毎年恒例、ちもろぐ筆者的に「買ってよかった」PCパーツやハードウェアまとめ(2024年版)を書きます。
今年も予算と時間が許す限り、PCパーツやゲーミングモニターを実機レビューしました。本記事では時間の都合でレビュー記事をアップできなかった製品も含め、筆者やかもちが買ってよかったと思っている製品を10個に絞って紹介します。
(公開:2024/12/30 | 更新:2024/12/30)
2024年:買ってよかったPCパーツとハード【10選】
1.【Steam倉庫】格安で大容量な中華SSD
わずか3万円前後で買えるハイエンド性能の容量4 TB
いったん主観を抜いて、冷静に今年買ったもので一番活躍していたPCパーツは何か?・・・を自問した結果が「格安で大容量な中華ハイエンドSSD」でした。
たとえば、以下レビュー記事で扱ったSSDたちが該当します。
いわゆる「中華ハイエンド」シリーズです。技術的に詳しく書くと、SSDコントローラに「MAP1602A」、NANDメモリに「YMTC製 232層 3D TLC NAND」を搭載したSSDを指します。
(クリックで画像拡大)
PCMark 10 Pro版(年額1500ドルのベンチマークソフト)でゲームロードやオフィスワーク時の実効性能を調べたところ、中華ハイエンドシリーズは名だたる有名企業のSSDを押しのけて軒並み上位に入ります。
中華ハイエンドシリーズより性能が高いSSDも当然ありますが、最大の強みはなんと言っても価格の安さです。
レビュー済みの「Hanye HE80」や「MOVE SPEED Panther」は容量4 TB(4096 GB)が3万円を切っていました。容量1 TBあたり7500円程度で、他社の割高なハイエンドモデルに匹敵するか、それ以上の性能です。
手頃な価格で買ってきた容量4 TBの中華SSDを、ASM2464PDコントローラ搭載のUSBエンクロージャーに詰めてポータブルSSD化して、ゲーム倉庫(Steam倉庫)として今も使っています。
なぜゲームドライブを外部化する必要があったのかと言うと、ゲーミングPCやミニPCのレビューをするときに、毎回毎回わざわざゲームをインストールし直すのが面倒だからです。
ポータブルSSD化しておけば、Steamからドライブを追加するだけでゲームのインストールが完了します。合計3 TB近いベンチマーク用のゲームソフトのインストールが一瞬で終わります。
かかった金額に対して節約できた時間的な観点(= タイパ?)でも、中華ハイエンドの大容量SSDは今年買って良かった筆頭にふさわしいです。
2.【最速のPCモニター】LG 32GS95UE-B
平均0.11ミリ秒を記録した4K 240 Hzゲーミングモニター
PCパーツのベンチマークを頻繁に行う筆者的に、最速のゲーミングモニター「LG 32GS95UE-B」は外せません。
最新世代のLG Display製RGWB W-OLED(有機EL)パネルを搭載して、フルHDで最大480 Hz、4Kで最大240 Hzに対応するモンスター級ゲーミングモニターです。
最大のメリットがゲーミングモニター史上かつて無い、最速の応答速度です。480 Hz時で平均わずか0.11ミリ秒を叩き出し、人間の目で認識できる「残像感」のほとんどを小細工なしに除去します。
最速のゲーミングモニターはベンチマーク的な理由でとても役に立ちます。いくつか実例を挙げると
- PCモニターのベンチマークをするとき → 残像感の無い映像を確認する
- グラフィックボードの検証をするとき → 最大Hz設定で垂直同期を回避する
- 検証用の画像や動画をつくる → コントラスト比が非常に高い画像を制作可能
などなど、一種のリファレンスとして有用です。
プロの映像作家がリファレンスモニターと呼ばれるPCモニターを使っているのと似た理由です。最強の性能は大部分の人に必要ではないですが、無いよりはあったほう役に立ちます。
もうひとつ忘れてはいけない「LG 32GS95UE-B」のメリットが、文字の鮮明さです。
PCモニターオタク界隈では、現在2つのOLEDパネルが派閥争いをしているのを知っているはず。1つがLG製W-OLEDパネル、もう1つがSamsung製QD-OLEDパネルです。
原理的にQD-OLEDは文字に弱い
色の鮮やかさや純度の高さでSamsung製QD-OLEDが有利ですが、文字が汚く表示されてしまう構造上の欠陥を抱えています。画素ドットが高い4K 32インチはかなり緩和されるものの、WQHD 27インチは「にじみ」が目立っています。
一方、最新世代のW-OLEDは「RGWB」配列に改良しているから、まるで普通の液晶パネルのような文字の鮮明さです。
筆者はふだんから液晶パネルを使っているから、QD-OLEDパネルよりW-OLEDの方が好みに合います。そもそも最大240 Hzと最大480 Hzの時点で性能が2倍も違いますし、似たような価格ならW-OLEDで良い派です。
実際にQD-OLEDとW-OLEDを使ってみたレビューはこちらから↓どうぞ。
どちらも自腹で購入して、実際に使って書いたレビュー記事です。
去年(2023年)の買ってよかった1位に入れた「INNOCN 32M2V」が今年もずっと活躍していたから、今年の購入分でランクインするMini LEDモニターはありません。
最近レビューした「M27E6V-PRO」や「P32A6V-PRO」は、まだ購入してから日が浅いのと、画質的に32M2Vとの性能差がそこまで大きくないです。
3.【最速のゲーミングCPU】Ryzen 7 9800X3D
ゲーム次第でUltra 9と比較して2倍超のフレームレート
2024年はPCパーツが不作でした。
Intel初の社外製造(TSMC 3 nm製)となった「Core Ultra 200S」シリーズは完全に期待外れで自腹で買ったのが悲しくなるレベルで悲惨でしたし、久々のIntel製グラボ「ARC B580」も高すぎる国内販売価格で盛り上がりません。
しいて言えば「RTX 40 SUPER」シリーズがPCゲーマーの需要喚起に一定の効果がありましたが、技術的な観点で特に見るべきところがないPCパーツですし、その中でも「RTX 4080 SUPER」は性能向上幅が渋すぎる駄作でした。
しかし、「Ryzen 7 9800X3D」だけは文句なしに買ってよかったPCパーツに挙げていいでしょう。
従来のX3Dモデルだと、ゲームだけ強くて他の用途で無印版に劣るトレードオフ感の強いCPUでした。今作の9800X3Dで残念なトレードオフ感を見事に解消し、あらゆる用途で無印版(X版)に対する完全な上位互換に進化します。
負荷の重たいマルチタスクで知られる「ゲーム実況配信」を例に見てみましょう。
Ryzen 7 9700Xを完膚なきまでに打ちのめし、16コア32スレッドのRyzen 9 9950Xすら軽く超えてしまう、圧巻のパフォーマンスです。もちろん、ライバルであるはずのCore i9は手も足も出ない状況。
Core i9ですら勝てないなら、本来の競合製品にあたるCore i7も当然勝てないと予想がつきます。一般的に8コアCPUはマルチタスクに弱そうなイメージがあるものの、Ryzen 7 9800X3Dは見事に懸念を払拭しています。
純粋なゲーム性能を確認します(GeForce RTX 4090でテスト)。
15ゲームの平均値(※幾何平均)で、Ryzen 7 9800X3DはCore i9 13900Kに対して約1.3倍、Core Ultra 9 285Kに対して約1.5倍もフレームレートが高いです。
まさに世代を先取りする異次元の性能。
ベンチマーク的な観点でも最速のCPUがもつ有用性は非常に高いです。来年以降に発売されるRTX 5080やRTX 5090など、最速のグラフィックボードを評価するなら、最速のゲーミングCPUであるRyzen 7 9800X3Dがこのうえない相棒です。
※普通の平均値を使うと性能差がとんでもない数値になったから、マイルドな性能差にするため幾何平均(Geomean)を使いました。競合製品に対するせめてもの配慮です。
当然ながらゲーム時の消費電力も最強格です。最高クラスのフレームレートを出しながら、消費電力もとても省エネ。
消費電力が少ないから、豪華なVRM回路を積んだ高級マザーボードや、冷却性能に優れた大型空冷クーラーや簡易水冷クーラーも不要です。3000円程度のサイドフロー空冷と1万円台の安価なマザーボードで不便なく運用できます。
Core i9と比較して、プラットフォームも含めた総コストを安く抑えられる点もRyzen 7 9800X3Dの隠れた魅力です。
4.【最速の電力ロガー】Cybenetics PMD
0.001 V単位かつ最大1000サンプル(1ミリ秒)で消費電力を測定
電源ユニットの認証機関で知られる「Cybenetics Labs」が販売している、PCパーツの消費電力を測定する専用ハードウェアです。
PCパーツの消費電力はフリーソフト「HWiNFO」などを使えば確認できますが、PCパーツに内蔵されているセンサーの値を読み取っているだけで、肝心の測定精度はセンサーに依存します。
たとえば、グラフィックボードの消費電力を低く見せるために、あえて低い数値を申告するセンサーが内蔵されていたら?・・・ センサー経由の消費電力を低く見せるために、マザーボード経由で電力を多めに取る仕様だったら・・・※?
考えだしたら、いくらでも疑惑が思い浮かびます。
※直近の実例が「Intel Arc B580」です。PCIeスロット経由で電力を多めに取るらしく、HWiNFOなどを使ったソフト読みだと消費電力が異様に低く見えます。
PCパーツ内蔵のセンサー読みが信用できないなら、解決策はとてもシンプル。精度の高い消費電力ロガーを使うだけです。
筆者が約20万円かけて購入した「Cybenetics PMD」の場合、電圧を0.001 V(1 mV)単位、サンプリングレートを1000 Hz(0.001秒)で測定可能です。
電力ロガーとしてあまりにも高性能過ぎて、消費電力を測定するだけでなく、電源ユニットの性能を測定するオシロスコープに近い使い方にすら対応します。たとえば、負荷時の電圧降下や電圧スパイクも正確に追跡できます。
オシロスコープ的な使い方に対応できる点は、さすがCybenetics Labs謹製です。電源ユニットの認証機関が制作しただけあり、PMDの設計思想に電源ユニットの評価機関らしい「クセ」が紛れ込んでしまった様子。
5.【作業効率+100%】後付けする「引き出し」
工具の収納を箱 → 引き出しに変えたら作業効率が激変
デスク天板の底面にネジで後付する「引き出し」を買いました。
類似製品はいくらでもありますが、その中でも素材の高級感とデザイン性に一目惚れしてPREDUCTS製「Drawer Mini」をチョイス。やや値段が高いけれど、間違いなく買ってよかったものです。
トルク管理電動ドライバー、大量のプラスドライバーや精密ドライバー、マスキングテープや結束バンドなどなど。
自作PCの組み立てや、レビュー機材の分解にいつも使う工具類を引き出しに突っ込んでいます。引き出しを入れる前にはいわゆるプラスチック製の工具箱を使っていましたが、箱から出して収納のルーチンが地味に時間の無駄です。
引き出しなら、サッと引いて工具を取り出し、ホイッと放り込んで引き出しを押し込むだけ。自然とよく使う工具へと厳選が進み、効率化される副作用も思わぬメリットでした。
どうしてもっと早く引き出しを導入しなかったんだろう・・・としばらく後悔。
なお、引き出しは金属製です。割とキズがつきやすい素材だから、大判のマウスパッドを別途購入して、引き出しの寸法に合わせてハサミでカットして敷いています。
後付の引き出しは工具類の整理に限らず、一般的なデスクワークユーザーにとっても役に立つ可能性が高いです。
文房具の収納にも当然ながら使えるし、付属品の仕切りプレートでクレジットカードやUSBメモリの収納にも使えそうです。
6.【腰痛対策】ヌルヌルと動く自動昇降デスク
1 mm単位でヌルヌルと動く便利な自動昇降デスク
昔からちもろぐは自動昇降デスクを推している気がしますが、2024年の今でも手放せずに使っています。今年は4年使っていたFlexispotの旧モデルを、新型の「E7」に買い替えました。
買い替えるついでに、幅180 cm x 奥行き80 cmの大きなデスク天板も購入して取り付けています。PCパーツのベンチマーク環境、ゲーミングモニターの検証用に活躍中です。
たとえば、ベンチマークを回すような単純作業は立ったまま行い、少し頭を使う集計作業を座ってやるなど。自動昇降でスムーズにデスクの高さを変更して、同じ姿勢が持続しないように運用できます。
新型のE7では「障害検知機能」が追加されていて、デスクを上から下へ昇降している途中、何かに衝突したら自動的に停止するセーフティ機能です。
障害検知機能なんて・・・あっても無くても変わらないと思っていたら、割とすぐに役に立つシーンが訪れました。
自動昇降デスクの右側に置いてあるPCパーツにうっかり衝突してしまい、障害検知機能に無事救われました。旧式だったら気づかずにそのまま下げ続けて、PCパーツを破壊しているところでした。
総じて自動昇降デスクは買ってよかった実感が少ないけれど・・・確実に役に立っていて、冷静に落ちついて振り返ると買ってよかったものに入ってくる、不思議なハードウェアです。
今から自動昇降デスクを売り払うか?と聞かれれば「いいえ」と即答できます。買ってよかったの領域を超えて、無かったら困るレベルに来ているようです。
7.【書類PDF化】秒速スキャナー「SnanSnap iX」
書類1枚あたり1秒でPDF化する国産の高速スキャナー
電帳法改正に伴い、紙の領収書を電子保存していいルールにようやく改正・・・ というか、ほとんど電子化が義務化されました。
仕方がないので、石川県かほく市に本社を置く株式会社PFUが開発販売している国産スキャナー「SnanSnap iX1600」を導入。
秒速で書類をPDF化できるとウワサですが、見ての通り本当に秒速でした。
読み取りモードごとのスキャン時間(録画による実測)は以下のとおり。
- ノーマル:1.50秒
- ファイン:1.53秒
- スーパーファイン:1.56秒
- エクセレント:4.48秒
最高画質のエクセレントモードのみ、約4.5秒も掛かります。ちなみに4秒台でも、EPSONやブラザー工業の複合プリンターに付属するスキャナー機能と比較して、なんと5~10倍以上の時短です。
ノーマルやスーパーファインモードだと1枚あたり約1.5秒前後でスキャンを終えてしまい、複合プリンターを完全に打ち負かします。
両面印刷の書類も1.5秒前後でスキャンを終え、表面と裏面をそれぞれPDF化できます。
テキストの読み取り品質も十分です
PDF化された書類のテキスト品質は実用上十分です。書いてある内容を正確に読み取れる鮮明なテキストを保持します。
SnanSnapの純正ソフトにOCR機能(テキスト読み取り機能)が備わっていて、取り込んだ書類の名前を自動で出力可能です。
書類に保証書と記載があれば、ファイル名に自動で「保証書~」とつけてくれるし、領収書なら「領収書~」と自動でファイル名をつけてくれます。
あまりに便利すぎて最近は領収書のPDF化だけでなく、紙で置いておくのが面倒な購入明細や製品保証書もPDF化して保存するように。
PDF化した保証書できちんと製品保証を受けられるかどうかは通販サイトに依りますが、筆者が試した限り「じゃんぱら(中古通販)」や「パソコン工房」はPDF化した保証書を送付してサポートを受けられました。
書類の断捨離が一気に進んでSnanSnap様々です。
「SnanSnap」シリーズは日本メーカー製だから、ふるさと納税の返礼品でも入手可能です。余っているふるさと納税の枠を一気に消費したい方は検討の余地あり。
8.【室内運動】静音動作な「KICKR CORE」
ダイレクトドライブ方式で10万円を切る高コスパマシン
低侵襲性の血糖値ロガー「FreeStyleリブレ」で測定
人間の体は糖質の侵入を検知すると、血糖値を抑えるために体内でインスリンと呼ばれるホルモン物質を使用します。
しかし、一定の割合でインスリンを分泌する機構に障害が発生し、不可逆的に元に戻らなくなったとき「糖尿病」と呼ばれる一生モノのデバフに見舞われます。
障害の発生には遺伝的な要因が非常に多く、すでに絶滅しかかっている筆者やかもちの家系は伝統的に糖尿病の発症者が多いから、できればインスリンを消費せずに血糖値を抑制する必要があります。
その答えが「運動」です。
運動すれば体を動かすエネルギー源として「糖」が消費されます。インスリンを使わずに血糖値を下げられる数少ない手段だから、やはり運動をするしかない。
そう思って散歩やランニングを一時期やっていたのですが、筆者の足がハズレ個体でした。
1日に10000歩を毎日繰り返していると、足底腱膜炎 → 足裏をかばって膝痛 → 膝をかばって腰痛・・・とピタゴラスイッチ方式で整形外科的な不調が次から次へ順番に発生してしまい、運動どころじゃない惨状です。
KICKER CORE + コーダーブルームで運用中
解決策として、室内自転車ローラー「WAHOO KICKER CORE」を導入。ダイレクトドライブ駆動の自転車ローラーだから、全力でペダルを漕いでも動作音と振動がかなり静かです。
実際のロードに近い傾斜シミュレーション機能もあり、負荷(消費カロリー)を容易にコントロール可能です。
ランニングと比較して体が上下に揺れないから、足裏や膝への重量負荷を大幅に軽減でき、整形外科的な不調がまったく発生しなくなりました。食後の運動でも脇腹がまったく傷まないメリットも大きいです。
どうやら食後に脇腹が痛くなる原因は、体を上下に揺らしていたから・・・かもしれません。食後に走ると痛くなりやすいのに、自転車ローラーだとまったく脇腹が痛みませんでした。
もちろん、血糖値の抑制効果も大きく、息が上がるほどの運動じゃなくても血糖値自体は意外と下がります。
今後はミニPCとモバイルモニターを自転車ローラーの前の前に設置して、Prime Videoを見ながら快適に自転車を漕げる環境に整備する予定です。
9.【軽量小型で3300万画素】Sony a7CII
旅先スナップに手軽に持ち出して高解像度な写真を残す
デジタルカメラガチ勢のフォロワーさん(@PerorinnJPN)に布教されて、購入したSony製のミラーレス一眼カメラ「Sony a7CII」です。
本体重量わずか429 gの軽量小型ボディに、35 mmフルサイズCMOSセンサーを搭載し、静止画で最大3300万画素(33MP)の有効画素数を誇るハイエンドMini-ITXのようなカメラです。
カメラと同じくSony製の軽量小型レンズ「FE 24mm F2.8 G」と組み合わせて、旅先スナップ用に使っています。a7CIIの前に使っていた「a7III」は気軽に持ち出すには重すぎるのが難点でした。
a7CIIなら気軽に持ち出せるし、軽量小型なのに有効画素数でa7IIIを上回っています(a7CII:33MP vs a7III:24MP)。
a7CIIで撮影した一例
風景や背景のJPEG撮って出しは優秀
「お料理」のJPEG撮って出しが難しい
とりあえず今年は4軒の温泉旅館に行き、Sony a7CIIで写真を1000枚程度撮りためしました。
圧倒的な解像度と画質でスマホで撮影するより遥かにハイクオリティ。風景や人物のJPEG撮って出しも優秀で、おおむね肉眼で見たイメージに近いJPEG写真を保存できます。
一方で「お料理」がやや苦手な傾向があり、なかなか肉眼で見たイメージ通りにJPEG撮って出しができないです。旅館の照明と相性が悪い説もありますが、現状はRAWもセットで保存しています。
Photoshopの「CameraRAW」に取り込んで、露出やガンマカーブを補正して肉眼に近いイメージに現像できます。
ちなみに、a7CIIはUSBケーブルでパソコンに接続しただけでWebカメラ化できる仕様です。だからモーションキャプチャー用のカメラとしても優秀です。
ISO感度を上げても画質が潰れにくいから、眩しい照明を使わずとも顔の動きに上手く追従できます。OBS Studioを使ったゲーム実況配信のベンチマーク用にa7CIIが活躍中。
a7CIIで使っているSDカードは「ProGrade GOLD」です。上位版の「COBALT」とどちらが良いかは、上記レビュー記事で検証済み。筆者の使い方なら「GOLD」で十分でした。
10.【グラフ自動化】Microsoft Excel 365
4K解像度のグラフを数秒で100枚も出力できる時短ソフト
無料で使えるLibre Offceから、年額1万円台のOffice 365に移行しました。直感的な操作感を気に入ってあえてLibre Officeを長年使っていたけど、高画質なグラフ出力に難ありでした。
横幅が700 px程度までなら、Libre Officeで問題なく出力可能です。しかし、1000 px以上から解像度が粗くなり、特にテキストの読みにくさが大きな課題に。
解決策としてLibre Officeで出力したグラフを、Stable Diffusion Upscalerで1.25倍に超解像してテキストをクッキリさせる苦肉の策を取っていましたが、たまに文字がグニャッと歪んでしまい修正が面倒です。
高解像度でも文字が崩れないExcel 365
一方、Office 365で使える「Excel 365」なら難なく4K解像度のグラフを一切のにじみや破綻なく出力できます。
Adobe Illustrator並のテキストと作画機能まで備えていて、見栄えのいいグラフィカルなデザインのグラフをかんたんに作成して、Excel VBAに数行のプログラムを書き込むだけで自動出力すら可能です。
ボタンにマクロ(VBA)を登録して自動化
ある程度テンプレートを作成し、あとはベンチマークのデータセットを読み込ませるだけで自動的にグラフ化され、一括出力ボタンをポチッとすれば4K解像度のグラフが100枚単位で指定したディレクトリに出力されます。
今までのグラフ作図作業はいったい何だったの・・・? 右クリックでグラフを画像として出力して、Adobe Illustratorでデザインを整えて、Stable Diffusion Upscalerで高解像度化する手間が9割くらい省けました。
もし、業務でグラフを大量に作るシーンがある方は「Excel 365」を強くおすすめできます。
(Excel 365で自動出力したグラフ参考例)
(Excel 365で自動出力したグラフ参考例)
デザインにこだわりなければPythonやR言語で代用できそうな気もしますが、筆者の場合はデザイン性も欲しかったからExcel 365が用途に合っています。
まとめ:「時短」にお金を使った1年
「時短」に関わるガジェットやハードウェアが、2024年の買ってよかったものにランクインしています。
大容量中華SSD | ゲームを再インストールする手間を省略 |
---|---|
Cybenetics PMD | 複雑な消費電力の測定を簡易化 |
後付の引き出し | 工具類の収納を効率化 |
秒速スキャナー | 紙の書類を秒速でPDF化 |
自転車ローラー | 屋内で効率よく運動が可能 |
Excel 365 | 高解像度グラフを自動で出力 |
ランクインした10個のうち、6個が「時短」や「効率化」にまつわるアイテムばかり。
理由の一つが「レビュー在庫の長期化」だったりします。たとえばゲーミングモニターが顕著な例で、本記事を書いている時点で10台以上のゲーミングモニターが開封を待っている状況です。
レビューを書くのが追いつかないのが最大の課題です。だからお金をかけて作業をできる限り効率化して、来年(2025年)以降もレビュー記事の時短化を進めていく予定。
以上「【2024年】ちもろぐ的「買ってよかった」PCパーツやハードウェア【10選】」でした。
【振り返り】おすすめなゲーミングモニター
4K OLED部門は「LG 32GS95UE-B」がとにかく印象的。1台で幅広い機能がまとまった、完結型ゲーミングモニターとしても秀逸でした。
4K Mini LEDは「Titan Army P32A6V-PRO」がコスパ優秀。従来モデルの32M2VよりMini LEDゾーン数が2倍の2304分割に増え、応答速度の遅さも改善します。色の精度も良好でおすすめしやすいです。
WQHDゲーミングモニターは去年に引き続き「IODATA EX-GDQ271JA」が安定して強かったですが、PCゲーマーなら「ASUS XG27ACS」が対抗しうるライバル機です。
Mini LEDは「IODATA LDQ271JAB」がコスパ最強格。5万円台でMini LED + 量子ドットなうえに、色ムラの少なさも驚きます。
もし、IODATAが来年リモコンの付いた完全版を出てきたら、いよいよIODATAがWQHDモニターの覇権をとる時代になるかも。
【振り返り】おすすめなSSD:レビューまとめ
2024年はSSD相場の高騰が目立つ1年でした。
性能的な意味でおすすめラインナップは大きく変わっていないのに、値上げのせいでおすすめから外されたSSDがポツポツと続出。
特に「Crucial T500」が印象的です。DRAM搭載の割に書き込み性能がイマイチよくないデメリットこそあるものの、一般的なオフィスワークやゲーミング用途で、ハイエンド顔負けの性能を発揮します。
あの「WD Black SN770」ですらT500に届かないほどです。
大容量SSDでは相変わらず中華ハイエンドシリーズが強いです。
定番ハイエンドより3~4割も安い価格で、大手メーカー製のハイエンドに匹敵する性能を出すものだから、コスパで選ぶなら中華ハイエンド一択の状況に。
しかし、大容量モデルなら大手メーカー製もかなり戦えます。
「Samsung 990 EVO Plus」が代表例で、中華ハイエンド以上の性能を発揮しながら、ポイント込みの実質価格でコスパ面でもギリギリ対抗できそうです。
特にSamsungブランドのSSDは、搭載コンポーネントがすべてSamsung自社製造でガチャ要素無し。純正ソフトウェアを使ったファームウェアの更新にも対応するなど、値段に見合う品質とサービスがメリット。
【振り返り】おすすめなグラボ:レビューまとめ
幅広い用途で安定して高性能かつ扱いやすい「RTX 40 SUPER」シリーズが1年を通して猛威をふるいました。
特に「RTX 4070 SUPER」と「RTX 4070 Ti SUPER」が本当に人気です。BTOパソコンになると、RTX 40 SUPERが人気な傾向はさらに強まります。
正直、革ジャンのSUPER商法は好きじゃないですが、こうして実際にちゃんと売れていく様相を見せられて革ジャンの思惑通りだと思い知らされました。
より費用対効果(コスパ)に優れたライバル製品が出て欲しいと願っているものの、ひどい円安の影響もあり、対抗するRadeonとIntel Arcどちらも今ひとつ魅力に欠ける状況が続いています。
スキャナーのとこ株式会社PDFじゃなくてPFUですね…(地元民)
修正しました
加えて製品名の「ScanSnap」が全箇所で誤記されているので修正した方がよろしいかと。
参考になりました
来年は恐らく早々にwestern digitalの自社製コントローラーのgen5 ssdが出ますし楽しみですね
発表モデルはphisonより発熱が低くて速いとか
あとは5000番台が価格含めてどうなるか期待したいところです
個人的ですが、コーダーブルームがまた良いチョイス。
意識しての運動は辛いものがありますね…
膝の悪い自分は、週1のプールで歩いています。(泳がず延々と歩くだけ)
初めまして。いつもいろんな情報を参考にさせていただいております。
LG 32GS95UE-Bについてお聞きしたくこちらで投稿しました。
実は 39GS95QE-B を利用した際、アマゾンの購入ボタンや、楽天の松屋のアイコン等を見ていると
左側の境目に赤色の、右側の境目に緑の線が目立って、気になって仕方なく利用しなくなった経緯があります。
LG社に聞くと、それはLGのパネルの特性上仕様であると言われたのですが 32GS95UE-B ではそのような現象を
確認することができますでしょうか。
ClearTypeをオフにしてごらん
それは1440pだから目立つけど32は
オンでもオフでも目立たない
返信ありがとうございます。
すでに返品した都合確認できないのですが、ClearType の見え方を調整したことはありましたが、解除そのものをしておりませんでした。もし今後購入機会がありましたら試してみたいと思います。
「EX381U」の検証中なので、それが終わったあと、32GS95UE-Bでその現象が再現するかチェックします。
【2025/1/2:追記しました】
(※クリックで画像拡大)
3300万画素のカメラで撮影しました。たしかに言われてみれば、赤い輪郭線が見えるような、見えないような・・・個人的にはまったく気にならない程度です。
LG 32GS95UE-Bを使って、Excelで集計作業などオフィスワーク的な使い方もしていますが、テキストフリンジが気になったことはほとんど無いです。
個人的に使ってみた範囲でテキストフリンジの度合いを比較すると
QD-OLED >> BGR液晶パネル(低画素密度) > RGWB OLED > BGR液晶パネル > RGB OLED = RGB液晶パネル
くらいに感じます。
年明け早々ご確認いただきありがとうございます。
画像を拝見しましたが、全く気にならないように感じました。
なお、スマホで撮影した画像で恐縮ですが、39GS95QE-B の見え方は以下のリンク先のようになります。地味に赤と緑の線が目立つため、質問させていただきました。改めてありがとうございます。
https://drive.google.com/open?id=1-2ONxifK92XzpZiaGGFwNr7RQxP_OnFN&usp=drive_fs
他の方のコメントで指摘されていたピクセル密度の影響はありそうですね。
・39″ 3440×1440 = 95.6 ppi
・32″ 3840×2160 = 137.7 ppi
テキストフリンジが目立つ傾向のQD-OLEDパネルですら、32″ 4Kなら大幅に緩和されていました。
今年はASUSから世界初27″ 4K(163.2 ppi)OLEDモニターが出る予定です。テキストフリンジのリスクを可能な限り下げるなら有力な候補になると思います。
確認いただけるとのこと、お忙しい中誠にありがとうございます。
この事象をLG社とやりとりした際に、スマホで目視状態を撮影したファイルがあります。やかもち様に共有したほうがよろしければ、メール等でお送りさせていただきますので、その旨ご指示いただけたらと思います。
電力ロガーで20万円…
ほんと、徹底してますねー
PCパーツの消費電力が高くになるにつれて、誤差をあまりバカにできなくなってきたから必要経費ですね。
あとはIntel ATX 3.x規格の登場で、PCIeスロットからピーク時100W超を引っ張るグラボが(仕様上)有り得たりするので、もうソフト読みはあまり信頼できない時代に。
最近は昔のアメ車みたいに、そりゃそんだけ排気量高くしたら馬力はでるけどその…費用対効果は…?って製品が増えてる中Ryzen 7 9800X3Dはちゃんと進化してて嬉しかったです。
なにかブレイクスルーがあると良いんですけどね、特にミドルハイGPUがこれ3080で良くない…?ってものばっかしで…
>筆者の足がハズレ個体
おいたわしや…
自転車は膝への負担は比較的軽い方ですが、ハズレ個体ならちゃんとサポーターつけましょうね。オススメは月並みですがバンテリンのです。長く続けやすくなります
電帳法的には紙書類をPDF化して捨てるにはタイムスタンプが必要なので御注意
すみません。説明不足でした。
タイムスタンプ周りは自前で整備するのは非常に難しそうだったので、電帳法でOKとされてる「Freee」のファイルボックスに放り込んでます。
Sony a7CIIは一眼レフではなくミラーレス一眼です。
ありがとうございます。
一眼レフとミラーレスでそもそも物理的な構造からしてまったく違う別物だと、勉強になりました。誤った記載を修正しました。
これは記事本体とは無関係なんですが、記事のカテゴリに「買ってよかった」があると見返すのに楽なのでお願いしたいです。
これわかる
機材のみならずご飯まで高級
めちゃめちゃ稼いでるな
こういう振り返り記事もいいのですが、長期使用後の性能検証もして欲しいかな。
Intel13・14世代の故障もそうですが、他にもRTX4080で安物のグリスが使われていて、半年ほど経ったら性能が出なくなったなんて話もあったじゃないですか。他にもディスプレイの色合い変化とかドット抜け増加とか、長期使用での劣化速度が気になります。SSDだと書き込み速度低下バグとかもありましたっけ。
長期使用での性能劣化が目立つ製品って、もっと広く知られるべきだと思うんですよね。発売当初の性能だけがすべてじゃないと言いますか。メーカー対応なんかも含めて、注意喚起の記事が欲しいです。
Intel 13世代は筆者が今こうして記事を書いている「Core i7 13700K」で見事に例の劣化問題が発症していますが、たかがn = 1事例をわざわざ記事にして騒ぐ必要があるかどうか悩ましいですね。
どれだけn = 1だと書いたところで、実態以上にネガティブな広がり方をする傾向が強くて、情報が揮発しやすいTwitterで報告するくらいしか出来ないです。
※Twitterでは注意喚起と問題発生時の解決方法(= Boost Clock -100~200 MHz)を紹介しています。
https://x.com/Yacamochi_db/status/1797155631784411561
パネルの長期レビューはごく一部の気に入ったモニターだけ追記しています。直近の例だと「27M2V」に約2年使用した感想を追記しました。
https://chimolog.co/bto-gaming-monitor-innocn-27m2v/#2y
・・・ただ、ここまで気に入ったモニター自体が非常に稀な例だから、めったに書けないのが難点です。
今年はディスプレイが急逝したため、こちらでおススメされていたGigaCrystaを購入しました。レビュー通り、リモコンが便利すぎる!!画素や色味や、I/Fの違いが分からない素人だけに、使いやすさの違いは如実に実感できました。
来年もレビュー楽しみにしています。
いつもありがとうございます
いつも参考にさせてもらってます
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