「Radeon RX Vega」のラインナップ/性能/詳細まとめ

2017年8月、ついにAMDの最新世代「Vega」搭載のGPUが市場に透過される。7月に投入されたのはコンテンツクリエイター向けのプロ仕様で、8月に投入されるのが多くの人に期待されているゲーマー向けのゲーミング仕様。

そのラインナップや処理性能についてまとめてみます。

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Radeon RX Vega / ラインナップ

Vega最上位「Radeon RX Vega 64 Liquid」:699USD(同封版)

世代Vega 10Fiji XT
GPURadeon RX Vega 64 LiquidVega 64 LimitedVega 64 ReferenceVega 56 ReferenceR9 Fury X
プロセス14nm28nm
演算ユニット645664
ストリームプロセッサ409635844096
TMU256224256
ベースクロック1406 Mhz1247 Mhz1156 Mhz1000 Mhz
最大クロック1677 Mhz1546 Mhz1471 Mhz1050 Mhz
FP32(TFLOPs)13.712.610.58.6
VRAMHBM2 8GBHMB1 4GB
メモリーバス2048 bit4096 bit
メモリー帯域幅484GB /s410GB /s512GB /s
TDP350W295W210W275W
希望小売価格$699※$599※$499$399$649

※この価格はRadeon Packの同封価格で、単品販売ではあと100ドル安くなる可能性があります。

2017年7月時点で分かっているのは、表にまとめた通り4モデルのみ。一番右のR9 Fury Xはスペックが似ているので比較対象として入れてある。この2年、Fiji世代からVega世代への更新でスペック自体は大幅に進化している。

プロセスが28nmから14nmへと半減したことで、スペック上(見かけ)の性能は明らかに向上した。そしてGPUの理論性能を示すFP32も、Fury Xの8.6 TFLOPSから、Vega 64 Liquidでは13.7 TFLOPSになった。

この数値自体はGTX 1080 Tiすら超えている。Vega FEと違い、RX Vegaはゲーミング仕様なので、思った通りのゲーミング仕様を示す可能性は高いと言える。

  • Radeon RX Vega 64 Liquid:699ドル
  • Radeon RX Vega 64 Limited:599ドル
  • Radeon RX Vega 64 Reference:499ドル
  • Radeon RX Vega 56 Reference:399ドル

価格は最上位モデルの「Vega 64 Liquid」が699ドル。この価格は「GTX 1080 Ti」と全く同じ希望小売価格(MSRP)だ。果たしてRadeon RX Vegaは現行のGeForce 10シリーズに対して、競争力のある性能を見せられるのか…。

 ダイはかなり大きい

最上位モデルのダイサイズは484mm2で、GTX 1080 Ti(471mm2)よりも大きい。トランジスタ数も125億個であり、これもGTX 1080 Ti(120億個)より多い。スペック上は明らかに格上ではある。

最上位「Radeon RX Vega 64 Liquid」の性能

ウルトラワイドのWQHD画質(3440×1440)で、各タイトルでフレームレートを計測し、その平均値と最低値をまとめたのがこの画像。R9 Fury Xでは平均58fps程度だったのが、Vega 64 Liquidでは平均76fpsにまで改善。

比較対象になっているGTX 980 Tiには対しては当然圧勝し、GTX 1080とはほぼ互角の性能という結果に。ただし、GTX 1080のMSRPは599ドルなのでコストパフォーマンスで見るとVega 64はやや不利な結果と言える。

DirectX12環境に、Vulkan APIを適用したBattlefield 1でもベンチマークを行っている。フルHD画質では平均131fps、WQHDで平均98gps、4Kでは55fpsという結果に。さっき互角だったGTX 1080はどうなのかを確認します。

 GTX 1080のベンチマーク

  • フルHD:平均130.2fps
  • WQHD:平均94.3fps
  • 4K:平均50.6fps

DirectX11環境かつ、Vulkan APIは適用していないベンチマーク結果なので、その点は留意しておきたい。

10万円以下で最強「GTX 1080 Ti」の性能まとめ【GTX 1080と比較】 より

さすがにVulkan APIを適用しているので、Vega 64がGTX 1080を5%~10%程度上回っている。フルHD画質だと差が分かりづらいが、WQHD / 4Kへと画質が上がるに連れてパフォーマンスが向上していることから、高帯域のHBM2メモリの優位性が垣間見えた。

Vegaの販促プロモ「Radeon Pack」

Radeon RX Vega 64はセットで買うと値引きがされるお得なセット「Radeon Pack」を展開する予定。内容は…

  • Radeon Aqua Pack(Vega 64 Liquid):699ドル
  • Radeon Black Pack(Vega 64 Limited):599ドル
  • Radeon Red Pack(Vega 56):499ドル

もっとも安いRed Packだと「Wolfenstein 2」「Prey 2」の2タイトルが無料で付属する。Black PackではRyzen 7 CPUが100ドル割引で買えるようになり、Aqua Packでは更にサムスン製のウルトラワイドFreeSync対応モニターが200ドル割引で買えるようになる。

個人的にはちょっとパッとしないセットかなぁ…という印象。Radeon Packだと100ドルほど値段が上がりますからね。新しくAMDマシンを作る予定だ、という人にとって割引は美味しいと思いますが…。

なお、日本でもRadeon Packが発売されるかは不明です。

「Vega 64」の限定版とリファレンス版の違い

リファレンス版限定版

499ドルモデルの「Vega 64」には、Radeon Black Packに同封される「Limited」(限定版)と、ボード単品で販売される「Reference」(リファレンス版)の2種類が用意されています。

基本的なスペックの違いなどはほとんど無く、単に見た目が違うだけなんですよね。限定版だとVega FEに使われたようなデザインに仕上がります。リファレンス版はいつものRadeonという感じのデザイン。

限定版はおそらく単品では入手不可能だろうが、正直なところボードの見た目に100ドルも出せるかと言われると微妙ですね…。それだったら他のベンダーのオーバークロックモデルに100ドル出したほうが良いでしょう。

Radeon RX Vega Nanoが登場する予定

AMDから公式発表があったのは以上の4モデルですが、もうひとつ「RX Vega Nano」が登場する予定。中身がVega 64なのか、あるいはVega 56なのかは不明ですが、どちらにせよR9 Nano以来のNanoモデルはテンションが少しだけ上がる。

なにせ、Nanoシリーズは依然としてMini-ITXサイズのグラボとしては最強の地位を独占し続けているからね。価格が抑えられれば、小型ゲーミングPCが盛り上がりそう。

「Radeon RX Vega」のまとめ

競合する相手グラボ
Vega 10Pascal価格
RX Vega 64 LiquidGTX 1080 Ti$699
RX Vega 64 LimitedGTX 1080$599
RX Vega 64 Reference$499
RX Vega 56 ReferenceGTX 1070$399

確実にスペック(仕様)、ゲーミング性能ともにFiji / Polaris世代から進化はしている。しかし、内心ちょっと残念な部分は多い。性能 / 価格のどちらもGTX 1080と競合している点が、もっとも微妙な部分です。

GTX 1080の性能はWQHD画質はこなせるが、4K画質はこなし切れないというポジションなんですよ。この立ち位置は、「WQHD王者のGTX 1070」と「4K王者のGTX 1080 Ti」によって、完全に淘汰されてしまっている。

つまりGTX 1080の性能がそもそも中途半端という意味です。そこに競合しても旨味があまり無いし、699ドル出して「Vega 64 Liquid」を買うなら「GTX 1080 Ti」を買おうかな…と思われてしまうなんとも中途半端なライン。

仮に単品価格が599ドルに下がったとしても、GTX 1080(599ドル)と競合することに変わりはない。

AMDが出してきたGPUでは、過去最強なのは間違いないものの、依然としてGeForce 10シリーズが優位な立場にいる状況が変わらない…そんな雰囲気です。399ドルの「Vega 56」がどれほど戦えるのか、にもよりますが。

価格的にVega 56(399ドル)が競合するのは、GTX 1070(379ドル)だから、もしここを抑えることができればRX Vegaは優位な戦いが出来るかもしれない。一応、表にまとめておきます。

世代Vega 10Pascal
GPURX Vega 56GTX 1070
プロセス14nm16nm
演算ユニット5664
ストリームプロセッサ35841920
TMU224120
ベースクロック1156 Mhz1506 Mhz
最大クロック1471 Mhz1683 Mhz
FP32(TFLOPs)10.56.4
VRAMHBM2 8GBGDDR5 8GB
メモリーバス2048 bit256 bit
メモリー帯域幅410GB /s256.3GB /s
TDP210W150W
希望小売価格$399$379

カタログスペック上は完全に「Vega 56」が勝っている気がするんですが、今回のVega 64 Liquidのパフォーマンス結果を見る限りはアテにならない可能性が濃厚。個人的には、このVega 56に頑張ってもらいたいのですが…。

以上、「Vega世代のGPU、Radeon RX Vegaのラインナップまとめ」でした。

他にもある、AMDな記事

コンテンツクリエイター向けのVegaは、GTX 1080以下でした。が、これはそもそもゲーミング仕様ではないので当たり前の結果ではある。Quadroに対してはそれなりに競争力のある実力を見せていますから。

やっぱり内蔵GPUが無いのが「Core i3」を倒せない理由です。性能では勝っていても、別途グラフィックボードを購入するコストを足すと、意外と普通なコストパフォーマンスになってしまう。

なお、ぼくはAMD派です。「Vega思ったよりもしょぼい」なんて言っているが、普通にAMD応援派なので、AMDのCPUとGPUを使ったコスパマシンを作ったりしている。

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