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be quiet! DARK POWER 14レビュー:定番OEM「CWT」で作る極静音電源ユニット

ヒトの耳にやさしい静音性に特化したドイツのPCパーツメーカー「be quiet!」より、定番OEM「CWT」とタッグを組んで開発したフラグシップ電源ユニットが登場しました。

DARK POWER 14」です。

Infineonやニチコンを始めとした、一流メーカーの部品をふんだんに使って、ATX 3.1 & PCIe 5.1規格に準拠。さらにbe quiet!らしく、無音クラスの静音性(A++認証も取得済み。

品質、性能、静音性まで。すべてにおいて妥協しない電源ユニットです。

やかもち
be quiet!国内代理店のテックウインド(@tekwind_)さんより、北米市場リテール版を筆者の住所に1台送ってもらいました。サンプル提供ありがとうございます。詳しく検証します。

(公開:2026/1/23 | 更新:2026/1/23

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be quiet! DARK POWER 14の仕様

be quiet! / 容量:1200 W / 効率:80 PLUS Titanium / 静音:Cybenetics A++(~15 dB) / 製造元:CWT / 保証:10年
be quiet!
DARK POWER 14
型番:BQT-DRK-PWR-14
製造元
(OEM)
CWT
台湾:Channel Well Technology
容量
  • 1200 W
  • 1000 W(レビュー)
効率
  • 80 PLUS Titanium
  • ETA Titanium
静音
  • Lambda A++
ケーブルフルプラグイン
保護
  • OVP(過電圧保護)
  • UVP(低電圧保護)
  • OPP(過電力保護)
  • OTP(過熱保護)
  • OCP(過電流保護)
  • SCP(短絡保護)
  • SIP(サージ・突入電流保護)
  • FFP(ファン故障保護)
ファン
  • 135 mm径(25 mm厚)
  • FDB(流体動圧軸受)
セミファンレス対応
(切り替え対応)
サイズ175 x 150 x 85 mm
規格ATX 3.1
保証10年
参考価格
※2026/1時点
Amazon
 楽天市場
Yahooショッピング

「DARK POWER 14」の主要スペックをまとめました。

be quiet!のフラグシップ(最上位)だけあって、価格設定も相当に高いです。コストパフォーマンスの観点で、自社ラインナップ「PURE POWER 13M」がある意味で厄介なライバルになります。

なぜなら、PURE POWER 13Mも「A++」認証を取得した、極静音電源ユニットのひとつです。

  • 1000 W:49980円
  • 1200 W:56980円

PURE POWER 13Mと比較して価格が2~3倍に跳ね上がり、価格に見合った中身があるかどうかが焦点に。

取得している認証とレポート一覧

電源ユニットで定番の認証規格「80 PLUS」で「Titanium」認証を取得します。負荷20%以上で平均94%超、ピーク時に95%近い驚異的な変換効率です。

80 PLUSに代わる新たな認証規格「Cybenetics ETA」でTitanium」認証に合格済み。負荷率15~85%もの極めて広大な範囲で約90%を上回る高い変換効率です。

電源ユニットの静音性を評価する規格「Cybenetics LAMBDA A++を取得済みです。平均値で「~ 15 dB」未満を意味する、最高グレードの静音規格に合格しています。

筆者はA++認証を「無音クラス」と勝手に呼んでいます。

ATX 3.0(ATX 3.1)規格で要求される厳しい応答テストに耐えられるかテストするATX 3.1 PASS」認証もきちんと取得済み

瞬間的(0.0001秒未満)なスパイク電力に対して、電源容量の最大200%まで安定動作できます。つまり、DARK POWER 14(1000 W版)のピーク容量は約2000 Wです。

bq quiet! DARK POWER 14を開封

パッケージと付属品

bq quiet!の公式サイトが真っ暗だったように、製品パッケージも真っ暗な背景色で塗りつぶして、製品の本体デザインを中央に配置したシンプルなデザインです。

同社ブランドの他製品「PURE POWER 13M」や「POWER ZONE 2」と、ほとんど同じレイアウトを踏襲します。

パッケージ裏面に、取得済みの認証ロゴや各国の安全規制ロゴのほか、ドイツの国旗カラーと「Developed In Germany(ドイツで設計開発)」のテキストも記載されています。

パッケージ正面左側に「80 PLUS」「Cybqnetics」ロゴが印刷されています。

左から順番に

  •  80 PLUS Titanium認証
  •  ETA Titanium認証

以上2つです。

定番の「80 PLUS Titanium」認証、とても厳格な効率認証「ETA Titanium」認証ロゴが記載されています。

一般的に「ETA」認証は市販モデルの個体差を考慮して、1ランク低いグレードをパッケージに印刷する場合がありますが、本機は個体差を考慮しても100%確実にチタニウム級の性能を出せる・・・と。

暗にアピールしています。なお、相変わらず「LAMBDA A++」認証ロゴが省かれています。

筆者としては、電源ユニットにとって動作音の静音性の方がむしろ重要だと考えていますが、メーカー側はLAMBDAをあまり重視していない様子です。

マザーボードの箱と同じく、底面からめくり上げるシンプルな開封方法です。

外箱をゆっさゆっさと縦に振り回して慣性で中身を押し出すタイプじゃなく、単に指でめくるだけで開封できます。

厚紙でできた頑丈な付属品ボックス、発泡スチロール製の梱包材に包まれた電源ユニット本体、マニュアル(説明書)が入ってます。

付属ケーブルの種類と長さ

(容量1000 Wモデル)

bq quiet! DARK POWER 14は大量のケーブルが付属します。

「12V-2×6」ケーブルが1本付属します。

RTX 40 / RTX 50シリーズと、ごく一部のRX 9000シリーズを中心に導入されている「12VHPWR」または「12V-2×6」コネクタで使える、グラフィックボード用の電源ケーブルです。

たった1本のケーブルで最大600 Wまで対応します。

コネクタ先端に、12V-2×6規格を示す「H++」刻印を確認できます。

コネクタ先端分は「黒色」のままです。半挿し(挿し込み不良)を判断しづらいように見えますが、そもそも12V-2×6端子は中途半端な挿し込みだと通電しません。

外見的なわかりやすさよりも、コネクタ自体の耐久性を重視するなら、黒色のままが合理的です。

「H+」「H++」刻印を入れるかどうかはメーカーの裁量に委ねられています。

コネクタの両端が「12V-2×6」ネイティブ対応です。

熱に強い太め(16 AWG)のケーブルに、最大105℃耐熱仕様のコネクタを組み合わせて、優れた耐久性と安全性を担保しています。

CPU補助電源に挿し込む「EPS12V 4+4 pin」ケーブルと「EPS12V 8 pin」ケーブルが1本ずつ付属します。それぞれ長さ70 cmで、太さ16 AWGです。

EPSコネクタ先端に「CPU」刻印が入っていて見分けやすいデザインです。

便利な8ピン一体成型タイプと、4+4ピンに別れたタイプが用意されています。4+4ピンはラッチ(留め具)でつなげて8ピン一体型にもできます。

贅沢に太さ16 AWGケーブルを使っているから、Core i9 14900Kを常時300 Wで動かす極端な高負荷ですら、ケーブル1本(8ピン)で間に合います。

グラフィックボードの補助電源に挿し込む「PCIe 6+2 pin」は2本付属します。2本ともに根本から先端まで長さ75 cmです。

残念ながら太さ18 AWGですが、派手な消費電力を要求するグラフィックボードはたいてい「12V-2×6」コネクタに移行しています。

今さらPCIe 6+2ピンを使うグラボなら、消費電力がそれほど多くなく、18 AWGで問題ないと判断された可能性が高いです。

そもそも根本から分岐せず伸びているタイプなので、TGP:300 W級のグラフィックボードでも18 AWGで正常に動作できます。

マザーボードの補助電源コネクタに挿し込む「ATX 24 pin」ケーブルです。長さ60 cmでした。

挿し込みが簡単な、初心者に嬉しい24ピン一体成コネクタです。

電源ユニット側は2本に分かれていて、かなり挿し込みづらいです。

ケーブルを先に挿し込んでから、PCケースに電源ユニットを組み込むと作業がだいぶラクになります。

SATAデバイス(3.5″ HDDや光学ドライブ)に電力を供給する「SATA」ケーブルは4本付属します。

ケーブル1本につき、SATAコネクタが4個または3個付いています。

ケーブルの長さは約105 cmで、コネクタ間が約15 cmずつ離れています。

特殊仕様のサーバー向けHDDや、ケースファンコントローラに電力を供給する「Molex(ペリフェラル4ピン)」は1本付属します。

1本のケーブルに2個付いています。コネクタ間が約15 cmずつ離れています。

電源ユニットとコンセントをつなぐ「電源ケーブル(アース線つき)」です。

IEC320 C13規格の太いコネクタに、許容電流が16Aある1.64 mm径(断面積1.30 mm²)の太いケーブルを採用します。

ノイズを抑制する大型フェライトコアは付いていないです。

今回送ってもらったサンプルは海外リテール版だから、コンセントが海外仕様です。国内販売モデルは日本用コンセント(タイプA)を採用します。

アクセサリー類は最低限の内容

配線を美しくまとめられる「マジックテープ」が10本も付属します。「be quiet!」のロゴ入りです。

自作パソコンの裏配線で活躍する「結束バンド」が6本付属します。

電源ユニットをPCケースに固定する、手回しタイプのミリネジが5本付属します。余っている1本はおそらく予備です。

プラスドライバーで固定できる従来タイプのインチネジも5本付属します。予備用に1本多めに付いています。

地味に嬉しい、説明書(マニュアル)も付属します。

やかもち
低価格で高性能を維持するべく、付属品は必要最低限の内容に削られています。

真っ黒な無骨な見た目とフルモジュラー仕様

特に飾り気のないシンプルなデザインです。側面に「DARK POWER 14」の形に切り抜いた金属製のプレートをはめ込んでいます。

表面はツルツルとした塗装(= 粉体塗装がない)だから、そのまま指でベタベタ触ると脂汗が付着します。

すべてのケーブルを着脱できる「フルモジュラー(フルプラグイン)」方式です。使うケーブルだけ任意で取り付けられるから、配線を最小限に抑えたスッキリした自作パソコンを組み立てられます。

各コネクタ(モジュラー)に「MB」や「PCIe」など、対応するハードが分かりやすく記載されていて便利です。

しかし、CPUを意味する刻印だけ、なぜか「P8」表記でちょっと伝わりづらい印象あり。「EPS」や「CPU」表記に改めたほうがいいかもしれません。

135 mm口径のゆとりある大型冷却ファンを搭載。メーカー仕様表によると、FDB(流体動圧軸受)方式のファンです。

安価な電源ユニットで使われるスリーブベアリング方式と比較して、耐久性と静音性にメリットがあるとされています。

その代わり製造コストが増大して価格も増えてしまうため、bq quiet!はDARK POWERを始めとしたごく一部のフラグシップモデルに限り、FDBファンを採用します。

本体側面に出力表が貼ってあります。

bq quiet! DARK POWER 14(出力表)
型番:P14-1000W / モデル:DARK POWER 14
AC入力100 ~ 240V(50 ~ 60Hz)
DC出力+3.3V+5V+12V1+12V2+12V3+12V4-12V+5Vsb
出力電流25A24A33A33A40A40A0.5A3A
合計出力120W996W6W15W
総合出力1000W

珍しくマルチレール方式の電源ユニットです。

12Vレールが4本に分割され、12Vレール1本あたりの最大給電能力がタイト(狭め)になります。少ない消費電力でOCP(過電流保護)に引っかかる可能性が上がり、意図しないシャットダウンが発生するかもしれません。

念のため、各12Vレールが担当するコネクタを確認しましょう。

マルチレール担当するコネクタ
+12V1
  • ATX 24 pin
  • SATA & Molex
+12V2
  • EPS 8 pin
+12V3
  • PCIe 6+2 pin #1
  • 12V-2×6
+12V4
  • PCIe 6+2 pin #2
  • 12V-2×6

出力電流が33 Aに制限される「+12V1」「+12V2」が、マザーボードやSATAデバイス、CPU本体の電力供給を担当します。

Core i9 14900Kなど、ごく一部のパーツを除けば、単品で300 Wすら使わない場合がほとんどです。

出力電流が40 Aに増えている「+12V3」「+12V4」は、PCIe補助電源コネクタと12V-2×6コネクタを担当します。

12V-2×6コネクタは2つの+12Vレールから供給され、実質的に出力電流は80 Aに達します。12 V x 80 A = 960 Wにもなり、仮にRTX 5090を使う想定でもOCPは発動しません。

過去の傾向から見て、OCPは約1.25~1.30倍あたりにトリガーが置かれる場合が多いので、ピーク給電能力は約1200~1250 Wに達する見積もりです。

さらに「Intel ATX 3.1」規格に準拠するため、電源ユニットの総容量に対して200%の負荷(= 2000 W)が発生しても、正常な動作を維持し続けます。

やかもち
マルチレール方式のまま使っても、動作に支障はありません。Core i9 13900KとRTX 5090(TGP:600 W)にて、正常な動作を確認済み。

電源ユニット側の対応コネクタをチェック。

対応コネクタ
マザーボード用
(ATX 24 pin)
1個
グラフィックボード用
(12V-2×6)
1個
グラフィックボード用
(PCIe 6+2 pin)
2個
CPU用
(EPS12V 4+4)
2個
SATA / Molex兼用
(SATA / Molex 4 pin)
4個

必要十分な拡張性が確保されています。

Core Ultra 9 285KやCore i9 14900K、またはRyzen 9 9950X3DなどハイエンドCPUに、RTX 5090を1枚組み合わせても大丈夫。

コンセント側のインターフェイスです。

  • 電源コネクタ(IEC320 C14)
  • 電源のオンオフボタン
  • セミファンレス切り替えボタン
  • +12Vレール切り替えボタン

特殊なボタンが2つ実装されています。

0 rpm」ボタンが、セミファンレス挙動を切り替えるボタンです。「ON」でファンが停止し、「OFF」にすると最低でも400 rpm程度で回転します。

OCK」ボタンは、+12Vレールの制御方式を切り替えるボタンです。「ON」でシングルレール方式、「OFF」ならマルチレール方式(初期設定)で動作します。

OCP(過電流保護)にトラウマを抱えている方は、OCKボタンをONにして、シングルレール方式で運転しましょう。

左右のサイドパネルは密閉され、「DARK POWER 14」のロゴを模した金属プレートをサイドパネルにはめ込んだ、高級感ある意匠です。

奥行きが175 mmと標準的な電源ユニットより少し大きめなサイズ感です。取り付けるケーブルも込みでPCケースに干渉せず入り切るか、事前によく確認しましょう。

電源ユニットの本体重量は実測2228 g(約2.23 kg)でした。

内部コンポーネント(腑分け写真)

フタを開けて内部コンポーネントを確認してみます。

六角形のトルクスドライバーを使って本体側面にある4本のネジを外して、内部のファンフレームをプラスドライバー(PH1)で外すと、かんたんにフタを開けられます。

記事の序盤にリンクを掲載したCybqnetics Labsレポートと照らし合わせながら、今回の市販モデルでも同じ部品が確認できるかチェック

開封(分解)すると10年間のメーカー保証が無効になります。真似しないでください。

非常に目が細かい格子状のファングリルです。普通のインチネジはおろか、M.2スロット用のミリネジすら通さない細かさで、異物混入に強い構造です。

ただ、目が細かすぎるとエアフローを損ない、冷却性能が犠牲になりそうです。・・・当然ながら、be quiet!とCWTは冷却効率を高める構造を導入して、不安を払拭します。

異様に分厚いファンフレームがその答えです。

なんとびっくり、厚み25 mmのヒートシンクを内蔵します。

発熱が多いMOSFET周辺にヒートシンクが設けられ、サーマルパッドを経由して冷却ファン側のヒートシンクに熱を伝えます

冷却ファンは「BQ SIW4-13525-MF」です。bq quiet!(※自社設計で中国製造)製の135 mm径、FDB方式の静かな冷却ファンが搭載されています。

Nuvoton製ファンコントローラICを用いて、約400 ~ 2100 rpmの範囲で静かにファン回転を制御します。

電源ユニットと冷却ファンがミニ4ピンコネクタで接続されています。

bq quiet! DARK POWER 14の製造元はCybqnetics Labsのレポートに記載があるとおり、CWT(台湾:Channel Well Technology)」社です。

奥行き175 mmの広々とした空間をぜいたくに使い、部品と部品のスペースに余裕を持たせています。電源ユニット内部の熱を効率よくケース外へ排出できます。

見える範囲で部品チェック
(※クリックで画像拡大)
12Vレール用
MOSFET
ファン制御IC
マイナーレール用
MOSFET
整流用MOSFET
(ブリッジ整流器の代替)
アクティブPFC用
コントローラ
アクティブPFC用
MOSFET
アクティブPFC用
ダイオード
スイッチング回路
(MOSFET)
スーパーバイザIC大量のはんだ付け

(レポートをもとに筆者が作図)

目に見える範囲に限るものの、2025年9月に公開されたレポートとほぼ同一の部品を確認できます。

1次側に、日本ルビコンのアルミニウム電解コンデンサ(定格電圧420 V / 容量560 uF / 定格105℃ / 2000時間モデル)が入っています。

2個で合計1120 uFの静電容量を確保します。

容量1000 Wに対して必要十分なコンデンサ容量(静電容量)を用意し、変換効率の無駄を抑えつつ、旧基準ATX 3.0に合格できる程度のホールドアップ時間(停電したあとも電力を供給しつづけるタイムリミット)も両立します。

Cybeneticsレポートによると、ホールドアップ時間は「17.0ミリ秒」です。ATX 3.1(> 12 ms)どころか、もっと厳しい旧基準ATX 3.0(> 17 ms)すらクリア済みです。

2次側に、ニチコンの電解コンデンサが6個あります。

「鍋マーク」が特徴的な、日本ケミコンの導電性高分子アルミ個体コンデンサ(ポリマーコンデンサ)がびっしり敷き詰められています。

マイナーレールを生成するドーターボードに、日本ケミコンの導電性高分子アルミ個体コンデンサ(ポリマーコンデンサ)です。

+5VsB(スタンバイ)レールに、ニチコンのアルミニウム電解コンデンサ(定格電圧16 V / 容量2200 uF / 定格105℃ / 4000~10000時間モデル)です

赤色の導電性高分子アルミ個体コンデンサ(ポリマーコンデンサ)は、ニチコンの「FPCAP」シリーズです。

プラグインコネクタに挟まれているコンデンサは、ルビコンのアルミニウム電解コンデンサです。

プラグインコネクタの周辺にも、導電性高分子アルミ個体コンデンサ(ポリマーコンデンサ)がびっしり敷き詰められ、出力の平滑化(ノイズ低減)に貢献します。

水色が日本ケミコン(鍋マーク)、赤色がニチコンのFPCAP(FP印)です。

ポリマーコンデンサは生産時の供給状況に合わせて、他社の日本ブランド品に置き換わる場合もあります。
やかもち
日本メーカー定格105℃コンデンサをぜいたくに使った、高コスト体質な中身です。さすがフラグシップモデル。

be quiet! DARK POWER 14を実際に使ってみる

テストPCスペックを紹介

テスト環境
「ちもろぐ専用 Intelベンチ機(2025 / 新)
スペック使用パーツ
CPUCore i9 13900KPL1 = PL2:253 W
CPUクーラー280 mm水冷式クーラーNZXT Kraken 280(2023)
メモリDDR5-8000 48GB(24GB x2)G.Skill Trident Z5 RGB
マザーボードIntel Z790チップセットTUF GAMING Z790-PLUS WIFI
グラボ #1RTX 5090 32GBZOTAC GAMING OC
(Power Limit:104%に変更)
グラボ #2
(Power Limit:-)
SSD1 TB(NVMe SSD)Samsung 970 EVO Plus
電源ユニットbe quiet! DARK POWER 14(1000 W)
(レビュー対象)
OSWindows 11 Pro 24H2
(KB5041587適用済み)
Windows 11 Pro(パッケージ版)

今回は容量1000 Wの電源ユニットを検証するべく、ピーク負荷が1150 W近くに達するハイエンドGPU環境を用意しました。

実測で300 W台も消費するCore i9 13900Kに、実測で600 Wを超えられる弩級のハイエンドグラボRTX 5090を組み合わせています。

現時点で、ほぼ最上位のゲーミングPCを想定したスペックです。

グラフィックボードの消費電力を測定(Cybenetics)

各電圧レールの測定には、Cybenetics Labs謹製のPMD(Power Measurement Device)を使い、0.001 V(1 mV)単位かつ毎秒最大1000サンプル(1ミリ秒)の刻み値で記録します。

安物の8ビットマルチメーターやオシロスコープの安物プローブを、マザーボードやコネクタの隙間にぶっ刺すよりも、いくぶん精度が高いです。

容量110%もの超高負荷ですら安定動作

負荷システム(DC側)
平均値978 W
上位1%1120 W
上位0.01%1132 W
  • CPU負荷:Prime95 Small FFTs(TDP:253 W)
  • GPU負荷:FurMark 2 3840 x 2160(TGP:600 W)

以上のベンチマークで、システム側(DC側)で約1000 Wの負荷を連続して掛けられます。

約60分間そのまま放置して、何事もなく安定してベンチマークが正常に稼働しつづけます

be quiet! DARK POWER 14(容量1000 W)は、最大容量いっぱいの消費電力(1000 W)、ピーク時に約1100 W近い弩級のハイエンド構成にあっさり耐えられます

ミドルクラスからハイエンドまで、おおよそ想定されるほとんどのPCスペックに難なく対応できる、非常にパワフルな出力性能です。

各電圧レール測定グラフ
※クリックで拡大
PCIe 12V
EPS 12V
ATX +12V
ATX +5V
ATX +3.3V

負荷が上昇すると、各電圧レールが分かりやすく低下します。

偏差(変動幅)も十分に抑えられ、Intel ATX規格で決められた範囲内に余裕で収まってます。

PCIe 12V [RTX 5090]変動幅基準値
最大値12.01 V0.08%< 5.00%
最低値11.73 V-2.25%> -8.00%
EPS 12V [Core i9 13900K]
最大値12.01 V0.09%< 5.00%
最低値11.78 V-1.83%> -7.00%
ATX +12V
最大値12.02 V0.12%< 5.00%
最低値11.90 V-0.82%> -7.00%
ATX +5V
最大値5.04 V0.80%< 5.00%
最低値5.02 V0.42%> -5.00%
ATX +3.3V
最大値3.30 V0.09%< 5.00%
最低値3.29 V-0.42%> -5.00%

be quiet! DARK POWER 14は「ATX 3.1」と「PCIe 5.1」規格に準拠した電源ユニットです。

各電圧レールの許容範囲はそれぞれ±5%で、+12Vレールは+5% / -7%、12VHPWR(12V-2×6)レールは+5% / -8%が許容範囲です。

すべての電圧レールが問題なくATX 3.1規格で定められた許容範囲に収まっています。

連続的で急激な負荷変動でも安定動作

負荷システム(DC側)
平均値772 W
上位1%1122 W
上位0.01%1145 W
  • CPU負荷:Prime95 Small FFTs(TDP:253 W)
  • GPU負荷:FurMark 2 3840 x 2160(TGP:600 W)

連続負荷ベンチマークを実行した状態で、FurMark 2でスペースバーを押しっぱなしにします。すると、グラフィック描画が500ミリ秒ごとにオンオフを繰り返し、連続的な負荷変動を再現可能です。

500ミリ秒ごとに負荷が止まって500 W前後まで下がり、また500ミリ秒たつと負荷が再開して1150 W前後まで上昇・・・を延々と繰り返す過渡応答に似た状況です。

最大容量(1000 W)を約12~15%も繰り返しオーバーランする過酷な連続負荷に対して、be quiet! DARK POWER 14は非常に安定した動作でした。

ピーク時に約1150 Wに達し、電源の最大容量を15%も上回る電力を引き出しても、システムは安定して動き続けます。スパイク由来の強制シャットダウンも発生しなかったです。

ATX 3.0(ATX 3.1)規格に準拠した設計だから、0.1ミリ秒以内のスパイクなら容量の2倍にあたる2000 Wまで耐える仕様です。

スパイクに該当しない持続的な容量オーバーの場合は、過負荷保護(OPP)機能によって容量の120~125%前後(= 1200~1250 W)で自動的に停止させられます。
やかもち
+12Vレールがマルチレール方式ですが、ピーク電力が約900 Wに迫る「RTX 5090」をぶん回しても、OCP(過電流保護)は発動せず安定した動作です。
各電圧レール測定グラフ
※クリックで拡大
PCIe 12V
EPS 12V
ATX +12V
ATX +5V
ATX +3.3V

負荷の変動に合わせて、各電圧レールが分かりやすく乱高下します。

PCIe 12V [RTX 5090]変動幅基準値
最大値11.98 V-0.16%< 5.00%
最低値11.72 V-2.31%> -8.00%
EPS 12V [Core i9 13900K]
最大値11.89 V-0.95%< 5.00%
最低値11.78 V-1.85%> -7.00%
ATX +12V
最大値12.01 V0.06%< 5.00%
最低値11.88 V-1.03%> -7.00%
ATX +5V
最大値5.04 V0.72%< 5.00%
最低値5.02 V0.40%> -5.00%
ATX +3.3V
最大値3.30 V-0.09%< 5.00%
最低値3.29 V-0.42%> -5.00%

すべての電圧レールが問題なくATX 3.1(ATX 3.0)規格で定められた許容範囲に収まっています。急激な負荷変動に対しても問題なく正常動作です。

マイナーレール(+5V / +3.3V)電圧も信じられないほど安定しています。

各ケーブルや電源本体の表面温度

約1000 Wの連続負荷テストを2時間ほどつづけたあと、サーモグラフィカメラで電源ユニット本体の表面温度を撮影します(撮影時の周辺気温:23.7℃)


ファングリル正面の表面温度です。

コンセント側から撮影すると、電源ユニット内部の温度をより正確に確認できます。

  1. コモンモードコイル:64℃(Δ40℃)
  2. MOSFET(ヒートシンク):109℃(Δ85℃)
  3. インダクタ:55℃(Δ31℃)

もっとも熱いエリアで110℃超(Δ85℃)まで上昇します。

電源ユニット底面の表面温度をチェック。一番熱いエリアで約44℃(Δ20℃)です。

プラグインコネクタ周辺の表面温度です。12V-2×6コネクタ付近が38℃前後(Δ14℃前後)、EPS 12V付近は44℃(Δ20℃)程度、ATX 12Vが32℃(Δ8℃)程度に収まります。

システム側の各コネクタケーブルの表面温度です。

約330 Wが流れるEPS 12Vで84℃前後(Δ59℃前後)、ATX 24 pinがわずか42℃(Δ18℃)でした。

12V-2×6ケーブルの表面温度を細かく確認します。約600 Wが流れている12V-2×6で58℃前後(Δ34℃前後)です。

撮影時で600 Wもの大電力が流れていますが、出力側の表面温度は90℃台(Δ66℃)です。

付属する12V-2×6ケーブルの許容温度は105℃なので、90℃程度なら特に問題ないでしょう。

実際のゲーミングPCでは、ケースファンによるエアフローが当たるため、もっと低い温度になるはずです。

12VHPWR(12V-2x6)ケーブルの耐熱温度

be quiet! DARK POWER 14は競合する他社の電源ユニットと同様に、「105℃耐熱」仕様の12VHPWR(12V-2×6)ケーブルを採用。RTX 5090(TGP:600 W)を運用しても「コネクタの溶融」に到達する可能性が非常に低いです。

やかもち
ケーブルの発熱よりも、グラボ本体が放出する熱気が原因で温度がけっこう上がります。

負荷ごとの電源ユニットの騒音値

電源ユニットから約50 cmほど離れた位置に「デジタル騒音計」を設置して、負荷ごとに1秒ずつ騒音値(デシベル値)を測定します。

消費電力(DC側)騒音値
0 W31.0 dB
25 W31.0 dB
50 W31.0 dB
100 W31.1 dB
200 W31.1 dB
300 W31.1 dB
400 W31.5 dB
500 W31.8 dB
600 W32.3 dB
700 W33.1 dB
800 W33.7 dB
900 W34.5 dB
1000 W34.7 dB

デジタル騒音計による測定値は以上のとおりです。

なお、測定値(dB)だけだとかなり誤解を生む可能性が高いから、負荷ごとに聴いてみた主観的なコメントを書いておきます。

消費電力
(DC側)
冷却ファンコメント
100 Wセミファンレス
(0~400 rpm)
基本的に無音に近い
200 W
300 W
400 Wゆったり回転
(400 rpm)
50 cmの距離でもファンの風切り音はごくわずかですが、600~700 Wあたりから電子音が鳴り始めます
500 W
600 W
700 W
800 Wゆったり回転
(400~600 rpm)
距離50 cmで聞こえる程度に電子音(ブロロロロ…)が増大し、ファンの動作音もやや上昇
900 Wやや回転
(600~900 rpm)
ファンの動作音はかなり静かですが、「ブロロロロ…」と鳴る電子音が距離50 cmでも聴き取れます
1000 Wフル回転
(1400~ rpm)
送風音が目立ちます

全体的にかなり静かで、負荷900 Wまで「静音動作」です。

ただし、今回メーカーに送ってもらったサンプルはややハズレ個体の可能性があり、負荷600 Wあたりから電子音が鳴ってしまいます。

ファンの回転音(1500 Hz)成分を引き抜き、電子音だけを強調した録音データです。冷却ファン以外の部品が「ブロロロロ…」「ジーーーー」など、音を出しています。

冷却ファンの動作音だけなら、PURE POWER 13Mと同等レベルの無音動作だったはずです。

やかもち
個体差によるノイズの出やすさは難しい問題かも・・・。

USBポートの5V電圧をチェック

USB 5Vの電圧変動グラフ

(7.5 W負荷で電圧変動をチェック)

USBポートに約7.5 W(5.0 V x 1.5 A)の負荷をブラ下げて、USBテスター経由でUSB 5V電圧の変動を比較したグラフです。

USB 5V最大変動偏差(変動幅)
be quiet!
DARK POWER 14 1000W
250.1 mV4.89%
VETROO
GV1000 ATX 3.1
64.6 mV1.29%
be quiet!
DARK POWER 13 1000W
335.3 mV6.52%
Corsair RM1000x ATX 3.1273.0 mV5.44%
be quiet!
PURE POWER 13M 1000W
177.0 mV3.47%

be quiet! DARK POWER 14は、USB +5V電圧を許容範囲内(-5~10%)に留めます。

以前レビューした「PURE POWER 13M」につづき、下限値(4.75 V)を維持できる3台目の電源ユニットです。

(Universal Serial Bus Specification, Revision 2.0 より)

電圧降下幅が大きすぎると、USB機器が必要とする電力を十分に満たせない※など、実用上のデメリットが生じる可能性を考えられます。

USB 5V(給電性能)
目標(1500 mA)7.50 W
VETROO GV10007.38 W
be quiet!
PURE POWER 13M 1000W
7.32 W
ASRock SL-850GW(5V BOOST)7.23 W
be quiet!
DARK POWER 14 1000W
7.16 W
ASRock TC-1300T7.13 W
Corsair RM1000x ATX 3.17.11 W
MSI MAG A850GL PCIE57.07 W
Corsair HX850i 20217.05 W
be quiet!
DARK POWER 13 1000W
7.03 W
KRPW-GA850W/90+6.97 W

be quiet! DARK POWER 14は負荷1500 mAに対して、平均7.162 W(4762 mV)の電力を返します。平均を上回るUSB 5V給電性能です。

※7.5 Wも消費するUSB機材には、おそらくACアダプターが付属するはずだから、実用上あり得るシチューエーションかどうか不明。

まとめ:超高効率 & 極静音なハイエンド電源ユニット

「be quiet! DARK POWER 14」の微妙なとこ

  • やや大きめ(奥行き175 mm)
  • 各種ケーブルがやや硬い
  • フル負荷時は静かじゃない・・・
  • 今どき「マルチレール方式」?
    (OCKボタンでシングルレールに切り替え可)

「be quiet! DARK POWER 14」の良いところ

  • 日本メーカー105℃コンデンサ
  • 冷却ファンにヒートシンクを内蔵
  • 容量1000 Wを115%使えます
  • 許容範囲内に収まる安定した電圧
  • 負荷900 Wまで非常に静か(A++)
  • 切り替えできるセミファンレス仕様
  • 変換効率が非常に高い(94%近い)
  • おおむね問題ない表面温度
  • 12V-2×6ケーブル付属(最大600 W対応)
  • メーカー10年保証

「be quiet! DARK POWER 14」は、下位モデル「PURE POWER 13M」の不安感を和らげるオプションです。

価格が2倍以上する代わりに、1次側と2次側の両方に大量の日本メーカー105℃コンデンサをふんだんに投入し、Infineon製の高性能パーツを駆使してチタニウム級の変換効率まで引き上げました。

135 mm径の大型ファンに、25 mm厚のヒートシンクまで増設して、冷却性能も抜かりない設計です。高効率、高冷却、PURE POWER 13M級の静音性を備えます。

PURE POWER 13Mは非常にコスパの高い電源ですが・・・

「台湾コンデンサが気になる」「変換効率の割にセミファンレス挙動がちょっと攻め過ぎ?」などといった、不安に応える上位モデルが「DARK POWER 14です。

コストパフォーマンス的にPURE POWER 13Mに及ばないものの、価格よりも品質や性能を妥協したくない方に、候補になり得る電源ユニットです。

以上「be quiet! DARK POWER 14レビュー:定番OEM「CWT」で作る極静音電源ユニット」でした。

やかもち
コスパよく静音性なら「Pure Power」を、日本パーツの中身や優れた効率も欲しいなら「Dark Power」です。

「be quiet! DARK POWER 14」を入手する

be quiet! / 容量:1200 W / 効率:80 PLUS Titanium / 静音:Cybenetics A++(~15 dB) / 製造元:CWT / 保証:10年

今回レビューした容量1000 W版が約5.0万円容量1200 Wは約5.7万円からbe quiet!公式ショップ(Amazon)で買えます。

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ただし、Amazonのアルゴリズム次第で怪しい業者のマケプレ出品が優先的に表示される場合が多々あるため、出荷元と販売元が「be quiet! 公式通販」かどうか要チェックです。

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