、一応「マインクラフト」(描画距離8チャンク / Optifine導入済み)がスムーズに動くレベルです。
16チャンクにすると途端にガタガタと重たくなる。最新の3Dゲームを動かすのは、たとえ設定を最低にして解像度をHDにしても、まず無理ですね。マイクラや、軽いブラウザゲー(僕の紙飛行機など)なら出来ます。
HDDより数十倍は速い、eMMCストレージ
ストレージの詳細 | ベンチマーク速度 |
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ストレージのメーカーは不明。速度を計測してみると、シーケンシャル速度は読み込みが150 MB/sで、書き込みは105 MB/sでした。薄型HDDと同じくらいの速度ですね。
そして、体感レスポンスに大きな影響を持つランダムアクセス速度は、読み込み10.74 MB/s・書き込み17.22 MB/sと、HDDより10~20倍も高速。Windowsの起動は10~13秒くらい。
ファイルコピーはHDD並だが、実際の使い心地はSSDのそれにかなり近い印象を受けた。
驚くほど高品質でキレイなディスプレイ
ディスプレイは中国BOE製のIPSパネル採用。解像度は1920 x 1200の横長フルHDで、画素密度は224 ppiです。普通のデスクトップ向けモニターがだいたい90 ~ 100 ppiなので、だいぶ高精細に見えます。
ただし、人によっては10.1インチの画面にフルHDを表示させると、見にくい可能性はある。その場合はWindowsの設定で、拡大表示すればOK(※初期設定では200%表示になってる)。
IPSパネルなので視野角は良好。どんな角度から見ても一貫してキレイな色を出力してくれる(カメラで撮影すると、角度によってかなり暗く映るけど、人間の目で見る分には問題なし)。
次はディスプレイの質をもっと客観的に調べるため、「X-Rite i1 Pro 2」(分光測定器)を使って、Hi10 Airのディスプレイ品質をチェックしてみる。
黒い部分の輝度は0.230 cd/m2で、コントラスト比は523.763と出た。IPSパネルの割には、随分と黒がはっきりと出ている印象。
表示できている色域は、標準的な基準である「sRGB」で98.6%になった。更に厳しい基準の「AdobeRGB」を相手にすると、カバー率は72.8%に落ち込んだ。ただ、ノートパソコンのディスプレイにしては優秀…。
いや、ちょっと優秀な数値が出すぎているので、時間のある時に再検証します。
パネルの設定値ごとに、実際の輝度(cd/m2)を計測した結果はこちら。33%設定で、ちょうど良い輝度とされている「120 cb/m2」に達する。範囲は47 ~ 321 cb/m2と、十分な輝度範囲だと思います。
バッテリー持ちは割と優秀
ディスプレイの輝度を50%に、電源モードは「より良いバッテリー」に設定して、Youtubeで10時間の動画を再生しながら放置します。計測にはBatteryInfoViewを使い、ログをグラフ化するとこの通り。413分で残量3%になりました。
約7時間ほど持ったことになる。CHUWIの公式スペックには「動画再生で最大4時間」と記載があったけれど、実際にはもっと持つようですね。
不便しない低発熱なシャーシ
CPUやメモリなど、コンポーネントが詰まっているのはタブレット側なので、そちらを中心にサーモグラフィーで発熱をチェック。
発熱はCPUが入っている方に偏っている。冷えている方は30℃に満たないほどで、温まっている方は42℃くらいでした。特に不便することはない発熱です。
ディスプレイ側も同じような発熱になっていて、だいたい30℃前後。もっとも熱いところで45℃ですが、上端の方なので何の問題もなし。
キーボード側は熱源が無いため、ほとんど気温と同じ25~26℃くらいだった。キーボードが全く発熱しないので、膝上で使う場合も余裕です。熱で蒸れる心配はゼロ。
「CHUWI Hi10 Air」レビューまとめ
Hi10 Airの微妙なとこ- クリエイティブなタスクや3Dゲームは厳しい
- タブをつけすぎると重たくなる
- USBポートはポータブルストレージを動かせない
- (個人的に)英語キーボードは慣れが必要
- 2万円台では最高のスペック仕様
- コストパフォーマンスは良い
- 安っぽさの無いアルミ製シャーシ
- 1107グラムの軽量さ
- 体感動作は良好なeMMCストレージ
- ネットや動画視聴には困らない性能
- 値段以上のIPSディスプレイ
- 用途に対して事足りる4GBメモリ
- 意外と持つバッテリー
- 豊富なインターフェイス類
モノとしての出来栄えは非常に優秀です。主な不満は「性能」に集約されるけれど、2万円のノートパソコンに求められている性能って、基本的にゲームやクリエイティブなソフトでは無い。
タブレットの延長という感じで、ネットを見たり、あるいはブログを書いたり、YoutubeやMedia Player Classicで動画を見たりするのがメインの用途になる。そういった軽いタスクに対しては、十分な性能があります。
あと、意外だったのがディスプレイの品質。色域範囲は再検証の予定だけれど、基本的にはかなりキレイです。目視で見て「白っぽい」とか「色の区別がおかしい」とか。そういった質の悪さは全く見られないから驚きです。
コスパの良い「メディア再生機」としておすすめ
というわけで、格安でそれなりにマトモな「メディア再生機」を求めている人に、おすすめなノートパソコンですね。粗探しをすれば、細かい部分で気になるところはあるけれど、「安さ」がだいたいチャラにしてくれます。
サイバーマンデーセール対象になる予定
日本での定価は23500円ですが、12月7日から開催されるAmazonのビッグセール「サイバーマンデー」にて、Hi10 Airもセール対象になっています。
- 定価:23500円
- 普段のセール:19975円(-15%)
- サイバーマンデー:18800円(-20%)
値下げ幅は20%で、普段のタイムセールで行われている15%よりもデカイ値下げになります。
もし購入予定なら、Amazonの「ほしいものリスト」に入れておくと便利。タイムセールが始まると、スマホに通知を送ってくれる(※Amazonのアプリが必要)。
というわけで、以上「2万円の格安ノートPC「CHUWI Hi10 Air」をレビュー:ネットや動画視聴には十分な性能」でした。
Cinebench R15の結果シングルマルチが逆ですよ。
あ、修正しました。ご指摘ありがとうございます(_ _)
いや、合ってますよ
>解像度は1920 x 1200の横長フルHD
縦長では?
Type-C端子についてですが内部はThunderbolt3でしょうか、それともUSB3.1gen2ですか?もしくはusb-pdですか?
サイズ見間違えてますよ
これキーボード別売りでは?
ご指摘ありがとうございます。
「重要な追記」として、記事序盤に追記しました。
付属していたのは提供品だからなのでは
CHUWI のタブは使ったことあるけど
Windowsだから当然のこと
PCが分かっている人、割り切って使える人には
コスパの良いマシンです
(結局スペックなんてCPUとグラとメモリとストレージ依存だからね)
欠点もあって
メーカーサイトのドライバの更新がクソだったり(自分で探すしか無い)
下取りが二束三文なのは残念なところです
まぁCHUWIを買おうと思っている人は
そこそこPC歴のあるユーザーでしょうから
特に問題はないかと
ただオレとしてはリピートはないな
(本体が悪いわけではなく、サポートと下取りを考えると
有名メーカーの機種を買う方が安くつく)
リモート用のタブPCを探しています。
Atomでもリモート機としては遅延なく快適に使えるでしょうか?
「Splashtop Personal(有料版)」では特に問題なかったです。
んん!?あれ?ドンキのジブン専用&タブレットPC3とほぼ同じ外見している?
値段は定価だと高いがeMMCが64GBだと?セールだと同じ・・・?
とりあえずこっちで質問すればよかったか。
しかし自分用に買うとしたら定価の値段でいいから最低eMMC64GBのメモリ4*2ディアルチャンネルでWindows10タブレットが欲しい所、ドンキがんばれ。
> んん!?あれ?ドンキのジブン専用&タブレットPC3とほぼ同じ外見している?
ノートパソコンはかなりOEMが多いですよね。ゲーミングノートも、よく見ると似たようなデザインで溢れています。
OEMってなんでしょう?メーカー?
ノートパソコンはいろいろありますけど、実際に作ってるメーカーは限られている…ということです。たとえば、ドスパラやG-Tuneのゲーミングノートは「Clevo」というメーカーが製造していた記憶があります。