【レビュー】「Core i3 8350K」は宿敵Ryzen 3を駆逐できるか?

「Core i3 8350K」はインテルの第8世代「Coffee Lake」のメインストリーム向け下位モデルです。Core i3は2010年に登場して以来、一貫して2コアCPUだったのが今回から倍増して4コア搭載に大変身。

4コア化したCore i3は処理性能はどれほどの進化を遂げたのか。各種ベンチマークを相対的に見ながら確認してみよう。

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「Core i3 8350K」の仕様を確認

世代CoffeeLakeKabyLake
CPUCore i3 8350Ki3 8100i5 7350Ki3 7100
プロセス14nm++14nm++14nm+14nm+
コア数4422
スレッド数4444
ベースクロック4.0 Ghz3.6 Ghz4.2 Ghz3.9 Ghz
ブーストクロック
L2 Cache1.0 MB1.0 MB0.5 MB0.5 MB
L3 Cache8 MB6 MB4 MB4 MB
対応メモリーx2 DDR4-2666x2 DDR4-2666x2 DDR4-2400x2 DDR4-2400
PCIeレーン数16161616
内蔵GPUIntel UHD Graphics 630Intel HD Graphics 630
GPUクロック1150 Mhz1100 Mhz1150 Mhz1100 Mhz
TDP91W65W60W51W
CPUソケットLGA 1151LGA 1151LGA 1151LGA 1151
MSRP$168$117$168$117

基本的な仕様(カタログスペック)はほぼ先代のKaby Lakeと大差無いが、変わった部分もやはりあるので解説しておきます。

まず最も大きな変化が搭載コア数が「2 → 4」へと倍増したこと。この一点だけで今までのCore i3とは別格の性能を示す可能性が高い。ただ、代わりにハイパースレッディング技術は外されてしまっている。

以前のCore i3は「2コア / 4スレッド」という感じでコア数の2倍のスレッド数を備えていたが、Coffee Lake世代のCore i3は1倍のスレッド数しか備えない。理由はおそらくCore i7と似すぎるから…だと思ってます。

インテルとしてはあくまでもCore i3はメインストリーム向けの下位モデルであり、従来の「4コア / 8スレッド」を備えていたCore i7と並ぶ仕様はちょっと抵抗があったんでしょうね。

Coffee LGA 1151Kaby LGA 1151

もう一つ重大な変更点がCPUソケットです。LGA 1151から変更されていないように見えるが、実際にはピンの配列が若干変更されているため以前のLGA 1151とは全く互換性がありません。

正直に言うと、インテルはソケットの名称を「LGA 1151 v2」とか「LGA 1152」などと言った具合に変更するべきなのに、なぜか全く同じ名称を使っていてユーザーに混乱をもたらす可能性が高い。

それに伴いチップセットも従来の「Intel 200」シリーズと完全に互換性を失い、Coffee Lakeからは「Intel 300」(=Z370)シリーズが採用されたマザーボードを使う必要がある。

互換性を失ったLGA 1151

理由は単純。コア数が50~100%も増えたため、今までのLGA 1151では電源供給が追いつかない。だから予備においていたピンを、電源供給用に設計し直すなど、電源供給を安定させるための仕様変更が行われた。

これが原因で、従来のLGA 1151との互換性を喪失することになったということ。

仕様のまとめ

  • コア数が倍増し、4コアになった(7年続いた2コア制の終了)
  • ハイパースレッディングは無効化された
  • CPUソケットは従来のLGA 1151と全く互換性はない
  • 対応チップセットも「Intel 300」へと変更された

以上の3つが、大きな仕様の変更点です。他にも色々と小さい変更点はあるが、あえて解説するほどでもないので以下に簡単にまとめ。

その他の仕様変更

  • プロセスサイズは「14nm++」へ更に微細化、実質12nm相当
  • 内蔵グラフィックスは「HD 630」から「UHD 630」へちょっとだけ進化
  • キャッシュは56%増加
  • ベースクロック周波数は200~300Mhz低下
  • コア数の増加に伴い、TDPも20~50%増加

コア倍増で正統進化した「Core i3 8350K」の処理性能

テスト環境
CPUCore i3 8350K / i3 8100
GPUASUS GTX 1080 Ti Strix OC
M/BGIGABYTE Aorus Z370 Ultra Gaming
メモリDDR4-2666 16GB
ストレージCrucial BX100 1TB
電源750W 80+ GOLD
OSWindows 10 Pro 64bit

4コア化したCore i3 8350K(ついでにCore i3 8100も)の処理性能は上記のテスト環境にて検証された。参照したデータベースは独Computer Baseより。

マザーボードにはオーバークロック可能な「Z370」チップセット搭載の製品が使われ、グラフィックボードは「GTX 1080 Ti」なので後ほどCPUのゲーミング性能も見ていける。

なお、比較対象には「Core i3 8100」はもちろん、Core i3の立場を大きく脅かそうとした「Ryzen 3」系、そして今までの4コアCPUの座を保持していた「Core i5」や「Core i7」も比較対象にする。

PCMark 8

PCMark 8 – Work Test Score

  • i7 7700
    3853
  • i5 7600K
    3714
  • i3 8350K
    3683
  • i3 8100
    3491
  • i3 7350
    3728
  • i3 7100
    3620
  • Ryzen 3 1300X
    3412
  • Ryzen 3 1200
    3215

PCMark 8の「Work」テストは一般的な使い方を行った場合の処理性能をスコア化する。内容はWeb閲覧を2パターンと、文書作成ソフトの処理速度を使うというもの。

結果は見ての通り、意外と先代の「Core i3 7350K」などに押されてしまう展開。原因としては200~300Mhzほど低下したベースクロック周波数にあるだろう。

このテストはコア数の多さよりもクロック周波数の高さの方が影響が大きいため、コア数が倍増してもクロックが下がると思うようなスコアが出ないのである。

Cinebench R15

Cinebench R15は国際的に有名なベンチマークソフト。CPUにレンダリングを実行させ、その処理速度をスコア化することで、直感的にCPUの性能を理解しやすく出来る。

Cinebench R15 – シングルスレッド性能

  • i7 7700
    175
  • i5 7600K
    180
  • i3 8350K
    175
  • i3 8100
    155
  • i3 7350
    179
  • i3 7100
    167
  • Ryzen 3 1300X
    147
  • Ryzen 3 1200
    134

まずはゲーミング性能に大きな影響を与える「シングルスレッド性能」(1コアあたりの性能)から見てみる。うーん…Kaby Lake世代と比較すると若干低下していますね。

幸い、2%程度しか違わないので実際のゲーミング性能は倍増したコア数で十分に補えると思います(後ほど確認する)。

Cinebench R15 – マルチスレッド性能

  • i7 7700
    877
  • i5 7600K
    666
  • i3 8350K
    673
  • i3 8100
    598
  • i3 7350
    462
  • i3 7100
    426
  • Ryzen 3 1300X
    547
  • Ryzen 3 1200
    474

次は全てのコアを使用して「マルチスレッド性能」をスコア化。Cinebench R15の場合、スレッド数が多いほどこのテストは有利になる。だから4コア化したCore i3 8350K / 8100は猛威を奮っていますね。

特に驚異的なのは、Ryzen 3をしっかりと引き離していること。同じ4コアでもシングル性能が低いとこれだけ差が出てしまうんですよね。これはHandBrakeなどのエンコード速度にも多大な影響を与えてしまう。

それにしても…見違えたな。Core i3とは思えない凄まじいスコア。特にCore i3 8350KはCore i5 7600Kよりも高いパフォーマンスを発揮しており、8350Kには従来のCore i5並の処理性能を期待できる。

滅茶苦茶コスパが良いと言っても問題ないレベル。

POV-ray

POV-ray

  • i7 7700
    1899
  • i5 7600K
    1659
  • i3 8350K
    1669
  • i3 8100
    1497
  • i3 7350
    1004
  • i3 7100
    907
  • Ryzen 3 1300X
    1319
  • Ryzen 3 1200
    1131

POV-rayも同じくCPUレンダリングを行うベンチマークソフト。このテストも1コアあたりの性能が効きやすいため、同じ4コア同士の戦いでCore i3 8350K / 8100はしっかりと高いパフォーマンスを出し切っていますね。

Ryzen 3もしっかり抑えきっているし、先代のCore i3と比較すると60%も性能が伸びている。今までのインテル製品は少しずつ進化する…という印象が強かったが、今回の4コア化で一気に良い感じになった。

HandBrake

HandBrakeは無料の動画エンコードソフトウェア。x264 / x265両方のエンコード速度を検証可能。なお、このソフトは意外とシングルスレッド性能に影響を受けやすいので、Core i3 8350Kはかなり得意な分野かも。

HandBrake – H265(4K)をH264(FHD)にエンコード

  • i7 7700
    205
  • i5 7600K
    229
  • i3 8350K
    225
  • i3 8100
    239
  • i3 7350
    355
  • i3 7100
    420
  • Ryzen 3 1300X
    306
  • Ryzen 3 1200
    337

まずはx264エンコードの処理速度から。最速はやはり8スレッドもあるi7 7700だが…。Core i3 8350Kは2分25秒で、Core i5 7600Kは2分29秒と互角の結果。なかなか驚異的だな…Core i3がCore i5に追いつくとは。

クロック周波数が400Mhz低いCore i3 8100も意外と頑張って2分39秒。Ryzen 3や従来のCore i3では全く歯が立ちません。

HandBrake – H265(4K)をH265(FHD)にエンコード

    • i7 7700
      233
    • i5 7600K
      324
    • i3 8350K
      330
    • i3 8100
      341
    • i3 7350
      526
    • i3 7100
      600
    • Ryzen 3 1300X
      430
    • Ryzen 3 1200
      453

次は処理が若干複雑になるx265エンコードの速度を。全体的に遅くなりますが、基本的な傾向は全く変わりません。依然としてCore i3 8350Kは従来のCore i5と互角かそれ以上の処理性能を発揮している。

同様にRyzen 3や今までのCore i3も相手になりませんね。素直に凄い。

x265 HD Benchmark

x265ベンチマークはHWBOT製のソフトが有名ですが、今回のテストでは違うベンチマークが使われている。傾向としてはHWBOTよりも若干重たいだけなので、十分参考になる。

x265 HD Benchmark

      • i7 7700
        18.90
      • i5 7600K
        15.89
      • i3 8350K
        15.91
      • i3 8100
        14.36
      • i3 7350
        10.15
      • i3 7100
        9.40
      • Ryzen 3 1300X
        12.55
      • Ryzen 3 1200
        10.90

Core i3 8350Kは「15.91fps」で、Core i5 7600Kは「15.89fps」というほぼ互角の結果でした。Core i5並のパフォーマンスを出せるCore i3。個人的には結構ツボる。

7-Zip Benchmark

7-Zip Benchmark

      • i7 7700
        25087.00
      • i5 7600K
        17994.00
      • i3 8350K
        18151.00
      • i3 8100
        16034.00
      • i3 7350
        13327.00
      • i3 7100
        12434.00
      • Ryzen 3 1300X
        14482.00
      • Ryzen 3 1200
        13043.00

解凍ソフト「7-Zip」に付属しているベンチマークで計測された、圧縮と解凍を平均化したスコア(単位はMIPS)。やはりCore i3 8350Kは従来のCore i5に並ぶ処理性能を発揮しています。

もし、今回のCore i3にハイパースレッディングが実装されていれば…Core i7すらも危うい状況になったかもしれない。

WinRAR

WinRAR – 圧縮

      • i7 7700
        204
      • i5 7600K
        257
      • i3 8350K
        257
      • i3 8100
        322
      • i3 7350
        342
      • i3 7100
        352
      • Ryzen 3 1300X
        423
      • Ryzen 3 1200
        450

WinRARを使ってファイルを圧縮するのにかかった時間。圧縮という分野はRyzenが苦手としているため、余計にRyzen 3とCore i3 8350K / 8100との差が開いてしまいますね。

同じ4コアでもCore i5 7600Kと8350Kは2分57秒で互角。従来のCore i3は3分後半はかかっており、Ryzen 3は4分以上の時間を要した。価格を考えれば非常に優秀といえます。

Mozilla Kraken 1.1

Mozilla Kraken 1.1

      • i7 7700
        823.2
      • i5 7600K
        827.3
      • i3 8350K
        867.3
      • i3 8100
        964.4
      • i3 7350
        843.5
      • i3 7100
        916.1
      • Ryzen 3 1300X
        980.2
      • Ryzen 3 1200
        1108.5

Javascriptの実行速度を計測し、ウェブ閲覧の快適さをスコア化するベンチマーク。基本的に1000ms(1秒)を割り込めば、実用上は十分な速度です。

結果は…ややCore i3 7350Kの方が優秀。シングルスレッド性能が低い(=クロック周波数)のが影響しているんでしょうね。それでも1000msを割り込んで、867msも出ているので体感上のレスポンスは十分に高速。

Adobe Photoshop CC

Adobe Photoshop CC – RAW画像34枚の読み込み速度

      • i7 7700
        110
      • i5 7600K
        111
      • i3 8350K
        114
      • i3 8100
        124
      • i3 7350
        128
      • i3 7100
        133
      • Ryzen 3 1300X
        136
      • Ryzen 3 1200
        146

Photoshopは意外と複数のコアを使えないソフト(効率が最大になるのは4コア)。なので、4コアという条件さえ揃えば、あとはクロック周波数が勝負になります。だから結果もだいたいそのとおりですね。

Core i3 7350Kは1分28秒でCore i3 8350Kは1分14秒と、クロック周波数では追い込まれたが倍増したコア数で追いやった感。Ryzen 3はシングルスレッド性能が低いのでCore i3に敵いません。

まとめ:CPUとしての性能は従来のCore i5と互角

ここまで様々なベンチマークデータを見てきた。結論はシンプルで、やはりコア数が4個になった効果は非常に大きいということです。

4コア化したCore i3は、従来のCore i3よりもKabyLakeに対して60%は高速で、それより前のCore i3を相手にすれば更に高速だ。KabyLakeのCore i5とも、ほぼ互角の処理性能。

Core i3 8350K / 8100の登場によって、今までのCore i5(例えばi5 7600Kやi5 4590Kなど)を買うメリットはほとんど喪失してしまった…。1万円台で買えるCore i5 = Core i3 8350Kということだ。

「Core i3 8350K」はCore i5と互角のゲーミング性能

CPUの処理性能を確認したら、次はグラフィックボードとの相性…つまりボトルネックを確認しなければならない。

なお、基本的にシングルスレッド性能(クロック周波数)が高く、コア数があまり多すぎないCPUが「ゲーミングCPU」として適性が高い。多分、Core i3 8350Kも値段を考慮すると驚異的なゲーミング性能を出せるはずだが。

Battlefield 1

Battlefield 1 – フルHD(1920×1080) – GTX 1080 Ti 11GB

  • i7 7700K
    87.4
  • i5 7600K
    56.4
  • i3 8350K
    57.5
  • i3 8100
    54.9
  • i3 7350
    53.0
  • i3 7100
    49.5
  • Ryzen 3 1300X
    57.8
  • Ryzen 3 1200
    53.8

7700Kが強すぎるのはさておき。i3 8350KはちゃんとCore i5に匹敵するゲーミング性能を発揮できている。とはいえ、まだまだGTX 1080 Tiに釣り合うCPUではありませんね。HTTが搭載されたらどうなっていたんだろう…。

Dawn of Wars 3

Dawn of Wars 3 – フルHD(1920×1080) – GTX 1080 Ti 11GB

  • i7 7700K
    91.1
  • i5 7600K
    77.1
  • i3 8350K
    77.1
  • i3 8100
    71.3
  • i3 7350
    63.6
  • i3 7100
    58.0
  • Ryzen 3 1300X
    59.7
  • Ryzen 3 1200
    54.2

Core i5 7600Kと互角の性能。

F1 2016

F1 2016 – フルHD(1920×1080) – GTX 1080 Ti 11GB

  • i7 7700K
    85.4
  • i5 7600K
    80.4
  • i3 8350K
    82.2
  • i3 8100
    74.6
  • i3 7350
    65.0
  • i3 7100
    59.8
  • Ryzen 3 1300X
    60.2
  • Ryzen 3 1200
    55.7

同様にCore i5 7600Kと互角。というより若干上回っている。ロックモデルのi3 8100も意外と悪くない感じ(OC出来ないから伸びしろはありませんが)。

Ghost Recon: Wildlands

Ghost Recon: Wildlands – フルHD(1920×1080) – GTX 1080 Ti 11GB

  • i7 7700K
    98.2
  • i5 7600K
    99.1
  • i3 8350K
    95.1
  • i3 8100
    85.9
  • i3 7350
    70.3
  • i3 7100
    65.4
  • Ryzen 3 1300X
    66.1
  • Ryzen 3 1200
    59.5

このタイトルでは若干負けてしまっている。Core i5にはTurbo Boostが搭載されているので、その時にクロック周波数で差を付けられて負けたのかも。OCすれば勝てそうだ。

Prey

Prey – フルHD(1920×1080) – GTX 1080 Ti 11GB

  • i7 7700K
    98.8
  • i5 7600K
    86.0
  • i3 8350K
    85.4
  • i3 8100
    77.1
  • i3 7350
    75.4
  • i3 7100
    69.5
  • Ryzen 3 1300X
    70.5
  • Ryzen 3 1200
    63.1

i5 7600Kとほぼ互角。物理コア4個搭載はやはり強い。

Project CARS

Project CARS – フルHD(1920×1080) – GTX 1080 Ti 11GB

  • i7 7700K
    89.3
  • i5 7600K
    78.6
  • i3 8350K
    77.1
  • i3 8100
    68.5
  • i3 7350
    59.9
  • i3 7100
    53.8
  • Ryzen 3 1300X
    57.3
  • Ryzen 3 1200
    53.5

Project CARSでも同様の結果に。従来のCore i3や、ライバルのRyzen 3を完全に引き離している。

Rise of the Tomb Raider

Rise of the Tomb Raider – フルHD(1920×1080) – GTX 1080 Ti 11GB

  • i7 7700K
    98.4
  • i5 7600K
    95.9
  • i3 8350K
    97.1
  • i3 8100
    96.3
  • i3 7350
    91.0
  • i3 7100
    89.5
  • Ryzen 3 1300X
    85.4
  • Ryzen 3 1200
    80.9

ややボトルネックが出づらいタイトルだが、GTX 1080 Tiの性能をほとんど引き出せているようです。逆に2コア勢は苦戦していますね。

まとめ:Core i5と互角のゲーミング性能

Core i5 7600Kと概ね互角のゲーミング性能を示したので、それより前のi5 4690Kやi5 3450では全く歯が立たない性能を持っているのが間違いない。

GTX 1080 Tiが相手だと依然、ボトルネックは避けられないがGTX 1070くらいまでなら十分に追いつける処理性能。Core i3 8350KはゲーミングPCの敷居を下げるのに一役買うことになりそうだ。

今まではGTX 1070クラスを搭載するならCore i5は欲しかったわけです。それが今回のi3 8350Kで全然大丈夫ということになる。今まで12~13万していたマシンが、11万くらいで済むようになるということ。

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コア倍増で「i3 8350K」の消費電力とCPU温度はどうなるか

消費電力

消費電力 – アイドル時

  • i7 7700K
    33
  • i5 7600K
    34
  • i3 8350K
    32
  • i3 8100
    32
  • i3 7350
    34
  • i3 7100
    33
  • Ryzen 3 1300X
    44
  • Ryzen 3 1200
    44

CPU全体の消費電力を見ていく。アイドル時(何もしていない状態)だと、だいたいこんな感じで普通。

消費電力 – Cinebench R15 全スレッド使用時

  • i7 7700K
    112
  • i5 7600K
    82
  • i3 8350K
    85
  • i3 8100
    70
  • i3 7350
    65
  • i3 7100
    58
  • Ryzen 3 1300X
    93
  • Ryzen 3 1200
    77

Cinebench R15を実行させると全てのコアが動き始めるので、消費電力はコア数に比例して上がっていく。4コア化したi3 8350Kも当然、従来のCore i3と比較して30%ほど消費電力が増えていますね。

これはCore i5 7600Kと、ほぼ互角。

CPU温度

CPU温度 – Prime95 AVX実行時

  • i7 7700K
    84
  • i5 7600K
    70
  • i3 8350K
    61
  • i3 8100
    51
  • i3 7350
    59
  • i3 7100
    51
  • Ryzen 3 1300X
    56
  • Ryzen 3 1200
    44

コア数が増えた割には意外と熱くなっていない。2コアのCore i3とほとんど同じ発熱で、同じ4コアのCore i5 7600Kは約10度も発熱が高いという結果に。Core i5にはターボブーストが搭載されているので、その分を考慮しなければなりませんが。

どちらにせよ、発熱しづらいのは良いことです。特にCore i3 8350Kはオーバークロックが可能なので、伸びしろが更に広がる。

「i3 8350K」はオーバークロックで更に伸びる

クロック周波数VID(コア電圧)コア温度
40001.18456
41001.0451
42001.08854
44001.13660
45001.18465
46001.268
47001.24873
48001.32881
49001.37688

冷却に使われているのはNoctua製の空冷ファン「NH-D15」。2枚の巨大放熱フィンを備える大型空冷ファンで、強力な冷却性能を提供可能だ。

BIOSからコア電圧とクロック周波数の倍率を調整しオーバークロックを施す。CPU温度はPrime95を実行時の最高温度。4.7Ghzまでは順調だが、4.8Ghzを超えると一気にVIDとコア温度が急上昇。

4コア化したことでCore i3 7350KよりもOC耐性は若干下がったようですね。i3 7350Kでは5.0Ghz常用も割りと普通だったが、8350Kで5.0Ghz超えはやめておいた方が良さそう。

Cinebench R15 – シングルスレッド性能

  • i7 7700
    175
  • i5 7600K
    180
  • i3 8350K @4.9Ghz
    210
  • i3 8350K
    175

この凄まじいパフォーマンスを見れば、別に5.0Ghzは必要無さそうですけどね。シングルスレッド性能が200cb超えは基本的に十分すぎる性能だからだ。

Cinebench R15 – マルチスレッド性能

  • i7 7700
    877
  • i5 7600K
    666
  • i3 8350K @4.9Ghz
    809
  • i3 8350K
    673

マルチスレッド性能もこの通り。定格のCore i5 7600Kを完全に圧倒しますし、定格3.6GhzのCore i7 7700にも迫る勢いです。168ドル(19000円)ほどでこの性能。コスパが良いのは間違いないと思いますね。

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結論:i3 8350KはRyzen 3と従来のCore i5を圧倒する

4コア化で一気に化けた…。一時はCore i3を一気に追い込んだ「Ryzen 3」だったが、今回のCore i3 8350Kを前に全く歯が立っていませんでした。

やはりインテル製CPUが持つ最大の強みは「シングルスレッド性能」の高さです。これが強いがために、コア数を増やすことで安易にAMD系CPUを圧倒する性能を得られる。

しかもCore i3 8350Kは、ライバルのRyzen 3を圧倒しただけでなく…今までのCore i5も蹴散らしてしまった感がある。定格状態でもKabyLake世代のCore i5 7600Kと概ね互角。

オーバークロックを施せば一気にぶち抜いてCore i7 7700に迫る勢いでした。そして価格は168ドル(18000~19000円くらいか?)と言うんだから恐ろしい。

168ドルと言えば、僕が「自作AMDマシン」に採用したRyzen 5 1400がありましたね。一応データで比較しておきましょうか(ため息)。

Cinebench R15 – マルチスレッド性能

  • Ryzen 5 1400 @4.0Ghz
    867
  • Ryzen 5 1400
    702
  • i3 8350K @4.9Ghz
    809
  • i3 8350K
    673

思っているよりは戦えている。相手はHTT搭載なので8スレッドなんですよ…。インテルは過去のブランド感など気にせず、Core i3にも容赦なくHTTを搭載するべきだったのでは。

Cinebench R15 – シングルスレッド性能

  • Ryzen 5 1400 @4.0Ghz
    158
  • Ryzen 5 1400
    133
  • i3 8350K @4.9Ghz
    210
  • i3 8350K
    175

とは言ってもシングルスレッド性能では圧倒しているので、ゲーミング性能やエンコードの実行処理速度ではCore i3 8350Kに軍配が上がります。

さて、最後にCore i3 8350Kのメリット(強み)とデメリット(弱み)をまとめて締めることにする。

Core i3 8350Kのメリット

  • Core i5(4コア)と互角の処理性能
  • GTX 1070までは問題なく追いつけるゲーミング性能
  • オーバークロックを施せばCore i7に迫る性能を発揮可能
  • 内蔵グラフィックスもあるよ

10万円前後で、それなりに動くゲーミングPCを作りたい。というユーザーの需要を間違いなく満たせる、超絶コスパの良いCPUです。

黒い砂漠やPUBGといった重量級のゲーミングをしつつ、Chromeでたくさんタブをつけて情報収集しながら、iTunesで音楽を掛ける…というマルチタスクも全く問題なくこなすだろう。

それが168ドル(18000~19000円)で手に入る。Coffee Lake登場前は242ドル(27000円前後)を出さなければ、手に出来なかった性能です。

Core i3 8350Kのデメリット

  • マザーボードはIntel 300シリーズ搭載(Z370)じゃないと動かない
  • 従来のLGA 1151と全く互換性が無い

既にKabyLakeを動かせる環境を持っている人にとっては、ここがネックでしょうね…。どうしても初期投資額が大きくなってしまうが、一から新しく作る人にとってはそれほど問題ではない。

Z370搭載マザーボードも、最も安価なモデル(MSI Z370-A PRO)だと119ドルくらいなので安く作ろうと思えば十分に可能。

というわけで、個人的な評価は「Sランク」。多くのユーザーにとって満足できる性能(Core i5相当)を、とても安価に供給できているからです。

以上「【レビュー】「Core i3 8350K」は宿敵Ryzen 3を駆逐できるか?」でした。Ryzen 3どころかCore i5まで殺ってしまった感はありますね…。

追記:とはいえ、6コアのCore i5は強い

i3 8350Kは従来のCore i5に対しては圧倒的ですが、6コア搭載のCore i3を相手にはさすがに勝てません。というわけで、以下Core i5 8400のレビューです。

6コア搭載(12スレッド)の「Core i7 8700K」については以下の記事を。

追記:アンロック版のCore i5 8600Kについても詳しく書きました。

他にもある、CPU~な記事

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4 件のコメント

  • コア倍増 & HTT 無効化というよりは
    Coffee Lake i3 ≒ Kaby Lake i5 で、
    スペック的にはほとんど進化していない、
    実質呼び名が変わっただけの代物です。
    まあ、値段が下がっただけで充分デカいんですが。

    そして、最近 i3 のお株を奪いつつあった 2C4T の Pentium が
    正式に i3 の地位を引き継ぐことになるんでしょうね。

    • ですねー。大きく変化した部分は非常に少なく、とりあえずランクを一段階ずつ下げただけ…というのが実態。それでもインテルの4コアCPUが1万円台で買えるのはユーザーとしては素直に喜べます。

      従来のi3は完全にPentium G4560などに押し負けていましたね。半額で上位品相当が手に入る、というのは美味しい話です。

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