メモリー容量は8GB、16GB、どれくらいがちょうど良いのか?

2017年はメモリーが非常に高騰していて「4GBと8GB」ならともかく、「8GBと16GB」だと悩んでしまう人も多い。では…実際のところ、パソコンに入れるメモリーの容量は8GBか16GBかの違いで、どれくらい性能に影響をあたえるのだろうか。

ということについてまとめてみました。

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メモリー容量が多いメリット

8GBを2枚組にして合計16GBで稼働するデュアルチャネルメモリ

一般的にメモリーは「パソコンが仕事をする時、その仕事を処理するために必要なデータを一時的に保存しておく場所」という説明がなされます。

イメージとしてはこの画像が分かりやすい。メモリー(机)の容量が大きいほど、一時的に置いておけるデータ(本屋や書類)が大量になります。机の面積が大きいほど、CPUが同時にこなせる仕事の量は大きくなる…と言える。

なお、勘違いしてはいけない点は「メモリーが大きいほどパソコンの処理が速くなるわけではない」ということ。同時に処理できる仕事が増えるだけであって、仕事のスピード自体は変化しないので要注意だ。

メモリー容量「4GB 対 8GB 対 16GB」

そうは言っても、やっぱりメモリーの容量が多いと実際のところパフォーマンスに影響があるのかどうか。気になるし、実際にメモリーを買うんだからデータとして知っておきたい。以下の海外データを参考にまとめます。

検証に使われた環境 Part1

  • CPU:Intel Core i7-6700K
  • マザーボード:Asrock Z170 Gaming K6+
  • GPU:GeForce GTX 980 4GB
  • SSD:Crucial MX200 1TB
  • OS:Windows 10 Pro 64bit

基本的なスペックは必要十分な水準ですね。

  1. DDR4-2666 8GB x2(16GB)
  2. DDR4-2666 4GB x2(8GB)
  3. DDR-2666 4GB x1(4GB)

検証するメモリーは以上の3つ。1枚刺し※の4GB、2枚刺しの8GB、2枚刺しの16GBです。ちなみにメモリーは1枚刺しよりも2枚刺しのほうが高速ですが、メモリーのスピードはあまり性能に影響を与えないので気にしなくて大丈夫。

※専門用語では、1枚刺しをシングルチャネル、2枚刺しをデュアルチャネル、3枚ならトリプルチャネル、4枚ならクアッドチャネルと呼びます。最近は8枚刺しのオクタチャネルも存在する。

なお、メモリークロック(メモリーの速度)がパソコンの性能にほとんど影響がない。という点について「本当なの?」と気になる人は以下の記事もついで読むのがオススメ

Adobe Premier CC

Adobe Premier CCのエンコード時間(消費メモリ12GB)
16GB : 290秒
8GB : 300秒
4GB : 415秒

16GBがもっとも速い。この時に消費しているメモリが12GBほどだったため、4GB~8GBでは容量不足になってしまっている。つまり…メモリ容量は不足していると性能に悪影響を与えるということが証明された。

7-Zip圧縮

7-Zipにて512MBのファイルを圧縮する時の処理速度
16GB : 9290 MIPS
8GB : 2902 MIPS
4GB : 446 MIPS

ファイルの圧縮は、圧縮するファイルの容量に比べて何倍ものデータが使用される。という特徴があるんですね。32MBのファイルなら1.7GBもメモリを使うし、128MBのファイルなら6.1GBも必要になる。

メモリに入り切らないデータが多いほど、CPUは本来の処理性能を発揮できなくなります…。というわけで、7-Zipを使って512MBのファイルを圧縮したところ、メモリの容量によってCPUの処理性能が著しく悪化しているのが確認できる。

4GBメモリならたったの446 MIPSですが、16GBメモリならその20倍近い9290 MIPSに。メモリの容量が4倍で、処理性能は20倍。ファイル圧縮においては、メモリ容量の多さはとても重要だ。

7-Zipにて512MBのファイルを圧縮する時の秒間処理量
16GB : 6151 KB/s
8GB : 562 KB/s
4GB : 90 KB/s

1秒間あたりに処理されたデータ量も見てみよう。4GBメモリでは1秒間にたったの90KBしか処理できていないが、16GBでは1秒あたり6151KBも処理できている。メモリ量が4倍で、秒間処理スピードは60倍超え。

「圧縮」の場合はメモリー容量の与える影響は大きい、ということが分かった。しかし、ほとんどの人はあまり圧縮がメインの使い方はしないので、知識として知っておく程度で良いと思います。

Blender

SPECwpc – Blendeテストによるスコア(消費メモリ6.1GB)
16GB : 2.70
8GB : 2.69
4GB : 2.62

ワークステーション向けのベンチマークソフト「SPECwpc」。これに入っているBlender(3Dモデルや動画を作成できる、無料のオープンソースソフトウェア)でスコアを検証したところ…。あまり大きな差は見られませんね。

消費しているメモリは6.1GBだが、メモリー容量が4GBと8GBではスコア差はたったの2.6%しか無い。

Lammps

SPECwpc – Lammpsテストによるスコア(消費メモリ10.5GB)
16GB : 2.95
8GB : 2.68
4GB : 0.66

次はLammpsというソフトで検証。Lammpsは原子や分子の配列をシュミレーションするという、いかにもスパコンの出番を感じるソフトウェアだ。

結果は見ての通りで、消費しているメモリが10GBを超えているため4GBではCPUの足をかなり引っ張ってしまったのが分かる。逆に8GBなら10%減少で済んでいる。やはり、必要としているメモリー容量に対して少なすぎると、処理性能は一気に落ちてしまう…ってこと。

NAMD

NAMDのSPECwpcテストによるスコア(消費メモリ7.2GB)
16GB : 2.83
8GB : 2.79
4GB : 2.59

ソフトの解説は省略します。必要としたメモリ容量と、それぞれのパフォーマンスだけを確認する。7.2GBだと4GB~8GBの差はあまり無いですね。

Rodinia

RodiniaのSPECwpcテストによるスコア(消費メモリ9.5GB)
16GB : 2.80
8GB : 2.68
4GB : 2.20

必要メモリが9.5GBだと、差が顕著になる。使うソフトウェアによって程度の違いはあれど、基本的にCPUの処理性能が問われるソフトウェアにおいて「メモリーの容量は多いほうが良い」傾向ということだ。

Grand Theft Auto V

Grand Theft Auto V + Chrome65タブ(消費メモリ9.0GB)
16GB : 56 fps
8GB : 56 fps
4GB : 55 fps

GTA5を動かしながら、Chromeでタブを65個も展開してフレームレートを計測したところ、意外と普通に動いている。メモリが5GBも不足していても、フレームレートは1しか落ちなかった。

Batman : Arkham Knight

Batman : Arkham Knight + Chrome65タブ(消費メモリ9.8GB)
16GB : 102
8GB : 101
4GB : 98

合計で約10GBものメモリを必要とするはずが、16GBであっても4GBと比較して4fpsしか差がない。ゲーミング性能への影響は思った以上に少ないな。

F1 2015

F1 2015 + Chrome65タブ(消費メモリ6.5GB)
16GB : 109
8GB : 109
4GB : 109

メモリ使用量の合計6.5GBのF1 2015では、どのメモリ容量であってもパフォーマンスはまったく変化しなかった。

検証に使われた環境 Part2

  • CPU:Intel Core i7-5775C
  • マザーボード:Asrock Z97 Extreme 4
  • GPU:GeForce GTX 970 4GB
  • SSD:Kingston HyperX Savage 480 GB
  • OS:Windows 7 Home 64bit

もう一つ、別のサンプルも見てみます。

  1. DDR3-1866 8GB x2(16GB)
  2. DDR3-2133 4GB x2(8GB)
  3. DDR3-2133 4GB x1(4GB)

検証に使われたメモリはDDR3と、旧世代の規格ですが基本的にパフォーマンスにはほとんど影響しません。

Battlefield 4

Battlefield 4 @ 1920×1080 High
16GB : 135
8GB : 129
4GB : 135

8GBではフレームレートが落ちていますが、16GBでは変化無し。

Dirt Rally

Dirt Rally @ 1920×1080 High
16GB : 33
8GB : 30
4GB : 30

16GBの場合、10%程度高いパフォーマンスが記録された。

Metal Gear Solid V

Metal Gear Solid V @ 1920×1080 High
16GB : 44
8GB : 46
4GB : 53

MGSVはなぜか4GBメモリの方がパフォーマンスが良く、逆にメモリ容量が増えると悪化してしまった。

Metro Last Light

Metro Last Light @ 1920×1080 High
16GB : 92
8GB : 79
4GB : 89

8GBの性能はイマイチは振るいませんが、16GBなら最高です。

The Witcher 3

The Witcher 3 @ 1920×1080 High
16GB : 52
8GB : 52
4GB : 53

Witcher 3ではメモリ容量による差は全く見られなかった。

まとめ

「Part1」の検証データで

  • メモリ容量は不足して初めて、パソコンの性能に悪影響を与える
  • メモリ容量の多さと、パソコンの性能アップに関係性はほとんど無い
  • 悪影響は基本的に「CPU」側に発生する
  • グラフィックボードには専用のメモリ(VRAM)が備わっているため、ゲーミング性能への影響は少ない

ということがよく分かりました。

「Part2」では

  • ゲームタイトルによってパフォーマンスがバラバラ
  • 推奨メモリが8GBのはずであるMGSVは、なぜか4GBが最も良かった

そう、なぜかパフォーマンスが安定しなかった。この不安定さには、メモリー容量以外の要因が関わっている可能性が高いかも。

7-Zip圧縮でメモリー容量の性質がよくわかる

7-Zipにて512MBのファイルを圧縮する時の処理速度
16GB : 9290 MIPS
8GB : 2902 MIPS
4GB : 446 MIPS

結論、メモリー容量の多さがどういう影響を与えているか。については「7-ZIp圧縮」が簡潔な答えだ。

「必要とされているメモリー容量に対して、搭載されているメモリー容量が少なすぎるとCPUが本来の性能を出せなくなる」

ということ。

結論「自分が欲しいと思っている分」だけメモリはあれば良い

例えば、ぼくの場合は「黒い砂漠」という重量級のゲームと、Chromeを50~100タブ、他にAdobe IllustratorやExcelを同時に使ったりする。

このような用途だと、タスクマネージャーを見る限りでは「約8.0GB」も消費します。8GBきっかりだと、それ以上メモリ使用量が増えた時にChromeのタブが不具合を起こすことが多い。

だから、ちょっと多めに「16GB」も搭載している。参考までにタスクマネージャーから、メモリ使用量の「内訳」を見てみよう。

だいたいこんな感じです。Google Chromeで50タブくらい開くとタスクマネージャーはChromeだらけに。

さて、タスクマネージャーに表示されているメモリ使用量を全部合計すると「7.1GB」くらいでした。使用率は49%だから微妙に数字が合いません。そう、Windows 10本体のメモリ消費が約1.0GBほどあるということです。

  • Windows 10:約1.0GB

メモリが4GBの場合、パソコンを起動させるだけで残っているメモリは3.0GBしか無い。もちろん、3.0GBもあれば十分ですが、Chromeでタブをつけまくる場合は念のため「8GB」は欲しいだろう。

タスクマネージャーのプロセス一覧をメモ帳に出力して、Excelでchrome.exeだけをまとめたところ「5.928GB」と出たので、Chromeはかなりメモリを食います。特にYoutubeやニコ動はメモリをよく使いますね…。

【目安表】用途別、必要なメモリー容量

メモリー容量用途
2GB本当に必要最低限の容量。Chromeをつけすぎると「重たい」と感じやすい。
4GB少なめ。ネットサーフィン、Office系なら範囲内だが、割りと簡単に90%くらいまで使い切れる。
8GB標準的な容量。Chrome大量、Office系、軽めのゲームなど、割りといろいろ出来る。
16GBちょっと多め。重たいゲーム、Chrome大量、Adobe系など、16GBあればほとんど困りません。
32GBかなり多い、少数派です。Photoshopなどで解像度の大きいデータを扱う、といった特定の条件なら有効。
64GBすごく多い。高度なCAD系ソフトのレンダリングなど、業務向けの用途じゃないと大抵の場合は「宝の持ち腐れ」で終わります。

参考にどうぞ。

16GBもあれば、ほとんど困ることは無いので予算に余裕があるなら16GBがおすすめ。このように、Adobe系のソフトウェアを使っても16GBを最大まで使うのはそれなりに難しいですから。

ただ…PhotoshopやIllustratorに大きい解像度かつ数百枚単位でレイヤーを使うような場合は、24~32GBくらいは欲しいところ。参考までに、Illustratorに8000枚程度の画像を入れた時は9GBくらいメモリを食っていました。

逆に言えば、Adobe系のソフトであっても、そのようなハードな使い方をしない限りは16GB以上のメモリー容量は出番がない。16GB以上はクリエイティブな使い道がなければ、必要になることはほとんど無いということ。

なお、なるべくメモリーを効率よく利用したい場合は「Windows 10」がオススメです。このツイートの通り、Win7と比較して何故かメモリーの消費量が少ないんですよ。

ということで、以上「メモリー容量は8GB、16GB、どれくらいがちょうど良いのか?」について書きました。

オススメのメモリーは?

2017年の今は「DDR4」規格が主流のメモリーなので、オススメのDDR4メモリーを7枚まとめ解説した記事。増設、またはまるごと入れ替えを考えている人におすすめな記事。

「メモリー」についてもっと

メモリーにはクロック周波数が設定されていて、高ければ高いほど高速なメモリーということ。しかし、「メモリーの速さはパソコンの性能に影響をあたえるのか?」について詳しく解説した記事。

DDR4規格のメモリーを2133Mhz~4000Mhzの範囲でオーバークロック(高速化)し、ゲーミング性能への影響をまとめた記事。ある条件がそろうと意外と関係があることが分かった。

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