Appleの最新CPU「A10X Fusion」の性能が驚異的なすごさ

日本ではAppleというメーカーは非常に有名。そう「iPhone」を作ってるメーカーとしてね。でも、SOCもすごい。Appleが開発したスマホ向けCPUで、定番なのが「Aシリーズ」と呼ばれるもの。

その最新モデル「A10X Fusion」の性能が、IntelのノートPC向けCPUすら凌駕している…という話。

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A10X Fusion

「Aシリーズ」はApple社製のフラグシップモデルに搭載される、ハイエンドなSOCだ※。最新の「A10X Fusion」の性能は、あのSnapdragon 835を超えるどころか、ノートPC向けCPUとしても驚異的な域にたどり着いている。

※過去、「A9」プロセッサは廉価モデルにあたる「iPhone SE」などに使われたことはあります。

スペック
クロック2.38 Ghz(最大)
コア数x3 ARMv8-A High-Performance
x3 ARMv8-A Energy-Efficient
プロセスルール10nm
GPUx12 Apple GPU (PowerVR Rogue)
対応API?
メモリ帯域幅?
メモリタイプLPDDR4
メモリチャネル?

Appleは他のSOCメーカー(クアルコムやサムスンなど)と比較して、ものすごく情報が少ない。それでも、表にある通りこれだけはなんとか分かった。

A10X Fusionの中に入っているCPUは、ARMv8-Aアーキテクチャに基づいたモノ。高いクロック周波数(High-Performance)で動作するコアが3つ、省電力(Energy-Efficient)に優れたコアが3つの、合計6コアのCPUだ

内蔵されているGPU(グラフィック用CPU)は、詳細な情報はほとんど無いが、おそらくは前作まで採用されていた「PowerVR Rogue」アーキテクチャに基づいたものと推測されている。コア数は12個にもなる。前作「A9X」では6コアGPUだったので、単純に倍増したということ。

そしてスペック表にはまとめていないが、A10X Fusionには「Apple M10」という組み込みCPU(中身はARM Cortex-M3)も搭載されているのが特徴。この小型CPUは、デバイスが休眠時にもデータを集め続け、再起動時に各アプリケーションにそのデータを供給することで省電力性を高めるというもの。

普通のCPUだとデバイスの起動時、一気にあれこれとやってしまうため電力消費が大きい。A10X FusionはそのApple M10のおかげで、起動時の電力消費をかなり抑えている。

A10X Fusionの性能

性能はA10X Fusion自体だけでなく、他のプロセッサと比較することで浮き彫りになってくる。ということで、今回は他のフラグシップモデルに搭載されているSOCや、IntelがノートPC向けに作っているCPUを比較対象としました。

性能比較にはベンチマークソフトを使います。スマホやラップトップでは定番の「Geekbench v4」「Mozilla Kraken」「AnTuTu v6」を。内蔵GPUのベンチマークには「3DMark」を使う。

Geekbench v4

Geekbench v4A10X FusionSnapdragon 835Exynos 8895Core m5 6Y54
Single3928205919613352
Multi9325646163376160

スマホ向けCPU(SoC)で最強に君臨していた「Snapdragon 835」を10%程度追い越せたら十分だろ…と思っていたら、計測されているスコアは驚異的なものだった。

「A10X」はシングルスレッド性能で約2倍マルチスレッド性能では約1.5倍もスコアを伸ばし、圧倒的最強のSOCになったのが分かる。さて、この9000点超えというスコアだが。

9000点超えは、以前MacBookに搭載されていた「Core i5 7267U」とほぼ同格の性能なんですよ。一昔前のノートPC向けCPUにも匹敵する性能を出せるとは恐ろしい。

3DMark – Ice Storm Unlimited

3DMark – Ice Storm UnlimitedA10X FusionSnapdragon 835Exynos 8895Core m5 6Y54
Score110560557253471256787

※3DMark – Ice Storm Unlimited Graphics Score 1280×720 offscreenに基づいたスコア

内蔵グラフィックも驚異的な進化を遂げている。Snapdragonの「Adreno 540」も、IntelのノートPC向けCPUのスコアに迫るなど、中々すごい方だったが「A10X」の内蔵GPUはあまりに強すぎる。

約11万点は「Intel Iris Graphics 540」の12万点に迫るスコアで、MacBook Proの2016年モデルと比較しても引けを取らない性能です。そう、ほぼノートPC並の性能ということだ。

Apple MacBook Pro 2016Dell XPS 13 2016

「A10X」は、2016年当時、12~16万円くらいの価格がついていたノートパソコンの内蔵グラフィックの90%程度の性能を誇る。

Mozilla Kraken 1.1

Mozilla Kraken 1.1A10X FusionSnapdragon 835Exynos 8895Core m5 6Y54
Score970230820611308

ウェブブラウザの動作速度を競う「Mozilla Kraken」でも、A10Xはその圧倒的な性能をいかんなく発揮している。970msは1秒を割れているので、「Core i5 U」や「Coer i7 U」と比較しても遜色ない性能…。

それにしても「Snapdragon 835」の2倍速というのは、なかなか衝撃的。

AnTuTu Benchmark v6

AnTuTu v6A10X FusionSnapdragon 835Exynos 8895A10 Fusion
Score222713182447168633153966

スマートフォンやタブレットでは知名度の高い「AnTuTu v6」の結果はこの通り。SoCで20万点超えは、おそらく「A10X」が初めてではないだろうか。

先行の「A10」と比べると約50%の性能アップ、「835」と比べると約20%程度の性能アップを果たしている。SoCはクラスチェンジする毎に性能がグンと伸びているのがすごいね。

「A10X Fusion」ベンチマークまとめ

ScoreA10X FusionSnapdragon 835 iconSnapdragon 835Exynos 8895Core m5 6Y54 iconCore m5 6Y54
Geekbench v4 Single3928205919613352
100%52%50%85%
Geekbench v4 Multi9325646163376160
100%69%68%66%
3DMark – Ice Storm Unlimited110560557253471256787
100%50%31%51%
Mozilla Kraken 1.1970230820611308
100%42%47%74%

「A10X Fusion」は、既存のフラグシップ級SOCに対して、ほぼ最強の性能を見せつけた。ただ、ひとつ勘違いしてはいけないのが…。「A10X」はスマホ向けというよりは、もともとタブレット向けのSOCということ。

過去、Aシリーズで「X」がつくSOCが、iPhoneなどの小型デバイスに搭載された例は無い※。Appleの次期フラグシップモデル「iPhone 8」にも、搭載されるSOCは「A10X」ではなく「A11」になるという噂がある。

※AXは基本的に「iPad Air」「iPad Pro」など、タブレットデバイスばかりに採用されているSoCです。

A9からA10へクラスチェンジした時の伸び率を考えると、おそらく「iPhone 8」に搭載されるA11は、AnTuTuで18~19万点レベルのSoCに仕上がると思います。

さすがにA10Xの22万点というスコアは、時代を飛び越えた性能ですから…(スマホ向けということを考えれば、という話)。

まとめ

「Snapdragon」を筆頭にスマートフォン向けCPUも、毎年ものすごいペースで進化をしている。そして、それよりも少し大きいタブレット向けCPUも、Intelの「Core m」やApple「A」を筆頭に順調な進化を遂げているようだ。

今回の「A10X Fusion」はタブレット(iPad Pro)に搭載される前提のCPUとしては、おそらく世界最強クラスの性能。個人的に驚異的だと思ったのは、Intelが作っている「Core m」系を一掃する性能だということ。

厳密には「Core m」ではない※が、MacBook 10に搭載されている「Core i7 7Y75」というCPU。Geekbench v4のマルチスレッド性能は約8000点で、「A10X」はそれを超えていることになるんだよ。

※正直、IntelはCome m同然のCPUを「Core i」に分類するのはやめた方がいい思う。とりあえず型番に「Y」が入っていれば、Core m同然と思っておけば良い。

  • 「A10X」は、Intelの超低電圧モデル(Y)のどれよりも性能が高い
  • 「A10X」は、スマホ向け最強の「Snapdragon 835」約1.5倍の性能
  • 「A10X」はタブレット向けCPUでありながら、ミドルエンドのノートPC並の性能を誇る

うーん…すごい…。以上、「Appleの最新CPU「A10X Fusion」の性能が驚異的なすごさ」という記事でした。

フラグシップ級「SOC」関連記事

Galaxy S8+の欧州向けモデルには、Snapdragonではなく「Exynos 8895」が搭載されている。代替品としての機能を果たせているのか確認した記事。

2017年上半期において、スマホ向けCPUで最強の性能を誇る「Snapdragon 835」についてまとめた記事。iPhone 8の「A11」と互角か、抜かされるか気になるところ。

FREETELが「フラグシップモデル」と称して売っている「極2」というスマホに搭載されているCPUについてまとめた記事。残念なことに、意外と普通です。

※スマホ向けCPUだとか、タブレット向けCPUなどと記事内では書いていますが、正しい言い方は「SoC」です。ただ、日本ではSoCという言葉の知名度があまり無さそうなので、あえてCPUと書いている。

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