コスパ最強GPU「GTX 1050 Ti」の性能まとめ【対 GTX 1060】

2016年末に登場したNVIDIAのミドルクラスGPU「GTX 1050 Ti」。価格コムで上位5位に食い込むなど、なかなか注目を集めているGPUで、極めてコストパフォーマンスに優れると評されています。

しかし「実際のところ、どうなんだろ。例えば値段が1.5倍違うGTX 1060と比べてさ。」と思う人はいると思うので、性能をまとめてみたい。

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GTX 1050 Tiの基本仕様 / スペック

スペックGTX 1050 TiGTX 1060 3GB
ダイ
トランジスタ数33億個72億個
ダイサイズ132mm2314mm2
プロセス14nm16nm
CUDAコア数7681152
TMU数4872
ROP数3248
ベースクロック1291 Mhz1506 Mhz
ブーストクロック1392 Mhz1708 Mhz
理論性能2138 GFLOPS3935 GFLOPS
VRAM4GB GDDR53GB GDDR5
メモリバス128-bit192-bit
メモリ帯域幅112.1GB/s192.2GB/s
TDP75W120W
希望小売価格$139$199

値段が近く、多くの人が悩む対象であろう「GTX 1060 3GB」と並べてみました。実は設計自体はほんの少しだけGTX 1050 Tiの方が新しくて、プロセスサイズが16nmから14nmへと10%ほど小型化している。

トランジスタ数はほぼ半分程度しか搭載されておらず、CUDAやTMUの数も4割ほど減っています。その代わり、希望小売価格は139ドルと、GTX 1060 3GBと比べて60ドルも安価になった。

  • GTX 1060と比べて、基本スペックは大幅に小型化
  • 価格は139ドルにまで下がり、理論性能が2000GFLOPSのGPUとしてはかなり安い

100ドル台のGPUとしては、中々パワフルな基本仕様ということ。

GTX 1050 Tiの性能(ベンチマーク)まとめ

GTX 1050 Tiの性能を確認。グラボの性能は、他のグラボとも比較して相対的に見ないとハッキリしない。今回は価格帯が近い「GTX 1050」「RX 470」、そして「GTX 1060 3GB」と比較していきます。

テスト環境
CPUCore i3 4360 @3.7 Ghz(エミュレート)
M/BGigabyte GA-X99-UD4
メモリDDR4-2666 16GB
ストレージSamsung 850 EVO 2TB
電源ユニットEVGA SuperNOVA 1300W
OSWindows 10 Pro 64bit
ドライバAMD Crimson 16.5.2/3
NVIDIA 365.19/.25

今回のテストでは、普段のテストマシンに一工夫が加えられている。Core i7 5930K(6コア)を2コアのみ有効化し、クロック周波数を3.7Ghzに落とした。こうすることで、擬似的に似た環境を再現可能(Core i3 4360相当のエミュレート)。

Core i3相当の疑似環境を使う理由も、一応解説。…ボトルネックはグラボの性能とCPUの性能にギャップが生じると発生しやすい。しかし、GTX 1050 Tiは低予算PCに使われることを想定しています。

よってCPUも低予算向けによく使われる「Core i3」あたりが現実的なんですよね。だから、わざわざ6コアの内4コアを無効化して、「Core i3 + GTX 1050 Ti」という低予算っぽいテスト環境にしている。

Ashes of the Singularity

Ashes of the Singularity – 1080p 1440p / Ultra
GTX 1060 3GB :45.9
GTX 1060 3GB :39.0
RX 470 :40.7
RX 470 :36.5
GTX 1050 Ti :29.1
GTX 1050 Ti :25.9
GTX 1050 :22.9
GTX 1050 :18.6

平均フレームレート(フルHD画質)平均フレームレート(WQHD画質)

フルHD(1920×1080)とWQHD(2560×1440)にて検証。このゲーム、画質を最高設定にすると意外と重量級。GTX 1060 3GBですら平均60超えを達成できていない。

Battle Field 1

Battle Field 1 – 1080p 1440p / Ultra
GTX 1060 3GB :94.2
GTX 1060 3GB :67.4
RX 470 :81.6
RX 470 :60.7
GTX 1050 Ti :68.4
GTX 1050 Ti :46.8
GTX 1050 :54.7
GTX 1050 :36.1

BF1は割りと軽量なゲームで、GTX 1050 Tiであれば平均68.4fpsで動作している。GTX 1050だと60fpsに届きませんね。

Civilization 6

Civilization 6 – 1080p 1440p / Ultra
GTX 1060 3GB :65.3
GTX 1060 3GB :57.5
RX 470 :50.5
RX 470 :43.3
GTX 1050 Ti :42.7
GTX 1050 Ti :36.9
GTX 1050 :37.6
GTX 1050 :32.8

シミュレーションゲーム、Civilization 6での検証。意外と重たくて60fps超えはGTX 1060のみ。GTX 1050 Tiは平均40台で、GTX 1050より17%ほど優秀。

Deus Ex: Mankind Divided

Deus Ex: Mankind Divided DX12 – 1080p 1440p / Ultra
GTX 1060 3GB :43.6
GTX 1060 3GB :28.2
RX 470 :47.2
RX 470 :30.2
GTX 1050 Ti :28.6
GTX 1050 Ti :18.0
GTX 1050 :24.1
GTX 1050 :14.9

なかなかの重量級ゲーム。DirectX12環境では、Polaris世代のRX 470が健闘しました。GTX 1050 Tiは価格の割には踏ん張っている印象。

The Division

The Division – 1080p 1440p / Ultra
GTX 1060 3GB :54.0
GTX 1060 3GB :38.3
RX 470 :50.8
RX 470 :36.9
GTX 1050 Ti :33.8
GTX 1050 Ti :24.2
GTX 1050 :30.7
GTX 1050 :21.4

DivisionではGTX 1050 Tiはなんとか平均30fps超え、GTX 1050もギリギリですね。性能差は10%程度。

Doom

Doom Vulkan API- 1080p 1440p / Ultra
GTX 1060 3GB :113.1
GTX 1060 3GB :72.0
RX 470 :109.4
RX 470 :69.8
GTX 1050 Ti :76.5
GTX 1050 Ti :46.7
GTX 1050 :52.3
GTX 1050 :30.0

Vulkan APIを適用しての検証。Vulkanを有効化するとRX 470が化けてGTX 1060に迫るパフォーマンスを記録。GTX 1050 Ti とGTX 1050の差も大きく、軽く50%近く引き離しているのが分かる。

Fallout4

Fallout4 – 1080p 1440p / Ultra
GTX 1060 3GB :78.1
GTX 1060 3GB :51.9
RX 470 :67.6
RX 470 :45.4
GTX 1050 Ti :49.9
GTX 1050 Ti :33.6
GTX 1050 :44.7
GTX 1050 :30.3

GTX 1050 TiとGTX 1050で性能差は18%くらい。設定を落とせば十分にGTX 1050 Tiで平均60fps超えは可能そうだ。

Far Cry Primal

Far Cry Primal – 1080p 1440p / Ultra
GTX 1060 3GB :60.6
GTX 1060 3GB :39.9
RX 470 :50.8
RX 470 :35.5
GTX 1050 Ti :40.2
GTX 1050 Ti :26.8
GTX 1050 :36.5
GTX 1050 :24.3

GTX 1050 TiとGTX 1050で性能差は10%弱に収まった。

Grand Theft Auto V

Grand Theft Auto V – 1080p 1440p / Ultra
GTX 1060 3GB :67.0
GTX 1060 3GB :44.3
RX 470 :50.0
RX 470 :32.8
GTX 1050 Ti :46.2
GTX 1050 Ti :29.4
GTX 1050 :41.3
GTX 1050 :26.0

GTAVはこんな感じ。GTX 1050との差は15%程度といったところ。

Hitman 2016

Hitman 2016 DX12 – 1080p 1440p / Ultra
GTX 1060 3GB :55.9
GTX 1060 3GB :40.4
RX 470 :67.6
RX 470 :49.4
GTX 1050 Ti :38.3
GTX 1050 Ti :27.8
GTX 1050 :28.7
GTX 1050 :19.5

DX12環境のHitman 2016では、やはりRX 470が奮闘してトップに。GTX 1050 Ti とGTX 1050で大きく性能差も出ていて、GTX 1050 Tiのコスパの良さが際立っている。

Rise of Tomb Raider

Rise of Tomb Raider – 1080p 1440p / Ultra
GTX 1060 3GB :45.5
GTX 1060 3GB :34.3
RX 470 :43.1
RX 470 :29.7
GTX 1050 Ti :32.6
GTX 1050 Ti :22.4
GTX 1050 :25.5
GTX 1050 :18.3

割りと重量級のゲーム。少なくともGTX 1050 Tiでなければ、平均30fpsすら満たせないようだ。

The Witcher 3

The Witcher 3 – 1080p 1440p / Ultra
GTX 1060 3GB :47.3
GTX 1060 3GB :35.6
RX 470 :43.6
RX 470 :32.5
GTX 1050 Ti :29.7
GTX 1050 Ti :21.9
GTX 1050 :26.1
GTX 1050 :19.4

Witcher 3もかなりの重量級ゲーム。RX 470が価格の割に頑張っている印象。GTX 1050 TiはあまりGTX 1050を引き離せず…負荷が一定量を超えると、差がでづらくなります。

平均パフォーマンス

検証したゲーミング性能の平均フレームレート
GTX 1060 3GB :64.7
GTX 1060 3GB :45.6
RX 470 :58.4
RX 470 :41.4
GTX 1050 Ti :42.4
GTX 1050 Ti :29.5
GTX 1050 :35.2
GTX 1050 :24.3

検証したタイトルの平均フレームレートをまとめて、総合的にGTX 1050 Tiがどれくらいの性能かを確認。GTX 1060 3GBならフルHD画質において、平均60fpsを出すのは難しく無さそう。

反面、GTX 1050 Tiは平均40fps程度になっていますね。それでも過去に販売されてきた15000円前後のGPUでは、本当に最高クラスの性能です。それに今回は最高設定でベンチマークを行っている。

設定をちゃんと調整することによって、平均fpsは簡単に改善できる。最新のゲームをそれなりの画質で遊びたいという需要を手軽に満たせるのが、GTX 1050 Tiの最大の強みです。

GTX 1050 Tiは「フル画質をそれなりの画質で遊ぶならコスパ最強」

検証したゲーミング性能の平均フレームレート
GTX 1060 3GB :64.7
GTX 1060 3GB :45.6
RX 470 :58.4
RX 470 :41.4
GTX 1050 Ti :42.4
GTX 1050 Ti :29.5
GTX 1050 :35.2
GTX 1050 :24.3

性能はGTX 1050よりも約20%程度高い(フルHD画質 / 最高設定)。これは過去、コスパ優秀だった「GTX 960」「GTX 750 Ti」などを当然上回る性能。「RX 470」や「GTX 1060 3GB」には負けているが、それらは22000円前後のグラボですから負けて当然。

過去の1万円台のミドルクラスたちを大幅に上回る性能と、75Wという省電力性は小型のゲーミングPCには最適な存在と言える。最高設定だと平均60fpsはキツイが、設定を落とすことで十分に60以上を出せるのも強み。

そしてライバルとなりうる15000円周辺のグラボにおいて、GTX 1050 Tiは「最強の性能」を持っている。

GPU性能差参考価格
GTX 1050 Ti126%15000円前後
GTX 960 4GB126%16000円前後
GTX 1050111%13000円前後
GTX 950110%12000円前後
RX 460100%12000円前後

正直言ってどんぐりの背比べみたいな価格差です。であるならば、もっとも性能が高いGTX 1050 Tiがベストな選択肢になるし、結局のところコスパは一番いいということだ。

GTX 1050 Tiが必要になる人

GTX 1050 Tiは1万円台のエントリーモデルとして、2017年時点で最強の性能を持っています。これを前提に、GTX 1050 Tiを必要とする人は以下のようになります。

  • ゲーム用にグラボが欲しいけど、2万円以上は出せない
  • そこそこのスペックの小型ゲーミングPCを作りたい
  • 1万円~1.5万円で最近のゲームを割りと動かしてくれるグラボが欲しい

あまり高い性能は求めていないが、コストパフォーマンスは捨てられない。そういう人にGTX 1050 Tiは最適なグラボだ。

GTX 1050 Tiの国内価格

「Keepa」を使って、Amazonの流通価格を調査しました。最安価モデルだと15200~17500円の範囲で推移している。性能がやや高いオーバークロックモデルだと16000~20000円ほどです。

最安価モデルはいつもどおり「玄人志向」から出ています。新品価格はおおむね15000円付近で安定している。コスパ重視ならこれ以外に選択肢はあまり無いですね。

MSIのオーバークロックモデル。価格は17000円台で安定。ベースクロックは1341Mhz、ブーストクロックは1455Mhzなので、約4%程度オーバークロックされている。4%ねぇ…。

こちらは、MSIの定番OCモデル。GTX 1050 Tiは補助電力を必要としないが、あえて補助電力を付け加えることで約7%程度の性能アップに成功している。価格は18000~21000円で推移。

個人的にはこのOCモデル、あまりオススメはできないかな。7%の性能アップとは言え、価格はそれ以上に伸びているためGTX 1050 Tiの最大のメリットであるコストパフォーマンスの高さが損なわれている気がするんですよ。

GTX 1050 Tiのちょっと微妙な部分

GTX 1060 vs GTX 1050 Ti
GTX 1060 3GB :64.7
GTX 1060 3GB :45.6
GTX 1050 Ti :42.4
GTX 1050 Ti :29.5

各種ベンチマークを見ているうちに感じた人もいると思います。

  • 1.5万円台では、コスパ最強なのは分かるけど」
  • あと7000~8000円出せば、もっと安定性が期待できるGTX 1060 3GBに手が届くのか…。」

GeForce 10シリーズは本当に出来の良いGPUでして、出した金額にふさわしい性能を提供してくれるんです。だから悩ましい。1.5倍の値段を払えば、おおむね1.5倍の性能が手に入る。

結局のところ、GTX 1050 TiとGTX 1060はちゃんと立ち位置が分かれているということ。予算が1~2万円なら「GTX 1050 Ti」だし、2万円を超えてもいいなら「GTX 1060 」だろう。

GTX 1050 Tiのまとめ

最後に「GTX 1050 Ti」について、ざーっとまとめ。

  • GTX 950や960を上回るゲーミング性能
  • フルHD画質で、それなりにゲームを楽しみたいならコスパ最高
  • 2017年時点で、1.5万円台のグラボでは最強クラスの性能
  • フルHD(最高設定)で平均60fps以上を狙うには性能不足、GTX 1060以上を推奨

1.5万円台では最強の性能であること。75Wという省電力性。驚異的なコストパフォーマンス。よってGTX 1050 Tiの評価は「Sランク」に。以上「コスパ最強GPU、GTX 1050 Tiの性能まとめ【対 GTX 1060】」でした。

ついでに読んでおきたい…

そういえば「PUBG」だと、GTX 1050 Tiはどのくらい動くんだ。と気になったら以下の記事がオススメ。

WQHD画質までを完全に掌握した、驚異的コスパの「GTX 1070」については以下の記事を。

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6 件のコメント

    • GTX 1050 ~ GTX 1080 Tiまでを含めて、全体的に見た場合。コストあたりの性能が優秀なのはGTX 1070ですが、予算で絞っていくと当然そうなりますね。ぼくも3万前後で平均60fpsも出せるGTX 1060は凄まじいと思ってるので。
      フルHDまでなら:GTX 1060がコスパ良い
      WQHDまでなら:GTX 1070がコスパ良い
      それ以上なら:GTX 1080 Tiがコスパ良い
      こんな感じで見てます。

  • Core i3 4360 でGigabyte GA-X99-UD4・DDR4-2666 16GBってどういう環境なんだろう
    LGA1150のCPUなのに Socket 2011-3のマザー・・・・・
    なんかおかしくないですか????

    • ご指摘ありがとうございます。BIOS設定から6コア中4コアを無効化し、擬似的に「Core i3 4360」相当の環境を再現しています。客観的に見ても「ややこしい」書き方だったので、分かりやすく加筆・修正しました。

  • ノート用だと価格差が大きくなったり、発熱や消費電力の都合で1050Tiは鉄板ですけどね。
    デスクトップ用だと手持ちのモニターによって選んで行く感じですかねぇ

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