Xeonを駆逐する最大32コアCPU「AMD EPYC」のスペックまとめ

AMDがIntelのサーバー向けCPUである「Xeon」を徹底的に駆逐するために開発していた、ZenベースのCPU「EPYC」のスペックと予想価格が判明した。分かりやすいように表にまとめたり、現行Xeonと比較したりしました。

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Xeonを駆逐する、サーバー向けCPU「EPYC」

見ての通り、非常に大きなCPUです。もともとAMDは「Opteron」というサーバー市場向けのハイエンドプロセッサで約20%の市場シェアを獲得していました。

しかし、Intelのサーバー向けCPU「Xeon」や、有名ではないがIBMのPowerプロセッサなどに押されて、現在はサーバー市場でのシェアをほとんど喪失していることを認めている。

サーバー市場は非常に大きいマーケットで、市場規模は220億ドルに達すると見込まれています。「Ryzen」は自作CP市場や、BTOメーカーに対して大きなインパクトを与えたが、収益改善にはサーバー市場を押さえるのは必須だ。

さて、AMDは既に「Ryzen Threadripper」で既存のXeonの半数に対して強烈なインパクトを与えていて、今回の「EPYC」はXeonの独占状態に終止符を打つためのCPUと言える。

AMD「EPYC 7000」仕様 / スペック

世代Zen
CPU名EPYC 7601EPYC 7551EPYC 7501EPYC 7451EPYC 7401EPYC 7351EPYC 7301EPYC 7281EPYC 7251EPYC 7551PEPYC 7401PEPYC 7351P
コア数32323224241616168322416
スレッド数646464484832323216644832
ベースクロック2.20 Ghz2.00 Ghz2.00 Ghz2.30 Ghz2.00 Ghz2.40 Ghz2.20 Ghz2.10 Ghz2.10 Ghz2.00 Ghz2.00 Ghz2.40 Ghz
ブーストクロック3.20 Ghz3.00 Ghz3.00 Ghz3.20 Ghz3.00 Ghz2.90 Ghz2.70 Ghz2.70 Ghz2.90 Ghz3.00 Ghz3.00 Ghz2.90 Ghz
L2 Cache
L3 Cache
対応メモリ8-Channel DDR4-26668-Channel DDR4-26668-Channel DDR4-26668-Channel DDR4-2666
PCIeレーン128128128128
対応ソケットSP3 LGASP3 LGASP3 LGASP3 LGA
TDP180W180W170W180W170W170W170W170W120W180W170W170W
予想価格$ 4000$ 3200$ 2400$ 1700$ 1100$ 800$ 600$ 400$ 2000$ 1000$ 700

見ての通り。強烈です。コア数は最も少ないもので8コア、最大32コア。HTTが有効なのでスレッド数はその2倍。

過去、こうしたサーバー向けCPUで30コアを超えるようなCPUはほとんど存在しなかった※が、EPYCはその常識を覆そうとしている。

※Xeon Phiや、スーパーコンピューターに使われている特注CPUは除く。あと、Xeon Platinum 8180が32コアCPUという噂が存在するが、実態は不明である。

なお、表の右の方にいる非常に安価なEPYCは「P付き」モデルです。Pモデルはシングルソケット仕様なので、CPUを2つ使うデュアルソケットで運用するつもりの人は要注意。

EPYC 7501 ~ 7601

CPU名EPYC 7601EPYC 7551EPYC 7501EPYC 7551P
コア数32323232
スレッド数64646464
ベースクロック2.20 Ghz2.00 Ghz
ブーストクロック3.20 Ghz3.00 Ghz
L2 Cache
L3 Cache
対応メモリ8-Channel DDR4-2666
PCIeレーン128
対応ソケットSP3 LGA
TDP180W180W170W180W
予想価格$ 4000$ 3200$ 2000

クロック周波数は2.00 Ghz ~ 3.20 Ghzで、この規模のコアを搭載するCPUとしては十分な性能と言える。何よりも「32コア / 64スレッド」のインパクトはすさまじい。

対応メモリも脅威の8チャンネルで、メモリクロックも最大で2666Mhzまで対応。クアッドチャンネルが上限だと勝手に思っていたが、その2倍のチャンネルなんて存在したんだな。

PCIeレーンも128本と、既存のIntel製CPUに対して圧倒的な差を見せつけている。PCIe x16が8本も刺さる計算だ。用途は…なんだろう、一般人なら最近流行りの暗号通貨のマイニングとか?。

そしてIntelを戦慄させているのは性能だけでなく、今までの常識では想像できない圧倒的な安価さ。32コアCPUが2000~4000ドルの範囲で購入可能って…。良い時代になりましたね。

EPYC 7401 ~ 7451

世代ZenBroadwell-EP
CPU名EPYC 7451Xeon E7-8894 v4
コア数2424
スレッド数4848
ベースクロック2.30 Ghz2.40 Ghz
ブーストクロック3.20 Ghz3.40 Ghz
L2 Cache
L3 Cache60 MB
対応メモリ8-Channel DDR4-2666Quad-Channel DDR4-1866
PCIeレーン12832
対応ソケットSP3 LGALGA2011
TDP180W165W
価格$ 2400$ 8898

クロック周波数は32コアモデルと同様に、2.00 Ghz ~ 3.20 Ghzと普通。EPYCの中では24コアCPUは「中の上」に位置するスペックだが、Xeonの中では「最高位」のスペックだ。

残酷な比較表を作りました。「EPYC 7451」は動作クロックでこそ負けているが、それ以外の要素では圧勝です。特に価格は4倍も違う。Intelなら24コアCPUは約9000ドルだが、AMDなら2400ドルで買える。

実質、選択肢はEPYCしか無い。

ただ…まだ市場で公になっていない、Skylake-EP世代のXeonたちがどう攻めてくるかによるだろう。現状、確認できている情報では「Xeon Platinum 8168」が24コア搭載で、タオバオにて3814ドルで中古販売されていた。

元の価格は不明だが、Skylake-EPは少なくともBroadwell-EPよりも格段に安くなる可能性はある。それでもSkylake-Xが「Ryzen Threadripper」に追いつけなかったことを考えると、EPYCと同額は不可能かもしれないが。

EPYC 7281 ~ EPYC7351

世代ZenSkylake-XBroadwell-EP
CPU名EPYC 7351Core i9 7960XXeon E7-4850 v4
コア数161616
スレッド数323232
ベースクロック2.20 Ghz2.10 Ghz
ブーストクロック2.70 Ghz2.80 Ghz
L2 Cache16 MB
L3 Cache40 MB
対応メモリ8-Channel DDR4-2666Quad-Channel DDR4-????Quad-Channel DDR4-1866
PCIeレーン1284432
対応ソケットSP3 LGALGA2066LGA2011
TDP170W140W115W
予想価格$ 1100$ 1699$ 3003

クロック周波数は32 / 24コアモデルと比較して低下、2.10 Ghz ~ 2.90 Ghzとちょっと物足りない。ただ、あえてのこのクロック周波数におさえている理由は、仮想敵国がBroadwell-EPのXeonだからだろう。

しかし、AMDにはもう少し頑張って「Skylake-EP」も考慮したスペックにしてほしかった。「Xeon Gold 6142」は、16コア搭載でありながら、ブーストクロック時は3.70 Ghzに達するからだ。

ただ…そうは言っても、現行のXeonに対しては圧倒的だから許せるか。Intelの16コアXeonは3000ドルだが、AMDなら1100ドルで済む。問題のXeon Goldも中古価格が1751ドルだったので、新品価格はおそらく2000ドル程度になるかもしれないし。

EPYC 7251

世代ZenSkylake-XBroadwell-EP
CPU名EPYC 7251Ryzen 7 1700Core i9 7820XXeon E7-4809 v4
コア数8888
スレッド数16161616
ベースクロック2.10 Ghz3.00 Ghz3.60 Ghz2.10 Ghz
ブーストクロック2.90 Ghz3.70 Ghz4.30 Ghz
L2 Cache4 MB8 MB
L3 Cache16 MB11 MB20 MB
対応メモリ8-Channel DDR4-2666Quad-Channel DDR4-2666Quad-Channel DDR4-2666Quad-Channel DDR4-1866
PCIeレーン128242832
対応ソケットSP3 LGAAM4LGA2066LGA2011
TDP120W95W140W115W
予想価格$ 400$ 299$ 599$ 1223

EPYCぶっちぎりの最下位モデル。簡単に言うと、製造したものの「不良」で終わってしまった残念な「Summit Ridge」「Zeppelin」ダイを寄せ集めて作ったようなCPUです。

例えば8コア中6コアが不良になったダイ(実質2コアのダイ)を4個まとめれば、8コアのCPUが完成しますよね。EPYC最下位モデルは、そういうモノだと思えば良い。

だから見ての通り、「Ryzen 7 1700」と比べるとちょっと面白みのない性能になるが、メモリチャンネルが8枚もあること、PCIeレーンが128本も使える点に優位性や価値を見いだせるかどうか、ってところでしょうね。

EPYCが安価な理由

EPYCの殻の内部に配置された、4つの「Zeppelin」ダイ

「Ryzen」そして「EPYC」と、Zenアーキテクチャの基づいたCPUはどれも圧倒的なマルチコアでありながら、圧倒的なコストパフォーマンスを誇る。

その理由が製造方法である。「Ryzen 3 / 5 / 7」に使われているCPUダイは「Summit Ridge」と呼ばれるもの。このダイは良い具合に出来上がると最大8コアとして使えるようになる。

この8コアダイを2つ組み合わせて作ったのが「Ryzen Threadripper」(最大16コア)で、4つ組み合わせたものが4つの「Zeppelin」ダイを搭載してこの「EPYC」(最大32コア)というわけだ。

要するに、Zenラインナップはすべて、たった1種類のダイ「Ryzen 3 / 5/ 7」「Ryzen Threadripper」までは「Summit Ridge」ダイで、EPYCは「Zeppelin」ダイなので使われているダイは2種ですね。

それでもダイの種類が少ないほど製造に必要な設備は最小限に抑えられるし、不良化してしまっても寄せ集めてマルチコアにすればいい(つまり歩留まりが良好)。だから安価に作れる。というイメージで大丈夫。

まとめ

EPYCは、少なくともBroadwell-EP世代までのXeonをすべて駆逐するCPUになる。24コアCPUのために9000ドルも払う必要はなくなった。これからは1700ドル出せば良い時代へ。

AMDも、このEPYCでサーバー市場でのシェアを上手く巻き返して欲しいところ。Intelの独占市場を壊し、また公正な競争が始まり、毎年性能がちゃんと向上する楽しいCPU界になってくれればいい。

以上「Xeonを駆逐する最大32コアCPU「AMD EPYC」のスペックまとめ」でした。

最大16コアのRyzen Threadripperについては、この記事がおすすめ。

もしかすると、EPYCの強力なライバルになる可能性を持っている「Skylake-EP」世代のXeonの、リーク情報についてまとめた記事。

とりあえず「Ryzen」ってどんなやつなの? ということを知りたい人は「Ryzen 5」について詳しく書いた記事があるのでどうぞ。

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