(本当の意味で)10万円台から買える最新世代グラフィックボードは、今ちょうど2つあります。
1つが定番モデルになりつつある「RTX 5070」、もう1つがライバル製品Radeon RX 9000シリーズのハイエンドモデル「RX 9070」です。
5070と9070どちらも定価ベースでギリギリ10万円台に収まっているから、悩ましく考えるPCゲーマーも少なくないはず・・・ というわけで「RX 9070」を詳しく比較ベンチマークします。
ベンチマーク用にASRock Japan(@AsrockJ)さんより、Radeon RX 9070を無償で1台提供してもらいました。比較に出すグラフィックボードや、ベンチマークソフトの指定は一切なかったです。シンプルに性能比較をして欲しい・・・といった趣旨の提供動機です。

(公開:2025/4/12 | 更新:2025/4/12)
「Radeon RX 9070」の仕様とスペック

GPU | RX 9070 | RX 7800 XT | RTX 5070 |
---|---|---|---|
プロセス | 5 nm製造 : TSMC N4P | 5 + 6 nm製造 : TSMC N5 + N6 | 5 nm製造 : TSMC 4N |
シェーダー数CPUのコア数に相当 | 3584 (7168) | 3840 (7680) | 6144 |
RTコア数レイトレ特化コア | 56 | 60 | 48 |
Tensorコア数AI特化コア | 112 | 96 | 192 |
ブーストクロック | 2520 MHz | 2430 MHz | 2510 MHz |
VRAM | GDDR6 16 GB | GDDR6 16 GB | GDDR7 12 GB |
理論性能(FP32) | 36.13 TFLOPS | 37.32 TFLOPS | 30.84 TFLOPS |
TDP | 220 W | 263 W | 250 W |
補助電源 | 8 + 8 pin | 8 + 8 pin | 16-pin |
MSRP | $ 549 | $ 499 | $ 549 |
参考価格 | 125800 円 | 82980 円 | 108800 円 |
発売価格 | 103800 円 | 86800 円 | 108800 円 |
発売 | 2025/3/7 | 2023/9/6 | 2025/3/5 |
GPU | RX 9070 | RX 7800 XT | RTX 5070 |
---|---|---|---|
世代 | RDNA 4.0 | RDNA 3.0 | Blackwell |
プロセス | 5 nm製造 : TSMC N4P | 5 + 6 nm製造 : TSMC N5 + N6 | 5 nm製造 : TSMC 4N |
トランジスタ数 | 539.0 億 | 201 + 80 | 311.0 億 |
ダイサイズ | 357 mm2 | 200 + 146 mm2 | 263 mm2 |
シェーダー数CPUのコア数に相当 | 3584 (7168) | 3840 (7680) | 6144 |
TMU数Texture Mapping Unit | 224 | 240 | 192 |
ROP数Render Output Unit | 128 | 96 | 64 |
演算ユニット数 | 56 | 60 | 48 |
Tensorコア数機械学習向けの特化コア | 112 | 96 | 192 |
RTコア数レイトレ用の特化コア | 56 | 60 | 48 |
L1キャッシュ演算ユニットあたり | – | 128 KB | 128 KB |
L2キャッシュコア全体で共有 | 8.0 MB | 4.0 MB | 40.0 MB |
L3キャッシュコア全体で共有 | 64.0 MB | 64.0 MB | – |
クロック周波数 | 2070 MHz | 2124 MHz | 2165 MHz |
ブーストクロック | 2520 MHz | 2430 MHz | 2510 MHz |
VRAM | GDDR6 16 GB | GDDR6 16 GB | GDDR7 12 GB |
VRAMバス | 256 bit | 256 bit | 192 bit |
VRAM帯域幅 | 644.6 GB/s | 624.1 GB/s | 672.2 GB/s |
理論性能(FP32) | 36.13 TFLOPS | 37.32 TFLOPS | 30.84 TFLOPS |
SLI対応 | – | – | – |
PCIe | PCIe 5.0 x16 | PCIe 4.0 x16 | PCIe 5.0 x16 |
TDP | 220 W | 263 W | 250 W |
補助電源 | 8 + 8 pin | 8 + 8 pin | 16-pin |
MSRP | $ 549 | $ 499 | $ 549 |
参考価格 | 125800 円 | 82980 円 | 108800 円 |
発売価格 | 103800 円 | 86800 円 | 108800 円 |
発売 | 2025/3/7 | 2023/9/6 | 2025/3/5 |
「RX 9070」は、1世代前のRDNA 3世代に数多くの改良を加えた「RDNA 4」世代のハイエンドモデル(上から数えて2番目)です。
と言っても、AMDが設定した希望小売価格は約550ドルで、フラグシップ(最上位)モデルの「RX 9070 XT」とわずか50ドルの差額しかないです。
日本国内ならRX 9070(無印)とRX 9070 XTの差額はざっくり1万円の開きがあります。
10万円台のグラフィックボードを買う人にとって、約1万円の差額が小さく見えてしまい、せっかく買うならRX 9070 XTを選ぶPCゲーマーが多数派だったりします。
しかし、RX 9070(無印)のスペックをよく見てみると、XT版にない無印モデル特有のメリットがいくつか見つかります。
- 消費電力(熱)を304 → 220 Wに削減
- ブーストクロックも下がります※
- VRAM容量は16 GBのまま据え置き
やはり消費電力の大幅カットが利点です。300 W台から約30%も少ない200 W台まで下がり、動作音の静音化を狙えます。
製造コストを抑えるため、上位モデルと同じボードデザインを無印版にそのまま流用しているメーカーが少なくなく、結果的に静かによく冷えるボードに恵まれやすいです。
絶対的なパフォーマンス(性能)を重視する人には決して向かないですが、動作音の静かさや大人しい放熱による「扱いやすさ」に重点を置く人にとって。
あえてRX 9070(無印)を選ぶモチベーションが大いにあると予想できます。
では、実機レビューでRX 9070が実際にどれほどのゲーム性能やクリエイティブ性能を発揮し、フラグシップモデル(RX 9070 XT)と比較して消費電力がカットされたか。
さらに同じく10万円台の代表選手「RTX 5070」と比較しても、目立った優位性があるのかどうか。詳しく検証してみます。
※XT版はコアクロックの変動幅があまりにも大きすぎて「コイル鳴き」を誘発する要因になってる可能性あり。無印版はデフォルト設定で変動幅が抑えられ、XT版と比較して明らかに動作音や電子音(ジー)が静かです。

Radeon RX 9070の性能をベンチマーク比較

テスト環境 「ちもろぐ専用ベンチ機(2025)」 | ||
---|---|---|
![]() | Ryzen 7 9800X3D8コア16スレッド (3D V-Cache:64 MB) | |
![]() | NZXT Kraken X63280 mm簡易水冷クーラー | |
![]() | ASUS TUF GAMINGX670E-PLUS | |
![]() | DDR5-5600 16GB x2使用メモリ「Crucial Native DDR5」 | |
![]() | ASRock RX 9070 Steel Legend 16GB OC(機材提供:ASRock Japan) | |
![]() | NVMe 8TB使用SSD「WD Black SN850X」 | |
![]() | 850 W(80+ Platnium)使用モデル「Corsair HX850i」 | |
![]() | Windows 11 Pro 24H2(最新版:26100.3613) | |
ドライバ | NVIDIA 572.70 Radeon 25.3.1 | |
ディスプレイ | 3840 x 2160(240 Hz)使用モデル「LG 32GS95UE-B」 |
「Radeon RX 9070」のベンチマーク検証では、ちもろぐ専用ベンチ機を使います。基本スペックは以上の通り。
CPUは最強のゲーミング性能を誇る「Ryzen 7 9800X3D(8コア)」を使い、メモリはBTOパソコンで標準的な「DDR5-5600」を32 GB(16 GBを2枚)です。
ベンチマーク用の莫大な数のゲームソフトやAIモデルを置いておくストレージは、容量8 TBのNVMe SSD(WD Black SN850X)を使います。

(4K 240 Hz対応ゲーミングモニター)
最大4K 240 Hz / フルHD 480 Hzに対応する、神速のゲーミングモニター「LG UltraGear 32GS95UE-B」が検証用モニターです。
一部のゲームで垂直同期(V-Sync)をうまく回避できないリスクが少なからず存在するから、物理的にリフレッシュレートが高いゲーミングモニターを使って事前にリスクを抑えます。
- NVIDIA GeForce Graphics Drivers 572.70 WHQL
- AMD Radeon Graphics Drivers 25.3.1 WHQL
テスト時のドライバはGeForce側が「572.70」、Radeon側は「25.3.1」を使います。どちらもテスト時点で一般公開されている安定版ドライバです。

(ASRock RX 9070 Steel Legend 16GB OC)
ASRock Japanさんに提供していただいた検証用のRX 9070です。後日、ボード本体の冷却性能や騒音レビューをします。


「RTX 4080 SUPER」は無難に価格が安くてスタンダードな性能を備える、ZOTAC Trinity Black Editionを使います。筆者の自腹購入品です。

「RTX 4070 Ti SUPER」は当時ほぼ定価で売っていた、Manliを使います。筆者の自腹購入品です。

「RX 7900 XTX」はYahooショッピングにて実質12万円台と破格の安さで人気を集めた、コスパ特化型モデルのASRock Phantom Gaming OCを使います。筆者の自腹購入品です。

「RTX 5080」は品薄すぎて欲しいモデルを選ぶチャンスすら無かったです。だから、たまたま買える機会に恵まれたMSI VENTUS OC(定価モデル)を使います。筆者の自腹購入品です。

「RTX 5070 Ti」も似たような理由です。選ぶチャンスが皆無に等しく、買える瞬間があったからGIGABYTE GAMING OCを選んだだけ。筆者の自腹購入品です。

「RTX 5070」はそこそこ定価に近いZOTAC SOLID OCモデルを発売日に購入しました。筆者の自腹購入品です。
RX 9070のゲーム性能をベンチマーク
全部で20本のゲームを使って、RX 9070の性能を実際にベンチマークします。

- ベンチマークに使ったゲームタイトル
- ベンチマーク時の画面サイズ(解像度)
- 左から順番に「グラフィック設定」「ロケ地」「採用ゲームエンジン」
- 最低フレームレート(下位1%)
- 平均フレームレート
- フレームレート(横軸)
当ブログ「ちもろぐ」のゲーム性能グラフは以上6つの項目で構成され、そのうち太字で強調した2~5番がとても重要です。
- 画面サイズ(解像度)
画面サイズはそのままゲームプレイ時の解像度です。フルHD(1920 x 1080)→ WQHD(2560 x 1440)→ 4K(3840 x 2160)の3つを検証します。
4Kになるほど情報量が増えてディテールの細かい映像が表示されますが、それだけグラフィックボードにかかる負荷も増大して、平均フレームレートが大きく下がる要因です。
- グラフィック設定
ゲーム側の設定です。基本的に最高画質になるよう調整し、あまりにも重たすぎて検証にならない場合のみゲーム設定を妥協します。
なお、参考程度に検証したゲームで使われている「ゲームエンジン」も掲載しています。エンジンによって性能の傾向がそこそこ変わるので、相関性に着目すると何か発見があるかもしれません。
- 平均フレームレート
Intel社が開発したフレームレート測定ツール「PresentMon V2」を用いて、ゲームプレイ中の描写フレーム数を記録します(※記録方式:MsBetweenDisplayChange)。
1秒あたり60枚なら60 fpsで、240枚なら240 fpsです。記録したfpsをテスト時間で割って平均フレームレートを求められます。
平均フレームレートが高いほどヌルヌルとした快適な映像を表示できている証拠として扱えますが、平均値だけを見ていると誤った解釈をするリスクが出てきます。
- 最低フレームレート(下位1%)
平均値に加えて、記録したfpsのうち下から数えて1%の範囲に入っているワースト値もセットで掲載します。
ゲームプレイ中にfpsが不安定な挙動だと下位1%が著しく低い数値になり、平均値が高くても実際にプレイするとカクカクとストレスのたまる挙動をしている可能性に気づけます。
Apex Legends

平均fps最低fps(下位1%)
定番eSportsタイトル「Apex Legends」を最高グラフィック設定でベンチマーク。
フルHDなら、どのグラフィックボードを選んでも300 fps上限にほぼ張り付きます。煙幕を大量に打ち込まれるワーストシーンでも3桁台を見事に維持できます。

平均fps最低fps(下位1%)
最近トレンドになりつつあるWQHD(フルHDの1.8倍)でも、おおむね300 fps上限を叩いていて大きな性能差が出なかったです。

平均fps最低fps(下位1%)
競技FPSゲーマーからまったく支持がない4K解像度(フルHDの4倍)で、ようやくグラフィックボードの性能差がハッキリします。
RX 9070はRTX 5070に匹敵する性能を出せて、RTX 4070 Ti SUPERに1段ほど届かない位置です。
Escape from Tarkov(タルコフ)

平均fps最低fps(下位1%)
カルト的な人気を誇るサバイバル型FPSタイトル「タルコフ」を、カスタム高設定でベンチマーク。ドライバ側で1000 fps上限に上書きして144 fps上限を解除しています。
フルHDの結果は見ての通り、CPUボトルネックに阻まれてグラフィックボードの性能差がまったく出なかったです。
タルコフをプレイするならグラフィックボードをほどほどにして、CPUにお金を掛けるべきです。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDでも目立った性能差がまったく見られません。どれも誤差程度です。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度でようやく分かりやすい性能差が出てきて、RX 9070はRTX 4070 SUPER相当です。肝心のRTX 5070に1割強も引き離されます。
Fortnite(フォートナイト)

平均fps最低fps(下位1%)
最新のUnreal Engine 5で制作されている大人気eSportsタイトル「フォートナイト」をベンチマーク。
グラフィック設定を最高プリセットにしてから、Nanite仮想化設定を「高」に抑えました。
若干CPUボトルネックに阻まれていて、ちょうどRX 9070から性能の伸びが鈍化する様子です。平均値こそRTX 5070にわずかに負けますが、最低フレームレートはRX 9070が優秀です。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDもフルHDと似た傾向で、RX 9070がRTX 5070をハッキリと超えてます。

平均fps最低fps(下位1%)
4Kも傾向が変わらず、引き続き安定してRX 9070がRTX 5070を打ち負かす性能です。
Call of Duty : Black Ops 6

平均fps最低fps(下位1%)
グラフィック品質が高い有料FPSタイトル「Call of Duty : Black Ops 6」を、ゲーム内ベンチマークで検証します。
前作MWIIもそうでしたが、Call of DutyだとRadeonシリーズが猛威を振るう傾向です。RX 9070がRTX 5070 Tiに並ぶ性能です。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDになると性能差がさらに開いて、RX 9070がRTX 5080にあと一歩迫る性能を見せます。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度でもRadeon優位に変わりなく、RX 9070がRTX 4080 SUPER超の性能です。

VALORANT

平均fps最低fps(下位1%)
競技シーンで著名なeSportsタイトル「VALORANT」を、最高グラフィック設定でベンチマーク。
最高画質でもテストしたグラフィックボードすべてがCPUボトルネックに衝突して、目立った性能差がまったく出ないです。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDでもCPUボトルネックに先にくる傾向は同じです。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度で性能差が開きます。
RX 9070はVALORANTでうまく性能を伸ばせず、RTX 5070にやや劣っています。
Overwatch 2(オーバーウォッチ)

平均fps最低fps(下位1%)
日本でも人気が高いヒーロー型シューターFPS「オーバーウォッチ2」を、最高グラフィック設定でベンチマーク。
RX 9070がRTX 5070を超え、RTX 4070 Ti SUPERに比肩する性能です。しかも最低フレームレートなら完全に勝っています。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDならRX 9070がさらに性能を伸ばして、RTX 5070とRTX 4070 Ti SUPER以上の性能に。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度も同じくRX 9070とRTX 5070がほぼ横並びの性能です。
Assetto Corsa EVO

平均fps最低fps(下位1%)
現実のようなリアルな挙動をウリにしている、マニア向けなレーシングシミュレーション「Assetto Corsa EVO」をベンチマーク。
・・・残念ながらRadeonが苦手な分野です。RTX 5070に勝てず、RTX 4070 SUPERより高性能な程度。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDも同じ傾向で、イマイチRadeonが振るわない様子。しかし、比較グラフをよく観察すると、RX 9070が何気に前世代のフラグシップ「RX 7900 XTX」を超えています。
RTX 5070には届かないものの、世代間できっちり性能が上がっています。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度ではVRAM帯域幅(物理帯域)に引っ張られて性能がやや鈍化し、結果的にRTX 5070とほぼ同じ性能です。
首都高バトル

平均fps最低fps(下位1%)
日本国内で人気が高いレーシングシミュレーション「首都高バトル」をベンチマーク。なお、最高グラフィック設定が非常に重たかったため、1段階下げた高設定を使います。
Assetto Corsaから一転してRadeonが反撃を開始します。RX 9070が見事にRTX 5070を上回り、RTX 4080 SUPERに追いつきそうな性能です。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDでも、RX 9070がRTX 4080 SUPERに追いつきそうな勢い。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度からVRAM帯域幅の影響があり、RTX 4080 SUPERに大きく引き離されました。
モンハンワイルズ(MH Wilds)

平均fps最低fps(下位1%)
ゲーミングPC特需を引き起こすほど熱狂的な人気を誇る、国産サバイバルアクション「モンスターハンターワイルズ」をベンチマーク。
全マップをくまなく探索して、特に負荷が高かった「緋の森(豊穣期)」をロケ地に選びました。
テストの結果、重たいマップを選んだかいあってフルHDですら平均60 fps台を出せればマシなレベルです。RX 9070はRE Engineと相性が非常に良く、RTX 5070を2割近くも上回ります。


平均fps最低fps(下位1%)
WQHDだと性能の伸びがやや鈍化しますが、それでもRX 9070が安定してRTX 5070を打ち負かす性能です。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度でもRX 9070が強いままです。RTX 4070 SUPERを相手に3割強、RTX 5070を1割ちょっと超える性能を発揮します。
サイバーパンク2077

平均fps最低fps(下位1%)
オープンワールドアクションの傑作「サイバーパンク2077」をベンチマーク。プリセット「レイトレーシング:ウルトラ」を適用してから、超解像とフレーム生成を無効化します。
レイトレ有効でもRX 9070はRTX 5070に匹敵して見せ、レイトレ性能の強化が明らかです。RX 7900 XTXですらRX 9070に届いてません。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDもフルHDと同じ傾向です。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度でRTX 5070が悲劇に見舞われます。性能差がいきなり約30%まで開いてしまい、RX 9070がまさかの大勝利です。

Ghost of Tsushima

平均fps最低fps(下位1%)
PlayStation専売ソフトからPCに移植された、日本風アクションの傑作「Ghost of Tsushima」を最高画質でベンチマーク。
もともとプレステ向けに最適化されただけあって、Radeonが優位なゲームです(※PS5の中身がRadeonだから最適化されている説あり)。
フルHDの場合、RX 9070がRTX 4080 SUPERを突破。定価ベースで約1.5~1.6倍も高いRTX 5070 Tiすら見事に超えています。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDでも傾向が変わらず、引き続きRX 9070が一貫してRTX 5070 Ti以上です。

平均fps最低fps(下位1%)
VRAM帯域幅に足を引っ張られやすい4K解像度でも、RX 9070がRTX 4080 SUPERと同等、RTX 5070 Tiを超える性能です。
Path of Exile 2

平均fps最低fps(下位1%)
ハクスラ系の名作タイトル「Path of Exile 2(PoE2)」を最高画質でベンチマーク。雨や河川の描写で負荷が高いRiverbankマップをロケ地にしました。
RX 9070はRX 7900 XTXに並ぶ悪くない性能ですが、RTX 5070がさらに上を行っています。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDでもRX 9070がそれほど振るわず、RTX 4070 SUPERを少し超える程度。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度のベンチマーク結果です。
RX 9070がRTX 5070に約1割ほど抜かされています。Path of Exile 2は全体的にRTX 50シリーズ優位なゲームです。
鳴潮(Wuthering Waves)

平均fps最低fps(下位1%)
ライブサービス型の大人気オープンワールドRPG「鳴潮(Wuthering Waves)」をベンチマーク。最高グラフィック設定にして、レイトレーシングを有効化します。
フルHDは120 fps上限にぶつかってしまい、性能差があまり出ないです。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDでグラフィックボードの実力差が明らかに。RX 9070がRTX 5070をあっさり超え、RX 7900 XTXに匹敵します。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度もRX 9070がRTX 5070以上の性能です。
なお、鳴潮はGeForce用のAIフレーム生成「DLSS FG」に対応する一方、Radeon用のAIフレーム生成「FSR FG」に非対応です。フレーム生成を入れる前提ならほとんど勝負にならないので注意。

ゼンレスゾーンゼロ(ZZZ)

平均fps最低fps(下位1%)
ライブサービス型の大人気アクションRPG「ゼンレスゾーンゼロ」をベンチマーク。
フルHDの場合、CPUボトルネックに制限されてグラフィックボードの性能差がまったく出ないです。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDもCPUボトルネックに制限されています。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度でようやくCPUボトルネックが緩和され、グラフィックボードの性能差が生じます。
RX 9070はRTX 5070をきちんと超える性能です。
崩壊スターレイル(Starrail)

平均fps最低fps(下位1%)
今どきめずらしいターン制RPGの超人気作「崩壊スターレイル」をベンチマーク。ランダムなスタッターが発生するゲームだから、最低フレームレート(1%)は参考程度に。
全体的にGeForceに優位、かつVRAM帯域幅も効果的な傾向です。RX 9070はRTX 4070 SUPERをちょっと超えられる程度で、RTX 5070に約16%も抜かされます。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDで性能差がさらに開いて、RX 9070とRTX 5070で約1.2倍の性能差です。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度で性能差の拡大が止まり、RX 9070とRTX 5070で同じく約1.2倍の性能差に。
崩壊スターレイルとRadeonの相性は良くない様子です。
MSFS 2024(Flight Simulator)

平均fps最低fps(下位1%)
容量2 PB(2000 TB)のデータ量で地球丸ごと再現してしまった、驚異のオープンワールド型フライトシミュレーター「MSFS 2024」をベンチマーク。
意外にもRadeonがすこぶる優位なゲームで、RX 9070がRTX 5070どころかRTX 5070 Tiをわずかに超える性能です。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDにて、サイバーパンク2077で発生した症状がRTX 5070を再び襲います。VRAM容量による足切りが起こり、RX 9070はRTX 5070を3割強も上回ります。

平均fps最低fps(下位1%)
テクスチャの読み込み量が増大して、VRAM容量と帯域幅を強く意識する環境になると、RX 9070とRTX 5070の性能差はさらに開きます。
ほぼ4割近い性能差です。
パルワールド(Palworld)

平均fps最低fps(下位1%)
継続的な無料アップデートの繰り返しで根強い人気を保っている、国産サバイバルゲームの傑作「パルワールド」をベンチマーク。
・・・まったくRadeonが振るわないゲームです。RX 9070がRTX 5070に約1.7倍もの性能差があり、RX 7800 XTにすら届かないです。

GPU使用率がまったく回っていなさそうに読めるデータですが、実際はGPU使用率がほぼ100%に張り付き、消費電力は約260 W(実測値)を一貫して推移します。
間違いなくGPUをしっかりと使っているにもかかわらず、出てくるフレームレートはRX 7800 XTにすら届かない不可解な状況です。深刻な最適化不足としか言えないです。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDもまったく性能が出ないです。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度はさらに性能差が開いて、RTX 5070を相手に約80%近い大差をつけられてしまいました。
もし、AMDの関係者が本記事を見ているなら、パルワールドの壊滅的な最適化状況をAMDのドライバ開発チームに伝えてくれませんか。
・・・もちろん、あまり期待はしていません。RX 7900 XTXの性能も去年のデータからまったく改善が見られず、ドライバのアップデートによる性能向上は望み薄です。
AMDにとってパルワールドは日本の一中小企業が作ったマイナーゲームに過ぎず、わざわざ最適化するコストをかける必要は無いと判断されている可能性すら予想されます。

シティスカ2(Cities : Skylines II)

平均fps最低fps(下位1%)
都市シミュレーションゲーム「Cities : Skylines II」をベンチマーク。そこそこ予期しづらいスタッターが発生する傾向があるから、最低フレームレート(1%)は参考程度に。
フルHDはRX 9070がRTX 5070をあっさり打ち負かします。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDもRX 9070がRTX 5070以上の性能です。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度だと、RTX 4080 SUPERの性能が下がってRX 9070が明確に勝ちます。
マインクラフト(Bedrock Edition)

平均fps最低fps(下位1%)
累計3億本も売れた、誰もが知ってるサンドボックスゲーム「マインクラフト(Bedrock版)」に、レイトレーシングを実装する「Vanilla RTX」シェーダーを導入してベンチマーク。
不思議なベンチマーク結果です。RTX 50よりRTX 40シリーズがなぜか高性能で、RX 9070はRTX 5070に勝てるもののRTX 4070 SUPERには逆に届いてません。
Microsoft製のメジャーなゲームソフトにも関わらず、最新ハードウェアへの最適化がほとんど施されていないようです。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDに引き上げると傾向が変わります。RX 9070が伸びてRTX 4070 SUPERやRTX 5070に匹敵します。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度でRTX 50シリーズが全体的に性能を伸ばす傾向が見られますが、RTX 5070とRX 9070はほぼ同じ性能です。
VRChat

平均fps最低fps(下位1%)
ベンチマークの難しさで知られる、VRゲームの代表例「VRChat」をベンチマーク。グラフィック設定をすべて最大値にして、オブジェクト数が多くGPUに負荷がかかりやすいワールドを使います。
フルHDはRX 9070がRTX 5070をわずかに超えています。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDでRTX 5070に逆転を許します。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度はいよいよVRAM帯域幅ベンチの様相をあらわし、VRAMの物理帯域幅が広いグラフィックボードほど高い性能を維持できます。
ただし、RTX 5070はVRAM容量が12 GBで、RX 9070は容量16 GBです。プレイヤー数が多いほどVRAM使用量も増えるため、理論上はRX 9070がVRChatに有利なはずです。
RX 9070の平均ゲーミング性能
平均フレームレートを比較(20ゲーム)

平均fps最低fps(下位1%)
ベンチマークした全20個のゲームから、RX 9070の平均パフォーマンスを計算したグラフです。
おおむね、事前に見聞きしていた前評判(いわゆる商業レビュー)に近い平均性能を出せています。
RX 9070のフルHD性能は、RTX 5070以上です。

平均fps最低fps(下位1%)
RX 9070のWQHD性能もRTX 5070以上と評価して差し支えありません。

平均fps最低fps(下位1%)
RX 9070の4K性能もフルHDとそれほど変化なく、RTX 5070以上に相当します。
「パルワールド」や「崩壊スターレイル」など、嫌がらせを疑うレベルでロクな最適化がされていないゲームを含んでいても、RX 9070がRTX 5070を上回る性能です。
仮にワーストケースNo.1のパルワールドを計算から除外した場合、RX 9070はRTX 4070 Ti SUPERすら超えています。
【ラスター】平均fpsを比較(16ゲーム)

平均fps最低fps(下位1%)
Radeonにとって不利になりやすい「レイトレーシング」のデータを差し引いた、ラスタライズ性能(非レイトレ性能)の平均パフォーマンスです。
レイトレを差し引くと、RX 9070 = RTX 5070 = RTX 4070 Ti SUPERの並びに変化します。
ギリギリ10万円台のグラボが定価13万円だったグラボに匹敵する驚きの高性能です。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDのラスタライズ性能も同じ傾向が続きます。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度でもRX 9070の性能はまったく下がらず、引き続きRTX 5070に比肩する性能です。
【レイトレ】平均fpsを比較(4ゲーム)

平均fps最低fps(下位1%)
レイトレーシングだけに絞った平均パフォーマンスも見てみましょう。
過去の評判から「Radeonはレイトレに弱い」とされていますが、RX 9000シリーズで見事に挽回して見せ、RX 9070がRTX 5070を明確に超えるレイトレ性能です。
前世代のフラグシップ級だったRX 7900 XTXですら、RX 9070(定価で半額近い)に負けています。レイトレ性能の向上は「素晴らしい」としか言えません。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDのレイトレ性能です。RX 9070がRTX 5070をきっちり打ち負かし、RX 7900 XTXに匹敵します。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度のレイトレ性能です。
RTX 5070は容量12 GBの狭苦しいVRAMが災いして、RX 9070との性能バトルから身を引く羽目に。一方のRX 9070は4KでもRX 7900 XTXと肩を並べる驚きの性能。

RX 9070のAIアップスケーリング性能
最新のAI超解像モデル「FSR 4」に対応
超解像 | AMD FSR (FidelityFX Super Resolution) | NVIDIA DLSS (Deep Learning Super Resolution) | Intel XeSS (Xe Super Sampling) |
---|---|---|---|
最新世代 | CNN + Transformerモデル | Transformerモデル | 機械学習 + フレーム生成対応 |
1世代前 | フレーム生成対応 | CNNモデル + フレーム生成対応 | 機械学習で超解像 |
2世代前 | 機械学習なし (前後参照の動き検出) | 機械学習(CNN)で超解像 | – |
3世代前 | 機械学習なし (Lanczosフィルタ) |
フレームレートを底上げする超解像(アップスケーリング)機能として、RX 9000シリーズは最新モデル「FSR 4(FidelityFX Super Resolution 4)」に対応します。
RX 9000シリーズは従来モデルと比較して、AI性能が大幅に強化されています。特にFP8ネイティブ対応が大きく、理論値だけなら従来比で約4倍相当です。

(FSR 4からついに機械学習補正に対応)
大幅に強化されたAI性能を超解像で使うように改善された、最新モデルが「FSR 4」です。従来世代のFSRはAIを使わない単純な超解像でしたが、FSR 4から競合のDLSSと同じAI超解像へ進化します。
ただし、機械学習(AI)を使った超解像はAI性能を必要とするため、AI性能が低い従来のRadeonは非対応です。最新モデル「FSR 4」を使うなら、RX 9000シリーズが必須です。
「FSR 4」と他社の超解像モデルで画質を比較
「FSR 4」「FSR 3.1」「DLSS 4」「DLSS 3」に対応している「サイバーパンク2077」で、パフォーマンス品質の超解像とフレーム生成(2X)を入れて、分かりやすい比較画像を用意しました。
ネオンの細いラインに画質の違いがハッキリと出ます。最新のFSR 4ならジャギーをかなり軽減しつつ、実際よりもネオンが太く表示される傾向が少ないです。
旧式のFSR 3.1だと実際よりもネオンが太くなり、階段状のジャギーが目立っています。英字看板「MARK X 24」のりんかく線の精細感も改善されています。

アスファルトのディティール表現が別次元の画質です。FSR 3.1はピントが手前にズレたボケボケ画質で、FSR 4ならくっきり明瞭でパキッとした画質に。
奥の方に見えるガードレールの反射光に頻出する階段状ジャギーも大幅に軽減されています。
AI超解像が再現に失敗しやすい規則正しいテクスチャの表現をチェック。
FSR 3.1の場合、左側のオレンジ画面はテキストがぼんやりと表示され、FSR 4ならピントが一致したようにクッキリしたテキストを表示できます。
一方で右側の画面は文字の羅列がぐちゃぐちゃと混ざってしまい、まったく読み取れなくなるAI超解像に特有のエラーが発生します。
文字がぐちゃぐちゃになる症状はDLSS 3でも見られますが、最新のDLSS 4モデルで見事に改善しているあたりに・・・、FSR 4はまだまだAI超解像の新参者といえそうです。
わざわざ説明しなくとも、すぐ分かるレベルの画質差です。とにかくFSR 3.1が表示する映像は、まるでピントが合ってないぼやぼや感があり、FSR 4でクッキリとピントが一致します。
「24時間営業」の背後にあるタイル張りの壁面に注目してください。
DLSS 3 / 4はタイルのつなぎ目とネオンの反射光をうまく再現でき、対するFSR 3.1 / 4だと上から油絵で塗りつぶしたように、つなぎ目が潰れて反射光のりんかくもボヤけています。
FSR 3.1からFSR 4で目立って改善されているポイントは、やはり手前に見える金属柵です。階段状のジャギーがかなり少ないです。
「モンスターハンターワイルズ」も一応チェックします。
ハンターの髪、背中に背負っている武器のりんかくやテクスチャなど、FSR 4のほうが明らかに高画質です。ピントが合っていない背景も、FSR 4ならシャープな仕上がりです。
細かい背景描写もFSR 4が圧倒的に優れています。FSR 3.1だと、太めの筆で描いたような、のっぺりとした画が表示されます。
FSR 4ならちゃんと細い筆を使ったていねいな仕上げに見え、ボヤケた輪郭線がクッキリ修正され、正確な植生が再現されています。
・・・もう説明不要でしょう。誰だって実際に見れば、FSR 3.1とFSR 4の画質差なんてあっさり分かります。

超解像 + フレーム生成時の平均fpsを比較
今回ベンチマークに使った20本のゲームから、「FSR 4」と「DLSS 4」どちらも使える2本のゲームを使って、超解像 + フレーム生成時の性能を検証します。
- モンハンワイルズ
(DLSS 4オーバーライド / FSR 4オーバーライドで対応) - サイバーパンク2077
(DLSS 4対応 / FSR OptiScalerで対応)
モンハンワイルズはドライバ側の上書き機能(オーバーライド機能)で最新モデルに切り替え可能です。
サイバーパンク2077はDLSS 4にネイティブ対応する一方、なぜかFSR 4に未対応で上書きもできない仕様です。
- cdozdil / OptiScaler
(https://github.com/cdozdil/OptiScaler)
本来ならAMDが提供するべき機能ですが・・・文句を言っても仕方ないです。有志が制作した上書きフリーソフト「OptiScaler」でFSR 4に切り替えます。

平均fps最低fps(下位1%)
フルHDで平均60 fps台を出せればマシだったネイティブ動作から、超解像 + フレーム生成を加えると150 fps前後まで跳ね上がります。
DLSS 4よりFSR 4のほうが計算負荷が軽い影響もあり、ただでさえモンハンワイルズに強いRX 9070がRTX 5080と同等の性能に。
ギリギリ10万円台のグラボが、まさか定価20万円近いRTX 5080に匹敵するなんて凄まじい。本来ライバルだったはずのRTX 5070が、もはや眼中にない状況でした。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDでもRX 9070がRTX 5080に迫る性能で、RTX 5070に対して1.2~1.3倍も高性能です。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度はVRAM帯域幅に引っ張られてRX 9070とRTX 5080の性能差が開きます。定価が約1.4倍のRTX 5070 Tiに並ぶ性能です。

平均fps最低fps(下位1%)
RTX 4000シリーズに届かなかったサイバーパンク2077も、FSR 4によるAI超解像とフレーム生成の力を借りれば、RX 9070がRTX 5070 Tiに比肩できる性能に。
従来世代のフラグシップだったRX 7900 XTX(FSR 3.1)に対して、約1.2倍の性能アップです。
FSR 3.1よりFSR 4のほうが計算負荷が重たいハンデを抱えていても、大幅に改善されたレイトレ性能に支えられ、RX 9070がRX 7900 XTXを大きく引き離します。

平均fps最低fps(下位1%)
WQHDもフルHDと同じ傾向です。

平均fps最低fps(下位1%)
4K解像度でVRAM帯域幅の影響が少し出てきて、RX 7900 XTXと同程度に。それでもRTX 5070 Tiに並んでいて、RTX 5070からワンランク上の性能です。

RX 9070のクリエイティブ性能を比較
ここからは、Radeonシリーズであまり検証されない傾向が強い「クリエイティブ性能」を詳しくテストします。
AMDが発表したプレスリリース資料をよく読めば分かりますが、今回のRDNA 4世代はクリエイティブ性能にかなりメスが入れられ、汎用性の高い性能に期待できます。
クリエイティブ性能に影響するスペックを把握しましょう。
GPU | RX 9070 | RTX 5070 |
---|---|---|
VRAM帯域幅 | 644.6 GB/s | 672.2 GB/s |
FP16 / 演算回数 | 72.3 TFLOPS | 61.7 TFLOPS |
FP8 / 演算回数 | 144.5 TFLOPS | 123.4 TFLOPS |
INT8 / 演算回数 | 578.1 TOPS | 493.4 TOPS |
INT4 / 演算回数 | 1156.2 TOPS | – |
FP4 / 演算回数 | – | 986.9 TOPS |
RDNA 4世代から、FP16演算のサイクルあたり実行回数が従来比で2倍、INT4演算で8倍です。スペック上の計算性能が大幅に改良されて、数値だけならRTX 50シリーズに並びます。
RX 9070とRTX 5070の理論性能を並べると、VRAM帯域幅でRTX 5070がやや有利、演算回数はFP16~INT4(FP4)までRX 9070が明確に格上です。
しかし、依然としてソフトウェア対応がRadeonシリーズの課題です。ハードウェアの性能がどれだけ改善されても、その性能を活かせるソフトウェア群がなければ無用の長物です。
理論上ならRX 9070はRTX 5070にほぼ勝てる性能を備えていますが、実際に動かすとどうなるでしょうか・・・?
GPUレンダリング

定番のGPUレンダリングソフト「Blender」を使って、RX 9070のレンダリング性能をベンチマーク。
残念ながらRTX 5070の半分にも満たないスコアで終わります。原因はAPIにあり、RadeonはレンダリングをAMD HIPで、GeForceはOptix(CUDA)で動かします。
ソフトウェア最適化の差がそのまま反映された結果です。何年も前から指摘され続けているから、そろそろAMDが重たい腰をあげて修正するべき問題に思えます。
Blenderスコアの内訳です。monster / junkshop / classroomどれをとっても一貫してRX 9070が弱いです。
AIイラスト生成(Stable Diffusion)
AIイラスト生成ソフト「ComfyUI」を使って、Stable Diffusionの生成スピードを検証します。
一般的に「iterations / seconds(1秒あたりのステップ数)」が指標として扱われますが、意外と長いVAEデコード時間が含まれないため、しばしば誤解を招く要因です。
よって本記事では、生成にかかった総時間(Prompt executed)を性能指標に使います。
- GeForceシリーズ:NVIDIA CUDA
- Radeonシリーズ:ZLUDA(CUDA互換)
- Intel Arcシリーズ:IPEX
Radeonシリーズのみ、ドライバの対応状況に合わせて「WSL2 + ROCm」または「ZLUDA」版のどちらかを使います。基本的にインストールがかんたんなZLUDA版を使う予定です。

Novel AIが配布している初代Novel AI(nai-anime-v1-full)モデルを使って、定番のアスカベンチマーク(512 x 512)をテスト。
RX 9070は約80秒もかかってしまい、理論値で2倍に向上したAI処理性能(FP16)をまったく使えていません。明らかにドライバの最適化不足です。

最近流行りなSDXLモデル「Illustrious-XL」から派生した「NoobAI-XL V-Pred-1.0」を使って、神里綾華ベンチマーク(832 x 1216)をテスト。
RX 9070は約460秒もかかってしまい、RX 7800 XTより約3倍も遅いです。
バッチサイズ:2(並列2枚)で若干タイムが縮み、バッチサイズ:5(並列5枚)だと逆に処理時間が悪化してしまいます。

処理速度が理論値で4倍に増えている「FP8」モードで同じテストをします。約460秒 → 約450秒へ10秒ほど短縮され、ほぼ誤差といっていい程度の性能差です。
バッチサイズを増やした場合も同じ傾向です。並列2枚で高速化、並列5枚なら逆に悪化します。

構図やポージングを正確に指示できるControlNetモデル「AnyTest v4」を併用して、神里綾華 to アスカベンチマーク(832 x 1216)をテスト。
相変わらずRX 9070の性能が振るわないです。

FP8モードを有効化しても、生成時間は誤差です。

等倍で生成したイラストに忠実なまま、ディティール(書き込み)を増やしてアップスケーリングする「ControlNet Tile」と「Tiles Diffusion」の合せ技をベンチマーク。
等倍部分を25ステップ、アップスケーリングを15ステップで生成させて、RX 9070は1枚につき約7分もかかります。
なお、RTX 5070はTiles Diffusionの挙動がとても不安定でした。RTX 50対応のPyTorchがまだβ版に近い状態で、生成速度の最適化不足やバグが目立ちます。

AIテキスト生成(ollama)
ローカル環境で動くChatGPTをベンチマークします。生成ソフトに「ollama」、生成モデルは「DeepSeek-R1-Distill-Qwen(GGUF版)」です。
「モンハンワイルズにおすすめなゲーミングPCについて約6000文字で解説してください」と英語で質問して、1秒あたりの回答スピード(token/s)で比較します。
なお、RX 9070のみ生成ソフトに「LM Studio」を使います。レビュー時点でollamaがRDNA 4世代にまだ未対応でした。

軽量な8Bモデルの場合、RX 9070はRTX 5070にわずか3%劣る回答スピードです。もし、ROCmで動けばRTX 5070を超えられそうです。

標準的な14Bモデルも似たような傾向です。ROCmを使うollamaで動けば、もう少し回答スピードが伸びるかもしれません。

重量級の32Bモデルだと、VRAM容量に入り切らずメインメモリにデータが溢れてしまい、大幅な性能ダウンに見舞われます。
VRAM容量が多いRX 7900 XTXは、RX 9070に対して約5倍の回答スピードで、RTX 3090ですら約6倍に達します。
4K素材で動画編集

Premiere Pro CCに4K動画素材を入れて、Puget Benchスクリプトでベンチマークした結果です。
RX 9070の総合スコア(Overall Score)は約12700点で、RX 7900 XTXを超えていますが、肝心のRTX 5070にあと一歩届かなかったです。
LongGOP形式の処理速度はRTX 5080すら超えて最速クラスの仲間入り。一方で、RAW編集とエフェクト処理(GPUエフェクト)はイマイチ性能が伸びずRTX 5070に遅れを取っています。

ハードウェアの性能をゴリゴリと使ってくれる無料の動画編集ソフト「Davinci Resolve Studio」を、Puget Benchスクリプトでベンチマーク。
RX 9070の総合スコア(Overall Score)は約10300点で、RTX 5070に対して約5%ほど上回ります。
Premiere Proと同様にLongGOP形式なら高い性能ですが、エフェクト処理でスコアを落とします。Fusion処理はRTX 5070を超えてRTX 5080に並びます。
RAW写真のAIノイズ除去
「DxO PureRAW」を使って、RAW写真のノイズ除去をベンチマークします。
PureRAWに搭載されている生成モデル「DeepPRIME XD2s」は、ローカル環境で使えて、そのうえ凄まじいノイズ除去と歪み補正を高速で処理できる優れたモデルです。

Sony a7CIIで撮影した3300万画素のRAW写真(5枚)から、ノイズと歪みをAI除去するのにかかった時間です。
RX 9070は「約23.3秒(1枚あたり4.66秒)」で処理を完了します。RTX 4070 Ti SUPER以上、RX 7900 XTX以下の性能です。
RTX 5070は「約18.3秒(1枚あたり3.66秒)」を叩き出し、RX 9070より約1.3倍もAIノイズ除去が高速でした。
動画エンコードの速度
動画エンコードの処理速度(1秒あたりの変換フレーム数 = fps)をベンチマークします。
- GeForce:NVEnc
github.com/rigaya/NVEnc/releases - Radeon:VCEEnc
github.com/rigaya/VCEnc/releases - Intel Arc:QSVEnc
github.com/rigaya/QSVEnc/releases
rigayaさんが公開している各エンコーダに対応する動画変換ソフトを使って、動きが激しいゲームプレイ中の録画動画をエンコードします。
なお、エンコード設定は「品質(VMAFスコア)」で正規化して、圧縮率(実効ビットレート)も可能な限りそれぞれ近づけています。
同じ変換品質かつ近い圧縮率でエンコードした場合の処理速度を比較します。
大手配信サービス「NETFLIX」が開発した、エンコード前後の劣化具合を数値化するスコアが「VMAF(Video Multimethod Assessment Fusion)」です。


動きが激しいシーンで頻発しやすいブロックノイズやディティール潰れを検出すると、VMAFスコアが大幅に下がります。
エンコード速度が速くてもVMAFが低ければ意味がないし、逆にVMAFが高くてもエンコード速度が遅くても困ります。だからエンコード速度を正確に比較するために、VMAFスコアを揃えた設定でテストしました。

昔ながらの「H.264」形式エンコードです。
RX 9070のエンコーダーはH.264に大幅な改善が入っていて、処理速度が速い「fast」プリセットでも、あっさり85点のVMAFを出せています。
従来のRX 7900 XTXだと「slow」プリセットでも画質がひどくて、ビットレートを多めに盛らないと85点に達しないです。
RX 9070の高速かつ高画質なH.264エンコードは、おそらくTwitchで配信するゲーマーにとって恩恵が大きいでしょう。

ゲームの録画で重宝されている「HEVC」形式エンコードです。
RX 9070がトップクラスの速度ですが、RX 50 / 40シリーズとの性能差はほとんど無くなります。

H.264形式より格段に圧縮率が高い最新規格「AV1」エンコードです。
RX 9070は平均330 fpsで、従来比1.5倍の性能アップ。しかし、AV1エンコードに関してはRTX 50 / 40シリーズが信じられないほど速いです。
RTX 50 / 40シリーズの上位モデルは2基のエンコーダーを並列して動かす「分割エンコード」機能があり、同じ品質にそろえてもRX 9070に対してダブルスコアをつけています。

WQHDのエンコード結果もフルHDとおおむね同じ傾向です。H.264とHEVC形式が高速で、AV1形式だと勝てません。
4K解像度のエンコードはやや傾向に変化があり、H.264形式とHEVC形式で頭1つ抜けた性能を見せつけ、AV1形式でもRTX 50シリーズに迫ります。
特にエンコーダーが1基しか無いRTX 5070の場合、エンコード速度がさらに低下してしまい、なんとRX 9070が約1.5倍も高速です。
動画エンコードの変換品質(VMAF)
動画エンコードの変換品質(VMAFスコア)を、ビットレートごとに調べます。

(縦軸 x:VMAF / 横軸 log:実効ビットレート)
エンコード速度が80 fps前後になるよう設定を正規化(※1)してから、実効ビットレートごとのVMAFスコアを散布図(scatter plot)にプロットしました。
RX 9070(RDNA 4世代)のH.264エンコードは信じられないほど画質が向上しています。AMD公式によれば「H.264で+25%の改善」です。
今回のテストで測定された改善幅は、+1~29%で平均+14%に達し、ゲーム配信で使われるビットレート(4~12 Mbps)に絞れば平均+21%もの画質アップです。
RTX 50 / 40シリーズに匹敵する変換品質に達しており、「Radeonのゲーム配信は画質が悪い」といわれた過去の定説を完膚なきまでに覆します。

(縦軸 x:VMAF / 横軸 log:実効ビットレート)
RX 9070(RDNA 4世代)のHEVCエンコードでも、目立った改善が見られます。
AMDいわく+6%の改善です。今回のテストでは+0~9%の画質アップで、ゲーム配信でよく使うビットレートに絞ると平均+13%に達します。
しかし、RTX 50 / 40シリーズ(NVEnc)にはあと一歩及ばなかったです。

(縦軸 x:VMAF / 横軸 log:実効ビットレート)
AV1エンコードは特に改善されていないです。低ビットレート域でRTX 50シリーズが強く、RTX 50以外のグラフィックボードはどんぐりの背比べを開催します。
フルHDと4K解像度のテスト結果です。
H.264で大幅な画質向上、HEVCで若干の画質向上が見られ、AV1は目立った性能差が出なかったです。
従来のテスト方法と比較してAV1エンコードの性能差が出づらい気がしますが、評価用のソース映像をより高難易度な内容に変更した影響が大きいです(※2)。
※1:エンコード速度が2~3倍に跳ね上がる、分割エンコード(split encode)を無効化します。2~3倍にしてしまうと、同じ速度に揃えるために画質が向上する重量級のエンコード設定を適用できてしまい、やや不公平な気がします。
※2:そもそも以前のテスト方法は実効ビットレート(output bitrate)を使わず、設定ビットレート(input bitrate)を使って評価していたから、なおさらVMAFの乖離が生じやすい状況でした。
OBSでゲーム配信録画
- デュアルエンコーダーなら:P5 Slow / 高品質 / 2パス(1/4解像度)
- シングルエンコーダーなら:P3 Fast / 高品質 / 1パス
定番のゲーム配信ソフト「OBS Studio(v31)」で、モンハンワイルズをYouTubeに配信しながら同時に録画もします。

OBSなし録画配信中
同時に録画と配信を行っても、RX 9070の平均フレームレートはわずか5%下がっただけで、最低フレームレートを維持できるほど安定性が極めて高いです。
対するRTX 5070だと平均フレームレートを約12%も落とし、最低フレームレートもハッキリ下がります。
AV1エンコードの処理速度自体はRTX 50シリーズが圧倒的に有利なはずが、ゲームをしながらエンコーダーを動かすと関係性がなぜか逆転します。

配信中のドロップフレーム数です。

(OBSの統計ログでドロップフレーム数を確認)
新しい世代のグラフィックボードなら、問題なく「0」で終えています(全18000フレーム)。
RTX 5070も「0」でテストを終えているものの、長時間のゲームプレイにやや不安が残る挙動です。
VRAM容量不足が影響してドロップフレームが頻発しやすい傾向があり、対策としてパソコンの定期的な再起動が必要です。

グラフィックスAPIの呼び出し回数
RX 9070は、DirectX11とDirectX12の呼び出し回数が低く、Vulkanの呼び出し回数はRTX 50シリーズを軒並み上回ります。
・・・ベンチマークを開発したUL Benchmarkいわく、API Overheadはどのグラフィックボードを選んでも十分すぎるほど数値が高く意味をなさない、として隠された項目に入っています。
しかし、一部のゲームでRadeonがまったく性能を出せない原因を推測するうえで役に立ちそうな予感もします。
RX 9070の消費電力を比較

(約20万円もする高価なワットモニター)
「Cybenetics PMD(Power Measurement Device)」を使って、グラフィックボードの消費電力をダイレクトに測定します。
グラフィックボードの付属ソフトや、フリーソフト「HWiNFO」を使えば、誰でもかんたんにグラフィックボードの消費電力をチェックできる時代です。
しかし、2024年頃から「PCIe 5.1」規格に対応するマザーボードが増えていて、マザーボード経由で最大165 W(12 V x 13.75 A)もの電力を供給できます。
仮にグラフィックボード本体が約300 Wを使っていたとして、マザーボード経由で165 Wも引っ張り出されると、ソフト読みに表示される消費電力は135 Wです。
PCIe 5.1規格の登場で、フリーソフトを使ったいわゆる「ソフト読み」の信頼性がPCIe 5.1以前よりも下がりました。

(PCIe x16スロットも見逃さない)
当ブログ「ちもろぐ」で使っているCybenetics Labs謹製PMDなら、PCIe 8 pin(12VHPWR / 12V-2×6)とPCIe x16スロットの消費電力を直接モニターできます。

(12VHPWR or 12V-2×6コネクタも対応)
電源ユニットの認証機関であるCybenetics Labsが制作しただけあって、肝心の性能と精度が抜群に優秀です。
- 測定周期:1秒あたり1000回(1ミリ秒)
- 電圧精度:1 mV(0.001 V)
- 電流精度:1 mA(0.001 A)
- 電力精度:1 mW(0.001 W)
1秒あたり1000回の測定回数で、瞬間的な消費電力の跳ね上がり(スパイク電力)を正確に捉えられます。
わずか0.001 Wの高い分解能により微弱な消費電力もきちんと測定して、PCIeスロット経由の消費電力やアイドル時の消費電力も追跡できます。
ゲーム時の消費電力とワットパフォーマンス

テストした20本のゲームプレイ中の消費電力(平均値)を比較したグラフです。
負荷が軽いフルHDの場合、RX 9070は平均219 W消費します。RTX 5070より約30 Wちょっと多いです。

WQHDゲーミング時の消費電力は大幅に増えて、RX 9070が平均255 Wに達します。RTX 5070より約40 Wも増えています。

4Kゲーミング時の消費電力は平均258 Wで、RTX 5070より約45 W多いです。
RX 9070 XT(OCモデル)と比較してほぼ100 Wも削減でき、定格に絞ったRX 9070 XTから約50 Wも減っています。RTX 5070より全体的に消費電力が高いですが、前世代(RX 7000)より格段にマトモです。
平均消費電力を平均パフォーマンスで割って、消費電力10ワットあたりのフレームレートを求めると、いわゆる「ワットパフォーマンス(電力効率)」を計算できます。
フルHD時のワットパフォーマンスでRTX 40シリーズにようやく追いつきます。WQHDと4K時でややワッパが下がってRTX 40シリーズの手前くらいの効率です。
RX 7800 XTから約1.3~1.4倍の電力効率に進化します。一方、RTX 5070の電力効率はさらに進化していて、現時点でトップクラスです。

フレームレート制限時のワットパフォーマンス

自由自在にfps制限ができる「RTSS」
Riva Tuner Statics Server(RTSS)を使って、ゲーム側の上限フレームレートをスライドしながら、グラフィックボードの消費電力をCybenetics PMDで記録します。

縦軸(x)が消費電力の実測値で、横軸(log)が実効フレームレートです。
なんとびっくり、RX 9070とRX 9070 XTの消費電力は性能限界に達するまで瓜二つの状態を維持します。
つまり、同じ性能を引っ張り出すだけなら、無印とXT版のワッパは大差ない可能性が高いです。必要な性能を満たせれば十分と考える一部マニアユーザー層にとって、無印版の穴場感が出てきた感。
ライバルのRTX 5070は平均40 fpsまで最高の省エネ性ですが、50 fpsくらいでRX 9070に逆転され、ピークに達したあとも挽回できません。

フレームレートを消費電力で割って、1ワットあたりのフレームレート(ワットパフォーマンス)をプロットしたグラフです。
RX 9070の電力効率は非常に優秀で、ほとんどのフレームレート制限でRTX 5070を超えます。
アイドル時とエンコーダーの消費電力
AMDいわく、RX 9000シリーズは従来比でアイドル状態(何もしていない状態)の消費電力や、メディアエンジン(= ハードウェア支援)の効率に手を加えたらしいです。
本当に改善されているかどうか、微弱な消費電力を検出できるCybenetics PMDを使って少し深堀りしてみます。

ゲーミングモニター(4K 120 Hz)を1台つないで、バックグランドアプリをタスクキルして、LANケーブルを引き抜いてシステムをインターネットから隔離します。
さらに3分ほど放置してシステムをアイドル状態に落とし込んだら、別のパソコンからCybenetics PMDを使って消費電力を測定します。
RX 9070は平均わずか7.8 Wに抑えられ、RTX 5070のわずか半分以下です。
低負荷時にGPUクロックを0 MHz台まで下げたり、電力をできるだけ補助電源コネクタから取ってくる挙動※が圧倒的なアイドル電力に効いているように見えます。
※RX 9000シリーズは電力をマザーボードのPCIeスロットからほとんど取らないです。逆にRTX 5000シリーズはPCIeスロットからも電力を取っている様子です。

しばしばRadeonの弱点として挙げられる、マルチディスプレイ時のアイドル電力も目覚ましい改善です。
ゲーミングモニターを2台(4K 120 Hz + QHD 120 Hz)つないでも、平均たった8.2 Wです。RTX 5070のたった3分の1以下に過ぎません。
AMD FreeSync Premium(G-Sync互換)の有無や、リフレッシュレートや解像度の組み合わせ次第で、いくらでも消費電力が変動する可能性が高いです。
掲載したデータはあくまでも筆者の環境だけで得られたデータに過ぎず、他人の環境で再現する保証は一切ありません。
VLC Media Playerで、高画質なゲームプレイ録画を再生します。動画を再生中の消費電力を、別のパソコンからCybenetics PMDで測定しました。
RX 9070はH.264 / HEVC / AV1形式のどれを再生しても平均50 W程度です。AMDの宣伝どおり、たしかにRX 7900 XTXより消費電力が減っているようです。
少し変わったパターンの動画もテストします。上から順番に8K 60 fps / 8K 90 fps / フルHD 480 fpsの動画です。
おおむね平均50 Wで推移していて、デコーダーの効率改善が明らかです。加えて、RX 7900 XTXで滑らかに再生できなかった8K 90 fps動画が、RX 9070ならスムーズに再生できます。
動画エンコード時の消費電力もテストします。デコード時と同じく、RX 9070は平均50 Wくらいで推移します。
エンコードの内容によって従来比で半減するケースもあり、RDNA 4世代のエンコーダーは電力効率が大きく向上しています。
スパイク電力をテスト(おすすめ電源ユニット)
グラフィックボードに変則的な負荷がかかると、瞬発的に消費電力が跳ね上がる「スパイク電力」が発生します。
近年の電源ユニットはスパイク電力を考慮して設計されているから、ほとんどの人はスパイクを気にする必要はありません。
しかし、スパイク電力が気になって仕方がないマニアなユーザーも少なからず存在するため、Cybenetics PMDで測定したミリ秒単位のスパイク電力を掲載します。

RX 9070のスパイク電力はピーク時394 Wです。RTX 5070より1段と多く、RTX 5070 Tiも超えるスパイク電力が発生します。
電源ユニットのピーク容量 | ||
---|---|---|
容量 / 世代 | ATX 2.x | ATX 3.x |
750 W | 1015 W | 1500 W |
850 W | 1150 W | 1700 W |
1000 W | 1350 W | 2000 W |
電源ユニットのピーク容量を確認します。
BTOパソコンでよくある容量750 ~ 850 Wの場合、ATX 2.x世代でピーク時1000 ~ 1150 Wまで、ATX 3.x世代ならピーク時1500 ~ 1700 Wまで正常に動作する仕様です。
CPUにCore i9 14900K(253 W)やRyzen 9 9950X(230 W)を組み合わせる前提でも、容量750 ~ 850 Wの電源ユニットで問題なく運用可能です。
高負荷時のGPU温度とVRAM温度
グラフィックボードの温度やクロック測定は、基本的に使ったグラボの設計とチップの選別具合に左右されます。
同じGPUチップを搭載していても、分厚い設計なら静かに冷えるし、コストカットを施した薄型設計だと音が大きい割に冷えなかったりします。
今回のRX 9070レビューで使ったグラフィックボードは「ASRock Steel Legend OC」モデルです。他社のモデルなら、また違った結果が出ると予想されるし、そもそも測定する環境やグラボの個体差でもけっこう差が生じます。
あくまでも参考程度に見てください。

崩壊スターレイルを4K解像度(最高グラフィック設定)で起動したあと、約60分そのまま放置しながらGPUコア温度を測定したグラフです。
GPUコア温度がピーク時に57℃前後、GPUホットスポットがピーク時に76℃前後、VRAM温度はピーク時に88℃に達します。

約60分間のGPUコアクロック周波数を追跡したグラフです。
時間がたってもGPUコアクロックがずっと横一直線に安定していて、60分後まで平均2484 MHzを維持します。

テスト中のフレームレート(fps)とフレームタイム(ms)です。
GPUコアクロックと同じく、一貫性が高い安定した動作です。

ブーストクロックの動作チェック | |
---|---|
最大値 | 2745 MHz |
ピーク値(1%) | 2715 MHz |
平均値 | 2492 MHz |
公称値(AMD) | 2520 MHz |
公称値(ASRock) | 2700 MHz |
GPUに極端な負荷をドカンとぶつけて、メーカーがスペック表に掲載している「ブーストクロック(Boost Clock)」を満たせるかチェックします。
結果は最大値で2745 MHz(ピーク値1%で2715 MHz)を叩き出し、リファレンス公称値(AMD)を余裕でクリア、オリジナル公称値(ASRock)をなんとか満たします。
まとめ:RX 9070 > RTX 5070(VRAM容量も!)

使い方 | 評価※ |
---|---|
FPSやeSports(競技ゲーミング) 主流のeSports系タイトルで300~600 fps台を狙える、非常に優れたフルHDゲーミング性能です。 | ![]() |
ソロプレイゲーム(RPGなど) 画質が改善されたAI超解像「FSR 4」とフレーム生成「FSR FG」の組み合わせで、100 fps超の4Kゲーミングを楽しめます。 | ![]() |
ゲーム実況配信の安定性 H.264エンコードが高画質かつ超高速で処理でき、Twitch配信と相性が良いです。AV1エンコードは速度と画質でやや勝ててないですが、配信時のフレームレート下落率が非常に少ない傾向が明らかで、YouTube配信も問題ありません。 | ![]() |
プロの写真編集・動画編集 写真編集は目立った問題がありません。AIノイズ除去(DxO PureRAW)も速いです。一方で、Premiere ProやDavinci Resolveで、エフェクト処理やCG処理をさせると性能が伸び切らない傾向あり。実用上まったく十分な性能かもしれないですが、ライバルに劣っているのは事実です。 | ![]() |
AIタスクの性能とサポート ハードウェア側のAI処理性能は高い(従来比で最大4倍)です。しかし、ソフトウェアの対応状況がイマイチ。「ROCm」は未だWindowsに非対応で、Stable Diffusionなど主要なAIタスクの処理性能が遅いです。 | ![]() |
ドライバの安定性と機能性 リリースドライバの時点で非常に安定しています。予期しないクラッシュ、ブラックアウト(ドライバアウト)に一切遭遇しなかったです。機能性もなかなか充実していて、「FSR 4オーバーライド」「AFMF 2.1」「Noise Suppression」などゲーム向け機能が多いです。一方でコンテンツ向け機能はやや貧弱。NVIDIA VSRやRTX HDRに相当する機能が未だに実装されていません。 | ![]() |
※用途別評価は「価格」を考慮しません。用途に対する性能や適性だけを評価します。
「RX 9070」のコストパフォーマンス

MSRP(アリバイ価格)レビュー時点の価格
RX 9070のコストパフォーマンスを計算します。青色がMSRP(希望小売価格)で計算したコスパ、黒色がレビュー時点で買える価格で計算したコスパです。
2025年4月時点、RX 9070はRTX 5070より格段に人気が高いグラボで、MSRP(約10.8万円)で買えるボードは枯渇しています。
10万円台で買えさえすれば10万円台で至高のコスパになる計算ですが、今の価格だと単純なコスパでRTX 5070に届かない見込みです。

MSRP(アリバイ価格)レビュー時点の価格
同じ手順で、WQHD(2560 x 1440)ゲーミング時のコスパも計算します。
やはり定価ベース(約10.8万円)なら10万円台でトップクラスのコスパです。

MSRP(アリバイ価格)レビュー時点の価格
4K解像度のコストパフォーマンスです。フルHDやWQHDと同じく、定価に近い在庫が安定供給されればトップチャートを独占できます。
「RX 9070」のデメリットと弱点
- FSR 4オーバーライドの条件が厳しい
(フリーソフト:OptiScalerで緩和できます) - 「FSR 4」の画質は「DLSS 4」に届かない
- 依然としてワットパフォーマンスで劣る
- 一部のクリエイティブ性能が低い
- AI性能を活かせない未熟なソフト状況
- Windows版「ROCm」の欠如
- 価格設定からズレつつある実売価格
- MSRPが初回限定の可能性
「RX 9070」のメリットと強み
- パワフルなゲーミング性能
- フルHD~4Kゲーミングまで対応
- 実用的なレイトレーシング性能
- VRAM容量16 GB(相手は12 GB)
- 画質が上がった超解像「FSR 4」
- フレームレート倍増「FSR FG」
- ドライバ型フレーム生成「AFMF 2.1」
- アイドル時の消費電力が低い
- マルチディスプレイ時の消費電力
- 爆速で画質もいい
「H.264 / HEVCエンコード」 - RTX 5070より速い「AV1エンコード」
- 安定した配信性能(fpsが下がりづらい)
- リリース時点で安定したドライバ
- ライバルより一足先に「4 nm」製
- コスパに優れた価格設定
「RX 9070」はRTX 5070とほぼ同じ価格で、ゲーム性能が高く、VRAM容量が4 GBも多いです。
一部のゲームに限られますが、RX 9070はVRAM容量の多さでRTX 5070を決定的に打ち負かすシーンを確認できています。
RadeonはGeForceよりVRAM使用量が多いとする謎の検証データもウワサ程度に聞こえてくるものの、そもそものVRAM容量が潤沢じゃなければダメな用途だって当然あります。
仮にGeForceのVRAM使用量が少ないとしても、VRAM容量を過剰にケチっていい理由にならないです。
一方でRX 5070より消費電力が少し多めだったり、AIタスクでうまく性能を発揮できないなど。Radeonによくあるデメリットが未だ健在・・・。
しかし、デメリットを考慮してもVRAM容量と価格の安さはとても魅力的。快適なゲーミング環境とゲーム実況配信がおもな目的なら、RX 9070を選ぶ価値は高いです。

一番最初に書いたとおり、絶対的なパフォーマンス重視であればRX 9070 XTがおすすめです。
RX 9070(無印)はパフォーマンスを少し妥協する代わりに、静音性と扱いやすさを重視する目的に向いています。ついでにお金を少しだけ節約できます。

最後に、あえてRX 9070を差し置いてRTX 5070を選ぶ余地が残されているのか? について。
もちろん選ぶ余地は残されていて、画質がとても高いAI超解像「DLSS 4」モデルや、Radeonよりマトモに動くAI処理性能が選ぶ理由になりえます。
VRAM容量の少なさが原因で一部の4Kゲーミングで不都合が生じますが、WQHDで妥協すれば何とかなるでしょう(※要するに4K目当てでRTX 5070は若干リスクあり)。

以上「Radeon RX 9070 ベンチマーク:RTX 5070とどっちがいいか性能比較レビュー」について、大量のベンチマークと解説でした。
本記事がRX 9070とRTX 5070、またはRX 9070 XTからどれを選ぶか、結論を出すヒントになれば幸いです。
「RX 9070」を入手する
とりあえず、今回のレビューで使用した「ASRock Steel Legend OC」モデルが候補です。
特筆すべき強みが圧倒的な静音性。ファンの動作音が静かなだけでなく、高負荷時のコイル鳴きも恐ろしく抑制されています。
RX 9070 XTよりずっと大人しいブーストクロック挙動と、そもそも少ない消費電力が動作音の静かさに貢献している可能性が高いです。
ちなみにAmazon.co.jp限定で国内3年保証です。GIGABYTE GAMING OCモデルを除いて、RX 9070搭載モデルでもっとも保証が長いです。
他社(Saphhireや玄人志向)は実際に使っていないから、なんとも言えません。
上位モデルのボードデザイン(300 W級)を流用しているモデルであれば、割とどれを選んでも十分な冷却性能と静音性を得られる予感がします。
RX 9070におすすめなCPU
RX 9070は平均的にRTX 5070を超え、相性の良いゲームならRTX 5070 Tiすら超える性能。非常に高いゲーミング性能を引き出すために、CPUの性能も重要です。
迷ったら「Ryzen 7 9800X3D」です。次点でCore i7 14700Kを、お金に余裕があるならRyzen 9 9950X3Dを推奨します。
なお、4K解像度ならCPUを手抜きでもいいと思われる風潮があるものの、「FSR 4」と「フレーム生成」を併用するつもりならRyzen 7 9800X3Dを推奨です。
超解像は内部的にHD(1280 x 720)~ WQHD(2560 x 1440)処理に相当し、ネイティブ4K処理より簡単にCPUボトルネックが発生します。
RX 9070におすすめなゲーミングモニター
WQHDで最大320 Hzに対応しながら、セール時に3万円台から買える驚異的コスパ「KTC H27E6」が有力な候補です。
RX 9070をeSports系タイトルで使って、平均200~300 fpsを狙うならコスパ的にちょうどいいゲーミングモニターです。
画質が進化した「FSR 4」と「フレーム生成」を前提に、4Kゲーミングに没入する目的なら「DELL AW3225QF」が魅力的。
Samsung製QD-OLED(量子ドット有機EL)パネルを搭載し、ほぼ0ミリ秒に近い応答速度と、ほぼ無限に近いコントラスト比を両立します。
筆者がここ最近なかなか気に入っているゲーミングモニターが「TCL 27R83U」です。4K HDRゲーミングと4K HDRコンテンツの視聴に特化しています。
OLEDパネルに迫るコントラスト比と、OLEDパネルで不可能なすさまじい明るさが大きなメリット。映像の中の世界が本当に表示されたかのような錯覚的体験ができます。
グラフィックボードのレビュー記事
検証お疲れ様です
相変わらずこのサイトでしか得られない栄養素(データ)がある
しかしガチで全体的な性能向上があって見てて楽しいです
ゲーム目的ならほんと優秀
5070は今買うにはAI目的でもゲーム目的でも12GBは微妙で中途半端過ぎるのよ
検証ありがとうございます
9070XTのレビューで予想できましたがマルチディスプレイ時の圧倒的消費電力の少なさが魅力的ですね
定価なら9070の方がいいんだけどな..
9070は13万くらいしちゃうし5070なら11万以下で買えるしほとんどのゲームで最適化されてる5070行った方が良くね感ある
そこが最大の課題ですよね。
RTX 5070は不人気なせいで、すでに定価モデルが普通に買える状況です。しかしRX 9000シリーズは人気すぎて、多少値上げしても売れてしまう状況があり、定価ベースで買える5070にコスパ(fps / 円)で負けてしまっているんですよね。
玄人志向あたりがMSRPモデルをASRock並に日本国内に持ち込んでくれたら良いのですが・・・なかなか厳しいようです。
趣味でレースゲームはよく遊ぶんだけど、Assetto Corsaがgeforce、forzaはradeonが圧倒しててどっちかにしてくれと思う
なんで特定ブログに敵意を向けてるんですか
性能的にはWQHDゲーミングにちょうどいいんだけど9070xtとの価格差が小さすぎてなんか勿体ないポジションな気がする
9060ti(16GB)とかが出たらWQHD向けにちょうど良くなるんじゃないかなぁ
本格的な言語モデルを動かすにはどうせ5070の12GBでは足りない訳で
生成AI用途としてはどちらも微妙な所。
逆にゲーム向けとしてはどちらもちょうど良い感じですね
・RX 9070:4Kゲームも耐えられる
・RTX 5070:4Kはときに厳しいけどUWQHDまでなら耐えられる
こんな感じで棲み分け出来そうですね。
あとは、AMD ROCmのRDNA4ネイティブ対応が来たら、いよいよコンシューマAI向けでもRadeonが耐えられる未来がありそう(7900 XTX * 1.6 ~1.7 = 4080 SUPER相当)。
ドスパラ店舗限定で5070Tiを13万台で売り始めたから9070、5070、9070XTの存在価値が消えかけてる
ASKを通してないから円高を即座に反映しただけなんだけどコスパがエグい
円相場繁栄もあるならば、そのうちGPU全体が値下がりしそうだから競争万歳ですわ
特定メーカーが一強ならば、絶対にならない状況になっているので消費者には嬉しい限り
しかも、手持ちがWQHDモニターだから5070/9070を天秤にかけている身としてはありがたい
19.5万円で5070Tiを買った身としては悲しすぎる。で、でもGIGABYTEには4年保証があるから・・・となんとか納得してます。でも13万円台はやっぱりショッキング過ぎる。
マジ?それ考えると確かにコスパエグいな
9070も刺さる人には刺さるんだろうが、ゲームの最適化やらトラブルシュートを考えると緑のがシェア高くて調べやすいんだよな
お疲れ様です。
赤のグラボも緑のグラボも定価と実売価格の乖離が大きくなってコストパフォーマンスを考えるのが難しくなってきましたね。
極端な話、定価が10万でも店頭で15万でしか買えないならコスパは3分の2になるので、定価で買えるくらい在庫が潤沢にあるかも評価点の一つになりそうです。
検証お疲れ様でした
ワイルズのために買い替えた身としては過去の自分に
騙されたと思ってRadeonを待つんや!って言いたい
U10だと底値の9万強実質8万切りで4070(S)買って2年使って60xx行くのが正解だったようで一安心
1年後位に7800xtまでとは行かないけど、値下がりすると思うけど
5070は値下がりで95000位行ったら一般人はこれで良い位の良いグラボになっちまうな
RTX 5070が9万円台なら普通におすすめできる水準。
ついでにRX 9070も追随して9~10万円台が安定すると嬉しい。
近くの店で苦労と試行が11万になってた
そろそろ買い時かもしれん
検証ありがとうございます
私の場合 RYZEN9 7900(TDP65W)+RX9070っていう構成なので
RX9070の待機電力がどれくらいか気になっていたので助かります
検証お疲れ様でした
「おすすめのCPU」の下とかに「おすすめのマザーボード」とかも入れて欲しい
古いゲームがPhysXが無い事で落ちるパフォーマンスがどうなのかもちょっと知りたいです。
ボダラン2でRTX4070、RTX5070、RX9070あたりだどパフォーマンスどうなるんでしょう。