i7の悩み「7700無印」と「7700K」はどっちを選べば良いのか?

ドスパラのゲーミングPCでもそうなんですが、Core i7搭載PCって「i7 7700」と「i7 7700K」のどちらかが搭載されている傾向。型番に「K」が付いているか否かの違いで、ちょっと調べれば「K付き」はオーバークロック可能ということも分かる。

そして「オーバークロックしたいならK付きを。」というのが決まり文句だが、もう少し真面目に考えてみたい。データから見てどうなのか、ということだ。

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Core i7 7700と7700Kの「基本仕様」

世代Kabylake(7世代)
プロセスルール14nm
CPUCore i7 7700Core i7 7700K
コア数4
スレッド数8
クロック周波数3.60 Ghz4.20 Ghz
ブーストクロック4.20 Ghz4.50 Ghz
OC可否不可可能
L1 Cache128KB
L2 Cache1024KB
L3 Cache8192KB
対応メモリx2 DDR3-1333
x2 DDR3-1600
x2 DDR4-2133
x2 DDR4-2400
PCIeレーン数16
内蔵GPUIntel HD Graphics 630
GPUクロック350 ~ 1150 Mhz
CPUソケットLGA1151
TDP65W91W
MSRP$312$350

まずは基本仕様(カタログスペック)を確認する。実はCore i7 7700Kの違いは、単に「オーバークロックが可能かどうか」だけではない。見ての通りクロック周波数が違いすぎるのだ。

無印の7700では、基本的に3.60Ghzで動作して必要に応じて最大4.20Ghzで動作するようになっています。K付きの7700Kでは、基本クロックが既に4Ghzオーバーの4.20Ghz。ブースト時は最大4.50Ghzで動作します。

基本クロック周波数の時点で、K付きは約17%も性能が上で、ブースト時では約7%ほどK付きの方が優秀。しかも、7700Kはオーバークロックする余地が残されているので更に性能を伸ばせる。

MSRP(希望小売価格)は無印で312ドル(33000円ほど)、K付きだと350ドル(36000円ほど)。価格差は12%なので、価格差以上の「性能差」があると言っていい。

とはいっても、これでは「Core i7 7700Kを買ったほうがお得だね。」という結論にしかならない。その余分なコストを払って、「性能差」を手にするべきなのかどうか。データを見て考えてみよう。

i7 7700と7700Kの「性能差」を確認

参考にするデータは以下。

テスト環境
CPUCore i7 7700 / 7700K
GPUGTX 1080 8GB
メモリーDDR4-2133 8GB*4(32GB)
マザーボードGigabyte AORUS Z270X-Gaming 7
電源ユニットCorsair 500W 80+ STANDARD
OSWindows 10 Home 64bit

CPU自体の処理性能の他、GTX 1080を用いてゲーミング性能も検証する。メモリーはDDR4規格で合計32GBもあるので、メモリー起因のボトルネックは心配ない。

CPUとしての処理性能

まずは「CPU」自体の性能から見ていこう。クロック周波数にかなりの差があるため、データを見ずとも結果に予想はつくが、念のため見ておく。

PCMark 8:i7 7700 VS i7 7700K

PCMark 8は、グラボの性能を計測する「3DMark」のCPU版と思えばいい。実際にPCを使う時のレスポンスや処理の速さをスコア化し、パソコンとして優れているかどうかを明確にできる。

PCMark 8 – Home

  • Core i7 7700
    3901
  • Core i7 7700K
    3921
  • Core i5 7600K
    3676

Homeテストではウェブ閲覧、文書作成、ビデオチャット(Skypeなど)のパフォーマンスを検証してくれる。結果はK付きの方がわずかに優秀というだけで、体感上のレスポンスにはほとんど影響がない。

PCMark 8 – Creative

  • Core i7 7700
    4034
  • Core i7 7700K
    4167
  • Core i5 7600K
    3869

Creativeテストではグラフィックボードの性能もやや活用される。動画エンコード、動画編集、複数人によるビデオチャットなどが検証されます。結果は7700Kの方が3%ほど速い。

PCMark 8 – Work

  • Core i7 7700
    3805
  • Core i7 7700K
    3972
  • Core i5 7600K
    3749

Workテストは、より高度な文書作成、スプレッドシードの編集が検証される。i7 7700Kは約4%ほど高速で、常時4.0Ghz超えの実力を見せつけた…という感じ。

Cinebench R15:i7 7700 VS i7 7700K

Cinebench R15はCPUが持っている本来の処理性能を正確に引き出せるベンチマークソフト。CPUとして優れているのはどちらか、というのが非常に分かりやすい。

Cinebench R15 – シングルスレッド性能

  • Core i7 7700
    180
  • Core i7 7700K
    194
  • Core i5 7600K
    181

1コアあたりの性能を示す「シングルスレッド性能」はこのとおり。ブースト時は4.50Ghzで動作するi7 7700Kが有利な展開ですね。190~200スコアは、今のところはほぼ最高クラスの性能です。

Cinebench R15 – マルチスレッド性能

  • Core i7 7700
    865
  • Core i7 7700K
    970
  • Core i5 7600K
    695

すべてのコア(スレッド)を使用する「マルチスレッド性能」も、同様にi7 7700Kが優秀な結果に終わった。

CPU-Z:i7 7700 VS i7 7700K

CPU-Zはパソコンにつながっているハードウェアの詳細を表示できる便利ソフト。付属ツールにベンチマークがあり、Cinebenchと同様にCPU性能をスコア化できます。

CPU-Z Benchmark – シングルスレッド性能

  • Core i7 7700
    2029
  • Core i7 7700K
    2257
  • Core i5 7600K
    2132

クロック周波数の影響が色濃いテスト結果に。

CPU-Z Benchmark – マルチスレッド性能

  • Core i7 7700
    7939
  • Core i7 7700K
    8773
  • Core i5 7600K
    7344

マルチスレッド性能もやっぱりi7 7700Kが最高のパフォーマンス。といっても、CPU-Zのマルチスレッドスコアはかなり盛られ気味だから、参考程度にするのがちょうどいいです。

エンコード速度:i7 7700 VS i7 7700K

動画のエンコードはマルチコアになればなるほど有利な一方で、シングルコア性能の影響も大きく出やすい分野。

DivX – エンコード時間(秒)

  • Core i7 7700
    213
  • Core i7 7700K
    192
  • Core i5 7600K
    197

DivXコンバータを使って、フルHD画質の動画(6分 / .mov)をAVI形式に変換するのに掛かった時間を計測。K付きが10%ほど速い結果を出しており、4.50Ghzで動作することの強みを確認できた。

Media Espresso – エンコード時間(秒)

  • Core i7 7700
    112
  • Core i7 7700K
    99
  • Core i5 7600K
    106

Media EspressoではフルHD画質の動画(1GB / .mov)を、320×200(.mp4)に変換した。かかった時間はi7 7700Kが99秒で、7700は112秒。やはり10%ほどK付きの方が速い結果ですね…。

Photoshop CC:i7 7700 VS i7 7700K

Photoshop CC – SpeedTest(秒)

  • Core i7 7700
    8
  • Core i7 7700K
    8
  • Core i5 7600K
    9

「Retouch Artist Speed Test」を用いて、Photoshop CCの動作スピードを計測したもの。どちらも8秒という結果になり、体感できるほどの差は出ないようだ。

Zip圧縮:i7 7700 VS i7 7700K

WinRAR – 圧縮時間(秒)

  • Core i7 7700
    263
  • Core i7 7700K
    248
  • Core i5 7600K
    334

8GB(6813ファイル)をZIP形式に圧縮し、終了までにかかった時間を計測。おおむねCinebench R15のスコアと似たような結果になっています。

結論:CPUとしてはi7 7700Kが格上

当然の結果になりました。しかし、今のところは順当な結果であり、劇的ではない。確かに数十秒~数分ほど時間を節約できる可能性はあるが、追加のコストを支払うほどの性能差だとは思えない

しかも、ドスパラなどのBTOメーカーで「7700を7700Kにアップグレード」しようとすると、インテルの希望小売価格より高い「価格差」が出てしまう。

無料アップグレードやキャンペーンをやっていない限りは「Core i7 7700」のままで良いと言えるだろう。

ゲーミング性能を確認

次は「GTX 1080」を用いて、ゲーミング性能をチェックする。「データで分かる、ゲームに最適なCPUを徹底解説」でも解説しているとおり、グラボの性能が良いほどCPUの性能は重要になってくる。

Core i7 7700の場合、GTX 1050やGTX 1060程度ならまったく問題ないだろうが、GTX 1070 ~ GTX 1080になってくるとボトルネックが懸念される。引き続きデータを見てみよう。

Dirt Rally

Dirt Rally フルHD(1920×1080) – 平均フレームレート

  • Core i7 7700
    175
  • Core i7 7700K
    207
  • Core i5 7600K
    192

フレームレートが出やすいように中間設定を使った。こういう環境だとボトルネックを認識しやすいので。結果、i7 7700Kが15%ほど高いフレームレートを記録した。

Grand Theft Auto V

Grand Theft Auto V フルHD(1920×1080) – 平均フレームレート

  • Core i7 7700
    139
  • Core i7 7700K
    145
  • Core i5 7600K
    114

GTA V(フルHD)でも、設定からクオリティを「高」にし、MSAA(アンチエイリアシング)を切ってフレームレートが出やすい状況に。結果、やっぱりi7 7700Kが5%ほど優秀でした。

Hitman 2016

Hitman 2016 フルHD(1920×1080) – 平均フレームレート

  • Core i7 7700
    126
  • Core i7 7700K
    128
  • Core i5 7600K
    95

DirectX12環境のHitman 2016ではこんな感じ。このゲームは割りと最適化が進んでいて、4スレッドか8スレッドかの違いでこれだけフレームレートに差が出てくれます。無印とK付きの差はわずかですね。

Rise of the Tomb Raider

Rise of the Tomb Raider フルHD(1920×1080) – 平均フレームレート

  • Core i7 7700
    164
  • Core i7 7700K
    168
  • Core i5 7600K
    187

グラフィック品質を「中」にして計測。このゲームはCPUの影響を順当に受けるはずですが、なぜかCore i5の方が優秀という結果に…。

まぁ、Core i5のデータは少々あやしいので無視し、純粋にCore i7 7700 と 7700Kの性能差に注目しよう。やはりK付きの方が、わずかではあるが高いフレームレートを記録している。

結論:タイトルによって差はあれどi7 7700Kの方が優秀

ゲームタイトルによってバラツキが大きいが、概ねCore i7 7700Kは無印と比較して2~15%程度。高いフレームレートを出せることが判明した。ただ、これは判断に悩むところですね。

まとめ:i7 7700と7700Kの選び方

ここまで見てきたとおり、CPUの処理性能も、ゲーミング性能も、すべてクロック周波数にそった結果でした。確かに性能差は価格差よりも大きいですが、状況によってどちらを選ぶべきか変わってくる。

自作PC派の場合

Amazonやドスパラからパーツを自分で仕入れて、自分で組み立ててOSのインストールまで行う「自作PC」の場合。これは間違いなく「Core i7 7700K」を選んだほうが良い。

最安パーツを仕入れることが出来れば、価格差は2000~3000円程度の抑えることも可能だから、払っても特に損した気持ちにならない「価格差」だ。

しかも、自作PC派はオーバークロックをする人も多いので、OC可能な「K付き」モデルの方が性に合ってます。

BTOで購入する派の場合

すべてのBTOメーカーがそうとは言いませんが、i7 7700 → i7 7700Kへのアップグレードは意外と「差額」が大きい。ドスパラの場合だと税込みで1万円近くも変わってしまいます。

 ドスパラさんは親切に「大型空冷ファン」を取り付けてくれるので、その分高くなってしまう。あと7700Kにはリテールクーラーが付属しないという事情もある。

無料で「K付き」にしてくれる時は、ぜひ「K付き」を選ぼう

なので、基本的にカスタマイズからK付きにアップグレードするメリットはかなり薄い。無料アップグレードを行っているなら、K付きにしても大丈夫です。

i7の選び方i7 7700i7 7700K
自作PC派No推奨
BTO派推奨無料なら推奨

ということだ。

以上「i7の悩み、7700無印と7700Kはどっちを選べば良いのか?」について書きました。

PCの、悩ましい~記事

最近はAMDから超コスパの良い8コアCPU「Ryzen 7」という製品も出ているから、「i7とRyzen 7どっちがいいんだろう。」と悩むケースもあるようだ。それを解説した記事。

意外とお金のかかる「メモリー増設」。余裕を持って16GBという話も聞くけど、やっぱり高い。8GBじゃダメなのか。という悩みにデータを駆使して答えてみた記事。

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4 件のコメント

  • 個人的には7700Kの、他では出せないクロック数があってこそのi7だと思うので、
    7700で足りるんだったらもっと安いi5やRyzen5を選んじゃいます。
    OC込みの7600K/1600Xなら逆転も狙えるでしょうし。

    ……BTOの場合は、こいつらを標準で載せてるモデルなんてほとんど無いですけどね……。

    • < BTOの場合は、こいつらを標準で載せてるモデルなんてほとんど無いですけどね

      時期によって標準CPUはかなり変動していますね。人気モデルなら「7700K」に無料アップグレードされやすいし、不人気モデルだと「7700」のままだったりします。

      < 他では出せないクロック数があってこそのi7

      ぼくも7700Kの常時4.0Ghz超えは非常に良いと思ってるので、基本的には「7700K」で良いと思ってる。自作派なら尚更「K付き」で良いですね。

  • 普通に60fpsターゲットなら無印で十分です。
    ただ、DX12の事を考えるとi5よりi7にしとけって感じですね。

    現在K付きCPU使ってますがOCの必要性は感じないし、OCした所で体感できるほどの差は無いです。
    逆に発熱が増加して冷却に神経使うし消費電力も増えるわでOCはあまりお勧めしません。
    なので自分はずっと定格運用です。
    まあベンチマークが趣味な場合は話が別ですが。

    • i7 7700Kをオーバークロックする意味は、GTX 1080 ~ 1080 TiなどのハイエンドGPUを使っていて、かつフルHD画質の場合に、フレームレートを追求する時くらいですね。定格でも4.0Ghz超えなので、基本的にはおっしゃる通り十分な性能です…。

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