「自作PCはプラモデルより簡単。手順さえ分かれば誰にでも出来る。」とよく言われていますが実際は…、前提知識を全く持っていない状態から自作PCをしようと思うと「未知の部分」が多すぎて怖いと思うんですよ。
ほら、パソコンを開けてみたら「うっわ、中身スカスカじゃん。ギシギシと何かが詰まっているかと。」と思ってる人は割りと多いと思うし、そういう人からするとやっぱり自作って結構ハードル高そうだと思う…多分。
それでも「自作PCやってみたい。」という方には、おすすめな本が1冊あるので紹介します。
自作PC本には「大きな図解」が欠かせない
書店に行けば自作パソコンに関する専門書や雑誌がいくつかあります。しかし、インターネットの情報で事足りる「カタログスペック」まとめだったり、自作を紹介しているが解説が浅くて自作初心者にはイマイチだったり…。
というわけで、数ある自作本の中でも自作初心者さんにオススメできる本はこの1冊のみ。「今すぐ使える、かんたん自作パソコン」は完全初心者でも一読することで基礎知識から組み立て、OSのインストールまで一通り行ける構成になっている。
自作雑誌では「プランを紹介し、ザッと組み立てる」だけなので、どうしても紙面に割かれている図解が少なすぎる。一方この本では「メモリの取り付け」という2~3分で終わる作業にすら、2ページも割いた大きな図解が。
更に、紙面の左右(黄色い枠)には「そこまで解説しなくても分かるでしょ。」というレベルの、ものすごく初歩的な注意点まで事細かく記載されている。これだけ親切に必要な情報が乗っていれば初心者さんでも確かに怖くない。
もちろん、初自作で最も難解な「フロントパネル端子の接続」も大きな図解で徹底的に解説されている。ぼくは初めての自作で非常に手こずったからね。刺し方が上下反対だったり、そもそも違う場所に挿していたり…。
これがフロントパネルコネクタ。高価なマザーボードだと、コネクタをまとめる便利なアイテムが付属することもあるが、普通のマザーボードには付属しないため苦戦しがち。丁寧な図解があればここも安心ですね。
自作でもっとも緊張する「CPUの取り付け」もこの通り。なお、AMD Ryzenの場合は解説されていないが、IntelもAMDも基本的なやり方は同じなので問題なし。CPUなんて向きを合わせて置くだけだからね。
…それだけのことを、これだけの紙面を使って解説してくれる書籍はなかなか無い。
Windowsのインストールまで
組み立て後のセッティングも解説されています。慣れている人からすればWindowsのインストールなんて、何のことは無いが。ちなみにぼくは初自作でWindowsが入らなくて苦戦した記憶がある。
単にBIOSのブート設定にミスがあっただけだったが…、というわけで「そもそもBIOSって何。ブートや、ブートドライブの指定方法?」というところもきちんと解説されているので本当に親切な仕様だ。
超、基本的なことも
パソコンを構成するパーツと、それぞれのパーツの選び方や基本も序盤で解説済み。ただし、この書籍は「組み立ての分かりやすい図解」がメインディッシュであって、パーツの解説自体は前菜レベル。
特にCPUやグラフィックボードの選び方に関しては、ベンチマークデータに基いて選んだ方が確実 & 安全なので他の情報も参考にしたほうが良いですね。ちもろぐにも詳しい記事をアップしてるので、併読をオススメ。
どの記事も、必要な情報を詰めようとして結果的に10000文字オーバーの長文になっている。要するに、この本1冊にそれだけの情報量を掲載するには無理があった…ということです。
動作検証はちょっと気になる
自作PCの組み立て入門書としては、最高の出来栄えなのは間違いが無い一方で「動作検証」は少し気になる点が。手順33でPCパーツ類をどんどんケース内に入れていくんだが…。
「CPU + マザーボード + メモリ + 電源」の最小構成での動作検証が省かれているんですよ。確かに自作慣れすると最小構成検証は飛ばしがちになるし、最近のPCパーツは初期不良がめったに無いのでやらなくてもいいと言えば良い。
それでも完全に組み上げてから動作検証を行って、万一にも動作しなかった場合「原因の特定」がやや厄介になる。幸い、手順41で「起動しない場合のトラブルシューティング」が紹介されているので、仮に問題があっても問題は無さそう。
おそらく、この本のコンセプトは「図解どおりにやってしまえば、(運悪く初期不良に遭わない限り)確実に動作可能」ということなんでしょうね。ぼくも最小構成検証は割りと端折りますし。
初自作なら買っておいて「損はない」
初めての自作PCなら、丁寧で大きな写真を使った図解が盛りだくさんの本書は「最高の組み立て指南書」の一つです。既に何台も組み立てて、パーツが手元にあれば勝手に手が動くレベルの人にとっては得られるモノは少ない。
初心者向けを意識したのか、裏配線についても特に解説はされていないですし。ちなみに配線を知りたい場合、個人的に参考にしているのが「エルミタージュ秋葉原」です。
このサイトのPCケースレビューは実際に組み立てた画像を掲載してくれるので、ケースごとにどのような配線・取り回しを行っているのか。ものすごく参考になるのでオススメ。特に自分の選んだケースがレビューされているなら必見ですね。
- 写真が大きい & 豊富
- 組み立て手順の解説はものすごく丁寧
- 注意点 & 気をつけるポイントも書いてある
- この本があれば初自作でも失敗しにくい
- というか、書いてある手順どおりやれば「まず失敗しない」
自作PCにおける「最高の組み立て指南書」です。
「かんたん自作パソコン」の弱み- 第1章のパーツ基本編の内容はあくまでも「触り」だけ
- パーツを選定するには、他の本やサイトで情報を得た方が良い
- 手順41のトラブルシューティングは、やや不足
この本だけではパーツ選びまでカバー出来ていません。もう一つ気になっているのは、起動しない時のトラブルシューティングです。
基本的にトラブルシューティングでは「組み立ての手順ミス」を中心に解説しているんですが、高等テクニックとして「CMOSクリア」や「放電 & 放置」も載せておいてほしかった。
今すぐ使えるかんたん 自作パソコン [Windows 10 対応版]
というわけで、「パーツも選んだし、後は実際に組み立てて起動させるだけ。」というところまで来た人には最高の本ですね。初自作なら持っておいて損はない。
2000円で組み立てにいきなり失敗するリスクを避けられ、いざトラブルが発生してもある程度は対処できる方法を丁寧に知ることが出来るんだから、パーツ全体の価格からすれば安い保険料でしょう。
以上「【おすすめ本】かんたん自作パソコンは、最高の自作PC組み立てガイド」でした。
一応、ブログでも「自作PCの組み立て」は参考にできる
なお、当ブログでも「自作PCの組み立て」を詳しく解説した記事がいくつかあるので、今回の本を読む前に組み立ての流れを知りたい人はついでにどうぞ。
自作ワークステーションの組み立ても解説してます。
「AMD Ryzen」を使った自作PCもあるよ。まぁ~…どれも基本的なやり方は同じですけどね。
最近グラボが少しでも売ってる電気屋さん行くとこういう本とか広告とかありますね。
自作そんなにさせたいのかっていう感じがひしひしと伝わる感じでw
ただ本もいいけどネットや、やかもちさんのをみるだけでも十分だなとは思いました。
初心者でも精密電工ペンチでMolexの圧着工具と遜色なく、配線回りが弄れるのでしょうか?
こういう質問ってどこですればいいのでしょうか。
自作したいからうちにある古いデスクトップで練習するということをしているのだが、新品とオンボロ品では扱い方が違うからな…楽しい。