【ベンチマーク】Radeon Vega FEの性能はGTX 1080以下

個人的には「悲報」かな。「Vega Frontier Edition」は理論性能でGTX 1080 TiやTitan Xpすら凌駕しているはずだったが、実際のゲーミングパフォーマンスではGTX 1080にすら届かない、残念な性能。簡単にまとめておきます…。

Sponsored Link

Radeon Vega Frontier Editionって?

AMDがVega世代として初めてロンチする、プロのクリエイターや、深層学習・機械学習向けのGPU。

RX 570RX 580R9 Fury XVega Frontier Edition
GPUPolaris 10 ProPolaris 10 XTFiji XTVega 10
プロセスルール14nm14nm28nm14nm
コア毎シェーダー数64646464
ストリームプロセッサ2048230440964096
半精度(FP16)5.095 TFLOPs6.175 TFLOPs8.6TFLOPs25 TFLOPs
単精度(FP32)5.095 TFLOPs6.175 TFLOPs8.6TFLOPs13 TFLOPs
レンダー出力ユニット数32326464
テクスチャユニット数126144256256
メモリインターフェース256-bit256-bit4096-bit2048-bit
搭載メモリ4/8GB GDDR54/8GB GDDR54GB HBM16GB HBM2
メモリ帯域幅224GB/s256GB/s512GB/s480GB/s

公称スペックはこの通り。高速メモリのHBM2を16GBも搭載する上に、理論性能は単精度(FP32)で13 TFLOPsと既存の一般向けGPUを圧倒する最強クラスの性能だった。

Radeon Vega FEのベンチマーク

PC Perspectiveが、2017年6月30日発売された「Radeon Vega FE」の空冷モデルを世界最速でレビューしていたので、そちらを参考にまとめます。

テスト環境

PC Perspective – テスト環境
CPUIntel Core i7-5960X Haswell-E
M/BASUS Rampage V Extreme X99
メモリG.Skill Ripjaws 16GB DDR4-3200
SSDOCZ Agility 4 256GB (OS用)
Adata SP610 500GB (ゲーミング用)
電源ユニットCorsair AX1500i 1500W
OSWindows 10 64bit
ドライバAMD: 17.6 (Vega)
NVIDIA: 382.53

3200 Mhzにオーバークロックされた高速メモリに、8コア16スレッドのCore i7 5960Xが使用された。ボトルネックの心配は無い。

たしかにHBM2が16GBも搭載されている

Dirt Rally

WQHD画質のDirt Rallyでフレームレートを計測した。GTX 1080 Tiだけが飛び抜けたパフォーマンスを示し、Vega FEを含む他のGPUは同じような感じ。

WQHD画質では、Vega FEはGTX 1080 TIに対して約37%ほど遅く、GTX 1080に対しても11%遅い。GTX 1070より2%速いが、価格を考えればVega FEは選択肢にならない。

Fallout 4

Fallout 4のWQHD画質でも傾向は変わらず。Vega FEはGTX 1080 Tiに対して32%遅く、GTX 1080に対しては8%遅かった。GTX 1070より10%速い程度のパフォーマンス。

Grand Theft Auto V

GTA 5もひどい結果。

  • GTX 1080 Tiより33%遅い
  • GTX 1080より31%遅い
  • GTX 1070より19%遅い
  • R9 Fury Xより16%速い

ゲーミング用には必要が無いな。

4K画質だともっとひどい。GTX 1080 Tiに対して50%も遅いという有様。画質が上がればHBM2 16GBが効いてくると勝手に思っていたが、この結果を見る限りはそうでもないんですね…。

Hitman 2016

Hitman 2016はDirectX12対応だから、AMD Radeonが吹き返すか。なんて思ったが、やっぱりGTX 1080にすら届かない残念パフォーマンス。

  • GTX 1080 Tiより30%遅い
  • GTX 1080より14%遅い
  • GTX 1070より32%速い

ふーむ。「GTX 1070 Ti」と言っていい性能か。価格と消費電力が半端ないから、どちらにせよ選択肢にはならないが。

Rise of the Tomb Raider

AMDが得意そうなゲームタイトルですが、残念ながら…。

  • GTX 1080 Tiより38%遅い
  • GTX 1080より13%遅い
  • GTX 1070より11%速い

The Witcher 3

DX11環境のWitcher 3では、GTX 1070とほとんど差が無いVega FE。

3DMark Fire Strike

グラフィックボードの定番スコアとして使われる「3DMark Fire Strike」での検証。グラフィックススコアを見てみると、GTX 1080に迫るスコアは出ている。

ただ、AMD Radeon系はFire Strikeのスコアと実際のパフォーマンスが一致しないことが多い。今回のVega FEもGTX 1080に迫るスコアでありながら、実際の性能は10~19%ほど遅いものだった。

UltraモードだとHBM2であることの優位性がほんの少しだけ垣間見える傾向になった。潜在的にはGTX 1080相当の性能は持っていそうだが…。

その一方で、専門分野はめっぽう強い

そもそもVega FEはゲーミング専用ではない。ゲーミング向けには「Radeon RX Vega」が8月初頭にロンチ予定だからね。では、もともと想定していたコンテンツクリエイター向けの性能はきちんと備えているのか?

SPECviewperf 12.1.1

GPUスコア価格コスパ
Radeon Vega FE1479990.147
Titan Xp17615990.110
Radeon Pro Duo7614990.051
Quadro P500014918860.079
Quadro P40001308690.150
QUadro P20001004690.213

残念ながらTitan Xpには負けてしまいましたが。同じ性能を持つ「Quadro P5000」に対してはいい勝負をしている。同じ性能で価格は半額ですから、クリエイター向けGPUとしては頑張っているかと。

CATIA Viewset (Catia-04)

GPUスコア価格コスパ
Radeon Vega FE1299990.129
Titan Xp10215990.064
Radeon Pro Duo7314990.049
Quadro P500015318860.081
Quadro P40001278690.146
QUadro P20001064690.226

CATIAによるベンチマークでは、Titan Xpを圧倒したものの…。Quadro P5000に負けてしまった。更にQuadro P4000とも同格の性能という結果になっている。…コスパを考えるとP4000の方が良いという何とも言えない結果だ。

Cinebench R15 OpenGL

Cinebench R15の「OpenGL」テストはこの通り。とりあえずTitan Xpを上回る性能を見せた。ここだけ、理論通りの性能が出ている…という感じだ。

消費電力

電源コネクタとPCIeインターフェイスから、直接電力を測定したところ、Vega FEの消費電力は300W近いことが判明。見ての通り、これはGTX 1080 Tiよりも50Wほど多い消費電力で、最近のGPUでは非常に高い水準と言える。

「Vega FE」まとめ

Vega FE 空冷モデル:999ドル

ゲーミング性能を重視する人にとって、Vega FEは思っていた以上に大したことの無い性能だった。DX11やDX12ベースの3Dゲームにおいて、概ねGTX 1080 TIには30~50%程度、GTX 1080に対しては10~20%程度遅い性能だ。

さすがにGTX 1070より性能は高く、「GTX 1070 Ti」相当と言えるGPUなんだが、残念ながら空冷モデルでも価格は999ドルとGTX 1080 Tiよりも高価。しかも消費電力もGTX 1080 Tiより50Wも高い。

Vega FE 水冷モデル:1499ドル

ただ、別に驚くことでもないか…。事前にAMDは「ゲーマーの方はVega RXを待ってください。より安価で、より凄まじい性能を持っています。」と言っていたから、ゲーミング性能はもともとこのくらいだったんだろう。

逆にOpenGLベースで動くアプリケーションにおいては、それなりに優れたパフォーマンスを見せた。SPECviewperf、LuxMark、Cinebenchなどを見る限り、Titan Xpよりは高く、Quadro系との比較でもそれなりに強い。

Quadro P4000以上のライバルになりうる

概ね、Vega FEは「Quadro P4000」といい勝負をする。ベンチマークによっては「Quadro P5000」よりも性能が高いため、用途と性能が一致するかどうかで選択肢が変わってくる。

まだまだシングルボード最強はこれで決まり、と言える性能には至らなかった。以上「【ベンチマーク】Radeon Vega FEの性能はGTX 1080以下」についてでした。

なお、ゲーミング向けのVegaは2017年7月末に発売される見込み。

Sponsored Link

7 件のコメント

  • 結局このベンチマークの数字ってのは何を意味してるんだろうな
    これが高ければ実際のゲームも快適ってことなんだろうか
    それ以上にSPECviewperfだのCATIAだのってのは何を意味するベンチマークなんだろう

    • SPECviewperfやCATIAは、CADや3DCGなどクリエイティブな業務をする上で必要なパフォーマンスを計測できるベンチマークです。
      Vega FEはAMD側がもともと「コンテンツクリエイター向け」を謳っていたため、ゲーミング性能は振るわない一方(GTX 1070より少々良い程度)で、Open GLベースのソフトウェアでは高い性能(Titan XpやQuadroに相当)を出せるようです。
      ゲーム目的なら「買わない一択」で、業務目的なら他のQuadro系とパフォーマンスを見極める必要がある…「Vega FE」はそんなグラボ。

  • 実際AMDの弱点ってソフトの最適化不足。いつも、最適化不足の時にベンチマーク取られるから残念判定される。

    Rx480だって、だいたい4GBとかのベンチ+最適化不足でさんざんだけど、8GB+ソフトが熟成した今なら全然悪くない。

    Vegaには期待してる。

    • DirectX12や、Vulkan APIのおかげで、少しずつRadeonの最適化が進んでいますが…まだまだDX11のゲームが多く、ゲーミング性能はNVIDIAが有利な状況。
      純粋なGPUとしての性能(FP32や、ハッシングレート)は、同じ価格で比較した場合、明らかにRadeonが優秀なので最適化さえ進めばRadeonは一気に伸びると期待してます。

  • こんな、QuadroがGTXよりゲーム性能で劣る!みたいな記事書いてもそらそうだってしかならないと思いますが、、、。Xeonとcore i7比較してシングルスレッド性能でcore i7の方が上だから、core i7の方が高性能!って書いてんのと同じですよ。用途が違うんだしもう少し考察の仕方考えた方がいいと思いました。

  • VEGA FEにはGaming ModeとRadeon Pro Modeがあることから、これらGaming Modeでの測定はそのままゲーム性能ですね。

    Fury XよりFireStrike Extremeで26%以上速いので、ゲームで20%前後の伸びは最適化不足、もしくは完璧にゲームで同等程度まで伸ばすのは不可能と思えば普通の範囲かなと。
    理論値の最大が出せるケースは限られる(実践的にはあり得ない?)のとそもそもSPだけでなくTMU とROPがFuryXと同じでクロック頼りなのも伺えます。
    対Pascalで考えると、空冷ブーストMaxwellの1.2GHzから1.7GHz越えが想定外だったような気がしてそこで構想にずれが出来てしまったかなと。
    本来のVEGAは250W内だったはずで300~375Wになる1.6GHzまで上げるつもりはなかったと思いますし。

    • GameモードとProモードでゲーム性能に差はないらしいし、FuryXのドライバ流用して使ってるそうなので、実質FuryXのOC的な状態みたいです

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。