Samsungの最新NVMe SSD「970 EVO」と「970 PRO」のスペック解説

サムスンが5月に一般向けのNVMe SSDの最新シリーズをリリースするらしい。登場するのは廉価モデルの「970 EVO」と、ハイエンドモデルの「970 PRO」の2種。公式発表されているスペックシートをまとめ、仕様について簡単に解説してみる。

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「970 EVO」の仕様 / 全4モデル

Samsung 970 EVO – スペック表
容量250 GB500 GB1 TB2 TB
規格PCIe 3.0 x4 NVMe 1.3
フォームファクタM.2 2280 片面実装
コントローラSamsung Phoenix
NANDSamsung 64層 256Gb 3D TLCSamsung 64層 512Gb 3D TLC
キャッシュ512 MB LPDDR41 GB LPDDR42 GB LPDDR4
SLCキャッシュ占有4 GB6 GB
最大9 GB18 GB36 GB72 GB
読み込み(Seq)3400 MB/s3500 MB/s
書き込み(Seq)SLC1500 MB/s2300 MB/s2500 MB/s
書き込み(Seq)TLC300 MB/s600 MB/s1200 MB/s1250 MB/s
4KB ランダム読み込みQD=115000 IOPS
QD=128200000 IOPS370000 IOPS500000 IOPS
4KB ランダム書き込みQD=150000 IOPS
QD=128350000 IOPS450000 IOPS480000 IOPS
消費電力読み込み5.4 W5.7 W6 W
書き込み4.2 W5.8 W6 W
TBW(書き込み上限)150 TB300 TB600 TB1200 TB
保証5年
MSRP単価$ 119.99$ 229.99$ 449.99$ 849.99
GBあたり単価$ 0.48$ 0.46$ 0.45$ 0.42

SSDコントローラが「Samsung Phoenix」に切り替えられるのが、一つ目の大きな違いだ。このコントローラはサムスンのNVMe SSDに数多く採用されている。たとえば960 PROより4KBランダム性能が高いPM981にも、Phoenixが使われている。

次にNANDフラッシュ。従来の960 EVOは48層の3D NANDだったのが、970 EVOからは更に積載化されて64層にまで進化した。この結果、M.2 2280という小さな筐体の片面だけで最大2TBもの容量を実現するに至っています※。

※ 960 EVOは最大1TBだったが、970 EVOから2TB版がついに登場。

シーケンシャルリードは更に10%ほど向上し、書き込みの方も専用のSLCキャッシュを用いることで最大32%も伸ばしている。とはいえキャッシュを超えた場合の書き込み速度は最大1250 MB/sに留まっており、キャッシュを使わない場合の性能はそこまで伸びていない様子。

そしてNANDフラッシュの書き込み耐性(TBW)は全体的に50%の向上。960 EVO 1TBは400TBだった耐性が、970 EVO 1TBでは600TBに伸びている。保証期間も3年から5年へ延長されており、耐久性は更に上の次元へ。

最後に嬉しいのがMSRP(希望小売価格)。概ね10%程度の値下げが予定されているので、性能的に見ても容量単価的に見てもコストパフォーマンスは明らかに良い。

NVMe SSDはここ最近インテルの「SSD 760p」がかなりの人気を博しているが、970 EVOはその対抗馬としてちょうど良いラインに来るかも。

「970 PRO」の仕様 / 全2モデル

Samsung 970 PRO – スペック表
容量512 GB1 TB
規格PCIe 3.0 x4 NVMe 1.3
フォームファクタM.2 2280 片面実装
コントローラSamsung Phoenix
NANDSamsung 64層 3D MLC V-NAND
キャッシュ512 MB LPDDR41 GB LPDDR4
読み込み(Seq)3500 MB/s
書き込み(Seq)2300 MB/s2700 MB/s
4KB ランダム読み込みQD=115000 IOPS
QD=128370000 IOPS500000 IOPS
4KB ランダム書き込みQD=155000 IOPS
QD=128500000 IOPS
消費電力読み込み5.2 W
書き込み5.2 W5.7 W
TBW(書き込み上限)600 TB1200 TB
保証5年
MSRP単価$ 329.99$ 629.99
GBあたり単価$ 0.64$ 0.62

970 EVOと比較すると大きな差は少ないけれど、PROと銘打っている通りちゃんと優位性が実装されている。まず、970 EVOはSLCキャッシュを使うことで書き込み速度をドーピングしているのに対して、970 PROはキャッシュに依存していないこと。

キャッシュに頼ると一定のサイズを超えて大きなファイルを転送しようとすると一気に性能が落ちるが、970 PROの場合は一貫して圧倒的な書き込み速度を維持し続けるのが最大の優位性と言えます。

あとは10%ほど向上した4KBランダム書き込み速度。キューの深さが「1」でも5万IOPSから5.5万IOPSに速度を向上させており、キューの深さが「128」の場合は45万から50万IOPSに伸びている。

なお、耐久性は960 PROから50%向上。ここは970 EVOと同格ですね。価格も64層 V-NANDの量産化に成功したおかげで、8%くらい値下がりした。後継品として順当なスペックかな…という感じです。

960 EVO / PRO と 970 EVO / PROの違いまとめ

  • SSDコントローラが「Polaris」から「Phoenix」に変わった
  • 48層NANDから64層NANDになり、やや低価格化
  • 読み書き速度ともに若干の上昇
  • 書き込み耐性(TBW)は50%の増加
  • 3年保証が5年保証に(PROは元から5年保証)

というわけで特に改悪した部分はなく、完全に進化してます。価格も安くなっているので、970 EVOは定番NVMe SSDになるかもしれません。

970 EVOの性能は競合に対して圧倒的

なお、サンプルを先行入手したANANDTECHが行ったテストでは、メインストリーム帯で存在感を見せつけているSSD 760pに対して圧倒的に速いことが判明している。

4KBランダムアクセス速度(読み書き)の平均パフォーマンス

  • 970 EVO 1TB
    403.7
  • 960 PRO 1TB
    387.0
  • 970 EVO 500GB
    358.1
  • 960 EVO 1TB
    273.6
  • SSD 760p 512GB
    262.3

シーケンシャル速度(読み書き)の平均パフォーマンス

  • 970 EVO 1TB
    1516.1
  • 960 PRO 1TB
    804.7
  • 970 EVO 500GB
    1097.9
  • 960 EVO 1TB
    715.0
  • SSD 760p 512GB
    504.8

シーケンシャル速度は当然のこと、ランダムアクセス速度もかなり改善していることが分かる。1TB版は先代のハイエンドSSD「960 PRO」をも上回っているので、ハイエンドを選ぶメリットが消え去った感がなくはない。

NVMe SSDのメインストリームでは「970 EVO」がしばらく覇者になりそうな予感です。

今のところ価格は2000円差

Amazonで970 EVOの予約が始まっていて、500GB版の初値は約28000円ほど。一方の760pの512GB版は約26000円なので、コスパは760pが今のところは良い。

ただし、MSRP通りに下がれば23800円くらいが妥当なところなので、そこまで値下がるとNVMe SSDの中では極めて脅威的な存在になるのは間違いない。

以上「Samsungの最新NVMe SSD「970 EVO」と「970 PRO」のスペック解説」でした。

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