CFD SSD CG3VXをレビュー:やっぱり格安SSDはおすすめできない

価格コムにて売れ筋No.1を抑えているのはインテルやサムスンの純正SSDではなく、なんとCFDブランドのエントリー向けSSD「CG3VX」シリーズです。圧倒的な安さが人気の理由だが、格安SSDは果たしてマトモな製品なのか?

検証レビューにて格安SSDの弱点を明るみにしてみたい。

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CFD SSD CG3VXの仕様とスペック

CFD販売 / NAND : TMC BiCS 3D TLC / 容量 : 480 GB / 耐久性 : 155 TBW / 保証 : 3年

CFDはPCパーツのサプライヤーで、NANDフラッシュメモリなどSSDの部品を製造するメーカーではない。よってCFDブランドのSSDは、必然的に他社から仕入れた部品で製造されることになります。

スペックCFD CG3VX
容量240 GB480 GB960 GB
フォームファクタ2.5 inch
インターフェイスSATA 3.0
コントローラPhison PS3111-S11(S11T)
NANDフラッシュ東芝製(TMC BiCS)3D TLC NAND(積層数は不明)
DRAMキャッシュなし※コントローラ内部に「32 MB」内蔵
読み込みシーケンシャル550 MB/s
書き込みシーケンシャル510 MB/s
読み込み4KBランダムアクセス82000 IOPS
書き込み4KBランダムアクセス89000 IOPS90000 IOPS
消費電力稼働時不明
保証3年
TBW書き込み耐性70 TBW155 TBW253 TBW
参考価格Amazon価格3281 円5582 円10800 円
GB単価13.7 円11.6 円11.3 円

スペックは以上の通り。

NANDフラッシュメモリは「TMC BiCS」と記載があったので、一応は東芝製です。ただし、3D NANDとあるが積層数(64層か96層か?)は不明で、やはりスペックの開示がやや不明瞭でした。

SSDコントローラは「Phison PS3111-S11(S11T)」が採用されています。Phison PS3111-S11はDRAMキャッシュに対応していないため、CFD CG3VXはDRAMレスSSDということになる。

「SmartZIP」機能の解説

なお、このコントローラはSmartZIP機能を搭載している。SmartZIPとは、データを読み書きする時にDRAMキャッシュ上で圧縮してから、NANDフラッシュのデータを読み書きする機能です。

フラッシュメモリに書き込まれるデータ量を軽減することで、SSDの書き込み耐性(TBW)を伸ばすことを可能にした。逆に言えば、SmartZIPがなければ寿命はもっと短くなる可能性もあります。

DRAMキャッシュは搭載しないものの、Phison PS3111-S11そのものに32 MBのキャッシュを内蔵する。32 MBは小さすぎて性能には寄与しないが、SmartZIPを機能させるには十分な容量なのでしょう。

まとめると、「CG3VX」は詳細の分からないNANDフラッシュを搭載するにもかかわらず、DRAMキャッシュは一切搭載しない典型的な格安SSDの特徴を踏襲するSSDです。

ライバルと比較して半分くらいの耐久性能

CFD SSD CG3VXのベンチマーク(TBWの比較)

書き込み耐性(TBW)は、定番のSATA SSDと比較するとおおむね半分くらいの水準です。決して高いとは言えない耐久性で、メーカーの保証期間はわずか「3年」しかない。

480 GB版の場合は155 TBWあるため、おそらく「普通の使い方なら十分。」という反論が考えられる。しかし、メーカー純正の一級品と比較すれば半分の耐久性しかないのは事実です。

CFD SSD CG3VXを開封レビュー

パッケージは意外とオシャレで安っぽさがない

エントリー向けSSDらしいポップなデザインに仕上がったパッケージは、意外とおしゃれで安っぽさがありません。

CFD SSD CG3VXをレビュー

「Smart ZIPを採用し、データの書き込み処理の効率化と耐久性を向上。」とアピールポイントがでかでかとパッケージに印刷されており、これも「意外と良さそう。」と思わせる効果がある。

CG3VXが売れてるのも分かる気がする。見た目はかなり重要ですから。

CFD SSD CG3VXをレビュー

裏面は保証規定について日本語で書いてあった。

CFD SSD CG3VXをレビュー

スライドして本体を取り出す。プラスチック製の梱包で本体はしっかりと保護されています。

内部コンポーネントを確認

CFD SSD CG3VXをレビュー

本体のパッケージングはシンプルです。マットブラック塗装のザラザラしたプラスチック製の筐体に、CFDがデザインしたシールを貼り付けただけです。

CFD SSD CG3VXをレビュー

裏面もシール貼り付けのみのシンプルなデザイン。四隅に2.5インチベイに固定するためのネジ穴が備え付けられています。

CFD SSD CG3VXの中身をチェック

では、金属ヘラなどを使ってCG3VXのパッケージングをこじ開ける。今まで何度か2.5インチSSDを分解してきたが、CG3VXは過去もっとも開けにくい筐体でした。

CFD SSD CG3VXの基板コンポーネント

基板はとてもコンパクトで、実装コンポーネントも少ない。中央に位置するのがSSDコントローラの「Phison PS3111-S11」で、左右から挟むように位置するのがNANDフラッシュメモリです。

NANDフラッシュには「TA7AG55AWV」と刻印があり、東芝のNANDフラッシュなのは間違いない。おそらくは64層の3次元NANDフラッシュだと思われますが、実態は不明。

CFD SSD CG3VXの基板コンポーネント

裏面にもNANDフラッシュが実装されています。これで合計4枚です。

品質の低いNANDフラッシュは、チップ単体では性能が遅い。だから2枚や4枚など、複数のチップを並列して使うことで遅い性能を改善する工夫をしています。「RAID 0」と似たイメージだと思ってください。

CFD SSD CG3VXの基板コンポーネント

というわけで、内部コンポーネントはスペック表通りの内容でした。嘘偽りない内容ですので、ひとまず安心しました。次は肝心の性能をチェックしていく。

CFD SSD CG3VXの性能を検証(ベンチマーク)

テスト環境

CFD SSD CG3VXを検証

ちもろぐ専用ベンチ機にてCFD SSD CG3VXを検証します。

Crystal Disk Mark 6

日本だけでなく国際的にも定番のSSDベンチマークである「Crystal Disk Mark 6」を用いて、CFD SSD CG3VXの基本的な性能をチェックする。

性能に一貫性があるかどうかを確かめるため、標準設定の「1 GB」だけでなく「50 MB」や「16 GB」など、複数のテストサイズを実行して「性能の変化」にも着目します。

50 MB

CFD SSD CG3VXのベンチマーク(Crystal Disk Benchmark)

Crystal Disk Mark 6で検証できる最小サイズ「50 MB」でテストを実行。読み込みは546 MB/s、書き込みは466 MB/sでどちらも公称値に届かない結果です。

CG3VXはキャッシュが32 MBしかないので、50 MBという小さなテストサイズでも苦戦気味。

1 GB

CFD SSD CG3VXのベンチマーク(Crystal Disk Benchmark)

標準的なテストサイズ「1 GB」では、50 MBの時よりも性能が改善しました。それでも公称値に届かない結果だが、ほぼスペック通りの性能が出ています。

50 MBより1 GBの方が速い理由はSmart ZIPの効果かもしれません。

4 GB

CFD SSD CG3VXのベンチマーク(Crystal Disk Benchmark)

やや大きめの「4 GB」テストを実行すると、書き込み速度が一気に低下した。500 MB/s以上を維持できなくなり、400 MB/s台にまで悪化。

16 GB

CFD SSD CG3VXのベンチマーク(Crystal Disk Benchmark)

更に大きい「16 GB」テストでは、読み込み速度が若干低下し、書き込みは更に落ち込んで200 MB/s台になってしまった。

シーケンシャル速度だけでなく、ランダムアクセス速度もじわじわと低下し始めているあたりが、格安SSDらしい性能で逆にホッとする。

32 GB

CFD SSD CG3VXのベンチマーク(Crystal Disk Benchmark)

Crystal Disk Mark 6で検証できる最大サイズ「32 GB」になると、性能は大幅に劣化した。書き込み速度はついに100 MB/s台にまで落ち込み、HDDよりも遅い速度になってしまった。

ランダムアクセス速度はピーク時と比較して、読み込みが25%、書き込みは40%もの劣化です。容量の大きいゲームだと、ローディング時間が長引く可能性も示唆されます。

CFD SSD CG3VXのベンチマーク(Crystal Disk Benchmark)

過去にレビューを行ったSATA SSDとの比較をグラフにまとめると、平均的な水準ということが分かります。Colorful SL500よりはマシな結果ですね。

AS SSD Benchmark 2.0

CFD SSD CG3VXのベンチマーク(AS SSD Benchmark)

非圧縮データをテストに用いる「AS SSD Benchmark」でCFD SSD CG3VXの性能をスコア化。

AS SSD Benchmark 2.0

  • CFD CG3VX
    1013
  • Samsung 860 EVO
    1190
  • WD Blue 3D SSD
    1142
  • Intel 545s
    1021
  • Barracuda SSD
    1001
  • Micron 1100
    1132
  • Colorful SL500
    791

ごく平均的なスコアです。860 EVOやWD Blue 3D SSDなどの一級品には及びません。

ATTO Disk Benchmark

複数のテストサイズを一括でテストして、SSDの性能の一貫性や性格を分かりやすく示してくれるATTO Disk Benchmarkを検証。

CFD SSD CG3VXのベンチマーク(ATTO Disk Benchmark)

意外と悪くない。32 KBサイズでトップスピードに到達した後は、おおむね同じような速度を出し続けています。

CFD SSD CG3VXのベンチマーク(ATTO Disk Benchmark)

グラフに変換して他のSSDと比較すると、CFD CG3VXはすべてのテストサイズでトップスピードを叩き出せていることが分かる。

CFD SSD CG3VXのベンチマーク(ATTO Disk Benchmark)

書き込みは小さいテストサイズだと苦戦するが、トップスピードに到達したあとは問題なく維持し続けた。…ちょっと不思議な挙動を見せるSSDだと思います。

HD Tune Pro

約3500円するシェアウェアのストレージベンチマークです。ディスク全体に渡って書き込みを実行するテストがあるので、キャッシュの挙動(=下駄の履かされ具合)を確認しやすい。

読み込み速度

CFD SSD CG3VXのベンチマーク(HD Tune Pro)

CG3VXにDRAMキャッシュは搭載されていないが、NANDフラッシュを4枚も束ねることでかなりのスピードを稼いでいます。キャッシュなしで平均441.9 MB/sはそこそこ速い。

アクセスタイムは0.021 ミリ秒で良好な結果です。ただし、HD Tune Proは高負荷時を想定したベンチマークではないので、これらの結果だけでは「良いSSD」と判断はできない。

書き込み速度

CFD SSD CG3VXのベンチマーク(HD Tune Pro)

書き込み速度は上下にブレつつも、大きな下落はなく平均413.7 MB/sでクリアした。Crystal Disk Markの32 GBテストではあれだけ盛大に性能下落を見せたのに、HD Tune Proでは全く見られないのが不思議です。

ただし、アクセスタイムは0.112 ミリ秒と出ています。SATA SSDの場合は速くて0.020 ミリ秒、普通は0.050 ミリ秒前後になるため、0.112 ミリ秒はかなり遅い水準といえます。

SLCキャッシュの有無

CFD SSD CG3VXのベンチマーク(HD Tune Pro)

80 GBのテストサイズで検証したところ、なぜか性能低下を確認できない妙な結果になっています。

Crystal Disk Markではテストサイズが4 GB以上になると100 MB/s台にまで性能が下落していたのに、HD Tune Proになると性能の低下を確認できない。違和感しかないので別のテストを追加する。

CFD SSD CG3VXのベンチマーク(コピー速度)

約20 GBの写真データをコピーしたところ、性能はちゃんと100 MB/s台に低下しました。

つまり、テスト結果に大きな違いが生じたのは、HD Tune ProとCrystal Disk Markでテストデータの読み書き方法に違いがあるのが原因のようですね(※調べることが増えてしまった)

ゲームのローディング時間

CFD SSD CG3VXのベンチマーク(FF14ローディング時間)
ロード時間CFD CG3VX860 EVOWD Blue 3DIntel 545sBarraCuda SSD
シーン#12.163 秒1.536 秒1.725 秒1.646 秒2.292 秒
シーン#23.061 秒2.173 秒2.29 秒2.145 秒2.818 秒
シーン#32.477 秒1.725 秒1.901 秒1.725 秒2.263 秒
シーン#43.378 秒2.359 秒2.612 秒2.483 秒3.221 秒
シーン#56.247 秒4.497 秒4.829 秒4.427 秒5.864 秒
シーン#61.439 秒0.978 秒0.991 秒0.94 秒1.098 秒
合計18.766 秒13.269 秒14.35 秒13.369 秒17.558 秒

FF14:紅蓮のリベレーターのベンチマークを使って、各セクションごとにロード時間を計測。結果、CG3VXは過去のレビューと比較してもっとも遅いロード時間になった。

PCMark 8 Storage Test

CFD SSD CG3VXのベンチマーク(PCMark 8 Storage)

PCMark 8のストレージテストは、日常的な使用で想定されるアプリケーション(Adobe系ソフトやOffice系ソフトなどを中心)における実効速度を計測して性能を評価する。

PCMark 8 Storage Test / Score

  • Optane 900p
    5128
  • Intel 760p
    5058
  • Samsung 970 EVO Plus
    5075
  • Samsung 860 EVO
    4992
  • CFD CG3VX
    4907

総合スコアは4907点で、最近のSSDとしては少し低いスコアになった。

PCMark 8 Storage Test / 実効速度

  • Optane 900p
    1409.5 MB/s
  • Intel 760p
    474.1 MB/s
  • Samsung 970 EVO Plus
    562.0 MB/s
  • Samsung 860 EVO
    303.3 MB/s
  • CFD CG3VX
    200.7

PCMark 8を実行中のスループット(転送速度)は200 MB/s程度に落ち着いた。Samsung 860 EVOより3割も低く、マルチタスク実行時に処理速度が低下する可能性を示しています

次のテストからベンチマークソフトから離れ、実際のアプリケーションを利用した検証方法に移ります。

Premiere Proプレビューの「コマ落ち」

Premiere Proの動画プレビューは動画素材を置いているストレージに影響を受けやすく、高ビットレート(=1秒あたりの転送量が多い)な素材であればあるほど「コマ落ち」が発生しやすくなる。

この検証ではコマ落ちの頻度を計測することで、SSDの性能を評価します。コマ落ちの計測にはPremiere Proの標準機能「コマ落ちインジケータ」を使って、総フレーム数に対するコマ落ち比率で比較する。

CFD SSD CG3VXのベンチマーク(Premiere Proのコマ落ち)
動画素材CFD CG3VX 480GB860 EVO 500GB970 EVO Plus 250GBIntel 760p 250GB
4K @448MB/s78.29%68.16%36.39%45.81%
3K @251MB/s58.66%43.26%0.00%7.66%
2K @176MB/s37.83%15.56%0.00%0.00%
4K @108MB/s0.00%0.00%0.00%0.00%
1080p @99MB/s0.00%0.00%0.00%0.00%

同じSATA SSDのSamsung 860 EVOと比較すると、CG3VXはかなりコマ落ちしやすい傾向が分かります。

とはいえ、1秒あたり108 MB以下の動画素材なら1コマも落とさずにプレビューできたため、ごく普通のフルHD動画の編集なら大きな問題はないです。

アクセス集中時の応答速度

品質の悪いSSDにたまに見られる現象が「プチフリーズ」。Windows起動時にPCの動作がカクつく、動画ファイルを移動中にゲームをプレイしているとフレームが飛ぶ、などが代表例。

プチフリーズに対する耐性は、SSDの応答速度に比例するため、実際にSSDに対して高ストレスな負荷を掛けて応答速度を計測します。

テスト方法は約28 GB(1253枚)のTIFF画像を一気にBMP画像に変換(エンコード)するだけ。読み書きの両方を使い、画像1枚の処理が終わるたびにタスクが中断されるため非常にストレスが大きい処理です。

CFD SSD CG3VXのベンチマーク(レイテンシ)

やはりCG3VXは高負荷に弱いことが判明した。処理が長引くにつれて応答速度は悪化し続け、頻繁に体感できるレベルのプチフリーズ※を引き起こしています。

※個人差はありますが、だいたい100 ミリ秒(0.1秒)ほど動作が止まったら十分にプチフリーズを体感できると思います。

CFD SSD CG3VXのベンチマーク(レイテンシ)
テスト内容CFD CG3VX 480GB860 EVO 500GB970 EVO Plus 250GBIntel 760p 250GBOptane 900p 280GB
平均読込時間76.49 ms32.09 ms11.41 ms51.80 ms7.31 ms
平均待ち時間34.40 ms16.28 ms6.81 ms44.13 ms2.89 ms
平均書込時間47.14 ms9.37 ms4.84 ms39.40 ms1.13 ms
エンコード時間238 秒116 秒90 秒161 秒79 秒

同じSATA SSDのSamsung 860 EVOと比較すると、読み込みは2倍以上、書き込みは5倍近くも応答時間が長い。こうしたわずかな待ち時間も「塵も積もれば山と」なります。

画像のエンコードを終えるのに掛かった時間は、860 EVOが116 秒に対してCG3VXが238 秒でした。同じ処理内容なのに、SSDがボトルネックになって処理時間は2倍になりました。

よってCG3VXは、ゲームをしながらネットで調べ物をしたり、録画や配信をするようなマルチタスクな使い方には向いていない。

SSDの動作温度を確認

ベンチマーク時のセンサー温度を計測

Crystal Disk Mark 6の「32 GB」テストを実行中に、HWiNFOを使ってSSDのセンサー温度を計測する。

CFD SSD CG3VXのベンチマーク(温度表示は固定)

と思ったら、なんとビックリ。CG3VXには温度センサーが搭載されていないため、Phison S11コントローラの初期値である「33℃」が固定表示されるだけでした。

サーモグラフィーで表面温度を確認

センサー経由の温度がチェックできないなら、サーモグラフィーカメラで表面温度を直接確認するだけです。

CFD SSD CG3VXの表面温度(コントローラ)

コントローラ部分は60℃以上で推移した。最大で63.8℃に達することもあり、SATA SSDとしては温度は高い。ここまで熱くなるなら、温度センサーは搭載するべきだった…と思います。

CFD SSD CG3VXの表面温度(NANDフラッシュ)

NANDフラッシュの温度は45℃前後で推移しました。割と普通な温度です。ただし、温度に問題がないとはいえ、温度センサーを搭載せず「33℃」を固定表示するのは良心的な仕様とは言いにくい。

まとめ:性能に一貫性がなく、おすすめはできない

CFD SSD CG3VXをレビュー

「ちもろぐ」ではSSDを評価する時、公称値通りのシーケンシャル速度が出るかどうか。ではなく「性能に一貫性があるかどうか?」で、SSDの良し悪しを判断しています。

Crystal Disk Markだけで見ると、確かにCG3VXは良さそうに見えるSSDです。しかし実際には、マルチタスクをすれば性能は落ちるし、大きなファイルのコピーも長い時間を必要とします。

性能は状況によって大きく変化し、一貫性があるとは言い難い。しかも温度センサーを搭載せず「33℃」とだけ表示する仕様は、明らかにユーザーフレンドリーではない。

「CFD SSD CG3VX」の良いところ

  • 価格がとても安い

ものすごく安いです。1 GBあたりの価格は、860 EVOと比較して3割ほど、WD Blue 3D SSDと比較して15%くらいは安い。とにかく安さを追求するなら選択肢です。

「CFD SSD CG3VX」の微妙なとこ

  • 高負荷時のプチフリーズ
  • 今ひとつ一貫性にすぐれない性能
  • ライバルSSDに大きく劣る耐久性
  • 温度センサーを搭載していない
  • 保証は「3年」

性能に一貫性がないので万人向けと言えないSSDです。温度センサーの仕様も不親切なので、初心者向けでもない。データを保存しておく倉庫用ならギリギリ選択肢ですが、それならHDDで十分ですし。

CFD SSD CG3VXをレビュー

まとめると、格安SSDをおすすめする理由はない。多少値段が高くても、メーカー純正の一級品を買ったほうが後悔しないです。

CFD販売 / NAND : TMC BiCS 3D TLC / 容量 : 480 GB / 耐久性 : 155 TBW / 保証 : 3年

以上「CFD SSD CG3VXをレビュー:やっぱり格安SSDはおすすめできない」でした。


SATA SSDでおすすめは「Samsung 860 EVO」です。現状、TLC NANDを採用するSATA SSDとしては最強の性能。格安SSDと違ってちょっと高いけど、価格に見合った価値があります。

筆者がおすすめできるSSDをまとめた記事はこちらからどうぞ。

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59 件のコメント

  • とりあえずスペックの詐称は無いんですね..
    それにしても最近のSSD業界は仕様書通りの製品化どうかのチェックから始まるよく分からない状態になってますねよ

  • ゲームのロードが1シーンで1秒変わるか変わんないかならゲーム用はこんなんでいい気もするなぁ

  • 2,3か月前に数千円をケチりたかったので同じ物を買いました。買ってすぐベンチ回して結果に微妙な気持ちを抱いていたのですが、普通に使う分には不満はないので忘れてました。
    改めて第三者にダメな点を突き付けられると買いなおしたくなりますね 笑

  • お疲れ様です、相変わらず沢山の検証で凄く分かりやすかったです!
    当方はシリコンパワーのm.2(PCIe Gen3x4 1tb)の購入を考えてますが、やはりphisonのコントローラは微妙なんでしょうか?無論積層やキャッシュにもよると思うのですがphisonはどうもいい話を聞かないもので…所感等があればお聞かせ頂けると幸いです

    • Phisonはグレード別にいろいろと製品を出していますから、Phisonが全て悪いというわけではないです。もうすぐ発売予定の「PCIe 4.0」対応のNVMe SSDは、Phison製コントローラが搭載されていますし。

      性能に一貫性が出ない原因は、おおむねDRAMキャッシュを省いたことが大きいです。それに加えて、NANDフラッシュの素の性能が遅いのも原因ですね。だからキャッシュがないだけで性能がガタ落ちしてしまう…という状況。

      • なるほど…、gradeによっても違うし、基本的にキャッシュが無い事とNANDの性質が悪い事なんですね!ありがとうございました!参考に致します。

  • SSDなら無条件でHDDを上回るだろうと思い込んでいたので今回のレビューは目から鱗でした
    やはりSSDとしての性能を求めるならサムスンやWDを選択するのが良さそうですね

  • 他の一級品と比べたら悪いことは明らかだが、記事の書き方に悪意が感じられるのは気のせい・・・?

    • レビュー方法はほぼ固定なので、テスト結果が優れないなら「ダメ。」と言わざるを得ないです。自分でリスクを理解して、実験的に買うなら良いんですが、いざ他人におすすめするとなると…なるべく良いモノをオススメしたいです。

  • 同じCFD製SSDのCSSD-S6B01TMG4VTが1500TBWと驚異的な数字なのですが、
    これも何かしらカラクリがあるんですかね?

    • 実物を見ていないので断言はできませんが、おそらく東芝の最新世代のBiCS FLASH(96層 3D TLC NAND)を採用しているためです。

      あとはDRAMキャッシュと、可変型のSLCキャッシュを実装しているのも、あれだけの高耐久値を実現できた要因だと思われます。

  • 60℃以上って、NVMe SSDか何かで…?
    コントローラーまで安物だから発熱が多いのでしょう。

    • SATA SSDとしては、確かに60℃超えはちょっと熱い方なんですけど、動作に問題ないので大した問題ではなかったり。

      どちらかと言うと、ぼくが問題だと思うのは「温度センサーをのせてない」ことですね。実際の温度はけっこう高いのに33℃固定表示は…どうかと思いました。

  • お疲れ様です。ということはCFDのドラゴンの絵書いてる方のSSDもあまり信用ならなさそうですね。

  • a)インテル Core i9-9900X(10core
    NVIDIA GeForce RTX2070 8GB

    b)インテル Core i9-9900K (8core
    NVIDIA GeForce RTX2080Ti 11GB

    この組み合わせってどちらがいいのでしょうか。
    aがいいと思うのですが、、、

    グラフィック的にはb!!
    となった場合、aはbにどうすれば追いつきますか。

    すみません、教えてください。
    あと最近拝見させて勉強させていただいております。
    行う作業に対してオーバースペックにするのがすきなのですが、
    自作は授業1回で今回はしない予定です。

  • 当方、SanDisk製「SSD PLUS」を以前使用していましたが、プチフリ以外は先の二製品に共通する欠点がそのまんま現れてましたし、以前のColorful製品もそうですが基本的にキャッシュレスSSDは例え大手NANDメーカー製であっても地雷率高めなんでしょうか?

    逆を言えば、ちゃんとキャッシュを備えたモデルなら大手メーカーのモデルじゃなくても安心なんでしょうかね?
    例えば同じくCFDブランドでも上位のゲーム用モデルを謳う「CFD PG2VN」シリーズや「CFD MG4VT」シリーズはどうなのか、気になるところではあります

    (欲を言えばそのあたりの検証をして頂けるとありがたいのですが、流石に贅沢言い過ぎですね………………)

    • キャッシュがあれば、SSDの低速化や、高負荷時のプチフリはかなり回避できるようになるので、極論を言えば「キャッシュがあればとりあえずは大丈夫。」です。

      ただ、身元のよく分からないチップは純正品より故障率が高い可能性があるため、積極的にはおすすめできないんですよね。

      < 「CFD MG4VT」シリーズはどうなのか、気になるところではあります

      「CFD MG4VT」はCFD Selectionというブランドの製品なので、それなりに信頼できます。そもそもCFD Selectionは、粗悪チップ(リマークチップなど…)を採用する格安SSDに対抗するために作られたブランドだと、CFD自身が説明してるくらいですから。

    • 少なくともHDDより遥かに速いです。ファイルをたくさんコピーするとHDDより遅くなりますが、負荷の少ないタスクならHDDより遥かに高速ですよ。

      • じゃあCドライブがHDDの古いパソコンを現役復帰させるのには十分なスペックだとは思いますか?
        Windowsの起動時間が短縮されるなら視野に入れるので。

  • うわー、買う前に知りたかったー!
    そして後になって、知りたくなかったーw
    数日前に評判そこそこいいじゃんって思ってたのに、こちらのレビューを見て愕然。
    性能低下にプチフリーズですか……
    PS4 Proに換装したので、今のところメリットを享受出来てますが、ゲームによっては問題が出てくるのかなー。

    • ゲームの場合はリードメインの処理になるので、そんなに困らなかったり。読み込みと書き込みを同時にするような処理(例:Windows 10など)だと、あんまりおすすめできないです。

  • 同じCFDのMG4VTシリーズのTBWがやたらと高い(容量1TBで1500TBW)と思ってたら、こっちも圧縮してから保存することでこの数値が出せてるってことなんでしょうかね?
    MG4VTは出たばかりのせいかレビューが少なく手が出せない……。
    安めのSSDなら、大人しくCrucialかWDにしておいた方が無難でしょうか。

    • MG4VTに搭載されているコントローラは「Phison S12」で、Smart ZIPに対応していません。

      だから、やたらと高いTBWは割と本当の数値だと思われます。推測ですが、東芝の最新世代のBiCS FLASH(96層3D TLC NAND)を使っているんでしょう。

      < 安めのSSDなら、大人しくCrucialかWDにしておいた方が無難でしょうか。

      CrucialやWDブランドの製品でも、極端に安い場合はDRAMレスなので避けたほうが無難です(例:Crucial BX500など)。

  • CFD Gamingと銘打ったDRAM付き(256MB)のシリーズもありますが、ゲーミング用途でもやはり他SSDに分があるでしょうか?
    今の値段的にはMX500も同じくらいのようなので、買うならそちらを選ぶでしょうが…

    • 値段的には結構マトモですし、DRAMキャッシュもちゃんと搭載しているSSDなので、買って後悔するようなことは無いと思われます。でも、同じような値段で買うなら「MX500」や「WD Blue 3D SSD」で良いかなぁ。

  • AmazonでSSD調べてるとよく見るZheinoのSSDはどうなんでしょうか?SATAケーブルまでついてきてお得!と感じてしまうのですが

    • あ~…買ったまま検証せずに放置してるSSDです。ZheinoはDRAMレスSSDらしい上に、NANDフラッシュメモリの製造元がCG3VX以上に怪しい製品です(※リマーク品の報告があります)。そちらを買うよりは、CFDの方がまだ良いですね。

  • 検証お疲れ様です、いつもいろいろな記事を参考にさせてもらってます。
    ゲーミングPC用に860EVOを導入して非常に満足しているのですが、ps4にも外付けSSDを導入しようと考えています。
    格安SSDとしてCrucial の BX500 を検討しているのですが、ps4用と割り切って買うなら有りでしょうか?是非ともやかもちさんの意見をお聞かせ頂ければと思います。

    • データをBX500に引っ越しする時に、かなり時間が掛かる可能性はありますが、それさえ乗り越えればゲーム用として使うことは可能です。

      なお、BX500を購入するなら960 GB以上がおすすめです。480 GB以下は「64層」のMicron製3D TLC NANDを使っているのですが、960 GB以上は「96層」のNANDを採用し始めています。

  • HD Tune Pro/Crystal Disk Markで実測検証(適当なファイルコピー等)と異なるのは、HD Tune Proの検証写真に写ってる「Data pattern:Zero」のせいだと思います。
    0だけしか書かれてないファイルを生成して検証するって事は、このSSDについてるSmartZIP機能による圧縮影響で早くなってしまっている可能性があると思います。
    Crystal Disk Markもデフォルト設定である限りはランダム値を書き込みますが、設定変更でAll 0x00(0Fill)でHD Tune Proと同様の結果が出る可能性もあります。

    肝心なSmartZIP機能の圧縮範囲、たまたま生成されたランダム値が圧縮しやすい偏った結果になれば、実測値とは異なる結果になる可能性は十分あります。

  • いつも詳細なレビューありがとうございます。
    はっきりと、この製品はだめと言っていただけて、とても参考になっております。
    SSDはDRAMがあるものを購入すると間違いなさそうですね。
    僕の中ではSSDの選択肢は、Micron、Samsung、SanDisk、WDぐらいかなと、思っておりました。
    PCI4のSSDは今以上の速さを体感できるのでしょうかね~~(^^)

  • レビュー拝見致しました。が、比較対象とのグレードが違いすぎて安価なキャッシュレス製品叩きにしかなっていないような・・・
    この位の価格帯のSSDは古くなったノートPCをリフレッシュしたいとか、野外で使う外付けSSDだからいつ壊れても良いようなコスパが欲しいとか、SoCに少しでも大きめのスピンレスな保存領域が欲しいだとか、そんな性能や耐久性よりも安価に済ませたい用途向けの物だと思うので比べるのならQLCを積んでいるような安価SSDが妥当だと思います

  • 安いなりにはまともな製品だと思います
    こういうベンチマーク結果って極端な例がほとんどで
    苦手な作業で苦戦したとしてもそれって毎日使う作業でもないですからね
    稀に遅いぐらいなら格安PC組むときにありかなと思います

  • このSSDを買う層がやかもちさんがベンチで使っているようなハイスペPCに使う人たちではないと考えると、十分役割を果たせる子なんじゃないかなと思います。
    同価格帯のよく分からないメーカーの変なリマーク品とは違うようですし、性能も大きく詐称している訳じゃないみたいですし(殻割、詳細な検証本当にありがとうございます)。

    私の場合、メインはEVO &EVOですけど、CPUしか積んでなくてしかも世代が古いサブノートPCの換装はこの子でも十二分でした。
    3000円で240GB、しかもそれだけでPCの動作も購入当時以上になってくれる。嬉しい
    用途も(やかもちさんの)動画を見たりとか外で文字打ったりする程度なのでOSのプチフリもないですし

    どのPCパーツもそうですけど、結局は用途とパーツバランスですよね!

    • < どのPCパーツもそうですけど、結局は用途とパーツバランスですよね!

      ですね。SSDの性質を理解して、用途に合わせて選ぶのであれば問題ないです。「初めての自作PCをしたい。」という初心者さんには、オススメしにくいSSDというだけです。

  • このSSDを買う層がやかもちさんがベンチで使っているようなハイスペPCに使う人たちではないと考えると、十分役割を果たせる子なんじゃないかなと思います。
    同価格帯のよく分からないメーカーの変なリマーク品とは違うようですし、性能も大きく詐称している訳じゃないみたいですし(殻割、詳細な検証本当にありがとうございます)。

    私の場合、メインはEVO &EVOですけど、CPUしか積んでなくてしかも世代が古いサブノートPCの換装はこの子でも十二分でした。
    3000円で240GB、しかもそれだけでPCの動作も購入当時以上になってくれる。嬉しい
    用途も(やかもちさんの)動画を見たりとか外で文字打ったりする程度なのでOSのプチフリもないですし

    どのPCパーツもそうですけど、結局は用途とパーツバランスですよね!

  • 多分気づいてないでしょうが、最初からこのSSDをこき下ろしてやろうって意思が記事から滲み出てるよ。

    • ここのブログの人は金貰ってるから忖度有ると思うよ
      でもこのSSDは遅すぎるし古いSSDからの買い替えしたら逆に性能落ちるよ
      買って損したもん

  • 結論ありきで書かれているようにしか思えません。CFDが嫌いならプロフィールにでも書けばいいかと。
    絶賛しているADATAは自社生産なんですよね。
    品質の高いNANDチップは2枚4枚と並列接続しないんですよね。
    言葉の端々から叩く気しか感じられません。

    • いや~このSSD現実的に遅いよWindows入れただけでガクッと落ちるもん
      大昔の低容量格安SSDみたい値段に見合わないよ

  • ゲーマー向けに書いてるブログだから主の言ってることは正しいよ。
    格安SSDはプチフリするわ、最悪ブルースクリーンになるわで
    結局ワイみたいに買い直すはめになるからな。
    参考にする人はワンランク上に最低限しておいたほうが良いとワイも思う。

  • 余裕があったらMG4VTシリーズのレビューもお願いします。
    気になっているのですが、レビューが少なく、躊躇してしまいます。

  • 960GBモデルがamazonで9000円切りましたね。大容量の割に安いというのがもっともゲームに向いているssdだと個人的には思っています。

  • WD BLUE 3D の記事では4チャンネルのNANDフラッシュを称賛しているのにこちらの CFD SSD CG3VX では 良くは書かれていませんが、同じ4枚乗せでも何か違いがあるのでしょうか?

  • 後継のCG3VZが発売されましたがCG3VXと同じコントーラー・DRAMレスで
    TBWが大幅に上がっていますが(256GBが何と250TBW)
    どういったカラクリなんでしょう?
    DRAMありと言えばADATAのSU750が最安値ですがどうなんでしょうね
    (DRAM有とはいえHDtuneの情報だと容量が8MB)

  • 温度センサーが搭載されていない事でソフトウェアで温度を確認できないのは微妙とは思いますが、普通に使う分にはそこまで気にしなくても大丈夫なんですかね??

  • 今更だけどこのSSD480にWindows入れただけで読み込み速度自体
    めちゃめちゃ落ちたんだけど480位になって古いOCZのSSDより遅いから
    買った意味ない(怒)テレビの録画保存用SSDになった…その割に高いと思うよ
    クローンするだけでもMLCより全然速度遅いんだもん

  • SSDでキャッシュが切れたときの書き込みスピードはHDDより悪いところまで落ちるということに気が付かされました。
    数百ギガバイト以上書き込むとかで、TBWより重要じゃないかと思うのですが。
    手持ちの複数のSSDでSSDからSSDへ100GBのコピーで検証したところ、書き込み15MB毎秒から92MB毎秒まで様々。
    100MB毎秒のここのページの製品なら優秀ですよ。

    • 7年前のプレクスター PX- 256M5M 256GB では、100GBの連続書き込みで速度低下は無し。
      6年前だったか? CFD HG5d 256GB では100MB毎秒まで速度低下が発生。
      どちらもコントローラーがMarvellでフラッシュはMLC。
      フラッシュメモリの素の性能差でしょうかね?

      さきに検証してたのはTLCのものです。

      各メーカーやネットに書き込みしてる人たちは、キャッシュ切れ時の書き込みスピードの話に全く触れないのは何でしょうね?
      このスピードは製品によって大きく違うが、値段はほぼ変わらないとかなんだかなー。
      これからは大容量SSDをデータドライブとして使われていくはずなので、大きな問題になると思うのですが。

  • 友人から、サブノートに使ってみては?と言われて5000円で買いましたが、YouTubeダラダラ流すのには良さそうですね。詳しいレビューありがとうございます。

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