ゲーミングモニターの強みと弱み、選び方と推奨モニターを解説

ゲーミングPCの進化に伴い、フレームレートが平均60を超えることが容易になった。特に競技性の強いFPSやTPSといったゲームでは、100以上の高速フレームレートが要求されるようになり、それを実際に映像化出来る「ゲーミングモニター」の需要も増しつつある。

本記事では「ゲーミングモニター」について、メリット・デメリットから知っておきたい「機能」「仕様」まで幅広くまとめて、選び方と推奨モニターについても解説したい。

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そもそも「ゲーミングモニター」って?

ゲーミングモニター概要

ゲーミングモニターは名称の通り、ゲームプレイに特化した機能や仕様が搭載された「高性能ディスプレイ」のことです。もっとも大きな違いは「リフレッシュレート」にあります。

【ゲーミングモニターの解説】価格とリフレッシュレートの関係

Amazonなどで販売されている1~2万円くらいのフルHDモニターのほぼ全てが「60~75Hz」というリフレッシュレートで動作する。それに対して少なくとも3万円前後するゲーミングモニターは「120~165Hz」で動作します。

高速な「リフレッシュレート」の意味

【ゲーミングモニターの解説】リフレッシュレートのGIF図解

リフレッシュレートとは、グラフィックボードが処理した映像を実際に描写するのに掛かる時間のこと。

  • 60Hz:0.0167秒ごとに1枚の映像を表示できる
  • 144Hz:0.007秒ごとに1枚の映像を表示できる

たとえばグラフィックボードが1秒あたり144枚の映像を出力するとします。60Hzのディスプレイでは144枚の内、60枚しか出力できません。残りの84枚は完全に無意味な処理になってしまう。

【ゲーミングモニターの解説】144Hz/60Hz/30Hz、リフレッシュレートの違いをGIF図解

それに対して144Hz駆動のゲーミングモニターなら、144枚の内、すべての映像を出力できる。無駄になる映像は1枚もないため、グラフィックボードの処理性能どおりの「滑らかでヌルヌル」な映像表現が可能になる。

「入力遅延」も一般向けより速い

【モニターの仕様】入力遅延の目安

モニターのスペック表に公称値が掲載されることが極めて稀なのが「入力遅延」ですが、ゲーミングモニターは競技性を重視するため、この入力遅延もかなりハイスピードに抑えられている。

入力遅延は32ms以上になると、かなりFPSやTPSに慣れているゲーマーなら「微妙に遅れてるぞ…」と体感できるようになり、48ms以上になれば一般人でも「自分の操作と画面ズレてないか?」と気付ける。

入力遅延は操作性に与える影響が極めて大きい要素なので、可能な限りダイレクトな操作感を求めるならゲーミングモニターは非常に最適なハードです。

なお、入力遅延については詳細記事も用意してあるので興味のある人は併読をどうぞ~。

「応答速度」も速い

【モニターの応答速度】応答速度による違い

一般向けのモニターと比べれば、ゲーミングモニターの「応答速度」は大幅に高速だ。応答速度はグラフィックボードから出力された映像(フレーム)を、モニターが実際に表示するのに掛かる時間のこと。

応答速度が高速であればあるほど、残像や遅延のない「キリッ」とした映像表現が可能になり、逆に応答速度が遅いモニターではまるでモーションブラーが掛けられたような、残像が目立つ映像になってしまいます。

モニターの「応答速度」をGIF解説

このGIF図解も分かりやすいかと。上が応答速度が速いモニターで、下が遅いモニターのイメージ(まぁ、だいぶ誇張はしています)。見ての通り、応答速度が遅いために残像が出まくりですね。

ゲーミングモニターを選ぶ上でそれなりに重要だが、実用上は5ms~8ms(例:5ms GtoGなど)の製品を選べば問題ない。5ms以下が必要になるのは1フレームが4.16ミリ秒しか無い240Hzモニターに限定される…。

「応答速度」の技術的な話や、実測値を計測する方法など。専門的な内容はこちらの記事で紹介しているので気になる方はどうぞ。

ゲーミングモニターの「強み」

【ゲーミングモニターの解説】メリット

最大の強みは、人間の目に見える形で60fps以上の超ヌルヌル映像を描写してくれることです。安物ディスプレイではいくら頑張っても、目に見えるのはせいぜい60~75fpsの映像です。

それに対して144Hzで駆動できるゲーミングモニターは、最大で144fpsの映像を見せてくれる。60fpsと144fpsでは、情報量が2.4倍も違います。競技性を重視するゲーマーはこの濃密な情報量にかなりこだわる。

RPGでは攻略情報が多ければ有利なのと同じで、FPSやTPSでも表示される情報量が多いほど有利なんです。もちろん、人間の視覚には限界がありますが、ほとんどの人は60fpsと144fpsの違いを「体感」できる

ゲーミングモニターの「弱み」

144Hz駆動のゲーミングモニターなら、最大で144fpsの映像だって描写可能…。でも、グラフィックボードの性能が低すぎて、そもそも100fpsすら出ない環境だったら…?

そう、使っているゲーミングPCの性能が高くなければ、ゲーミングモニターの性能をフルに活用することは一切出来ない。平均50fpsしか出ないパソコンに、144Hzのモニターを使うのは「お金の無駄遣い」と断言できます。

【ゲーミングモニターの解説】高性能なゲーミングPCが必要

というわけで、そもそも高性能なゲーミングPCがなければ、ゲーミングモニターはまったく意味を成さない…というのが最大の弱み。

ゲーミングモニターの機能と仕様

【ゲーミングモニターの解説】分かりづらい、専門用語たち

モノを選ぶためには「判断基準」が必要です。判断するための情報を持っていなければ、何が自分にとって最適なゲーミングモニターなのか、選びようがない。というわけで、知っておきたいゲーミングモニターの機能と仕様を解説していきます。

3種類のパネル(TN / IPS / VA)

普通のモニターを選ぶ時も、パネルの種類は重要な要素の一つです。2017年現在、ディスプレイのパネルには以下の3種類が存在します(メーカー独自の亜種などは除外する)。

  1. TN(Twisted Nematic)
  2. IPS(In-Plane Switching)
  3. VA(Vertical Alignment)

それぞれ一長一短あって、自分の想定している用途や好みに合わせてパネルを選び分けていく。では、パネルごとの強みと弱みを簡単に紹介しますね。

1. TN(Twisted Nematic)パネル

日本語に訳すと「ねじれネマティック液晶」というパネルで、2017年の時点でもっとも主流になっているパネル仕様です。Amazonや家電屋で売っているほとんどすべてのモニターが、このTNパネルを採用しているはずだ。

そう言い切れる理由は単純で、IPSやVAパネルを採用していればそれを宣伝文句にして分かりやすく明記するから。「色の鮮やかさが特徴のIPSパネル採用!!!」という具合で。

【ゲーミングモニターの解説】TNパネルの素子

で、TNパネルがこれだけ多くのモニターメーカーから愛されている理由は「低コスト」で製造できるためです。もう一つは、IPSやVAよりも遥かに高速な応答速度とリフレッシュレートを実現できること。

  • 安価
  • 高速(1ms GtoG / 240Hzなど)

実際にAmazonで売っている安価なゲーミングモニターのほとんどが「TNパネル」を採用している。…もちろん欠点もあります。

  • 他のパネル技術と比較して、映像の美しさを追求しづらい(白っぽいとよく表現される)
  • 視野角が狭い(一般的に、垂直160度・水平170度しか無い)

同じ価格で比較すると、映像の美しさは特に分かりやすい。視野角の狭さは正面から見るゲーミングにおいてはそこまで問題にならないが、27インチや31インチなど、大型モニターになると少し厄介です。

【ゲーミングモニターの解説】TNパネルの欠点は「視野角」

大型モニターになってくると、中央では視野角に問題がないが、端の方はだんだんと視野角がきつくなってしまいます。ぼくも以前、BenQの安価な27インチを使っていましたが…半年で21.5インチを購入して戻したくらいです。

  • 映像の美しさ → 安価だからある程度は割り切る
  • 視野角の狭さ → 24インチまでなら大きな問題にはならない

安価にゲーミングモニターを求めているなら「TN」が最強。

2. IPS(In-Plane Switching)パネル

【ゲーミングモニターの解説】TNパネルのイメージ

TNパネルの欠点だった、映像の美しさ(調整が効かないことも多い、あの白っぽさ)を改善するために生まれたのが「IPS」パネル。他のパネルと比較して、高い色精度と広い視野角を持つのが特徴。

【ゲーミングモニターの解説】IPSパネルのイメージ

TNにありがちな「端っこの方の色が薄くみえる…」という現象もIPSパネルなら基本的に起こりません。とにかくキレイな映像を出力して欲しいならIPSパネルが一番最適な選択肢になるだろう。

問題は、TNパネルほど高速な応答速度を実現しづらいということ。そのためIPSパネルを採用したゲーミングモニターは、TNと比べて「かなり割高」です。

色の正確性にこだわるイラストレーターなど、クリエイティブな用途がないなら無理してIPSパネルのゲーミングモニターを選ぶ必要はない…と言える。

3. VA(Vertical Alignment)パネル

VAパネルは「白っぽい傾向にあるTNパネル」を克服するために生まれた技術です。優れた色再現、驚異的なコントラスト比(黒は黒、白は白)を実現できるのが最大のメリット。

【ゲーミングモニターの解説】VAパネルは「黒色」が得意

モニター上で「黒」を表現する時、バックパネルから発せされる光を完全に遮ることで黒を表現するのですが、VAパネルはその処理がとても得意なんです。だから色再現性とコントラスト比に優れている。

クリエイティブな用途、映画鑑賞、美しい映像でゲーミングをしたい、という場合は「VAパネル」が最適。欠点はIPSと同様に応答速度の遅さだが、値段が高い製品なら5ms以下のVAパネルもあるので、ちゃんと選べばそこまで問題にはなりません。

逆に安価なVAモニターだと平気で10msを超えて20msだったりするため、「残像が見える気がする…」という現象が起こりやすいので、ゲーミング目的なら安いVAモニターに手を出すべきではない。

グレアとノングレア

これはゲーミングモニターに限定された仕様ではないが、重要なので紹介。ディスプレイには「グレア」と「ノングレア」の2種類の表面仕様があって、グレアは映り込みが激しく、ノングレアはそうではないので目に優しいとよく言われます。

【ゲーミングモニターの解説】グレア型モニターのイメージ

グレア型のディスプレイはこんな感じ。照明はクッキリと映り込むし、画面が真っ暗な時は自分の顔や後ろにいる人までハッキリと鮮明に写り込んでしまいます。しかしメリットもちゃんとある。

  • 色彩表現がとてもハッキリとしている(黒は黒く、赤は赤く、白は白く)
  • 色の深みはグレア型に軍配が上がりやすい

同じ価格で比較した場合、グレア型のほうが美しい映像を出力しやすい…というメリットがある。ただ、目の疲れやすさは明らかにグレア型がひどいため、ゲーミング目的なら…

【ゲーミングモニターの解説】ノングレア型モニターのイメージ

ノングレア型のほうがオススメ。照明はボヤァと映り込み、ブラックアウト(真っ暗な画面)になっても自分の顔や後ろにいる人がクッキリと映り込むことはない。

  • グレア型と比べて色彩表現の深みでは負けやすい
  • グレア型と比較すると、だいぶ目が疲れづらい

よって、筆者も新しく購入するディスプレイは「ノングレア型」ばかりで、あえてグレア型を購入しようとは思わない。パソコンを扱う時間が長い人ほど、ノングレアの方がラクです。

ブルーライト低減機能

いつ頃からは知りませんが、最近のゲーミングモニターには「目を疲れづらくする」という謳い文句でブルーライト低減機能が搭載されているモデルも増えてきた。

【ゲーミングモニターの解説】ブルーライト低減機能の「無意味」さ

ブルーライト(青色光)とは、波長が400~490nmの光を指し、一般的に目を疲れさせやすい光として知られている。しかし、以下に示すように医学的根拠は2017年時点では未だに不明瞭という実態がある。

  • すなわち415〜455nmの範囲の光に曝露することが、細胞生存率を低下させるのに最も有効であることを報告した。
  • 約470〜480nmの発光ピークを有するLEDは、450nm未満の発光ピークを有するLEDよりも好ましいはずである。
  • 青色光が眼に及ぼす影響を調べるために、低レベルの青色光に対する長期間の暴露の安全性に関する追加の研究が必要であると考えています。

Effects of blue light on the circadian system and eye physiology(米国国立医学図書館)より引用

少なくともブルーライトが網膜にダメージを与えやすいことは判明しているが、残念ながら現代社会で行われる「長時間の使用」が、どの程度健康にダメージを与えるのか。不明なままなんです。

【ゲーミングモニターの解説】ブルーライト低減機能の「無意味」さ

ブルーライトをカットすれば確かに見やすくて目に優しい映像を出力できるかもしれない。でも、それはわざわざブルーライト低減機能付きのモニターじゃなくても「色設定」から十分に代替可能です。

【ゲーミングモニターの解説】ブルーライト低減機能の価格差

もし、全く同じスペックのゲーミングモニターが2種類あって、ブルーライト低減機能が搭載されているかいないかの違いで価格が1万円ほど違うなら、付いていないモデルを買ったほうが合理的だ。

 青色の減らしすぎは「鮮やかな色彩」を損なう可能性も

考えてみれば分かりますが、モニターが発する映像は「光の三原色」に基いて出力されています。その内のひとつである「青色」を減らすとどうなるか、容易に想像がつくと思う。

フリッカーフリー

普段はものすごく気づきづらいですが、安価なディスプレイのほとんどが「チラツキ」(フリッカー)を発しています。まばたきを連続でし続けるとものすごく疲れるように、安価なディスプレイの見すぎも「眼精疲労」の原因になりうる。

【ゲーミングモニターの解説】「フリッカー」(チラツキ)のイメージ

ディスプレイの前に扇風機を置いて、デジカメやスマートフォンで動画を撮影すると画像のような「チラツキ」が映ると思います。まぁ…これはちょっと極端な例ですけど。

【ゲーミングモニターの解説】「フリッカーフリー」は目に優しい

フリッカーフリーが搭載されているディスプレイは人間の目に対してほとんど影響を与えないレベルにまで「チラツキ」が抑制されます。結果、長時間使っていても目が疲れづらくなる

目の疲れ、眼精疲労を気にする人は「ブルーライト低減機能」よりも「フリッカーフリー搭載」のゲーミングモニターを選んだほうが賢明です。まばたきを長時間続けるのは、ハッキリ言ってつらい。

台湾のディスプレイメーカー「BenQ」の参考動画も非常に参考になります。扇風機を置くとディスプレイのチラツキ具合がとても分かりやすいですね…。

BenQ専用モード「Black eQualizer」

BenQ製のゲーミングモニターには「Black eQualizer」という、ゲーム専用のモードが搭載されていることがある。これは屋内や物陰など、暗所に潜む敵が視認しやすくなる特殊なモードのこと。

【ゲーミングモニターの解説】影の視認性が悪い

例えば、このように影を利用して視認性を大きく下げている敵がいたとします。色彩表現が上手なモニターほど、暗いところは暗く、明るいところは明るく描写するんだが、ゲーミングでは仇になりうる…。

【ゲーミングモニターの解説】影の視認性が向上

そこでBenQの「Black eQualizer」をオンにすると、こんな感じで影に隠れている敵もだいぶ視認しやすくなります。自分が止まっているなら良いですが、走りながらだと気づきづらいことが多い。

【ゲーミングモニターの解説】BenQ Black eQualizerの有無

BenQ製のゲーミングモニターを考えているなら「Black eQualizer」搭載モデルが非常にオススメということになる。

 他社製のモニターにも似た機能はあります

  • ASUS製:GameVisual技術
  • LG製:Black Stabilizer
  • EIZO製:SmartInsight2

決してBenQだけではないので安心してください。選択肢は十分にあります。

V-SYNC(垂直同期)

ゲーミングモニターに限定された「機能」では無いけれど、とても重要なことなので少し詳しく解説します。

【ゲーミングモニターの解説】V-SYNCの解説

グラフィックボードが1秒間に処理した映像の数(=フレームレート)と、実際にモニターに描写可能な映像の数(=リフレッシュレート)が、ピッタリ一致するなら非常にスムーズな映像が出力されます。

しかし、現実にはゲームソフト側が要求する「処理量」はつねに変動していて、グラフィックボードが毎回まったく同じフレームレートを出すのは不可能。何もない場所なら60fps出るが、街中だと20fpsしか出ない…という具合に。

【ゲーミングモニターの解説】V-SYNCの解説

そのため、フレームレートとリフレッシュレートがピッタリ一致せず、グダグダになってしまうのです。両者の足並みが揃わず、ズタズタの関係性になると「テアリング」(引き裂き)という現象が頻発します

【ゲーミングモニターの解説】テアリングのイメージ画像

イメージ画像はこの通り。1回のリフレッシュレートに、4枚分の映像が送り込まれた結果。4枚の映像が混ざり合わさって1枚分としてモニターに出力されるとこうなってしまう…。銃撃戦の最中に起こると、ちょっと怖いですね。

この「テアリング」という現象をなんとかしようと誕生した技術が、「V-SYNC」(Vertical synchronization = 垂直同期)だ。V-SYNCを有効化することで

【ゲーミングモニターの解説】V-SYNCの解説

リフレッシュレート側に合わせて、グラフィックボードが処理する量を調整するようになるため、足並みが大幅に合いやすくなった。これで「テアリング」はかなりの確率で回避出来るようになったのですが…。

【ゲーミングモニターの解説】V-SYNCの解説

赤色のように、リフレッシュレートをまたいでグラフィックボードの処理が「遅延」する場合、既に出力された映像が次のリフレッシュレートが訪れるまで表示されたままになってしまう

【ゲーミングモニターの解説】スタッタリングのGIF図解

これが「スタッタリング」(吃り)という現象です。グラボのフレームレートがリフレッシュレートに追いつかない状況ではフレームレートが大きく落ちたり、体感で分かるほどの「カクツキ」を生じさせる原因になる。

 60fps以下になると30fpsになる問題もある

リフレッシュレートをまたいだ瞬間に、次のリフレッシュレートまで何も映像が描写されないため、60fpsが出ない環境では「実質30fps」という状態です。

「スタッタリング」が特に分かりやすい動画がこれ。見ての通り、グラボの処理が全く追いついていないため、描写済みの映像が「使い回し」されてガタガタ、カクカクの映像になってしまっています…。

以上、V-SYNCの限界をまとめると。

  • グラボ側が処理に遅れると、段階的にフレームレートが低下してしまう(60fps → 30fps → 20fps → 15fps)
  • 「スタッタリング」という新たな問題を防ぐことはできない

高性能なグラボ(GTX 1070など)を使うことで、ある程度はこれら2つの問題を回避可能。それでも60fpsを割り込んだ瞬間に、実質フレームレートが30fpsに低下する問題はほぼ回避不可能だ。

【ゲーミングモニターの解説】V-SYNCの有無による、フレームレートの変化

このため、競技性の高いゲームをプレイしているプレイヤーからは「負荷がかかった時に容易にそれが体感できる状態になってしまう」ことを嫌って、V-SYNCをオフにする人も少なくない。

ぼく自身も30~60fpsに真空空間が出来てしまうV-SYNCはあまり好きじゃないので「テアリング」は許容してV-SYNCは切っていますね…。

G-SYNC

欠点の多いV-SYNCを見て、NVIDIAが考えだした解決策が「G-SYNC」という技術だ。

【ゲーミングモニターの解説】G-SYNCの解説

V-SYNCではグラフィックボード側の処理を、リフレッシュレート側に合わせてあげる…という技術でしたが「実質30fps」になってしまう問題や、「スタッタリング」を避けられないという問題を抱えていた。

【ゲーミングモニターの解説】G-SYNCの解説

「G-SYNC」は全くの逆の発想から生まれた技術。モニター側(リフレッシュレート)が、グラフィックボードに合わせてあげる…という技術なんですよ。歩調の合わせ方が真逆になったのです。

固定リフレッシュレート(60Hz固定など)では、60fpsを割った途端に実質30fpsになってしまうが、G-SYNCはいわゆる可変リフレッシュレート。グラボが遅れたらリフレッシュレートも同調して遅らせるという仕組みになっている。

グラボが100fpsを出した時は、G-SYNCによってリフレッシュレートが100Hzに調整されるので「テアリング」を防ぎ、逆に30fpsくらいに低下した時はリフレッシュレートを30Hzに落とすので「スタッタリング」も防げる

という、今までの課題を概ね解決できる夢のような技術。それが「G-SYNC」だ。

【ゲーミングモニターの解説】G-SYNCの解説

「テアリング」「スタッタリング」の両方を防げる驚異的な技術だが、欠点もある。「コストの高さ」です。モニター側にこのようなG-SYNCモジュールが内蔵されるため、どうしてもコストが高くなってしまう。

FreeSync

【ゲーミングモニターの解説】FreeSyncの解説

FreeSyncは「G-SYNCのAMD版」と思えば問題ない。こちらも「テアリング」や「スタッタリング」という問題を概ね解決できる技術。G-SYNCと違って特殊なモジュールは必要ありません。

そう…FreeSyncは専用モジュールを一切必要としないのが大きな違い。DisplayPort 1.2aに準拠するため、G-SYNCと比べてFreeSync対応のゲーミングモニターを作るのはずっと安価に済む

2017年時点で、G-SYNC対応モニターの最安モデルが6万円前後なのに対して、FreeSync対応モニターは3万円前後とほぼ半額。AMD Radeon系のGPUを使っているならオススメ。

仕様と機能のまとめ

ゲーミングモニターを選ぶ上で知っておきたい「仕様」「機能」について、かなり詳しく解説しました。

  1. リフレッシュレート:実際にモニター側に出力可能な映像の数(144Hzなら、秒間144枚を描写可能)
  2. 応答速度:次の映像に切り替わるのに掛かる時間のこと(実用上、5msでまったく問題ない)
  3. パネルの種類:コスパ重視なら「TN」で、映像重視なら「IPS」または「VA」を
  4. グレア / ノングレア:ゲーミング重視なら目が疲れづらい「ノングレア」型が人気
  5. ブルーライト低減機能:医学的根拠は無いし、色設定でも代替可能だから選ぶ理由にはなりづらい
  6. フリッカーフリー:「ちらつき」が少ないと当然目は疲れづらい、ブルーライト低減機能より遥かに信用できる
  7. Black eQualizer:暗い部分もハッキリと描写するモード、BenQ以外にも似た機能を搭載するモニターはある
  8. V-SYNC:「テアリング」を防ぐための設定だが、ゲーミング重視なら「オフ」にする人が多い
  9. G-SYNC:NVIDIAの独自技術で、「テアリング」「スタッタリング」の両方を防げるが、高価なのが最大の欠点
  10. FreeSync:G-SYNCと似た効果を持つ技術で、G-SYNCよりも安く導入できるのがメリット

多いですねぇ…。でも、知っておかないとAmazonでゲーミングモニターを探すだけで「フリッカーフリーって何?応答速度って大事?G-SYNCとは?」なんてことに成りかねない。

ゲーミングモニターの選び方

自作歴16台のやかもち
パソコンは「高性能」?
やかもち
GTX 1070が入ってる「ガレリアXF」を使ってるよ。
自作歴16台のやかもち
じゃあ、144Hz駆動のモニターでよさそう。他に求めるものは?
やかもち
実力以外の理由で負けたくないので、正確さとヌルヌルさを重視したいかも。
自作歴16台のやかもち
そうなると「G-SYNC」は必要そう。予算は?
やかもち
5~6万円…かなぁ。
自作歴16台のやかもち
ASUS製「ROG SWIFT PG248Q」がちょうど良さそうだよ。
【ゲーミングモニターの解説】選び方
ASUS ROG SWIFT PG248Q
リフレッシュレート応答速度表面仕様
180Hz1ms GtoGノングレア
パネル疲労低減同期技術
TNフリッカーフリーG-SYNC

5~6万円という予算におさまるゲーミングモニターとしては、かなり機能豊富でコスパ良好。という感じで選んでいけばいい。

おすすめなゲーミングモニターまとめ

ここまで解説してきた、各種仕様や選び方に基いていくつかオススメなゲーミングモニターを挙げてみたい。

コスパ重視ならオススメ「BenQ XL2411」

【ゲーミングモニターの解説】BenQ XL2411
BenQ ZOWIE XL2411
リフレッシュレート応答速度表面仕様解像度画面サイズパネル
144Hz1ms GtoGノングレアフルHD(1920×1080)24インチTN
疲労低減同期技術独自技術スピーカー入力端子
フリッカーフリー搭載ブルーライト低減機能非搭載Black eQualizer非搭載HDMI / DVI-DL / D-sub

安価に製造できる「TN」パネルを採用した、エントリー向けのゲーミングモニター。

144Hz対応モニターでは割りと安価な部類だが、目が疲れづらいフリッカーフリーをはじめ、暗所のディティールが向上する「Black eQualizer」を搭載するなど、意外とプレミアムな仕様に仕上がっている。

画面サイズは24インチで、解像度はフルHD(1920×1080)なので映像の粗さが目立つこともなく、扱いやすい。コストパフォーマンス重視で選ぶならもっとも最適なゲーミングモニターだ。

 プロゲーマーやストリーマーからも支持が得られている

PUBG Pro Settings and Gear List」に登録されている34人のプロゲーマー・ストリーマーの内、30%にあたる11人が「XL2411」(またはXL2411Z)を使用している。国際的な評価も高いため、安心して買えるゲーミングモニターですね。

もうちょっと欲張りたいなら「ASUS VG248QE」

【ゲーミングモニターの解説】ASUS VG248QE
ASUS VG248QE
リフレッシュレート応答速度表面仕様解像度画面サイズパネル
144Hz1ms GtoGノングレアフルHD(1920×1080)24インチTN
疲労低減同期技術独自技術スピーカー入力端子
非搭載非搭載非搭載GamePlus2W + 2WDisplayPort / HDMI / DVI-DL

BenQ XL2411より少し高価な割に、フリッカーフリーもブルーライト低減機能も非搭載…暗所を見えやすくする独自技術も無い…。仕様だけを見ればたしかに「お得感」は少なく感じるだろう。

その代わりVG248QEは、TNパネルとしてはかなり優れた色彩表現を実現できる高品質パネルが使われているし、入力端子にDisplayPortも用意されています。高速で鮮明な映像を出力できるのが、最大の強みということだ。

他には、ピボット機能という画面を真横に傾けることができる構造になってたり、画面の高さそのものを調整できる昇降機能が付いていたりと、物理的な仕様も豊富。

なお、VG248QEはスピーカーを2個搭載しているものの、お世辞にもゲーミングに耐えるほどの音質を持っているわけではないから、期待はしないこと。というか、PUBGはヘッドセットじゃないと厳しいですし…。

 同様にガチ勢から支持されている

PUBG Pro Settings and Gear List」に登録されている34人のプロゲーマー・ストリーマーの内、25%にあたる8人が「VG248QE」を使用している、とのこと。

広い視野で有利なプレイをするなら「LG 34UC79G-B」

【ゲーミングモニターの解説】LG 34UC79G-B
LG 34UC79G-B
リフレッシュレート応答速度表面仕様解像度画面サイズパネル
144Hz5msノングレアウルトラワイドFHD(2560×1080)34インチ(曲面)IPS
疲労低減同期技術独自技術スピーカー入力端子
フリッカーフリーブルーライト低減機能FreeSyncBlack Stabilizer非搭載DisplayPort / HDMI x2

ほとんどのゲーミングモニターはアスペクト比が「16:9」ですが、このLG製「34UC79G-B」は「21:9」という横長のアスペクト比で制作されているのが大きな特徴。これが何の役に立つかと言うと…

【ゲーミングモニターの解説】21:9は視野が広くて有利

こういうことです。通常のゲーミングモニターと比較すると、約30%くらい「視野」が広くなるんですよ。FPS/TPSにおいては視野の広さも「優位性」になるため、広い視野が欲しい人にはオススメ。

しかも、視野角が広いだけでなく、50~144Hzの範囲で可変リフレッシュレート化する「AMD FreeSync」という同期技術を搭載しているし、暗所を見えやすくする「Black Stabilizer」も備えている。

眼精疲労の防止に一定の効果が期待できる「フリッカーフリー」「ブルーライト低減機能」も搭載済みなので、仕様もなかなかプレミアム。「21:9」のゲーミングモニターではかなりコスパ良好と言えます。

G-SYNCで自然な映像体験をしたいなら「Dell S2716DG」

【ゲーミングモニターの解説】Dell S2716DG
Dell S2716DG
リフレッシュレート応答速度表面仕様解像度画面サイズパネル
144Hz5msノングレアWQHD(2560×1440)27インチTN
疲労低減同期技術独自技術スピーカー入力端子
フリッカーフリー非搭載G-SYNCBlack Stabilizer非搭載DisplayPort / HDMI x2

「スタッタリング」「テアリング」から可能な限り開放されたい。リアルで正確な真の144Hzゲーミングを堪能したい。という割りとガチな人には「G-SYNC」搭載のゲーミングモニターがオススメ。

さて、気になるのはG-SYNC搭載モニターの中ではかなり安い部類ということ。使っているパネルは当然「TN」になるんだが、価格の割にパネルの品質は意外と高めです。

それでも輝度はパネル全体で割りとブレやすく、視野角によって見えづらくなる現象もあります。しかし、色温度はゲーム中に気づけるほどブレませんし、視野角もゲーム中は真正面から見るんだからさほど問題にならない。

よって、総合的に見れば「コスパ良好なWQHD画質のG-SYNC搭載ゲーミングモニター」という評価が可能だ。

至高のゲーミング体験を「ASUS PG258Q」

【ゲーミングモニターの解説】ASUS ROG SWIFT PG258Q
ASUS ROG SWIFT PG258Q
リフレッシュレート応答速度表面仕様解像度画面サイズパネル
240Hz1msノングレアフルHD(1920×1080)24.5インチTN
疲労低減同期技術独自技術スピーカー入力端子
フリッカーフリーLow Blue LightG-SYNCGameVisual Technology非搭載DisplayPort / HDMI

至高のゲーミングのために作られたのが「ASUS ROG SWIFT」シリーズ。「PG258Q」は、驚異の240Hz駆動が可能なハイエンドゲーミングモニター。もちろん、PC側も200fpsを出せる性能が必要になるため、導入コストはとても高い。

2017年時点で、容易に200fps以上を出せるのは「Overwatch」「CS:GO」「Rainbow Six Siege」など、一部のタイトルに限られている。Steamで1位の座に君臨した「PUBG」だと、200fps超えはかなり難しい。

しかし、そういった壁を突破できるだけの高性能ゲーミングマシンを既に持っていて、かつ至高のゲーミングを求めているなら…ASUS PG258Qが今のところ国内ではもっともオススメできるモニターです。

なお、パネルの品質はゲーミング用途なら全く問題ない水準に達しているため、「240Hz駆動 & G-SYNCが出来るだけで画質は良くないなぁ…」なんてことは無いので安心を。

 TECHSPOTによる「推奨設定」

デフォルト設定では、やや色の深み(コントラスト比など)が「浅い」ため、TECHSPOTが推奨校正設定を発表しています。

設定デフォルト推奨
GameVisual Modeレーシングレーシング
コントラスト5050
輝度8025
カラー設定標準R:96 / G:98 / B:99
ガンマ2.22.2
ブルーライトフィルタLevel 0Level 0
オーバーライド標準標準
可変コントラスト制御OffOff
Dark BoostOffOff

輝度とカラー設定を調整している。

推奨ゲーミングモニターまとめ

【ゲーミングモニターの解説】推奨ゲーミングモニター

無難なオススメはやっぱり低価格で入手可能で、フリッカーフリー & ブルーライト低減など目に優しい機能もフル搭載の「BenQ ZOWIE XL2411」。更にゲーミング重視なら「ASUS VG248QE」ですね。

この2~3万円帯のゲーミングモニターは、プロゲーマーやストリーマーからも高い支持を得ているので、とりあえずそこそこ良いゲーミングモニターが欲しいと思っているなら非常におすすめ

【ゲーミングモニターの解説】推奨ゲーミングモニター

広い視野で有利なゲーミングを…と考えているなら「LG 34UC79G-B」がオススメ。「テアリング」「スタッタリング」を防げるAMD FreeSync対応なので、Radeon系を使っている人なら尚更オススメだ。

【ゲーミングモニターの解説】推奨ゲーミングモニター

リアリティある「ヌルヌルさ」を追求したい…なら、G-SYNC対応かつ、比較的大きいWQHD(2560×1440)の「Dell S2716DG」を。ただし、要求される処理性能はフルHDより高いため、スペックに要注意。

【ゲーミングモニターの解説】推奨ゲーミングモニター

240Hz駆動 & G-SYNCで次元の違うゲーミングを…。と考えている、かなりガチな人には「ASUS ROG SWIFT PG258Q」を推奨します。

以上「ゲーミングモニターの強みと弱み、選び方と推奨モニターを解説」でした。

感想:意外と深い「ゲーミングモニター」の世界

【ゲーミングモニターの解説】苦悩

うーん…。今回の記事を書くにあたって、かなり「仕様」や「仕組み」を調べましたが、想像以上に深い世界で理解するだけでもかなり苦労した。

特に「G-SYNC」が誕生する原因となった「スタッタリング」や、それを生み出した「V-SYNC」など、同期技術あたりは本当に理解が大変でしたね…。

今回の記事で「ゲーミングモニターについて、だいたい分かるようになった。」という人がちょっとでも増えれば幸いです。

リフレッシュレート別に、色々なゲーミングモニターを知りたいという人はこちらの記事もオススメ。

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6 件のコメント

  • モニターについてわかりやすく詳しく解説してくれてありがとうございます。
    いつもモニター買おうと思ってもよくわからず購入してたので
    かなり参考になります。

    ひとつ聞きたいのですが、4Kなら40インチ以上じゃないと
    意味ないと調べたら書いてたのですが、本当でしょうか?
    大きいモニター(40インチ以上)や4Kなら
    どのモニターがおすすめでしょうか?
    よかったらご回答頂けるありがたいです。

    • 解像度と画面サイズの関係性については、かなり個人差が大きい部分なので一概にこうとは言えない部分があります。

      おそらく、4Kなら40インチ以上じゃないと意味がない…と言っている人は、画面サイズが小さすぎると画面上のあらゆるアイコンが小さく表示されすぎて見づらい…という意味合いがあるのかもしれません。

      逆にフルHD画質で27インチの画面だと「ドットの粗さ」が目立ってくるため美しさが損なわれる…という逆のパターンも考えられます。

      【ちょっと計算してみた】

      返信する

  • 入力遅延に触れて欲しいのと応答速度をもうちょっと掘り下げて欲しいですね。
    LG 34UC79G-Bなんかは値段と黒挿入の機能で自分も候補でしたが入力遅延最低値21.8msで対人用途にお勧め出来る数字ではなかったので。
    応答速度は現状計測基準が滅茶苦茶で実測値以外どうでもいい感じです。
    本来なら黒→白、中間色それぞれに対して入力信号を画面に送る時間→画面に表示される時間の平均と最低値を全て記載するべきなんですけどね。
    5ms(GtoG)なんて表記よく見かけますが、例えばVAは黒→白弱いんで(知識古いかもしれません)中間色の入力信号が画面に届いた後に計測を開始し画面に表示される時間の最速値だけを表記してる可能性もあります。
    結局コスパ良さげをTFTCentralやBlurBustersで確認して買うってのが鉄板って感じです。ただ調べるの面倒くさいのでやっちにここらへんの理屈も全部まとめて頂けたらなーと思う次第です。長文失礼しました。

    • ですよね…。色々と海外レビューなども漁っていると、表記の応答速度(5msとか)と実際の応答速度は一致しないことも多々あるようで、業界の闇みたいなものを感じてます。

      < ただ調べるの面倒くさいのでやっちにここらへんの理屈も全部まとめて頂けたらなーと思う次第です。

      検討します!

      貴重なコメントありがとうございました。

  • 全くしてなかったけどディスプレイ側の設定も重要だって知った、高い金払ったのにまさに豚に真珠だねディスプレイ側で視認モードONにしてなかったよ・・・
    各ゲームでのディスプレイ側のいい設定教えて!

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