RTX 3080搭載、ASUS製オリファンモデル「GeForce RTX 3080 TUF Gaming OC」をレビューします。
まだ日本国内で販売されていないOCモデル(国内は無印版)ですが、基本的な性能傾向は十分参考になるはずです。
スペックと仕様を解説:静圧重視のトリプルファン設計
ASUS RTX 3080 TUF Gaming OCのスペック
製品 | TUF-RTX3080-O10G-GAMING | TUF-RTX3080-10G-GAMING | RTX 3080 Founder’s Edition |
---|---|---|---|
シェーダー数CPUのコア数に相当 | 8704 | 8704 | 8704 |
RTコア数レイトレ用の特化コア | 68 | 68 | 68 |
ブーストクロックデフォルト設定 | 1785 MHz (+4.4%) | 1710 MHz | 1710 MHz |
ブーストクロックOCモード設定 | 1815 MHz (+4.3%) | 1740 MHz | – |
VRAM | GDDR6X(Micron)10 GB | GDDR6X(Micron)10 GB | GDDR6X(Micron)10 GB |
VRAMクロック | 19 Gbps | 19 Gbps | 19 Gbps |
PCIe | Gen 4.0 | Gen 4.0 | Gen 4.0 |
TDP | 320 W | 320 W | 320 W |
補助電源 | 8 + 8 pin | 8 + 8 pin | 12-pin |
寸法(cm) | 29.99 x 12.69 x 5.17 | 29.99 x 12.69 x 5.16 | 28.5 x 11.2 x 3.8 |
占有スロット | 2.7 | 2.7 | 2 |
重量 | 1398 g | 1398 g | 1355 g |
US価格 | $ 729 | $ 699 | $ 699 |
参考価格 | 112800 円 | 101000 円 | 109800 円 |
- TUF-RTX3080-10G-GAMING(無印版 / 製品ページ)
- TUF-RTX3080-O10G-GAMING(OC版 / 製品ページ)
「ASUS RTX 3080 TUF Gaming OC(TUF-RTX3080-O10G-GAMING)」のスペックを確認します。
OC版は価格設定が30ドル高いです。国内価格は112800円からスタートしており、US価格よりやや割高です。
30ドルの差はスペック表を見て分かる通り、GPUコアの選別具合です。出荷時のブーストクロックは無印版がFE版と同じ1710 MHzに対し、今回レビューするOC版は約4%高い1785 MHzに設定されています。
何も設定せずとも、最初から若干オーバークロックが施された状態です。なお、ブーストクロック以外のスペックは無印版とほぼ同じで、メモリクロックなども19 Gbps(9500 MHz)で変化なし。
ブーストクロックは1785 MHz、VRAMはMicron製GDDR6Xメモリを10 GB搭載。
外観とデザインをチェック
「ASUS RTX 3080 TUF Gaming OC」のボードデザインをチェックします。
TUFブランドの製品ですが、デザインは抜かりありません。ボード全体を覆うシュラウド(装甲的な部分)は、きちんとアルミニウム製です。手で触るとゴツゴツと硬く、剛性はかなり高そうです。
ボードの占有スロットは2.7スロットです。厚みは51.7 mm(実際に測定すると52 mm前後)もあり、側面から観察すると分厚いヒートシンクがぎっしりと詰まっている様子を確認できます。
ヒートシンクはGPUチップ本体だけでなく、チップ周辺のVRAMにも専用ヒートシンクが装備されており、ビデオメモリの故障を抑える工夫が施されています。ボード全体を徹底的に冷やす設計です。
TechPowerUp !さんがアップしてくれた分解写真を見る限り、RTX 3080 TUF Gaming OCはリファレンス基板ではなく「オリジナル基板」を採用しているようです。
ASUSが公式サイトで「TUFコンポーネント」とアピールするGPUチップ周辺の部品は、Vishay製のDrMOSで固められています。GPUコア用に16フェーズ、VRAM用に4フェーズ、合計20フェーズのVRMで電力供給を行います。
バックプレートも、シュラウドと同様アルミニウム製です。バックプレートの一部はわざと穴が空いたデザインで、ヒートシンクに溜まった熱をバックプレート側からも排出する思惑が見られます。
ヒートシンクの熱を吹き飛ばす冷却ファンは、ROG STRIXブランドでも使用されている「Axial-tech」ファンを3つ搭載します。外周をリング化したファンブレードデザインにより、高い静圧を得られる冷却ファンです。
ファンサイズは3つとも90 mm径で、中央のファンのみ逆回転する仕様です。
PCIeスロット | 最大75 W |
---|---|
補助電源(8ピン) | 最大150 W |
補助電源(8ピン) | 最大150 W |
合計 | 最大375 W |
補助電源コネクタはごく普通の「8 + 8ピン」仕様です。大抵の電源ユニットに8 + 8ピンの補助電源コネクタは付いていますが、RTX 3080は消費電力が軽く300 Wオーバーで、ケーブルに大電流が流れます。
電源ユニットメーカーのSeasonicによれば、補助電源コネクタが2つ以上あるグラフィックボードには、8ピンコネクタをそれぞれ別系統で接続して欲しいとのこと。
1つのケーブルに大電流が流れると・・・電源ユニット側の過電流保護(OCP)が発動してシステムが強制シャットダウンするなど、何かと不便な状況に陥る可能性※が(多少は)あります。
※実際にあった例はこちらを参考にしてください。
「HDMI 2.1」を2つ、「DisplayPort 1.4a」を3つ、合計5つの映像出力端子があります(※同時出力は4画面まで)。HDMI 2.1は4K @120 Hzまたは、8K @60 Hzに対応可能です(参考:HDMI規格と対応してるリフレッシュレートを解説)。
補助電源コネクタ(バックパネル側)付近に、BIOS切り替えボタンが用意されています。
ブーストクロックをガッツリ掛けて性能重視なら「Performance Mode」、ファン回転数を抑えて静音重視なら「Quiet Mode」に切り替えてください。具体的な違いは、後ほど検証して解説します。
控えめなLEDライティング
RTX 3080 TUF Gaming OCのLEDライティングは、ボード右上の「TUF GAMING」フォント付近のみ。バックプレート側はまったく光らない仕様です。
ちなみに、LEDライティングは単なる飾りではなく、電力供給の不足を知らせる機能もあります。LEDが赤色に点灯したら、電源ユニットの電力不足です。
「ASUS RTX 3080 TUF Gaming OC」の性能テスト
テスト環境(スペック)
テスト環境「ちもろぐ専用ベンチ機」 | ||
---|---|---|
CPU | Core i9 10900K | |
CPUクーラー | Corsair H100i Pro RGB240 mm簡易水冷クーラー | |
マザーボード | ASUS ROG STRIXZ490-E GAMING | |
メモリ | DDR4-3200 16GB x2使用メモリ「G.Skill Trident Z C16」 | |
グラフィックボード | RTX 3080 10GB | |
SSD | NVMe 500GB使用SSD「Samsung 970 EVO Plus」 | |
SATA 2TB使用SSD「Micron 1100」 | ||
電源ユニット | 1200 W(80+ Platnium)使用モデル「Toughpower iRGB PLUS」 | |
OS | Windows 10 Pro 64bit検証時のバージョンは「1909」 | |
ドライバ | NVIDIA 456.38 / AMD 20.8.3 | |
ディスプレイ | 3840 x 2160@60 Hz使用モデル「BenQ EL2870U」 |
「RTX 3080 TUF Gaming OC」をテストする、ちもろぐ専用ベンチ機の最新スペックです。
CPUはゲーミング最強の「Core i9 10900K」を採用。マザーボードは、10900Kを定格で問題なくぶん回す「Z490-E GAMING」を使ってます。メモリは容量を32 GB、クロックはDDR4-3200です。
その他のパーツは適当に組み合わせています。テスト時のグラフィックドライバは、NVIDIA GeForce Driverが456.38、AMD Radeon Driverは20.8.3にて検証します。
ゲーム向け定番ベンチマーク
3DMarkベンチマークの「FireStrike(DX11)」「TimeSpy(DX12)」「PortRoyale(レイトレ性能評価)」をテスト。結果はすべてRTX 3080が首位です。
同じ価格帯のRTX 2080 Superと比較すると、1.5~1.6倍の性能に進化してます。
VRゲーム性能:VRMark
VRゲーム向けの性能を評価する「VRMark」のテスト結果です。一番軽いOrange Roomは頭打ち、負荷が重たいCyan RoomとBlue Roomでようやく性能差が出ています。トップはもちろんRTX 3080です。
平均フレームレートを計測【14個】
フルHD(1920 x 1080)、WQHD(2560 x 1440)、4K(3840 x 2160)の3パターンで実際のゲーム性能を検証します。合計14個のテスト結果は↓に見やすくまとめました。
それぞれの結果をもっと個別に見たい人は、「RTX 3080をレビュー:ゲーミング性能を比較」にて確認してください。
平均パフォーマンス
「RTX 3080 TUF Gaming OC」で計測した14個のテスト結果を、平均パフォーマンスとしてまとめたグラフです。RTX 2080 Super、またはRX 5700 XTを基準とした相対グラフ(パーセント表示)もあります。
RTX 3080のゲーム性能は、RTX 2080 Superと比較してフルHDで1.32倍、WQHDは1.45倍、4K解像度で1.55倍です。RTX 3080のスペックを考えると、思ったより伸びていない印象はありますが、今のところ最強クラスの性能です。
熱と消費電力を実測テスト
2つのモード:PerformanceとQuiet
「RTX 3080 TUF Gaming OC」の動作について検証する前に、2つある動作モードについて解説しておきます。
「RTX 3080 TUF Gaming OC」はバックプレート側のスイッチを使って、2つの動作モードを切り替え可能です。
- Performance Mode:ブーストクロック強化 & ファン回転数アップ
- Quiet Mode:ブーストクロックは定格に準拠 & ファン回転数を落とす
デフォルトはPerformance Modeにスイッチが入っています。だからPerformance Modeだけで動作を検証する予定でしたが、せっかくですのでQuiet Modeの動作も検証することにしました。
ゲーミング時の実効GPUクロック
FF15ベンチマーク(高品質)を4K解像度でテスト中に、GPUクロックを記録した結果です。
- Performance Mode:1920 MHz
- Quiet Mode:1905 MHz
中央値でわずか15 MHzしか変わりません。ベンチマーク結果も誤差レベルです。
グラボ温度とファンの動作音(騒音)
グラフィックボードの温度(GPUコア温度)は、Performance Modeで最大63℃、Quiet Modeだと最大71℃(+8℃)に上昇。
NVIDIAの公式スペックいわく、RTX 3080の最大温度は93℃です。Quiet Modeの最大71℃ですら20℃前後のマージンがあり、「RTX 3080 TUF Gaming OC」の冷却性能はかなり優秀だと分かります。
グラフィックボードから50 cmの距離で、デジタル騒音ロガーを使って動作音(騒音値)を1秒ずつ測定です。Performance Modeのファン回転数は2000 rpmに迫り、動作音は41 dB前後まで上昇します。
オープンケース環境だと41 dBは十分に聴こえるレベルの騒音値ですが、PCケースに収納してしまえば問題なく「静音」です。
Quiet Mode時のファン回転数は1500 rpmまで上昇します。騒音値は38.5 dB前後まで抑えられ、Performance Modeと比較して圧倒的に静かです。
40 dBを下回るとオープンケース環境ですら静かに聞こえ、むしろCPUクーラーの動作音の方が気になるレベル。PCケースに収納すると、文字通り「Quiet Mode(静音モード)」でしょう。
消費電力を実測してテスト
FF15ベンチマーク(高品質)を実行中に、電源ユニットの消費電力ロガー機能(1秒ずつ)を使って、グラフィックボード単体の消費電力を測定した結果です。
- フルHD:318.9 W
- WQHD:330.5 W
- 4K:331.4 W
- 4K + DLSS:333.5 W
若干オーバークロックが施されているため、TDPの320 W以内に収まるのはフルHDゲーミング時だけです。負荷率の高いWQHD以上では320 Wをオーバーし、330 W前後で推移します。
「RTX 3080 TUF Gaming OC」の給電コネクタは、PCIeスロット(最大75 W)と補助電源コネクタの8 + 8ピン(最大150 + 150 W)のみ。つまり、引き出せる消費電力はあと45 W程度しか残されていません。
手動でさらなるオーバークロックを設定しても、先に給電能力(最大375 W)が壁になってしまい、思うように性能を伸ばせない可能性が高いです。
1時間のストレステストを試す
3DMark TimeSpy StressTest(GPU使用率は常時100%近い状態)を使って、「RTX 3080 TUF Gaming OC」に1時間ほどストレスを掛け続けてみます。なお、テスト時の動作モードは「Quiet Mode」です。
至って安定した動作です。1時間にわたってストレスを掛けても、GPU温度は最大71℃を維持します。ファン回転数は1550 rpm前後で推移しています。
GPUクロックも安定した動作です。1時間のグラフだとデータが多すぎて見づらいので、20分間に拡大したグラフをチェック。
20分間のGPUクロックは最大1980 MHz、最低1830 MHz、中央値は1890 MHzです。
まとめると、「RTX 3080 TUF Gaming OC」の冷却性能はかなり優秀と評価できます。Quiet Modeで1.9 GHz近い動作クロックを1時間に渡って維持しつづけ、温度も最大71℃で問題なし。冷却ファンも「静音」で万人向けなオリファンです。
サーモグラフィカメラで表面温度を撮影
ストレステストを開始して55分あたりで、サーモグラフィカメラを使って「RTX 3080 TUF Gaming OC」の表面温度を撮影しておきました。
アルミニウム製のバックプレートはGPUチップ周辺で70℃前後、全体的には50~60℃です。きちんと放熱してる感があるバックプレートです。
ファン側から撮影したヒートシンクは50℃前後です。
側面から基板本体の温度を見てみると、70℃前後で推移、もっとも熱い部分で74℃でした。
補助電源コネクタは接続部が70℃ちょっとに達します。
オーバークロックを検証
手動オーバークロックと260 W制限
MSI Afterburner(4.6.3 Beta 2)で、「RTX 3080 TUF Gaming OC」のオーバークロックを検証します。動作モードは「Performance Mode」です。
設定は「手動オーバークロック」と「260 W制限」の2つを試します。
手動オーバークロック | Core Voltage:+5% Power Limit:105% Temp Limit:87℃ Core Clock:+65 MHz Memory Clock:+750 MHz(20.5 Gbps) |
---|---|
260 W制限 | Power Limit:76% |
オーバークロックは電力制限を105%に引き上げ、コア電圧を5%追加して、GPUコアクロックを+65 MHz(1850 MHz)、メモリクロックを+750 MHz(= 20.5 Gbps相当)に設定しました。
260 Wの電力制限は、単にPower Limit(電力制限)を76%に引き下げるだけでOKです。260 Wで頑張れる範囲で、勝手にGPUクロックやコア電圧を調整して動作してくれます。
オーバークロックと性能
定番ベンチマークの3DMarkとVRMarkでは、オーバークロックで2.2~3.6%の性能アップが可能です。一方、260 W制限は1割近くも性能が下がります。それでもRTX 2080 Tiよりは、まだまだ高性能です。
Shadow of the Tomb Raider、FF15、Assassin’s Creed Odysseyの3タイトルを4K解像度でベンチマーク。
オーバークロックは2.6~3.2%の性能アップ、アサクリだけ10%近い性能アップを確認できます。コアクロックの追加よりも、メモリクロックの追加(19 → 20.5 Gbps化)が効いている印象があります。
260 W制限はざっくり6~7%の性能ダウン、アサクリは電力制限の影響をあまり受けていません。260 W制限を掛けた状態でも、依然としてRTX 2080 Tiを軽く上回るため、制限を掛けるとワッパは大幅改善しそうです。
GPUクロック、温度、消費電力
FF15ベンチマーク(高品質)を4K解像度でテスト中に、HWiNFOを使って「GPUクロック」「GPU温度」「消費電力」の変化を記録。GPUコアクロックから見ていきます。
GPUクロックはオーバークロック時で1950 MHz、出荷設定だと1920 MHz、260 W制限は1740 MHz(3つとも中央値)でした。
オーバークロックは設定から65 MHz追加しているのに、実際の動作クロックは30 MHzしか上昇しません。瞬間的に65 MHzの差がつくシーンもありますが、ごくわずかです。
同じグラフィックボードの比較ですので、実測ではなくソフト読みで比較します。
オーバークロック設定は電力制限を+5%に設定しています。実際の消費電力はたった7 W(約2%)しか上昇せず、グラフィックボードの給電コネクタが壁になっている可能性が高いです。
260 W制限は意図したとおりに動作しています。出荷設定より78 Wも消費電力を削減でき、258 W(中央値)で推移します。約260 Wは、RTX 2080 Superの1割増しの消費電力です。
消費電力が上がった下がった分だけ、グラフィックボードの温度(発熱)も変化します。それぞれの平均値を以下にまとめます。
- 260 W制限:55.6℃
- 出荷設定:62.8℃
- オーバークロック:66.7℃
「RTX 3080 TUF Gaming OC」の冷却性能はやはり優秀です。消費電力がピーク時に350 Wに達するオーバークロック時ですら、67℃前後に抑えられています。温度的には、まだOCできる余地がありそうです。
260 W制限は56℃前後まで温度が下がり、心穏やかにRTX 3080を運用できます。ファン回転数は2000 rpm前後から1700 rpm前後に低下し、まるでQuiet Modeのような静かな動作音でした。
ワットパフォーマンス
消費電力とワットパフォーマンス(1 Wあたりの平均フレームレート)をグラフにまとめました。
消費電力を24%カットしても、ゲーミング性能は6~7%の低下で済むため、ワットパフォーマンスは260 W制限がもっとも優秀です。
他のグラフィックボードと比較したデータです。260 W制限がトップで、次にオーバークロック設定が僅差で出荷設定より上に来ます。
もしかすると、出荷設定は相当にマージンをとった設定で、電力制限で絞りつつ同じ性能を維持できるちょうど良いバランスの設定が存在するかもしれないです。ワッパにこだわる人は、設定を詰めてみると良いでしょう。
まとめ:新生TUFグラボは優等生です
「RTX 3080 TUF Gaming OC」のデメリットと弱点
- 全長ほぼ30 cm(PCケースに注意)
- LEDライティングは控えめ
「RTX 3080 TUF Gaming OC」のメリットと強み
- 「RTX 3080」の性能を100%引き出す
- とても静かな動作音(41 dB前後)
- Quiet Modeだと更に静か(38 dB前後)
- 驚くほど優れた冷却性能
- スイッチで2つの動作モードを切り替え可
- オーバークロックの余地あり
- GPUチップだけでなくVRAMも冷やす設計
- シュラウドからバックプレートまでアルミニウム製
- LEDは電力不足を知らせる機能付き
- 無骨でシックな仕上がりのデザイン
- 良心的な価格設定(わずか30ドルの差額)
「TUF」というブランドネーミングどおり、非常にタフな設計を盛り込んだマトモなオリファンモデルです。
ROG STRIXゆずりのAxial-Techトリプルファンは本当によく冷えます。約4%のOCが施されたRTX 3080を、Performance Modeで64℃前後、Quiet Modeですら70℃台に抑え込むほど冷却性能が優秀です。
ファンの動作音も静かです。Performance Modeでも騒音値は41 dB前後で、ほとんどの人にとって十分静かに感じられます。Quiet Modeだと38 dB前後まで騒音値が下がり、他のパーツの動作音が気になるレベル。
まとめると「RTX 3080 TUF Gaming OC」は性能、温度、価格まで。全体的にバランス良くまとまった優等生的なグラフィックボードです。
以上「ASUS RTX 3080 TUF Gaming OCをレビュー:欠点の少ない優等生的なグラボ」でした。
OC版と無印版のボード設計は基本的にほぼ共通※で、違いはGPUチップの選別具合と約4%追加されたブーストクロックのみ。
税込価格は約10万円(99980 円)ですので、コスパで選ぶなら無印版で良いかも。選別の差はあれど、ブーストクロックが4%低めに設定されているので、必然的にGPU温度は下がります。
※価格が30ドルしか違わないので、あえて専用設計のボードを分けて使用する可能性は極めて低いです。
他のレビューも読んでみる
RTX 3080をフルHDゲーミングで使うなら、ゲーミングモニターも相当にパワフルなやつが必要です。競技性を重視なら「XL2746S」、画質と性能を両立ならIPSパネルで280 Hzな「VG279QM」を推します。
欲しいけど売ってねんだ
やかもちさんのところにサンプル行ったってことはそのうち発売されるんだろ…と思いたい。
正直無印版でも問題ないけどね。
早めのロットあたりだとOCVerに回す余裕なくて、OC耐性ありそうなのも交じってそうっていう浅はかな予想。
LEDライティングが控えめなところが割と賛否ありそうですが気にならなければ、買いな印象ですね。
ストレステスト(バラックのためか1~3回(20~60分ではほぼ差がない))
TUF 9cm x3 1550rpmで71℃
Trinity 9cmx3 1325rpmで72℃
TUFは温度低減よりなチューニングでTrinityは静音よりなチューニングみたいですね。
あと電力制限 -78W化で大幅にワットパフォーマンスが上がりますね。
これはこれまで過去のGTXも含めて同様の傾向のようではありますが、消費電力が高い分消費電力の減り方が大きい印象で、その点では3080より3090のほうによりワットパフォーマンスは有利そうですね。
常用はある程度の電力制限を使いたいところです。(その場合クーラーの高性能さがそれほど必要なくなってTUFの冷却性能やチューニングの方向性がスポイルされることにはなりそうですが。)
正直、こういう本物が書いた記事を読むと他のレビューは読む気にもならない。素晴らしい記事をありがとうございます‼️
2070superなワイは950から1650並みに惨敗した気分だ。ハイミドル級の3070と3060の性能が気になる
RTX3000はさほどワッパが向上してないせいもあって価格性能比で2070SUPERは今でも買いなような珍しい存在な気もしないでもない。機能的にも既に備わっていてまだ伸びそうだしで。
一つ前の記事とこちらとでワットパフォーマンスの比較グラフが食い違っています。
どちらか(内容的に本記事かな?)で順番をお間違えではないでしょうか?
ご指摘ありがとうございます(_ _)
元データを確認したところ、本記事のグラフが間違いでした。正しいグラフに修正しました。
ちもろぐさんは、3080が思ったよりfpsを伸ばせていない理由をどのようにお考えでしょう?
ぼくは技術者ではないので・・・あくまでもベンチマーク的な傾向から原因を推測すると。
・i9 10900Kですら、まだボトルネックになっている説。
・メモリの設定が追いついていない説。
以上2つは、原因になってる可能性が高いと考えています。
やかもちさんでした失礼
4K環境やベンチマーク重視のハイエンド指向の方ならGA102 3080のこのカードは有意義なのでしょうし、またNVLinkが付いた3080Tiとか今後無くはなさそうですが・・・
いかんせん入手性の悪さと、結局のところワットパフォーマンスはそれほど上がっていないので、2080Ti以下の性能で良いならTuringで良いともいえるこの2点が最大の欠点ですね。
Amazonに商品ページと説明あるので正式販売して欲しいです。
新しいドライバー(456.55)で手持ちのTUF 3080無印がクラッシュしなくなったので報告します。
クラッシュ問題は冷や冷やだったでしょう。とりあえず良かったですね。
[…] ちなみに260W という電源制限値は、同製品のレビューをされていたちもろぐ(やかもちさん)の値を参考にした。 同記事によると 260W制限でゲーミング性能は 6-7% の低下ながらワッパは 1.27 […]
自分もTUF3080ocのブーストクロックOCモード設1815 MHzはどのように設定したのですか? メイン機でTUF3080ocを使用しているのですがmsi afterburnerではずっと1785MHz表記のままでして…コアクロックあげる部分をいじっても変わらずです。 メモリクロックの方はそれなりにあげる事が出来ました。 投稿から数年経っていますがご返事頂けると幸いです。