「ステータスの仕様解説書」に回避の項目を書いておいたのですが、検索で探す人からすると見つけづらいと思ったので個別に「回避」について書いてみます。一応、内部データを解析した海外ユーザーによって回避確率は明らかになってるので、それに基いて色々と回避の性質を見ていこう。
開発のIMC Gamesが公式に計算式を公開したので、正しい回避確率の計算式を探している人は上記の記事を読んで下さい。
回避(Dodge)とは
TOSは敵から受ける被ダメージを完全にカットする方法に「回避」と「ブロック」があります。どっちが優秀とかそういう話はありますが、成功確率という面だけで見ればブロックの方が計算上の確率は高い。
しかし、回避のメリットは非常に大きいものがある。
- 回避を上げるために敏捷(DEX)を振るため、クリティカルヒットと親和性が高い
- 文字通り避けているため、ノックダウンなどを受ける心配がない
- 装備に物理的な危害が及ばないため、防具がとてもとても壊れづらい
ということです。しかし、魔法攻撃は回避できません…。
さて、次は国内ではまだまだ知られていない回避の成功確率について解説していきます。結構やっかいな計算式なのでグラフとかも使っていくよ。
回避確率の計算式
回避確率 = ( 回避 – 命中 ) / ( 0.3605 * 自分のLV + 18.64 ) * 敵のLV ^ 0.335
一見すると「んー?」となってしまう計算式です。順番に見ていくと…。
最初の計算は、自分の持っている「回避」ステータスの合計と、敵が持っている「命中」ステータスの合計を引き算するところから始まる。
例えば、自分が1000の回避を持っていて、相手が500の命中を持っているなら、手持ちの回避は500に減ってしまうということ。
ここは単なる掛け算と足し算の問題。「0.3605」と「18.64」という2つの定数は海外ユーザーのデータ解析によって見出された。じゃないとここまで正確な数値は割り出せない…。
最後は、敵のLVの0.335乗を求めるだけ。1以下の乗数ってなかなかややこしいですよね。2乗なら「2回掛け算する」だけですが、この場合は「0.335回掛け算する」ということになる。正直言って意味不明なので…。
表計算ソフト(ExcelとかCalcとか)を使って計算することをオススメします。以下のような式を入れれば答えが出るはず。
敵のLVが100の場合。
または
で求められます。
回避確率の計算例
自分のLVが250(回避650)で、敵のLVが240(命中220)の場合。
(650 – 220)/((0.3605*250+18.64)*(240^0.335)) = 63.04%
回避率は約63%になります。回避600強もあるのにこの程度しか回避できないのか…と思う。しかも相手はLVが10も格下にも関わらず。
自分のLVが300(回避850)で、敵のLVが50(命中38)の場合。
=(850 – 38)/((0.3605*300+18.64)*(50^0.335)) = 172.7%
100%を超えました。よく回避確率には80~85%の上限が設定されていると言われますが、計算式に基いて結果を出すと誤った理解であることが分かります。そう、回避率100%は理論上可能なんです。
ですが、これはLVが250も格下を相手にしているケースです。正直言って、実用性は皆無だよね。普通はみんな適正狩場で100%避けたいはずですから…。
コメントから指摘があり、あらためて回避確率のソースを調べてみたら以下のような記述が。
「With a maximum dodge rate of roughly 80-85%.」
おおよそ80~85%が最大回避確率だと書いてある。その次に、85%が限界である理由がある。
「Because the relationship is exponential with your level you are required to have more evasion as your level increases to provide the same dodge percentage. 」
レベルが上がれば上がるほど、同じ回避確率を得るために必要な回避は、指数関数的に増えていくからだ、と。つまり回避を増やすためにレベルを上げても、それに伴って必要な回避がどんどん増えていくので、実質的に85%くらいが限界ではないでしょうか?
というニュアンスだと思う。
「Note: This formula was generated through my own testing and shouldn’t be considered 100% accurate.」
注意書きもあり、この計算式は100%正しいわけではないとある。ソースの内容をあらてめてまとめると…。
- この回避確率は完璧ではないかもしれない
- 回避確率には80~85%のキャップ(上限)が存在する
- その理由はLVが高いほど必要な回避が増えるから
やっぱり「上限」はあるっぽい?
Evasion is based on DEX, and it have a max cap (~85%).
Block Vs Evasion
他のサイトにも回避確率の「上限」に言及されていることが多い。中々ややこしい…。
ということで、時間がある時に回避が700くらいあるアーチャーさんに手伝ってもらって、ケッピー相手に100%回避できないか確かめてみます。
次は、LV249(回避751)のプレイヤーのブラウンコリメン(LV238・命中326)に対する回避確率を求めてみる。
=(751 – 326)/((0.3605*249+18.64)*(238^0.335)) = 62.69%
ちなみにこの62%という回避率ですが、実際に同じステータスのフレンドに聞いてみたところ、体感では合っているそうです。
LV240台の狩場といえば作業場が有名。そこにいるブラウンコリメンからの攻撃を80%回避しようと思ったら…
=(869 – 326)/((0.3605*249+18.64)*(238^0.335)) = 80.09%
こちらの回避は869も必要になる。LV250程度で、回避を800~900ほど用意することは可能なんだろうか。やっちには分からないけれど、それなりに金を積まないと達成は厳しそう。
計算からわかったこと
- 計算上、回避の上限はない
- 適正狩場で80%以上の回避率を出すのはかなりの「回避」が必要
- 避ける側よりも、当てる側の方が難易度は低い(当然か)
よく上限があるとか言われますが、要するに適正狩場で100%の回避率はものすごく厳しいという意味かと。格下相手だったら100%回避は十分に可能ですね。
計算式の特徴を見よう
回避確率 = ( 回避 – 命中 ) / ( 0.3605 * 自分のLV + 18.64 ) * 敵のLV ^ 0.335
なぜこんなに回避が難しいのか。赤い部分がその答えです。
/ ( 0.3605 * 自分のLV + 18.64 )
ここ、割り算をしているんですが…その中に「自分のLV」が含まれている。つまり、自分のLVが上がれば上がるほど回避率はどんどん下がっていくことを意味する。同じ回避でもLVが上がるだけで回避率は下がってしまう。
これが適正狩場で回避率100%を達成するのが、ほぼ不可能な理由です。
10%の回避率を得るために必要な「回避」の差
やっちはエクセルで更に計算を行って、同じ10%の回避率を得るために必要な「回避」の差を計算しました。
LV | 回避(差) |
---|---|
10 | 5 |
20 | 7 |
30 | 9 |
40 | 11 |
50 | 14 |
60 | 16 |
70 | 18 |
80 | 21 |
90 | 23 |
100 | 26 |
110 | 28 |
120 | 31 |
130 | 33 |
140 | 36 |
150 | 39 |
160 | 42 |
170 | 45 |
180 | 48 |
190 | 51 |
200 | 53 |
210 | 57 |
220 | 60 |
230 | 63 |
240 | 66 |
250 | 69 |
260 | 72 |
270 | 76 |
280 | 79 |
290 | 82 |
300 | 85 |
310 | 89 |
320 | 93 |
330 | 96 |
340 | 100 |
350 | 103 |
360 | 107 |
370 | 110 |
380 | 114 |
390 | 118 |
400 | 121 |
410 | 125 |
420 | 129 |
430 | 132 |
440 | 136 |
450 | 140 |
460 | 144 |
470 | 148 |
480 | 152 |
490 | 156 |
500 | 160 |
自分のLVと相手のLVは同じという前提で計算(回避差は26という仮定で計算し、回避率10%になるように後から分割計算を加えて出した数値)。
LV10の時点では相手との回避差が5あれば、回避率は10%に。LV100の時点では5倍近い26に増えている。LV200で53に増え、LV300で85にまで増えている。
LV300で同じLVの敵を相手に100%の回避率が欲しければ、回避差は850ほど必要ということです。もし、相手が命中350だったら「850 + 350」でこちらは1200もの回避が必要になる。
回避確率の特徴まとめ
- 自分のLVが高いほど、必要な回避は増える
- 適正LVが相手なら、すさまじく頑張っても80%を出すのがいいところ
- 格上を相手にした場合、回避率80%は絶望的
- 格下が相手なら、回避率100%を出すことも不可能ではない
適正狩場の場合、そこそこの装備で回避率はだいたい60~65%くらいになるのではないだろうか。LVが高い敵ほど「命中」も比例して高くなっているからね。
回避 = Lv + DEX + ( Lv / 8 )
青い部分はアーチャーのみ適用。
回避は自分のLV、敏捷(DEX)を元に算出される。アーチャーの場合は、更に自分のLVの12.5%が加算される。
LV200で敏捷が300のアーチャーなら、回避のデフォルト値は525になる。あとは装備やスキルを使って補っていく。
「回避」まとめ
- 自分のLVが高いほど「回避」はたくさん必要
- 敵のLVが高いほど相手の「命中」は高くなっている
- 適正狩場で回避率85%はかなりむずかしい(装備にどれだけ金を出せるか…)
- 適正狩場で回避率100%はほぼ無理(今後、ぶっとんだ回避装備が出てきたら別だけど)
- 適正狩場でそこそこの装備なら回避率は60~65%に落ち着く
というわけで、以上「難解な計算式を持つ「回避」の成功確率の解説」でした。
LV300までDEX極振りを行った場合、回避は730くらいになる。相手にはクレー峠の「ブラックシャウラヴメイジ」を選んだ。この敵MobのLVは303、命中は349だ。
この時点で回避差は381。100%回避には850必要なので469足りない。では、LV300の時点で、装備を使って回避469は補えるのかどうか?
- 魔法付与:最大14(3個で42)
- ハンターバングル:回避15(2個で30)
- シェードスカート:回避65
- ロロパンサーレザーブーツ:回避167(ジェムを入れて235)
- シェードダンサー:回避71
- マガボウ:回避24
合計で「467」です。計算してみたら、この装備と回避差で回避率は98.8%に達しました。すごいですね、適正狩場(しかもLV300)で回避率が100%に肉薄しているんですよ。
とは言っても、これは完全に回避を重視した装備だけでこうなるという話であって、実用性はあまり考えていません。LV300の狩場でLV75防具のシェードダンサーを使うべきか?…という問題ですね。
あと、回避が上がるジェムは「グリーンジェム」です。ブーツに入れた場合、Lv10で回避68。ブーツに3個入れれば204になりますが、ブーツには魔法防御が上がるブルージェムも入れたいため、難しいところ。
ちなみに鋭い人は気づいたと思いますが、回避率98%と言っても相手が「メイジ」じゃ意味ない。回避をいくら上げても魔法攻撃は回避出来ないから…。(なお、ブラックシャウラヴメイジの魔法攻撃力は平均2100…痛い…)
TOSのステータスに関する記事
STR極と、DEX極のどちらが合理的なのか。これをTOSの今の仕様や、計算式に基いて考えてみた記事。
海外ユーザーの解析によって判明した「ブロック確率」に関する記事。特に、装備ステータスの「ブロック率」がほとんど機能していない現状の仕様はなかなか問題が多い。
ちゃんとリンク先のPDF読んだのですか?
回避率の式に続いて
With maximum dodge rate of roughly 80-85%.
式の計算結果に加えておおよそ80-85%の最大値(キャップ)があるよと書いてある。
つまり、回避にはキャップが存在し、100%回避は理論上不可能だと元のPDFにも書いてあることになります。
さらにその下には注釈があって、
この式は、私の実験結果から求められたもので、100%正確ではありませんとか、Lv250以上では(おそらくそのレベル帯の実験はしてないので)使い物にならないかもしれませんとか書かれてますよ。
上記の部分を読んでれば、このような記事にはならないと思うのですが・・・
いつも読んでます
なかなか出回ってない情報をまとめてくれて助かってます!
これからもよろしく
先日、回避の記事でお礼を述べた者です。
今まさにシェード装備をしていて魔法攻撃が痛すぎて岐路に立っていますね。
エラガノスカードを積めばもう少し上げられそうですね。
ソードマンならペル経由でガーディアン特性はかなり重要そうです。現状は攻撃力低下がきついですけど・・。
私のDEX極はペル経由してないので残念ですが、カタフラクトならコンパニオンにお金をつぎ込む手もありそうですね。というかコンパニオンの能力上昇効果はかなり侮れない気がします。問題はペンギンが可愛くないことでしょうか。
Because the relationship is exponential with your level
あなたのレベルと指数関数的な関係なので、
you are required to have more evasion as your level increases to provide the same dodge percentage.
同じ回避率を維持するためには、レベルの上昇に伴って、より高い回避が必要になります。
この文頭のBecause~は、1つ前のWith~の文章に対しての「なぜなら」ではなく、この文章の後半のyou are required~の原因を説明しています。(ここでは「なので」と訳しています。)
「指数的な関係なせいで回避に限界がある」
という意味は無いでしょう。
装備で上昇する回避に言及されるのでしたら、レザーマスタリも加味されるといいと思います。