Lenovo IB460MWのスペック:Legion T550iの標準マザーボードについて

LenovoのゲーミングPC「Legion T550i」に標準で搭載されている、マザーボード「Lenovo IB460MW」のスペックと技術的仕様について、確認して分かる範囲でまとめました。

スペックLenovo IB460MW
ソケットLGA 1200第10世代インテルCPUをサポート
チップセットIntel B460
フォームファクタMicroATX240 mm x 240 mm
CPU用コネクタ8 + 4 pin
VRMフェーズ8フェーズCPUに8 + SoCに0フェーズ
コンデンサAPAQ定格85℃ / 耐久5000時間
メモリ用フェーズ1フェーズ
拡張性
メモリスロット
  • 最大2933 MHzに対応第10世代Core i7 ~ i9の場合
  • 最大2666 MHzに対応第10世代Core i5以下の場合
  • 4スロット(最大128 GBまで)
PCIeスロット1段:PCIe 3.0 x16
2段:PCIe 3.0 x1
3段:PCIe 3.0 x1
4段:PCIe 3.0 x4
マルチGPU
M.2スロットM2_1(B460側):PCIe 3.0 x4
M2_2(B460側):PCIe 3.0 x4
SATAポート4個
USBポート
  • USB 3.2 Gen1 Type-A x2
  • USB 3.2 Gen2 Type-C x1
  • USB 2.0 x2
USBヘッダー
  • USB 3.2 Gen1 x2
  • USB 2.0 x2
機能性
LANチップRealtek 8111H(1.0 GbE)
無線LANIntel Wi-Fi 6 AX200(2.4 Gbps / 2T2R)Bluetooth 5.1対応
サウンドチップRealtek ALC887左右分離レイヤー基板 / オーディオコンデンサ8個
映像出力
音声出力
  • 3.5mmプラグ:3個
レガシー端子
その他
保証なしPC本体の1年保証に基づく
製品ページ
参考価格

スペック的には、市販品のB460マザーボードで約1.4~1.5万円に相当する内容です。マザーボード単体だけで見れば1.1~1.2万円クラスですが、「Intel AX200」を標準搭載しているため、価格が跳ね上がって1.5万円相当になります。

市販品で価格的に競合するのは「TUF GAMING B460M-PLUS(Wi-Fi)」です。

VRMフェーズの仕様

リアパネルに映像出力端子が省かれているため、VRMフェーズは「8 + 0」の8フェーズ構成です。

PWMコントローラはOnSemi製「NCP81228」を搭載、最大で8 + 2フェーズ対応のコントローラです。MOSFETは安価なマザーボードでは定番のディスクリートMOSFETを使っています。

ハイサイド側にNIKOS製「PK6H6BA」を1個、ローサイドにNIKOS製「PK650BA」を2個です。Dr.MOSでは無いため発熱はそれなりですが、VRMヒートシンクとサイドフロー型クーラーのエアフローで冷却を行います。

定格運用においては、第10世代インテルCPUを使う上で不安はありません。8コア16スレッドのCore i7 10700はもちろん、もっと上位のCore i9 10900(10コア20スレッド)も問題なく使えるでしょう。

メモリスロットの仕様

公差ギリギリのおそろしく硬いメモリスロットです。自作PCに慣れている筆者ですら、久々にびっくりするほどの硬さでした。

メモリスロットが硬いと言えばASRockが有名なメーカーですが、Lenovo特注品の「IB460MW」はそれ以上です。メモリを増設する際は、ラッチ(留め具)が「カチッ」と鳴るまでしっかり挿し込んでください。

対応メモリクロックは、CPUがCore i7~i9なら最大DDR4-2933まで。Core i5以下は最大DDR4-2666です。増設用のメモリは、手頃な価格で信頼性が高いMicron純正モジュールで問題ないでしょう。

Crucial / 種類 : デスクトップ用 / 規格 : DDR4-2666 / CL : 19-19-19 / ランク : 2-Rank / 容量 : 16 GB / 枚数 : 2枚 / チップ : Micron / 保証 : 永久保証
Micron / 種類 : デスクトップ用 / 規格 : DDR4-3200 / CL : 22-22-22 / ランク : 2-Rank / 容量 : 16 GB / 枚数 : 2枚 / チップ : Micron / 保証 : 永久保証

CPUがCore i5以下ならDDR4-2666で大丈夫。Core i7以上は、せっかくなら大した差額もないですし、DDR4-3200でOKです。難しい設定は不要で、自動的にDDR4-2933として動作します。

M.2スロットの仕様

B460チップセットなら、M.2スロットは「PCIe 3.0 x4」または「SATA 3.0」に対応できるはずですが、実際に試した限りM.2 SATA SSDはまったく反応しませんでした。NVMe SSDは問題なく動作を確認済みです。

SATAポートの仕様

SATAポートは全部4つあり、内2つは3.5インチベイで使用済みで、実質的に使えるのは残り2つだけです。M.2スロットとの排他仕様はありません。

ネットワークの仕様

有線LANポートは「Realtek 8111H(1.0G LAN)」が搭載されています。下りで約900 Mbit/s、上りも約900 Mbit/sの帯域幅で動作しており、ほとんどの家庭で使われている光インターネットをムダなく使えます。

無線LANは、Intel製のWi-Fiモジュール「AX200」を搭載して対応しています。

受信アンテナはPCケースに埋め込まれていますが、pingはそこそこ速くて通信速度も悪くないです。

オンボードサウンドの仕様

オンボードサウンドは「Realtek ALC887」を搭載。2020年時点では、正直なところ古いチップです。音質は、オーディオにこだわらないなら「普通に聴ける音質」だと思います。

こだわる人はサウンドカードやUSB DACを導入しましょう。