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USB 2.0 / 3.0 / 3.1は何が違うのか、詳しくまとめてみた。

USBはユニバーサル・シリアル・バスの略で、今となっては知らない人はほとんどいないほどの超有名なシリアルバス規格のひとつ。ポータブルHDDとパソコンを接続したり、USBハブとスマホを接続して充電したりと、何かしらUSBは活躍中。

この記事では、そんなUSBの規格の違い(2.0 / 3.0 / 3.1 / Gen1~Gen2など)についてまとめてみる。

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2018年現在、USBは「7種類」

USBは1996年に誕生して以降、ユーザーからの需要に応える形で定期的にバージョンアップ(仕様変更)が行われてきた。バージョンアップが行われる度にリビジョンが増え、2018年現在ではざっくり7種類のUSBが存在する。

USB 1.0 / 1.1

転送速度給電方向形状登場後方互換
12 Mbps (1.5MB/s)2.5W(5V x 500mA)ホスト → デバイスType-A / Type-B1996年

初代USBです。別名はBasic Speed USBで、名前の通りもっとも基本的な性能しか持たないUSB。基本的と言っても1996年当時の話で、現代から見ると「必要最低限以下」と言っても良いレベルの性能しか無い。

転送速度の理論値は「12 Mbps」しかないので、1秒間あたり1.5MBずつしかファイルを転送できない。この遅さは光インターネットのゴールデンタイム(深夜帯のネットが遅い時間)と互角か多少マシな速度。

テキストベースのファイルなら問題ないけれど、写真や画像、Youtubeから落とした動画ファイルなど、MB~GB単位のファイルを扱うのが当たり前になっている現在では全く性能不足だと思います。

USBポートを採用する「iMac G3」のIOパネル。(Wikimediaより)

ちなみに誕生してばかりのUSB 1.0は当時非常に新しい規格で、古い規格をたくさん採用するパソコンが当たり前の時代では全く普及しなかった。その後、USB 1.0を改訂したUSB 1.1が「iMac G3」※で採用されたことで一気に普及した。

※ iMac G3のように、古い規格をバッサリ捨ててUSBなどの新しい規格だけを採用するPCは、製造業で使われる用語のレガシーフリーとパソコンを組み合わせて「レガシーフリーPC」と呼ばれた。

USB 2.0

転送速度給電方向形状登場後方互換
480 Mbps (60MB/s)2.5W(5V x 500mA)ホスト → デバイスType-A / Type-B2000年USB 1.1

USB 1.0の後継として2000年にUSB 2.0が登場。別名はHi-Speed USBで、USB 1.0が1秒間あたりわずか1.5MBしか転送できなかったのに対して、USB 2.0は40倍近く高速化して秒間60MBまでに性能が伸びた。

給電能力は従来通り、最大で「5V x 500mA」で2.5Wのまま。しかし、「Mini A」「Mini B」「Micro USB」といった新しいコネクタを追加し、USB On The Go(OTG)※に対応した。

※ USB On The Go = 接続した2つのデバイスの内、どちらを「ホスト」にするか選べる仕様のこと。ただし利用シーンが限定的なのであまり流行ってない。

特に「Micro-USB B」は現在もスマートフォンやペンタブレットなど、小型デバイスや周辺機器を中心に使われているコネクタなので有名だと思います(最近はType-Cに置き換えが進んでいるけれど)。

USB 3.0

転送速度給電方向形状登場後方互換
5 Gbps (625MB/s)4.5W(5V x 900mA)ホスト → デバイスType-A / Type-B2008年USB 2.0

USB 2.0が登場してから8年も経過してようやく登場したUSB 3.0。別名はSuperSpeed USBで、そのスーパースピードという名前の通りUSB 2.0から更に10倍も高速化した。USB 1.1から見れば400倍も高速です。

理論上の転送速度は最大で5 Gbpsで、これは秒間625 MBに値する。しかし、USBを経由する際はデータに8b / 10bエンコードという処理が施されるため、実際の速度は20%減って約500 MB/sになる。

とはいえ、500 MB/sはSSDの読書速度に匹敵する性能なので実用上は十分な水準。快適なポータブルHDDの登場に一役買い、まだまだ普及はしていないがポータブルSSDの登場にも大きな影響を与えている。

USB 2.0ではMini端子やMicro USB端子が追加されたように、USB 3.0でも新しく「Micro-B」という端子が追加された。この端子はポータブルHDDでよく見かける。

USB 3.1 Gen1

転送速度給電方向形状登場後方互換
5 Gbps (625MB/s)100W(20V x 5A)双方向Type-A / Type-B / Type-C2013年USB 3.0 / 2.0

2013年にUSB 3.0に続く「USB 3.1」が登場。Gen1とGen2の2種類あり、Gen1は実質USB 3.0とほとんど同じなのでUSB 3.1はそのままUSB 3.0と呼ばれることもある。

Type-Cは「対称」デザインになった。

転送速度は変わっていないが、新たに「Type-C」コネクタが追加され給電能力は最大で100Wにまで進化。そして「ホスト → デバイス」の一方通行が、「双方向」になったのも大きな変更点。

最大100Wの給電が可能になったこと、Type-Cは従来のType-Bなどと比較して小型。という事情から、消費電力がおおむね100W以下に収まる小型 & 薄型ノートパソコンの充電アダプタの端子としてよく採用されています。

最大100Wの給電能力について

USB 3.1が策定された後に、追加で策定された規格に「USB Power Delivery」(USB PD)というものがある。最大100Wの給電が出来るかどうかは、このUSB PDに対応しているかどうかで変わるので要注意

そして、このUSB PDは5段階のプロファイルに細分化されていて、それぞれ給電能力の最大値が段階的に違うのでこの点も注意が必要な部分ですね。

USB PD給電能力(最大)
Profile 110W(5V x 2A)
Profile 218W(12V x 1.5A)
Profile 336W(12V x 3A)
Profile 460W(20V x 3A)
Profile 5100W(20V x 5A)

高速充電もできるUSBハブを探す場合は「PD対応」を謳うコネクタがあるハブを選ぶこと。大抵の場合「PD 5対応で最大100Wの供給が可能。」という具合で、謳い文句にしていますね。

USB Type-Cは最大15W

対称デザインになった「Type-C」コネクタは、単に小型になって挿し間違えをしにくくなっただけでなく、給電能力が標準で高いのも特徴だったりする。

給電能力は最大15W(5V x 3A)ですが、7.5W(5V x 1.5A)のバージョンもあるので「Type-Cだから15Wだな。」と盲目的に思わずに、事前に製品仕様を確認するのが大事です。

USB 3.1 Gen2

転送速度給電方向形状登場後方互換
10 Gbps (1250MB/s)100W(20V x 5A)双方向Type-A / Type-B / Type-C2013年USB 3.0 / 2.0

最後にUSB 3.1 Gen2を。別名「SuperSpeed+ USB 10 Gbps」で、実際に運用されているUSBの中では最速の転送速度を誇る。実質的にUSB 3.0やGen1の上位互換なので、USB 3.1といえばこの「Gen2」を指すことが多い。

さて、SuperSpeed+以前のUSBでは8b / 10bエンコードが使われていたので実際の速度は理論値より20%減ってしまう問題があった。けれどGen2では、128b / 132bエンコードに切り替えることで、20%から3%にまで無駄を削減

最大で1212.5 MB/sでデータの転送が可能になります。ちなみに、今のところUSB 3.1 Gen2を採用するポータブルSSDで1000 MB/sオーバーを記録した個体は一つもなく、600 MB/s前後に留まっています。

USB 3.2

転送速度給電方向形状登場後方互換
20 Gbps (2500MB/s)100W(20V x 5A)双方向Type-C2017年USB 3.1 / 3.0 / 2.0

2017年7月にとりあえず仕様が策定された、USBの最新規格。Type-Cコネクタの両端を使ったマルチレーン動作(Gen2 x2)により、最大で2500MB/sの転送速度を実現する。

今のところ(2018/5時点)、USB 3.2を採用するデバイスはまだ存在していない。

7種類のUSB規格のスペックまとめ

規格転送速度給電方向形状登場後方互換
USB 1.012 Mbps (1.5MB/s)2.5W(5V x 500mA)ホスト → デバイスType-A / Type-B1996年
USB 1.112 Mbps (1.5MB/s)2.5W(5V x 500mA)ホスト → デバイスType-A / Type-B1998年USB 1.0
USB 2.0480 Mbps (60MB/s)2.5W(5V x 500mA)ホスト → デバイスType-A / Type-B2000年USB 1.1
USB 3.05 Gbps (625MB/s)4.5W(5V x 900mA)ホスト → デバイスType-A / Type-B2008年USB 2.0
USB 3.1 Gen15 Gbps (625MB/s)100W(20V x 5A)双方向Type-A / Type-B / Type-C2013年USB 3.0 / 2.0
USB 3.1 Gen210 Gbps (1250MB/s)100W(20V x 5A)双方向Type-A / Type-B / Type-C2013年USB 3.0 / 2.0
USB 3.220 Gbps (2500MB/s)100W(20V x 5A)双方向Type-C2017年USB 3.1 / 3.0 / 2.0

USBは誕生してから20年で、転送速度が約1667倍、給電能力は40倍にまで進化した。

しかし、もっぱらよく使われているのはUSB 3.0と3.1 Gen1で、転送速度が飛躍的に伸びるUSB 3.1 Gen2はまだまだ少数。USB 3.2に至っては策定からかなり時間が経っているが採用例はほとんど皆無。

USB 3.0 / 3.1の実際の性能は?

USB 3.1 Gen2を採用したポータブルSSDはかなり少ないですが、USB 3.0 / 3.1 Gen1を採用しているモノは既にかなり出ている。これらのポータブルストレージが実際にどれくらいの性能を出せるのかは…少し気になるところです。

ポータブルストレージの性能 / 10GBファイルの読み書き速度

  • Samsung T3 SSD
    361.20 MB/s
  • Samsung T3 SSD
    287.54 MB/s
  • Sandisk Extreme 500 SSD
    383.25 MB/s
  • Sandisk Extreme 500 SSD
    302.79 MB/s
  • Kingston HyperX Savage
    354.52 MB/s
  • Kingston HyperX Savage
    270.33 MB/s
  • Samsung USB 3.0 FIT
    118.92 MB/s
  • Samsung USB 3.0 FIT
    37.78
  • Sandisk Ultra FIT
    136.27 MB/s
  • Sandisk Ultra FIT
    31.65

読み込み速度(Read)書き込み速度(Write)

Everything USBがいくつかのポータブルストレージを使って、実測値をまとめたデータをアップしているのでそちらを参考にグラフをまとめました。

USB 3.0 / 3.1 Gen1の理論上の速度は約500 MB/sなので、実測値は最速でその80%に迫るパフォーマンスを発揮していることになる。

しかし、指先サイズの小型USBメモリーは読み込み速度が理論値のわずか20%程度しか出ず、書き込み速度に至っては10%にも満たない。小型ゆえに、十分な性能を持ったコントローラを搭載できないのが主な原因。

手のひらくらいのサイズがあるポータブルSSDには、UASPという拡張仕様に対応しているため更に高速なデータ転送が可能になっている事情もある。速度重視なら超小型USBメモリは避けたほうが無難だ。

USB 3.1 Gen1(UASP対応)のハイスペックなポータブルSSD。

数少ないUSB 3.1 Gen2で接続するポータブルSSD。USB 3.1 Gen2をマトモに使える環境が整っているなら、読み書き速度(シーケンシャル)ともに500 MB/sを超える。ポータブルSSDとしてはトップクラスの速さ。

ポータブルストレージを選ぶ時の注意点

というわけで「USB 3.1対応だから高速だよ~。」という謳い文句には気をつけたほうが良いかも。最大500 MB/sの理論値といっても、実際にはその8割を出すので精一杯なのだから。

あと、親切なメーカーだと読み書き速度がどれくらい出るのかを記載してくれていることがあるが、こういう公称値はPCの環境によって実測値が変わってくるので「目安」程度に見ておくのが良い。

やかもち
特に複数のUSBストレージを同時に使うと、性能が落ちやすいよ。

以上「USB 2.0 / 3.0 / 3.1は何が違うのか、詳しくまとめてみた。」でした。

追記:ポータブルSSDの問題点は「価格」

さきほど、オススメなポータブルSSDで「Samsung T5」を紹介したが、率直に言って値段が高すぎると思いませんか。1TBが約4万円もします。高い…。

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ゲーム用やちょっとした動画編集目的なら十分過ぎる性能なので、安価に大容量なポータブルSSDを欲しいと考えている方は、ぜひやってみてください。

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14 件のコメント

    • それはThunderboltの間違いでは? たしかにThunderboltは端子はtypecですが規格が全然違うかったはずです

      • チップ?えぇとプラグのほうはUSBType-Cだけどコンセント(チップ)は別でUSB3.1とサンダーボルトの2種類あるってことで・・・あってるのかな?

      • でも、一部のマザーではIntelのThunderboldチップをType – Cとして使っているのでThunderbolt3からならType – Cとしてたしか使えたかと思います。

  • 確かに関連規格としてサンダーボルトも気になる規格ですね
    あんまり普及してないけど

  • USB3.0までの知識しかなかったので助かりました。勉強になります。

    USB 3.1 Gen2までは端子形状が同じなので仕様表などを熟読しなければ判別が難しそうですね。
    大電力が必要なのにUSB3.0だったといった罠がありそう。

    • ご指摘ありがとうございます。仕様を確認し直したところ、2.5Vは誤りだったので修正します。
      仕様を再調査しているところ、追加規格「USB PC」の情報も確認したので追記しておきました。

  • USBの1.0/1.1は、1)多種多様な機器がつなげる(複数プロファイルの扱い)、2)誰でも使える(プラグアンドプレイ)、3)ケーブルが細くて取り回しがラク(シリアルインタフェース)をコンセプトとした新時代の規格だったんです。
    一言でいえば「誰でも使えるお手軽インタフェース」です。
    初代から少ないながらも電源供給できるのも、このお手軽を支えるためです。

    この上、さらに高速転送までできれば最高だったんですが、当時は高速=パラレルバスでしたので入れるのを断念したのだと思います。
    結果、USB1.0/1.1はキーボード、マウス、ペンタブ、ジョイスティックのような入力機器を中心としたインタフェースでした。入力用であれば1.5MB/sは十分以上ですから。

    ですので、速度に関してはあまり言わんでやってください(笑)
    当時はシリアルで高速転送って言うと鼻で笑われた時代だったんです。
    (今はむしろパラレルで高速転送が笑われる時代かも^^)

  • USB3.1 gen1の記述で「USB Type-Cは最大15W」となってますが、Type-A/Bの間違いでは無いでしょうか?

  • まとめ方が一番きれいで
    表でわかりやすいです。
    アホそうな説明のページをぐぐる氏が進めるシステムどうにかなんないかなぁ、、

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