自作PCで地味にイラッとするのがWindows 10の値段の高さです。特に予算を重視する人なら、軽く1万円を超えるWindows 10は無視できないコストになる。
そこで気になるのが「DSP版」や「OEM版」ですが、「パッケージ版」と何が違うのか。サックリ簡潔にまとめて解説します。
前提:Windows 10本体は「無料」です
まず最初に「知っておいた方が絶対にお得」な事実について紹介します。それはWindows 10そのものは無料で入手できるということです。
Microsoftの公式サイトでは、Windows 10のインストールメディアを「ISO」という仮想ディスク形式で無料ダウンロード可能。
これをダウンロードしてDVDやブルーレイに焼いたり、USBメモリに「Rufus」というソフトを使って書き込むことでインストールメディアを作成できます。
そして驚くことにプロダクトキー(ライセンス)を持っていなくても、インストール自体は可能な仕様になっています。
ライセンスの無いWindows 10は使えるのか?
プロダクトキーを入力せずにインストールしたWindows 10は、意外なことに普通に動作します。ゲームもインストールして遊べるし、驚くほど普通に動く。
ただし、使用制限が3つあります。
- 画面の右下に「ライセンス認証してください」という旨の透かしが表示される
- デスクトップの背景などを設定できる「個人設定」が利用できない
- 「Office 365」など一部のアプリケーションを利用できない
個人設定やOfficeはともかく、何をしていても常に透かしが表示されるのが非常に邪魔くさい。逆に言えば、透かしを気にしないなら我慢して使うことは可能。
しかし、あくまでも使えるというだけの話であって、Microsoft社はライセンス認証を放置したまま使うことをライセンス条項にて容認していません。
5. 許可されたソフトウェアおよびライセンス認証。お客様は、(中略)ライセンス認証を無視または回避することは、禁止されています。
「マイクロソフトソフトウェアライセンス条項」より引用
ライセンス条項にも「ライセンスを無視して使うのはやめてね。」と記載がある。無視したら、Microsoftが違反者に対して怒る権利を得るため、原則として透かしを無視して使うのはやめておこう。
プロダクトキーのためにWindows 10を購入する
というわけで、Windows 10本体はわざわざパッケージ版を購入せずとも入手できるため、実際に購入しているのは「プロダクトキー」ということになります。
このプロダクトキーの販売形態によって、価格が違ったり、ハードウェアの制限やライセンス条項の制限が違ったりするわけです。2019年時点で販売形態は4つあります。
- パッケージ(Full Retail)版
- DSP(Delivery Service Partner)版
- OEM(Original Equipment Manufacturer)版
- VL(Volume License)版
同じプロダクトキーなのに入手方法は4つもあるなんて、実にややこしい状況ですね。しかも同じキーとは言え、微妙に制約が違うのも厄介なところです。
では、以下より順番に販売形態ごとの違い(メリット・デメリット)について分かりやすく解説していきます。
パッケージ版:万人におすすめです
パッケージに入った状態の、もっとも一般的な販売形態です。パッケージ版のWindows 10には、インストール用のUSBメモリとプロダクトキーが同封されています。
価格はHome版が約15000円。Pro版は約25000円で、大抵の場合もっとも値段の高い販売形態です。自作PCを初めてするなら一番「無難な」Windows 10の入手方法ですね。
パッケージ版の良いところ
- 非正規品に当たる可能性は低い
- Microsoftアカウントにプロダクトキーを紐づけ可能
- 無償ユーザーサポートを受けられる
- WindowsデザインのUSBメモリが手に入る
最大のメリットは認証したプロダクトキーを、パソコン本体ではなく自分のMicrosoftアカウントに紐づけできるという点にあります。
だから新しいパソコンに乗り換えようとなった場合、パッケージ版以外のライセンスでは新しいパソコンでプロダクトキーの認証が通らないようになっています。
そのため「電話認証」というやや面倒な手順を踏む必要が発生する。一方のパッケージ版は、Microsoftアカウントにプロダクトキーを登録できる仕様です。
Windows 10 (バージョン 1607 以降) で、デバイスの Windows 10 デジタル ライセンスに Microsoft アカウントをリンクします。これにより、ハードウェアを後で大幅に変更した場合でも、ライセンス認証のトラブルシューティング ツールを使って Windows のライセンス認証をもう一度行うことができます。
新しいパソコンに乗り換えても、同じMicrosoftアカウントを使えば(1回限りですが)引き続き同じライセンスキーで認証が可能です。
同じキーを最大で2回まで使い回すことができるため、パッケージ版の価格は実質「半額」と捉えることが可能ですね。
他のメリットは、ライセンス認証が通らない「非正規品」に当たる可能性が(比較的…)低いこと、ユーザーサポートを受けられること。そしてWindows柄のUSBメモリが手に入ることなど。
「モノ」としてパッケージが存在することによって得られるメリットが少なからずありますね(※Windows柄のUSBメモリに魅力を感じるかどうかは個人の好み次第ですが)。
パッケージ版の微妙なとこ
- もっとも高価なWindows 10
パッケージ版の弱点は値段が高いことに尽きますが、最近はDSP版との価格差が縮小しており、時期によっては価格差がまったく無い場合すらあります。
それでも時期によってはHome版で3000~5000円くらいの価格差がつくことがある。Pro版に至ってはなかなか価格差が縮まらず、5000円くらいの差が未だにあります。
価格差が縮小しているタイミングなら良いのですが、運悪く5000円くらい開いている場合は「DSP版を選ぼうかなぁ。」となってしまうのが自然です。
DSP版:少しでも安くできる選択肢
DSP(デリバリー・サービス・パートナー)版は、ものすごくザックリ説明すると「特定のPCパーツとセットで販売されるライセンス」という扱いの販売形態です。
基本的にはパソコンショップ(ドスパラやパソコン工房)など、PCパーツを取り扱っている店舗や通販サイトで「セットでお得」みたいな形式で販売されていることが多い。
実際にぼくがAmazonで購入したDSP版には、写真のように見るからにショボい申し訳程度の「USBポート増設カードがセット」になっていました。
DSP版の良いところ
- 非正規品に当たる可能性は低い
- (Pro版は)パッケージ版より安い
- PCパーツとセット買いで「お得」
DSP版のメリットはパッケージ版より価格が安いこと。なんですが、2018年の中頃からHome版に限ってDSP版とパッケージ版の価格差が小さくなっています。
販売店によっては2000円くらいの差額が付く場合もあるものの、Amazonなどの通販では差額が全くないことも珍しくありません。
パソコン工房やドスパラの「バンドルセット」という形式で買うと多少は割安ですが、それでもそれぞれの値段をよく調べると1000円くらいの差額があるかどうか…です。
「予算を抑えて安く自作するならDSP版」と言われている時代があったし、ぼくもつい最近までそのような認識を持ったままでしたが、最近はそうでもないな。というのが率直な意見。
Home版ではなくPro版を購入するつもりなら、DSP版を選ぶメリットは大きいですが、普通にHome版を入手する場合はパッケージ版の方がメリットは大きいですね。
DSP版の微妙なとこ
- (Home版は)パッケージ版との差額が小さい
- プロダクトキーはマザーボードに紐付けられる
- 無償ユーザーサポートはない(※販売店のサポート有)
- DVDドライブが必要
Home版をDSPで入手するメリットはとても薄くなってしまいました。
しかしPro版なら5000円の価格差がザラにある状況なので、まだまだ価格的なメリットが大きい。一方で、安い分だけデメリットもあるのでしっかりと解説します。
パッケージ版のプロダクトキーがMicrosoftアカウントに紐づけ可能なのに対して、DSP版のプロダクトキーはマザーボードに紐付けられてしまうので注意が必要です。
- パッケージ版:初回と2回目までプロダクトキーの認証ができる
- DSP版:初回だけしかプロダクトキーの認証ができない
もし頻繁にパソコンを新しく作り変えるハードユーザーなら、DSP版ではなくパッケージ版の方がおすすめかもしれない。
ここで「かもしれない。」と言った理由は、実は電話認証でなんとかなる場合が非常に多いからです。ぼくはWin 7 UltimateとWin 10 Proで経験がありますが、事情を説明すると電話認証は基本OKでした。
でも3~4年くらい前の話なので、今も電話認証がすんなりと通るかは分かりません。
他のデメリットはMicrosoftの無償サポートを受けられないことが挙げられますが、あくまでもMicrosoftのサポートが原則無いだけで、販売店によっては独自のサポートを展開している。
例えばドスパラは「DSP版Windows 10 相談・サポート窓口」というサポートを独自に行なっています。一方でパソコン工房は「販売店でのサポートはございません。」と明記し、サポートやる気ゼロです。
販売店によってサポートの程度はマチマチなので、(サポートを受けるつもりなら)事前によく調査してから購入することをおすすめします。
最後にもうひとつの注意点。パッケージ版と違って、DSP版は「DVD」形式のインストールメディアなので、DVDドライブが無ければインストールは出来ません。
DVDドライブがない場合は、2000円くらいの安いポータブルドライブでもいいので用意するのを忘れずに。
DSP版はDVD形式のインストールメディアが付属しますが、バージョンが最新版ではなかったり、(確率は低いですが)マルウェアを仕込んだカスタム版が入っている場合もあります。
なので、Microsoftの公式サイトから「ISO」をダウンロードしてきて、USBやDVDに自分で入れてインストールメディア化する方が安全です。公式ISOがもっともセキュアなWindows 10です。
OEM版:「非正規品」のリスクがあります
OEM(Original Equipment Manufacturer)版とは、「パソコンを販売する人向けに販売されるライセンス」という扱いになっている、DSP版と似ているようで微妙に違うライセンスです。
少なくともWindows 7が登場した頃から、海外では激しく論争が交わされてきたクセモノライセンスと言っていいでしょう。Microsoft自身も、幾度となく公式見解を変えてきたライセンスです。
だから原則自作PCに使うべきではないライセンスになります。本来、パソコンを販売している人向けに流通するはずのライセンスが、単品で入手できるのは不可解な状態と言えるでしょう。
一方海外では「私は自作したパソコンをいずれ友人に売るつもりだ…(そう、いずれはね)」という論理によって、OEM版のインストールはOKだし、MSのモデレーターまでもがOKを出している状況※。
※モデレーターの意見はMicrosoftの公式見解ではありません。モデレーターによって意見も完全に分かれています。
そして何より、パッケージ版やDSP版と比較して「非正規品」に当たる確率も高くなる。
確かに言われてみれば「非正規品」の定義を行っていなかったので、Microsoftが運営しているWindows Blogsより「正規品と非正規品の違い」を引用します。
Windows が正常にインストールされ、適正にライセンス認証され、改ざんされていることを確認できない場合は、デスクトップにウォーターマーク(透かし)が表示され、正規品ではないことがユーザーに通知されます。このウォーターマーク(透かし)が表示された場合は直ちにそのデバイスの購入元に返品し、正規の Windows デバイスをお求めください。
ライセンスキーの認証が終わったにもかかわらず、右下の「透かし」が表示されたままなら「非正規品」です。
非正規品は、悪質な業者により実際には利用できないプロダクト キーをセットにしたものがほとんどです。
もう一つは「そもそも認証すら出来ないプロダクトキー」も、「非正規品」として扱われています(※ただしこちらはWindows 10について言及されていない古いページです)。
- 認証したのに「透かし」が表示される
- そもそも認証が通らない
日本国内においては、以上の条件に合致するプロダクトキーが「非正規品」です。そして、
非正規品の利用は、使用許諾違反につながる場合がありますので十分ご注意ください。
「非正規品」を使用することはライセンス条項に違反する可能もあります、とMicrosoftはしっかりと釘を刺しています。他には、
パソコンに付属している WindowsのDVDがパソコンと切り離されて販売されることはございません。パソコンメーカーのロゴが DVD 等に印刷されていても、それは正規品ではございません。
たとえばドスパラのパソコンにはWindowsのディスクとプロダクトキーが付属していますが、パソコン本体から切り離してキーだけを売ることは容認されていないという意味です。
しかも理屈で考えると、パソコンに付属しているプロダクトキーは既に付属されているパソコン側にインストールと認証が行われています。一度認証したキーを別のPCで2回使うことは出来ません。
だから「そもそも認証できなかった。」というトラブルが発生するわけです。
結局のところ、OEM版そのものを入手するしない以前に、売っていること自体がMicrosoftのライセンス条項に違反しているため買わないことを推奨する。
OEM版の良いところ
- 傾向としてDSP版よりも安いことが多い
日本でもOEM版の販売サイトを紹介するサイト(例:Microsoft Windows / Officeが全部格安の桃源郷があった!など)は多く、海外だと名だたる巨大メディア※でも紹介されています。
その最大の理由がDSP版よりも安いからです。俗に言う「鍵屋」と呼ばれる業者が販売しているプロダクトキーは確かに異様なほど安価ですが、ほとんどの場合「OEM」と明記されています。
だから販売自体がライセンス的にマズいはずですが、普通に売っているのが現状です。
※有名なところだと「Tom’s Hardware」「Guru3D」など。海外ではOEMライセンスの転売や個人利用は合法(=ライセンスとは別…)という見解になっている影響だと思います。
OEM版の微妙なとこ
- OEM版の単品販売はライセンス違反(のはず)
- 正常に動作しない「非正規品」の確率が高い
- OEM版を名乗るライセンスの購入は完全に自己責任
OEM版の販売はライセンス的にダメなので、入手出来てしまうこと自体が異常な状態ではあるのですが、販売業者の数が世界中に多すぎて対処しきれていないのが現実。
加えて、OEM版のライセンスは「そもそもライセンス認証できない。」「出来たと思ったら透かしが表示される。」など、正常に動作しない「非正規品」に該当する確率も高い。
ただ…「非正規品」自体はOEM版に限らずDSP版でも結構ありますし、Amazonだとパッケージ版の方が非正規品の被害は目立っている状況※。OEMに限らずどんな販売形態にもありうるリスクになっています。
※特に「コンディション:中古品」には注意。ライセンス条項4-bを根拠にした転売が行われていますが、非正規品の可能性は多少なりとも高いです。
もしもパッケージ版やDSP版を謳っているにもかかわらず、正常に動作しない「非正規品」を引いてしまった場合は販売プラットフォームに対処を求めること。
Amazonの場合は非常に高確率で返金処理を行います(※別にソフトウェアに限った話ではなく、Amazonは驚くほどすんなりと返金処理や返品交換に応じます)。ヤフオクは個人間売買なので非常に厳しいです。
まとめると「OEMと明記されているWindows 10」は買わないこと。が結論になりますし、Microsoftも「PCと別売りになってるOEM版は買わないでね。」と言っています。
そういえば「VL版」とは?
企業向けの「まとめ買い」専用ライセンスです。100個~数万個単位での大量のプロダクトキーを、Microsoft(または代理店)が法人に対してまとめて販売する形式になります。
個人が入手するのは難しいですが、パッケージ版やDSP版を装って紛れている可能性が少なからずある。動作する可能性は極めて高いので一見「正規品」に見えるのが厄介なところ。
しかし、
(筆者追記:ボリュームライセンス)キーは、お客様の組織に割り当てられており、その組織内でのみ使用が許諾されています。
というわけでVL版のWindows 10を見かけても買わないこと。たとえ「正規品」として正常に動作しても、本来の持ち主である組織に何かがあると「非正規品」に格落ちする可能性が高い。
たとえば…VL版をわざと流出させている組織にBSA(Business Software Alliance)が怒りに行ったりして契約を解除されれば、その組織が持っていたVL版のキーはすべて無効化される(はず)です。
VL版のように正規品から非正規品に格落ちするのに時間がかかるライセンスの場合でも、今すぐに「ライセンスの種類」を調べる方法があります。
コマンドプロンプトを開いてslmgr /dliと入力してEnterするだけでライセンスの種類が表示されるので、確かめたい人はやってみると良いです。
- RETAIL channel:「パッケージ版」
- OEM_DM channel:「DSP版」または「OEM版(メーカー製は問わず)」
- OEM_SLP channel:「OEM版(メーカー製PC)」
- OEM_COA_NSLP channel:「OEM版(メーカー製は問わず)」
- VOLUME_MAK channel:「VL版」
- VOLUME_KMSCLIENT channel「VL版」
なお、Windows 7や8.1から無償アップグレードした場合は「RETAIL channel」になるそうです。「元々はDSP版だったのにオカシイ。」と思っても、そういう仕様なので大丈夫です。
※ COA=Certificate of Authentication(プリインストールされたOEM版) / NSLP=Non System Locked Pre-installation(ブランド制限の無いOEM版) / SLP=System Locked Pre-installation(ブランド制限のあるOEM版)
まとめ:Home版かPro版かでオススメは違う
ここまでWindows 10の4種類の「販売形態」について、順番に基本的なことやメリットと弱点を解説してきた。あらためてそれぞれの特徴を表にまとめてみます。
販売形態 | キーの制限 | メリット | 弱点 |
---|---|---|---|
パッケージ版Full Retail | Microsoftアカウントに紐づけ | もっとも安全で安心 | 値段が高い |
DSP版Delivery Service Partner | マザーボードに紐づけ | パッケージ版より安い | 2台目で認証しにくい |
OEM版Original Equipment Manufacturer | DSP版より安い | 「非正規品」のリスクが高い | |
VL版Volume License | 契約(契約期限)に紐づけ | 法人なら単価が安い | 単品販売はマズイです |
ネット通販などで販売されていても特に問題ないのは「パッケージ版」と「DSP版」の2種類に限られる。「OEM版」「VL版」は単品販売を許可されていないので、通販などで売っていたら手を出さないこと。
正常に動作する正規品の可能性もありますが、パッケージ版やDSP版と比較するとマトモに動作しない非正規品の可能性も高いです(まぁ…通販だと多少はマシ程度のリスクですが)。
だから「この商品はOEM版です。」とか「VL版として大量に降ろしたから低価格にできました。」などと商品説明に記載があるWindows 10は買わないようにしましょう。
「Home版」ならパッケージ版で問題なし
Windows 10の「Home版」を買う場合は、今ならパッケージ版の方がメリットが大きい。
Win 10黎明期の頃みたいに、パッケージ版が18000円くらいでDSP版が12000円くらいなら考えものですが、最近は価格差が少なくなっているためDSP版を選ぶメリットが非常に薄れています。
パッケージ版ならUSB形式のインストールメディアが付属するのでDVDドライブが無くてもインストールが可能ですし、パッケージ版のプロダクトキーは新しいPCでも引き継ぐことが可能です。
「Pro版」はDSP版を選ぶ余地あり
Windows Updateを最大365日に渡って保留できるなど。業務で差し支えが出ないように、いくつか親切な機能を実装しているのが「Pro版」のメリット。
しかし値段は非常に高い。パッケージ版だと25000円で、DSP版は20000円ちょっとで購入できます。5000円の差額は結構大きいと思うのでHome版と違って悩ましいところ。
マザーボードを含む「PCの作り変え」をするつもりならパッケージ版がオススメですが、「パーツの増設」くらいならDSP版を選ぶ余地もあり。とは思いますが、人それぞれの好みに依ります。
【補足 #1】「ハードウェアの大幅な変更」とは?
そういえばMicrosoftは「ハードウェアの大幅な変更があるとプロダクトキーの認証が解除される」と言っていますが、そもそも「ハードウェアの大幅な変更」の定義が不明瞭ですよね。
ぼくは定義されていないことが気になる性格なので、手持ちのDSP版Windows 10で検証したところ、ほぼ間違いなく「マザーボードの変更」が定義として正しいことが分かっています。
ハードウェアの変更 | 変更前 | 変更後 | 認証 |
---|---|---|---|
CPUの交換 | Core i7 8086K | Core i9 9900K | 問題なし |
クーラーの交換 | NZXT X62 | 無限五 Rev.B | 問題なし |
マザーボードの変更 | Gigabyte Z370 | ASRock Z390 | 「透かし」が出現 |
メモリの増設 | 8 GB | 48 GB | 問題なし |
グラボの増設 | RX 560 | GTX 1050 Ti | 問題なし |
SSDの増設 | 1個 | 3個 | 問題なし |
HDDの増設 | 1個 | 2個 | 問題なし |
サウンドカードの増設 | なし | X-Fi Titanium HD | 問題なし |
LANカードの増設 | なし | TP-Link USB LAN | 問題なし |
電源の交換 | 750W Gold | 1200W Platinum | 問題なし |
LANカード(NIC)の増設はちょっとマズイのでは、と推測していましたが実際は問題なし。どうやらMACアドレスではなく、独自にマザーボードの情報から「何らかの値」を出して判定しているようです。
結論、マザーボードを変更しない限り、何をやってもプロダクトキーの認証が外れることはありませんでした。CPUの変更ですら問題にならないのは正直ビックリ。
あくまでも、ぼくが(たったの)2台のPCで検証した結果なので、全世界すべてのパソコンに対しても同じ制限と断定するわけではない。参考程度にしてください。
【補足 #2】正規品を買ったのにVLやOEMライセンス?
Amazonで7000円くらいの「DSP版」を購入したにもかかわらず、コマンドプロンプトで調べてみると「OEM版」だったり「VL版」だった場合、購入した側に非はあるのか。
仮に問題なく認証できて、透かしも表示されていないなら「正規品」とは言えそうですが、本来市販されていないはずのライセンスを手にしたわけですから気になりますよね…。
違法に入手されたものと知らなければ、故意はなく、処罰の対象とはならないでしょう。
正規品を売ると言ってオークションに出しておきながら偽物を出したわけですから、詐欺罪が成立する可能性があります。
「ヤフーオークションでトラブル」より
OSの不正利用については、著作権法違反や購入者の方に対する詐欺罪などの刑事法違反が問題となる可能性があります。
とりあえず弁護士たちの見解としては、パッケージ版やDSP版を謳っているにもかかわらず、実際の中身がそれとは違った場合。購入した側に非はないとのことです。
プロダクトキーは「パッケージ版」や「DSP版」を、信頼できる販売元から購入。Windows 10本体はMicrosoft公式ISOをダウンロードして、自分でインストールメディアを用意する。
これが現時点でもっともセキュアなWindows 10の導入方法です。「OEM版」や「VL版」は見かけても買わないように(できれば窓口から報告してあげると親切)。
以上「【Windows 10】パッケージ版 / DSP版 / OEM版の違いまとめ」について解説でした。
自作ユーザーに良い記事ですね。パーツ交換する上で為になりました。
特にProは権限が強いメリットが裏目に出て、PCが丸ごと乗っとられる可能性があるので非常に危険です。
それにしてもライセンス認証しなくても普通に使えるんですね。
Microsoft側も適当すぎる。^^;
< それにしてもライセンス認証しなくても普通に使えるんですね。
普通はPro版までしか使わないのであえて記事には書いていませんが、EnterpriseやLTSBのWindows 10だと、3ヶ月以上ライセンスなしで使うと「1時間後に強制シャットダウン」という制約が付きます。
つい1週間ほど前にそろそろさすがにと思いWin10 Proを パッケージ版で購入しました。ライセンスの違いがよく分からず調べるのに時間かかりました(^_^;)。本記事は纏められていてわかりやすいですね(^_^)。
なるほど・・・勉強になりました。
BTOで購入したPCだと恐らくOEMになると思うんですが、それが故障してマザーボードを自分で入れ替えた時はそのまま使用できました。BTOもマザーボード買ったのもツクモでしたがお店の人には確かに認証が紐づいちゃってたら電話で対応してと言われていました。マザーボードはasus→gigabyteでした。サンプルの1つとして参考までに・・・。
Microsoftのヘルプページを読んでると、どうやら「Windows 10 Ver.1607以降で一度もライセンス認証をしたことがない場合に限り、もう1回だけ認証を通す。」という扱いになっているようです。
DSP版でシステム変更した場合はどうすればいいのですか?
変更して認証が切れてしまった場合は、Microsoftの以下のページを参考にしてください。
「ハードウェア構成の変更後に Windows 10 のライセンス認証をもう一度行う」(Microsoft)
電話認証してもらい新たにプロダクトキーを貰ったのですが、DSPかOEM版だったはずがパッケージ版と同じリテールと表示されていました。これは名前だけでなく中身もパッケージ版と同じになったと言うことで良いのでしょうか?。
中古PCを買ってお金が貯まったので中身を全とっかえしたアホたれです。
ご参考までに・・・
Windows8.1ですがDSP版でマザーボードの変更を行わなくても再認証要求されたことあります。
一気にパーツを交換したわけではないので、それもあるんだと思いますが、CPU、メモリ、増設HDDを経て、グラボの変更だったか増設時にひっかかりました。
マザーボードは確かに一発でも、そのほかのパーツは数さえあれば可能性はあります。
ぼくはレビューの関係で、SSDやグラボを日常的に交換し続けていますが未だに解除される様子はありません。が・・・やっぱり判定にはかなりブレがあるようですね。Microsoftはライセンス条項の内容もそうですが、とにかく表現が「あやふや」で分かりにくい印象を受けます。でもハードウェア変更の定義を言っちゃったら悪用されるかもしれないし、仕方が無いところなのかな。
win7home(DSP)からの無料アプデしたwin10homeをMSアカウントに紐付けした場合は
HW変更(現状2度付け直ししてる)しても普通に新PCに対して紐付け直しできるのでこれが自作PCにおいて無難と言えば無難なのかも(‘ω’)
一応Amazonで売ってるオンラインコード版もありますね
USBなどの内容物は何もないけど、パッケージ版と思えばいいのだろうか?
でも常時パッケージ版より高いんだよな・・・
オンラインコード版が高いのは、おそらく「Microsoft直販」だからです…
Amazonはあまりお勧めできないのでは?
マーケット(Amazonを介した個人商店)と純正な販売ページの違いがわかりにくい為、自作初心者が悪意あるショップにあたる可能性
倉庫内でマーケットと同一商品の在庫を混在している可能性、それによる非正規品の混入リスクを考えると、この記事を参考にする初心者は避けるべきかと
??????????????????????????????
ソフマップで買ったDSP版win10proでライセンス確認したら、OEM_COA_NSLP channelって表示されたんですがこれは一体どゆこと?
ぼくが持ってるAmazonで買ったUSBポート付属のDSP版も、なぜかOEM_COA_NSLP channelって表示されますね。でも、NSLPは「ブランド制限の無いライセンス」という意味でもありますので、変に気にする必要は無いと思いますよ。ブランド制限のあるSLPだったら「えっ…」ってなりますけど。
勉強になります!
ちょくちょく自作記事に出てて前から結構気になってたのですが調べれなかったので助かります。
Microsoft Storeでダウンロード版を買ってしまった…
Windowsって高いなーと思ったけどパッケージ版を直販以外で買えばよかったのか
少し前ですが、windows10proのパッケージ版を買ってしまいました。
もう少し早く、この記事を見たかった。
いろいろなところで調べていたのですが、こうやってまとめてわかりやすい記事はこれから買おうとして迷ってる人向けにはとても為になると思います。
ちなみに自分はyahooショッピングで購入しました。
Windows 7 Professionalから無償アップグレードで使用してますが、
挙動はOEM版と同じぽいですね。
M/Bが一度死んで取り替えたときと、
Intel → Ryzenに全体を乗り換えたときに認証エラーが出ました。
7のプロダクトキー入れてネット認証したら通ったので、
電話認証は幸い経験せず。
自分の場合はヨドバシカメラドットコム経由でダウンロード版WIN 10 Horm 64ビット版 18800円を買ったけど、それで良かったですか!! (今年の初め ポイント13%で2700ポイント貰えたから!!)
自作PCを3台から2台に減らしたのでOSが1台分余ったのですが、何か活用法は無いでしょうか。というか売ってしまいたいくらいなんですが多分それはダメですよね。
ライセンス条項4-bを見る限り、Windows 10を単体で他の人に売ったり譲ったりするのは問題ないです。それにソフトウェアの再販がダメだったら、中古ソフト屋はどうなるんだ…って話ですし。
OSの中古販売があるとは知りませんでした。買取などしている店はあるのでしょうか?
中古というとハードウェアだけかと思っていました
[…] 【Windows 10】パッケージ版 / DSP版 / OEM版の違いまとめ自作PCで地味にイラッとするのがWindows 10の値段の高さです。特に予算を重視する人なら、軽く1万円を超えるWindows 10は無視できないコ […]
記事中で
> 新しいパソコンに乗り換えても、同じMicrosoftアカウントを使えば(1回限りですが)引き続き同じライセンスキーで認証が可能です。
> 同じキーを最大で2回まで使い回すことができるため、パッケージ版の価格は実質「半額」と捉えることが可能ですね。
この「1回限り」とか「最大で2回まで使い回すことができる」という文章が、何のことを言っているのか分かりません。
この回数制限の記述はどこから出てきたものなのでしょうか。
すいません…紛らわしい表現でしたね。
「最大2回まで」とは、初回インストールで1回、新しいパソコンに引き継ぎで1回。これで合計2回。という意味で言っていました。
確かに紛らわしいので、後ほど修正します。ご指摘ありがとうございました。
DSP版でiso作ったほうがいいとありますが、それならパッケージ版でも同じことが言えるってことですか?
BTOパソコンをWindows10homeで購入後、ヤフオクでwindows10 proのプロダクトキーを購入しアップグレードしました。
コマンドプロントで調べると【VL版】でした。この場合、OS をクリーンインストールしてWindows10のエディションをhomeにすればBTOショップで購入した時の状態に戻りますでしょうか?
< OS をクリーンインストールしてWindows10のエディションをhomeにすればBTOショップで購入した時の状態に戻りますでしょうか?
そのBTOパソコンに付属しているプロダクトキーを使えば、元に戻るでしょう。
キーのみ、メール等で送ってくるのは怪しさMAXですが、
まさか非正規にするためにCOAラベルまで偽装するってことは考えにくいとは思いますけどね。
(企業等の大量にある)破棄PCから破棄業者あるいは個人が剥がして、売ってしまうというケースが多いように思います。
OEMは元々バンドルしていたPCでしか使えない、はずなのに
実際はライセンスが通ってしまう事自体が謎です。
あああああ
OEMやDSPでもマイクロソフトアカウントに紐づけはできる様です
2013年製のソニーのVAIO(購入時はwin8)を無料アップグレード期間中にwin10にしてmsアカウントに紐つけしてコマンドでRETAIL(パッケージ版)となってるのを確認しました。これはもう1台認証できるということでいいんでしょうか?
できるという前提で認証した後の挙動について少し教えてください。
①msアカウントで認証した後ローカルアカウントでログインすると認証が外れる。(アカウント紐付きのためアカウントでログインしないと認証状態にならない?)
②同じライセンスで認証された2台のPCを同時に使うことができない。
ネットで調べるとこういう話がありました。どうなんでしょうか?
もう1台ではなく「もう1度」ですね(´・ω・`)
ぼくは1つのライセンスを2台のPCにインストールしたことが無いので分かりませんが、おおむね間違った情報ではないような…、ライセンス条項4-b的にも、2台同時は無理そうな気がします。
DSP版がマザーボードに紐付けられているというのは違います。
新規再インストールする毎に認証が必要と考えれば間違っていないです。
また、マイクロソフトはユーザーのPC構成まで読み取っていないので心配無用です。
CPUクーラーと一緒にDSP版買う人だっているのだから。
あまり難しい事考えずに、サポートが欲しければパッケージ版それ以外はDSP版と考えれば良いですよ。
ノートパソコンには基本的にWindowsがバンドルされていますが、このライセンスは、同じパソコンに別のOSを載せて、そこのVMWareを介して載せようと思うと別にWindowsのライセンスを購入しなければなりません。
こういう用途用に、OEM版からリテール版へのアップグレードできるパスがあればいいなと思います。
そういう希望は無さそうですけど。
Winowsって高すぎるんですよね...
Windows10を無料で入手することはできないぞ?
インストールメディアをダウンロードできるサイトには、
「Windows10をインストールできるライセンスを持っている人のみ」がそこからダウンロード、使用できると明記されている。
基本的にそのサイトは、Windows10を使っている人用なんだけど?
アップグレードしたい人のためじゃないと思うけどね?
こんにちは。
最近久々にPCを組み直したのですが、MB・CPU・グラボ・電源まで入れ替え、インストールしたNVMeSSDとHDDだけは既存流用でやってみたところ再認証なくDSP版が使えました。
本当に認証は謎が多いですね…
それと価格差も2020年になってかなりDSPとパッケージの差が広がっているので内容も更新していただいたほうが私のように新しく来た人にも親切かな…と思います。ご検討いただければ幸いです。
はじめまして。OEM版を使っていますが、かれこれ8回以上マザボ交換していて、そのいずれでもライセンス認証ができています。
既に自動認証が効かず電話認証でないと認証できない状態ですが、自作PCでマザーボードを交換したと伝えて認証が出来たので、もしかすると買ったときのマザボが関係ないケースもあるかもしれません?
参考までに `slmgr /dli` の結果はこちら。
名前: Windows(R), Professional edition
説明: Windows(R) Operating System, OEM_COA_NSLP channel
ライセンスの状態: ライセンスされています
元々はツクモで買ってきたマシンに付いてきた物をずっと使いまわしてます。
(ツクモのマシンのパーツを入れ替えていたら、元々の付属品がOSだけになっていたという…)
パッケージ版に正規MARシールついていたらなー
とか思っちゃう
7とかではついていたのでめっちゃ綺麗に張ってた覚えがあって懐かしい、、、
Great tremendous things here. I’m very glad to look your article. Thank you so much and i am taking a look ahead to contact you. Will you please drop me a mail.
大変参考になりました。
m(_ _)m
アマゾンで買ったパソコンのSSDが2ヶ月でクラッシュ。香港のショップと交渉する気にはなれず、不燃ゴミになっていましたが、この記事を参考にしてWindowsを購入し、復活させてみようと思います。
DSP版は、組み立てPC(ディスクトップ)用に販売されているのでしょうか?
ノートPCにインストールして使用できるのでしょうか?
Windows10 Pro 64 DSP版 を使用しています。今まで4度のマザボードの交換(内3回は同一製品のトラブルによるもの)を行い、その都度ライセンス認証作業が必要になりましたが 問題無く使い続けられています DSP版に 認証回数の上限は無いのかもしれません