【最新版】オススメなSSD「5選」:自作歴21台が解説する

SSDを選びたいけど…「種類が多すぎてどれを選べば良いのか分からない。」と感じているPC初心者向けに。自作歴が21台ほどある自作erの筆者が、人にオススメしても構わないと言えるSSDを用途やシーン別に5個ほどまとめます。性能や推奨する理由も詳しく解説するので、SSD選びの参考になれば幸いです。

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SSDの基本

最初に、念のためSSDがHDDとどう違うのかについて「基本」を解説します。もし「SSDの基本くらい知ってるよ。」という方は、さっそく「おすすめのSSD5選」に飛んでそこから読んでOKです。

SSDのメリット:速い、小型、静音、耐久性

レコード盤のように「ガリガリ…」と動くHDD

HDDが回転するディスクにヘッダー(レコード盤の針のようなやつ)を使ってデータを読み書きするのに対して、SSDはNANDフラッシュメモリに電圧の強弱を利用してデータの読み書きを行う。

NANDフラッシュメモリ上に電圧の強弱で記録するSSD

物理的な設計が全く違うため、当然その性質にも大きな違いが出てくる。その最たるものが「読み書き速度」。HDDと比較してSSDは最大20倍も読み書き速度が高速です。

読み書き速度の違い(単位:MB/s)

  • HDD 5400rpm
    150
  • HDD 5400rpm
    150
  • HDD 7200rpm
    210
  • HDD 7200rpm
    210
  • SATA SSD
    540
  • SATA SSD
    520
  • NVMe SSD
    3200
  • NVMe SSD
    2100

読み込み速度書き込み速度

最近のHDDはキャッシュを備えるので、7200回転モデルだと意外と200 MB/sの速度が出るものの、やはりSSDには敵わない。普通のSATA SSDですら、読み書きともに500 MB/sを超えるのが当たり前。

より高速なインターフェイスで接続するNVMe SSDになると、軽く1000 MB/sを超えてトップクラスのSSDになると3000 MB/sを超えるモノまで存在する。

ランダムアクセス速度の違い(単位:MB/s)

  • HDD 5400rpm
    0.5
  • HDD 5400rpm
    2.1
  • HDD 7200rpm
    1.0
  • HDD 7200rpm
    1.3
  • SATA SSD
    41.5
  • SATA SSD
    43.0
  • NVMe SSD
    63.0
  • NVMe SSD
    129.0

そして「ランダムアクセス速度」が読み書きともに、HDDと比較にならないほど次元の違う速度を実現している。これが「Windowsの動作が体感でわかるほどキビキビしている。」と言われる原因です。

ランダムアクセス速度とは

ベンチマークでは「キューの深さを1の状態で、4KBサイズのファイルを読み書きした場合の転送速度」になる。何を意味しているのかというと、小さいサイズのファイルをどれだけ転送できるか…ということ。

Windowsの動作など、アプリケーションの動作は決まったサイズのファイルをやり取りするのではなく、大小様々なサイズのファイルを大量に連続で処理する内容が圧倒的に多い

HDDはやり取りをする毎に、ヘッダー(針)を移動させる必要があるのでとにかく遅い。SSDは一瞬で取り出せるので、圧倒的に速い。体感に与える影響が極めて大きい性能です。

小型 & 軽量

次のメリットが「小型」ということ。3.5インチHDDと、M.2規格のSSDを比較するとこの通り。NANDフラッシュを作る技術が向上することで、少ない面積に大容量のデータを書き込めるようになったため小型化が進んでいます。

重量もHDDが200g前後に対して、SSDは10g程度のモノも。圧倒的な小ささと軽さから、SSDは薄型ノートパソコンやタブレット端末でも多用されるようになってきた。

耐久性の高さ

SSDは物理的に動く部品が一切無いので、非常に壊れにくい性質がある。そしてNANDフラッシュ本体には「書き込み上限」(TBW)というスペックがあり、これを使い切るまではSSDは正常に機能する※1。

大容量なSSDほどTBWが高い。250GB SSDで「70 TBW」が多く、500GB以上になると「150 TBW」超えのSSDが多い。仮に1日あたり8GB書き込む(ごく一般的)前提の場合、150 TBWを使い切るのに51年掛かる。

150 TBW(15万GB) / 8GB = 18650日(51.4年)

ただし、これは理論上の寿命で、実際にはNANDフラッシュ以外の部品が先の故障してしまうリスクを抱えている。とはいえ、多くのSSDはMTBF(平均故障時間)が150万時間※2とされているので相当に壊れにくい。

HDDを製造するのには高い工作精度が求められるのに対して、SSDは基盤にチップ(NANDフラッシュ、SSDコントローラ、DRAMキャッシュなど)を載せるだけで完成するため根本的に壊れにくい。

事実、HDDを製造しているのは大きく3社(WD、Seagate、HGST)に限られているのに、SSDを製造・販売しているメーカーはかなり多い。部品さえ揃えばカンタンに作れるから、多くのメーカーが参入しやすいのです。

自作歴21台のやかもち
HDDと違って作りやすいから、構造上の「堅牢性」が優れているんだよ。

※1:動かないわけではない。リードオンリーモードに切り替わるSSDもあるし、読み書き両方できてもデータ保持エラーが頻発するSSDもあります。

※2:確率的な話をすると、約2100台に1台は使用開始から1ヶ月で壊れることになる。しかし、メーカー側もSSDの寿命について「明確な解」を出せていないので、MTBFはあまりアテにならない可能性が高い。

SSDのデメリット:容量単価が高い、データの保持性

SSDは構造上「HDDをはるかに超える速度、圧倒的な小ささと軽さと静音性、そして壊れにくい」ことを解説してきた。しかし、完璧化のように思えたSSDにもデメリットはあります。

だいぶ安くなったけど、まだまだ容量単価が高い

容量単価の違い

  • 2TB HDD
    6000
  • 2TB HDD
    2.93
  • 2TB SATA SSD
    59800
  • 2TB SATA SSD
    29.2
  • 2TB NVMe SSD
    148000
  • 2TB NVMe SSD
    72.3

ここ5年でSSDの1GBあたりの単価は大幅に安価になり、システム用ドライブにSSDを使うのが常識というところまで来た。それでも3.5インチHDDと比較すれば、10倍~30倍くらい高額です。

よってデータの保存用に使うなら依然としてHDDの方が有利。SSDはアプリケーションの動作を軽快にするためのストレージという側面がずっと強く、もっぱらデータ保存に使っているのはデータセンターを持つ企業が多い。

「データ保持エラー」の存在

近年のSSDはコントローラのECC機能(誤り検出訂正)がとても強力に進化してきたため、保存しているデータが壊れたり消失する事例はごくごく稀な現象になっている。

2010年頃は不良ブロックの無効化の際に、誤って正常なデータもろともデータを無効化してしまう問題が確認されていたが、それも今となっては全く見られない現象に。

では、どのような場合にデータ保持エラーが問題として起こりやすいかというと「書き込み上限に達しているSSDを、非給電状態で長期間放置する」に限られる

HDDは通電を行わず、クローゼットなどで放置していても中のデータが消えることはほぼ皆無。一方のSSDはJEDECの策定に基いて、上記に該当する場合の非給電状態のデータ保持期間を決めている

一般向けSSDの場合、TBWをほとんど使い切った寿命が近いSSDでも「非給電状態に30度、稼働時は40度ならデータは最低でも52週間は保持されなければならない」と策定されている。

ただ、このJEDECの規定は「壊れかけのSSDでも、これくらいはデータ保持するように作ろうね。」という指針です。…つまり新品のSSDならデータ保持エラーが問題になることは「まず無い。」ということ。

それでもNANDフラッシュにデータを記録するという性質上、どうしてもHDDと比較してデータを安全に保持するという観点では信頼性が若干落ちます。

絶対に消失したり、一部が損壊しては困る…という重要データはHDDに保存するようにしておきたい(可能ならRAID 1を。更に保守性を高めるならビットエラーの訂正を確実に実行できるRAID 6も検討…ですかね)

自作歴21台のやかもち
まぁ…普通に使っててデータがいきなり消える現象は「完全に過去のこと」。都市伝説級なんじゃないかと。

2018年のおすすめのSSD「5選」

SSDの基本はだいたい解説し終えたので、次は肝心のおすすめSSDについて順番に紹介していきます。

どのような基準でおすすめのSSDを決めるかは悩ましいところでしたが、SSDに使われているNANDフラッシュ / コントローラ / DRAMキャッシュなど、各種コンポーネントが信用できるモノかどうかはもちろん。

ベンチマークテストに基づいたパフォーマンスの実測値も使って、おすすめSSDを決めることにした。メーカーの公称値(特にIOPSという指標は分かりにくい)ではなく、実際のパフォーマンスに基いて選ぶことで信頼性を高められると考えてます。

次に「なぜ、おすすめなのか?」をPC初心者にも分かりやすくするために、「このような用途には、このSSDが向いている」という指針を示します。1つ1つのSSDに詳しい解説もつけるので、かなり選びやすくなるはずだ。

では以下5つのおすすめSSDを、21台の自作歴がある自作erの筆者が解説していきます。

各項目をクリックすると、その項目までジャンプします。

1. 低予算で行くならベストSSD「Silicon Power S55」

容量NANDコントローラキャッシュTBW保証価格目安
120GB東芝製15nmTLCPHISON製Nanya製DDR3L-1600 256MB非公開3年4500円

お試しでSSDを体験してみたいとか、古いPCやノートパソコンにSSDを入れて安く復活させたいなど。品質にそこまでこだわらないから、安く済ませたい…という需要って必ず存在するんですよね。

そういう需要を満たすのにオススメの格安SSDがSilicon Powerの「S55」だ。Amazon販売のSSDでは、ほぼ最安値に位置するSSDなので、格安ゲーミングPCを組みたいという人にもオススメできるSSDです。

さて、問題はなぜ安いのか。「なんでこんなに安いの?」「なんか怪しいから手を出しにくい」と感じるのが普通の心理。S55が安い理由はシンプルで、キャッシュを少なくし、安いコントローラを採用しているから。

SSDの読み書き速度を高速化するために使われる一般的な手法が「キャッシュ」の導入。高性能なSSDはGB単位の大容量キャッシュを搭載するが、この格安SSDは256MBの小容量キャッシュを搭載しています。

このためサイズの大きいファイルを頻繁に移動させたりコピーしたりすると、転送速度がHDD並(約90 MB/s)に低下してしまう。その点を除けば、ごく普通のSSDらしい速度で動作してくれる。

コントローラは中国のPHISON製。特に目立った悪い評判は聞かないメーカーです。肝心のNANDフラッシュは、東芝製の15nm TLC NANDだ。意外にも国産NANDが採用されているんですね。

まぁ東芝の悪いところは書き込み上限(TBW)をあまり公表してくれないところですが。とはいえ保証期間は3年を謳っているので特に問題はない。Silicon Powerは創業から15年経つメーカーなので、3年保証が満了するまでに潰れる可能性も低い。

素性が不明の怪しいぽっと出の中華メーカーの怖いところは、3年保証を謳っていてもメーカーがちゃんと3年持つのか…という疑念が拭えないことだ。Silicon Powerなら、まだ信頼できます。

Silicon Power S55 120GB / ベンチマーク結果(via

  • Read Seq
    510.3
  • Write Seq
    460.7
  • 4K Read
    30.8
  • 4K Write
    110.6

読み込み速度書き込み速度

  • とにかく安い
  • 3年保証
  • おおむね公称値通りの読み書き速度
  • SSDの性能を十分に体感できる
  • キャッシュが256MBしか無いので、大容量ファイルの転送が不得意
  • なぜかTBWを公表しない東芝

非常に安い代わりに、少ないキャッシュと不明なTBWという欠点を抱えているが、性能は価格以上のモノです。SSD未体験の人が「SSDってどれくらい体感できるものなのか。」と試すのに向いていますね。

特に、あまり重要なデータを入れないであろう古いPCのリノベーションや、格安低予算のゲーミングPCを自作するのに最適。コストパフォーマンスにとても優れたSSDです。

オンボロPCの復旧やリノベ目的なら120GBで十分かも。

ゲーム用に使うなら、余裕のある240GBがおすすめ。

2. 万人におすすめできる万能SSD「Crucial MX500」

容量NANDコントローラキャッシュTBW保証価格目安
500GBMicron製 256Gb 64層 3D-TLCSilicon Motion SM2258Micron製DDR3 512MB180 TB5年14000円

米Micron社が製造する64層の3D TLC-NANDを採用するSSD。コントローラには多くのSSD(特にTrancend)で採用されている信頼性の高いSilicon Motion製が使われています。キャッシュはMicron製のDDR3規格が512MB。

MicronはNANDフラッシュの大手製造メーカーの一つで、DDR3 / DDR4メモリでもよく知られている。半導体大手のIntelと開発協力して、次世代のNANDである「3D-Xpoint」を生み出せるほど、高度な技術力を持つ。

そのMicronが作るSSD「Crucial」シリーズは、そこそこ手頃な価格でありながら優れた読み書き速度と、高い信頼性を両立する万能系SSD。「MX500」はその最新シリーズにあたります。

Crucial MX 500 500GB / ベンチマーク結果(via

  • Read Seq
    562.7
  • Write Seq
    511.0
  • 4K Read
    46.7
  • 4K Write
    130.6

読み込み速度書き込み速度

読み込み速度は562.7 MB/s、書き込みは511.0 MB/sで両方とも500 MB/sオーバー。SATA SSDとしてほぼ限界の速度に達している。ランダムアクセス速度も、先程の「S55」より30~50%ほど高速。

  • SATA SSDとしてトップクラスの読み書き速度
  • そこそこ高い信頼性と耐久性
  • 格安ではないが、それなりに手頃な価格

特に欠点と言える欠点は無く、完成度の高いSSD。他人に「おすすめのSSDは?」と聞かれて、躊躇なく「こだわりがないなら、MX500で良いんじゃない。」と軽く言える程度にはオススメできるSSDだ。

ゲーミングPC、イラストやAdobeソフトを使う用のPC、PlayStation 4 / Proなど据え置き機のSSD換装など。幅広い用途に対応できる万能系SSDですね。

おすすめの容量は「500GB」。これだけあれば、SteamゲーのAAAタイトルを10本くらいはインストール出来るので個人的には十分かなと。

PS4などゲーム機・据え置き機の「SSD換装」用に使うつもりなら、余裕のある「1TB」がおすすめ。PS4のゲームはどれも容量がかなり大きいので、500GBくらいだとアッサリと限界になって後々面倒くさいです。

3. 圧倒的な高耐久性「Samsung 860 EVO」

容量NANDコントローラキャッシュTBW保証価格目安
500GBSamsung製 64層 3D TLC NANDSamsung MJXSamsung製DDR4 512MB300 TB5年15800円

筆者がもっとも愛用しているSSDメーカーは「サムスン」(Samsung)です。サムスンを好んでいる理由は、一般ユーザー向けのSSDとして世界初の「3D NAND」(Samsungは3D-V NANDと呼びますが)を採用した製品を投入したから。

最近はCrucialもCFDも、3D NANDを採用したSSDを出していますが当時は革新的な存在でした。従来の2次元NANDの限界は、面積あたりの容量です。多くのメーカーが「微細化」によって容量アップを果たしている中。

サムスンは3次元構造のNANDを作ることで、過度な微細化をせずに大容量化に無理なく成功してみせた。無理なく大容量 & 高性能化を果たしているので、耐久性という面からも信頼がしやすい(無理をしてないから)。

「860 EVO」は、その3D-VNANDを採用するシリーズの最新作です。自社製のSSDコントローラ「MJX」を採用し、キャッシュにはDDR4規格の512MBを搭載する。DDR3より更に高速なDDR4のキャッシュを使っているあたりが痺れます。

NANDフラッシュはサムスン製の64層 3D-TLC NAND。ほぼすべてのコンポーネントをサムスン自身で開発製造し、SSDとしてまとめ上げているのが特徴的です。

Samsung 860 EVO 500GB / ベンチマーク結果

  • Read Seq
    562.7
  • Write Seq
    531.9
  • 4K Read
    45.8
  • 4K Write
    121.3

読み込み速度書き込み速度

では、性能をチェックする。読み込み速度は562.7 MB/s、書き込み速度は531.9 MB/sを記録した。キャッシュの高速化のおかげで、MX500を更に上回る書き込み速度を発揮している。

ランダムアクセス速度は若干MX500に劣っているが、SATA SSDとして十分に高速。性能的にはほぼ互角と言える。では860 EVOの何が強いのか、それは書き込み上限の高さです。

書き込み上限(TBW)250GB版500GB版1TB版
860 EVO150 TBW300 TBW600 TBW
MX500100 TBW180 TBW360 TBW

MX500の500GB版が「180 TBW」に対して、860 EVOの500GB版は「300 TBW」と66%も書き込み上限が多い。意図せずSSDに大量の書き込み※を行っていても、860 EVOの「300 TBW」を使い切るのは余裕で10年は掛かる。

※特にGoogle Chromeのキャッシュ書き込みは強烈です。ぼくはChromeに大量のタブを表示させて、24時間稼働しているが1日に54~60GBは書き込んでいる。TBWの少ないSSDだと不安です。

  • SATA SSDとして最高レベルの速度
  • この価格帯のSSDで、最高の耐久性能
  • 格安ではないが、手頃な価格

読み書き速度は互角で書き込み上限がMX500より66%も多いのに、価格は5~8%の違いしかありません。「耐久性を重視したい」「少なくとも5年は使いたい」という想定でSSDを選ぶなら、860 EVOは非常におすすめ。

「高耐久性」を目的にするなら500GB版がおすすめ。250GB版は半分の「150 TBW」になってしまいます…それでも250GB SSDとしては非常に優れた耐久性能ですが。

4. コスパがスゴイNVMe「Samsung 970 EVO」

容量NANDコントローラキャッシュTBW保証価格目安
1TBSamsung製 64層 256Gb 3D TLC NANDSamsung PhoenixSamsung製DDR4 1GB600 TB5年53800円

2018年現在、主流のSSDは「SATA」規格です。SATAというインターフェイスは理論上の帯域幅が「600 MB/s」なので、読み書き速度の限界は560 MB/s前後になっている。

この限界を超えるために作られたのが、「NVM Express」(略:NVMe)。グラボなどを接続するために使われるPCI Expressを4本使ってSSDを接続することで、「3.94 GB/s」の帯域幅を確保できる。

この方法でNVMe SSDの読み書き速度は軽く3000 MB/sを超えてしまう。しかし課題もあって、とにかく容量あたりの単価がSATA SSDと比較してかなり高い。

もちろん安物もあるが、やはり価格相応というもので1000 MB/sを超える程度で終わるモノも珍しくない。そんな中、サムスンの「970 EVO」は価格の割には…凄まじい速度を実現しているSSDの一つ

Samsung 970 EVO 1TB / ベンチマーク結果(via

  • Read Seq
    3566.7
  • Write Seq
    2504.1
  • 4K Read
    51.3
  • 4K Write
    179.6

読み込み速度書き込み速度

性能は読み込み速度が3566 MB/sで、書き込みが2504 MB/sです。これはNVMe SSD全体の中でも、ほぼトップに位置する恐ろしい読み書き速度です。970 EVOの1TB版は54000円で、ハイエンドSSDの960 PROが約7万円。

値段的には960 PROの方がずっと高いが、性能は970 EVOが明確に勝っています。「NVMe SSDを買いたいけど、なるべく安価に最高性能を得たい。」という欲張りなユーザーに970 EVOは最適なSSDと言える。

なお、最後に一つ言っておかなければならないことがあります。970 EVOの速度は、一般人が買える価格のSSDとしてトップクラスの性能です。これは事実ですが、あまり体感できないんですよ。

HDDからSSDの違いは誰でも体感できますが、SATA SSDからNVMe SSDの違いは非常に体感しづらい。ゲームのロード時間は1~2秒くらいの効果が関の山で、Windowsの起動も目立って速くなるわけではない。

どちらかと言えば、ゲーム実況者や動画編集をしているクリエイター向けのSSDです。編集を終えた動画を別のSSDに移動させたり(転送速度はちゃんと数値通りの速度が出る)など、大容量のファイルを日常的に動かす使い方なら効果が大きい。

  • NVMe SSDとして、トップクラスの速度
  • 860 EVOと同等の優れた耐久性能
  • 最強クラスの性能を持つのに、価格はハイエンドSSDよりずっと安い
  • 発熱はそれなりなので、NVMe SSD用のヒートシンクはあったほうが良い
  • ごく普通の使い方では、SATA SSDとの違いを体感するのは難しい

もちろん「3000 MB/s超えのSSDを組み込みたいだけなんだよ!」という、ロマン欲求を満たすつもりなら全く止めはしない。ぼくも普通にそういうロマン欲求はあるし、予算に余裕があるなら970 EVO使いたいと思ってますし(オイ。

1TB版の耐久性能は「600 TBW」。使い切るのはほぼ不可能かも。5年保証の間にTBWを使い切ろうとすると、1日あたり329GB書き込まないと壊れないが、普通の使い方ではせいぜい50GBが限界なので…。

5. 本業のクリエイター向けSSD「Intel Optane 900P」

容量NANDコントローラキャッシュTBW保証価格目安
480GBIntel 3D-XpointIntel製なし8970 TB5年78200円

IntelとMicronが共同開発した次世代のフラッシュメモリと呼ばれている「3D-Xpoint」を用いて作られた、初の一般向けSSDです。従来はもっぱらデータセンター向けに出荷されていた、エンタープライズ仕様のSSD。

既存のSSDと何が違うのかをアッサリとまとめると以下の通り。

  • 次元の違うランダムアクセス速度、特に読み込み速度がスゴイ
  • 理論上、寿命がないと言っても良いほどの「無尽蔵の書き込み上限」
  • DRAMキャッシュを必要としない

こんなところです。

耐久性能は既存のSSDだと1200 TBくらいが今の限界ですが、Optane 900pは280GB版が「5.11 PB」(5232 TB)、480GB版が「8.76 PB」(8970 TB)です。一個人が存命中に使い切るのは…ちょっと無理そう。

Intel Optane 900P 480GB / ベンチマーク結果(via

  • Read Seq
    2715.0
  • Write Seq
    2271.0
  • 4K Read
    339.5
  • 4K Write
    314.8

読み込み速度書き込み速度

次に読み書き速度。シーケンシャル速度は970 EVOなど既存のNVMe SSDに劣るものの、ランダムアクセス速度では既存のすべてのNVMe SSDを完全に圧倒します。

4K以上の動画編集、3DCGの製作、レンダリング、数千万~億画素レベルの写真現像など。ストレージと大小様々なデータを継続的にやり取りするような使い方において、Optane 900pのランダムアクセス速度が活躍する。

逆に言えば、そのような本業レベルのハードな使い方をしない限り、Optane 900pの性能を完全に持て余すことになる。現状は容量単価が恐ろしく高額なこともあり、プロのクリエイター向けのSSDということに。

  • ランダムアクセス速度は「最速」(2018/5時点)
  • 次元の違う耐久性能
  • 拡張カード型なので、拡張性とスペースが必要
  • 容量単価はSSDの中でもぶっちぎりに高い
  • ほとんどのユーザーにとって必要性が低い

ロマン欲求を満たすために…と言っても、さすがにOptane 900pは価格が高すぎる。

5つのSSDをまとめて比較する

ここまで、おすすめなSSDを5個。詳しく解説してきました。一旦ここで全てのSSDを、容量あたり単価 / 性能あたり単価 / 耐久あたり単価の3つの観点からまとめて比較してみようと思う。

容量単価:1GBあたりのコスト

容量あたり単価の比較 / 250GBモデル

  • Silicon Power S55
    31.2
  • Crucial MX500
    35.4
  • Samsung 860 EVO
    35.5
  • Samsung 970 EVO
    63.2
  • Intel Optane 900p
    167.1

240~280GBモデルの容量単価です。もっとも安価なのはSilicon Power S55になっている。MX500と860 EVOは意外と拮抗しており、耐久性能のことを考えると総合的にコスパで勝るのは860 EVOになりますね。

容量あたり単価の比較 / 500GBモデル

  • Silicon Power S55
    26.8
  • Crucial MX500
    28.6
  • Samsung 860 EVO
    31.7
  • Samsung 970 EVO
    55.6
  • Intel Optane 900p
    162.9

480~512GBモデルの容量単価。依然として安価なのはSilicon Power S55ですが、MX500もほぼ同じコストパフォーマンスを実現している。500GB前後のSSDをコスパで選ぶならCrucial MX500で良さそうですね。

容量あたり単価の比較 / 1TBモデル

  • Silicon Power S55
    30.0
  • Crucial MX500
    31.0
  • Samsung 860 EVO
    32.8
  • Samsung 970 EVO
    53.8
  • Intel Optane 900p

960~1024GBモデルの容量単価。3つのSATA SSDは完全にコスパが拮抗。さすがにこれだけ大容量になると、格安SSDを選ぶのはやや躊躇するところ。信頼性が高いMX500や860 EVOと比較して目立って安いわけでもない。

よって1TB前後のSSDを選ぶ場合、コスパ重視ならMX500で、耐久性能も重視するなら860 EVOになる。MX500と860 EVOの価格差はわずか5.8%だが、TBWは860 EVOの方が66%高い。トータルで見ると860 EVOが有利と言えそう。

性能単価:1MB/sあたりのコスト

500GB前後のモデルで1MB/sあたりのコストを計算しています。

性能あたり単価の比較 / シーケンシャル速度

  • Silicon Power S55
    25.1
  • Silicon Power S55
    27.8
  • Crucial MX500
    25.4
  • Crucial MX500
    28.0
  • Samsung 860 EVO
    28.1
  • Samsung 860 EVO
    29.8
  • Samsung 970 EVO
    15.1
  • Samsung 970 EVO
    21.5
  • Intel Optane 900p
    28.8
  • Intel Optane 900p
    34.4

読み込み速度書き込み速度

シーケンシャル速度は、860 EVOがSATA SSDの中でもっとも割高に。そしてSilicon Power S55とMX500の間に、ほとんど価格差が無い。Crucial MX500は本当に手頃なSSDです。

970 EVOは高価なSSDですが、1MB/sあたりの単価は最も安い。

性能あたり単価の比較 / ランダムアクセス速度

  • Silicon Power S55
    415.6
  • Silicon Power S55
    115.7
  • Crucial MX500
    306.2
  • Crucial MX500
    109.5
  • Samsung 860 EVO
    345.7
  • Samsung 860 EVO
    130.5
  • Samsung 970 EVO
    1048.7
  • Samsung 970 EVO
    299.6
  • Intel Optane 900p
    230.3
  • Intel Optane 900p
    248.4

読み込み速度書き込み速度

ランダムアクセス速度のコスパはこの通りで、読み込み速度だけOptane 900pが最安価に。970 EVOはとても割高で、価格の割にランダムアクセス速度はあまり変わっていないことを示している。

SATA SSDはだいたい同じですね。まぁ…SATA SSDはどれもランダムアクセス速度に大きな差は無いので、SSDを選ぶための指針にはなりづらい。

耐久単価:1TBWあたりのコスト

1TBWあたりの単価比較 / 500GBモデル

  • Silicon Power S55
  • Crucial MX500
    79.4
  • Samsung 860 EVO
    52.8
  • Samsung 970 EVO
    92.7
  • Intel Optane 900p
    8.7

耐久性能という面から見たコスパは、やはり860 EVOがもっとも優秀。安価に高耐久なSSDを手に入れたいなら、860 EVOほど適任なSSDは無い。

1TBWあたりの単価比較 / 1TBモデル

  • Silicon Power S55
  • Crucial MX500
    86.1
  • Samsung 860 EVO
    54.7
  • Samsung 970 EVO
    89.7
  • Intel Optane 900p

1TB前後のモデルでも、結果は大体同じ。やはり860 EVOが優秀です。

まとめ:結局どのSSDがベストなの?

ここまで、SSDの基本からオススメのSSDまで、詳しく解説できた。何十もあるSSDの中から、5個に厳選したので選ぶのは簡単になったはずだ。

初心者もち
いや…その実は、ベストSSDを教えてほしいな…と。5個でも迷うんです。

そうですね~。とりあえず厳選した5個の内、プロ向けのOptane 900Pと、ロマン砲の970 EVOは選択肢から外せると思います。ということは、残る3つのSATA SSDから1つ決めろということになる。

Silicon Power S55は安いですが、容量単価がそれほど安くないことや、耐久性能が非公開な点から「本命」とはいえない。S55も選択肢から外せそうだ。これで残るところ2つだけ。

残った2つの「MX500」と「860 EVO」は、性能面でほとんど差がなく、価格は若干MX500の方が安いですが大幅に安いわけではない。そして耐久性能は860 EVOの方が価格差の5倍以上も優れている。

現時点のベストSSDは「860 EVO」

  • 同価格帯のSATA SSDと比較して60~100%多い「TBW」(耐久性)
  • SATA SSDとしてほぼ最高クラスの読み書き速度
  • NANDフラッシュ、キャッシュ、コントローラ、全て一貫して自社製
  • 5年保証

さらに言えば、筆者が自作してきたPCでは「750 EVO」「850 EVO」「960 EVO」「960 PRO」「860 EVO」を採用したことがあり、どれも安定稼働中。サムスンのSSDは信頼に足る製品です。

というわけで、「どれがベストSSDなの?」と聞かれれば、「Samsung 860 EVO」と答えておく。以上「【最新版】オススメなSSD「5選」:自作歴21台が解説する」でした。

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9 件のコメント

  • CドライブにOSのみを入れるようにしてD以降にアプリやゲームを入れてOSクリーンインストールに備えようという運用を考えているのですが
    この場合どのSSDがおすすめでしょうか?容量は125GB台のものを想定しています

  • PlextorのM9Pe(Y)の比較検証して欲しいです。
    いつも通りの検証とM9Pe(Y)は拡張スロットを使うタイプなのでそれ以外との温度の変わり方を検証して欲しいです。

  • SSDに関しては東芝のものを使用したものはもう選択肢にも入らずサムスンかインテルの2択なのでしょうか。実際どのくらい技術力に差があるのかという点に関心があります。

    • 技術力の差がどれくらいあるのかは分かりにくいですが、今のところは競合3社(Intel / Micron / Samsung)に対して十分に優位とは言え無さそう。
      2018年には東芝がQLC NANDの製造に入る予定だったんですが、現状は米Micronが最初にQLC NANDのSSDを供給しそう…という噂情報も多く、新技術で市場をリードする場面が減っている印象が強いです。
      サムスンは世界で最初に「一般向け3D NAND SSD」を供給したし、インテルやマイクロンは世界で最初に「3D X-Point」を開発し、インテルは一般向けに3D X-PointのSSDを供給しています。

      ちなみにNANDの市場シェアはSandiskと僅差で2位。自社ブランドではなくOEM品にNANDを多く出荷しているので、シェア自体は依然として大きいですね(シェア1位はサムスン)。
      (市場シェアのリソース:https://www.statista.com/statistics/275886/market-share-held-by-leading-nand-flash-memory-manufacturers-worldwide/)

      • 丁寧にご返信頂きましてありがとうございます。
        なるほど、東芝のものも一定のシェアはあるみたいですね。東芝のホームページを見ても関連の取り引き業者を介す必要があるようで、個人で国内で正規品を手に入れるのは難しいなと感じていたので実際のところどのような状況か気になって質問させて頂きました。
        やはり記載の通りサムスンかインテルで検討してみようと思います。
        optaneも気にはなりますね、、今後の動向に期待したいところですね。

        とても参考になりました!ありがとうございます。

  • 初めまして、最近自作を検討し始めて情報収集をしています。
    ここの記事は解説にきちんと根拠があり、いつもとても参考にさせてもらっています。
    現在SSDを物色しているのですが、配線をなくしたいというほぼその理由だけでm.2のSDDを採用するのはありだと思いますか?SATAでもいいのですが、例えばWDのBlack(旧モデル)なんかは価格がほぼ拮抗しているのでどうせなら性能がいい方がよいのかななどと悩んでいます。アドバイスいただければ幸いです。

    • < 配線をなくしたいというほぼその理由だけでm.2のSDDを採用するのはありだと思いますか?

      アリだと思います。ただ、配線を省きたいだけなら、あえてPCIe接続のM.2 SSDを選ぶ必要は無いかと。WD BlackはPCIe接続なので、SATA SSDよりベンチマーク上のスピードは速いです。

      しかしランダムアクセス速度(4K Size / Q=1 / T=1)は目立って速いわけではないため、性能差を体感するのは難しいかと。その上「発熱しやすい」というデメリットを抱えているので、個人的には選ばないSSDですね。

      配線を省くという目的でM.2 SSDを選ぶなら、Crucial MX500のM.2版である「MX500 CT500MX500SSD4/JP」で問題ないと思います。容量単価はWD Blackより安く、耐久性能は12%高いです。

      SSD MX500 M.2版 WD Black
      NAND Micron製(自社) Sandisk製
      コントローラ Silicon Motion製 Marvell製
      接続 SATA PCIe 3.0 x4
      ファクタ M.2 2280 M.2 2280
      耐久性能
      500GB版 180 TBW 160 TBW
      250GB版 80 TBW 100 TBW
      読み書き速度
      Read Seq 550 MB/s前後 1900 MB/s前後
      Write Seq 470 MB/s前後 840 MB/s前後
      4K Read 45 MB/s前後 48 MB/s前後
      4K Write 120 MB/s前後 150 MB/s前後

      仕様と性能をざっくりとまとめておきました。

      • 返信ありがとうございます!
        つい先日、こちらのm.2版が発売されたのを知り注目していたのですが、こうして表で比較すると思った以上にSATAでも問題なさそうに見えますね。
        TBWが上なのは見落としていました…
        僕の目的(ネット閲覧、軽めのゲーム、プログラミングなど)からしてベンチマークを追い求める必要はないですし(ロマンではありますが)、これに決めようと思います。
        背中を押していただきありがとうございました!

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