個人的に「ノートパソコンでゲーミングが出来るのか?」という漠然とした不安があった。というわけで、ドスパラで3番目に人気があってそこそこ動きそうなスペックを持つゲーミングノートPC「GALLERIA GKF1060GF」を詳しくレビューしてみることに。
さっそく「GKF1060GF」をレビュー

- ノートPC向けCPUではほぼ最上位の「Core i7 7700HQ」搭載
- フルHD画質なら問題なく動く「GTX 1060 6GB」搭載
- 標準カスタマイズだとメモリーは8GBのみ
「GTX 1060 6GB」という、大抵のフルHDゲーミングなら動かしてしまう高性能グラボを搭載する。メモリーは標準だと8GBしか無いので、今回は16GBにカスタマイズしておきました。
レビューしていく内容は以下の通りで、かなり詳しく見ていくけれど「長いよ!!」と感じた人は見たい項目へ飛んでください。
特に見ておきたいのは「ゲーミング性能」と「温度」「エアフロー」だと思います。どこから温風が出てくるのかは重要ですし、内部温度の上がりすぎはサーマルスロットリングの原因になってしまう。
この記事の目次
開封 & 付属品のチェック

GKF1060GFの箱はこんな感じ。ノートPCのくせに、かなり大きめの箱です。

中を開けると梱包されたGKF1060GF本体と、付属品の入った箱に分かれていました。

ディスプレイ部分は布でしっかりとカバー。

付属品は4点。
- 電源アダプタ
- 電源コード
GALLERIA専用ゲーミングマウス- 説明書 & 各種ドライバーディスク
ノートPCはボタンを押すだけで起動するので、説明書の出番はないかもしれませんね。付属のゲーミングマウスは丸いタイプ(少なくとも2タイプ確認しています)。
ドスパラさんいわく、GKF1060GFにはゲーミングマウスは付属しないとのこと。配送の手違いだったようです。
外観プレビュー
次はGKF1060GFの外観(見た目のスペック)を見ていく。ノートパソコンはどうしても筐体が小さくなるので、排熱機構がどうなっているかなど、性能自体に関わる要素がデスクトップPCより多い。

フタはアルミから削り出した風の素材感になっていて、値段相応の高級感が出ている。

ディスプレイは最大で140°まで開く。

左側のIOポートは全部で8個。
- ケンジントンロック
- LANポート(Killer E2500)
- USB 3.0
- HDMI
- Mini-Display Port
- USB 3.0
- USB 3.1
- ヘッドホン入出力
高速USBポートが3つ。3.5mmプラグは2個(サウンド用 & マイク用)あるので、ヘッドセットも問題なく使える。
なおLANポートはKiller E2500という高性能なモデルが使われているので、専用ソフトを使ってアプリケーションごとにパケットの優先度を設定可能。

右側のIOポートは全部で4個。
- DVDドライブ
- USB 2.0
- SDカード
- 電源
USB 2.0が1つだけ右側にあるので、マウスをつなぐならこっちで良いですね。…これで両側あわせてUSBポートは合計5個。実用上はこれだけあれば十分だ。

次はGKF1060GFの裏側をチェック。大きな排熱用のファンが思いっきり露出しており、ノートPC内の熱を後ろから吹き出す仕組み。左右には無かったので、右手のマウスに温風があたって熱い…なんてことは無いわけだ。

前面にもファンがあるように見えるが、これは吸気用。前から外の空気を吸い込んで、裏から一気に吹き飛ばすということ。

ひっくり返して底面を。16GBのメモリモジュール(緑色)など、大型のパーツが見えますね。そしてそれらパーツを冷やすための大型ヒートシンク(銅製)もすごい。

キーボード部分。ノートPC特有の詰め込んだ感満載なキー配置です。実際に使ってみるとタイプミスの連発でビックリ…。特にWindowsキーが右側にしか無いのは、個人的に不便でした。
押し心地に関してもやや反発力が強いのか、忙しくゲームしていると疲れやすい。

キーの大きさは約14.8mmで、キーピッチは約18.5mmほど。

タッチパネルの幅は108.3mm、奥行きは79.3mmと広く確保されている。ボタンがちゃんと分離されているので、クリックすると同時にカーソルが若干動いてしまう…なんてことも無い。
デジタルノギスで実測 | ||
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タッチパネルの寸法、キーの大きさとキーピッチはデジタルノギスを使って実測しています。

テンキーの近くに内蔵デバイスのシールが3つ。

ディスプレイ中央上部にWebカメラが内蔵。解像度はHD(1280×720)で、マイクも内蔵されている。個人的にはやっぱり専用のゲーミングヘッドセットの方が良いかなぁ…という感じではある。

電源ボタンの左に2つボタンがあって、P1ボタンには起動するアプリケーションを登録可能で、一番左のボタンはファンモードの切替(静音 / パフォーマンス重視)が可能。

ゲーミングPCということで、スピーカーがかなり大きく面積を取っています。内蔵スピーカーとしてはかなり音質は良くて、3000~4000円クラスのスピーカーと同等。
普通に使う分には十分なスピーカーですが、ゲーミング(特に競技性が求められるFPS / TPSは厳しい)となるとやっぱりキツイ。
重量は3.0kg超え

GKF1060GFの本体重量は約2480g(2.5kg)とかなり重たい。持ち運ぶことは出来るけれど、あまり外で使うという感じの重たさでは無い…。

しかも電源アダプタもかなり重たくて、610gほどある。合計で3kgを超えているので…ノートPCというより省スペースなゲーミングマシンといったところです。
「GKF1060GF」の性能を検証

電源ケーブルを刺し、電源モードで性能を検証していきます。

バッテリーモードだとこの通り、著しく性能が落ちるので…基本的には電源ケーブルを接続したまま使ったほうが良いです。電源に繋ぎっぱなしが前提と言っても良い。
体感上の使い心地、レスポンスの良さ

別のディスプレイにも繋いで、デュアルディスプレイ環境でやってみようか…と最初は思ったのですが。
そもそもノートPCを使う人は、それ単体でしか使わない気がしたので、ノートPCのディスプレイだけでマルチタスクをやってみた。
ニーアオートマタを最高設定で動かしながら、YoutubeでFHD画質のコンボ動画を再生してみたが、特に問題なく動きます。ゲーム + Web閲覧やYoutubeという標準的なマルチタスクは余裕ですね。
レスポンスについても、さすが「Core i7 7700HQ」がCPUに入っているだけあって非常に高速。4~5万のCeleronが入っているような格安ノートPCとは次元が違います。
GKF1060GFのゲーミング性能を徹底検証

ゲーミングノートPCを考えている時点で、ほとんどの人は「このノートPCでゲームはどれくらい動くのか?」が一番気になるところ。

というわけで、有名なベンチマークを実行するだけでなく、実際にいくつかのゲームをプレイしました。プレイ中にMSI Afterburnerを使ってフレームレートを記録し、ゲーミング性能をよりリアルに計測する。
3DMark
グラフィックボードの定番ベンチマークとなった「3DMark」を使って、グラボの基本性能をチェック。
FireStrike

DX11で動作する、割りと負荷が軽いFireStrikeでは9877点と出ました。GTX 1060なら、だいたい10000点前後は出るのでこんなもんですね。なお、このスコアは上位36%の成績です。
TimeSpy

DX12で動作する重たい方の「Time Spy」も実行してみた。スコアは3734点。上位75%の成績で、他のゲーミングノートに押され気味(Gaming Laptop:3879)。
最近はMSIやLenovoからも、コスト度外視のバカげたゲーミングノートが多数出ているため、そういったマシンのスコアがTimeSpyの統計に混じって上位が強くなっているのだろう。
FINAL FANTASY XIV : 紅蓮のリベレーター

最高品質、フルHDで実行。GTX 1060 6GB搭載ですから、当然余裕です。ノートPCでも問題なくFF14をプレイ可能だ。
BIO HAZARD 6

2014年のベンチマーク。今のハイエンドGPUなら、これくらいこなせて当たり前という感じしかしない。
PHANTASY STAR ONLINE 2

最高設定6のPSO2も余裕。ただ、ガレリアDTの半分程度のスコアしか出ていないのは不思議。
モンスターハンターフロンティア

MHFのベンチマークは24100点で、ガレリアDTよりも700点ほど高いスコアが出た。これは主にCPUが原因です。MHFのスコアはCPU性能も素直に効いてしまうからね。
Unigine Heaven

日本ではあまり知られていない、グラボ向けのベンチマークソフト。非常に細かく、作り込まれた世界観が特徴です。そのため、FF14やPSO2の公式ベンチマークなどと比較すると「やや重め」なのもメリット。
- プリセット:カスタム
- API:DirectX11
- 品質:ウルトラ
- テセレーション:エクストリーム
- アンチエイリアス:8倍
- 解像度:フルスクリーン & フルHD
要するに「最高設定」で実行しました。

概ね、ノートPC版のGTX 1060として問題のない性能が出ています。デスクトップ版のGTX 1060だと、61~62fpsくらいは出ます。
SteamVR

Steamで無料配布されている「VRゲーミングが出来るか」を検証するベンチマーク。結果は「レディ」でノートパソコンだけどVRゲーミングも可能です。
ここまでは主要ベンチマーク。次は実際にゲームが動くかを12個のタイトルで確認します。
CS:GO

Steamにおけるアクティブユーザー数が依然として50万人を超えることもある、人気MOTPS「CS:GO」にて検証。画質は可能な限り「最高設定」にしています。

結果は平均80fpsでした。60fpsを余裕で超えているので非常に快適なプレイが可能。
Rainbow Six Siege

MOTPSではSteamにて3番目くらいに人気のある「R6S」も当然検証した。グラフィック設定は総合品質から「最高」にし、テロハント(ソロ)を1ゲーム実行してフレームレートを計測。

フレームレートのデータはこの通り。だいたい90fps前後で動作していて、まったく60fpsを割り込まない圧倒的な性能を見せつけた。
PUBG(PlayerUnknown’s BattleGrounds)

アクティブユーザー数が200万人を超えた、Steamで最強の人気を誇る「PUBG」。絶対に検証しておかないとダメなゲームですね、これは…。
設定は3通りのプリセットで実行。
- 「ウルトラ」
- 「中間」
- 「非常に低い」
PUBGは人によって、画質を追求するか、画質を落としてでもフレームレートを追求するのか。2派に分かれるので画質を分けてフレームレートを測っておく必要がある。

結果はこんな感じで、グラフィック設定によって大きくフレームレートが変動します。今回の計測では平均フレームレートは以下の通りに。
- ウルトラ設定:平均38.1fps
- 中間設定:平均46.7fps
- 最低設定:平均56.3fps
思っている以上に振るわない結果になり、少し驚いた。特にPochinki、Yasnayaなど都市部ではフレームレートが落ちやすく、場所によって快適さが大きく変わってくる。
黒い砂漠

2017年、MMORPGというジャンルでもっとも国際的な高い評価と成功を遂げた「黒い砂漠」。日本でもかなり人気のあるタイトルなので検証してきた。
中間設定 | 最高設定 | 最高仕様β |
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3種類の画質設定で検証した。もちろんゲーム側の省電力モードはOFFにしています。

カルフェオン(都市)とハイデル(都市)を巡回させて計測した。やっぱり都市部では一気にフレームレートが落ちて、30fpsすら出なくなる。一方、閑散とした地域なら50fps前後でした。

最高仕様βを抜いて計測すると、大幅にフレームレートは改善する。それでも都市部における急落は防げない。大人数コンテンツで遊ぶ時は、画質を落とすのが無難かもしれない。

中間設定にすると全体的に落ち着きます。
BLESS Online

2017年11月にオープンサービスが始まった新作MMORPG「BLESS」も一応計測してみました。

「永遠の安息所」という読み込むオブジェクトが少ないマップでは、安定したフレームレートが出る。設定1(最低設定)でも、設定5(最高設定)でも、ほとんど大差ない。

しかし、読み込みオブジェクトが多いマップに出ると一気にフレームレートが低下してしまう。BLESSは2017年のゲームでありながら、今時めずらしいDX9ベースで動くゲーム。
あの程度の画質をGTX 1060でまったく動かせないということは…ゲーム側の最適化不足が原因として考えられます。
Witcher 3 : Wild Hunt

それなりに重たいが、気づけばもう2015年のゲームだから2年前のタイトルになる。NVIDIA HairWorksを有効にして「最高設定」でフレームレートを計測してみた。
平均40fps前後、ちゃんと動いています。しかしNVIDIA HairWorksは無効にした方が良いだろう。体感でも分かるが、ややカクついてしまう。
Fallout 4

未だに根強い人気があるベストセラータイトル。2015年発売のタイトルです。設定を一括で「ウルトラ」にしてフレームレートを計測してきました。

60fps張り付きの状態。余裕ですね。
Nier : Automata

グラフィック品質の割には非常に重たいと有名な、PC版「Nier : Automata」も試しておいた。グラフィック設定は当然、可能な範囲で「最高」にしている。

Nier : Automataは60fpsが上限。場所によっては40fps程度にまで落ちるが、全体的にちゃんと動いている。実用上はほとんど問題ない。
Rise of Tomb Raider

2016年に発売された、リブート版トゥームレイダーの最新作。DirectX12を有効化し、グラフィック設定は「規定:最高」にして計測しました。

意外と動いてくれた。平均63fps前後で、非常に快適。
Grand Theft Auto V

広大なオープンワールドが舞台になっているクライムアクションゲームの超人気作「GTA V」。グラフィック設定のほぼ全ての項目を「超高」(ウルトラ)にしてフレームレートを計測した。

平均フレームレートは75fps前後で余裕の動作。ほとんどの地域で平均60fps以上を維持できた。
DOOM 2016

ホラーFPS「DOOM」シリーズの最新作。最高設定にすると驚くほど美麗なグラフィックですが、その割には非常に軽く動いてしまうのが特徴。

設定はほぼすべて「ウルトラ」にしているが、余裕ですね。平均140fpsくらいで動き続けた。
マインクラフト

マインクラフトも検証する。バニラ状態(Optifineは導入済み)で、チャンク読み込み距離を32に設定してフレームレートを計測した。

さすがにマインクラフトは全く問題なく動きますね。描画距離32の状態だと常に3桁fps。シェーダーのKUDAを入れて、描画距離を16にするとかなりフレームレートは落ちるが、それでも余裕だ。
CPU性能とベンチマーク
ゲーミングPCは「大は小を兼ねる」の代表例。だから、「ゲーミングマシンを使うけれどゲーム以外の用途を想定しているよ」という人向けに、CPU性能もまとめておきました。
Cinebench R15

CPUのレンダリング性能を測るCinebench R15のスコアはこの通り。
- シングルスレッド性能:158 cb
- マルチスレッド性能:747 cb
4コア / 8スレッドで動作する「i7 7700HQ」の性能は圧倒的だ。ノートPCでシングルが150点、マルチが700点オーバーならほぼ最強クラスの性能です(2017/11時点)。
CPU-Z

CPU-Zに付属するベンチマークも測ってみた。
- シングルスレッド性能:393.3
- マルチスレッド性能:1925.5
デスクトップ向けのCore i5とだいたい同じくらいのスコアを叩き出せた。
Geekbench

有名なマルチプラットフォーム対応のベンチマーク「Geekbench v4.1」ではこんな感じ。
- シングルスレッド性能:4420
- マルチスレッド性能:13408
これは以前レビューした「ガレリアDT」のCore i5 7500とほぼ同じスコアだ。つまり13~15万円くらいするデスクトップPCと互角に戦える性能はある…ということ。
PCMark 8
「PCMark 8」はパソコンとしての総合的な性能をスコアに出来るベンチマーク。ゲームだけでなく、普通の作業もちゃんとこなせるかどうかを検証可能。
Home

「Home」モードでは、文章作成・軽いゲーム・ビデオチャット・写真編集などを行った場合のパフォーマンスをスコア化してくれる。結果は4146点で、上位30%に食い込む。
一般的なノートPCが平均で約3000点程度なので、ノートPCの枠内では最高クラスでしょう。
Creative

「Creative」モードは、複数のWeb閲覧・4K画質の映像編集・グループ会話などを行った場合のパフォーマンスをスコア化する。結果は5308点。

上位31%の性能だった。同様にノートPCの平均点(Notebook : 3847)よりは遥かに高いスコアですね。
Work

「Work」モードは主に文書作成と表計算のパフォーマンスをスコア化する。結果は4864点で、上位16%と圧倒的な性能。
x264 HandBrake

「HandBrake」という無料のエンコードソフトを使って検証。フルHD画質(1.03GB)の動画を「480p Low Quality」というモードを使ってエンコードを行わせました。
- 元ファイル:BD 1080p / HEVC / 1.03GB
- エンコード後:480p / x264 / 0.06GB
終了にかかった時間は203秒。処理スピードは48.06fpsも出てビックリしました。ガレリアDT(デスクトップ)だと41.06fpsだったんですよね。やはり8スレッドのi7は強いな…。
x265 HWBOT

「HWBOT x265 Benchmark」というソフトを使って、x265エンコードの速度も検証しておいた。結果は25.45fpsなので、8スレッドCPUの意地を見せた感じ。
なお、ガレリアDTだと22.85fpsだったから…13~15万くらいのデスクトップPCよりは高速なエンコードが出来ますね。
7-Zip Benchmark

無料解凍ソフト「7-Zip」に付属しているベンチマークで、圧縮と解凍のスピードを調べた。結果は21000MIPS前後になった。やはりデスクトップ向けのCore i5より速いです。

3GBのzipファイルの解凍に37秒ほど掛かりました。うーん、MIPSの割には遅い印象ですが、実用上は十分ですね。数GBくらいの解凍なら全く問題になりません。
Mozilla Kraken 1.1

Krakenはブラウザ上で動くベンチマークソフト。ウェブで多用されている「Javascript」の動作スピードを計測する。結果は1003.3sだった。ギリギリ1000msを割れていないが、ほぼ1000msなので十分。
ストレージ
GKF1060GFには標準で250GBのSSDと1TBのHDDが搭載されている。SSDはWestern Digitalの堅牢性の高い3D-NAND採用のSSDで、HDDに至っては非常に頑丈という定評があるHGST製です。
SSD情報 | ![]() | ![]() |
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ベンチマーク | ![]() | ![]() |
SSDの読み書き速度はこの通り。シーケンシャルリード(読み込み)が548.6Mb/sで、シーケンシャルライト(書き込み)は489.9Mb/sなので、実用上は十分に快適なスピード。
HDDは読み書きともに109Mb/sと、かなり遅め。ちなみにHDDにゲームを入れてもフレームレートにあまり影響は無いですが、起動時やマップの読み込みスピードに影響が出ます。

SSD(Windows C:)に入り切らず、HDD側(ローカルディスク D:)に入れている様子。
だからこんな感じで、ゲームを10本以上ダウンロードする場合は…250GBのSSDでは全然足りない。予算が許すのであれば、やっぱり500GBくらいは欲しいですね。
エアフロー
サーモグラフィカメラ「FLIR ONE」を使って、GKF 1060本体(高負荷時)の表面温度やエアフローを確認する。

GKF1060GFはゲーミングPCとしては割りと薄く作られているので、熱が内部にこもりやすい。だからキーボードの表面温度は割りと温まりやすいようですね。

もっとも暖かい場所で約40度くらい。熱いというよりは暖かい…くらいの温度で、冬は暖房をつけなくても手がかじかまなくて済みそう。

エアフローはこの通り、ほぼ全ての熱を裏側の排熱ファン2個で排出しています。左右からは一切出していないので、マウスを持つ手に危害は一切ない。

底面の表面温度はこんな感じ。CPUとGPUが設置されている箇所はやはり熱く、メモリーなどが配置されている中央部分も割りと温まっています。
この重量のマシンを膝置きで使う人は少数だと思いますが、膝置きにはあまり向いていないと言えますね…。冬はまぁ良いとしても、夏は蒸れそうだし何より暑そう。
温度
重量2.5kgの中にギッシリとデスクトップPC並の性能を叩き出せるマシンが入っているのだから、温度がどうなっているのかは非常に気になるところ。
まずはCPU温度から。ファンが金切り声を上げていた「黒い砂漠」にて、フレームレートを計測するついでにCPU温度と動作クロックもデータを採集しておきました。

見ての通りCPU温度は平均79.4度で推移し、最大で90度に達することも。やはりこれだけ狭いと冷却してもしても簡単には冷えないようですね。
まぁ…平均79度くらいなら許容できる範囲です。個人的には75度オーバーで気になってきて、常時85度を超えてくるなら寿命が心配になってくる…。
ただ、CPUというパーツ自体は90~99度の環境で運用してもビックリするくらい壊れない性質があるので、CPUの冷却はほどほどにして他のパーツの冷却に力を入れる構造なのかもしれません。

その証拠に、CPUはあまり冷やせていないのにGPUはちゃんと冷やせています。熱くなっても74度なので、性能が低下しやすい85~90度(危険域)からかなり距離を取れている。
PCのすべてのパーツがCPUと同じような温度で稼働しているなら当然、寿命に関わってくる。しかし、CPUだけ熱くて他は冷やせているならそこまで心配する必要は無いと思います。
ちなみに寿命が先にくるのは大抵バッテリー。ほとんどのノートPC自体は概ね60ヶ月(5年)は持つとされていて、対するバッテリーは18~24ヶ月(2年)程度です。
騒音と静音性

高負荷時はかなり音がなります。「ウィーーーーン(高音)」という、騒音と言っても良いレベルの音が出てくる。PC前に座っている分には「53.3dBA」と、デスクトップPCと同じくらいの音が(静音ではない)。
しかし排気ファン周辺は「67.8dBA」と、かなり大きな音が出ている。スピーカーの音と十分に干渉できる大きさなので、ゲーミング時はイヤホン(またはヘッドセット)が欠かせないと言える。
その他、細かい機能について
自由に調節可能なキーボードLED

付属アプリの「Keyboard LED Manager」を使って、キーボードのLEDを自由に設定できる。
キーボードのLEDは自由に設定可能 | ||
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単に光るだけでなく、波のように波打つ光り方や消灯と点灯をゆっくりと繰り返すパターンなど、機能は豊富。なお常にLEDを消したい時はFNと+を押せば明るさを変えられます。
4回ほど押せばLEDは完全に消える。もとに戻す時は–を押せば明るさを上げられる。
ゲーミング仕様の「Killer」製LAN
Killer Control Center | ||
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GKF 1060には「Killer E2500」という高性能LANポートが備え付けられているので、「Killer Control Center」を使って、ソフト別にパケットの優先度を設定できる。
回線が混んでいてオンラインゲームの遅延が気になる場合は、ここからそのゲームの優先度を最高に設定して改善を狙えます。
Sound BLASTER CINEMA 3
GKF1060GFはRealtek製のオンボードサウンドが搭載されていて、安価なマザーボードに搭載されている安物チップでは無いんですよね。
オンボードチップもローエンドからハイエンドまで色々とあって、同じRealtek(蟹とも)製でも高級品になれば体感でわかるほど音質が変わってくる。
このGKF1060GFも割りと品質の良いオンボードサウンドが入っているようで、イヤホンを使って聞けばかなり違いがわかります(iPhoneと比較して)。
Sound BLASTER CINEMA 3 | ||
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付属アプリのSound BLASTER CINEMA 3を使えば、その音質を更に向上させたり、足音などの距離感を強調したり出来る。
スピーカーの性能はイマイチですが、ヘッドセットやイヤホンを使うつもりならGKF 1060のオンボサウンドはなかなかの高音質を提供できていると感じました。
「GKF1060GF」評価まとめ

RANK:B
- ゲームによるが、概ねフルHDで平均60fpsを目指せる性能
- 重量級ゲーム + ある程度のWeb閲覧と動画視聴をこなせるマルチタスク性能
- 性能とコスパ重視なら、もっともベストな選択肢
- 当日出荷(カスタマイズすると2日)
- サイズは小さめだが、全体的に熱がこもりやすい
- ゲーミング時の動作音は「かなりの大きさ」で、別途イヤホンなどが必要かも
- 本体 + 電源で3kg超えは決して「軽い」とは言えない
- キー配置は明らかに「慣れ」が必要(Winキーは左にも欲しい)
ノートPC向けのCore i7ではほぼ最上位の「i7 7700HQ」に「GTX 1060 6GB」で構成されるGKF1060GFは、ノートPCとしては圧倒的な性能を発揮できました。
ドスパラのゲーミングノートの中でもっとも価格と性能のバランスに優れていると思うので、コスパ良くフルHDゲーミングをちゃんとこなせるノートPCを探しているならGKF1060GFで問題ない。
もちろん、GKF1060GFはそれなりにいい値段のするマシンだ。しかし20万円を超えてしまうと途端にコスパの伸びが鈍化して、お買い得感は減り続けてしまう。
もうひとつ問題があって、デスクトップPCと違ってノートPCは「一発勝負」の側面が強いのです。なぜなら性能が足りないと思ってもパーツを上位品に交換できないから。
だからコスパを重視しすぎて更に安価なマシンに手を出すと「思ったより動かなかった…」なってことになりかねない。
- ノートPCでフルHDゲーミング(最新タイトルを含む)をしたい
- 予算20万オーバーは無理
- 中途半端な性能は困る
こんな感じでゲーミングノートを探しているなら、現状GKF1060GFはもっともハズレない選択肢だ。
以上「【レビュー】「GKF1060GF」/ GTX 1060搭載ノートPCの実力を試す」についてでした。