神がかり的なデザインを持つ「Surface Laptop」に最新モデルが登場したと知って、公式ページに見に行ったらパッと見ただけでは何が変わったのか分からなくて残念な気持ちになってしまった。
いったい「初代」と「2」で何が違うのか。個人的なメモもかねて、ちょっと解説しておく。
Surface Laptop 2と「初代」の違い
デザインは全く変わっていない
設計のし直しはされておらず、全く同じ筐体デザインを続投している。だからUSB Type-Cは搭載されていないし、更に薄型化したわけでもなく、重量も全く変わっていない。
世代 | 薄さ | 重量 |
---|---|---|
Surface Laptop 2 | 14.47mm | 1.25kg |
Surface Laptop | 14.48mm | 1.25kg |
ごく僅かにLaptop 2の方が薄型化しているようですが、0.01mmの差を体感するのはほぼ不可能。重量は引き続き1.25kgのままです。基本的なデザインに大きな変更はない。
新しいカラーリングが登場
デザイン自体に変更は無いけれど、新しいカラーリングが登場した。
- ブラック(日本でも購入可)
- ピンク(中国のみ…?)
その代わりにゴールド(Graphite Gold)が消えてしまった様子。あまり売れていなかったのかな。そこで無難なブラックカラーを追加といった感じです。
個人的にピンクはものすごく可愛いので、素直に嬉しい改善ポイント。と思いきや、なんとビックリ。中国市場向けのカラーリングです。中国以外の国でピンクのSurface Laptop 2が購入できるようになるかは、今のところ不明。
CPUは第8世代にアップグレード
外見は全く変化していないが、性能はかなり進化している。搭載されているCPUがインテルの第7世代から、第8世代に更新されたのです。スペックをまとめると
世代 | 第8世代8th Kaby Lake Refresh | 第7世代7th Kaby Lake |
---|---|---|
CPU | Core i7 8650U | Core i7 7660U |
コア数 | 4 | 2 |
スレッド数 | 8 | 4 |
クロック周波数 | 1.9 ~ 4.2 GHz | 2.5 ~ 4.0 GHz |
TDP | 15 W | 15 W |
Core i7の場合はこの通り。従来のノートパソコン向けCore i7は「2コア / 4スレッド」が基本でしたが、第8世代から一気に倍増して「4コア / 8スレッド」に進化しました。
単純に言うと、性能は2倍になる。
世代 | 第8世代8th Kaby Lake Refresh | 第7世代7th Kaby Lake |
---|---|---|
CPU | Core i5 8250U | Core i5 7200U |
コア数 | 4 | 2 |
スレッド数 | 8 | 4 |
クロック周波数 | 1.6 ~ 3.4 GHz | 2.5 ~ 3.1 GHz |
TDP | 15 W | 15 W |
Core i5の場合もほぼ同じです。従来の「2コア / 4スレッド」から倍増して「4コア / 8スレッド」になった。高負荷時のブーストクロック周波数も最大で3.4 GHzに伸びたため、約2倍の性能になっています。
CPU性能比較(マルチスレッド性能)
第8世代第7世代
CPUの性能をベンチマーク(Cinebench R15 / マルチスレッド性能)で比較すると、第8世代は第7世代より1.5~1.7倍ほど性能が高い。
CPU性能の大幅な進化は、Surface Laptop 2の大きなメリットですね。初代を選ぶメリットはこの一点でかなり低くなる。
Core i7版の内蔵グラフィックスは劣化
意外と気づかない劣化ポイントが、内蔵グラフィックスの性能低下です。Core i5版は若干の性能アップですが、Core i7版は残念ながら性能が下がっています。
世代 | 第8世代8th Kaby Lake Refresh | 第7世代7th Kaby Lake |
---|---|---|
CPU | Core i7 8650U | Core i7 7660U |
内蔵GPU | Intel UHD 620 | Intel Iris Plus 640 |
GPUコア数 | 24コア | 48コア |
クロック周波数 | 300 ~ 1150 MHz | 300 ~ 1050 MHz |
「Iris Plus」はインテルの内蔵グラフィックスとして、最上位のGPUです。コア数は2倍の差があるので、当然性能も全く違う。
Ice Storm Unlimited / GPU性能
Iris Plusの性能はだいたいUHD 620の約1.7倍。これでもゲームをするには貧弱な性能だが、Photoshopの動作や軽いゲームへの影響はそこそこ大きい。
ただ、CPU性能は第8世代の方がずっと優秀なので、それほど大きな改悪では無い。逆に言えば、Core i7版を選ぶメリットが薄れるわけですから、i5にするかi7にするかを悩む必要が無くなるのはメリット。
メモリは最低8GBから
「Surface Laptop(初代)」では、メモリは4GBから選択可能でした。「Surface Laptop 2」からは、最低8GBから選べるようになった。
まぁ、4GBだとカンタンに使い切れて不便なので、安くしようとして4GBを選んでしまい後悔するユーザーに配慮した結果だと思う。8GBあれば、オフィス用途や軽い写真編集には困らないので。
標準Windowsが「S」から「Home」に
初代Surface Laptopの標準Windowsは「Windows 10 S」という簡易版が入っていた。使えるアプリケーションがWindows Storeのアプリに制限されるなど、非常に使いにくいOSです。
無償でPro版にアップデートできる仕様ですが、手間だし面倒だし、知らない人はPro版にアップデートせずに不便なS版をずっと使い続ける可能性すらある。そんなわけで、Windows 10 Sは不評でした。
マイクロソフトもさすがにそれを受け止めたのか、Surface Laptop 2から標準OSを「Windows 10 Home」に切り替えている。ようやく手間なく最初から普通のOSが使えるようになりました。
価格は初代のほうが安いが、コスパは…
世代 | CPU | メモリ | SSD | 価格 | 値下げ率 |
---|---|---|---|---|---|
初代 | Core i5 | 8GB | 128GB | $ 799 | -20.0% |
Core i5 | 8GB | 256GB | $ 999 | -23.1% | |
Core i7 | 8GB | 256GB | $ 1299 | -18.8% | |
Core i7 | 16GB | 512GB | $ 1899 | -13.6% | |
Core i7 | 16GB | 1TB | $ 2399 | -11.1% | |
2 | Core i5 | 8GB | 128GB | $ 999 | – |
Core i5 | 8GB | 256GB | $ 1299 | – | |
Core i7 | 8GB | 256GB | $ 1599 | – | |
Core i7 | 16GB | 512GB | $ 2199 | – | |
Core i7 | 16GB | 1TB | $ 2699 | – |
同じカスタマイズで価格を比較すると、2018年11月時点ではSurface Laptop(初代)の方が10~20%ほど価格が安い。要するに「型落ちセール」です。
ただ、価格が2割も安いとはいえ、性能は4割くらい下がるためコストパフォーマンスはSurface Laptop 2の方が優秀。
Surface Laptop 2と初代の違いをまとめ
世代 | Surface Laptop 2 | Surface Laptop |
---|---|---|
カラーリング | ||
ディスプレイ | 13.5 インチ / IPSパネル | 13.5 インチ / IPSパネル |
2256 x 1504 px / 201 ppi | 2256 x 1504 px / 201 ppi | |
Surface Pen対応 | Surface Pen対応 | |
10点タッチ対応 | 10点タッチ対応 | |
Gorilla Glass 3 | Gorilla Glass 3 | |
OS | Windows 10 Home | Windows 10 S |
CPU | Core i5 8250U | Core i5 7200U |
メモリ | 8GB | 8GB |
GPU | Intel UHD Graphics 620 | Intel HD Graphics 620 |
SSD | 128GB | 128GB |
通信 | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac |
Bluetooth Wireless 4.1 | Bluetooth Wireless 4.1 | |
ポート | USB 3.0 TypeA | USB 3.0 TypeA |
3.5mmヘッドセット端子 | 3.5mmヘッドセット端子 | |
Mini DisplayPort | Mini DisplayPort | |
Surface Connect Port | Surface Connect Port | |
カメラ | 解像度 : 720p | 解像度 : 720p |
ステレオマイク搭載 | ステレオマイク搭載 | |
Windows Hello対応 | Windows Hello対応 | |
セキュリティ | TPM 2.0チップ搭載 | TPM チップ搭載 |
サイズ | 308.1mm x 223.27mm x 14.47mm | 308.1mm x 223.27mm x 14.48mm |
重量 | 1.252 kg | 1.252 kg |
バッテリー | 45 Wh / 動画再生で14.5時間 | 45 Wh / 動画再生で14.5時間 |
付属ソフト | Office Home & Business 2016 | Office Home & Business 2016 |
保証 | 1年 | 1年 |
価格 | $ 999~ | $ 799~ |
最後に「Core i5版」のSurface Laptop 2と初代の詳しいスペックをまとめておく。驚くほど大きく変更された点は無く、注目するべき大きな変更点は「3つ」しか無かった。
1. CPUの性能は1.5倍以上
CPUのスペックは「2コア / 4スレッド」から「4コア / 8スレッド」に進化したので、全く別物です。性能はCore i5で1.7倍、Core i7で1.5倍は違うので、あえて初代を選ぶ必要はほとんど無い。
2. Windows 10 Homeが標準OS
Pro版にアップデートできるけど、不親切で使いにくい「Windows 10 S」から、ごくごく標準的な「Windows 10 Home」に置き換えられた。よほどS版が不評だったということでしょう。
3. 新しいカラーリングの登場
ゴールド(Graphite Gold)は無くなり、代わりにブラックが追加された。中国ではピンク色も登場しているが、こちらが日本に来るかは不明。
ピンク色のおしゃれなノートパソコンと言えば、「HP Spectre x360 Special Edition」が既に日本にやって来ているが、これを意識してSurfaceがピンク色を投入してくるかは微妙なところ。
以上「【解説】Surface Laptop 2は「初代」と比較して何が違うの?」でした。
Core i7 8550U搭載、グラフィックボードはGeForce MX150を搭載する薄型ノートパソコンのレビュー。デザインは地味ですが、コストパフォーマンスは良好。
インテルのややこしい、モバイル向けCPUの種類や性能についてまとめた記事。
友人がこれを買ってUSB×1&LAN無しという事実に苦しんでました‥
デフォルトでUSBメモリー1つしかつけられないのは結構苦しそうです
しかも高い!
ドックもかなりしますし‥