もっぱらミニPCで有名な中華メーカー「MINISFORUM」が、マニアックな自作PC向けに「BD795i SE」なるマザーボードを販売しています。
自作PCパーツでも非常に珍しい、オンボード型マザボです。しかも搭載CPUは「Ryzen 9 7945HX」で、1世代前のZen4コアをたっぷり16コア32スレッドも搭載します。
マザーボード自体も意外とパワフル。DrMOSをぜいたくに使用した高性能VRM、Realtek 2.5G LANポート、USB Type-C(DP Alt Mode対応)など。ミドルクラス相当のMini-ITXマザボに匹敵します。
去年(2025年)4月に購入した頃は約6.7万円でしたが、2026年時点で1000円ほど値上がりして約6.8万円から買えます。
同等品のRyzen 9 7950Xが単品でも約8万円前後もするため、ハッキリ言ってコストパフォーマンスが壊れています。16コア(Zen4)にMini ITX板がセットになって6~7万円台です。
(公開:2026/1/15 | 更新:2026/1/15)

MINISFORUM BD795i SEを開封レビュー
パッケージと付属品チェック

今回レビューするMINISFORUM BD795i SEは、去年(2025年4月)に約6.7万円で買ったものです(重要事項:案件ではありません)。
年始の掃除中に、棚から未開封のBD795i SEを発掘して「去年コメント欄でリクエストを受けて買った個体では・・・?」と思い出したので、急遽レビューします。

ツルツル印刷の化粧箱をスライドして外して、底面から指でめくると開封できる見開きタイプのパッケージです。

大量の付属品がそれぞれ小さなプラ袋に分けて梱包されています。

真っ黒なアルマイト処理と、裏面にシールドシートが貼り付けられたI/Oバックプレートです。
一般的なマザーボードでありがちな端子の爪(出っ張り)が省略され、そのまま取り付けやすいデザインに改良されています。

120 mmファンを取り付けるために使う金属プレートです。固定するネジ穴によって、上下に位置をスライドできます。

Wi-Fiモジュール取り付け金具セットです。
自分でモジュールを買ってきて、金具に組み込んで使います。Wi-Fiアンテナが「MHF4(I-PEX)」規格なので、組み立て難易度はかなり高いです。

写真の左上から順番に
- 120 mmファン固定ネジ(25 mm厚)
- 120 mmファン固定ネジ(15 mm厚)
- マザーボード固定ミリネジ(4箇所)
- ファンプレート固定ネジ(位置調整用)
- マザーボード固定インチネジ(4箇所)
- I/Oバックプレート固定ネジ(2本)
取り付けるパーツの規格に合わせて、複数のネジが用意されていて感心しました。
たとえばマザーボードをPCケースに固定するために使う4本のネジは、それぞれミリネジとインチネジが4本ずつ用意されています。

付録(Appendix)です。免責事項などが記載されていて、製品自体の説明は一切ありません。QRコードを読み込んでマニュアルを開きます。
個人的に、欠品があるかどうか確認したいので、付属品の内容と個数くらい記載してほしいです。
マザーボード本体デザインを詳しく

MINISFORUM BD795i SEは、自作PCパーツと同じく「Mini-ITX」規格に準拠します。四方170 mmの正方形です。

マザーボード裏面にバックプレートはなく、基板がそのまま露出します。
PCケースに組み込むときはスペーサーを使って隙間を作るので、基板がそのまま剥き出しでも特に問題ありません。

メモリスロットは「SODIMM」規格です。
ノートパソコン用の小型メモリに対応し、定格動作クロックは「DDR5-5200」です。DDR5-5600メモリを挿し込んで起動すると、自動的にDDR5-5200で起動します。

M.2スロットは2本あります。
- M2_1:PCIe 4.0 x4(CPU直結)
- M2_2:PCIe 4.0 x4(チップセット経由)
CPUクーラーに近いスロットがCPU直結、外側のスロットがチップセット経由です。
ややこしい排他仕様はなく、すべてのM.2スロットを無条件に使用できます。実際に7000 MB/s超のスループット(帯域幅)を確認済み。


ネジ止め不要のクリップ方式です。ツールレス仕様で大変便利ですが、クリップが硬いので注意。勢いよく引っ張りすぎると、根本からクリップがちぎれてしまいます。

重量級グラボを取り付けても大丈夫な、金属補強が施されたPCIeスロットです。
接続インターフェイスは「PCIe 5.0 x16(CPU直結)」で、グラフィックボードや拡張ボードを使えます。
| 内部ヘッダー※クリックで画像拡大します | |
|---|---|
![]() | ![]() |
|
|
![]() | ![]() |
|
|
CPUファンやケースファンを接続できる「PWM 4ピン」ヘッダーが3箇所あります。
PCケース側のヘッドホン端子につながる「F_AUDIO」や、電源ボタンやリセットボタンにつながる「F_PANEL」ヘッダーも当然ながら実装済み。
「USB 5 Gbps」ヘッダーは、1本で2個のUSB 5 Gbps(Type-A)ポートを機能させます。

I/Oインターフェイスの内容

- オーディオ端子(3.5 mm)
- LANポート(2.5G LAN)
- Wi-Fiアンテナ取り付け口
- USB 2.0ポート(2個)
- CMOSクリアボタン
- USB 10 Gbps(Type-C)
- Display Port 1.4
- HDMI 2.1
- USB 5 Gbps
- USB 5 Gbps
バックプレートのI/Oインターフェイスは、そこそこ充実した内容です。
最新ハイエンドマザーボードによくあるThunderbolt 4やUSB PDこそ非対応ですが、そもそも実質無料に近いマザーボードにそこまで最新規格を求めるのは酷な話です。
USB Type-Cポートは、USB BC 1.2 (Battery Charging 1.2)規格に対応します。電圧5Vで最大1.5A程度まで流せて、実効7.5 Wを引き出せます。
データ帯域幅はきちんと10 Gbps前後(1000 MB/s)あり、DP Alt Mode(筆者の環境にて4K 160 Hz @10 bitまで確認)も使用可能です。

Type-C対応モバイルモニターを、1本のType-Cケーブルで給電しながら映像出力も可能です。
MINISFORUM BD795i SEを分解レビュー
マザーボード基板上の実装部品

MINISFORUM BD795i SEからCPUクーラー(ヒートシンク)を引き剥がし、マザーボード上に実装されているコンポーネントを目視で確認します。

CPUソケットははんだ付けで、物理的に交換が難しいです。
CPU本体を覆い隠すヒートスプレッダーが撤去され、ヒートシンクに直接CPUダイが接触する効率的な冷却設計です。

- ATX電源ユニット:+12.0V
- CPUが欲しい電圧:+0.4~1.6V
電源ユニットから入ってくる+12V電圧を、CPUが要求する+1V前後の低い電圧に変換する「VRM」回路です。

VRMフェーズ全体を制御するPWMコントローラは、MPS(Monolithic Power)製「MP2845A」です。AMD SVI3規格に準拠し、最大6フェーズまで制御できます。

実際に電圧変換にかかわるMOSFET群は、MPS(Monolithic Power)製「MP86956」です。
コンシューマ向けマザーボード製品で、しばしば「DrMOS」などと名付けられている有名な部品です。変換効率が高い統合型MOSFETで、1個で定格70 Aに対応します。


DrMOSから離れた位置にあるチップはRichtek製「RTQ2536-QA」です。
こっそりVRMとして機能していて、それぞれSOC(内蔵GPUやメモリコントローラなど)とMISC(内蔵I/Fなど)を担当します。

VIA Labs(威鋒電子)製「VL822」コントローラです。USB 5 Gbpsポートを増設するハブコントローラとして実装されています。

M.2スロット直下にあるVRM群は、おそらくDDR5メモリ(PUMEM)を担当します。
Richtek製「RT8237E」がPWMコントローラ、2個あるuPI Semi製「QN3109」がN-Channel MOSFETです。定格動作(DDR5-5200)程度なら、まったく問題ない内容です。

基板のあちこちに蟹マークが見つかります。左から順番に
- Realtek 5452H
- Realtek ALC269
- Realtek RTL8125BG
以上です。
Realtek 5452Hは、Type-Cポートに「USB BC 1.2(5V x 1.5A)」を実装するために機能します。Realtek ALC269はオンボードオーディオ端子(3.5 mm)を担当します。
Realtek RTL8125BGは、LANポート(2.5G LAN)を担当します。安定した性能に定評がある、ド定番の2.5G LANチップです。
標準CPUクーラーの仕様

アルマイト処理を施した、マットブラックなヒートシンクです。
実寸が厚み30 mm、横幅133 mm、奥行き94 mmほど。容積で約3.75リットルに相当します。

CPUに接触するベースプレートに加えて、VRM用サーマルパッドを貼り付ける専用スペースも設けられています。

全部で4本あるヒートパイプの直径は約6.0 mmです。

CPUダイに直接触れるベースプレートです。
安物にありがちなダイレクトタッチ方式ではなく、ほとんど平面に近くなるまで美しく研磨されたベースプレート方式を採用します。
MINISFORUM BD795i SEの組み立て
組み立てパーツと必要な道具について

一般家庭でもよくあるプラスドライバー(PH2規格)に加え、一回り小さい「PH1」規格のプラスドライバーも必要です。

マザーボード本体を傷つけず、安全に作業するなら「ATX用スペーサー」もあれば役に立ちます。
ちなみに、スペーサーを使ってマザーボード本体を地面から浮かせてしまえば、PCケースに入れないバラック状態(実質オープンフレーム)での実運用もできます。
DDR5メモリ(SODIMM)の取り付け

ノートパソコン用(SODIMM規格)のDDR5メモリを用意します。今回はCrucial純正モジュールを合計32 GB(16 GB / 2枚組)です。

メモリスロットの切り欠けに合わせて、SODIMMメモリを挿し込みます。

左右のラッチ(留め具)が「カチッ」と固定されるまで、SODIMMメモリをしっかり押し込みます。
中途半端に挿し込むと、起動不良やメモリ故障の原因になります。ここ最近、特に高騰しているSODIMMメモリだから慎重に扱いましょう。
CPUクーラー(120 mm径)の取り付け

付属品「CPUクーラー取り付けフレーム」を、CPUヒートシンクの任意のネジ穴に合わせて固定します。
ネジ穴の位置によって、PCIeスロット側に寄せたり、M.2スロット側に寄せられます。今回はM.2 SSDの冷却を優先したかったので、M.2スロット側に寄せています。

25 mm厚に対応した長ネジを4本使って、120 mm径ケースファンをヒートシンクに固定しました。

ケースファンのケーブルを、マザーボード上の「CPU_FAN」コネクタに挿し込みます。
M.2スロット側にオフセットしたから、取り付けた冷却ファンの真下にM.2スロットが直撃して、M.2 SSDを効率よく冷やせます。
最小構成で起動チェック

電源ユニットとマザーボードを接続します。「ATX 24ピン」でマザーボード本体に電力を供給します。

「EPS 8ピン」が、CPUに電力を供給します。ちなみに8ピンだけで約500 W近い給電能力です。

実験用スイッチを「F_PANEL(フロントパネルピンヘッダ)」に接続します。

電源ユニットに電源ケーブルを挿し込み、実験用スイッチの「電源ボタン(PWR)」を一度だけクリックします。
UEFI(BIOS)画面が起動したら、また電源ボタンをクリックしてシステムを終了させます。すんなり終了できれば、最小構成での動作検証は完了です。

Wi-Fiモジュールの組み立てと増設

付属品「Wi-Fiモジュールキット」に、自分で買ってきたWi-Fiカードを組み込みます。
今回は「True Wi-Fi 7」の異名で知られる、Qualcomm製QCNCM865モジュールを使いました。最大5.8 Gbps(6 GHz帯)で動作でき、安定性と互換性にも優れる、最高峰のWi-Fi 7モジュールです。

Wi-Fiカードとアンテナの接続コネクタは「I-PEX MHF4」です。
極めて取り付けが難しく、力加減を少しでも間違えるとWi-Fiカード側のコネクタ部分を見事に破損してしまう、忌々しい欠陥規格です。
しかもQualcomm製モジュールだと単価が7000~10000円もします。うっかり端子を壊すとショック度も大きいため、I-PEX社が製造している純正金具(型番:90435-001)を使って取り付けます。


Wi-Fiカードをマスキングテープで固定して、アンテナの先端を純正金具で押し込み固定します。
いつもマイナスドライバーの先端で挑戦しましたが、イマイチ力加減が分かりづらく破壊していました。純正金具ならMHF4端子の高さぴったりに形成されているから、しっかり押し込むだけで取り付け完了です。

Wi-Fiアンテナをモジュール側に取り付けて、カードを小ネジで固定します。

M.2 Key.M端子に、組み立てたWi-Fi 7モジュールを挿し込みます。

マザーボード裏面から、2本の小ネジを使って固定して取り付け完了です。

「RP-SMA(オス)」コネクタのWi-Fiアンテナを取り付けます。

10G光回線とWi-Fi 7対応ルーターに接続して、ダウンロードとアップロードともに約2400~2500 Mbps(=約300~313 MB/s)を出せました。
・・・理論値の50%(2.9 Gbps前後)にどうやっても届かないので、おそらく互換アンテナと相性が良くないか、そもそもアンテナ自体がWi-Fi 6相当の性能しか無かった可能性が高いです。
Amazonの謎中華メーカーが販売している互換品のデメリットです。
NVMe SSD(M.2 SSD)を取り付け

適当なNVMe SSDを取り付けます。
MINISFORUM BD795i SEのスロット仕様を考えると、PCIe 4.0 x4(PCIe 3.0 x4)規格のSSDをおすすめします。

M.2スロットにSSDを挿し込み、クリップで留めるだけです。
グラフィックボードの取り付け
ゲーム次第でRTX 4060に相当する意外とパワフルな性能をもつ「RTX 5050」を搭載した、ロープロファイルモデルを組み込みます。

PCIeスロットに、グラフィックボードを挿し込みます。ラッチ(留め具)が閉じるまで、しっかり押し込むのがコツです。

グラフィックボードに電力を供給する「PCIe 6+2ピン」も忘れずに。
Windows 11と各種ドライバーを導入

Windows 11パッケージ版、または自分でインストールメディア(ISO)を用意して、MINISFORUM BD795i SEにWindows 11をセットアップします。
この手の作業に慣れている中上級者には、UUP DumpとRufusを併用したカスタムISOもおすすめです。

Windows 11をインストールするだけで、ある程度は自動的にドライバーが当たります。
しかし、100%すべて自動で当たるわけもなく・・・一部のドライバはうまく認識されないです。
| 内容 | インストール先 |
|---|---|
| チップセットAMD Prom21 SoC |
|
| 内蔵GPUAMD Radeon 610M |
|
| グラフィックボードGeForce RTX 5050 |
|
| Wi-Fi 7モジュールQualcomm QCNCM865 |
|
各メーカーの公式サイトから最新版をインストールできます。

すべてのドライバーを正常にインストールできました。
MINISFORUM BD795i SEの性能をベンチマーク

(16コア32スレッドの性能をテスト)
「MINISFORUM BD795i SE(Ryzen 9 7945HX)」の性能をベンチマークやゲーミングで検証します。
Windowsの電源管理を「バランス」から変更せず、BIOS画面から設定できる電力制限も変更せず、初期設定のままで検証します。
レンダリング / 3DCG系の性能

CPUの定番ベンチマーク「Cinebench R23」の比較です。
Ryzen 9 7945HXは基本的にRyzen 9 7950Xと同じCPUです。ハイエンドデスクトップPCに匹敵する、凄まじいスコアを記録します。
モバイル向けでトップクラスに位置するRyzen AI 9 HX 370に対して、軽く1.5倍超の驚異的なスコアです。

体感動作に影響が大きいシングルスレッド性能もトップクラス。
Core i7 13700KやRyzen 7 9700Xを搭載した、ハイエンド級のデスクトップPCとほとんど変わらないレスポンス感です。
何かを待たせている間に他の処理を挟む割り込みに対してもスピーディーに処理でき、バックグラウンドでWindows Updateが動いていても気付かない程度に余裕ある性能です。
モバイル向けといっても、Ryzen 9 7945HXは最大100 Wまで電力を使えるから、ミニPCやノートパソコンで見られる妙な遅れ感はまったく見られません。
懐かしい「Cinebench R15」の結果も参考程度に掲載します(※数年ぶりにCinebenchスコアを見に来た人向け)。
平均的なモバイル向けCPUに対して、ざっくり2~2.5倍ものマルチスレッド性能です。シングルスレッド性能もパワフル、Ryzen AI 9 HX 370(Zen5)に迫ります。

動画エンコード

動画エンコードは無料ソフト「Handbrake」を使って検証します。容量が約1 GBのフルHDアニメを「Fast 480p30(x264)」「Fast 1080p30(x264)」プリセットでエンコード。
Intel N100に対して10倍近い速度、Ryzen AI 9 HX 370の約1.5倍ものエンコード性能を発揮します。
しかも、これほどの性能を出しながら、CPUファンの動作音はずっと静かな状態を維持しています。16コアで約100 Wほど、8コアあたり約50 Wしか発熱しないため、熱効率も優秀です。

Microsoft Office
| Microsoft Officeのベンチマーク | |
|---|---|
![]() | |
| Edge | 17857 |
| Word | 15056 |
| Excel | 30297 |
| PowerPoint | 14485 |
| 総合スコア | 18533 |
PCMark 10 Professional Editionを使って、オフィスワークの代表例「Microsoft Office」の処理速度をチェック。
スコアの目安はPCMark 10公式いわく「4500点」です。Ryzen 9 7945HXが叩き出したスコアはどれも4500点を軽く超えていて、総合スコアは約18500点です。
総合スコアは過去レビューしてきたミニPCでトップにランクイン。
スコアの内訳によるとブラウザ(Edge)、文書作成(Word)、表計算(Excel)、スライド作成(PowerPoint)すべてのスコアが歴代最高です。
写真編集(Photoshop)

写真編集は「Adobe Photoshop」で処理速度をテスト。Puget Systems社が配布しているベンチマーク用のバッチファイルを使い、実際にPhotoshopを動かして性能をスコア化します。
| マシン | MINISFORUM BD795i SE | GMKtec EVO-X1 AI |
|---|---|---|
| CPU | Ryzen 9 7945HX | Ryzen AI 9 HX 370 |
| GPU | RTX 5050 | Radeon 890M |
| RAM | 32 GBDDR5-5600 | 32 GBLPDDR5X-7500 |
| 総合スコア | 1426 | 1241 |
| 一般処理のスコア | 167.3 | 148.9 |
| フィルタ系のスコア | 117.9 | 99.3 |
| GPUスコア | 137.4 | 107.5 |
Ryzen 9 7945HXのPhotoshopスコアは「1426点」です。Photoshopの基本的なタスクをサクサクと処理できる性能です。
CPUの高いシングルスレッド性能で「一般処理」のスコアが非常に高く、モバイル向けでフラグシップ級に位置するRyzen AI 9 HX 370をあっさり超えるスコアを記録します。
過去レビューしたミニPCと、Photoshopベンチマークの個別スコアを比較しました。すべての分野で頂点です。

ビデオチャット(VC)の処理速度
PCMark 10の「Video Conference(ビデオ会議)」モードを使って、ビデオチャットの快適さをテストしました。

| PCMark 10でテスト | |
|---|---|
| 総合スコア | 8287 5000点以上ならOK |
| ビデオチャットの快適度 | 29.9 /30.0 fps |
結果は8287点で、5000点以上を余裕でクリア。複数人とビデオチャットを同時に行った場合の、映像のスムーズさ(フレームレート)はほぼ30 fpsで、上限の30 fpsに迫ります。ビデオ通話は余裕で動きます。
ロープロ対応GPU「RTX 5050」の性能

今回のテストで使用するグラフィックボード「GIGABYTE GV-N5050OC-8GL」の性能を検証します。
選択肢が非常に少ない、ロープロファイル対応モデルです。さっそく定番のGPUベンチマークで比較してみましょう。
定番ベンチマークで性能比較
基本的なGPUベンチマークの結果まとめです。
スコアだけだと何が何やら分からないので、他のミニPCと比較します。

ゲーミングPC向けの高負荷ベンチマーク「FireStrike」の結果です。
GPUの性能を示すGPUスコアが約28500点で、「Radeon 890M」や「GTX 1650」に対して約3倍のグラフィック性能です。

モバイル向けの軽量ベンチマーク「Night Raid」の結果です。
RTX 5050は約12万点を叩き出し、内蔵GPUに対して圧倒的な優位性を見せつけます。

マルチプラットフォーム対応の軽量ベンチマーク「Wild Life」の結果です。
RTX 5050は約54000点です。Radeon 890Mなどに対して、2倍以上のスコアです。

「Time Spy」の後継モデルにあたる、モバイル向けの重量級ベンチマーク「Steel Nomad Light」の結果です。

モバイル向けのレイトレーシング対応ベンチマーク「Solar Bay」の結果です。
基本的な傾向はSteel Nomad Lightと似ています。
ファイナルファンタジー14:黄金のレガシー(デスクトップ標準品質)のベンチマーク結果です。
内蔵グラフィックスの性能だけでなく、メモリの帯域幅やCPU性能も複合的に要求される傾向が強い、いわゆる総合ベンチマークに近い性質があります。
内蔵GPUはメインメモリの性能(帯域幅)がボトルネックになって性能を効率よく伸ばせないですが、RTX 5050は専用のVRAM(GDDR6 8GB)を備えていて、GPUの性能をほぼフルに発揮できます。
Radeon 780M~890Mに対し、約3~4倍もの平均フレームレートです。
実際にゲームをプレイして性能をテスト
- 平均120 fps:ヌルヌルとした映像で入力遅延も少ない「とても快適」
- 平均60 fps:最低限「快適」といえるギリギリの最低ライン
- 平均30 fps:体感できる入力遅延が目立つ紙芝居レベルの動作
内蔵グラフィックスでゲームプレイをする場合、できれば「平均60 fps」以上が望ましいです。
| Apex Legends 射撃訓練場でテスト | |
|---|---|
![]() | |
| フルHD 中設定 | 平均 : 220.1 fps |
| 下位1% : 121.2 fps | |
| フルHD 低設定 | 平均 : 257.1 fps |
| 下位1% : 134.9 fps | |
| オーバーウォッチ2 マップ「KING’S ROW(4 vs 4)」で撃ち合い | |
![]() | |
| フルHD (ノーマル設定 + 100%) | 平均 : 357.2 fps |
| 下位1% : 280.3 fps | |
| VALORANT マップ「トレーニングエリア」でテスト | |
![]() | |
| フルHD (最高設定 + MSAA x4) | 平均 : 573.8 fps |
| 下位1% : 436.1 fps | |
| フルHD (最高設定 + MSAA x2) | 平均 : 628.5 fps |
| 下位1% : 444.7 fps | |
| 鳴潮 マップ「リナシータ」でソアー高速飛行 | |
![]() | |
| フルHD (グラフィック優先) | 平均 : 110.6 fps |
| 下位1% : 54.0 fps | |
| フルHD (バランス) | 平均 : 117.9 fps |
| 下位1% : 70.8 fps | |
| フルHD (パフォーマンス) | 平均 : 119.7 fps |
| 下位1% : 79.8 fps | |
| 原神(Genshin Impact) マップ「神に捨てられた殿閣」でテスト | |
![]() | |
| フルHD (プリセット:高) | 平均 : 177.5 fps |
| 下位1% : 121.6 fps | |
| フルHD (プリセット:中) | 平均 : 184.0 fps |
| 下位1% : 124.9 fps | |
| フルHD (プリセット:低) | 平均 : 187.7 fps |
| 下位1% : 128.3 fps | |
| 崩壊スターレイル マップ「星槎海中枢」でテスト | |
![]() | |
| フルHD (プリセット:高) | 平均 : 118.1 fps |
| 下位1% : 95.3 fps | |
| フルHD (プリセット:中) | 平均 : 118.5 fps |
| 下位1% : 96.2 fps | |
| フルHD (プリセット:低) | 平均 : 119.2 fps |
| 下位1% : 98.5 fps | |
| ゼンレスゾーンゼロ マップ「ルミナスクエア」でテスト | |
![]() | |
| フルHD (プリセット:高) | 平均 : 81.1 fps |
| 下位1% : 58.5 fps | |
| フルHD (プリセット:中) | 平均 : 92.5 fps |
| 下位1% : 64.9 fps | |
| フルHD (プリセット:低) | 平均 : 94.1 fps |
| 下位1% : 63.3 fps | |
| マインクラフト 「PORTAL PIONEERS RTX」でテスト | |
![]() | |
| フルHD (32チャンク) | 平均 : 294.2 fps |
| 下位1% : 157.0 fps | |
| フルHD (16チャンク) | 平均 : 500.7 fps |
| 下位1% : 248.8 fps | |
| ストリートファイター6 「LUKE vs RYU」でテスト | |
![]() | |
| フルHD (NORMAL設定) | 平均 : 59.9 fps |
| 下位1% : 56.7 fps | |
| フルHD (LOW設定) | 平均 : 59.9 fps |
| 下位1% : 56.4 fps | |
テストしたほぼすべてのモバイルゲームにて、3桁台のフレームレートを叩き出します。

最新グラフィックの鳴潮(Wuthering Waves)は、レイトレを入れなければ快適に動作します。
フルHD(グラフィック優先モード)にて、リナシータで平均100 fps台、穂波市やラハイロイエリアは平均80 fps程度です。ただし、CPUボトルネックが深刻な一部エリアだと、平均60 fpsすら維持できないです。
幸いにも鳴潮は「DLSSフレーム生成(2x ~ 6x)」や「DLSS超解像(DLSS 4.5)」を使えるので、フレームレートをさらに2倍近くまで伸ばせる余地があります。
モンハンワイルズが動くか検証
| モンスターハンターワイルズ 緋の森(豊穣期)でテスト | |
|---|---|
![]() | |
| フルHD 高 / DLSS4 : バランス / レイトレ : OFF | 平均 : 63.1 fps |
| 下位1% : 50.7 fps | |
| フルHD 中 / DLSS4 : バランス / レイトレ : OFF | 平均 : 66.0 fps |
| 下位1% : 53.5 fps | |
| フルHD 中 / DLSS4 : バランス / フレーム生成 : 2x / レイトレ : OFF | 平均 : 107.7 fps |
| 下位1% : 86.2 fps | |
| フルHD 中 / DLSS4 : バランス / フレーム生成 : 2x / レイトレ : 中 | 平均 : 104.3 fps |
| 下位1% : 82.9 fps | |
意外と動いてしまって、ちょっと裏切られた気分です。
フルHD(高設定)なら平均60 fpsを出せています。ネイティブに60 fpsを出せるので、DLSSフレーム生成(2x)を入れても、違和感なくワイルズをプレイできます。
DLSSフレーム生成(2x)を使えば、レイトレ(中)を入れても平均100 fps台です。NVIDIA Appから超解像モデルを「DLSS 4.5(Preset M)」に上書きしてパフォーマンス品質を使うなら、平均110~120 fpsも視野です。
最下位モデル「RTX 5050」といえども、最新鋭のAI機能を使えるRTX 50ファミリーの一員です。DLSS 4.5モデル、DLSS MFG(最大6x)、DLSS DMFG(ダイナミック生成)すべてのAI機能を使えます。

Radeon 890M(Ryzen AI 9)と性能比較
現行フラグシップ級の内蔵GPU「Radeon 890M(1024コア)」とゲーム性能を比較します。

当たり前ですが、専用VRAMを備えるグラフィックボード(dGPU)がまだまだ強力です。比較するまでも無かったです。
MINISFORUM BD795i SE の温度と騒音
動作温度をチェック
| ベンチマーク中のCPU温度 ※CPUに100%の負荷がかかった状態 | ||
|---|---|---|
![]() | ||
| CPU温度 | 平均 | 最大 |
| レンダリング時 | 70℃ | 76℃ |
| ゲームプレイ時 | 72℃ | 78℃ |
CPUに100%の負荷がかかるCinebench R23ベンチマーク中のCPU温度は最大で76℃、平均70℃です。
CPU負荷がそこまで高くないゲームプレイ時も最大78℃に達するなど、意外と温度が高かったです。グラフィックボード側が放出する熱気を吸ってしまう様子。
| 負荷時の電力制御 ※クリックで画像拡大します | |
|---|---|
| CPU側 | 内蔵GPU側 |
![]() | ![]() |
| 平均値まとめ | |
|
|
MINISFORUM BD795i SE の電力制御をチェック。
CPUクロックはテスト開始直後に5000 MHz前後に達し、その後4400 MHz前後まで下がって安定します。一貫して100 Wの消費電力を維持し、CPUクロックは平均441 MHzです。
サーマルスロットリングらしい症状は皆無で、おおむね横一直線のグラフです。
静音性能を騒音計で検証

| 動作音(騒音)をテスト (本体から50 cmの距離で測定) | ||
|---|---|---|
![]() | ||
| シャットダウン (電源オフ時) | 31.3 dB | |
| アイドル時 (何もしない状態) | 32.3 dB | |
| ゲームプレイ中 (FF14:黄金のレガシー) | 40.3 dB | |
| CPU高負荷時 (Cinebench R23) | 33.9 dB | |
校正済みのデジタル騒音メーターを使って「MINISFORUM BD795i SE」の動作音(騒音レベル)を、シーン別に測定しました。それぞれの測定結果は中央値です。

| 騒音値(dBA) | 評価 | 目安 |
|---|---|---|
| 30 ~ 32.49 | 極めて静か | 耳を近づければ聞こえるレベル |
| 32.5 ~ 34.9 | 静か | ファンが回っているのが分かる |
| 35 ~ 39.9 | やや静か | 扇風機を「小」で回したくらい |
| 40 ~ 42.49 | 普通 | エアコンよりは静かな音 |
| 42.5 ~ 44.99 | やや騒音 | エアコンの動作音に近い |
| 45 ~ 50 | 騒がしい | 扇風機を「中~大」で回した音 |
| 50 ~ | うるさい・・・ | 換気扇を全力で回した音 |
MINISFORUM BD795i SEは、CPU単体の負荷なら、オフィスワークから動画エンコードまで。負荷の大きさに関係なく、信じられないほど静かな動作音です。
低負荷なら32~33 dB程度でほとんど無音に近い動作音で、フル負荷時で34 dB台まで上昇する程度。出荷設定の時点で、かなり穏やかなファンプロファイルが設定されています。
一方で、今回組み込んだロープロファイル対応グラボ「GV-N5050OC-8GL」は普通にうるさいです。ゲーム時に40 dB台(中央値)に達してしまい「普通(40~42.5 dB)」に分類されます。
耳障りな周波数特性を抑制した、静音特化型ケースファン「NF-A12x25 PWM」は、今も推奨できるハイエンド120 mmファンです。今回のレビュー機では茶色版を使っていますが、万人受けする黒色版もあります。
ファン1個に4000円なんて常軌を逸している・・・と感じた方は、無難に「ARCTIC P12 Max」がおすすめです。1000円台でトップクラスの性能と静音性です。
コンセント経由の消費電力をテスト
| 消費電力 (ACアダプター接続時) | ||
|---|---|---|
![]() | ||
| アイドル時 (デスクトップ画面) | 35.7 W | |
| CPU負荷 (Cinebench R23) | 207.5 W | |
| ゲームプレイ中 (FF14ベンチ) | 139.3 W | |
消費電力はアイドル時でおよそ36 W前後、Cinebench R23でCPUに負荷をかけて208 W前後ほど。
ゲームプレイ(RTX 5050)時の消費電力が140 W前後です。
なお、USB Type-CでUSB給電(最大7.5 W)を使ったり、ポータブルSSDを挿し込むと追加で4~10 Wほど増える場合があります。
まとめ:超小型ゲーミングPCをコスパよく組むなら

「MINISFORUM BD795i SE」のデメリットと弱点
- DDR5 SODIMMメモリが非常に高価
- SATAポートはありません
- USB 40 Gbps(TB4)なし
- Wi-Fiモジュールの組み立ては面倒
- UEFI(BIOS)設定が不自由
- メーカー1年保証
「MINISFORUM BD795i SE」のメリットと強み
- Ryzen 9 7945HX(16コア32スレッド)
- 強力なVRMフェーズ(DrMOS仕様)
- ハイエンドデスクトップ級のCPU性能
- グラフィックボード(PCIe 5.0)対応
- 意外と静かに冷えるCPUクーラー
- M.2スロット(Gen4)2本あり
- 2.5G LANポートあり
- 性能の割に消費電力が少ない
- CPU単価から見てマザーボードは実質無料
- コストパフォーマンスが高い
MINISFORUM BD795i SEは、コスパよくハイエンド級の「超小型ゲーミングPC」を自作したい、ややマニアックなPCゲーマーにおすすめです。
同等品のRyzen 9 7950Xが単価およそ8万円台、Socket AM5対応のMini-ITXマザボは最安2.7万円から。合計10~11万円もの費用がかかる部分を、BD795i SEなら7万円で揃えられます。

最大100 Wを静かに冷やせるトップフロー型CPUクーラーも付属すると考えれば、実質6.5~6.7万円相当です。
ただし、UEFI(BIOS)画面の設定項目が少ない、Wi-Fiの取り付けがやや面倒。将来的なCPUアップグレードはできない・・・など。
BD795i SEに特有の弱点をいくつか挙げられますが、約30~40%も割安な価格の安さを天秤にかけて、納得できる方を選べばいいだけです。
個人的に、Ryzen 9 7945HX(16コア)+ Mini-ITX(AM5)+ トップフロー型クーラー(100 W)が一式セットで約7万円は、十二分に安いと評価しています。
以上「MINISFORUM BD795i SEレビュー:約7万円で買えるRyzen 9 7945HX内蔵マザボを検証」でした。

「MINISFORUM BD795i SE」を入手する
国内Amazonにて、割引クーポンとポイント還元を合わせて、実質6.8万円くらいから購入できます。
【おまけ】組み立てに使ったPCパーツ一覧
| BD795i SE (筆者作例) 2026年1月時点のスペック | ||
|---|---|---|
| Ryzen 9 7945HX (16コア / 32スレッド) | 約7.2万円 | |
| 120 mm空冷CPUクーラー (Noctua NF-A12x25 PWM) | ||
| MINISFORUM BD795i SE (2.5G LANポート搭載) | ||
| 32 GB (SODIMM DDR5-5600 / 2枚組) | 約6.8万円 | |
| RTX 5050 8GB (ロープロファイル版) | 約4.9万円 | |
| 1 TB (NVMe SSD) | 約2.0万円 | |
| Wi-Fi 7 (最大2.8 Gbps / BT 5.3対応) | 約1.0万円 | |
| 750 W(ATX 3.1) | 約1.8万円 | |
| マザーボード用スペーサー | 750~800円 | |
| Windows 11 Pro | 約2.0万円 | |
| 参考価格 | 約25.8万円 | |
レビュー時点の時価で計算すると、約26万円でした。
一般的なBTOパソコンに約30万円を払っても、Ryzen 9 7950X + RTX 5050 + DDR5 32GBはとても手に入れられないので、一応コストパフォーマンスは悪くない部類です。
しかしDDR5メモリとSSDの高騰がなかった場合、あと5~6万円は安く組めた構成と思うと・・・やはりAI特需を恨むしかないようです。
ミニPCのおすすめレビュー記事














































































おすすめゲーミングPC:7選
ゲーミングモニターおすすめ:7選
【PS5】おすすめゲーミングモニター
NEXTGEAR 7800X3Dの実機レビュー
LEVEL∞の実機レビュー
GALLERIAの実機レビュー
【予算10万円】自作PCプラン解説
おすすめグラボ:7選
おすすめのSSD:10選
おすすめの電源ユニット10選

「ドスパラ」でおすすめなゲーミングPC

やかもちのTwitterアカ



Minisforumのマザーのレビューありがとうございます。
質問…というより同型兄弟機のBD770iをかつて使用していましたが、本製品にはチップセットそのものがないので接続されるSSDは全てCPU直結になっていると思います(理由としてBD770i及びBD795iではM.2は全て5.0×4で使えるという記載があります)。
また隠し仕様といいますか自己責任ではありますが、同じく7945HX搭載のBD795MではUEFI上でM.2の信号仕様をAutoにすると仕様表では4.0×4のはずが5.0×4で使えるようになります(特定バージョン以降のUEFIのデフォで4.0に制限をかけてあるようです)。