長年、SSDの性能はある意味で頭打ちでした。どれだけ最速値が高速化しても体感はできない。しかし、インテルの新型メモリ「3D XPoint」はこの停滞を打破するかもしれない。本当の意味で「最速」を更新するストレージ、「Intel Optane 900p」をレビュー。
Intel Optane 900pの仕様とスペック
2017年にインテルは新型のメモリ技術「3D XPoint」を搭載したエンタープライズ向けSSD「Optane SSD DC P4800X」を投入しています。その後2018年になって、コンシューマ向けにも3D XPoint採用品が降ってきた。
それがキャッシュ用SSDの「Optane Memory」で、その後SSDとして使われることを想定した「Optane 900p」が登場した(2019年時点の最新モデルはOptane 905pなので注意)。
スペック | Intel Optane 900p | |
---|---|---|
容量 | 280 GB | 480 GB |
フォームファクタ | HHHL | |
2.5 inch U.2 | – | |
インターフェイス | PCIe 3.0 x4 | |
コントローラ | Intel SLL3D | |
メモリ※NANDフラッシュにあたる | Intel製128Gb 3D XPoint | |
DRAMキャッシュ | なし | |
読み込みシーケンシャル | 2500 MB/s | |
書き込みシーケンシャル | 2000 MB/s | |
読み込み4KBランダムアクセス | 550000 IOPS | |
書き込み4KBランダムアクセス | 500000 IOPS | |
読み込みレイテンシ | 10 μs | |
書き込みレイテンシ | 10 μs | |
消費電力稼働時 | 14 W | |
消費電力アイドル時 | 5 W | |
保証 | 5年 | |
TBW書き込み耐性 | 5232 TBW | 8970 TBW |
MSRP希望小売価格 | $ 389 | $ 599 |
参考価格Amazon価格 | 47270 円 | 79800 円 |
GB単価 | 168.8 円 | 166.3 円 |
スペックは以上の通り。インテルはコンシューマ向けSSDだと、NANDフラッシュとパッケージング以外は他社から仕入れたパーツを使ってコストカットするが、さすがにOptane 900pは「インテル純正」と呼べる内容です。
NANDフラッシュ…というよりメモリは、インテルの新技術である「3D XPoint」メモリを搭載。従来のNANDフラッシュを遥かに超える低遅延と、桁の違う圧倒的な耐久性能を実現します。
SSDコントローラは「Intel SLL3D」を搭載。インテル製のコントローラではあるが、残念ながら公式スペックシートやドキュメントは見つけられなかったため詳細は不明です。
DRAMキャッシュは一切搭載していない。「3D XPoint」メモリは極めて低遅延で耐久性も高いため、DRAMキャッシュを用意するメリットは皆無だからです。
次元の違う圧倒的な耐久性能
3D XPointはNANDフラッシュとDRAMの「中間を埋める新たなストレージ」として、インテルが大々的にマーケティングを打っている通り、速いだけでなく耐久性能も「永遠では?」と錯覚するレベルで凄い。
Optane 900pの容量はちょっと特殊で比較しにくいため、TBWの絶対値ではなく、SSDの容量1 GBあたりの耐久性能(TBW / GB容量)を求めて以上のグラフにまとめてみました。
グラフから分かることは、Optane 900pの耐久性能には名だたるプロ向けSSDですら全く届かないし、エンタープライズ向けのSSDですら程遠い。あまりにも高すぎて一般用途で壊すのは極めて難しい。
グラフには掲載していないが、今のところOptane 900pを超えているのはエンタープライズ向けの「Intel Optane DC P4800X」のみ。後継モデルのOptane 905pは互角の水準です。
Intel Optane 900pを開封レビュー
インテルのハイエンド品に通ずるデザイン
今回レビューを行うIntel Optane 900pは、動画エンコード関係にものすごく詳しいベルQさん(@bel9r)よりお借りしました。あらためて、この場で感謝申し上げます。
では開封レビューから進めていく。
Intel Optane 900pのパッケージングはブラックを基調としたシンプルなデザイン。黒色をパッケージに使うのはインテルのハイエンド製品ならでは、だと思います。
裏面は保証期間や付属品について簡単に書いてあるだけでした。U.2版には「U.2→M.2変換コネクタ」が付属しているようです。
- SSDPE21D280GASM:U.2→M.2変換コネクタ
- SSDPE21D280GASX:U.2→U.2コネクタ(SFF-8643)
型番によって付属するコネクタが違うので注意が必要です。型番の最後の1桁が「M」ならM.2変換コネクタ、「X」ならU.2コネクタが付属しています。
開封すると発泡スチロールの型に収められたOptane 900pが登場。
更に下の段に「U.2→M.2変換コネクタ」が入っていました。レンタル品なので、保証書など一部の付属品は入っていません。
頑丈そうで重たい筐体
筐体はよくある2.5インチですが、厚みは15 mmもあります。筐体は金属製のようで、ずっしりと重たくものすごく硬い。
表面が波打つようなデザインになっているのは、表面積を稼いで冷却効率を高める工夫かと思われます。この巨大で分厚い筐体そのものがヒートシンクになっている。
表面はシンプルに「Intel Optane SSD 900P」と書いてあるのみ。
一般的な2.5インチSSDと比較すると、Optane 900pの15 mm厚がどれだけ分厚いかが分かりやすい。
「U.2→M.2変換コネクタ」はこのようになっています。
M.2側は一般的な「M.2 2280」なので、ほとんどのマザーボードで利用できます。
これはSATA電源コネクタ(L字コネクタ)です。Optane 900pはSSDとしては消費電力がかなり大きいので、必ず挿し込むこと。
そしてU.2コネクタ。Optane 900pに挿し込むだけでOKです。
Intel Optane 900pの性能を検証(ベンチマーク)
テスト環境
- CPU:Core i9 9900K
- 冷却:NZXT X62
- メモリ:DDR4-2666 8GB x2
- マザーボード:ASRock Z390 Extreme4
- SSD:Samsung 860 EVO(250 GB)
- グラボ:ZOTAC RTX 2060 Twin Fan
- 電源:1200 W
ちもろぐ専用ベンチ機にてOptane 900pを検証します。
「エージング」とCPU直結レーンについて
Optane 900pは新品の状態だと公称値通りのパフォーマンスが出ない可能性が高い。こちらに届いた直後のテストでは読み込みが2500 MB/sで、書き込みは1900 MB/sしか出ていなかった。
その後、いろいろなテストを実行したり検証用の動画素材を置いたりして、本レビューで再びテストを行ったところ。全体的にパフォーマンスの改善が見られました。
オーディオ機器には「エージング」という概念があるが、Optane SSDにも似たような概念があるのかもしれない。と思ってIntelの公式ドキュメントを漁ったところ、該当の情報を発見できた。
インテルOptane SSD DC P4800Xの電源を長期間オフにしたままにしておくと、バックグラウンドデータが高速になります。リフレッシュはファームウェア設計によって呼び出され、パフォーマンスに影響を与えます。
If an Intel Optane SSD DC P4800X remains de-energized for an extended period of time, faster background data refresh will be invoked by firmware design, impacting performance.
通電停止状態の長さと温度は、より速いバックグラウンドをトリガーする可能性に影響を与えます。データの更新(現在3時間以内に設定されています)。
The length and temperature of the de-energized state will impact the likelihood of triggering faster background data refresh (currently set at ~3 hours).
これにより、パフォーマンス評価を実行する前に、3時間の最小電源投入時間をお勧めします。
With this, Intel recommends minimum power-on time of 3 hours before running performance evaluations.
「Intel Optane Solid State Drive DC P4800X Performance Evaluation Guide」より引用(日本語はGoogle翻訳)
Optane SSDには「background data refresh process」と呼ばれる挙動があるため、少なくとも3時間は通電し、ある程度は書き込んだ状態でパフォーマンスを評価したほうが良い。とのことです。
よって今回の検証レビューでは、80 GB程度のデータを保存しておき、3時間以上の連続通電を行った上で各種ベンチマークとテストを回しました。
次の注意点はPCI Expressのレーンについて。マザーボードのM.2ソケットに挿し込むと、大抵のZ390マザーボードはチップセット経由のレーンを使用するようになっています。
しかし、CPUとチップセットをつなぐバスインターフェースの規格はDMI 3.0で、帯域幅は最大4GT/sです。ここがボトルネックになると厄介なので、今回はPCIe変換コネクタを使ってグラボ用のコネクタに挿し込みます。
グラボ用のPCIeスロットはCPUと直接つながっているため、DMI 3.0を経由する必要はない。よってボトルネックを回避してOptane 900pの性能を評価できる状態になっています。
Crystal Disk Mark 6
日本だけでなく国際的にも定番のSSDベンチマークである「Crystal Disk Mark 6」を用いて、Optane 900pの基本的な性能をチェックする。
性能に一貫性があるかどうかを確かめるため、標準設定の「1 GB」だけでなく「50 MB」や「16 GB」など、複数のテストサイズを実行して「性能の変化」にも着目します。
50 MB
Crystal Disk Mark 6で検証できる最小サイズ「50 MB」でテストを実行。シーケンシャル速度は読み書きともに公称値を200 MB/s以上も超える、良好な結果を記録しました。
そして驚くのがランダムアクセス速度(4KiB Q1T1)。読み込みは200 MB/sを超え、書き込みも190 MB/s台です。ランダムリードが200 MB/sを超えているのは本当にすごい。
1 GB
標準的なテストサイズ「1 GB」で実行。結果はほとんど変わらず安定しています。
4 GB
やや大きめの「4 GB」テスト。依然として性能に変化はなく、非常に安定した動作です。
16 GB
更に大きい「16 GB」テストではパフォーマンスを落とすSSDが少なくないが、Optane 900pは微動だにしなかった。
32 GB
Crystal Disk Mark 6で検証できる最大サイズ「32 GB」では、若干読み込み速度が低下したが、ほぼ安定した動作と言って差し支えない結果です。
過去にレビューを行ったNVMe SSDと比較すると、シーケンシャル速度ではSamsung 970 EVOなど「ベンチマーク番長」と呼ばれているSSDに抑えられています。
一方でグラフの右側(ランダムアクセス速度)に行けば行くほど、従来のSSDは性能を落とし、Optane 900pはトップスピードを独走してみせた。現状、900pと互角に争えるのは同じOptane系SSDだけです。
AS SSD Benchmark 2.0
非圧縮データをテストに用いる「AS SSD Benchmark」でOptane 900pの性能をスコア化。
AS SSD Benchmark 2.0
圧巻です。
シーケンシャル速度だけでなく、ランダムアクセス速度(4Kと4K-64Thrdの項目)で圧倒的なパフォーマンスを叩き出したのが主な勝因ですね。
ATTO Disk Benchmark
複数のテストサイズを一括でテストして、SSDの性能の一貫性や性格を分かりやすく示してくれるATTO Disk Benchmarkを検証。
速い上に安定性も抜群。32 KBサイズでトップスピードに到達した後、ほぼ同じような速度を出し続けています。しかも読み込み、書き込みの両方がピタッと直線です。
分かりやすくグラフに変換して他のNVMe SSDと比較する。やはり他のSSDと比較するとOptane 900pの安定性が際立ってくる。
書き込み速度は普通のSSDもかなり良い結果を出せています。ベンチマークだけならSamsung 970 EVO Plusはやはり強いですね。
HD Tune Pro
約3500円するシェアウェアのストレージベンチマークです。ディスク全体に渡って書き込みを実行するテストがあるので、キャッシュの挙動(=下駄の履かされ具合)を確認しやすい。
とはいえOptane 900pにはDRAMキャッシュは搭載されていないし、擬似的なキャッシュシステムも一切ない。よって妙なベンチマーク結果が出ることは無いはずです。
読み込み速度
興味深い結果になった。ビシッとした直線にはならず、やや上下にブレながら平均的には安定した読み込み速度をキープしています。
そしてアクセスタイム。過去の検証では0.100 ミリ秒前後に落ち着く傾向があったが、Optane 900pは大きく塗り替えてなんと0.012 ミリ秒(=12 μs)を記録した。
書き込み速度
書き込み速度も不思議な挙動を見せています。平均値で見るとほぼ1 GB/s近い速度を維持しているが、途中で速度が若干低下しています。アクセスタイムは0.016 ミリ秒(=16μs)でかなり速いです。
SLCキャッシュの有無
特にこれといったキャッシュはないはずのOptane 900pに対して、50 GBの連続テストを実行。読み込み速度は一貫しているが、書き込み速度はなぜか33 GBくらいで低下してしまいます。
480 GB版のOptane 900pだと速度低下はないというデータが見当たったので、280 GB版だけで見られる現象かもしれない※。
※余談ですが、後継モデルの「905p」では最小容量が280 GBから380 GBに引き上げられています。もしかして、この速度低下現象が原因かもしれませんが(真相は不明)。
ゲームのローディング時間
ロード時間 | Optane 900p 280GB | Intel 760p 250GB | 970 EVO Plus 250GB | 970 EVO 250GB | 比較 |
---|---|---|---|---|---|
シーン#1 | 1.047 秒 | 1.454 秒 | 1.376 秒 | 1.991 秒 | -47.4% |
シーン#2 | 1.549 秒 | 1.801 秒 | 1.843 秒 | 2.086 秒 | -25.7% |
シーン#3 | 1.232 秒 | 1.491 秒 | 1.546 秒 | 1.679 秒 | -26.6% |
シーン#4 | 1.701 秒 | 2.026 秒 | 2.062 秒 | 2.147 秒 | -20.8% |
シーン#5 | 2.98 秒 | 3.585 秒 | 3.967 秒 | 4.092 秒 | -27.2% |
シーン#6 | 0.676 秒 | 0.803 秒 | 0.881 秒 | 0.92 秒 | -26.5% |
合計 | 9.185 秒 | 11.16 秒 | 11.676 秒 | 12.916 秒 | -28.9% |
FF14:紅蓮のリベレーターのベンチマークを使って、各セクションごとにロード時間を計測。Optane 900pは期待通り、最速のロード時間を記録しています。
PCMark 8 Storage Test
PCMark 8のストレージテストは、日常的な使用で想定されるアプリケーション(Adobe系ソフトやOffice系ソフトなどを中心)における実効速度を計測して性能を評価する。
PCMark 8 Storage Test / Score
総合スコアはほぼ頭打ちです。
PCMark 8 Storage Test / 実効速度
一方でPCMark 8を実行中のスループット(転送速度)は、他のNVMe SSDを大きく引き離しました。要するに、何らかの負荷が掛かった環境でも、性能が低下しにくいのです。
次のテストからベンチマークソフトから離れ、実際のアプリケーションを利用した検証方法に移ります。
Premiere Proプレビューの「コマ落ち」
Premiere Proの動画プレビューは動画素材を置いているストレージに影響を受けやすく、高ビットレート(=1秒あたりの転送量が多い)な素材であればあるほど「コマ落ち」が発生しやすくなる。
この検証ではコマ落ちの頻度を計測することで、SSDの性能を評価します。コマ落ちの計測にはPremiere Proの標準機能「コマ落ちインジケータ」を使って、総フレーム数に対するコマ落ち比率で比較する。
動画素材 | Optane 900p 280GB | 860 EVO 500GB | 970 EVO Plus 250GB | Intel 760p 250GB |
---|---|---|---|---|
4K @448MB/s | 16.36% | 68.16% | 36.39% | 45.81% |
3K @251MB/s | 0.00% | 43.26% | 0.00% | 7.66% |
2K @176MB/s | 0.00% | 15.56% | 0.00% | 0.00% |
4K @108MB/s | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
1080p @99MB/s | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
3D XPointの強みを確認できるテストですね。ベンチマークでは凄まじい数値を叩き出すSamsung 970 EVO Plusでは、秒間450 MBの動画素材だと4割もフレームを落とします。
Optane 900pはベンチマークでは970 EVO Plusに劣るものの、プレビューテストでドロップフレーム率を16%にまで抑えられた。それ以下の動画素材ではドロップフレームは皆無です。
プロクリエイターの使用にも耐えられる性能が、Optane 900pにはあると言っていい。
アクセス集中時の応答速度
品質の悪いSSDにたまに見られる現象が「プチフリーズ」。Windows起動時にPCの動作がカクつく、動画ファイルを移動中にゲームをプレイしているとフレームが飛ぶ、などが代表例。
方法は約28 GB(1253枚)のTIFF画像を一気にBMP画像に変換(エンコード)するだけ。読み書きの両方を使うし、画像1枚の処理が終わるたびにタスクが中断されるため意外とストレスが大きい処理です。
さすがに速いですね。読み込み、待ち時間、書き込みすべてがほぼ10 ミリ秒以下に抑えられています。では他のSSDと比較してみましょう。
テスト内容 | Optane 900p 280GB | 860 EVO 500GB | 970 EVO Plus 250GB | Intel 760p 250GB |
---|---|---|---|---|
平均読込時間 | 7.31 ms | 32.09 ms | 11.41 ms | 51.80 ms |
平均待ち時間 | 2.89 ms | 16.28 ms | 6.81 ms | 44.13 ms |
平均書込時間 | 1.13 ms | 9.37 ms | 4.84 ms | 39.40 ms |
エンコード時間 | 79 秒 | 116 秒 | 90 秒 | 161 秒 |
Optane 900pの「低遅延」の強さが、このストレステストでいかんなく発揮された形です。読み込みは970 EVO Plusに対して36%速いだけですが、書き込みとタスク待ちは58~77%も短縮化。
エンコードに掛かった時間は更に短縮され、970 EVO Plusの90秒から79秒まで。率にして12%も削減できてしまった。同時に複数のタスクを進行する使い方において、Optane 900pは猛威を振るうと推測できます。
SSDの動作温度を確認
ベンチマーク時のセンサー温度を計測
Crystal Disk Mark 6の「32 GB」テストを実行中に、HWiNFOを使ってSSDのセンサー温度を計測する。
センサー経由の温度は最大51℃でした。PCIe接続の超高速SSDでありながら、とても大人しい温度に抑えられています。U.2版は筐体そのものが巨大なヒートシンクなので冷却しやすいのでしょう。
サーモグラフィーで表面温度を確認
サーモグラフィーカメラで表面の温度を撮影すると、表側は45~47℃くらいで推移しています。センサーの温度はどこから来ているか不明ですが、とりあえず大きく間違いは無いようです。
裏側はもう少し温度が高くなり、47~50℃くらいで推移した。動作温度に問題は一切ありません。
まとめ:システムを酷使するハードユーザーに最適
新しいメモリ技術「3D XPoint」を用いた最初のコンシューマ向けSSD「Intel Optane 900p」は非常に優秀な製品です。現状、同じような価格でOptane 900pに互角に並ぶSSDは存在しません。
「Intel Optane 900p」の良いところ
- 一般向けSSDとして最強の耐久性
- 競合を遥かに上回る「低遅延」
- ランダムリード速度は最速クラス
- 圧倒的に一貫したパフォーマンス
- 高負荷でも極めて高い安定性
- 製品保証はたっぷり5年間
とにかく、普通のSSDではまず勝てない圧倒的な「ランダムアクセス速度」と「低遅延(超低レイテンシ)」、そしてそこから生み出される「常に一貫したパフォーマンス」が大きな強みです。
システムストレージ上で複数の重たいタスクを長時間に渡って駆使するような人なら、Optane 900pの性能を「体感」できると思います。何をやっても目詰まりするような動作はほとんど見せない。
「Intel Optane 900p」の微妙なとこ
- 消費電力はとても大きい
- コストパフォーマンスは悪い
- 万人向けではない
スペックシートによれば消費電力は14 Wです。SSDにしてはかなり大きい。個人的にはその程度の消費電力は誤差レベルだと思っていますが、「ストレージ1個に14 Wだって?」と感じる人もいるかもしれない。
次に問題なのがコストパフォーマンスの悪さです。Optane 900pはコンシューマ向けSSDにとして、エンタープライズ級に匹敵する「すさまじい性能」を提供してくれます。
しかしエンプラ級の性能を必要としているユーザーはそこまで多くはなく、他の選択肢で十分満足な結果が得られるのも現実です(例:Samsung 970 ProやWD Black SN750など)。
ただ、確かにコストパフォーマンスは悪いとはいえ、同価格帯でOptane 900pに勝てるSSDが存在しないのもまた事実。一応ライバルは「Samsung 983 ZET」だが、値段も性能も900pに及ばないため問題外です。
現状、Optane SSDの優位性は他のSSDでは代替できない「唯一無二」のモノです。Optane 900pが人を選ぶSSDなのは間違いない。でも最高を求める人にとってはベストな選択肢です。
まとめると、「最高のスペックを求める人」「高負荷なタスクを同時に並行処理するハードユーザー」におすすめなSSDでした。今後2~3年はハイエンドを維持したいという人にも適任です。
今のところ3D XPointに敵う技術は生み出されていないため、当面の間Optane系SSDはコンシューマ向けSSDでトップクラスに居座り続ける可能性が高い。
以上「Intel Optane 900pをレビュー:SSDの新次元を切り拓く3D XPoint」でした。
検証・レビューお疲れ様です
性能は比肩するものない唯一無二の凄さですねぇ
コスパも量産効果や、生産技術の控除でよくなっていくでしょうし、今後の期待はすごいことになりそうです。
惜しむらくは性能がすごく動画編集や画像編集向けなのに、容量が少ないラインナップなことでしょうか、動画編集をする人だと480/280という容量は少なめで、複数台を載せて行きたくなるところですが、そうすると14wという消費電力がボディーブローのように効いてきそうです(XeonやTRのようにPCIeレーンが有り余っているPCで6台運用とかすると84w!グラボの8pinが1本増えたような感じ!)
TB製品がでてくれたら、Cドライブでもキャッシュやドキュメントの移動などを考えなくていい素晴らしい製品になると思います。
大容量なOptane SSDは後継モデルの「Optane 905p」で登場しました。960 GBと1.5 TBの2種類が新たに加わっています。
3D XPoint は 頻繁に書き込みが発生しうるキャッシュ用に正規に製品化できるほどですから根本的に耐久性は別格そうですね。
ノートに組み込めるかなぁ、と初めて見た時は思いましたが、無理ですな。
M.2 22110ソケットのあるノートパソコンなら組み込めるかも知れませんが、そういうノートパソコンはあまり見ないですね…
1枚目のグラフの単位、TBWではなくPBWでは。
ssdの事がよくわからないので質問失礼します。
ssdは高速とよく聞きますが、ssdがパソコンに入っていればもうパソコンの起動やゲームの起動は早くなるということでしょうか?無知な者で変なこと言ってるかもしれませんが答えていただけると幸いです…
パソコンにSSDを入れるだけではダメですね。
SSDにOSやソフトをインストールする必要があります。
SSDにWindows 10やゲームをインストールしていれば、動作がサクサクになるし、起動もすごく速くなります。たとえばWindows 10の起動はHDDだと30~60秒くらい掛かりますが、SSDにすると10~20秒くらいにまで短縮できます(※マザーボードによっては5秒の場合もある)。そしてWindowsの反応も体感でわかるほど改善します。
よく分かりました!
ありがとうございます!