「RTX 2080 Ti」は発売から1年がたったにも関わらず、依然としてゲーマー向けグラフィックボードとして最強のゲーム性能です。当時は「高すぎる。」と酷評された価格設定も、1年が経過してマシになりました。
というわけで、RTX 2080 Tiをあらためて徹底検証してレビューします。
「RTX 2080 Ti」のスペックと概要
GPU | RTX 2080 Ti | GTX 1080 Ti | Titan RTX |
---|---|---|---|
ダイ | |||
世代 | Turing | Pascal | Turing |
プロセス | 12nm製造 : TSMC | 16nm製造 : TSMC | 12nm製造 : TSMC |
トランジスタ数 | 186.0 億 | 118.0 億 | 186.0 億 |
ダイサイズ | 754 mm2 | 471 mm2 | 754 mm2 |
シェーダー数CPUのコア数に相当 | 4352 | 3584 | 4608 |
TMU数Texture Mapping Unitのこと | 272 | 224 | 288 |
ROP数Render Output Unitのこと | 88 | 88 | 96 |
演算ユニット数 | 68 | 28 | 72 |
Tensorコア数機械学習向けの特化コア | 544 | – | 576 |
RTコア数レイトレ用の特化コア | 68 | – | 72 |
クロック周波数 | 1350 MHz | 1481 MHz | 1350 MHz |
ブーストクロック | 1545 MHz | 1582 MHz | 1770 MHz |
VRAM容量 | 11 GB | 11 GB | 24 GB |
VRAM規格 | GDDR6 | GDDR5X | GDDR6 |
VRAMバス | 352 bit | 352 bit | 384 bit |
VRAM帯域幅 | 616.0 GB/s | 484.4 GB/s | 672.0 GB/s |
理論性能(FP32) | 13.45 TFLOPS | 11.34 TFLOPS | 16.31 TFLOPS |
TDP | 250 W | 250 W | 280 W |
補助電源 | 8 + 8 pin | 8 + 6 pin | 8 + 8 pin |
MSRP | $ 999 | $ 699 | $ 2499 |
参考価格最安Top5の平均価格 | 137660 円 | 87630 円 | 327800 円 |
「RTX 2080 Ti」のスペックはかんたんに確認します。
先代Pascal世代の最上位モデル「GTX 1080 Ti」と比較すると、スペックの差は意外と大人しいです。ゲーム性能に影響が大きいシェーダー数は20%しか増えていないし、VRAMはGDDR6化したとはいえ容量は11 GBのまま据え置き。
期待できるゲーム性能はざっくり1.2倍ですが、価格設定は699ドルから4割も値上がりして999ドルへ。つまり、RTX 2080 Tiは単純なコストパフォーマンスではほとんど進歩してないのです。
新機能のせいで必要以上に巨大化したチップ
チップの内訳をもう少し詳しく見ると、チップの大きさが60%も巨大化したのにシェーダーが約20%しか増えていない理由がよく分かります。
GPU | RTX 2080 Ti | GTX 1080 Ti | 性能差 |
---|---|---|---|
演算ユニット数 | 68 | 28 | +142.9% |
シェーダー数CPUのコア数に相当 | 4352 | 3584 | +21.4% |
TMU数Texture Mapping Unitのこと | 272 | 224 | +21.4% |
ROP数Render Output Unitのこと | 88 | 88 | 0.0% |
Tensorコア数機械学習向けの特化コア | 544 | – | 新設 |
RTコア数レイトレ用の特化コア | 68 | – | 新設 |
ブーストクロック | 1350 MHz | 1481 MHz | -8.8% |
VRAMクロック | 1545 MHz | 1582 MHz | -2.3% |
VRAM帯域幅 | 616.0 GB/s | 484.4 GB/s | +27.2% |
理論性能(FP32) | 13.45 TFLOPS | 11.34 TFLOPS | +18.6% |
TDP | 250 W | 250 W | 0.0% |
今までのGeForceには無かった「Tensorコア」と「RTコア」が新たに追加されています。Tensorコアは機械学習に特化した専用コアで、NVIDIAの新機能「DLSS」を効率よく処理する役割です。
RTコアもやはり新機能のために追加された専用コアで、「NVIDIA RTX(レイトレーシング)」を実行するために使われます。Tensorコアはチップ全体の約20%を、RTコアは約16%を占める非常に大きいコアです。
新機能 | 効果 | デメリット |
---|---|---|
NVIDIA RTX | リアルタイムに「光の反射」を計算し、リアリティのある映像を実現。 | 非常に負荷が重く、フレームレートが大幅に悪化します。 |
NVIDIA DLSS | アンチエイリアシングを機械学習で高速実行し、フレームレートを向上。 | 映像のシャープネス(輪郭)が著しく損なわれてしまう。 |
RTX対応 | DLSS対応 |
---|---|
Battlefield V | ARK: Survival Evolved |
CONTROL | Anthem |
Call of Duty: Modern Warfare | Atomic Heart |
Deliver us the Moon | Battlefield V |
Metro Exodus | Darksiders III |
Quake II RTX | Dauntless |
Shadow of the Tomb Raider | Deliver Us |
Stay in the Light | Fear the Wolves |
Wolfenstein: Youngblood | Final Fantasy XV |
Atomic Heart | Fractured Lands |
Assetto Corsa Competizione | Hellblade: Senua’s Sacrifice |
Cyberpunk 2077 | Hitman 2 |
Doom Eternal | Islands of Nyne: Battle Royale |
Dying Light 2 | Justice |
Enlisted | JX3 |
Justice | Kinetik |
JX3 | Mechwarrior V: Mercenaries |
Minecraft | Monster Hunter: World |
Mechwarrior V: Mercenaries | Outpost Zero |
ProjectDH | Overkill’s The Walking Dead |
Synced: Off Planet | PlayerUnknown’s Battlegrounds |
Vampire: The Masquerade – Bloodlines 2 | Remnant from the Ashes |
Watch Dogs: Legion | Scum |
– | Serious Sam 4: Planet Badass |
Shadow of the Tomb Raider | |
Stormdivers | |
The Forge Arena | |
Vampire: The Masquerade – Bloodlines 2 | |
We Happy Few |
すでに対応しているゲームだけでなく、今後対応する予定のゲームも含んでいます。
しかし、レイトレ(RTX)やDLSSに対応したゲームは、RTX 2080 Tiの発売から1年が経った現在も少ないです。フレームレートが上昇する「DLSS」に対応したゲームが多いのは嬉しいですが、DLSSもかなり弱点が多いのが問題。
DLSSは映像をキレイにする「アンチエイリアシング(AA)」を、機械学習によって超高速処理することで負荷を下げ、結果的にフレームレートが向上するとされるゲーマーにとっては美味しい新機能です。
実際、フレームレートはたしかに向上します。問題は普通にアンチエイリアシングを使った場合と比較して、明らかに映像のシャープネス(輪郭)がボヤッと悪化してしまう点です。
たとえばキャラクターの髪の毛の輪郭が背景に滲んでしまったり、樹木のような細かいオブジェクトではディティールが失われるなど。要するに「画質が下がったからフレームレートが上がるのは当然では?」な機能です。
今後改善される可能性は十分にありますが、現時点ではどちらも好んで使いたいと思えるほど優れた機能ではありません。よってRTX 2080 Tiのチップは、新機能のせいで必要以上に巨大化してしまった、と評価できます。
まとめ:2080 Tiは最強の性能を提供できるか?
有用性の低い新機能のせいで、必要以上に「割高」になってしまったRTX 2080 Tiですが、それでも最強のゲーム性能を提供してくれるなら良しです。なぜなら最強の性能は値段の高さに十分な説得力を与えます。
Pascal世代の最上位「GTX 1080 Ti」を明確に打ち負かし、1ランク下に位置する「RTX 2080 Super」に対してもハッキリとした性能差を示せるかどうかが、RTX 2080 Tiにとって特に重要です。
- GTX 1080 Tiより20%高いスペック
- より高速化したVRAM(GDDR6化)
- NVIDIAの最新技術をサポート
- 消費電力は同じ250 Wを維持
- 300ドルの値上げ
- 有用性の低い2つの新機能
- 発売から1年で18万から13万円台へ値下がり
スペック解説をまとめました。
幸いにも、国内の販売価格は1年で大幅に値下がりしています。ぼくが購入した当時は約18~19万円だったのに、2019年12月時点では約12~13万円あればRTX 2080 Tiが購入できます。
「RTX 2080 Ti」の性能を検証
テスト環境
テスト環境「ちもろぐ専用ベンチ機」 | ||
---|---|---|
CPU | Core i9 9900K | |
CPUクーラー | ASSASSIN III140 mm x2の大型空冷 | |
マザーボード | ASRock Z390 Phantom Gaming 6 | |
メモリ | DDR4-2666 8GB x2使用メモリ「G.Skill FlareX C14」 | |
グラフィックボード | RTX 2080 Ti | |
SSD | SATA 500GB使用SSD「Samsung 860 EVO」 | |
SATA 2TB使用SSD「Micron 1100」 | ||
電源ユニット | 1200 W(80+ Platnium)使用モデル「Toughpower iRGB PLUS」 | |
OS | Windows 10 Pro 64bit検証時のバージョンは「1903」 | |
ドライバ | NVIDIA 441.08 | |
ディスプレイ | 3840 x 2160@60 Hz使用モデル「Acer ET430Kbmiiqppx」 |
「RTX 2080 Ti」の性能を検証するテストPCのスペックです。
現状もっともボトルネックが生じづらい、ゲーミング最強のCPU「Core i9 9900K」を軸に、適当なパーツを組み合わせています。メモリはごく標準的なDDR4-2666を2枚組で使って合計16 GBに。
検証に使用したグラフィックドライバは、NVIDIA GeForce Driver 441.08(レビューを行った時点の最新版)です。
用意したグラボ
本レビューで使用するRTX 2080 Tiは、MSIのハイエンドモデル「RTX 2080 Ti GAMING X TRIO」です。2.5スロットを占有する分厚いヒートシンクと、大口径のトリプルファンで屈指の冷却性能と静音性を両立します。
RTX 2080 Tiの最安値モデルより2万円くらいは価格が高いものの、価格に見合っただけのプレミアムは十分にあります。ちなみに筆者は約18.5万円で購入した記憶(当時はホントに高かった)。
性能比較として検証に使用したグラフィックボードは以上の5枚です。RTX 2080 Tiの先代モデルに位置するGTX 1080 Tiや、2080 Tiにつづく2070 Superや2080 Superなどを比較に加えています。
ゲーミング性能:依然として最強の性能
3DMark FireStrike
3DMark FireStrike1920 x 1080 / Graphics Score |
DirectX11ベースのGPUベンチマーク「FireStrike」で基本的な性能をテスト。RTX 2080 Tiが圧倒的なスコアです。
3DMark TimeSpy
3DMark TimeSpy1920 x 1080 / Graphics Score |
DirectX12ベースの「TimeSpy」では更にスコアを伸ばしています。RTX 2080 Superと比較して約28%も高いスコアで、GTX 1080 Tiとはほぼ1.5倍の性能差です。
他のグラフィックボードとベンチマークスコアの比較をしたい方は、↑こちらのグラボ性能まとめ表も参考にどうぞ。
FF14 : 漆黒のヴィランズ
FF14:漆黒のヴィランズ1920 x 1080 / 最高品質 |
FF14:漆黒のヴィランズ(フルHD)で平均フレームレートを計測。やはりRTX 2080 Tiが頭一つ抜けた性能を示します。
FF14:漆黒のヴィランズ2560 x 1440 / 最高品質 |
WQHDでも性能差は同じです。
FF14:漆黒のヴィランズ3840 x 2160 / 最高品質 |
4K解像度ではRTX 2080 Tiが圧倒的トップに。平均60 fpsを大幅に超えるフレームレートを叩き出します。
FINAL FANTASY 15
FINAL FANTASY XV : Benchmark1920 x 1080 / 高品質 |
FF15ベンチマーク(高品質)は、平均126 fpsです。
FINAL FANTASY XV : Benchmark 2560 x 1440 / 高品質 |
解像度をWQHDに引き上げると更に性能差が開き、GTX 1080 Tiに対して2割近い性能差を見せつけます。
FINAL FANTASY XV : Benchmark 3840 x 2160 / 高品質 |
4K解像度では、RTX 2080 Tiが唯一平均60 fpsを維持できました。それ以下のグラボは軒並み60 fpsを維持できません。
Apex Legends
Apex Legends1920 x 1080 / 最高設定 |
Apex Legendsでは平均240 fpsを超える動作です。最高スペック(240 Hzクラス)のゲーミングモニターも、RTX 2080 Tiなら安心して使えます。
Apex Legends 2560 x 1440 / 最高設定 |
解像度をWQHDに引き上げるとフレームレートはいくぶん低下しますが、それでも平均144 fpsを大幅に上回っています。
Apex Legends 3840 x 2160 / 最高設定 |
Apex Legendの4K解像度で平均100 fpsオーバーは、RTX 2080 Tiただ一人だけです。
Battlefield V
Battlefield V 1920 x 1080 / 最高設定(DX11) |
Battlefield Vは割と重たいゲームですが、RTX 2080 Tiなら平均144 fpsを安定して超えられました。
Battlefield V 2560 x 1440 / 最高設定(DX11) |
解像度をWQHDに引き上げても、性能差は変わらずRTX 2080 Tiの一人勝ち。
Battlefield V 3840 x 2160 / 最高設定(DX11) |
4K解像度になると、平均60 fpsを下回らないのはRTX 2080 TiとRTX 2080 Superだけでした。
CS:GO
Counter Strike : Global Offensive1920 x 1080 / 最高設定 |
CSGOはどのグラフィックボードでも、出せる性能は飽和しています。
Counter Strike : Global Offensive 2560 x 1440 / 最高設定 |
解像度をWQHDに引き上げたとしても、このクラスのグラフィックボードではまだ飽和気味です。
Counter Strike : Global Offensive 3840 x 2160 / 最高設定 |
4K解像度になってようやく性能差が出てきました。それでもGTX 1080 Ti以上のグラフィックボードなら、おおむね飽和しています。
Call of Duty : Black Ops IV
Call of Duty : Black Ops IV1920 x 1080 / 最高設定 |
Call of Duty : Black Ops IVでは、容量11 GBの大きなVRAMが幸いして、RTX 2080 Superに対して20%近い性能差を実現します。CODはとにかくVRAMをよく消費するゲームです。
Call of Duty : Black Ops IV 2560 x 1440 / 最高設定 |
VRAMの優位性は解像度が大きくなるほど発揮されやすいです。WQHD解像度では、RTX 2080 TiがRTX 2080 Superに対して3割も高いフレームレートを叩き出します。
Call of Duty : Black Ops IV 3840 x 2160 / 最高設定 |
4K解像度でも性能差はほとんど変わらず、約30%の開きがあります。
Rainbow Six Siege
Rainbow Six Siege 1920 x 1080 / 最高設定 |
レインボーシックスシージの付属ベンチマークは、余裕で平均240 fpsを突破しました。
Rainbow Six Siege 2560 x 1440 / 最高設定 |
解像度をWQHDに引き上げると性能差がさらに開きます。
Rainbow Six Siege 3840 x 2160 / 最高設定 |
4K解像度では、RTX 2080 Tiが唯一平均100 fpsを超えるグラフィックボードです。
Fortnite : Battle Royale
Fortnite : Battle Royale1920 x 1080 / 最高設定 |
フォートナイトは「ミスティ・メドウズ」にて計測。RTX 2080 Tiが当然トップですが、フルHDでは性能差が開きにくい傾向です。
Fortnite : Battle Royale 2560 x 1440 / 最高設定 |
解像度をWQHDに引き上げると、やっぱりRTX 2080 Tiが頭一つ抜けてきます。平均144 fpsをギリギリでクリアです。
Fortnite : Battle Royale 3840 x 2160 / 最高設定 |
4K解像度ではほとんどのグラフィックボードが平均60 fpsギリギリな中、RTX 2080 Tiが余裕で60 fpsオーバーで安定しています。
Overwatch
Overwatch 1920 x 1080 / エピック設定(100%) |
オーバーウォッチでは、RTX 2080 Tiはほぼ上限に張り付いたフレームレートを記録です(オーバーウォッチは300 fps上限のゲームです)。
Overwatch 2560 x 1440 / エピック設定(100%) |
解像度をWQHDに引き上げると更に性能差が開き、RTX 2080 Tiは平均240 fpsに迫るパフォーマンス。
Overwatch 3840 x 2160 / エピック設定(100%) |
4K解像度もRTX 2080 Tiが圧倒的。平均144 fpsは無理でしたが、平均100 fpsは大幅に上回っています。
PUBG
PUBG1920 x 1080 / ウルトラ設定 |
PUBGはフルHDだとイマイチ性能が出し切れないようです。
PUBG 2560 x 1440 / ウルトラ設定 |
解像度をWQHDに引き上げると、グラフィックボードそれぞれの実力差が明確になります。
PUBG3840 x 2160 / ウルトラ設定 |
4K解像度では、RTX 2080 Superに対して約21%高いフレームレートでした。
Assassin Creed Odyssey
Assassin Creed Odyssey 1920 x 1080 / 最高設定 |
非常に重たいアサシンクリードオデッセイでは、平均78 fpsです。
Assassin Creed Odyssey 2560 x 1440 / 最高設定 |
解像度をWQHDに引き上げると、他のグラフィックボードに対して余裕で平均60 fpsを維持します。
Assassin Creed Odyssey 3840 x 2160 / 最高設定 |
4K解像度では残念ながらRTX 2080 Tiですら平均60 fpsを保てません。
ARK Survival Evolve
ARK Survival Evolve 1920 x 1080 / 最高設定 |
ARK Survival Evolveも超重量級ゲームですが、RTX 2080 Tiは100 fps近いパフォーマンスで圧倒的。
ARK Survival Evolve 2560 x 1440 / 最高設定 |
WQHDでも平均60 fps以上を余裕を持って維持できます。
ARK Survival Evolve 3840 x 2160 / 最高設定 |
ただし4K解像度ではやはりダメです。ARKはホントに重すぎるゲームです。
Grand Theft Auto V
Grand Theft Auto V1920 x 1080 / 最高設定(MSAA x2) |
Grand Theft Auto VはフルHDでは、平均100 fpsを超えたあたりで性能が飽和します。
Grand Theft Auto V 2560 x 1440 / 最高設定(MSAA x2) |
WQHDでも若干飽和気味です。
Grand Theft Auto V 3840 x 2160 / 最高設定(MSAA x2) |
4K解像度まで引き上げてようやく実力差がハッキリと出ます。やはりRTX 2080 Tiの一人勝ちですね。
Shadow of the Tomb Raider
Shadow of the Tomb Raider 1920 x 1080 / 最高設定(SMAA / DX12) |
トゥームレイダーでは、GTX 1080 Tiに対して約11%高いフレームレートです。
Shadow of the Tomb Raider 2560 x 1440 / 最高設定(SMAA / DX12) |
解像度をWQHDに引き上げると一気に性能差が開き、RTX 2080 TiとGTX 1080 Tiで約34%の性能差に。
Shadow of the Tomb Raider 3840 x 2160 / 最高設定(SMAA / DX12) |
4K解像度では両者の性能差は約47%です。トゥームレイダーの4Kを平均60 fpsで動かせるのはRTX 2080 Tiのみ。
Ghost Recon Breakpoint
Ghost Recon Breakpoint 1920 x 1080 / ウルトラ設定 |
割と重たいゴーストリコン最新作は、RTX 2080 Tiで平均121 fpsでした。
Ghost Recon Breakpoint 2560 x 1440 / ウルトラ設定 |
WQHD解像度で平均100 fps以上を出せるのは、RTX 2080 Tiだけです。
Ghost Recon Breakpoint 3840 x 2160 / ウルトラ設定 |
4K解像度ではほとんどのグラフィックボードが平均60 fps以下になりますが、RTX 2080 Tiだけはやはり頭一つ抜けたパフォーマンスを見せます。
Witcher 3
Witcher 3 1920 x 1080 / 最高設定 + HairWorks x4 |
Witcher 3ではRTX 2080 Tiが平均144 fpsをオーバー。
Witcher 3 2560 x 1440 / 最高設定 + HairWorks x4 |
解像度をWQHDに引き上げても、まだ平均100 fps以上を保っています。
Witcher 3 3840 x 2160 / 最高設定 + HairWorks x4 |
4K解像度ではさすがに100 fpsを下回りますが、平均60 fps以上はまったく問題ないです。
モンスターハンターワールド
Monster Hunter World1920 x 1080 / 最高設定 |
比較的重たいモンスターハンターワールドでは、RTX 2080 Tiは余裕で平均100 fpsをオーバーしています。RTX 2070 Super以下は平均100 fpsを下回ります。
Monster Hunter World 2560 x 1440 / 最高設定 |
WQHD解像度になると、性能差がさらに開きます。RTX 2080 Tiは平均60 fpsを大幅に上抜けるパフォーマンスです。
Monster Hunter World 3840 x 2160 / 最高設定 |
しかし4K解像度はまだ荷が重たく、平均60 fpsすら維持できませんでした。
黒い砂漠
黒い砂漠 1920 x 1080 / リマスター品質 |
無料MMORPG「黒い砂漠」のリマスター品質では、平均144 fps近いフレームレートを出せます。負荷の重たい都市から出れば余裕で144 fpsを突破できます。
黒い砂漠1920 x 1080 / ウルトラ品質 |
重たすぎて実用的ではないですが、RTX 2080 Tiは驚くことに黒い砂漠のウルトラ品質を平均60 fps以上で動作可能です。
黒い砂漠 2560 x 1440 / リマスター品質 |
WQHDのリマスター品質も検証します。RTX 2080 Tiは平均100 fps以上でした。
黒い砂漠2560 x 1440 / ウルトラ品質 |
WQHDのウルトラ品質では、どのグラフィックボードも平均60 fpsを維持できません。
黒い砂漠 3840 x 2160 / リマスター品質 |
4K解像度のリマスター品質では、RTX 2080 Tiが平均60 fpsを明確に上回るパフォーマンスを記録です。RTX 2080 Superだと平均60 fpsギリギリなんですよね。
黒い砂漠3840 x 2160 / ウルトラ品質 |
4K解像度のウルトラ品質は、RTX 2080 Tiですらまったく役に立ちません。ウルトラ品質はスクリーンショット専用のモードと割り切って使うのが良いでしょう。
平均パフォーマンス
RTX 2080 Ti1920 x 1080 / 平均パフォーマンス |
フルHDゲーミングの平均パフォーマンスは、先代のGTX 1080 Tiを約22%上回り、1ランク下に位置するRTX 2080 Superを約12%上回ります。現行のゲーマー向けGPUとして最高の性能です。
RTX 2080 Ti 2560 x 1440 / 平均パフォーマンス |
WQHDゲーミングの平均パフォーマンスでは、巨大なVRAMや大量のシェーダー数が効いてきて性能差はさらに顕著に。RTX 2080 Superに対して約19%、GTX 1080 Tiに対しては約30%も高いフレームレートです。
RTX 2080 Ti 3840 x 2160 / 平均パフォーマンス |
そして難攻不落の4Kゲーミング。RTX 2080 Superでは4K60 fpsはギリギリでした。一方RTX 2080 Tiは60 fpsの壁は余裕でクリアして、平均78 fpsを記録します。4KゲーミングにはRTX 2080 Tiが必要と言われる最大の理由です。
パフォーマンス差はGTX 1080 Tiに対して約37%、RTX 2080 Superに対しては約27%にもなります。
※平均パフォーマンスは、「CSGO」と「黒い砂漠(ウルトラ品質)」を除いた平均値を求めています。
クリエイティブ性能:突出したパフォーマンス
ゲーミング性能の次は、クリエイティブ性能について検証します。GPUレンダリングの定番「Blender」に加え、OpenCL系の「LuxMark」。それとOpenGL系の「SPECviewperf 13」を使った検証も行います。
GPUレンダリング
Blender 2.79.7Cycles benchmark「BMW」 |
Blenderの公式サイトで無料配布されているCycles Render向けのデモファイル「BMW」を読み込んで、GPUのみ使用する設定に切り替えてから、レンダリングを行います。描画に掛かった時間が短いほど高性能です。
結果は見ての通りで、RTX 2080 Tiが圧倒的なレンダリング速度を見せます。GTX 1080 Tiより約44%短縮、ほぼ2倍近いスピードでレンダリングを実行できます。
LuxMark 3.1LuxBall HDR(ポリゴン数 : 21.7万) |
LuxMarkはレンダリングソフト「LuxRender」のパフォーマンスを評価できるベンチマークソフト。Cycles Renderと違って、NVIDIA / AMDのどちらでも「OpenCL」を使ってテストが実行されます。
おおむねBlenderに沿った結果です。RTX 2080 TiはGTX 1080 Tiの約2倍のパフォーマンスを示します。
LuxMark 3.1Neumann TLM-102(ポリゴン数 : 176.9万) |
更に重たい「Neumann」でも、性能差は埋まるどころか逆に開いて2倍以上に。
LuxMark 3.1Hotel Lobby(ポリゴン数 : 497.3万) |
もっと重たい「Hotel Lobby」でも高い処理性能を維持し、GTX 1080 Tiに対して約61%高いパフォーマンスです。
3DCG / 3DCAD(OpenGL描画処理)
SPECviewperf 133ds Max(3dsmax-06) |
3ds Maxにおけるパフォーマンスは、RTX 2080 Tiが突出しています。
SPECviewperf 13Maya(maya-05) |
Mayaにおいても、3ds Maxとおおむね同じような傾向です。
SPECviewperf 13Solidworks(sw-04) |
SolidworksではRX 5700 XTが突出したスコアを記録しました。Navi 10世代のRadeon(RX 5700や5700 XT)は、Solidworksだと効率よく性能を出せる傾向が強いです。
OBSでゲーム実況配信(NVEncの性能)
NVIDIAのグラフィックボードに搭載されている「NVEnc」を使うと、非常に負荷が重たいリアルタイムなゲーム実況配信をCPUと比較して遥かに少ない負荷で実行できます。
特に最新のTuring世代では、NVEncが進化してCPUでエンコードする場合と比較してもまったく劣らないほどにまで画質が改善されています。では、FF14(紅蓮のリベレーター)でリアルタイムの録画配信を検証です。
グラボ | GeForce | Radeon |
---|---|---|
エンコーダ | NVIDIA NVENC H.264(new) | H.264 / AVC EncoderAMD Advanced Media Framework |
プリセット | Max Quality | 高品質録画品質プリセット:品質 |
ビットレート | 6000 kbps(CBR) | 固定QP(CQP) |
検証に使った設定は以上のとおり。なお、NVEncを使った録画配信はGPU使用率が90%付近になると途端に不安定になります。対策として、配信中はゲームのフレームレートに制限を設定しました。
検証ではポピュラーな60 fps制限に加え、ゲーミングモニターを使って配信したい人向けに144 fpsと240 fps制限もテストします。
配信中のドロップフレーム率 | ||||
---|---|---|---|---|
上限 | グラボ | レンダリングラグ | エンコードラグ | 平均fps |
240 fps | RTX 2080 Ti | 1.2% | 1.2% | 185.5 fps |
RTX 2080 Super | 0.0% | 0.0% | 175.8 fps | |
RTX 2070 Super | 0.0% | 0.0% | 162.6 fps | |
GTX 1080 Ti | 0.0% | 0.0% | 178.6 fps | |
RX 5700 XT | 0.0% | 0.0% | 140.7 fps | |
GTX 1080 | 0.2% | 0.2% | 139.1 fps | |
144 fps | RTX 2080 Ti | 1.1% | 1.3% | 139.2 fps |
RTX 2080 Super | 0.0% | 0.0% | 138.8 fps | |
RTX 2070 Super | 0.0% | 0.0% | 137.3 fps | |
GTX 1080 Ti | 0.0% | 0.0% | 139.3 fps | |
RX 5700 XT | 0.1% | 0.0% | 127.5 fps | |
GTX 1080 | 0.1% | 0.1% | 128.1 fps | |
60 fps | RTX 2080 Ti | 0.0% | 0.0% | 60.0 fps |
RTX 2080 Super | 0.0% | 0.0% | 60.0 fps | |
RTX 2070 Super | 0.0% | 0.0% | 60.0 fps | |
GTX 1080 Ti | 0.0% | 0.0% | 60.0 fps | |
RX 5700 XT | 0.0% | 0.0% | 60.0 fps | |
GTX 1080 | 0.0% | 0.0% | 60.0 fps |
テスト結果をまとめました。ほとんどのグラフィックボードが限りなく0%に近いコマ落ち率で、安定したゲーム録画配信が可能です。
RTX 2080 Tiも非常に安定した配信性能で、ゲーム中のフレームレートも検証した中では最高でした。ゲーミングモニターを使いながらOBS配信をするなら、RTX 2080 Tiの余裕はやはり安心感があります。
RTX 2080 Tiの熱と消費電力
ゲーミング時の実効クロック
「FF15ベンチマーク」を4K(3840 x 2160)解像度で実行中に、GPUコアクロックを記録してグラフ化しました。
- RTX 2080 Ti(出荷設定):1935 MHz
- RTX 2080 Ti(手動OC):2010 MHz
出荷設定(メーカー側が設定してあるオーバークロック設定)では、最大で1950 MHzで、中央値は1935 MHzを記録。MSI Gaming X TrioはかなりのOCモデルですが、実際に計測すると意外と大人しいですね。
後ほど検証する手動オーバークロックでは、無事に2.0 GHz以上のクロックで安定動作を実現できています。ただ、RTX 2080 Super以下よりもコア温度にシビアに反応します。手動OCしながら静音性を求めるのは厳しいです。
グラボの温度をチェック
FF15ベンチマークを実行中に、HWiNFOを使ってGPUコア温度を計測します。なお、グラフィックボードの温度はオリファンモデルの出来によって完全に左右されるため、各GPUの比較は参考程度に見てください。
GPU温度(最大値)
MSI Gaming X Trioは驚くほど静音性に優れたオリファンモデルです。一方で、GPU温度は最大で75℃に達するなど冷却性能は少しだけ犠牲にした仕様になっています。
RTX 2080 Tiは最大で375 Wもの熱を放出するグラフィックボードなので、大口径の冷却ファンを3つも備えるMSI Gaming X Trioでも、静かなまま圧倒的な冷却性能を実現するのはやや苦労している感があります。
もちろん、他のオリファンと比較すればMSI Gaming X Trioの冷却性能と静音性は文句なしにハイレベルです。価格は約15万円で最安値より2万円も高価なだけはあって、さすがの完成度です。
消費電力を実測してチェック
電力ロガー機能の付いた電源ユニットを2つ使って、グラフィックボードの消費電力を実測します。CPUを1つの電源ユニットで給電し、その他のパーツは2つ目の電源ユニットで給電します。
検証の後、マザーボードからグラフィックボードを外した状態でベンチマークを実行して消費電力を計測し、求められた計測値を引き算してグラフィックボード単体の消費電力を求めました。
消費電力(平均値)
GeForce 20シリーズの頂点に位置するだけあって、消費電力はなかなかに高いです。フルHDゲーミングでも平均値で約230 Wに達し、ピーク時には375 Wを記録しました。
さらに負荷を掛けてみて、消費電力がどう変化するのかを見てみましょう。
消費電力(平均値)
解像度をWQHDに引き上げると、消費電力はもっと増えて平均値で約290 Wに達しました。ピーク時はフルHDと同じく、おおむね375 W前後で頭打ちです。
なぜ375 W前後で消費電力が頭打ちになるのか、理由を説明するとMSI Gaming X Trioの仕様がそうなっているためです。マザーボード側への負荷を考慮して、必要な電力のほとんどを補助電源コネクタから供給する仕様になっています。
MSI Gaming X Trioの補助電源コネクタは「8 + 8 + 6」ピン仕様。給電能力を計算すると「150 + 150 + 75」で合計375 Wになり、頭打ちする消費電力とまったく同じ数値を求められます。
ワットパフォーマンスはほぼ変わらず
ワットパフォーマンス(FF14 – フルHD)
消費電力1 Wあたりのフレームレートを計算して、ワットパフォーマンスを求めました。フルHDゲーミングでは、GTX 1080 Tiよりは若干マシな程度のワットパフォーマンスです。
ワットパフォーマンス(FF14 – WQHD)
WQHDゲーミングでは驚くことにGTX 1080 Tiとほぼ同じワットパフォーマンスになり、消費電力1 Wあたりの性能はほとんど改善していません。ただ、最上位モデルを選ぶような人が、ワッパを気にするとも思えないので大した問題ではないでしょう。
RTX 2080 Tiのオーバークロック検証
手動オーバークロックを試す
RTX 2080 Tiの手動オーバークロックは正直に言って難易度が少し高いです。いつもどおり、GPUコアクロックを足すだけではFF15ベンチマークすらロクに完走ができず、試行錯誤を求められる事態に。
いろいろと検証した結果、GPUコアクロックはOC Scannerを使って電圧ごとにクロックを任意に設定してあげて、ファン回転数を大幅に引き上げると手動オーバークロックの効果を得られました。
「OC Scannerってなんですか?」と思った人は、普通にコアクロックを固定値で引き上げて、ファン回転数をできる限り上げてください。RTX 2080 Tiは冷やせば安定性が一気に改善する傾向が強いです。
OC Scannerでわざわざ細かいクロック設定をせずとも、とりあえず冷やせる限り冷やしてあげればオーバークロックできちんと効果を得られるはずです。では、OCした結果をザッと掲載します。
オーバークロックの効果(4Kゲーミング) | |||
---|---|---|---|
ベンチマーク | 出荷設定 | 手動OC | 性能差 |
FF14 | 83.2 fps | 88.6 fps | 6.4% |
FF15 | 64.7 fps | 68.2 fps | 5.4% |
Ghost Recon Breakpoint | 71.0 fps | 75.0 fps | 5.6% |
Shadow of the Tomb Raider | 66.0 fps | 70.0 fps | 6.1% |
黒い砂漠(リマスター) | 75.3 fps | 78.7 fps | 4.5% |
平均パフォーマンス | +5.6% |
ファンを全開で回すとコアクロックが常時2010 MHz以上で動作するようになり、各種ベンチマークで平均5.6%の性能アップです。
FF15ベンチマーク実行時の消費電力は、平均352 Wから358 Wに微増です。性能は5%上がったのに消費電力はたった1.7%しか変わりません。なぜなら冷やせる限り冷やしているからです。
グラフィックボードに限らずCPUもそうですが、半導体は冷やすほど消費電力が低下する傾向があります※。
※今回のRTX 2080 Tiでは補助電源コネクタが足りていないのも原因かもしれません。8 x 3 pin仕様ならもっと余裕のある供給ができそうです。
オーバークロック時のGPU温度とファン回転数はグラフの通りです。いくら静音性に優れたMSI Gaming X Trioといえど、2000 rpmを超えるとかなりの騒音です。計測値は47~50 dBAに達し、ハッキリ言ってうるさいレベル。
もちろん空冷タイプのオリファンとしては、極めて優秀な冷却性能です。360 Wもの熱源を62℃前後に抑えつけられるほどの冷却性能です。
まとめ:RTX 2080 Tiはやはり最強の一角
「RTX 2080 Ti」のデメリットと弱点
- 価格は少なくとも約13万円
- ワットパフォーマンスの改善はわずか
- オーバークロックはかなりの冷却が必要
- 単純なコストパフォーマンスは弱い
価格は発売当初よりも大幅に安くなりました。しかし、それでも最低13万円は必要であり、グラフィックボード単体としてはとても高価です。
RTX 2080 Tiは最上位モデルなので、消費電力の高さを気にする人はほとんどいないと思いますが、消費電力とワットパフォーマンスはGTX 1080 Tiよりは若干マシ程度な点も(一応は)デメリットでしょう。
なお、オーバークロックは伸びしろ自体はあります。他のRTX 2080 Superなどと比較して目立って違うのは、しっかり冷やさないとクロックをロクに伸ばせない傾向が強いことです。OC前提なら冷却性能に優れたオリファンを選ぶ必要があります。
「RTX 2080 Ti」のメリットと強み
- 「4Kゲーミング」をプレイ可能です
- ゲーマー向けで最強性能のグラフィックボード
- 240 Hz台のゲーミングモニターも安心
- 安定したストリーミング性能(実況配信)
- 11 GBもの大容量で高速なVRAM
- 2 GHz以上を狙えるオーバークロック耐性
- レイトレーシングとDLSSをサポート
RTX 2080 Ti最大のメリットは、言うまでもなく「最強の性能」であり「4Kゲーミングを60 fps以上でマトモに動かせる唯一の選択肢」です。4Kを安定してプレイするなら少なくともRTX 2080 Tiが必要であり、他の選択肢はほとんどありません。
4KだけでなくフルHDゲーミングでもRTX 2080 Tiの優位性は非常に高く、特に240 Hzクラスのゲーミングモニターを使う予定ならRTX 2080 Tiは最低でも第2候補くらいには入ります。
平均1 fpsあたりの価格(4Kの場合)
よってRTX 2080 Tiの値段の高さには、一定の説得力が伴っています。単純なコストパフォーマンスで見れば、RTX 2080 TiはGTX 1080 Tiにすら劣りますが、対抗できる性能を持ったグラボが他に存在しないのが現状です。
性能だけならTitan RTXやQuadro RTX 8000が、RTX 2080 Tiに対抗できるグラフィックボードですが、価格は約3~8倍へと跳ね上がってしまうためゲーム目的なら選択肢から外されます。
というわけで、RTX 2080 Tiのレビュー評価は「A+」ランクで決まりです。価格は間違いなく高価なので万人向けではありませんが、4Kゲーミングや240 Hzゲーミングを目指すコアゲーマーにとっては、RTX 2080 Tiの性能には大きな価値があります。
以上「RTX 2080 Tiをレビュー:依然として最強のゲーミングGPUの立場は崩さない」でした。
RTX 2080 Tiを入手する
RTX 2080 Tiを搭載するグラフィックボードは、記事執筆時点で12.9~20.4万円の価格帯で購入できます。全体的にデュアルファンとトリプルファンモデルがまんべんなく用意されているのが特徴的です。
おすすめの1枚は、やはり購入から2年近くレビューで使い続けている「RTX 2080 Ti GAMING X TRIO」です。分厚いヒートシンクと大口径トリプルファンのおかげで、冷却性能と静音性は優秀。
よく冷えるので安定性にも長け、不具合にあったことは一度もありません。
予算をもう少し抑えたい方には、ZOTACの「RTX 2080 Ti Triple Fan」がコスパの良い選択肢です。90 mm径のトリプルファン、厚み57 mmの分厚いボード設計で、低価格ながら割とマトモな冷却性能を実現します。
RTX 2080 Tiを搭載するBTO
ほとんどのBTOメーカーでRTX 2080 Tiを採用したBTOモデルが販売されています。
コアゲーマー向けの定番モデルを2つほど紹介。コスパで選ぶなら「ガレリアZZ」がいいです。実際にレビューを行って問題なく使えるゲーミングPCであることを確認済みです。
コスパを重視せず、冷却性能やオーバークロック性能など総合的なパフォーマンスを重視する人には、サイコムがおすすめ。特に「G-Master Hydro Extreme」は、CPUとグラボの両方を水冷化したハイエンドカスタムPC。
そのままでも十分に静音性と冷却性能は期待できますが、付属のファンを自分でNoctua製などに交換すればさらなる高パフォーマンスも狙えます。価格はもちろん高いですが、高いなりに価値があります。
他のレビューを読んでみる
フルHDゲーミングと60 fpsのゲーム録画配信なら、GTX 1660 Superが意外といい感じです。値段がちゃんと適正に落ち着いてきたら、GTX 1660(無印)の存在価値がかなり危うくなります。
WQHDゲーミング、またはゲーミングモニターを使うなら、コストに対してもっとも効果的なのはRTX 2070 Superです。
>というわけで、RTX 2080 Superのレビュー評価は「A+」ランクで決まりです。
ここだけ間違ってます…
ご指摘ありがとうございます。修正しました。
いつも記事更新お疲れ様です。誤字を見つけたので報告です。
「Ti」のレビューなのに、最後のランク付けの部分が「RTX 2080 Super」になっています。
ありがとうございます~。
文体変えました?
変えたというよりは「矯正した」感じですね。以前から「ですます・だである混在」が気になると指摘されてたので、「ですます」に統一しつつあります。
あ、なるほど。。ありがとうございました
11GBってすごい。
アセット盛り盛りのcities:skylinesでも、さすがに11GBは食い切れんやろ……(油断)
凄いのはいいんだけれどお値段がなあ・・・
せめて10万切ってくれたら買うか!ってなるんだけどな
RTX2080Tiの簡易水冷化を考えているのですが、自作初心者なのでちもろぐさんの記事を参考にしながらやってみたいと考えています。よろしければ記事化願います!
DLSSは機械学習でAAを高速実行しているのもそうですが、前提としてアプコンというのがあります
一段下の解像度でレンダリングしたのを機械学習を利用したアップスケール+AA処理を行っているのでfpsは上がってディティールが潰れるんですよね…
1080tiと2080tiはレイトレーシングの有無のみで性能自体は変わらないとどっかで見ましたが全然違いますね
こんにちは、いつも楽しくブログと動画拝見させていただいております。
どの記事もやかもち先生が実測したデータを元にしていてとても信頼でき、去年初自作を組んだ際にも先生のブログを熟読して組み、満足のいくpcを組むことができました!
ところで、一つ参考までに提案させていただきたいのですが、近々平均FPSを計測したり、60fps出すのに必要なスペックを検証したりするゲームとして、最近にわかに知名度を上げているエスケープフロムタルコフというFPSゲームを追加して頂けると、とても嬉しいです。
お忙しいとは思いますが、これからも体調にはお気をつけて下さい。素晴らしい記事の更新お待ちしております。
絶対スポンサーリンクの検索のふざけてるww
現実的な話をすれば、フレームレートを追い求める人はごく一部のゲーマーくらいです。
fpsがどうとか拘ってYouTubeのネタに使っていますが、グラボと云う製品を売り込む為のネタにしてるに過ぎない。
YouTuberさんは個人で評価する人、メーカー委託で評価してる人といます、個人で評価する人はあまり無理せず無難な評価をしますが、メーカー委託の人は売り込む為に偏った話になってしまいます。
このNV-LinkSLI等に関しても、誰に向けて情報を発信してるのかさえ???な気もします。
ただでさえ高価な2,080Tiを持ってる人は一部の人
しかもそれを2基用意してブリッジとか、プロゲーマー向けの人、一択でしかないのです。