台湾ADATAのハイエンドNVMe SSD「XPG SX8200 Pro(1TB)」をレビューします。
去年(2019年)に行ったレビューでは非常にコスパの良いNVMe SSDと評価しましたが、それから1年が経過した今もなお、コスパで選ぶならNo.1なSSDなのかどうか?・・・詳しく検証です。
XPG SX8200 Proの仕様とスペック
スペック | XPG SX8200 Pro | |||
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容量 | 256 GB | 512 GB | 1024 GB | 2048 GB |
フォームファクタ | M.2 2280 | |||
インターフェイス | PCIe 3.0 x4 | |||
コントローラ | Silicon Motion SM2262EN | |||
NANDフラッシュ | Micron製64層 3D TLC NAND | |||
DRAMキャッシュ | LPDDR3 | |||
512 MB | 1024 MB | 2048 MB | ||
読み込みシーケンシャル | 3500 MB/s | |||
書き込みシーケンシャル | 1200 MB/s | 2300 MB/s | 3000 MB/s | |
読み込み4KBランダムアクセス | 220K IOPS | 390K IOPS | 360K IOPS | |
書き込み4KBランダムアクセス | 290K IOPS | 380K IOPS | 360K IOPS | |
消費電力稼働時 | 不明 | |||
消費電力アイドル時 | 不明 | |||
保証 | 5年 | |||
TBW書き込み耐性 | 160 TBW | 320 TBW | 640 TBW | 1280 TBW |
MSRP希望小売価格 | $ 54.99 | $ 74.99 | $ 144.99 | $ 249.99 |
参考価格 | 6160 円 | 8800 円 | 15620 円 | 29700 円 |
GB単価 | 24.1 円 | 17.2 円 | 15.3 円 | 14.5 円 |
XPG SX8200 Proのスペック表をまとめました。2019年12月ごろにデータシートが更新され、新たに2 TBモデルが追加されています。
PCIe 3.0 x4接続のNVMe SSDとしては、かなり割安な価格設定ながら、SSDを構成する各コンポーネントは堅実な内容です。SSDコントローラは、Silicon Motion社のコンシューマ向け最上位モデル「SM2262EN」を搭載。
NANDフラッシュはIM Flash Technologies製(IntelとMicronの合弁会社)とされていますが、2020年以降のレビュワーズガイドではMicron製(64層の3D TLC NAND)に置き換えられたようです。
そもそもの話、IMFTはOptane SSD用の生産ラインらしく、コンシューマ向けのSSD用にNANDフラッシュメモリを製造しているかどうかは不透明。インテルはコンシューマ市場から撤退気味ですし、Micronが供給していると考えるのが自然です。
DRAMキャッシュは256 ~ 512 GBモデルは容量512 MB、1 TBモデルで1024 MB、2 TBモデルで2048 MBのDDR3Lメモリを搭載します。SSDの容量に対して0.1%のDRAMキャッシュが確保されています。
※代理店のテックウィンドより、Intel 545sとIntel 760pのEOL(終売)扱いになってます。なお、値段が強気すぎて在庫は未だに潤沢です。
脅威的な価格設定
XPG SX8200 Proは512 GB版が約8800円、今回レビューする1 TB版で約1.5万円ほど。同じスペック条件(PCIe 3.0 x4接続 / TLC NAND採用)で比較すると、2020年8月現在もっとも安い価格設定のNVMe SSDです。
あまりにもスペックの割に価格が安すぎるため、かえって不信感を抱かれて意外と売れてない感すらあります。では、実際にSX8200 Pro(1 TB)を詳しく検証して、「お値段以上の価値」があるのかどうかを確かめます。
XPG SX8200 Proを開封レビュー
パッケージデザインは普通です。ハイエンドらしい高級感はあまり感じられません。右上のよくわからない手裏剣ロゴマークが、安っぽさをマシマシにする原因でしょう。
反対側はカタログスペックがサラッと書いてあるだけ。なお、シールに記載されている国内代理店は「株式会社アーキサイト(@ARCHISITE_PR)」でした。
ペラッペラのプラスチック製スペーサーに、SSD本体とM.2ヒートシンクが収納されてます。付属品は写真に掲載した内容だけで、説明書などは無いです。
付属のM.2ヒートシンクは・・・本当に申し訳程度の付属品で、ほとんど飾りです。SSDの温度が気になる人は、マザーボードに備え付けのM.2ヒートシンクや、市販の1000円程度のヒートシンクを使いましょう。
基板上のコンポーネント(部品)を確認
XPG SX8200 Proは、両面実装のM.2 2280規格です。写真のとおり、表面と裏面の両方にコンポーネントが実装されています。
個人的に、両面実装のM.2 SSDに対して特に言うことはありません。
しかし、Twitterで「SX8200 Proが壊れた(ヒートシンク剥がす時に曲がった?)。」という事例を見かけたので、面積の大きいM.2ヒートシンク(特にフルーアーマー型)を使う場合は注意が必要かもしれません。
完全に想像の域を出ない話をすると、おそらくヒートシンク側の張力が偏って掛かると、反対側の面に実装されているコンポーネントがダメになる可能性は考えられます。
NANDフラッシュメモリはADATA刻印の「Micron製64層3D TLC NAND」です。
96層の3D TLC NANDがコンシューマ向けに投入されている現状では、64層はやや時代遅れ感を否定できないものの、低コストで高性能を狙うならニーズの強いNANDフラッシュメモリです。
SSDの性能を底上げするDRAMキャッシュは、Samsung製のDDR3Lメモリ(規格はDDR3L-1866)が搭載されてます。刻印に「4G」とあるので、メモリの容量は4 Gb(= 512 MB)です。
SSDの頭脳であるコントローラは、サイコロマークでおなじみのSilicon Motion製「SM2262EN」です。
2020年8月時点、SM2262ENはSilicon Motionがコンシューマ向けにリリースしているSSDコントローラで、最上位モデルに位置づけられる製品です。リリースから3年経過しているので、そろそろ新型コントローラを出してほしい。
けれど、インテルが停滞しているおかげで急いで出す必要はないのが実情だったりします。3年経過した今もなお、SM2262ENは現行のハイエンドNVMe SSDとマトモに戦える性能です。
コントローラ | SM2262EN |
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NANDインターフェース | 最大8チャネル / 800 MT秒 |
CPU | ARM Cortex CPU2コア / クロック不明 |
DRAMインターフェース | DDR3 / DDR3L / LPDDR3 / DDR4 |
最大2チップまで | |
動作温度 | -40 ~ 85℃ |
動作温度は最大85℃とのこと。後ほどSSD温度のテストにて、実際に85℃に達するとどうなるのか確かめます。
シールを剥がして裏面のコンポーネントもチェック。NANDフラッシュメモリは表面とまったく同じ、ADATA刻印の「Micron製64層3D TLC NAND」です。
DRAMキャッシュもありました。
Samsung製のDDR3Lメモリ(規格はDDR3L-1866)で、容量は同じく4 Gb(= 512 MB)です。表面と裏面の2チップを合計すると、DRAMキャッシュの容量は1024 MBになります。
XPG SX8200 Proの実装コンポーネントは、おおむねスペックシート通りの内容です。
512 GB版と1 TB版 | |
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去年(2019年)レビューした512 GB版との違いは、DRAMキャッシュがNanya製からSamsung製に置き換わり、NANDフラッシュメモリの刻印がMicronからADATAに変わったくらいです。
購入時期によって中身が違うのは、自社で半導体を製造できないメーカーのSSDにあるあるだったりします(※ADATAは自社で半導体を製造できません)。
でもダメなことでは無いです。スペックの割に安い価格設定を維持するための企業努力の結果ですし、ユーザーとしては安くて性能に問題がなければ良いです。
※インテルがコンシューマ向けに売っている「Intel Optane SSD」は除外します。値段が桁違いなので・・・。
XPG SX8200 Proの性能をベンチマーク
テスト環境
今回のSSDレビューより、テスト環境を刷新しました。実は、従来のテスト環境(i9 9900K + Z390 Phantom Gaming 6)は、使っているテスト環境そのものがボトルネックになっています。
そこでIntel Optane 905Pを使って何度もテストを繰り返し、インテル全盛期に近いパフォーマンスを出せる環境にバージョンアップ。
テスト環境 | |
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CPU | Core i9 10900K |
冷却 | 虎徹Mark II |
マザーボード | ASUS ROG STRIX Z490-E GAMINGBIOSは「0403」を使用 |
メモリ | DDR4-2666 8GB x2 |
グラフィックボード | RTX 2060 |
SSDテスト対象 | ADATA XPG SX8200 Pro 1TB |
SSDリファレンス | Samsung 983 ZET 960GB |
電源ユニット | 1200 W(80+ Platnium)使用モデル「Toughpower iRGB PLUS」 |
OS | Windows 10 Pro 64bit使用バージョンは「1909」 |
今後のSSDレビューで使う統一テスト環境です。
テスト対象のSSDを、M.2 → PCIe変換カードを用いてグラボ用のPCIeスロット(PCIe x16_1)に接続します。チップセットを経由せず、CPU直結のPCIEレーンを用いることでSSDの性能を大幅に引き出せます。
実際のファイルコピーなど、ベンチマークソフトを使わない検証に使うリファレンスSSDは、「Samsung 983 ZET」を採用。シーケンシャル速度が抜群に優秀で、ランダムアクセス性能はOptane SSDの次に速いです。
コンシューマ向けに常識的な価格で販売されている、いわゆる普通のNVMe SSDを検証する程度なら、Samsung 983 ZETで十分と判断しました。
Crystal Disk Mark 7
「Crystak Disk Mark 7」は、日本どころか世界で一番有名と言っても過言ではない、定番のSSDベンチマークソフトです。性能の変化をチェックするため、初期設定の「1 GiB」だけでなく、64 MiB ~ 32 GiBを含めた5パターンをテストします。
Crystal Disk Mark 7の結果※クリックで画像拡大します | |
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テスト結果のスクリーンショットをまとめます。6枚目は1 GiBでテストしたレイテンシ(単位はマイクロ秒)の結果です。
「シーケンシャル速度(1列目:SEQ1M Q8T1)」は、64 MiBの小さいテストサイズだと少し遅めで、1 GiB以上でスペック通りの性能が出ています。読み込み速度が約3500 MB/s、書き込み速度は約3180 MB/sでかなり速いです。
「シーケンシャル速度(2列目:SEQ1M Q1T1)」は、すべてのテストサイズで一貫した性能を維持。読み込み速度は2900 MB/s前後、書き込み速度が2970 MB/s前後です。
「ランダムアクセス速度(3列目:RND4K Q32T16)」も、特に問題ありません。
SSDの真の性能として見られる「ランダムアクセス速度(4列目:RND4K Q1T1)」は、読み込み速度が71 MB/s前後、書き込み速度は約254 MB/s前後です。
XPG SX8200 Pro単体の結果だけでは、速いか遅いかがハッキリしないので他のSSDと比較します。
読み込みレイテンシは57.19 μsです。SX8200 Proより遙かに高額なSamsung 970 ProやKingston KC2000を抑えての3位につけています。約1.5万円の価格を考慮すると、信じられない性能です。
AS SSD Benchmark 2.0
AS SSD Benchmarkは、Crystak Disk Markと似たようなソフトです。スループット(転送速度)とアクセスタイム(レイテンシ)を測定し、それぞれの結果から分かりやすい「スコア」を示すのがメリット。
今回テストした8個のSSDで、XPG SX8200 Proのスコアは下から2位のスコアです。
ATTO Disk Benchmark
ATTO Disk Benchmarkは、512 B~64 MB(合計21パターン)のテストサイズでスループットを測定し、SSDの性能が安定しているかどうかを視覚的に示してくれるベンチマークソフトです。
ただし、ベンチマーク結果からSSDの評価が非常に分かりにくいので、表計算ソフトを使ってグラフ化して他のSSDと比較しないと全く意味をなさないのが弱点です。
読み込み速度はそれなりに安定しています。WD Black SN750のように理想的な直線にならないですが、おおむね悪くないグラフです。
書き込み速度は基本的に安定します。XPG SX8200 Proはピーク速度で達したあと、3000 MB/s前後で直線グラフを維持しています。
HD Tune Pro
HD Tune Proは有料のSSDベンチマークソフトです。SSDの容量全域に渡ってテストを実行して、SSDの性能変化(SLCキャッシュの有無や、キャッシュが剥がれた後の性能など)を手軽に調べられます。
HD Tune Proの結果※クリックで画像拡大します | |
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HD Tune Proで注目するのは「書き込み速度の変化」です。2枚目の連続書き込みテストでは、500 GB直前まで書き込んだところで1580 MB/s → 1000 MB/s前後へ書き込み速度が落ちてます。
3枚目のファイルベンチマーク(100 GB分)は、書き込み速度は一貫して2800 MB/s台を維持しています。少なくとも、100 GB程度のファイルをコピペする程度では、性能は落ちない(= キャッシュが剥がれない)ことを示しています。
PCMark 8 Storage
PCMark 8のストレージテストは、日常的な使用で想定されるアプリケーション(Adobe系ソフトやOffice系ソフトなどを中心)における実効速度を計測して、SSDの性能を評価します。
総合スコアは5074点で、再テストした8個のSSDでは下から3位です。ただし、ほとんどのNVMe SSDは5000点を軽々と超えて5100点以下に収まるため、スコアの差はあまり意味を持ちません。
スコアより「実効帯域幅」の方が重要です。XPG SX8200 Proの実効帯域幅は586.9 MB/sで、NVMe SSDとして割と普通なパフォーマンスを記録します。
なお、他のSSDと比較して地味な結果とはいえ、価格はもっとも安いのでコストパフォーマンスの良さは変わりません。
XPG SX8200 Proを実運用で試す
15分間の連続書き込みテスト
1つあたり約1 MBのテストファイルを、15分間ただひたすら書き込み続ける、かなり過酷でハードな検証方法です。
ほとんどのSSDは、数分以上の連続書き込みで「素の性能」を明らかにできます。SLCキャッシュの有無、キャッシュの大きさ、キャッシュが切れた後の性能低下など。SSDの挙動がいろいろと判明して楽しいですよ。
15分経過後の結果です。グラフを見てのとおり、XPG SX8200 Pro(1 TB)は2段階のSLCキャッシュを展開します。
キャッシュ段階 | SLCキャッシュサイズ | 書き込み速度(平均) |
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SLC(1段階) | 153.6 GB | 2300.77 MB/s |
SLC(2段階) | 539.2 GB | 995.84 MB/s |
素の性能 | – | 548.12 MB/s |
約154 GBまで2300 MB/s前後の書き込み速度を維持し、2段目のSLCキャッシュでは約540 GBまで1000 MB/s前後の書き込み速度です。キャッシュが剥がれた後は、550 MB/s前後まで落ち込みます。
100 GB台のSLCキャッシュがあれば、ほとんどの人は不満を感じないでしょう。500 GB書き込んでも1000 MB/s前後を維持しており、かなりニッチな使い方をしない限り、実用上の問題は生じないです。
15分あたりの書き込み量は約680 GBです。
ファイルコピーの完了時間
テスト対象のSSDとSamsung 983 ZETの間で、容量が約55 GBある写真データ(1300枚ほど)のファイルコピーを行います。コピー中の転送速度はHWiNFOで、コピーに掛かった時間はデジカメで撮影して動画編集ソフトで時間を測ります。
読み込み(SX8200 Pro → 983 ZET)は約36.6秒で完了です。価格帯が頭一つも違うハイエンドNVMe SSDを相手に、かなり健闘しています。
書き込み(983 ZET → SX8200 Pro)は約30.2秒で完了。今回テストした8個のSSDで、もっとも速いファイルコピー時間です。
ゲームのロード時間
FF14:紅蓮のリベレーター(ベンチマークモード)で、ゲームロード時間を測定します。ベンチマーク終了後に、ログファイルからロード時間を読み取ります。
XPG SX8200 Proのロード時間は「9.6 秒」です。ゲームのロード時間はレイテンシが短く、ランダムリードが速いSSDほど短くなる傾向があります。なお、普通のNVMe SSDで10秒以下は非常に速いです。
Premiere Pro CC:4Kプレビュー
Premiere Pro CCで、4K動画素材(1秒あたり448 MB)をそのままプレビューします。Premiere Pro CCのプレビューは、素材を配置しているストレージの性能に影響を受けやすく、SSDの性能が不足すると「コマ落ち」が発生しやすいです。
コマ落ちしたフレーム数はPremiere Pro CCの標準機能「コマ落ちインジケータ」で3回測定して平均値を出し、動画素材の総フレーム数で割り算してドロップフレーム率を計算します。
ほとんどの標準的なNVMe SSDは30 ~ 40%に収まります。XPG SX8200 Proも例にもれず35%前後で30 ~ 40%に収まっていて、並のNVMe SSDらしい性能を発揮しています。
アクセス集中時の応答時間
約2500枚の4K写真(約56 GB)を、テスト対象のストレージ上で画像エンコードします。読み込みと書き込みの両方を頻繁に使い、写真1枚のエンコードが終わるたびタスクが止まるため、ストレージにとって負荷の重たいテストです。
CPU使用率20%(4スレッド)のテスト結果です。XPG SX8200 ProはTLC NAND型のSSDですが、SLCキャッシュの使い方がとても上手なおかげで、Samsung 970 Proの次に優秀な負荷耐性を見せました。
さらに負荷が重たいCPU使用率80%(16スレッド)のテスト結果です。4スレッドのテストでは970 Proに次につけたのが、16スレッドになると性能を落としてしまいました。
それでもWD Black SN750(500 GB版)よりは高性能で、値段を考えればまったく許容できる負荷耐性です。
SSDの動作温度をテスト
高負荷時のセンサー温度
HWiNFOで確認できるセンサー温度は、なんとビックリ「6個」も付いています。ほとんどのSSDは1個だけで、サムスン製のSSDは2個が多いです。6個もセンサーが付いているSSDは初めて見ました。
連続書き込みテストを10分実行した結果をグラフにまとめます。温度センサーは6個ですが、グラフにまとめると実質3個ですね。それでも3個は多い方です。
SSDコントローラの温度が85℃に達すると、性能を落として温度を下げています。「SM2262EN」の動作温度は最大85℃ですので、コントローラ側でサーマルスロットリングを用いて、壊れないように自己防衛を行っています。
サーマルスロットリング発生時の性能低下は非常に大きいため、SSDに対して頻繁にストレスを掛ける使い方をする予定なら、別売りのM.2ヒートシンクかマザーボード付属のヒートシンクを使ってください。
サーモグラフィーで表面温度を確認
SSDのセンサーが75℃に達したとき、サーモグラフィーカメラでは77~79℃を記録しました。センサーの温度はおおむね正確で、デタラメな温度を表示する心配はありません。
SSDコントローラの温度は、残念ながらが正しく測定できません。Silicon Motionのコントローラは表面の色が影響して、サーモグラフィーカメラで正確に測定できないです。
状況証拠(85℃でサーマルスロットリングが発動するなど)から、SSDコントローラ側の温度センサーも正確・・・ということにします。
まとめ:コスパ部門No.1のNVMe SSD
「XPG SX8200 Pro」のデメリットと弱点
- 高負荷時のSSD温度は高い
- サーマルスロットリングの性能低下が大きい
- 付属ヒートシンクは役に立たない
- 購入時期によって部品構成は変わります
- 大型M.2ヒートシンクと相性悪い(?)
まずはXPG SX8200 Proのダメなところから・・・と言っても、それほど弱点は多くないです。
付属のヒートシンクがほとんど役に立たないのは、値段が安いから仕方ないで終わります。高負荷時のSSD温度はSX8200 Proに限らず、ほとんどのTLC NAND型NVMe SSDが同じ問題を抱えています。
メーカー純正のSSDと比較して、SX8200 Proの目立って気になる点は「購入時期によって部品がわずかに違う」ことでしょう。大きな性能差は無いので問題ではないものの、人によって意見が分かれる部分だと思います。
とはいえ、仮にスペックシート通りの性能が出ない個体を引いてしまった場合は、保証を使えば済む話です。部品構成がどうのこうのではなく、性能が出ないのは単なる不良品だからです。SX8200 Pro以外のSSDでも、不良を引いたら同じ対応をするはずです。
あとはマザーボード備え付けの大型ヒートシンクとの物理的な相性について。ぼくは実際にSX8200 Proを使っていて問題になったことは無いですが、Twitterでは破損報告がいくつか見当たります。
別売りやマザーボード付属ヒートシンクを使うときは、SSDの基板に変な力が掛かっていないか目視でチェックしたほうが良いかもしれません。特に取り外すときは要注意です。
「XPG SX8200 Pro」のメリットと強み
- 約150 GBまで2300 MB/s前後を維持
- トップ級NVMe SSDに迫る優れた性能
- 極めて高速なランダムアクセス速度
- 安いわりには負荷耐性も高い
- 温度センサーは6個(※実質3個)
- 必要十分な耐久性(160 ~ 1280 TBW)
- たっぷり5年保証
- 驚異のコストパフォーマンスは未だ健在
PCIe 3.0 x4接続のNVMe SSD(TLC NAND型)でもっとも価格設定が安いにも関わらず、今回のレビューで測定されたパフォーマンスは競合他社のハイエンドNVMe SSDに迫るものです。
さすがに業務向けのSamsung 970 Proには勝てませんが、テスト内容によっては970 Proにすら肉薄しており、約1.5万円の値段から発揮される性能とは思えません。
SLCキャッシュは2段階で展開され、約150 GBまで2300 MB/s前後の書き込み性能を維持。2段階では約540 GBまで1000 MB/s前後を維持するので、普通に使っていてキャッシュ切れの性能低下を体感する場面は、ほとんど無いです。
というわけで、XPG SX8200 Proは「普段使いでは過剰すぎるほど高性能」なNVMe SSDを、手頃な価格で欲しい人におすすめです。コストパフォーマンスは文句なしに優秀で、割と万人向けに良いNVMe SSDと評価できます。
以上「XPG SX8200 Proをレビュー:2020年も衰えない驚異的コスパ。」でした。
この春、自作PCを組むにあたりちもろぐさんの記事を参考にしました。
XPG SX8200 Proもそれで選びました・・・が、買ってテストして気づいたのですが、
この製品、SLCキャッシュの容量が個体おみくじで、運次第だということです。
発売当初の大容量のSLCキャッシュがあるような各レビュー結果は、
レビュー用に特別に提供しただけで、実際の製品は詐欺みたいなSLCキャッシュしか実装されていません。
私は2枚購入しましたが、どちらも「2G」表記で 512MBしかのってないハズレでした。
検索すればこの手の情報はでてきますので、これから検討される方は私みたいにハズレ個体を引くことを覚悟して購入して下さい。
自作PCパーツ界隈ではこういったことは珍しくないので、Amazon.comなどのBadレビューを参考にして買うようにしています。
> レビュー用に特別に提供しただけで、実際の製品は詐欺みたいなSLCキャッシュしか実装されていません。
いわゆる「ゴールドサンプル商法」の可能性を感じていたので、あえて1年経過した今に、ツクモ通販で1 TBモデルを購入して詳しく検証した次第です。
結果はTom’s Hardwareさんと酷似しており、「1年経過しても性能は安定してるね。」とホッとしましたが・・・単に当たりを引ける運が良かっただけなのか・・・。
自分の持ってる1TBモデルはほぼここの検証通りの性能でした。僕がやったベンチはcrystal discmarkとHDtuneのFile Benchmarkで200GBのファイルで検証しました(記事内のHDtuneの項目の3段目でfile lengthを200GBに設定)。150GBを超えたところで速度ががくっと落ちますが、それでも1000MB/sは出ていたので一般ユースでは十分過ぎる性能でした。
NVMeの認識としてお聞きしたいことがあります。
高負荷時というのは基本的には書き込み時でよろしいでしょうか?
またサーマルスロットリング時の性能定価も書き込み時が低下するの認識なんですかあってますか?
書き込み時代は頻繁に行わず高容量のゲームで使おうと思っているのでReadメインの使用だとどうなるのか気になりました。
長尾製作所のヒートシンク使いたいです。
表しかつけれないと思うですが片面だけでも発熱おさえられますかなー?
>信頼性をめちゃくちゃ重視する人は、Samsung製を強くオススメします。
>6社あるSSDメーカーの中で、唯一「完全自社製」のSSDを販売してます※。
これ間違ってますね
最近出たCrucial P5がコントローラ含めて完全自社製です
IMFTは現在Micronに完全に買収されていて(Micron fab2)
3DXpoint専業になってますね
MicronのNANDはシンガポール製造
2TB版をアダプターを介してMacBook Proで使っています。当時、970EVOProが初期ファーム問題でMacで使えず繋ぎのつもりで購入しました。
365日24時間電源を落とさない使い方の私室メインPCですが、「わざわざ」970EVOProを購入する必要は無いと考えるだけの性能と実用性はあります。
自作Winに面白がって取り付けている知らないメーカーのSSDよりはADATAかな?
昨年の記事と今回の記事が同じURLなのは何か意図があるのでしょうか?
Googleに更新前のキャッシュが残っていたので見てみましたが、やはりこのSSDはおみくじ要素があるみたいですね。安いからには理由があるわけで、それ自体は別に悪いことではないと思いますよ。大事なのは購入する側がそれを認識していることだと思います。
このページにはすべてのモデルのDRAMがDDR3と書いてありますが、amazonのページには2TBのみDDR4と書いてあります。
どちらが正しいのでしょうか。
旧モデルのSX8000・ヒートシンク付きモデルを使用していたことがありますが、付属のヒートシンクは決して「飾り」ではないと思いますよ。
Thermaltake Core V1/Suppressor F1等M/B裏に電源を配置するケースでは、電源ファンをM/B側に向けることで裏配置M.2の冷却に役立ちました。Silverstone ML-06-Eの様なケースでは、ヒートシンクにワイドワークの柔らかシリコンを取り付け、ケース側に熱を逃がすことにも役立ちました(長期運用でのオイルにじみからSSDを保護できます)。
なので、気持ち少しだけ、「使えない事も無いよ」としてあげて下さいw
最近SSDを購入する際に、とても参考にさせていただきました。大変勉強になりました。
結局、一度はこの製品を注文したものの、その後に個体差の激しさを示唆する情報に多く接してしまい、慌ててキャンセルしてしまったのですが。(笑)
こちらの記事に触発されて、その後購入したSSDの挙動を調べていましたが、シンプルな挙動を示さず、正直、難解です。
追加調査中ですがその中で、ある疑問が出てきました。
記事本文中では、この製品のSLCキャッシュが、500GB程度と記されています。
TLCは3bitを1セルに記録します。1TB製品であれば、SLCキャッシュは最大容量の1/3、333GBを超えることはできないのではないでしょうか。
教えていただけますと幸いです。
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