i9も冷や汗、Ryzen Threadripper 1950Xの驚異的な性能と解説

AMDがHEDT市場向けに投入した「Ryzen Threadripper」の最上位、1950Xが8月10日に発売された。米国価格はわずか999ドルでありながら、16コア / 32スレッドという驚異的(インテルにとっては脅威的)なスペックを保有する。

さて、仕様と価格だけでも驚きなわけだが、その中身の性能も凄まじい出来栄え。インテルがRyzen 7を抑えるために急遽投入した「Core i9」も冷や汗モノの圧倒的コスパがRyzen Threadripperの強力な武器。この記事ではRyzen 1950Xのベンチマークデータを見ながら、その凄さを確認する。

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Ryzen 1950X / 仕様 & 価格

Ryzen Threadripper 1950X パッケージ
Ryzen Threadripper 1950XRyzen Threadripper 1950XRyzen Threadripper 1950XRyzen Threadripper 1950X

独特な丸みのあるフォルムが特徴的なパッケージ。高さ20cmくらいはあるので割りと大きいです。

世代Zen
CPURyzen Threadripper 1950X
プロセス14nm
コア数16
スレッド数32
ベースクロック3.4 Ghz
ブーストクロック(16コア)3.7 Ghz
ブーストクロック(4コア)4.0 Ghz
XFRクロック(4コア)4.2 Ghz
L2 Cache8 MB (512KB * 16)
L3 Cache32 MB (2048KB * 16)
PCIe レーン数64
OC可否可能
対応メモリx4 DDR4-2667
TDP180W
対応ソケットAMD TR4
サポート機能AMD SenseMI Technology
AMD Ryzen Master Utility
AMD Ryzen VR-Ready Premium
Virtualization
AES
AVX2
FMA3
MSRP$999.99

999ドル(MSRP=希望小売価格)という価格設定が怖すぎる。実際に米国Amazonでは本当にこの価格で販売されており、Core i9キラー化しつつある。ちなみに国内は149800円でスタート。なぜだ…日本市場は舐められているのか…?

悲しすぎる、日米の価格差
Ryzen Threadripper 1950XRyzen Threadripper 1950X

※価格のキャプは2017/08/11に撮影。

Ryzen 1950X / 性能 & ベンチマーク

「Ryzen Threadripper」の性能がえげつない結果になるのは、なんとなく見る前から想像がつくが実際に見てみないと本当にすごいCPUか判断はできない。以下、各種ベンチマークが続きます。

Cinebench R15

Ryzen Threadripper 1950X / Cinebench R15 Single

  • i7 7700K
    191cb
  • i9 7900X
    189cb
  • Ryzen 1950X @4.0Ghz
    169cb
  • Ryzen 1920X
    168cb
  • Ryzen 1950X
    166cb
  • Ryzen 7 1800X
    161cb

シングルスレッド性能が低いのはZen世代全体を通して共通です。ゲーミング性能が損なわれるのは間違いないが、その分他のプレミアムがあまりにも強すぎるため「Core i9」は競争力に欠けるだろう。さて、その強すぎるプレミアムを確認する。

Ryzen Threadripper 1950X / Cinebench R15 Multi

  • Ryzen 1950X @4.0Ghz
    3482cb
  • Ryzen 1950X
    3000cb
  • Ryzen 1920X
    2459cb
  • i9 7900X
    2350cb
  • Ryzen 7 1800X
    1637cb
  • i7 7700K
    960cb

Core i9 7900Xと、Ryzen 1950XのMSRP(希望小売価格)はほぼ互角ということを忘れてはいけない。同じ価格で、Ryzen Threadripperはここまでやれる。あまりにも脅威的、強すぎるプレミアムである。宇宙人(ジムケラーさん)の置き土産はやはりすごすぎた。

2017年時点で、1000ドル以下のCPUとしては史上最強のポジションについたということです。コンテンツクリエイターは不当に高いXeonを買わされてきたが、もうその心配は無さそうですね。Ryzen 7ですら驚きの性能だったのに、この1950Xは次元が違いすぎて2017年は本当にすごい年になったな、という印象。

 それだけに舐めた国内価格にいらだちを覚える。1950Xも12万円くらいで売るべきだろうに…。

CPU-Z Benchmark

Ryzen Threadripper 1950X / CPU-Z v1.78 Single

  • Ryzen 1950X @4.0Ghz
    2344
  • Ryzen 1950X
    2337
  • Ryzen 1920X
    2328
  • i7 7700k
    2235
  • Ryzen 7 1800X
    2229
  • i9 7900X
    2146

CPU-Zに付属しているベンチマークの結果。圧倒的なスコアが出ている。

Ryzen Threadripper 1950X / CPU-Z v1.78 Multi

  • Ryzen 1950X @4.0Ghz
    39370
  • Ryzen 1950X
    35090
  • Ryzen 1920X
    28276
  • i9 7900X
    23714
  • Ryzen 7 1800X
    19211
  • i7 7700K
    9537

シングルスコアから想像できるけれど、やはり実際に数値を見ると脅威的 & 驚異的。シングルソケットで30000スコアを軽々しく超えてしまうとは…。

7-Zip 圧縮 & 解凍

Ryzen Threadripper 1950X / 7-Zip 圧縮(32MB)

  • Ryzen 1950X @4.0Ghz
    52MB/s
  • i9 7900X
    44MB/s
  • Ryzen 1920X
    38MB/s
  • Ryzen 1950X
    37MB/s
  • Ryzen 7 1800X
    32MB/s
  • i7 7700K
    23MB/s

圧縮スピードに関しては割りとクロック周波数が重要になってくるので、定格ではi9 7900Xに負けてしまうが4.0Ghzだと1950Xが最高速度をマークして圧勝。1GBのファイルも20秒で圧縮が完了してしまう。

Ryzen Threadripper 1950X / 7-Zip 解凍(32MB)

  • Ryzen 1950X @4.0Ghz
    1060MB/s
  • Ryzen 1950X
    918MB/s
  • Ryzen 1920X
    761MB/s
  • i9 7900X
    687/s
  • Ryzen 7 1800X
    516MB/s
  • i7 7700K
    264MB/s

そして解凍。解凍スピードはその暴力的なマルチコアの力がいかんなく発揮されています。秒間1GBで解凍…。これだけのスピードが出るので、メモリーも一切ケチらずに32GBは積まないとね。圧縮と解凍はメモリーを相当に食うので。

Google Chrome

Ryzen Threadripper 1950X / Google Chrome – Mozilla Kraken v1.1

  • i9 7900X
    658ms
  • i7 7700K
    681ms
  • Ryzen 7 1800X
    735ms
  • Ryzen 1920X
    932ms
  • Ryzen 1950X @4.0Ghz
    938ms
  • Ryzen 1950X
    945ms

Javascriptベースのベンチマーク。うーん…コア数多すぎてソフトウェア側の最適化不足が否定できない感はある。あとはシングルスレッド性能の影響でしょうね。Intel CPUはシングル性能に関しては依然として強いですから。

コンテンツクリエイター向け「FryBench」

Ryzen Threadripper 1950X / FryBench x64(分)

  • Ryzen 1950X @4.0Ghz
    1.31
  • Ryzen 1950X
    1.34
  • i9 7900X
    1.42
  • Ryzen 1920X
    1.48
  • Ryzen 7 1800X
    2.48
  • i7 7700K
    3.46

FryBenchはリアルタイムレンダリングの速度を、極めて正確に計測できるベンチマーク。CPU本来の処理性能をCinebenchと同様にかなり高い精度で計測できるために、3D関係のコンテンツクリエイターだけでなく、一般的なPCユーザーからも支持を集めている。

結果は見ての通り、ちゃんと最速の地位をマークしました。定格でもその性能は圧倒的。i7 7900Xよりも10秒速い。おそらく今後出てくるi9 7960Xや7980XEには負けてしまう可能性が高いが、価格を考えれば勝つのはRyzen 1950Xでしょう。

エンコード速度「Handbrake」

Ryzen Threadripper 1950X / Handbrake H.264 150MB

  • Ryzen 1950X @4.0Ghz
    55.62fps
  • i9 7900X
    55.56fps
  • Ryzen 1920X
    53.11fps
  • Ryzen 1950X
    51.36fps
  • Ryzen 7 1800X
    47.33fps
  • i7 7700K
    36.11fps

動画エンコードソフト「Handbrake」を使って速度を測る。フルHD画質(1080p)の容量150MBの動画をエンコードして、1秒あたりのレンダリングされたフレーム数(平均値)でCPUの性能を判断する。

ただ、注意したいのはHandbrakeは意外と使えるスレッド数に限りがあり、コア数が10を超えてくるとクロック周波数の方がパフォーマンスに影響を与えるようになってしまう。結果を見てもその通りで、定格では1920Xの方が1950Xよりも速いし、i9 7900Xも強いですね。

3DMark Time Spy – CPU

Ryzen Threadripper 1950X / 3DMark Time Spy CPU Score

  • Ryzen 1950X @4.0Ghz
    10775
  • Ryzen 1920X
    10230
  • Ryzen 1950X
    9949
  • i9 7900X
    9898
  • Ryzen 7 1800X
    8378
  • i7 7700K
    5301

3DMark Time SpyはDX12ベースのベンチマーク。スコアには独自の重み付けが行われており、その中にCPUの影響も少し加算されるようになっています。ただし、実際のゲーミング性能とはズレやすいので参考程度にしておくのが良い。

 ズレやすい = Time Spyでは割りとRyzenが評価されていますが、現実のゲーミングではシングル性能が高いCore i7のほうがフレームレートは出やすいという意味。少しずつ改善はされていますけどね。

Ryzen 1950X / ゲーミング性能 & 動作フレームレート

Hitman 2016

Hitman 2016 DX12 – 1920×1080 – GTX 1080

  • i9 7900X
    138fps
  • i7 7700K
    124fps
  • Ryzen 1950X @4.0Ghz
    120fps
  • Ryzen 7 1800X
    118fps
  • Ryzen 1950X
    115fps
  • Ryzen 1920X
    106fps

Hitman 2016のようなDirectX12ベースのゲームだと多少はマルチスレッド性能が効きやすいのですが、それでもインテル勢には届きづらい傾向。

Hitman 2016 DX12 – 2560×1440 – GTX 1080

  • i9 7900X
    105fps
  • i7 7700K
    105fps
  • Ryzen 1950X @4.0Ghz
    103fps
  • Ryzen 1950X
    102fps
  • Ryzen 7 1800X
    100fps
  • Ryzen 1920X
    99fps

WQHD画質にするとボトルネックは抑えられる。

Rise of Tomb Raider

Rise of Tomb Raider DX12 – 1920×1080 – GTX 1080

  • i9 7900X
    140fps
  • i7 7700K
    139fps
  • Ryzen 1950X @4.0Ghz
    139fps
  • Ryzen 7 1800X
    138fps
  • Ryzen 1950X
    136ps
  • Ryzen 1920X
    122fps

Rise of Tomb Radierでは…

  • DirectX12であること
  • Ryzenに最適化されたパッチが出ていること

これらの影響でRyzen Threadripperは想像以上のゲーミング性能を発揮できている。

Rise of Tomb Raider DX12 – 2560×1440 – GTX 1080

  • i9 7900X
    94fps
  • Ryzen 1950X @4.0Ghz
    93fps
  • Ryzen 1950X
    92fps
  • Ryzen 1920X
    92fps
  • Ryzen 7 1700X
    92fps
  • i7 7700K
    92fps

WQHD画質だと、どのCPUもグラボ本来の性能を引き出せており、もはやゲーミングなら「Core i7」という傾向も消えつつある。わずかなフレームレートを取るか、それ以外の圧倒的なプレミアムを取るか。…間違いなく後者だよなぁ…。

Deus Ex : Mankind Divided

Deus Ex : Mankind Divided DX12 – 1920×1080 – GTX 1080

  • i9 7900X
    107fps
  • i7 7700K
    106fps
  • Ryzen 1950X @4.0Ghz
    98fps
  • Ryzen 7 1800X
    97fps
  • Ryzen 1950X
    93ps
  • Ryzen 1920X
    93fps

かなりの重量級タイトル「Deus Ex Mankind Divided」ではこんな感じ。確かにボトルネックは生じているものの、10fps程度の差ですからね。よほどフレームレートに掛ける思いがなければ、わざわざi7 / i9を選ぶ理由は無いな。

Deus Ex : Mankind Divided DX12 – 2560×1440 – GTX 1080

  • i9 7900X
    70fps
  • Ryzen 1950X @4.0Ghz
    70fps
  • Ryzen 1950X
    70fps
  • Ryzen 1920X
    70fps
  • Ryzen 7 1800X
    69fps
  • i7 7700K
    69fps

WQHD画質。ボトルネックは完全に消失した。

Watch Dogs 2

Watch Dogs 2 DX11 – 1920×1080 – GTX 1080

  • i9 7900X
    84fps
  • i7 7700K
    83fps
  • Ryzen 1950X @4.0Ghz
    83fps
  • Ryzen 1950X
    82fps
  • Ryzen 1920X
    80ps
  • Ryzen 7 1800X
    80fps

Watch Dogs 2 DX11 – 2560×1440 – GTX 1080

  • i9 7900X
    59fps
  • i7 7700K
    59fps
  • Ryzen 1950X @4.0Ghz
    59fps
  • Ryzen 1950X
    58fps
  • Ryzen 1920X
    58ps
  • Ryzen 7 1800X
    58fps

DirectX11環境でここまでやれるとは…予想以上の強さです。

Resident Evil 7

Resident Evil 7 DX11 – 1920×1080 – GTX 1080

  • Ryzen 1950X @4.0Ghz
    144fps
  • i7 7700K
    143fps
  • Ryzen 1920X
    143fps
  • Ryzen 1950X
    142fps
  • Ryzen 7 1800X
    142ps
  • i9 7900X
    141fps

バイオハザード7のことです。単にぼくはResident Evil(レシデントイーヴィル)という呼び方の方が好きなんです。さて、DirecrX11環境ですが…ものともせず普通に動いていますね。

Resident Evil 7 DX11 – 2560×1440 – GTX 1080

  • Ryzen 1950X @4.0Ghz
    93fps
  • i7 7700K
    93fps
  • Ryzen 1950X
    92fps
  • Ryzen 1920X
    92fps
  • Ryzen 7 1800X
    92ps
  • i9 7900X
    92fps

当然WQHDでは問題なし。

3DMark Fire Strike

3DMark Fire Strike – GTX 1080

  • Ryzen 1950X @4.0Ghz
    19521
  • Ryzen 1950X
    19333
  • i9 7900X
    18888
  • i7 7700K
    17854
  • Ryzen 7 1800X
    17087
  • Ryzen 1920X
    16818

FireStrikeはDirectX11環境。やはり3DMarkではCPU性能がある程度評価されるため、Ryzen 1950Xが最強の地位についた。

3DMark Time Spy

3DMark Time Spy – GTX 1080

  • Ryzen 1950X @4.0Ghz
    7655
  • i9 7900X
    7599
  • Ryzen 1920X
    7581
  • Ryzen 1950X
    7414
  • Ryzen 7 1800X
    7284
  • i7 7700K
    6490

次はDirectX12環境のTime Spyを確認。DX12になるとRyzenの性能が効率よく発揮されるのがわかります。FireStrikeではいまいち振るわなかった1920Xが、性能通りの位置に復活している。1950Xはクロック周波数でやや負けるが、4.0Ghz状態では最強のポジション。

Ryzen Threadripper 1950X / 消費電力 & 温度

消費電力

Ryzen Threadripper 1950Xの消費電力

  • アイドル時
    95W
  • ウェブ閲覧
    106W
  • Cinebench R15 S
    117W
  • Cinebench R15 M
    261W
  • ゲーミング + GTX1080
    319W

1950Xは構造的にはRyzen 7を2個合成して作ったプロセッサですから、消費電力は2個分として見る必要がある。と…考えると、消費電力はとても落ち着いた水準であり、純粋な16コアプロセッサとして見ても十分に許容範囲内の消費電力だ。

先に発売されたCore i9 7900Xは10コアでありながら、爆熱 & 高消費電力だった。16コアの7960Xはどんな具合になってしまうのだろう…。安定動作させやすいという観点でもRyzen 1950Xは高い優位性を発揮できることが分かったので、ますますインテルは追い込まれ気味な印象。

全16コアを4.0GhzにOCした場合の消費電力(コア電圧は1.350V前後)

  • アイドル時
    95W
  • アイドル時
    124W
  • ウェブ閲覧
    106W
  • ウェブ閲覧
    135W
  • Cinebench R15 S
    117W
  • Cinebench R15 S
    130W
  • Cinebench R15 M
    261W
  • Cinebench R15 M
    382W
  • ゲーミング
    319W
  • ゲーミング
    329W

オーバークロックすると当然のことだが、消費電力は大幅に上昇する。

温度

CPU実際の温度オフセット表示される温度
Ryzen 1950X432770
Ryzen 1920X432770
Ryzen 7 1800X382058
Ryzen 7 1700X382058
Ryzen 7 170038038

Ryzen Threadripperは、ダイとヒートスプレッダの間にある「T Control」(tCTL)というセンサーから接合温度を報告する仕組みになっている。ここで注意したいのが、実際の温度に一定値を追加する(オフセット)ようになっていることだ。

Ryzen 7 1700にはオフセットは未設定だが、1700Xや1800Xでは20度追加するようになっていて、Ryzen Threadripper 1920Xや1950Xはさらに高い27度を追加してくる。「なんでこんなに熱いんだ…」と思っても、実際には27度低いので驚かないようにしたい。

結論:Ryzen Threadripperはインテルにとって悪夢そのもの

  • Ryzen 1950X @4.0Ghz
    3482cb
  • Ryzen 1950X
    3000cb
  • i9 7900X
    2350cb
  • Ryzen 1950X
    $999
  • i9 7900X
    $999

端的に言って、Ryzen 1950Xは一般人の手に届くCPUとしては「史上最強」と言っていいだろう。20~30万円クラスのCPUなら容易に想像できるパフォーマンスだが、Ryzen 1950Xはわずか999ドルのCPUだ。次元の違うCPUなのは間違いない。

Ryzenシリーズならではのゲーミング性能の低さも、思っていたより悪くない水準。もちろん4コアの「i7 7700K」や「i7 7740X」などと比較すれば、ゲーミング性能は最大で20%以上も引き離される事例もある。特に…

  • DX11ベースの3Dゲーム
  • フルHD画質(1920×1080)
  • GTX 1080 Ti以上のグラフィックボード

この条件がそろうと簡単に10%以上の性能差が出てしまいます。本来200fps出るはずが、Ryzen 1950Xだと160~180fps程度しか出ない…という具合に。しかし、Ryzen Threadripperはそういったガチガチのゲーマー勢を対象としていません。

今までインテルの「Xeon」が掌握してきた、コンテンツクリエイター向けの性能が圧倒的だからだ。もちろん、性能だけを見ればもっと次元の違うCPUは存在する。

このあたりのCPUは、4.0GhzにオーバークロックしたRyzen 1950Xと互角かそれ以上の性能を叩き出せる可能性が濃厚だが、Xeon Platinumの場合は価格は5800~8800ドルで、i9の場合は1600~2000ドルというお値段。

Ryzen 1950Xはわずか999ドルと、圧倒的に安い。3DCG / CAD / RAW / ゲーム開発 / ワークステーションといった用途では「Core i7 Extreme Edition」とか「Xeon E5 / E7」といったインテル製CPUがほぼ独占している。

Ryzen Threadripperはそういったプロのクリエイターや、エンタープライズ市場で十分に戦っていけるはずだ。しかも価格帯的にエンスーにも受けが良さそうなので、Threadripperを支持してくれる市場は意外と多い

Ryzen Threadripperの良いところ

  • 圧倒的なマルチスレッド性能
  • 16コアCPUとしては落ち着いた消費電力
  • 新ソケット「TR4」は未成熟なので伸びしろがある
  • ソフトウェア側の最適化も不足気味なので伸びしろがある
  • 優れたIO帯域幅(PCIeは64レーン、メモリはクアッドチャネル対応)
  • 同価格帯のCore i9に対して99.9%勝てる性能

そう、伸びしろがあるのは良いことですね。Core i9はSkylake世代なので最適化は概ね完了、今以上の性能には成りえない。しかし、Ryzen Threadripperはとても新しいCPUで、インテル慣れしているソフトが多いこともあり、伸びしろに期待できる。

それ以外の良いところは言うまでもないかな。同じ値段を払うなら、9割はThreadripperの方が強いんだからCore i9を選ぶ理由がほとんど無いってことです。あえてi9の強みを挙げると…AVX-512をサポートしている点か。

Ryzen Threadripperの悪いところ

  • やはりインテル勢に対してゲーミング性能がやや劣る
  • 米国価格は999ドルなのに、日本価格は15~16万円と盛り過ぎ!!!
  • 水冷クーラーがほぼ確実に必要なこと(AMD様が公式に水冷で冷やせよと、声明を出しているくらい※)
  • TR4対応マザーボードが5~7万円と、かなり高い(これはLGA2066対応マザボにも同じことが言える)
  • Ryzenの処理性能はメモリクロックに影響を受けるので、その分コストが掛かる(高速メモリは値段が高い)

いろいろと挙げてみた。基本的には初期コストが「Ryzen 7」とくらべて別格に高いってことです。日本国内で済ませようとすると、CPU+マザボだけで20万が吹っ飛んでしまう。米国価格なら1300~1400ドル程度で済ませることも可能だから、国内価格はあまりにも割高だ。

他には水冷クーラーがほぼ必須だからその分のコストも掛かるし、メモリもせっかく使うならDDR4-3000やDDR4-3333といった高速メモリーじゃないと真価が発揮できない(→おすすめDDR4メモリー)。

なお、ゲーミング性能の悪さは一応挙げているが、別にそこまで気にするデメリットではない。ディスプレイをWQHDや4Kにすればボトルネックは簡単に消失するし、グラボもGTX 1070程度までだったら性能差はあまり出ない。

※公式声明はこちら(AMD:Exceptional processors deserve exceptional cooling

つまり…

「うーん。インテルまじでやばい…。」

インテルにとって最も大きな収益源の一つであるサーバー市場に関しても、Ryzen 7を4個組み合わせた「AMD EPYC」が猛威を振るう予定。2017年はインテルにとって災難な年になるね。以上「Ryzen Threadripper 1950X【ベンチマーク、性能、評価まとめ】」でした。

Ryzen Threadripper関連商品

1000ドル以下のCPUでは史上最強なのに、国内価格が50~60%も割高なのが悔やまれる。

Threadripperは「TR4ソケット」「X399チップセット」搭載のマザボが必要。これも国内価格はかなり盛られている。

AMDが公式にRyzen Threadripperの冷却には「水冷クーラー」が必要だと言っている(AMD:Exceptional processors deserve exceptional cooling)。なので、国内で入手しやすいAMD推奨クーラーを2つほど置いておきます。

関連記事

インテルアセッテル感。進化が遅くなっていたCPU界に旋風をもたらしてくれたAMDは本当にすごい。

ぼくはAMDにお布施済み。19000円で3~4世代のCore i7並のパフォーマンスが手に入って満足してる。

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