国内外で圧倒的な人気を持つ、ゲーム機向けのマウス & キーボードコンバーター「XIM4」に最新モデル「XIM APEX」が登場した。さっそく実機を入手したので、使い方の解説や実際に使ってみた感想を紹介してみたい。
この記事の目次
ゲーム機をゲーミングPCにする「XIM APEX」
PlayStation 4やXbox Oneなど、最近のハイエンドゲーム機はものすごく画質がキレイなゲームを動かせるようになった。おかげで「ゲーミングPCじゃなくてPS4で良いや。」という人も少なくない今日このごろ。
しかし、ぼくが思うにゲーム機の苦手な部分って操作のしづらさだと思ってたり。RPGなら良いけれど、FPSやTPSのように競技性が求められるゲームで、操作しづらいコントローラーはキツイ。
どうすればパソコンの操作と同じように、PS4やXBOXを操作するのか。その最適解が今のところは「XIM APEX」。

さっそく買ってみたので、設定のやり方から順番にレビューしていきます。
XIM APEXの初期設定をやっていく

Amazonにて24000円ほどで手に入れた。定価は約100ドル($99.99)なので、国内価格はものすごく高くなってしまっている。今は供給が間に合っていないので、待てる人は価格が落ち着くまで待ったほうが良いかも。

中身はシンプルで、説明書も用意されていない(ちょっと不親切ですね)。その代わりにXIM公式フォーラムに必要な情報はだいたい載っているので、そちらを見れば概ね大丈夫かと(Google翻訳は必要)。

同封物は「XIM APEX本体」と「USBハブ」の2つだけ。付属のUSBハブはとてもケーブル長が短いので、ゲーム機から距離を取りたい人はUSB延長ケーブルやケーブル長が長いUSBハブを買ったほうが良い。

こんな感じで、付属のUSBハブじゃなくても問題なく使えてしまう。3つ以上の機器を接続したい場合も、USBハブはなかなかオススメかも。
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無難に使えるAnker製。1メートルの延長ケーブル付きがおすすめ。

USBハブに「キーボード」「マウス」「コントローラー」(ジョイコンなど、他のゲーム機専用のコントローラーも可)を接続し、それをXIM APEXにつないでPS4へ接続していく。
PS4へ接続する前にコントローラー設定を

PlayStation 4の「設定」に行きます。

設定の「周辺機器」を。

「コントローラー」の設定へ。

「通信方法」という項目があるので開く。

ここをUSBケーブルに切り替えておきます。XIM公式いわく、この設定をやっておかないと上手くいかないことがあるらしい。
マウスやキーボードをXIM APEXにつないでいく

- USBハブ
- XIM APEX
- PS4コントローラー
- キーボード
- マウス(RIVAL 310)
- PS4
この6つの機器を順番につないでいきます。

マウスとUSBハブを接続。

次にキーボード。

そしてPS4を操作しやすいように、一応コントローラーも接続しておいた。

これでUSBハブにすべての機器を接続できました。


あとはUSBハブをXIM APEX本体に接続し…

PS4のUSBポートへ、XIM APEX本体を挿し込みます。これでデバイス側の準備はOK。残るはソフトウェア側の設定になるので、持っているスマホへ作業が移ります。
スマホアプリ「XIM APEX Manager」で設定

Android版、iOS版、Windows版の3つが用意されている。ぼくが持ってるスマホはAndroidなので、Google Playから「XIM APEX Manager」をインストールする。
比較的新しいOSじゃないと使えないので注意。Galaxy S4は大丈夫だったけれど、Galaxy S3は無理でした。
- Android:4.4以上
- iOS:8以上
- Windows:10 または 8.1(32bit / 64bit)

インストールが終わったらさっそく「開く」。

「CONTINUE」をタップして、その次は「ACCEPT」をタップ。

対応ゲームのプロファイルをダウンロードするように言われるので、ダウンロードします。ちなみに2018年3月時点で、XIM APEXが対応しているゲームは全部で219個。詳細は以下の記事で見れます。

ダウンロードが完了したら「OK」を押して、スマートフォンとXIM APEXを接続します。ここで注意したいのが「Connecting…」と表示されている間に、XIM APEXのボタンを一度だけ押すこと。

「Connecting…」中に、このボタンを一度押さないと接続が完了しないので要注意。

なぜかXIM APEXと接続できない場合、大抵は「Bluetooth」のエラーです。

スマホの設定から「Bluetooth」を有効化すれば、XIM APEXとちゃんとペアリング出来るようになります。有効化したら、再度Connectingを試すこと。

無事、接続に成功してプロファイル(設定)を選べるようになりました。
XIM APEXにマウス感度などを入れていく
今回は「Call of Duty : WW2」を例に、マウス感度やキーボードの割り当てなど。いろいろと設定を入れていこうと思います。

まず「call」と入力して、該当するプロファイルを出してもらう。その中に「Call of Duty : WW2」があるので選択します。

「XIM APEXはゲーム側の設定から感度を最大しないと遅すぎるので、ゲーム設定の感度をMAXにするのを忘れないように」という注意文と、「ゲームごとに最新の設定をまとめたページがあるので表示しますか?」と出ている。
見たい人は「Yes」でいいし、自分で設定ができる人は「No」で良いと思います。

ちなみに「Yes」を押して開いてみたところ、肝心の「CoD : WW2」の設定は用意されていませんでした…(CoD : WW2はややこしい設定がないので特に問題はないです)。

というわけで、左上の「鉛筆マーク」をタップして、自分で設定をやっていく。

簡易設定だと、項目が少なめでカンタンに使えます。一番重要なのは「マウス感度」(Aim Sensitivity)の項目。ゲーム内でマウスを動かして、自分にとって一番しっくり来る感度になるよう何度も設定します。
「Hip」が普通に立っている状態(腰だめ)のマウス感度で、「ADS」がアイアンサイトやスコープを覗き込んだ時のマウス感度です。このあたりも自分が一番やりやすいスピード感になるよう、感度を調整するのみ。
レイテンシ(遅延)と、もっと高度な設定
簡易モードの設定で個人的には「十分」だと、実際にCoD:WW2をプレイしてみて思っていますが。もっと細かい設定をしたい人向けに、エキスパートモードの出し方を紹介。

右上をタップすると5つ項目が出てくる。その中の「GLOBAL SETTINGS」へ進み、「Enable Expert Configuration」(エキスパートモードの有効化)にチェックを入れる。

ここの「Response Rate」(応答時間)を125~1000Hzの範囲で選べるので、なるべく遅延を少なくしたい人は「1000Hz」を設定しておくと良い。
- 1000Hz:1ミリ秒(1ms)
- 500Hz:2ミリ秒(2ms)
- 250Hz:4ミリ秒(4ms)
- 125Hz:8ミリ秒(8ms)
応答時間と遅延の関係をまとめた。ちなみに公式フォーラムに書いてある情報では、PS4の場合は1000Hz(1ミリ秒)にしても実際には4ミリ秒が限界らしい。でもやっておくに越したことはないですね。

エキスパートモードは簡易モードより遥かに設定できる項目が多い。多すぎてよく分からないが、とりあえずデフォルト設定で遊んでます。
情報のある部分だけまとめ。

「ADS Delay」(ADS遅延)は、ADSに切り替えた時にマウス感度がADSモードに切り替わるのに掛かる時間を設定できる、とのこと(参考:ADS遅延とは)。CoDは武器によってそのディレイが違うので、こだわる人は平均値を使っているらしい(120~160ms)。

XIM APEXでは、「Primary」と「Secondary」が用意されているため、2種類のキー割り当てが設定可能。同時押しやキーバインドをカンタンにする時に重宝する(参考:PrimaryとSecondary)。

ADS時のマウス感度も、細かく設定できる。

「Auxiliary」は補助ボタンにキー割り当てが出来る設定。たとえば、ゲーミングマウスには側面に2つボタンがついてたりするよね。そのボタンにキーを割り当てられる…ということ。
ややこしいのは、どのAuxiliaryが実際にマウスのどの補助ボタンに対応しているのかが分かりづらい点です。フォーラムに「補助ボタンの機能例」が投稿されているので、そちらを参考にしたほう良いかも。

フォーラムのスレッド「XIM MANAGER BUTTON BINDING NAMES」より。
Logicool G600だと12個も補助ボタンがある。逆にこれだけの補助ボタンに対応しているXIMシリーズに驚きです…。
分かりやすい、XIM APEXの設定動画
XIM公式が分かりやすい設定動画をアップしているので、ぼくの説明で分かりにくい部分はこの動画で確認してください。英語ですが、動画でやっている作業を真似するだけで大丈夫です。

感想「XIM APEXを使うとPS4がPCみたい」

31キルは出来過ぎな方。CoDはまだ不慣れなのでだいたい10キルくらいに収まります。
Call of Duty : WW2をプレイするのは初めてですが、割りとキル出来てしまいます。ゲーム側のエイムアシストという機能も合わさって、余計にエイムが合いやすい傾向が強い。
ちなみにPS4専用コントローラーでプレイすると、キャンペーン(難易度:ルーキー)の最初の場面すら突破に20分くらい掛かってツライ。

そんなツライ序盤のキャンペーンも、XIM APEXを経由してマウスとキーボードを使えば、サクサクと英雄行動を重ねてアッサリ突破できた。
変換してるのに「遅延」が分からない
XIM APEXを使っても遅延は最短1msほど、PS4の場合は4ms発生していると言いますが、正直言って「体感するのは不可能」でした。パソコンでFPSをプレイするのと全く変わらない感覚でプレイ可能です。
日本国内では入手が難しくなってきた先代「XIM4」を持っていないので比較は難しいですが…、ほぼほぼ遅延ゼロなのでこだわりが無いならマウスコンバーターはXIM APEXで問題ないかと。
念のため、Rainbow Six Siegeを1100時間くらいプレイしているフレンドにXIM APEXを使ってCoD : WW2をプレイしてもらったけれど感想はほぼ同じ。

追記:レインボーシックスシージも快適!!
R6S歴1100時間のゼリオ氏に、XIM APEXを使ってPS4版のレインボーシックスシージをプレイしてもらいました。やっぱり専用コントローラーより快適で、これならゲーミングPC無くても良さそうとのこと。

なお、設定についてはゲーム別にまとめた記事を用意したので、そちらも見てください。
「PS4のゲーミングPC化」なのか?

「スリム型ゲーミングPC」に見えるPlayStation 4の様子
パソコンの方が使える幅は圧倒的に広いけれど、ゲームしかしない人にとってはパソコンである必要はなく「ゲーム機」で十分だったりする。

パソコンをよく作る筆者やかもちには、漠然と「ゲームするならゲーミングPC」という前提が存在するわけですが…、最近は事情が変わってきているようです。
事実、流行の大本であるPUBGではなくパクリゲーの荒野行動が本家以上の人気を誇る状態ですし、いかに低い敷居でゲームに参加できるかが人気ゲームの条件にすらなってきた世の中。
「PS4のゲーミングPC化」は言いすぎだけれど、定価99.99ドル(約11000円)のXIM APEXを使ってパソコンゲームをプレイするのと同じ感覚でPS4のゲームが出来るのかは「かなりの驚き」。
ここまでPCゲームと同じ感覚でゲーミング出来るなら、よほどの理由がない限りは「ゲーム機 + XIM APEX」という組み合わせで特に問題ないと思ってしまった。


XIM APEXのレビューまとめ

- ゲーム機をまるでPCゲームのように動かせる
- 「遅延」は体感できなかった(最短1ミリ秒)
- スマホアプリだけで手軽に設定ができる(パソコン無くても大丈夫)
- 補助ボタンやキーバインドまで含めた、細かいキー設定
- マウスやキーボードだけでなく、ジョイコンなど他の専用コントローラーも使用可能
複数のハードウェアをまとめるため、てっきり設定は手こずると思っていたがいい意味で予想を裏切られた。実際は10分くらいで接続からキー設定まで終わってしまった。
その設定の内容もとてもカンタン。今回の記事で解説したやり方や、途中に貼った公式フォーラムの動画を「真似」するだけで終わる。この手軽さはものすごく魅力的だと思います。

マウスコンバーターとしての性能も「申し分ない」レベル。遅延は分からないし、本当にパソコンでゲームをしているのと同じレベルで操作が出来る。

「Fortnite : Battle Royale」もプレイしたところ、同様に遅延なしの快適プレイだった。
XIM APEXの「弱み」「デメリット」- 品薄で価格が高い(2018/3時点で、定価の2倍)
- ファームウェアのアップデートはPCが必要に
- 付属USBハブのケーブルが短い
XIM APEX本体の問題ではないけれど、一応挙げておきました。
どうしても今は高いので、急ぎじゃない場合は絶対に待って下さい。
多分遅くとも7月には必ず値段が安定すると思います。— 株式会社しまリス堂 (@shimarisudou) 2018年3月6日
価格自体は待っていれば落ち着くので、時間が解決してくれる問題。
パソコンを持っていない人にとっては、XIM APEXが新しいゲームに対応した場合の「ファームウェアアップデート」が少々問題かも。
今後の対応予定ソフトまとめ(2018/3時点)。
- Metal Gear : Survive
- Sea of Thieves
- Farcry 5
- State of Decay 2
- Americas Army Proving Grounds
- APB Reloaded
- Anthem
- Batallion 1944
- Crackdown 3
- Darwin Project
- Days Gone
- DayZ
- Dead Island 2
- H1Z1
- Red Dead Redemption 2
- Shadow Warrior 2
今後対応される予定のゲームには「DayZ」や「H1Z1」も含まれているので、該当するゲームをプレイするつもりなら中古品の安いので良いからPCを用意したほうが良いかもしれない。

ケーブルが短い問題は「延長ケーブル」や「他社製のUSBハブ」で解決できます。1000~2000円の出費で済むので、大きなデメリットでは無いと思います。
Anker USB3.0 ウルトラスリム 4ポートハブ 1mUSB延長ケーブル付属
XIM APEX本体には不満なし

というわけで、XIM APEX本体はすばらしい性能を持っているので…

とか

なんて考えている人は、解決策として「XIM APEX」を検討してみてください。
購入する時は、XIM APEXの国内正規代理店「しまリス堂」が販売しているモノを購入するのがオススメ。一年保証を確実に受けるなら、「正規品」に限りますから(並行輸入品はリスクが高い)。
以上「XIM APEXをレビュー:ゲーム機がゲーミングPCになる驚きの性能」についてでした。
XIM APEXによくあるQ&A
よくある疑問や質問について、まとめました。
XIM4とXIM APEXの違いは?
大きく変わったのは、以下3点です。
- 遅延が最短1ミリ秒(XIM4は8ミリ秒だった)
- コントローラーを無線で使える
- 初期設定とAIM設定がカンタンになった
明らかにXIM4より「格上」のマウスコンバーターになりました。もっと詳しくスペック差を知りたい方は以下の記事もどうぞ。

XIM APEXが反応しない
記事で解説した初期設定を、もう一度最初からやってください。特にPS4のコントローラー設定は忘れがちです。

おすすめのゲーミングマウスは?
XIM APEXは感度が遅すぎるマウスでは、上手く動いてくれない場合があります。なので4000 CPI(dpi)以上の数値を設定できるゲーミングマウスを用意したほうが良い。

おすすめのマウスは色々あるので、この記事を参考にしてみて。個人的に愛用しているのは「RIVAL 100」で、ゼリオ氏は「G Pro」「G502」(最近はG502が良いらしい)を愛用しています。
ついでにゲーミングヘッドセットも買いたい

テレビのスピーカーだと足音が聞こえづらいよね。PS4はUSBタイプのヘッドセットが使えるので、この記事を参考に選んでみてください。ぼくは「Arctis 5」を愛用中。
こんにちは。
メーカーの定価は$99.99です(╹◡╹)
$125はXIM 4の方かと思います。
なるほど。米国Amazonの価格が125ドルだったので、つい勘違いしてしまいました。修正しておきますね。
前回記事書いてあったときは何のアイテムだろうと思っていたけれど今回記事でやっとわかった。
使い方詳しく書いてあるし結構よさそう・・って2万5千円って高いよ><
定価99ドルなので、25000円はどう考えてもボッタクリだよね…。13000~15000円くらいに落ち着いてきてくれたら、コスパ的にも問題ないアイテムになると思います。
apexのアプデにpc必要じゃ無くないですか?
XIM APEXのファームウェアがPC版とMAC版しか無いので、スマホからアップデートするのは無理そうですが。
byokibu@choco.la