PUBGスマホ版(PUBG Mobile)が正式に日本上陸することが決まったので、スマホ版PUBGを快適に動かすにはどれくらいの性能のスマートフォンが必要なのか。その推奨スペックについて簡単に解説して、おすすめのスマホもいくつか紹介してみる。
この記事の目次
スマホ版PUBGの「最適化」について

まず最初に説明しておくことが一つあります。それはスマートフォン版のPUBGは、恐らく最も利用者の多いスマホの性能に合わせて、ある程度勝手にグラフィックの品質が「最適化」されるということです。
開発にとってスマホ版で重要なのは、いかに多くのスマホで問題なくPUBGが動作するかどうかです。パクリゲーの「荒野行動」が本家のPUBGより大人気になったのは、手軽にプレイ出来て、かつほとんどのスマホで動くから。
せっかくスマホ版のPUBGを作っても、iPhone XやGalaxy S9のようなハイエンドスマホじゃないとロクに動かない…なんていう激重ゲームだったら必然的にスマホ版PUBGのプレイヤー人口は増えにくくなってしまう。

そのため、スマホ版PUBGはプレイヤーの中で最も人気のあるスマホに合わせて画質をある程度落とすという形で「最適化」してくれる。この自動最適化機能のおかげで、意外なことに多くのスマホで動くようになってます。

更に「画面設定」からターゲットフレームレートという設定が用意されていて、「重たいな…。」と感じる場合は、その設定を「低い」にすることで改善を見込めるし、画面品質という設定を「低い」にするともっと軽くすることも可能。
なんだかんだ性能の悪いスマホで動くように開発・設計されているため、よほど古いスマホでもない限りは動いてしまうと思う。
PUBGモバイルの推奨スペック
スマートフォンの性能は搭載されている「SoC」(スマホ用のCPU)でだいたい決まってしまいます。もう一つ大事な要素は「メモリ」(RAM)で、最後にPUBGモバイルをダウンロードするために必要なストレージ(ROM)の空き容量。
- SoC(CPU)
- RAM
- ROM
- 画面
この4つのスペックから「推奨スペック」をザックリと決めることが可能です。
1. SoC(CPU)

スマホに搭載されているSoC(CPU)が最も重要なスペック。ここでスマホの性能の9割がだいたい決まります。で…どれくらいの性能のSoCを選べば良いのかなんですが、AnTuTu Becnhmarkのスコアを基準にすると分かりやすいです。
「低画質」なら54000点以上を

この257機種のデータベースから、一部のスコアが高すぎるハイエンドスマホを抜いて「平均」を求めると約54000点くらいになる。スマホ版PUBGを動かすなら、最低でも54000点以上の性能があるスマホを選べば「とりあえず動く」ということ。
60000点前後の代表例は「Snapdragon 625」や「Kirin 658 / 659」です。
「バランス画質」なら10万点以上

次に、バランス画質(中間)でスムーズに動いてほしい場合は、少なくとも10万点以上のスコアを持つスマホを選んだほうが良い。10万点を超えている代表例は「Kirin 960」や「Apple A9」「Snapdragon 820」など。
Apple A9が搭載されているスマホは「iPhone SE」なので、iPhoneを持ってる人ならスマホ版PUBGは何の問題もなくそこそこ快適に動くと思います(ただしiPhone SEは解像度が粗いのが欠点)。
「高画質」はハイエンド級が無難

そして最後に高画質でプレイしたい場合。このあたりになると、いわゆるハイエンドスマホが選択肢になってくる。現在、ハイエンドで有名なのは「Snapdragon 835」や「Apple A10 Fusion」「Apple A11 Bionic」など。
これらのSoCは今のところほぼほぼ最高クラスの性能に達しているので、最適化が十分にされているスマホ版PUBGは余裕で動く。iPhone 8、iPhone X、Huawei Mate 10、Galaxy S8などのスマホがおすすめ。
2. RAM

「内蔵メモリ : RAM」または「メインメモリ」と表記されているスペック
スマホに搭載されているメモリ容量です。実を言うと最近のスマホは少なくとも3GB搭載しているため、あまり気にする必要はない。5~6年前の古いスマホだと2GB以下かもしれないが、最近のスマホは2万円くらいの安物でも3GB載ってることが多い。
スマホ | 価格 | RAM |
---|---|---|
Huawei P10 Lite | 23000円前後 | 3GB |
Huawei Honor 9 | 33000円前後 | 4GB |
ASUS ZenFone 4 Max | 26000円前後 | 3GB |
ASUS ZenFone 4 | 46000円前後 | 6GB |
ASUS ZenFone Go | 15000円前後 | 2GB |
富士通 arrows M04 | 31000円前後 | 2GB |
iPhone 7 | 66000円前後 | 2GB |
Huawei Mate 10 Pro | 74000円前後 | 6GB |
最近のスマホをまとめてみるとこんな感じ。2万円以上なら3GB以上のRAMを搭載するスマホがほとんどで、1万円台の格安スマホになると2GBくらいに。どれを選んでも最低限あったほうが良い2GBはある。
以上の理由より、そこまで気にするほど問題にならないですね。
3. ROM

「内蔵メモリ : ROM」または「内蔵ストレージ」と表記されているスペック
ROMは内蔵ストレージのこと。PUBGモバイルは、ストアからインストールする時に「500MB」必要で、更に追加のアップデートのインストールで「1000MB」必要になります。
合計で「1500MB」(1.5GB)の空き容量が必要になるので、音楽や写真を大量に入れている人は不足するかも。32GBあれば足りるとは思うが、他にもファイルをたくさん入れる人は多めに64GBや128GBもスマホを選んだほうが安心。

既にスマホを持ってるけど空き容量が全然ない…という場合は、MicroSDカードを買ってきて、そこにファイルを移動させて1.5GBの空き容量を用意すれば良いと思います。
16GBくらいのMircoSDカードなら結構安くて、だいたい900~1000円くらい。
4. ディスプレイの解像度
意外と忘れがちですが、スマホの画面の解像度は大事。

格安じゃない「iPhone SE」の解像度は意外と粗い…
特に格安スマホにありがちなのが、HD画質(1280×720)。かなり粗い映像になってしまうため、ゲーム目的ならフルHD画質(1920×1080)以上の画面を選んだ方が良い。

ちなみに「HD画質」(1280×720)と「フルHD」(1920×1080)で、画質はコレくらい変わります。かなり粗い解像度になっているのが分かる。PUBGやゲーム用なら、やっぱりフルHDが良いと思いますよ。
あと、解像度の次に大事なのが小さすぎない画面の大きさ。

5インチ以下だと狭く感じやすいので、なるべく5インチ以上の画面を搭載したスマホが良い。個人的には少なくとも5.1インチ以上の画面が無いと窮屈に感じます。PUBGのようなFPSゲームを目的にするなら5.5インチ以上あると操作性が良いです。
画面の大きさはスマホの価格によって傾向があって、格安・安価なスマホは4インチ台が多く(iPhone SEも4インチ)、3万円を超えてくると5インチ台が主流になってくる。
PUBGモバイルの推奨スペックまとめ
- (低画質の人は)最低でもAnTuTuで54000点以上の性能
- (バランス画質の人は)AnTuTuで10万点以上の性能
- (高画質の人は)AnTuTuで15万点を超えるハイエンドスマホを
- メインメモリ(RAM)は2GB以上、できれば3GB以上
- 内蔵ストレージ(ROM)は2GBくらい空けておく
- 画面の解像度はフルHD(1920×1080)を推奨
- 画面の大きさは少なくとも5.1インチ以上が良い
ここまで解説したことをまとめました。まぁ…最近はどんどん海外メーカーの進出のおかげで、条件を満たせるスマートフォンはだいぶ安くなってきています。ちゃんと探せばすぐに見つかるだろう。
おすすめなPUBG向けのスマホ
…とはいえ「探すの面倒くさいし、スペック表が分かりにくいメーカーサイトが多い。」という人も少なく無さそうなので、PUBGモバイル向けなスマートフォンをいくつか紹介しておくね。
コスパ重視、低画質でOKなら「Huawei P10 Lite」

24000円前後と非常に安価なスマートフォンですが、Google Playで配信されているレベルのゲームなら、大抵は問題なく動かすほどの性能を備えています。
もう少し分かりやすくP10 Liteの性能を例えると、3~4年前のハイエンドスマホと互角です。ぼくが今も使っているスマホにGalaxy S3とGalaxy S4がありますが、P10 Liteはこのどちらよりも性能は20~30%ほど上です。
当時7~8万するような高額なスマホに相当する性能を持ったスマホが、今はわずか24000円前後で買えるようになった。スマホ用CPU(SoC)の進化は恐ろしくペースが早くて、毎年20%くらい性能を伸ばしています。
とにかく予算重視で、それなりに動いて欲しいという目的を叶えたいなら、Huawei P10 Liteが2018年5月時点ではもっともベストな選択肢だと言える。
- 「予算王」にふさわしい最高レベルのコスパ
- PUBGを低画質で動かすなら十分なグラフィック性能
- デュアルSIM対応
- 値段以上のカメラ性能(ただしLeicaカメラはない)
- (標準的だが)持ちの良いバッテリー性能
- 若干青みがかった画面は好みが出るかも
- 応答速度は最大で50ms前後で、やや遅い
「安さ」を考慮すると、デメリットは十分に許容できる。
なお、MicroSDカードを使えるものの、そこにアプリをインストールできない仕様があるので注意。PUBG入れるだけなら1.5GBあればいいのでさほど問題にならないが、いろいろ入れるとなると…デメリットになり得る。
まあ総合すると24000円でこれだけの機能と性能を実現しているので、「予算重視」のユーザーならベストスマホですね。
バランス画質を狙うなら「ASUS ZenFone 4」

ZenFone 4はモデルチェンジを繰り返す度に、搭載しているCPU(SoC)をより上位のモノへ載せ替えています。現在出回っているZenFone 4には「Snapdragon 660」が搭載されており、これはAnTuTuで11万点超えを誇る。
約5万円前後という価格を考えると、11~12万点のスコアを出せるZenFone 4はミドルクラスの中ではかなりコストパフォーマンスに優れているスマホです。
- 安く、10万オーバーの性能を狙えるコスパ良品
- PUBGを標準画質で動かせるグラフィック性能
- そう簡単には使い切れない大容量「6GB」RAM
- 高速な動作に最適化された「ZenUI」
- Sony製センサーを採用するカメラ
- 平均より若干長持ちなバッテリー性能
- 内蔵ストレージはeMMC規格なため、読み書き速度がやや遅い
- 応答速度は最大で50ms前後
スマホに5万以上は出せないならベストな端末。カカクコムで4.5~4.9万円の範囲で調べたところ、ZenFone 4が最も性能が高い(2018/5時点)。
ワイド画面で有利な「Galaxy S8」

PUBGはアスペクト比が横に広い画面を使うと、表示される視野角が広がるという特徴があります。モバイル版もこの現象は残ったままなので、Galaxy S8が持つ「18.5 : 9」比率の横長な画面はやや有利になりやすい。
そしてGalaxy S8に搭載されている「Exynos 8895 Octa」はハイエンド級SoCの一つ。2018/5時点では、ライバルのKirin 970やSnapdraon 845に抜かされているものの、AnTuTuで17万点前後の性能は圧倒的だ。
- Galaxy S9の登場で、最近は安くなってきた
- 高画質のPUBGを30fps以上で動作可能
- 必要十分な「4GB」RAM
- 最大でわずか5.6msという、圧倒的に速い応答速度(ゲームに支障ゼロ)
- 有機ELディスプレイ(Super AMOLED)で実現される、美しい画面
- イマイチな顔認証、分かりにくい指紋認証
性能はトップクラス。キレイで速いディスプレイはゲーマー向け。アスペクト比「18.5 : 9」によってもたらされる15.6%広い視野角も、単純には得られる情報量を増やすことにつながっている。
Galaxy S8による、PUBGモバイル(高画質)のプレイ動画はこちら。目立ったカクツキなどはなく、非常にスムーズに動いています。パフォーマンス重視ならGalaxy S8は非常にオススメ。
ガチでゲーミング仕様なスマホ「Razer Phone」

最後に取り上げるのはゲーミングデバイスメーカーとして、そこそこ有名な(はず)の「Razer」ブランドが作る「ゲーミング向けスマホ」を謳うRazer Phoneです。
CPUにはAnTuTuで17万点オーバーを叩き出すハイエンドSoC「Snapdragon 835」を採用しているため、ゲーミング性能は十分に揃っています。Razer PhoneはCPU性能以外のスペックで、様々なゲーミング的な要素を取り入れているのが最大の特徴なんですよね。
最初に驚くのがスマホでは非常に珍しい「120Hz駆動」のディスプレイ。ほとんどのスマホが一般的な60Hzディスプレイに対して、Razer Phoneはその2倍の120Hzなので非常に滑らかな映像を出力できます。
ただし、PUBGモバイル(高画質)だと35fps前後が限度になるため、大きな効果は得られない。PUBGモバイルは現状、60fps以上を出すのが相当に難しいので120Hzディスプレイは過剰装備かも…。
とはいえRazer Phoneの強みは120Hzディスプレイ以外にもいくつかある。スマホ史上最大の「8GB」RAMと、多くのハイエンドスマホが3000 mAhのバッテリーを採用する中、Razer Phoneは4000 mAhという大容量バッテリーを搭載すること。
サウンド(スピーカー)にもこだわって作られている。THX認証を受けた5.1チャンネルサラウンドで、低音をしっかりと表現することが可能。Dolby Atmosのアプリを使うことで音質を調整できる機能もある。
- 非常に珍しいゲーミング仕様のスマホ
- PUBGモバイル(高画質)をスムーズに動作可能
- 120Hz対応のIGZO製ディスプレイ
- 超大容量の「8GB」RAM
- かなり多めの4000 mAhバッテリー
- 3.5mmイヤホンジャックが無い
- 最大で30msの応答速度
- Razerが日本で公式販売していない
ゲーミング仕様と言っているとおり、大容量バッテリー、8GB RAM、120Hzディスプレイなどなど。仕様は豪華。PUBGモバイルのためにスマホを買うなら、どうせならゲーミングスマホを買ってみたい。という人におすすめ。
Razer Phoneによるプレイ動画はこちら。スムーズに動いています。画面が5.7インチなので操作性も優秀。
なお、欠点は2つ。イヤホンやヘッドセットを接続するのに必要な3.5mmプラグが用意されていないんですよね。USB 3.0 Type C対応のUSB DACを別途用意して、DACを経由する形じゃないとヘッドセットを使えない。
こういうDACが必要。
もう一つは、Razer日本の公式サイトで「Razer Phone」を取り扱っていないこと。Amazonで並行輸入品という形でしか入手できないのは気になるところ。
というわけで以上「PUBGモバイルの推奨スペック:おすすめのスマホを考える」について解説でした。
おすすめのPUBGガイド


なんならnVIDIAのSHIELDでもいい気がしますが。
あかん、RAMが3GBしかない。しかもスタンダードモデルだとROMが16GBしかない。ためだわ。
galaxyはいいけどバッテリーが…
ZenFone 4を使っています。以前使っていたのが2014年発売のZenFone 5なので
正直この状態なら何使っても満足するような状況ですが
ZenFone 4のスペックで満足しています。ただ最大の欠点はスピーカーですね。
音量バランスが悪いのでストレスが貯まります。個人的にZenFone 5にすら劣りますね。
イヤホンの音質は不満は無いのですが……。極めて残念なところです。
iPadはいいぞ。150725とか言うスコア出た。
あ、第五世代だぞ
なるほど。わからん
Razer Phoneは現状Wi-Fi接続をしての利用は違法なので携帯回線でのプレイか、できるかわかりませんがUSB TypeCとイーサネットの変換ケーブルで有線接続のみです。
まあWi-Fiで使えないのは致命的なので買わないほうが良い
ほんと技適厨どこにでもいるな
レイザーはスペック過剰でいいけど、肝心なcpuが一世代前のスナドラ835っていう……
osは更新するんだっけ?
✖ 60000点前後の代表例は「Snapdragon 625」や「Snapdoragon 658 / 659」です。
〇 60000点前後の代表例は「Snapdragon 625」や「Kirin 658 / 659」です。
かな。
ありがとうございます。
完全に誤字だったので「Kirin」に訂正しました。