MMORPG「黒い砂漠」をプレイするときに知っておきたい、SSDとHDDの基本的な原理と、自作歴10台のやっちが他人におすすめできるSSDとHDDまとめです。
記憶媒体に気を使う理由
記憶媒体とは、SSDやHDDと呼ばれるパソコンパーツのことでウィンドウズ(OS)を入れたり、黒い砂漠などのゲーム本体を入れたりするために必須となるアイテム。
さて、その記憶媒体なんだが基本的に安くて容量の多い商品が人気を集めやすい。たくさんデータが入れば、とりあえずはそれでいいからね。一般的な考え方では1TB(1024GB)が5000円~6000円くらいで買えればそれで良いのかもしれない。
しかし少し待って欲しい。安い商品にはちゃんと訳があって安いわけで、逆に容量の割に価格が高い商品にも、それなりの理由があるわけですよ。安く済まそうと思って中古のHDDや、お下がりのHDDを使っていると思わぬ危機に直面する。
- パソコンが起動しない
- No bootable device — insert boot disk and press any keyとか言われる
- 黒い砂漠がやたらとカクつく
- データが復旧できずCustomization Dataを紛失する
こんな感じの危機に直面するよね。もし・・・こんな面倒くさい危機に直面したくないなら、長期的な視野で見て「投資」をする気持ちで記憶媒体を選ぶのがベストだ。安いからってSeagate製のHDDに手を出したり、Sandisk製の格安SSDに手を出すのは、やめておいたほうが言い訳だ。
Sandick製がダメというのはちょっと個人的な偏見入ってますけどね。
ということで、この記事では自作歴10台のやっちから見てオススメできるSSD・HDDをまとめつつ、黒い砂漠をやる上でも推奨なパーツを選んでみます。ついでにHDDやSSDの寿命に関する概念も、一応説明してみる。
SSDの寿命とメリット、そしてHDDが未だに持つ優位性(メリット)
SSDとはソリッドステートドライブの略で、中身にHDDのように回転するディスクが入っていない新しいタイプの記憶媒体。雑に分かりやすく説明すると、USBメモリーを巨大化したモノと思えば大丈夫。
で、このSSDは「ある日突然ぶっ飛ぶ」のが特徴です。何の前触れもなく、突然壊れる。いきなりこういう話をするとSSDダメじゃんと思われそうだが、HDDとは寿命の概念が全然違うんだよね。じゃあ、ちょっとSSDの寿命の話を。
SSDの寿命は、TBWというのが指標で示されるのが現在の主流だ。TBWとは、どれくらいの量のデータをSSDに書き込むことが出来るか、そのデータ書き込み可能容量のトータル(総量)で寿命を表現する指標です。
TBWの指標の説明だけをされても、ほとんどの人は直感的に理解できない。TBWと寿命の関係を分かりやすく説明すると「電池」に近いかな。128GBのSSDだと、ほとんどの製品がTBWが73TBとなっています。73TBとは、つまり73000GBです。73000GBの書き込みに耐えることが可能という意味です。
では、SSDって普通の使い方をしていると1日でどれくらいの量を書き込むのか?一般的な使い方、例えばエクセルで表計算するとか、インターネットでYoutubeを見るとか、そういった使い方だと平均的に6GB/1日となります。
黒い砂漠のように負荷のあるゲームをSSD本体にインストールしてプレイしているとおそらく大抵の人が12GB/1日くらいになるはずです。しかも、黒い砂漠は放置も多いので起動時間が一般的な使い方と比べると圧倒的に長い。人によっては20GB/1日に達していてもおかしくない。
しかし、ここで計算してみよう。1日あたり12GBずつ、書き込み可能容量を食っていくとすると、何日くらい持つのか。
73000GB / 12GB = 6083日 (約16.6年)
にわかには信じがたいが、10年以上は寿命が持ちそうだ。TBWという指標で観ると、SSDの寿命は容易に10年を超えることが理解できた。しかし、10年という寿命はあまり過信しないほうが良い。実際にはTBWから計算される寿命の50~60%くらいを目安にする。
ということは、16年の寿命だとすると、実際の寿命は目安として8~9年くらいと見ておく。なぜなら、SSDはTBWを消費すればするほど、性能が劣化するからだ。限界までTBWを使い込めば、動作は最初に購入した時点から50%以下まで劣化しているはず。
とは言っても・・限界までTBWを使うのは実際は相当に難しい事実もある。SSDの寿命と性能に関しては以下のレポートが分かりやすいので興味がある方はどうぞ。
→ SSDに2PB(200万ギガバイト)書き込みまくると性能はどれくらい落ちるのか?
ということで、基本的にSSDの寿命は5年以上というのが今の主流になっている。TBWが73TB程度の安いSSDでも、寿命は16年に達するという驚きの結果が出ているのだ。
SSDは突然逝ってしまうという話を最初にしたが、実際のところそのような日が訪れるのは気の遠くなるほど未来の話なのだ。馬鹿な使い方をしていない限り、SSDが年内にぶっ飛ぶなんてことは運が悪い限り・・ない。
ここまで、SSDの寿命について語ってきたがメリットについてもまとめておく。
- HDDを凌駕する圧倒的なレスポンスとパフォーマンス
- OSの起動は速いし、黒い砂漠のようなゲームの動作も機敏になる
- ブラウジング、ゲーミングをするときの読み込み時間が体感で分かるほど速い。
- パソコンの性能が全体的に化ける
- HDDには無い圧倒的な静音性とコンパクトなサイズ
- 物理的な構造は、HDDよりも頑丈で堅牢である
要約すると、圧倒的にスピードが速く、圧倒的に静音性に優れているってことです。しかも、物理的な構造からHDDよりも頑丈です。記憶媒体を床に落とすのは絶対にしないほうがいいが、SSDはHDDよりもそういった落下などの衝撃に強い。
逆にデメリットは
- ある日突然逝ってしまうかもしれない
- 使い続けると性能がじわじわと劣化する
- 故障の前兆を掴みづらい(使っている人の経験値による)
- 容量あたりのコストパフォマンスが悪い(HDD比)
- データの長期保存には向いていない
このようになる。
要するに、HDDとSSDにはそれぞれ適材適所があるということ。まだまだSSDにはHDDの代替としてはイマイチな一面がある。特に、容量のコストパフォマンスの悪さや、データの保存性には、いささか問題がある。
SSDは揮発性メモリなので、長い間起動しないまま放置しておくと、中身のデータが勝手に蒸発(揮発性)することがあるんだ。HDDなら5年ほど放置していても普通に中のデータを開けたりするが、SSDは5年も放置すると中身が無事かどうか極めて心配です。
よく言われているHDDは長持ちで、SSDがデータ保存に向かないと言われる話の根拠について、ある程度説明できた。雑にまとめると、ゲームを入れたり、WindowsやMacを入れるなら、今の時代SSDほどの適材パーツは存在しないということです。
システムドライブに使う記憶媒体は、必ずSSDと言い切っていいかと。毎日、ちゃんと通電して使っているならSSDが故障するのはものすごく先の話です。過酷な使い方をしても、容量が256GB以上のSSDを選んでおけば寿命は5年を容易に超えています。
逆に、写真や動画などのデータを保存する場合はHDDのほうが優秀。HDDは揮発性メモリじゃないから、通電せずに放置していても簡単に中身のデータが消滅するようなことはありません。
ついでにオススメのSSDとHDDを紹介
せっかくなので、自作歴10台のやっちから見て、オススメできるSSDとHDDをまとめる。ちゃんと根拠も書いていくよ。「容量が多くて安いから筆者のおすすめです。」なんていう陳腐な言い回しでおすすめしようとは思わない。
850 EVO MZ-75E250B/IT

韓国のサムスン電子が作ったSSDです。実はソリッドステートドライブの技術は日本よりも韓国やアメリカのほうが優秀なんですよね・・。(国産メーカー頑張れよ。)
850 EVOは、世界で初めて一般向けに3D V-NAND技術を使ったSSDとなる。まぁ当然のことながら、3D V-NANDがすごいって言われても意味不明だと思うのでまた原理と根拠を説明します。

SSDは基本的に素子の微細化によってSSDの容量などの性能が向上するんだが、微細化すればするほど発熱の問題と故障リスクの上昇や、データ保存がうまく出来ないなどの弊害に悩まされる。素子の微細化によるSSDの高性能化には、既に限界が来ているってこと。

そこでサムスンは微細化を一定の水準でやめてしまって、素子をレイヤーのように重ねることで安定的な性能アップを実現する技術が3D V-NAND。
ほどほどの微細化なのでデータ保存の信用性や寿命を損なわずに安価で良い容量を実現している製品。正直言ってスゴイ製品です。公称の耐久値は75000GB。速度は550MB以上を叩き出す。友人のPCで確認済み。
書き込み速度なども、その価格帯のSSDではトップクラス。物理的な構造からも「安全」ということが分かっているので、人におすすめしやすい製品。黒い砂漠など、MMORPGをプレイするときも850EVOで問題ないかと。
250GBモデル。TBWは75000GB(75TB)。
自作初心者にも、これから黒い砂漠をやるという人にもオススメなSSDです。値段も最近また安くなって1万円を割り、8000円くらいで買えるようになってます。友人におすすめして使ってもらっていますが、抜群のパフォーマンスです。あと5~6年は使えそうです(他のパーツが故障しない限り)。
250GBじゃ不安という人には、500GBで。価格は17000~21000円ほど。TBWは15万GB(150TB)と、ちょっと使い切れない寿命です。
CSSD-S6T256NHG6Q

やっちが現在進行形で使っているSSDです。CFD販売の東芝製SSD。つまり国内製のSSDであり、価格.comでも最近まで常に1位を陣取るような超人気SSDでした。
しかし、今は次から次へと新しいSSDが登場し、サムスンの850EVOや、その後継である950 PROなどの登場で国産SSDの魅力は急速に薄れている印象がある。
ただ、国産のSSDでは唯一マトモに売れている製品であり、性能も価格に対して恐ろしく良いので、850 EVOにつづいて他人におすすめしやすいSSD。国産だし、性能いいし、コスパ良いしの3点揃い。
なお、寿命が非公開なんですが、128~256GBモデルなら75000GB(75TB)を目安にしておけば大丈夫。普通の使い方をしていれば、簡単には壊れません。

CFD販売 SSD 256GB 2.5inch TOSHIBA製 内蔵型 SATA6Gbps CSSD-S6T256NHG6Q
シー・エフ・デー販売 2014-03-08
Amazonの最安値
3.5インチマウントが付属しています。地味に気が利くSSDです。SSDでオススメできるのは以上です。他にも個人的な興味があるSSDや、使えそうなSSDはたくさんあるんですが、あまり無闇にたくさん紹介しても仕方ないので。他人に安心しておすすめできるSSDは以上の2品だけです。
じゃ、次はHDDでオススメな製品をまとめてみる。システムドライブとして使うにはHDDはもう魅力的ではない時代なので、データの長期保存などを行いたい場合にHDDを使う。例えば、黒い砂漠をプレイする場合だと、スクリーンショットやCustomizationDataなどの保存にちょうどいいかもしれない。
WD30PURX [3TB SATA600]

WD Purple 3.5inch IntelliPower 2.0TB 64MBキャッシュ SATA3.0 WD20PURX
Western Digital 2014-03-15
Amazonの最安値
ウェスタンデジタルという、世界最大のHDDメーカーによる製品。この紫色モデルはコスパはイマイチだが、高い衝撃耐久性を誇り、長期のデータ保存に特化されて作られている製品。速度面のパフォーマンスも良好で、失敗したくない人に比較的おすすめしやすいHDD。
2TBで1万円近い価格だが、値段に見合った性能があるので満足度は高い傾向。
WD30EFRX [3TB SATA600]

やっちが実際に使っているHDDです。同じくウェスタンデジタル製。さっきの紫色モデルと比べて、こっちの赤色モデルは連続稼働する場合に向いているHDDと言われている。
連続稼働とは、NASなどで使う場合に良好ということだが、黒い砂漠は放置コンテンツが多いためパソコンの稼働時間が長くなる傾向にある。
やっちの場合は、加工・調教・釣りなどの関係で連続稼働時間が100時間を超えることはザラです。そのため、NAS向けを謳っている赤色モデルを使っているんです。コスパは紫色モデルよりは優れている。
あと、2TBが10000円。3TBが12000円という価格設定なので、どうせ買うなら3TBがいい。
0S03361 [4TB SATA600]

一応紹介するHDD。価格は4TBで17000円と、少し高めのHDD。メーカーは世界最高の耐久性を誇るHGST。やっちとしては、別にウェスタンデジタルの赤色・紫色モデルで十分な気がするが、24時間稼働を考えている人にとっては選択肢になりうるHDDです。
・・用途が少しマニアックなので一般向けではないですが、一応HGSTを紹介しておきたかった。それだけのHDDです。
WD10EZEX

最後に、コスパ良好な定番HDDを。友人のPCを組むときにも「とりあえず容量が1TBほど欲しい。」ということで実際に搭載しているHDD。パソコンを長時間起動するわけでもなく、一般的な使い方やライトゲーマーなら、ウェスタンデジタルの青色モデルで概ねOKかと。
1TBモデルが6000円という、他のHDDを圧倒するコストパフォマンスを誇ります。安いけれどウェスタンデジタル製なので耐久性にもある程度の信用はできる。HDDは以上の4品で終わり。
Seagate製を1つも紹介してないけど、故障率は突出して高いのでオススメできません。2014年ごろのデータだが、3年間のHDDの生存率という統計があってHGSTが97%、Western Digitalが95%、Seagateが73%という有様です・・。
HDDメーカーはHGSTとウェスタンデジタルの2社から選べということ。SeagateもHDD業界では大手ですが、製品の質がやや疑問です。過去の自作PCでSeagate製を採用したことがありますが、搭載したそのHDDが故障したことで組み直すということが多い。
ということで、シーゲイト製を選ぶのも、おすすめするのもやめておきましょう・・。
黒い砂漠のSSD・HDDまとめ
以上でやっちのオススメなSSD2品とHDD4品を紹介しました。前半のSSDとHDDの説明が長かったけど、仕組みは知らないよりは知っている方がいいし、理解があると自分で製品を選ぶ時も、確信を持ちやすいよね。
ほら、ヤマダ電機など大手電気屋さんに行ってみたら、必ずパソコンの購入コーナーってあるじゃないですか。そして、割りと年寄りの人たちが相談に来てて、パソコンを購入していくんだけど、あれって詐欺ですよホント。
まぁ知識が無いからカモられても仕方がない、自己責任ではあるんですけどね。黒い砂漠やOSを入れるシステムドライブには、特にこれといった理由がないなら必ずSSDを採用するべき。物理的な構造からも、寿命に一定の信用性があります。
寿命の目安は最初に説明したとおり、128~256GBモデルなら5~8年を目安に。500GB以上のモデルなら、6~10年が目安ですが、念の為に5年くらいで交換しよう。
そして、黒い砂漠で作ったキャラメイクデータや、スクリーンショットなどのデータは長期のデータ保存が可能なHDDに保存しておきます。HDDの寿命はSSDよりも分かりづらいが、故障すると前兆がしっかり出てくるので対処しやすい。
- OS起動時間が異様に遅い
- HDDから異音がする
- パソコンの動作がカクついたり、フリーズが頻発する
- HDDに保存したデータが開けないことがある
このような現象が起こるようになったら、既にHDDが故障してきているので近い将来起動しなくなります。前兆がハッキリしているので、故障してから新品を買ってきても十分に間に合うことが多い。
使っているSSDやHDDが故障しそうかどうかを調べる無料ソフトがあるのでのせておく。

割りとすごいソフトで、HDDやSSDの状態を青・黄・赤で教えてくれる。SSDの場合、製品にとっては画像のように総書込量まで表示してくれる。つまり、TBWをどれだけ消費したかが数字で分かるんだよね。
寿命が気になるならダウンロードしておいて損はないソフトです。以上、SSDとHDDの話でした。思ったより長くなった。
こんにちは
SSDは不揮発性メモリを使っていますよ