日本では海外価格の約2倍近い価格で売られていたため、選択肢にすら入らなかったSamsung純正のUSBメモリ「BarPlus」が、2019年7月頃から半額以下にまで値下がりました。
ようやく手頃な価格になったと言えるので、32 GB版と128 GB版を入手して作りの良さや性能をレビューします。
Samsung Bar Plusの仕様とスペック
Samsung BAR Plus | ||||
---|---|---|---|---|
容量 | 32 GB | 64 GB | 128 GB | 256 GB |
インターフェイス | USB 3.1 Gen1(5 GBps) | |||
読み込み速度 | 200 MB/s | 300 MB/s | ||
書き込み速度 | 不明 | |||
耐久性 |
| |||
重量 | 1.2 g | |||
保証期間 | 5年 | |||
参考価格 | 889 円 | 1394 円 | 2303 円 | 3980 円 |
GB単価 | 27.8 円 | 21.8 円 | 18.0 円 | 15.5 円 |
Samsung Bar Plusは高い信頼性と耐久性を実現するために、USBメモリのボディに金属製でつなぎ目の無い一体型フォルムを採用しています。
サムスンの公式サイトによれば、Bar Plusは海水の中で最大72時間まで、衝撃は最大1500G(重力加速度)、動作温度は最大85℃、MRIと同等の磁力に耐え、空港のX線装置でも壊れない耐久性があるとのこと。
一体型ではないプラスチック製のボディを採用しているSanDisk Extreme Pro USBの公式サイトでは、Bar Plusと同等の耐久性はアピールされていない。
スペック的な特徴をまとめると、「Samsung Bar Plus」は安価でそこそこの性能に、USBメモリとしては高い耐久性を両立させたところが大きな強みになりそうです。
Samsung Bar Plusを開封レビュー
パッケージングと開封
パッケージングは非常にシンプルで、USBメモリにはよくある典型的なパッケージです。パッケージの中央に読み込み速度の最大公称値がアピールされています。
裏面は英語で耐久性や保証規定などが細かく記載されている。
右下に、日本サムスンの正規代理店である「ITGマーケティング株式会社」のシールが貼ってあります。
ハサミでパッケージを切って、薄いプラスチックの梱包をスライドさせて本体を取り出します。
デザインや素材感
デザインは本当につなぎ目がまったく見られない、一体型フォルムです。手触りはサラサラとしていて、机を叩くと「コンッ」と高い音を出します。
メモリの底面に容量が記載されています。
手で持つ方向に、USBメモリを紛失しづらくするためのキーリング形状が仕込まれていました。キーリングは十分に大きいので、キーホルダーを容易に付けることが可能です。
金属製のボディは剛性も高い。両端を親指で曲げようとしても全く微動だにしない。USB端子の中にも隙間はほとんどなく、物体としての耐久性は期待できそうです。
Samsung Bar Plusの性能をチェック
実際に使える容量
32 GB版は「29.8 GB」で、128 GB版は「119.0 GB」でした。
たまにバンドルソフトや保証ガイドなどがUSBメモリに添付されている場合がありますが、Samsung Bar Plusは完全に空っぽです。空き容量は最初から100%フリーでした。
Crystal Disk Mark 6で性能を計測
定番のSSDベンチマークソフト「Crystal Disk Mark 6」を使って、Samsung Bar Plusの実際の読書性能をチェックする。
Crystal Disk MarkはSSDやHDD用のベンチマークですが、USBメモリにも問題なく使えます。製品に初期不良がないか、第三者が勝手に作った模造品を掴まされていないか。
などなど単なる性能チェックではなく、不具合や偽物の簡易的な検査として活用できます。USBメモリにとどまらず、SDカードなどでも購入したら最初に使っておきたいソフトです。
32 GB版 | 読み込み | 書き込み |
---|---|---|
|
| |
テストサイズ : 1 GB | ||
|
| |
テストサイズ : 16 GB |
USBメモリを、最大10 Gbps(1秒あたり最大1250 MB)の転送速度に対応している「USB 3.1 Gen2」コネクタに挿し込み、ベンチマークを実行しました。
32 GB版は読み込み速度が公称値の200 MB/sを1割も超える224.6 MB/sを記録した。一方で、書き込み速度は約34 MB/sとやや低い数値が出ており、ここが価格相応な部分かなと感じます。
メーカーの公式サイトに掲載されていないスペックは、実際に計測してみると若干がっかりする内容になる傾向が強いですね。
128 GB版 | 読み込み | 書き込み |
---|---|---|
|
| |
テストサイズ : 1 GB | ||
|
| |
テストサイズ : 16 GB |
128 GB版は公称値で最大300 MB/sの読み込み速度をアピールしていますが、実際の計測結果は288.6 MB/sに留まった。ほぼ公称値に近いスピードが出ているので、とりあえずはOKです。
書き込み速度は32 GB版より4割くらい速くなり、約49 MB/sでした。超小型ボディに128 GBも詰め込んでいることを考慮するなら、かなり頑張っている性能なのは否定できないです。
ブロックサイズ別の性能
ATTO Disk Benchmarkを使って、ブロックサイズ別にUSBメモリの性能をチェックします。
読み込み速度は32 GB版で最大227 MB/sでした。128 GB版は最大334 MB/sに達し、公称値を1割ほど超える結果です。
書き込み速度は全体的に遅く、バラツキもあります。32 GB版は25~30 MB/sを前後し、128 GB版で45~52 MB/sでした。データをUSBメモリに早く入れたい人は、大容量モデルを選ぶべきですね。
使用時の表面温度
Crystal Disk Mark 6で負荷を掛けている状態で、サーモグラフィカメラを用いてSamsung Bar Plus(128 GB版)の表面温度を撮影してみた。
表面温度はだいたい45~48℃前後で推移しています。触ると少し熱いレベルの温度です。スペック上の動作温度は最大85℃ですので、この程度の温度ならまったく問題ありません。
小さければ小さいほど表面積が少なくなり、熱を逃がす効率は悪化しますが、Samsung Bar Plusは放熱性に優れた金属製のボディを採用することで熱の問題を解消しています。
まとめ:低価格で頑丈な超小型USBメモリ
1 GBあたり20円前後の低価格帯においては、おそらく最高にコストパフォーマンスの高いUSBメモリです。
最大300 MB/sを超えるパフォーマンスだけでなく、つなぎ目の無い金属製の一体型フォルムで物理的な耐久性が高く、おまけに放熱性まで優れている。
今まで購入してきた低価格USBメモリ(Silicon Power、SanDisk、IO-DATA、BUFFALO…)の中では、もっとも完成度が高いUSBメモリと言ってもいいです。
「Samsung Bar Plus」の微妙なとこ
- 書き込み速度はやや遅い
1 GBあたり40~50円のハイエンドUSBメモリと比較すると、書き込み速度は相当に控えめです。SSD並に速い書き込み速度を必要とするなら、少なくともSanDisk Extreme Pro USBを検討する必要があります。
「Samsung Bar Plus」の良いところ
- 読み込み速度がとても速い
- ランダムアクセス速度は悪くない
- 物理的な耐久性に優れたデザインと設計
- 超小型でも放熱性に優れる金属製のボディ
- 5年保証
- コストパフォーマンスが高い
良いところは全体的なコストパフォーマンスの高さです。
書き込み速度の遅さを除けば、それ以外の性能やモノとしての完成度は非常に高いです。1 GBあたり20円前後の低価格USBメモリということを考えれば、なおさら優秀としか言えない。
低価格なUSBメモリを選ぶなら、現時点でSamsung Bar Plusは最高の選択肢です。
以上「サムスン製のUSBメモリ「BarPlus」をレビュー:耐久性に優れた小型USBメモリ」でした。
うわやっす
使い道殆どないから要らないけどこんなに下がってるのか…
他でも色々見てみたら読み込み速度が300 MB/sなのって128 GBからじゃ無いんですかね
本当だ、誤植ですね…。修正しておきます。
32GBの方、購入時からフォーマット形式がFAT32だったのであれば少し珍しいですね。
最初からFAT32でしたね。
CSSD-S6B01TMG4VTをレビューしてくれませんか?まともなレビューがない上にそこそこ良さそうなので
この記事を見て 32GB 版を購入しました。
ただなぜか「MediaCreationTool1903.exe」を使ってWindows10のセットアップ用USBを作ろうとすると 書き込み途中の50%表示で(フォーマット処理?)でアンマウントされてしまうのでPCから認識できなくなり 処理が失敗します。
他のUSBだとアンマウントされないのでそのまま正常に処理が完了します。
その後、Samsung へ状況を説明し、修理の為 32GBタイプを送付、2週間ほどで 64GBになって戻ってきました。早速「MediaCreationTool1903.exe」を使い Windows10のセットアップ用USB を作成したところ、問題なく作成ができました。
32GB版に問題があるのか、たまたま購入したものがハズレだったか。32GB版の手持ちがあればその辺の確認ができると思います