個人的にこっそり推している中国の新興PCケースメーカー「Geometric Future」が、国内代理店ディラックさんの取り扱いで日本に進出。
今回はGeometric FutureのMini-ITX(またはMicroATX)対応PCケース、「Model 2 THE ARK White」をレビューします。
(公開:2024/2/22 | 更新:2024/2/22)
今回のレビューで使用する「Model 2 THE ARK」を、Geometric Futureの国内代理店であるディラックさんから提供いただきました。レビュー内容に関して、提供元から特定キーワードの使用やベンチマーク内容の指定(競合製品の選定)など。レビュー内容に悪影響を及ぼす制限は一切ありませんでした。
筆者の気の赴くままにレビューします。
Geometric Future Model 2 THE ARKのスペック
Geometric FutureModel 2 THE ARK | ||
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筐体の素材 |
| |
パネル | メッシュパネル※パンチングホール加工 | |
マザーボード | MicroATX / Mini-ITX | |
電源ユニット | ATX電源 / 奥行き180 mmまで※レイアウト次第で130 mmまで | |
グラフィックボード | 最大350 mm | |
CPUクーラー | 全高172 mm | |
対応ラジエーター | トップ(天面) | – |
フロントサイド(側面) | 最大360 mm | |
サイド(側面) | 最大360 mm | |
対応ケースファン | トップ(天面) | 140 mm x1 120 mm x1 |
フロントサイド(側面) | 140 mm x2 120 mm x3 | |
サイド(側面) | 140 mm x2 120 mm x3 | |
ボトム(底面) | – | |
付属ケースファン | トップ(天面) | – |
フロント(前面) | – | |
リア(背面) | – | |
電源トップ | – | |
防塵フィルター | – | |
拡張スロット | 4 | |
ドライブベイ | 5.25インチベイ:なし | |
3.5インチベイ:x1 | ||
2.5インチベイ:x2 | ||
インターフェイス類 |
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サイズ | 横幅330 x 高さ440 x 奥行き280 mm | |
重量 | 4.26 kg | |
保証 | 1年間 |
Geometric Futureは中国の比較的新しいPCケースメーカーです。ひとめ見てすぐにGeometric Futureと分かる、独創的なデザインと1台で複数のパーツレイアウトに対応できる柔軟な内部設計を武器に人気を集めつつあります。
今回レビューする「Model 2 THE ARK」は、Mini-ITX(またはMicroATX)フォームファクタに対応する、コンパクトなミニPCケースです。
組み込むパーツの大きさに応じて、異なる取付金具(ブラケット)が用意されています。ブラケットの使い分けにより、最大で8パターンのパーツレイアウトに対応可能な柔軟性が大きなメリットです。
たとえば「MODE D」レイアウトなら、Mini-ITXフォームファクタの狭い空間に最大350 mmのグラフィックボード(最大4スロット)と奥行き180 mmの電源ユニット、さらに360 mmラジエーターを備えるAIO(簡易水冷)まで搭載できます。
小型ながら、大型PCパーツを無理なく組み込める内部設計です。
マザーボードのマウンティングプレートをある程度スライドできる機構を採用し、Mini-ITXまたはMicroATXサイズのマザーボードを搭載可能。
ただし、MicroATXだと見ての通りかなりカツカツな状況なので基本的にMini-ITX推奨です。
カラーバリエーションは全3色
全面メッシュタイプが2色(白・黒)、全面3Dカーブドガラスタイプが1色(グレー基調)、全部で3色のカラーバリエーションが用意されています。
メッシュタイプはスチール製フレーム(1.0~1.5 mm厚)と、プラスチック製のメッシュパネルで構成されます。ガラスタイプはメッシュパネルを3Dカーブド強化ガラス(2.0 mm厚)に置き換えた高級モデルです。
Model 2 THE ARKを実機レビュー
パッケージと梱包をチェック
Mini-ITXケースの割に大きい梱包で届きました。梱包サイズは140サイズ(高さ38 cm x 横幅36 cm x 奥行き51 cm)です。
分厚い発泡スチロール製の梱包材でぎっしりと保護されています。
黒い不織布のような袋にModel 2 THE ARK WHITE本体がすっぽりと収まっています。
ケースを分解しながら内部構造を把握
Model 2 THE ARKは普通のPCケースと違い、かなり独特な内部構造です。
パーツを取り付ける金具(マウンティングプレート)が複数集まってできた、集合体のような設計で構成されています。初見だと直感的に分かりづらいため、実際に分解しながら中身を見ていきましょう。
四方にあるメッシュパネルを取り外します。トップパネルとボトムパネルにある合計8本のネジで固定されているので、普通のプラスドライバーでネジを外します。
トップパネル側のネジを外した状態です。
同じ手順でボトムパネルのネジ4本も取り外します。
全部で4枚あるメッシュパネルが、ケース本体から剥がれました。
大量のパンチングホール加工が施されたサイドパネルです。最近トレンドな通気性に特化したデザインで、静音性を捨てる代わりに高い冷却性能(エアフロー)を確保できます。
メッシュパネルの次は、PCケースの形状をがっつり支えている外装フレームを取り外します。
外装フレームは合計4本のネジで止められています。トップパネル側に2本、ボトムパネル側に2本ネジがあります。
4本のネジを取り外し、外装フレームを掴んで引っ張るとあっさり外れます。
4枚のメッシュパネルと外装フレームを取り外して、ようやくケースの中にある付属品ボックスを取り出せそうです。
結束バンドをハサミで切って、付属品ボックスを無事取り出せました。
先ほど付属品ボックスがあった場所に、手回しネジが付いています。
手回しネジを外して、ボトムパネル側で押し出すと金属プレート(3.5インチ / 2.5インチ兼用のマウントベイ)を取り出せます。
- 2.5インチSATA SSD(SATA HDD)を最大2台
- または2.5インチSATA SSD(SATA HDD)
3.5インチSATA HDDをそれぞれ1台
を固定できます。
ただし、SATAデバイスの増設は2本のケーブルを必要とするため、ケース内部の空間に限りがあるMini-ITXケースとの相性が悪いです。
残るマウンティングプレートは2枚のケースファン用(ラジエーター用)フレームです。
フレーム1枚につき、トップパネル側に2本、ボトムパネル側に2本のネジで固定されています。
全部で8本のネジを取り外し、ケースファン用(ラジエーター用)フレームを取り出せました。
白く塗装されたスチール製のケースファン用(ラジエーター用)フレームです。
140 mmケースファンを最大2個、または120 mmケースファンを最大3個まで固定できます。ラジエーターは360 mm(長さ399 mm)まで対応します。
付属品とインターフェイス類をチェック
付属品ボックスの中身です。さすがにいい値段がするPCケースらしく、やや充実した内容の付属品です。
配線用の結束バンドやマジックテープが付属します。
マウンティングシートはかなり大きめで、Model 2 THE ARKケース本体を横置きにしてもカバーできる面積です。外装フレームにホコリが付きやすいので、丁寧にクリーニングクロスが付属しています。
説明書は中国語と英語で書かれていて日本語訳はないものの、組み立て工程がCG画像で分かりやすく説明されていて、すんなりと頭に入ってくる完成度の高いガイドです。
「NOAH(ノア)」と名付けられたUSBハブが付属します。PCケース本体にインターフェイスが一切配置されていないので、外出しのUSBハブで補う狙いです。
付属品のUSB Type-Cケーブルで、マザーボード上のフロントパネルType-Cヘッダーに接続して機能します。
正面にUSB Type-A(10 Gbps)が3つ、USB Type-C(10 Gbps)が1つです。
一応、各USBポートは充電も対応します。試しにGalaxy S23をUSB Type-Cポートに挿し込むと、約2.3~2.4 W(4.7 V x 0.5 A)で給電されます。・・・無いよりマシ程度の充電速度です。
反対側にマイク入力とヘッドホン出力端子があります。
付属品※クリックで拡大します | |
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VGAブラケット拡張カードの固定フレーム | |
PSU用ブラケット電源ユニットの固定フレーム | |
PSU用サポートステイ電源ユニットの固定フレーム | |
PSU用サポートステイ 電源ユニットの縦置き用フレーム | |
PSU用ブラケット電源ユニットの固定フレーム |
白く塗装されたスチール製フレームの付属品は、グラフィックボード(拡張カード)または電源ユニットの固定用フレームです。パーツレイアウトに合わせて使用するフレームを切り替えます。
付属品※クリックで拡大します | |
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丸頭ネジ2.5インチの固定 | |
低頭ネジ3.5インチ / 電源 / マザボなどの固定 | |
スタンドオフネジMini-ITX用のスタンドオフネジ | |
手回しネジ Mini-ITX用の固定ネジ | |
スタンドオフネジMicroATX用のスタンドオフネジ | |
プラスネジ → 六角変換スタンドオフネジの固定に便利 |
ネジもたくさん付属します。
注意点として、マザーボード用のスタンドオフネジが2つ用意されています。Mini-ITX用は2種類のネジで挟み込むように固定するタイプです。MicroATXは一般的なPCケースでよくある普通のスタンドオフネジです。
実際にPCパーツを組み込んでみる
Model 2 THE ARKにPCパーツを組み込んでいきます。コンパクトサイズながら、割と拡張性のある内部構造だったのでCore i9 13900K + RTX 4080のハイエンド構成を詰め込んでみます。
マザーボード用のマウンティングプレートです。出荷状態では、スタンドオフネジが何も取り付けられていないまっさらな状態なので、自分でスタンドオフネジを取り付けます。
なお、マウンティングプレートに数字が刻まれています。ネジを緩めてプレート自体をスライドすると、搭載できるグラフィックボードの長さを調整可能です。
最小300 mm~最大350 mmの間で調整できるようですが、300 mmに近づけるとマザーボードのI/Oポートが非常に狭苦しくなります。
逆に350 mmへ広げるとMicroATXマザーボードと電源ユニットの物理的な干渉が生じやすくなります。結果的にバランスよく扱いやすい330~340 mm前後で使うケースが多そうです。
なお、今回使うグラフィックボード「Gainward RTX 4080 Phantom」はボード全長がおよそ330 mmで、出荷時の340 mm設定で問題なく収まります。
マザーボードにMini-ITX用のスタンドオフネジ(合計4本)を取り付けます。Mini-ITX用のスタンドオフネジと、裏側から固定するための手回しネジを使います。
マウンティングプレートの両側から挟み込むように、2つのネジを固定します。スタンドオフネジに溝が掘られているので、溝とマウンティングプレートの形状に合わせて固定します。
Mini-ITX用スタンドオフネジを4本取り付けました。
Mini-ITXマザーボードを配置して、付属品の低頭ネジで固定します。
次は電源ユニットを搭載します。
ケーブルの配線を考えるとスタンダードな奥行き150 mmタイプがおすすめですが、ハイエンド構成に使えるちょうどいい余っている電源が「Corsair HX850i」しかなかったため、あえてHX850iを詰め込みます。
奥行き180 mmの大きな電源ユニットです。
ATX電源用の固定用ブラケットを、電源ユニットに取り付けます。
PCケースのボトムパネル側に設置します。
低頭ネジを2本使って、電源ユニットのブラケットをボトムパネル側に固定します。
説明書いわく、結束バンドでボトムパネル側に縛り付けるとより安全な固定ができるそうです。
ケース本体を縦置きにする場合、わざわざ結束バンドで固定しなくても問題がないように思えますが、念のため結束バンドでグルッと電源ユニット本体を固定しておきます。
次はグラフィックボードの取り付けです。拡張カード用のブラケットを、グラフィックボードに固定します。
そのままマザーボードのPCIeスロットにグラフィックボードを挿し込みます。
拡張カード用のブラケットを、マウンティングプレート側に低頭ネジ(2本)使って固定します。
Model 2 THE ARK本体に、マザーボードと電源ユニットとグラフィックボードを取り付けた状態です。
グラフィックボードの重量に負けて、ケース本体が少し歪んています。フレーム全体を囲うシャーシ自体は柔軟性のあるプラスチック素材で形成されている都合上、組み立て中だとけっこう曲がります。
簡易水冷CPUクーラーやケースファンを取り付ける前に、電源ユニットのケーブルを先に挿し込みます。
先にケースファン用フレームを戻してしまうと、内部にアクセスしづらくなってしまい、配線の難易度が跳ね上がります。広々とした状態で配線したほうがラクです。
必要なケーブルを電源ユニットに接続します。
各種電源ケーブルをマザーボードに接続していきます。CPU給電コネクタ(CPU 8 pin)や、マザーボード給電コネクタ(ATX 24 pin)を忘れずに。
ついでにPCケースから伸びている「POWER SW(電源スイッチ)」と「ARGBコネクタ(ケース本体のLEDライティング)」も接続します。
外付けのUSBハブを使う方は、マザーボード上のType-Cフロントパネルピンヘッダに、USB Type-Cケーブルを接続しておきます。
なお、Type-C側はPCケースの外側に引っ張り出してください。中に入れたままだとUSBハブにType-Cケーブルを挿し込めないです。
配線が終わったら、簡易水冷CPUクーラー(280 mm)を取り付けます。
ケースファン用フレームの内側に、280 mmラジエーターを固定します。
ちなみに外側でもラジエーターを取り付けられますが、水冷ポンプのホースを通すのが少々面倒でした。
取り付け自体は可能なので好みに応じてラジエーターの取り付け位置を変更できます。今回は説明書に従い、内側にラジエーターを固定するレイアウトで進めます。
ラジエーターをフレーム内側に固定して、140 mm冷却ファンをフレーム外側に固定するスタンダードなレイアウトです。
ケースファンの向きは好みで自由にどうぞ。今回はケース内部に向けて吸気するレイアウトです。PCケースの外気をラジエーターに当てられ、CPUの冷却性能がやや有利になります。
水冷ポンプから伸びているUSB給電ケーブルをマザーボードに接続します。
冷却ファンの4 pinコネクタも忘れずに。配線する前に簡易水冷CPUクーラーを取り付けると、あまりにも空間が狭くて配線が困難でした。
水冷ポンプを固定します。
簡易水冷CPUクーラーをケース本体に固定します。
反対側から見た様子です。かなりパソコンらしい見た目に戻ってきました。この調子で残りのマウンティングプレートを元に戻していけば完成です。
グラフィックボードの配線を忘れていました。
Model 2 THE ARKはMini-ITXケースの割に空間が広いおかげで、12VHPWRコネクタの接続にかなり余裕があります。グルッとケーブルを回し込んで、無理な負担なく接続できます。
残りのケースファン用フレームに、140 mmサイズのケースファンを増設します。
簡易水冷CPUクーラーのファンだけで十分なエアフローを得られるケース構造ですが、ケースファンの向こう側にちょうどマザーボードのVRMフェーズが位置します。
マザーボードのVRM周りに風を直撃させて冷やす狙いで、ケースファンを1つだけ増設しておきます。
ケースファンを取り付けたフレームを元の位置に固定します。
外装フレームやメッシュパネルを戻す前に、電源ユニットから伸びている各種ケーブルをまとめます。
ケース本体の隙間にケーブルを押し込んで、押し込められたケーブル同士を結束バンドで縛るといい感じに配線がまとまりやすいです。
ケースファンの配線もついでにまとめます。宙ぶらりんだと冷却ファンに配線が巻き込まれる危険性があります。
電源ユニットにアングルACケーブルを挿し込みます。そのままだとメッシュパネルが邪魔で電源ケーブルをさせない仕様です。
いよいよ外装フレームを元の場所に戻す作業です。
外装フレームを挿し込み、4本のネジで固定して完了です。
全部で4枚あるメッシュパネルも戻します。
ほとんど干渉なくメッシュパネルを元に戻せました。
もっぱらメッシュパネルは装飾目的の側面が強く、固定が緩めでも実用上の問題が生じないです。この特性を利用し、ネジを少しだけ緩めに締めると角度調整ができます。
おかげでケーブルがギチギチの電源ユニット側ですら、見た目よりも内部空間に余裕が残っています。
それでもマザーボードのI/Oパネル周りの空間はかなり狭いです。メッシュパネルのネジをいったん外せば、なんとか手を入れられる程度の空間しかなく、正直かなり不便に感じます。
無線マウスや無線キーボードのドングル、LANケーブルやヘッドホンケーブルなど、挿しっぱなしのデバイスなら問題ないです。一方、ポータブルSSDなど取り外しが多い用途では明らかに不便です。
I/Oパネルによくアクセスする用途なら、あえてメッシュパネルを外したままにするといいかもしれません。メッシュパネルを外した側をデスクの壁側に向ければ見えないです。
もうひとつの対処法が付属品のUSBハブ「NOAH(ノア)」です。
マザーボード上のType-Cフロントパネルピンヘッダから引っ張り出してきたType-Cケーブルを、USBハブに接続すると機能します。
複数のポータブルSSDも問題なく機能します。
最大40 Gbps対応のポータブルSSDをUSB Type-Cに接続し、Crystal Disk Markで転送速度を測定すると最大10 Gbpsで動作します。
マウンティングシートを敷いて完成
付属品のマウンティングシートを敷いてModel 2 THE ARKの組み立てが完了です。
電源を入れると、トップパネル側のLEDライティングが控えめに光ります。ボトムパネルやサイドパネルはまったく光りません。
どの角度から見ても、常に同じデザインが繰り返される幾何学的(Geometric)なデザインです。
あまり他のメーカーでは見かけない、曲線的で丸みを帯びたユニークなデザイン性が目立っています。一般的なPCケースによくある四角形のフォルムに見慣れていると、Model 2 THE ARKのデザインは独特な雰囲気に見えます。
Model 2 THE ARKと27インチモニターと並べてみた。こうして見ると、小型ケースとミニタワーケースの中間くらいのサイズ感です。
縦置きなら一般的なPCケースの4~5割程度のフットプリントで済むので、PCケース本体によるデスクの専有面積を確実に減らせます。逆に横置きだと普通のPCケースと大差ない専有面積です。
長時間のストレステストで温度テスト
グラフィックボード用のストレステスト「3DMark Speed Way(30分モード)」で、搭載したグラフィックボード「RTX 4080」のGPU温度が飽和するかベンチマークした結果です。
テスト開始直後に78℃まで上昇し、その後テスト終了まで平均76℃で推移します。全面メッシュパネルなだけあって、抜群の冷却性能です。
CPUに負荷をかける「Cinebench R23(30分モード)」で、搭載したCPU「Core i9 13900K(PL1:230 W / PL2:253 W)」のCPU温度をベンチマークした結果です。
グラフィックボードと同じく、CPU温度もすぐに飽和します。30分間で平均88℃(最大96℃)で、特に問題ない冷却性能です。
グラフィックボードの温度もテスト中ずっと40℃前後で目立った変化なし。CPUの放熱がグラフィックボードにほとんど影響を与えず、そのままトップパネル側から放出されている様子です。
VRMフェーズ回路(MOSFET)の発熱もチェック。
ケースファンの風がそのままVRM周辺に直撃するため、200 W超えの負荷が30分続いても問題なく冷えています。VRMサーマルスロットリングらしき症状も確認されず、安定した動作状況です。
まとめ:他人と被りたくない個性派におすすめ
「Model 2 THE ARK」の微妙なとこ
- とっつきにくい組み立て工程
(一度分解するとすぐ慣れます) - I/Oパネルへのアクセスが悪い
- USBハブの機能が物足りない
- 値段の割に素材感がやや安っぽい
- ツールレス設計が皆無
- メッシュパネルで遮音性なし
- 円安の影響もあり価格がやや高い
(為替と税金的には適正価格)
「Model 2 THE ARK」の良いところ
- 小型な割に柔軟性のある内部構造
- 狭いようで大型PCパーツに対応可能
- 他では見かけない独自のデザイン性
- 全面メッシュパネルで通気性抜群
- 各フレームの取り外しが簡単
- 最大350 mmのグラフィックボードに対応
- 最大360 mmの水冷ラジエーターに対応
- 裏配線が意外とまとめやすい
- 説明書がとても分かりやすい
- 便利なUSBハブが付属
- 全3色のカラーバリエーション
本質的にModel 2 THE ARKは、Mini-ITX(MicroATX)対応のオープンフレームに、Geometric Future独自のデザイン性を施したプラスチック製シャーシを合体させたような設計です。
日本市場で非常に好まれるコストパフォーマンスに真っ向から相反するPCケースだと言わざるを得ず、間違いなく人を選びます。
それでも・・・Model 2 THE ARKは個人的に好みなPCケースです。
曲線的で丸みを帯びたフォルムで、一般的なPCケースであまり見かけないデザイン性はとにかくユニーク。他の人と被りたくない、個性の強い自作PCユーザーに刺さる一品になるかもしれません。
同時に中国市場の懐の深さが垣間見えます。万人向けでなく、コストパフォーマンスも決して良いと言えない製品をこうして作ってしまう程度に、中国の自作PC市場は広大だと容易に想像がつきます。
以上「Geometric Future Model 2 THE ARKレビュー:Mini-ITXと柔軟性の両立を目指す独創的PCケース」でした。
他にもある「PCケース」実機レビュー
【予算別】自作ゲーミングPCの構成例
「さすがにいい値段がするPCケース」という割にはどこを読んでも値段が書いてないんだぜ・・・
いくら買ったんじゃなくて提供であっても「どれくらいするものか」くらいは書いてほしい(ググれカスっていうのはなしで)
ぐぐれカスも何もリンク飛んだら値段あるやんけ
検索すれば分かるとしても価格情報は記事内に欲しいですね
飲食店とかスイーツのレビューでも値段書いてないとイラッとします
ちなみにこのケースは3万くらいします
ケースファンも付いてないのに3万は相当いい値段ですね
silverstoneのFT03やphanteksのEVOLV SHIFT使ってたことあるのでこういうレイアウトのケース好きなんだけど、グラボの出力ポートが上向くと冷却性が結構落ちるみたいな検証を昔見たことあるのが気がかりなんだよね
意外とヒートパイプが重力の影響受けるみたいな話だったと思うんだけど、こういうレイアウトのケースが増えてる今でもそうなのか一度ちもろぐでも検証してみてほしいな
モデルによっては影響出ます
RX7900XTXのリファはもろに影響出てホットスポットが出ますよ
自分の個体が不良かと思ってASKに問い合わせて検証してもらいましたがどの個体でも垂直ケースに入れたらホットスポットが出たとのこと
techpowerupとかで分解したの見るとヒートパイプのレイアウトとか取り回しが結構違うんですよね
特殊なレイアウトだから仕方ないとはいえ少しでも適したクーラーのGPUが分かると多少でも安心できるんですけどね
ヒートパイプ通して液体で熱輸送してるのだから重力の影響は今でも受けるでしょうよ
お疲れさまでした。
[説明書いわく、結束バンドでボトムパネル側に縛り付けるとより安全な固定ができるそうです。]
急な力技が出てくるの面白過ぎる.
あとはせっかく分解したラジエタそのまま組付けちゃうのステキです.
エアフロー凄い良さそうな開放型ケースだぁ(埃の餌食とトレードオフだけどこれも解の一つではある)。
複雑な形状同士のプラ成形で精度を保ちつつ、これだけ部品点数が多いとそりゃ高くなるのも頷けます。
構造の点だと嵌合がツメではなくネジ止めなのが好感を持てますね。
組み付けバラしを繰り返すとだいたいツメは割れるか欠けて来ますので個人的にはこの辺りは大事です。
真っ白の樹脂なので経年での褪色黄変や罅もあるでしょうが、しかしそれも白の宿命ですし数の出にくいデザイン系のケースで
尖ったまま「それでも」と世に出て来る、受け入れられる土壌があるというのは市場の裾野が広い証拠ですね。
望んだ美しいままの姿で市場へ送り出す前にどこかで妥協して、価格は抑えられたが均整が台無しになったプロダクトは枚挙に暇がない中で、
こういった製品がリリースされ取り上げられるのは嬉しい話題です。
レビューお疲れ様でした。
中華メーカーも最近日本市場ドンドン進出してますね。選択肢が増えるので嬉しい限りです。
XBOX Series Xの廉価版って言われたら一瞬信じるかも。
まあ相当ウルサそうなケースではある
オシャレ全振りなんだから他は我慢しろって事よ
オシャレってそういうもの
グラボの巨大化でよくたわみが問題になってるけど、
このタイプの縦置きだとグラボへの構造的負荷ってどうなるんだろ?
従来の横置き式よりは大分改善されるけど、やっぱり接続部への負荷は
結構ある感じになるのかな?
埃、埃があ〜〜っ!