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be quiet! PURE POWER 13Mレビュー:RMxと同価格帯で「無音クラスの静音性」

日本語で「静かに!」を意味する直球ネーミングなメーカー「be quiet!」が、電源ユニット界で定番モデルに挙げられる「Corsari RMx」に対抗するべく・・・ 戦略的なモデルを投入します。

その名もPURE POWER 13M」です。

Corsair RMxと同価格帯ながら、ATX 3.1 & PCIe 5.1規格に準拠しつつ、優れた効率と無音クラスの静音性(A++認証を両立するとんでもない電源ユニットです。

やかもち
be quiet!国内代理店のテックウインド(@tekwind_)さんより、北米市場リテール版を筆者の住所に1台送ってもらいました。サンプル提供ありがとうございます。詳しく検証します。

(公開:2025/7/28 | 更新:2025/8/29

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be quiet! PURE POWER 13Mの仕様

be quiet! / 容量:1000 W / 効率:80 PLUS Gold / 静音:Cybenetics A++(~15 dB) / 製造元:FSP / 保証:10年
be quiet!
PURE POWER 13M
型番:BQT-PUR-PWR-13M
製造元
(OEM)
FSP
台湾:全漢企業股份有限公司
容量
  • 1000 W(レビュー)
  • 850 W
  • 750 W
効率
  • 80 PLUS Gold
  • ETA Platinum
静音
  • Lambda A++
ケーブルフルプラグイン
保護
  • OVP(過電圧保護)
  • UVP(低電圧保護)
  • OPP(過電力保護)
  • OTP(過熱保護)
  • OCP(過電流保護)
  • SCP(短絡保護)
  • SIP(サージ・突入電流保護)
  • FFP(ファン故障保護)
ファン
  • 120 mm径(25 mm厚)
  • ライフルベアリング
セミファンレス対応
(切り替え不可)
サイズ160 x 150 x 86 mm
規格ATX 3.1
保証10年
参考価格
※2025/8時点
Amazon
 楽天市場
Yahooショッピング

「PURE POWER 13M」は、ドイツ設計のPCパーツメーカー「be quiet!」が販売する、メインストリーム向け電源ユニットです。

メインストリーム向けとアピールしているから、普通の電源ユニットに思えますが、実態は想像以上にハイエンド級の性能です。

RTX 5090を搭載する超ハイエンド構成に余裕で耐えるパワフルな出力性能(ピーク時2000 W)と、攻めに攻めたセミファンレス制御で「A++」級の静音性を両立します。

電源ユニットでド定番の地位を築いている「Corsair RMx」以上の性能を持ちながら、価格設定は意外とリーズナブル

  • 750 W:16141円
  • 850 W:18162円
  • 1000 W:22707円

初値の時点でCorsair RMxシリーズより安いです。決して保証を削って安くしたわけでもなく、グローバル市場と同様に「メーカー保証10年」を維持します。

取得している認証とレポート一覧

  • 80 PLUS Certified – Gold
    (https://www.clearesult.com/80plus/BE_QUIET_L13-M-1000W_Report.pdf)

電源ユニットで定番の認証規格「80 PLUS」で「Gold」認証を取得します。負荷20%以上で平均87%超、ピーク時に90%超の変換効率です。

レビューを書いた時点で、80 PLUS認証リストにPURE POWER 13M(1000 W)が掲載されていません。

80 PLUSに代わる新たな認証規格「Cybenetics ETA」でPlatinum」認証に合格済み。負荷率15~85%もの極めて広大な範囲で約90%を上回る高い変換効率です。

電源ユニットの静音性を評価する規格「Cybenetics LAMBDA A++を取得済みです。平均値で「~ 15 dB」未満を意味する、最高グレードの静音規格に合格しています。

筆者はA++認証を「無音クラス」と勝手に呼んでいます。

ATX 3.0(ATX 3.1)規格で要求される厳しい応答テストに耐えられるかテストするATX 3.1 PASS」認証もきちんと取得済み

瞬間的(0.0001秒未満)なスパイク電力に対して、電源容量の最大200%まで安定動作できます。つまり、PURE POWER 13Mのピーク容量は約2000 Wです。

やかもち
今までのbe quiet!製品と違って、手頃な価格で「無音クラス」を提供する野心的な製品です。容量1000 Wの2万円前後で「A++」認証なんて前代未聞でした。

be quiet! PURE POWER 13Mを開封

パッケージと付属品

be quiet!の公式サイトが真っ暗だったように、製品パッケージも真っ暗な背景色で塗りつぶして、製品の本体デザインを中央に配置したシンプルなデザインです。

同社ブランドの他製品「DARK POWER 13」や「POWER ZONE 2」と、ほとんど同じレイアウトを踏襲します。

パッケージ裏面に、取得済みの認証ロゴや各国の安全規制ロゴのほか、ドイツの国旗カラーと「Developed In Germany(ドイツで設計開発)」のテキストも記載されています。

パッケージ正面左側に「80 PLUS」「Cybenetics」ロゴが印刷されています。

左から順番に

  •  80 PLUS Gold認証
  •  ETA Gold認証

以上2つです。

定番の「80 PLUS Gold」認証、とても厳格な効率認証「ETA Gold」認証ロゴが記載されています。

実際に取得しているはずの「ETA Platinum」認証ロゴは市販モデルの個体差を考慮して、あえて1ランク低いロゴを掲載しています。

MSIやCorsairなど、競合他社と同じグレード表記基準です。

なお、・・・一番アピールするべき「LAMBDA A++」認証ロゴが、なぜか省略されています。PURE POWER 13M最大の強みといっていい部分をどうして端折ってしまうのか、困惑せざるをえないです。

やかもち
「be quiet!(静かに!)」のブランドイメージ的に、LAMBDA認証ロゴを印刷した方がいいのでは?

マザーボードの箱と同じく、底面からめくり上げるシンプルな開封方法です。

外箱をゆっさゆっさと縦に振り回して慣性で中身を押し出すタイプじゃなく、単に指でめくるだけで開封できます。

プチプチの梱包材で電源ユニット本体が包まれています。

国内想定売価が約1.5~2.2万円ほどする、それなりに良い値段の電源ユニットな割に、簡素な印象を受けるかもしれません。

実は、海外だと定価が約110~160ドル程度。100ドル前半台は特段ゴージャスな価格帯でもなく、SDGs仕様の低コスト梱包(= 不織布などを一切使わない)で妥当です。

付属ケーブルの種類と長さ

be quiet! PURE POWER 13Mに付属する、そこそこ数が多い電源ケーブル類です。

平ぺったい「きしめん」形状の少し曲げづらいケーブルが多いですが、角度をいい感じに付けて這わせるように配線すると、キレイにまとまります。

「12V-2×6」ケーブルが1本付属します。

RTX 40 / RTX 50シリーズと、ごく一部のRX 9000シリーズを中心に導入されている「12VHPWR」または「12V-2×6」コネクタで使える、グラフィックボード用の電源ケーブルです。

たった1本のケーブルで最大600 Wまで対応します。

コネクタ先端に、12V-2×6規格を示す「H++」刻印を確認できます。

コネクタ先端分は「黒色」のままです。半挿し(挿し込み不良)を判断しづらいように見えますが、そもそも12V-2×6端子は中途半端な挿し込みだと通電しません。

外見的なわかりやすさよりも、コネクタ自体の耐久性を重視するなら、黒色のままが合理的です。

「H+」「H++」刻印を入れるかどうかはメーカーの裁量に委ねられています。

コネクタの両端が「12V-2×6」ネイティブ対応です。

熱に強い太め(16 AWG)のケーブルに、最大105℃耐熱仕様のコネクタを組み合わせて、優れた耐久性と安全性を担保しています。

CPU補助電源に挿し込む「EPS12V 4+4 pin」ケーブルが2本ずつ付属します。それぞれ長さ65 cmで、太さ16 AWGです。

EPSコネクタ先端に「CPU」刻印が入っていて見分けやすいデザインです。

便利な8ピン一体成型タイプと、4+4ピンに別れたタイプが用意されています。4+4ピンをつなぎとめるラッチ(留め具)はありません。

贅沢に太さ16 AWGケーブルを使っているから、Core i9 14900Kを常時300 Wで動かす極端な高負荷ですら、ケーブル1本(8ピン)で間に合います。

グラフィックボードの補助電源に挿し込む「PCIe 6+2 pin」は2本付属します。2本ともに分岐タイプで長さ60 + 15 cmです。

消費電力が多い6ピン側が太さ16 AWGで、消費電力がそれほど多くない2ピン側に太さ18 AWGを使います。TGP:300 W超のグラフィックボードも安心です。

コネクタ先端に「PCIe」と刻印が入っていて見分けやすいデザインです。

マザーボードの補助電源コネクタに挿し込む「ATX 24 pin」ケーブルです。長さ55 cmでした。

挿し込みが簡単な、初心者に嬉しい24ピン一体成コネクタです。

SATAデバイス(3.5″ HDDや光学ドライブ)に電力を供給する「SATA」ケーブルは2本付属します。ケーブル1本につき、コネクタが4個または2個付いています。

ケーブルの長さは約95 cmで、コネクタ間が約15 cmずつ離れています。

特殊仕様のサーバー向けHDDや、ケースファンコントローラに電力を供給する「Molex(ペリフェラル4ピン)」は1本付属します。

1本のケーブルに2個付いています。コネクタ間が約15 cmずつ離れています。

電源ユニットとコンセントをつなぐ「電源ケーブル(アース線つき)」です。

IEC320 C13規格の太いコネクタに、許容電流が16Aある1.64 mm径(断面積1.30 mm²)の太いケーブルを採用します。

ノイズを抑制する大型フェライトコアは付いていないです。

今回送ってもらったサンプルは海外リテール版だから、コンセントが海外仕様です。国内販売モデルは日本用コンセント(タイプA)を採用します。

アクセサリー類は最低限の内容

自作パソコンの裏配線で活躍する「結束バンド」が5本付属します。

「小ネジ」が5本付属します。電源ユニット本体をPCケースに固定するときに使います。予備が1本入っています。

やかもち
低価格で高性能を維持するべく、付属品は必要最低限の内容に削られています。

フルモジュラー仕様と「割り切った感」あるデザイン

冷却ファンのブレード面積にぴったり合わせて、シンプルな柵状のファングリルを開けています。

柵の間隔が約6.5 mmも空いているため、自作PCでよく使う小ネジサイズだと内部にあっさり侵入します。

無骨なマットブラック塗装の本体に、be quiet!のロゴマークがエンボス加工で凸む形で入れられています。

表面はツルツルとした塗装(= 粉体塗装がない)だから、そのまま指でベタベタ触ると脂汗が付着します。

すべてのケーブルを着脱できる「フルモジュラー(フルプラグイン)」方式です。使うケーブルだけ任意で取り付けられるから、配線を最小限に抑えたスッキリした自作パソコンを組み立てられます。

各コネクタ(モジュラー)に「MB」や「PCIe」など、対応するハードが分かりやすく記載されていて便利です。

しかし、CPUを意味する刻印だけ、なぜか「P8」表記でちょっと伝わりづらい印象あり。「EPS」や「CPU」表記に改めたほうがいいかもしれません。

120 mm口径の冷却ファンを搭載。メーカー仕様表によるとよるとライフルベアリング方式のファンです。

一般的に、ライフルベアリングはFDBファンの耐久性と静音性に及ばないものの、スリーブベアリングやボールベアリングより優れた選択肢とされています。

be quiet!は一部のハイエンド(ほぼフラグシップ)のみにFDBファンを導入し、ほとんどの中間グレード製品にライフルベアリングを採用します。

本体底面に出力表が貼ってあります。

be quiet! PURE POWER 13M(出力表)
型番:L13-M-1000W / モデル:PURE POWER 13M
AC入力100 ~ 240V(50 ~ 60Hz)
DC出力+3.3V+5V+12V-12V+5Vsb
出力電流22A22A83.4A0.3A3A
合計出力120W1000W3.6W15W
総合出力1000W

現代のPC向け電源ユニットで定番のシングルレール方式です。CPUやグラフィックボードなど、主要なPCパーツが接続される+12Vレールにて、最大1000 Wの出力に対応します。

電源ユニット側の対応コネクタをチェック。

対応コネクタ
マザーボード用
(ATX 24 pin)
1個
グラフィックボード用
(12V-2×6)
1個
グラフィックボード用
(PCIe 6+2 pin)
2個
CPU用
(EPS12V 4+4)
2個
SATA / Molex兼用
(SATA / Molex 4 pin)
2個

必要十分な拡張性が確保されています。

Core Ultra 9 285KやCore i9 14900K、またはRyzen 9 9950X3DなどハイエンドCPUに、RTX 5090を1枚組み合わせても大丈夫。

コンセント側のインターフェイスです。

  • 1個:電源コネクタ(IEC320 C14)
  • 1個:電源のオンオフボタン

セミファンレスを切り替える手動ボタンやダイヤルはありません。

左右のサイドパネルは密閉され、エンボス加工で「be quiet!」のロゴを押し出したシンプルな意匠です。

奥行き160 mmのスタンダードなサイズ感です。たいていのPCケースと高い互換性を確保します。

電源ユニットの本体重量は実測1750 g(約1.75 kg)でした。

内部コンポーネント(腑分け写真)

フタを開けて内部コンポーネントを確認してみます。

プラス(PH1規格)ドライバーを使ってファングリルの四隅を固定する4本のネジを外すだけで、かんたんにフタを開けられます。

記事の序盤にリンクを掲載したCybenetics Labsレポートと照らし合わせながら、今回の市販モデルでも同じ部品が確認できるかチェック

開封(分解)すると10年間のメーカー保証が無効になります。真似しないでください。

約6.5 mm間隔もある、目が粗い柵状ファングリルです。風通しが良く、ファングリルの重要な役割「エアフローの確保」をしっかり果たします。

しかし、目が荒くて自作PCで多用する小ネジやミリネジをスッと通しやすいです。自作PCを組み立てるとき、うっかり中に異物混入しないよう注意が必要です。

冷却ファンは「BQ QF2-12025-HS」です。be quiet!(※自社設計で中国製造)製の120 mm径、ライフルベアリング方式の静かな冷却ファンが搭載されています。

専用の制御ICコントローラを用いて、約700 ~ 2000 rpmの範囲で静かにファン回転を制御します。

電源ユニットと冷却ファンがミニ2ピンコネクタで接続されています。ホットボンドでガチガチに固着していて、取り外せません。

be quiet! PURE POWER 13Mの製造元はCybenetics Labsのレポートに記載があるとおり、FSP(台湾:全漢企業股份有限公司)」社です。

ハイエンド級の性能なのに、意外とスカスカした印象の内部設計です。逆に言えば、部品と部品のスペースに余裕があり、電源ユニット内部の熱を効率よくケース外へ排出できます。

発熱が激しくなる傾向が強いMOSFET周辺に、きちんとヒートシンクを配置して、製造コストを抑えながら効率よく冷やす狙いです。

見える範囲で部品チェック
(※クリックで画像拡大)
12Vレール用
MOSFET
ゲートドライバーIC
LLC共振
コントローラ
アクティブPFC用
コントローラ
アクティブPFC用
MOSFET
ブリッジ整流器

目に見える範囲に限るものの、2025年5月に公開されたレポートとまったく同じ部品を確認できます。

1次側に、台湾エリート(Elite)ののアルミニウム電解コンデンサ(定格電圧420 V / 容量470 uF / 定格105℃ / 2000時間モデル)が入っています。

となりに同じ仕様のアルミニウム電解コンデンサも配置して、合計940 uFの静電容量を確保します。

容量1000 Wに対して必要十分なコンデンサ容量(静電容量)を用意し、変換効率の無駄を抑えつつ、旧基準ATX 3.0に合格できる程度のホールドアップ時間(停電したあとも電力を供給しつづけるタイムリミット)も両立します。

Cybeneticsレポートによると、ホールドアップ時間は「22.2ミリ秒」です。ATX 3.1(> 12 ms)どころか、もっと厳しい旧基準ATX 3.0(> 17 ms)すらクリア済みです。

半円で「S」を囲ったロゴマークが特徴的な水色のコンデンサが、台湾エリート(Elite)の導電性高分子アルミ個体コンデンサ(ポリマーコンデンサ)です。

ポリマーコンデンサは生産時の供給状況に合わせて、他の台湾や中国ブランドに置き換わる場合もあります。

日本ルビコンのアルミニウム電解コンデンサ(定格電圧16 V / 容量680 uF / 定格105℃ / 6000~10000時間モデル)です。

細長い小豆色のコンデンサが、台湾エリート(Elite)のアルミニウム電解コンデンサ(定格電圧16 V / 容量4700 uF / 定格105℃ / 2000間モデル)です。

マイナーレール(+5V & +3.3V)を生成するドーターボード上に、台湾APAQ製と台湾エリート製(UPS Series)の導電性高分子アルミ個体コンデンサ(ポリマーコンデンサ)が並んでいます。

小さな黒いコンデンサが台湾エリート(Elite)のアルミニウム電解コンデンサ(定格電圧35 V / 容量330 uF / 定格105℃ / 2000~5000時間モデル)です。

モジュラーコネクタ周辺に、導電性高分子アルミ個体コンデンサ(ポリマーコンデンサ)が敷き詰められています。黒色が台湾APAQ製、青色がBiostar(詳細不明)製です。

目視で見える範囲はすべて、台湾APAQまたはBiostarの導電性高分子アルミ個体コンデンサ(ポリマーコンデンサ)で敷き詰められています。

  • APAQ:13個
  • Biostar:9個

全部で22個のポリマーコンデンサが、モジュラーボードに搭載されています。

  • ルビコン(日本メーカー)
  • APAQ(台湾メーカー)
  • Elite(台湾メーカー)
  • Biostar(詳細不明)

電解コンデンサはElite製(定格105℃品)で固められ、個体コンデンサにAPAQとElite製を多用する、ややコストカット感ある構成です。

ライバル製品より安い価格に抑えながら、ライバル以上のハイエンド級の性能を出すために、低コストでも一定の信頼性を担保できる部品を使っています。

メーカー保証もたっぷり10年です。

やかもち
台湾メーカーの定評ある定格105℃コンデンサを大量に使って、製造コストを抑えています。

be quiet! PURE POWER 13Mを実際に使ってみる

テストPCスペックを紹介

テスト環境
「ちもろぐ専用 Intelベンチ機(2025 / 新)
スペック使用パーツ
CPUCore i9 13900KPL1 = PL2:253 W
CPUクーラー280 mm水冷式クーラーNZXT Kraken 280(2023)
メモリDDR5-8000 48GB(24GB x2)G.Skill Trident Z5 RGB
マザーボードIntel Z790チップセットTUF GAMING Z790-PLUS WIFI
グラボ #1RTX 5090 32GBZOTAC GAMING OC
(Power Limit:104%に変更)
グラボ #2
(Power Limit:-)
SSD1 TB(NVMe SSD)Samsung 970 EVO Plus
電源ユニットbe quiet! PURE POWER 13M(1000 W)
(レビュー対象)
OSWindows 11 Pro 24H2
(KB5041587適用済み)
Windows 11 Pro(パッケージ版)

今回は容量1000 Wの電源ユニットを検証するべく、ピーク負荷が1150 W近くに達するハイエンドGPU環境を用意しました。

実測で300 W台も消費するCore i9 13900Kに、実測で600 Wを超えられる弩級のハイエンドグラボRTX 5090を組み合わせています。

現時点で、ほぼ最上位のゲーミングPCを想定したスペックです。

グラフィックボードの消費電力を測定(Cybenetics)

各電圧レールの測定には、Cybenetics Labs謹製のPMD(Power Measurement Device)を使い、0.001 V(1 mV)単位かつ毎秒最大1000サンプル(1ミリ秒)の刻み値で記録します。

安物の8ビットマルチメーターやオシロスコープの安物プローブを、マザーボードやコネクタの隙間にぶっ刺すよりも、いくぶん精度が高いです。

容量110%もの超高負荷ですら安定動作

負荷システム(DC側)
平均値1000 W
中央値1010 W
上位1%1085 W
上位0.01%1107 W
  • CPU負荷:Prime95 Small FFTs(TDP:253 W)
  • GPU負荷:FurMark 2 3840 x 2160(TGP:600 W)

以上のベンチマークで、システム側(DC側)で約1000 Wの負荷を連続して掛けられます。

約60分間そのまま放置して、何事もなく安定してベンチマークが正常に稼働しつづけます

be quiet! PURE POWER 13M(容量1000 W)は、最大容量いっぱいの消費電力(1000 W)、ピーク時に約1100 W近い弩級のハイエンド構成にあっさり耐えられます

ミドルクラスからハイエンドまで、おおよそ想定されるほとんどのPCスペックに難なく対応できる、非常にパワフルな出力性能です。

各電圧レール測定グラフ
※クリックで拡大
PCIe 12V
EPS 12V
ATX +12V
ATX +5V
ATX +3.3V

負荷が上昇すると、各電圧レールが分かりやすく低下します。

偏差(変動幅)も十分に抑えられ、Intel ATX規格で決められた範囲内に余裕で収まってます。

PCIe 12V [RTX 5090]変動幅基準値
最大値12.12 V1.03%< 5.00%
最低値11.87 V-1.06%> -8.00%
EPS 12V [Core i9 13900K]
最大値12.13 V1.04%< 5.00%
最低値11.90 V-0.80%> -7.00%
ATX +12V
最大値12.13 V1.08%< 5.00%
最低値12.00 V0.03%> -7.00%
ATX +5V
最大値5.08 V1.50%< 5.00%
最低値5.00 V0.06%> -5.00%
ATX +3.3V
最大値3.38 V2.42%< 5.00%
最低値3.31 V0.18%> -5.00%

be quiet! PURE POWER 13Mは「ATX 3.1」と「PCIe 5.1」規格に準拠した電源ユニットです。

各電圧レールの許容範囲はそれぞれ±5%で、+12Vレールは+5% / -7%、12VHPWR(12V-2×6)レールは+5% / -8%が許容範囲です。

すべての電圧レールが問題なくATX 3.1規格で定められた許容範囲に収まっています。

連続的で急激な負荷変動でも安定動作

負荷システム(DC側)
平均値834 W
中央値989 W
上位1%1122 W
上位0.01%1152 W
  • CPU負荷:Prime95 Small FFTs(TDP:253 W)
  • GPU負荷:FurMark 2 3840 x 2160(TGP:600 W)

連続負荷ベンチマークを実行した状態で、FurMark 2でスペースバーを押しっぱなしにします。すると、グラフィック描画が500ミリ秒ごとにオンオフを繰り返し、連続的な負荷変動を再現可能です。

500ミリ秒ごとに負荷が止まって500 W前後まで下がり、また500ミリ秒たつと負荷が再開して1150 W前後まで上昇・・・を延々と繰り返す過渡応答に似た状況です。

最大容量(1000 W)を約12~15%も繰り返しオーバーランする過酷な連続負荷に対して、be quiet! PURE POWER 13Mは非常に安定した動作でした。

ピーク時に約1150 Wに達し、電源の最大容量を15%も上回る電力を引き出しても、システムは安定して動き続けます。スパイク由来の強制シャットダウンも発生しなかったです。

ATX 3.0(ATX 3.1)規格に準拠した設計だから、0.1ミリ秒以内のスパイクなら容量の2倍にあたる2000 Wまで耐える仕様です。

スパイクに該当しない持続的な容量オーバーの場合は、過負荷保護(OPP)機能によって容量の110~115%前後(= 1110~1150 W)で自動的に停止させられます。
やかもち
オーバークロック版「RX 9070 XT」はもちろん、弩級のグラボ「RTX 5090」ですら余裕あり。
各電圧レール測定グラフ
※クリックで拡大
PCIe 12V
EPS 12V
ATX +12V
ATX +5V
ATX +3.3V

負荷の変動に合わせて、各電圧レールが分かりやすく乱高下します。

PCIe 12V [RTX 5090]変動幅基準値
最大値12.09 V0.73%< 5.00%
最低値11.84 V-1.32%> -8.00%
EPS 12V [Core i9 13900K]
最大値11.98 V-0.14%< 5.00%
最低値11.88 V-0.98%> -7.00%
ATX +12V
最大値12.08 V0.70%< 5.00%
最低値11.99 V-0.11%> -7.00%
ATX +5V
最大値5.05 V0.90%< 5.00%
最低値5.00 V-0.04%> -5.00%
ATX +3.3V
最大値3.35 V1.52%< 5.00%
最低値3.30 V0.09%> -5.00%

すべての電圧レールが問題なくATX 3.1(ATX 3.0)規格で定められた許容範囲に収まっています。急激な負荷変動に対しても問題なく正常動作です。

各ケーブルや電源本体の表面温度

約1020 Wの連続負荷テストを2時間ほどつづけたあと、サーモグラフィカメラで電源ユニット本体の表面温度を撮影します(撮影時の周辺気温:29.6℃)

ファングリル正面の表面温度です。回っている冷却ファン越しでも、内部の高い温度が伝わってきます。

コンセント側から撮影すると、電源ユニット内部の温度をより正確に確認できます。

  1. コモンモードコイル:101.1℃(Δ71.5℃)
  2. MOSFET(ヒートシンク):110.5℃(Δ80.9℃)
  3. インダクタ:123.4℃(Δ93.8℃)

もっとも熱いエリアで120℃超(Δ90℃)まで上昇します。

電源ユニット底面の表面温度をチェック。一番熱いエリアで約86℃(Δ56℃)です。

プラグインコネクタ周辺の表面温度です。12V-2×6コネクタ付近が56℃前後(Δ26℃前後)、EPS 12V付近は49℃(Δ19℃)程度、ATX 12Vが45℃(Δ15℃)程度に収まります。

システム側の各コネクタケーブルの表面温度です。

約600 Wが流れている12V-2×6で58℃前後(Δ28℃前後)ほど、約330 Wが流れるEPS 12Vで48℃前後(Δ18℃前後)、ATX 24 pinがわずか40℃(Δ10℃)でした。

12V-2×6ケーブルの表面温度を細かく確認します。

撮影時で600 Wもの大電力が流れていますが、出力側の表面温度は60℃台(Δ30℃)です。

まったく問題ない温度ですが、グラフィックボード本体に近づくと表面温度はどうなるでしょうか。

グラフィックボード側の12V-2×6コネクタの表面温度を、正面から見たサーモグラフィー画像です。

グラフィックボードに近い位置でも温度はそれほど変化がなく、コネクタ先端で約76℃(Δ46℃)で済んでいます

反対側から見ると、もっとも熱いエリアで約85℃(Δ55℃)まで上昇します。

付属する12V-2×6ケーブルの許容温度は105℃なので、85℃程度なら特に問題ないでしょう。

12VHPWR(12V-2x6)ケーブルの耐熱温度

be quiet! PURE POWER 13Mは競合する他社の電源ユニットと同様に、「105℃耐熱」仕様の12VHPWR(12V-2×6)ケーブルを採用。RTX 5090(TGP:600 W)を運用しても「コネクタの溶融」に到達する可能性が非常に低いです。

やかもち
ケーブルの発熱よりも、グラボ本体が放出する熱気が原因で温度がけっこう上がります。

負荷ごとの電源ユニットの騒音値

電源ユニットから約50 cmほど離れた位置に「デジタル騒音計」を設置して、負荷ごとに1秒ずつ騒音値(デシベル値)を測定します。

消費電力(DC側)騒音値
100 W31.1 dB
200 W31.1 dB
300 W31.1 dB
400 W31.2 dB
500 W31.9 dB
600 W31.9 dB
700 W32.2 dB
800 W32.4 dB
900 W33.0 dB
1000 W33.8 dB

デジタル騒音計による測定値は以上のとおりです。

なお、測定値(dB)だけだとかなり誤解を生む可能性が高いから、負荷ごとに聴いてみた主観的なコメントを書いておきます。

消費電力
(DC側)
冷却ファンコメント
100 W停止
(0 rpm)
完全に無音
200 W
300 Wセミファンレス
(0~700 rpm)
基本的に無音に近い
400 W
500 Wゆったり回転
(700~750 rpm)
50 cmの距離でもファンの風切り音はごくわずか
600 W
700 Wゆったり回転
(700~800 rpm)
風切り音はわずかなまま、至近距離で聞こえる微弱な電子音(ジーー)が発生
800 W
900 Wゆったり回転
(900~1000 rpm)
風切り音は静かなまま、距離50 cmから耳をすませば電子音(ジーー)が聞こえる程度
1000 Wやや回転
(1000~1100 rpm)
50 cmの距離でようやく風切り音が聞こえる程度でしかなく、依然として「静か」といえる状態を維持・・・

あまりにも静かすぎて故障を疑うレベルです。

信じられないほど攻めるセミファンレス制御が行われ、負荷400 Wまで冷却ファンがなかなか回らないです。回ったと思えば、回転数がゆるゆるでほとんど動作音が聴こえません。

負荷500 W以上から安定して冷却ファンが回るようになりますが、回転数がとても穏やかで動作音はずっと静かなまま。エアコンや暖房をつける季節なら、基本的に電源の動作音は聴こえないです。

負荷900 Wでようやく冷却ファンの風切音が聴こえ、「ジーー」とセミのような電子音がほんのわずかに鳴っています。

負荷1000 Wに到達すると冷却ファンが割ときっちり回っていて、距離50 cmでも風切音を聞き取れますが、依然として信じられない「静けさ」です。

さすが無音クラスの静音グレード「LAMBDA A++」認証を取得できる実力は次元が違います。A+未満と比較して、フル負荷時でも静音を維持するのがA++です。

やかもち
負荷800~1000 Wの領域は、ハッキリ言って電源よりCPUクーラーやグラボの方が途方もなくうるさいです。PURE POWER 13Mの動作音は存在しないも同然でした。

USBポートの5V電圧をチェック

USB 5Vの電圧変動グラフ

(7.5 W負荷で電圧変動をチェック)

USBポートに約7.5 W(5.0 V x 1.5 A)の負荷をブラ下げて、USBテスター経由でUSB 5V電圧の変動を比較したグラフです。

USB 5V最大変動偏差(変動幅)
be quiet!
PURE POWER 13M 1000W
177.0 mV3.47%
be quiet!
DARK POWER 13 1000W
335.3 mV6.52%
VETROO GV1000 ATX 3.164.6 mV1.29%
Corsair RM1000x ATX 3.1273.0 mV5.44%
MSI MAG A850GL PCIE5253.0 mV5.07%

be quiet! PURE POWER 13Mは、USB +5V電圧を許容範囲内(-5~10%)に留めます。

以前レビューした中華電源「GV1000」につづき、下限値(4.75 V)を維持できる2台目の電源ユニットです。

(Universal Serial Bus Specification, Revision 2.0 より)

電圧降下幅が大きすぎると、USB機器が必要とする電力を十分に満たせない※など、実用上のデメリットが生じる可能性を考えられます。

USB 5V(給電性能)
目標(1500 mA)7.50 W
VETROO GV10007.38 W
be quiet!
PURE POWER 13M 1000W
7.32 W
ASRock SL-850GW(5V BOOST)7.23 W
ASRock TC-1300T7.13 W
Corsair RM1000x ATX 3.17.11 W
MSI MAG A850GL PCIE57.07 W
Corsair HX850i 20217.05 W
be quiet!
DARK POWER 13 1000W
7.03 W
KRPW-GA850W/90+6.97 W

be quiet! PURE POWER 13Mは負荷1500 mAに対して、平均7.316 W(4877 mV)の電力を返します。平均を上回るUSB 5V給電性能です。

※7.5 Wも消費するUSB機材には、おそらくACアダプターが付属するはずだから、実用上あり得るシチューエーションかどうか不明。

【参考程度】電源ユニットの変換効率を測定

be quiet! PURE POWER 13Mは、厳格なCybenetics ETA認証を取っているから、わざわざ変換効率を調べる必要はありません。

しかし、自分の環境でも本当に変換効率が高いかどうか気になったので、参考程度にちょっと調べてみます。

  • ベンチマーク機材の消費電力(DC側):Cybenetics PMDで測定
  • コンセント側の消費電力(AC側):ラトックシステムで測定

DC側とAC側それぞれの消費電力を個別に測定して割り算すると、いわゆる「変換効率」をざっくり計算できます。

注意点:DC側とAC側で使っている機材の測定精度が100倍も違います。しかもCPU + GPUベンチマークを使ったブレ幅の大きい負荷だから、あくまでも参考程度に。

(DC消費電力 / AC消費電力 = 変換効率)

負荷率10%時点で88%の変換効率を突破し、負荷率20 ~ 90%まで90%超の変換効率です。フル負荷で90%を割り込み、上位モデルと同程度に。

まとめ:同価格帯でほぼ前例がない「驚異の静音電源」

「be quiet! PURE POWER 13M」の微妙なとこ

  • わずかに大きい(奥行き160 mm)
  • 各種ケーブルがやや硬い
  • 日本メーカーコンデンサはごく少量

「be quiet! PURE POWER 13M」の良いところ

  • 定評ある台湾105℃コンデンサ
  • 容量1000 Wを115%使えます
  • 許容範囲内に収まる安定した電圧
  • 負荷1000 Wまで一貫して静か(A++)
  • セミファンレス対応(切り替え不可)
  • 変換効率がかなり高い
  • おおむね問題ない表面温度
  • 12V-2×6ケーブル付属(最大600 W対応)
  • 幅広いラインナップ(550~1000 W)
  • メーカー10年保証
  • コストパフォーマンスが高い

「be quiet! PURE POWER 13M」は、定番モデル「RM1000x(ATX 3.1)」に対抗しうる電源ユニットです。

消費電力1000 W超えのハイエンドスペックに余裕で耐える強力な出力性能を備えながら、負荷1000 Wでも動作音を「静か」に抑えられる驚異の静音電源です。

あのCorsair RMxに性能面で十分に競合でき、静音性において同価格帯で他に類を見ない頭一つ抜けた最強格に君臨します※。

ただし、製造コストを抑えるためにコンデンサは台湾メーカー(定格105℃)品を多用します。

と言ってもEliteやAPAQなど、一定の品質と定評あるコンデンサがほとんどですし、上位モデルと変わらず「メーカー保証10年」を維持します。

優れた性能と圧巻の静音性を手頃な価格で買うなら、間違いなくおすすめできる電源ユニットです。

ハイエンド構成の一例※
CPUグラボピーク電力
(ゲーム時)
Ryzen 7 9800X3DRTX 5090740 W
RTX 5080470 W
RTX 4090590 W
Core i7 14700KRTX 5090780 W
RTX 5080510 W
RTX 4090630 W

※マザーボード / DDR5メモリ(2枚) / NVMe SSD(1枚)を合計50 Wで計算に加えています。

容量1000 Wですから構成も特に問いません。

RTX 5090を含むほとんどのPCスペックに、PURE POWER 13M(1000 W)1台で対応可能です。RTX 5080(RX 9070 XT)以下であれば、容量850 Wモデルで十分でしょう。

以上「be quiet! PURE POWER 13Mレビュー:RMxと同価格帯で無音クラスの静音性」でした。

※国内販売モデルを調べた限り、容量1000 W版は本当に例がないです。

やかもち
値段がとにかく高いイメージが強かった・・・あの「be quiet!」から、まさかここまで「性能の割に手頃な価格」が出てくるなんて予想外でした。

「be quiet! PURE POWER 13M」を入手する

be quiet! / 容量:1000 W / 効率:80 PLUS Gold / 静音:Cybenetics A++(~15 dB) / 製造元:FSP / 保証:10年
be quiet! / 容量:850 W / 効率:80 PLUS Gold / 静音:Cybenetics A++(~15 dB) / 製造元:FSP / 保証:10年

今回レビューした容量1000 W版が約2.2万円から、売れ筋の容量850 Wは約1.8万円から、be quiet!公式ショップ(Amazon)で買えます。

「be quiet!」代理店が運営する公式ショップ

be quiet!国内代理店のテックウインドさんより、Amazon.co.jpに直営の公式ショップがあると教えてもらったので、一応紹介しておきます。

公式ショップで購入する最大のメリットは最大10年間のメーカー保証が付与される点です。うっかり並行輸入品を掴むと保証を受ける手間が跳ね上がりますが、正規品ならラクにサポートを受けられます。

ただし、Amazonのアルゴリズム次第で怪しい業者のマケプレ出品が優先的に表示される場合が多々あるため、出荷元と販売元が「be quiet! 公式通販」かどうか要チェックです。

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3 件のコメント

  • > 「be quiet!(静かに!)」のブランドイメージ的に、LAMBDA認証ロゴを印刷した方がいいのでは?

    これは本当にそう
    他の製品もちゃんと質いいし静音なのになぜかアピールが足りない
    社名で察しろってことなのかなw

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